(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態の構成例を示す図である。情報処理装置10は、ネットワーク12を介してサーバ装置11と情報通信可能に接続される。情報処理装置10は、例えば、一以上のパーソナルコンピュータである。情報処理装置10が単一のパーソナルコンピュータである場合、情報処理装置10は、保険会社の一の営業所に設置される。また、情報処理装置10が互いに情報通信可能な複数のパーソナルコンピュータである場合、情報処理装置10は、一の営業所内に、又は複数の営業所に分散して、設置される。そして、以下で説明する情報処理装置10の動作の工程は、適宜別々のパーソナルコンピュータにより実行されてもよい。なお、ここで、パーソナルコンピュータは、可搬型のタブレット端末装置、スマートフォン等を含んでもよい。ネットワーク12は、例えば、営業所内のLAN(Local Area Network)、インターネット、アドホックネットワーク、MAN(Metropolitan Area Network)、移動体通信網もしくは他のネットワーク又はこれらいずれかの組合せである。サーバ装置11は、例えば、一以上のサーバコンピュータである。サーバ装置11が単一のサーバコンピュータである場合、サーバ装置11は、保険会社の一の営業所又はデータセンタに設置される。また、サーバ装置11が互いに情報通信可能な複数のサーバコンピュータである場合、サーバ装置11は、一以上の営業所、一以上のデータセンタ、又はこれらの組合せにおいて分散して設置される。例えば、サーバ装置11は、本実施形態における動作を連係して実行しクラウドサービスを提供する複数のサーバコンピュータであってもよい。
【0014】
本実施形態における情報処理装置10は、所定の経験値を有する習熟した担当者(以下、習熟担当者という)が、顧客の属性に基づいて保険契約候補を設計するときの設計モデル(以下、候補設計モデルという)と、習熟担当者が、保険契約候補から顧客のニーズを特定しその顧客の属性とニーズとに基づいて保険契約提案を設計するときの設計モデルと(以下、提案設計モデルという)を、サーバ装置11に機械学習させるための教師データをサーバ装置11へ送る。教師データは、任意のパーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータに格納されてから、サーバ装置11へ送られてもよい。また、情報処理装置10は、習熟担当者、又は、所定の経験値を有さない未習熟な担当者(以下、未習熟担当者という)により入力される新顧客の属性の情報をサーバ装置11へ送り、その新顧客の属性に基づき候補設計モデルにより設計される保険契約候補の情報をサーバ装置11から受けて出力し、習熟担当者又は未習熟担当者に呈示する。ここで、新顧客は、未契約の新規顧客、又は既契約を見直す既存顧客である。習熟担当者又は未習熟担当者は、呈示された保険契約候補の情報に基づいて新顧客のニーズを特定し、新顧客の属性とニーズを情報処理装置10に入力する。すると、情報処理装置10は、入力される属性とニーズの情報をサーバ装置11へ送り、その属性とニーズとに基づき提案設計モデルにより設計される保険契約提案の情報をサーバ装置11から受けて出力し、習熟担当者又は未習熟担当者に呈示する。
【0015】
情報処理装置10によれば、未習熟担当者は、例えば、習熟担当者による保険契約候補及び保険契約提案の設計をサーバ装置11に実行させてその結果を参考にすることができるので、保険契約候補又は保険契約提案の設計作業において習熟担当者の技量を学習することができる。よって、習熟担当者から未習熟担当者への技量の伝授の効率向上が可能となる。また、習熟担当者にとっては、例えば、自分又は自分と同等の経験値を有する他の習熟担当者による保険契約候補及び保険契約提案の設計をサーバ装置11に実行させることができ、顧客ニーズを確認したうえで具体的な設計・提案を行うといった、属人的になりがちな保険設計スキルを手順化、共通化できる。例えば、各担当者の技量のみならず癖又は好みが設計内容に反映される場合において、他の担当者による設計を参考にすることが可能となる。よって、習熟度に関係なく、担当者自身では思いつかなかったより良い設計につなげることが可能となる。また、保険商品・契約毎の各種制約を踏まえて設計を行う場合にありがちな人為的なエラーの削減等、保険契約候補又は保険契約提案の設計作業の効率化が可能となる。
【0016】
次いで、情報処理装置10及びサーバ装置11の構成について、
図2及び
図3を用いて説明する。
【0017】
図2は、情報処理装置10の構成例を示す図である。情報処理装置10は、入出力部20、通信部21、記憶部22、及び制御部23を有する。
【0018】
入出力部20は、ユーザの入力を検出し、入力情報を制御部23に送る入力インタフェースを有する。かかる入力インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、パネルディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、各種ポインティングデバイス、または音声入力を受け付けるマイクロフォン等を含む任意の入力インタフェースである。また、入出力部20は、制御部23が生成したりサーバ装置11から取得したりする情報を、ユーザに対して出力する出力インタフェースを有する。かかる出力インタフェースは、例えば、情報を画像・映像として出力する外付けまたは内蔵のディスプレイ、情報を音声として出力するスピーカ、プリンタ等の外部の出力機器との接続インタフェースを含む、任意の出力インタフェースである。
【0019】
通信部21は、有線または無線LAN規格に対応する通信モジュール、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するモジュール等を含む。情報処理装置10は、通信部21を介してネットワーク12に接続される。
【0020】
記憶部22は、一つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、または光メモリ等であるが、これらに限られない。各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、またはキャッシュメモリとして機能する。記憶部22は、情報処理装置10の動作に用いられる任意の情報、及び制御・処理プログラムを記憶する。
【0021】
制御部23は、一つ以上のプロセッサを有する。各プロセッサは、汎用のプロセッサ、または特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限られない。制御部23は、記憶部22に格納される制御・処理プログラムに従って動作することで、情報処理装置10の動作を統括的に制御するとともに、本実施形態に係る動作を実行する。
【0022】
本実施形態では、記憶部22は、習熟担当者及び未習熟担当者のリストを含む担当者データベース200を格納する。以下、習熟担当者及び未習熟担当者を集合的に称する場合は単に担当者という。担当者データベース200は、各担当者の、識別情報、経験値の情報、経験値に応じた習熟担当者又は未習熟担当者の区分、保険契約設計の履歴情報等を含む。これらの担当者データベース200に含まれる情報は、情報処理装置10が一のパーソナルコンピュータ等である場合には、そのパーソナルコンピュータの記憶部22に格納されてもよいし、情報処理装置10が複数のパーソナルコンピュータである場合には、複数のパーソナルコンピュータの記憶部22に分散して格納されてもよい。例えば、各担当者の、識別情報、経験値の情報、経験値に応じた習熟担当者又は未習熟担当者の区分等の情報を含むマスタデータと、各担当者の保険契約設計の履歴情報等とが、それぞれ異なるパーソナルコンピュータに格納される。
【0023】
担当者データベース200に含まれる情報のうち、経験値は、例えば、成約実績、経験年数、保有資格情報である。成約実績は、任意の期間における成約件数、任意の期間における提案件数に対する成約件数の割合(成約率)、成約件数に対し任意の期間解約されずに維持される契約件数の割合(維持率)等である。各担当者は、任意に設定される基準の経験値を有するか否かに応じて、習熟担当者又は未習熟担当者に区分される。基準の経験値は、例えば任意の成約実績、任意の経験年数、任意の資格を保有すること、又はこれらの組合せである。また、履歴情報は、例えば、各担当者が担当した顧客毎の、担当者が聴取した属性、担当者が提示した保険契約候補、担当者が特定したニーズ、担当者が提示した保険契約提案、保険契約提案による成約結果等の情報を含む。
【0024】
図3は、サーバ装置11の構成例を示す図である。 サーバ装置11は、通信部31、記憶部32、及び制御部33を有する。
【0025】
通信部31は、各種ネットワークに接続する一つ以上の通信モジュールを含む。例えば、通信部31は、有線・無線LAN規格に対応する通信モジュールを含む。サーバ装置11は、通信部31を介してネットワーク12に接続される。
【0026】
記憶部32は、一つ以上のメモリを含む。記憶部32に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、またはキャッシュメモリとして機能する。記憶部32は、サーバ装置11の動作に用いられる任意の情報、及び制御・処理プログラムを格納する。
【0027】
制御部33は、一つ以上のプロセッサを有する。各プロセッサは、汎用のプロセッサ、または特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限られない。制御部33は、記憶部32に格納される制御・処理プログラムに従って動作することで、サーバ装置11の動作を統括的に制御するとともに、本実施形態に係る動作を実行する。
【0028】
本実施形態では、記憶部32は、保険契約情報300を格納する。保険契約情報300は、各種保険商品の、商品名、保障種別、保障内容、保険料と保障額の対応付け等の情報を含む。保障種別は、保険商品毎の重視する保障の種別に応じた任意の分類であり、例えば、生存保障重視型、死亡保障重視型、医療保障重視型等である。
【0029】
また、制御部33は、情報処理装置10から送られる教師データに基づいて、候補設計モデル301及び提案設計モデル302を生成して記憶部32に格納する。教師データは、例えば、習熟担当者が顧客の属性に基づいて保険契約情報300から保険契約候補を設計するときの、又は、習熟担当者が保障種別に対応する顧客のニーズを特定したうえで顧客の属性に基づいて保険契約情報300から保険契約提案を設計するときの、顧客の属性と設計される保険契約候補又は保険契約提案との対応関係を示す。顧客の属性は、例えば、顧客の年齢、性別、家族構成、顧客が有する既存の契約内容等である。既存の契約内容に応じて保険契約候補又は保険契約提案における保険料が異なる場合は、顧客の属性と設計される保険契約候補又は保険契約提案との対応関係には、既存の契約内容と保険契約候補又は保険契約提案における保険料との対応関係が含まれてもよい。顧客が既存の契約を有さない新規顧客の場合には、既存の契約内容が属性に含まれなくてもよい。保険契約候補は、保険契約情報300から抽出され適宜調整される、保障種別、保険料及び保障額を含む。また、保険契約提案は、保険契約情報300から抽出され適宜調整される、保障内容、保険料及び保障額を含む。顧客の属性と保険契約候補又は保険契約提案との対応関係は、顧客の年齢、性別又は家族構成と、保障内容(保険期間)、既存の契約内容における修正点等との対応関係を含む。なお、候補設計モデル301及び提案設計モデル302を生成するための教師データは、互いに異なってもよい。例えば、提案設計モデル302を生成するための教師データが、顧客のニーズに対応する保障種別、及び顧客の属性と、保険契約提案との対応関係を含んでもよい。
【0030】
制御部33は、例えば、習熟担当者が顧客の属性に基づいて保険契約候補を設計するときの、顧客の属性と設計される保険契約候補との対応関係を教師データから機械学習することで、候補設計モデル301を生成する。
【0031】
また、制御部33は、例えば、習熟担当者が保険契約候補から顧客のニーズを特定しその顧客の属性とニーズとに基づいて保険契約提案を設計するときの、顧客のニーズ、つまり保障種別毎の、顧客の属性と設計される保険契約提案との対応関係を教師データから機械学習することで、提案設計モデル302を生成する。顧客のニーズは、保険種別、保障内容、保険料、保険金額等の具体例を含む保険契約候補を呈示することで顧客に認識されるニーズであって、例えば、保障種別、又は保険料に対する予算である。
【0032】
次いで、情報処理装置10及びサーバ装置11の動作について、
図4〜
図7を用いて説明する。以下では、
図4、
図5及び
図7は情報処理装置10の動作の手順例を示すが、これらの手順は、単一の情報処理装置により実行されてもよいし、複数の情報処理装置に適宜分散されて実行されてもよい。
【0033】
図4は、情報処理装置10の動作例を説明するシーケンス図である。ここには、情報処理装置10とサーバ装置11の、候補設計モデル301及び提案設計モデル302の生成・更新に係る動作手順が示される。候補設計モデル301及び提案設計モデル302は、例えば、一回的に生成された後、任意のタイミングで更新される。候補設計モデル301及び提案設計モデル302の更新は、担当者の区分変更により習熟担当者が洗い替えされたときに、直近の習熟担当者による設計スキルが反映された学習データを用いて制御部33が再度機械学習を行うことで、実行される。更新は、例えば、日次、週次、月次等、定期的に更新されてもよいし、いずれかの担当者の保険契約提案に基づく保険契約が成約したタイミングで更新されてもよい。
【0034】
情報処理装置10は、ステップS400において担当者の経験値の情報を取得し、ステップS402において担当者データベース200を更新する。情報処理装置10の制御部23は、例えば、各担当者の経験値の情報を、入出力部20に対するシステム管理者又は担当者自身の入力により、または、通信部21を介して他の情報処理装置等から、受ける。そして、制御部23は、経験値に応じて、各担当者の習熟担当者又は未習熟担当者の区別を判別し、判別結果により担当者データベース200を更新する。これにより、習熟担当者のリストが初期化又は更新される。例えば、いずれかの未習熟担当者が保険契約を成約させたことで成約実績が基準に到達したり、経験年数が基準に到達したり、あるいは基準となる資格を取得したりして習熟担当者に格上げされた場合に、習熟担当者のリストが更新される。あるいは、いずれかの習熟担当者の業績が低下して成約実績が基準を下回ったり、保有資格が何等かの理由で失効したりして未習熟担当者に格下げされた場合に、習熟担当者のリストが更新される。
【0035】
情報処理装置10は、ステップS404においてサーバ装置11に機械学習させるための教師データを生成し、ステップS406において教師データと設計モデルの生成要求をサーバ装置11へ送る。情報処理装置10の制御部23は、例えば、担当者データベース200から習熟者の履歴情報を抽出し、履歴情報に基づき教師データを生成する。また、制御部23は、候補設計モデル301及び提案設計モデル302の生成をサーバ装置11へ要求するための設計モデル生成要求を生成する。そして、制御部23は、教師データと設計モデル生成要求を、通信部21を介してサーバ装置11へ送る。サーバ装置11の制御部33は、通信部31を介して教師データと設計モデル生成要求を受ける。
【0036】
サーバ装置11は、ステップS408において、教師データを機械学習して候補設計モデル301及び提案設計モデル302を生成して格納する。サーバ装置11の制御部33は、例えば、記憶部32に格納される処理プログラムに従って、教師データを任意の手法で機械学習し、候補設計モデル301及び提案設計モデル302を生成して記憶部32に格納する。
【0037】
図4の手順により、サーバ装置11において候補設計モデル301及び提案設計モデル302が生成される。また、その後、情報処理装置10が
図4の手順を任意のタイミングでサーバ装置11と連係して実行することにより、候補設計モデル301及び提案設計モデル302が更新され、洗い替えされた習熟担当者の技量を候補設計モデル301及び提案設計モデル302に反映することができる。よって、技量が低下した習熟担当者の履歴情報を教師データから除外したり、技量が向上した未習熟担当者と習熟担当者に格上げしてその履歴情報を教師データに含めたりすることで、候補設計モデル301及び提案設計モデル302に反映される担当者の技量の高さを維持することができる。
【0038】
図5は、情報処理装置10の動作例を説明するシーケンス図である。ここには、候補設計モデル301及び提案設計モデル302が生成された後における、情報処理装置10とサーバ装置11の、保険契約候補及び保険契約提案設計に係る動作手順が示される。
図5の手順は、担当者が情報処理装置10を用いて新顧客のニーズを聴取するときに開始される。
【0039】
情報処理装置10は、ステップS500において担当者認証情報を取得し、ステップS502において担当者認証処理を実行する。例えば、情報処理装置10の制御部23は、入出力部20に対し入力される担当者のID及びパスワード等の識別情報を取得し、取得した識別情報を担当者データベース200に含まれる識別情報と照会して、担当者を認証する。このとき、制御部23は、担当者が習熟担当者であるか未習熟担当者であるかを担当者データベース200から読み出す。
【0040】
情報処理装置10は、ステップS504において新顧客の属性情報を取得し、ステップS506において属性情報と保険契約候補設計要求をサーバ装置11へ送る。例えば、担当者は、新顧客から聴取する属性を情報処理装置10の入出力部20に対し入力する。例えば、入出力部20は、新顧客の氏名、生年月日、年齢、性別、家族構成、既存契約の内容等の情報を入力する画面を表示し、担当者からの入力を受け付けて属性情報として制御部23へ送る。また、制御部23は、保険契約候補の設計をサーバ装置11に要求するための保険契約候補設計要求を生成する。そして、制御部23は、通信部21を介して、属性情報と保険契約候補設計要求をサーバ装置11へ送る。サーバ装置11では、制御部33が、通信部31を介して、属性情報と保険契約候補設計要求を受ける。
【0041】
サーバ装置11は、ステップS508において候補設計モデル301により属性情報に基づいて保険契約候補を設計し、ステップS510において保険契約候補情報を情報処理装置10へ送る。例えば、サーバ装置11の制御部33は、候補設計モデル301を用いて、属性情報に基づき保険契約情報300から必要な情報を読み出して修正することで、保険契約候補を設計する。そして、制御部33は、通信部31を介して、保険契約候補情報を情報処理装置10へ送る。情報処理装置10の制御部23は、通信部21を介して、保険契約候補情報を受ける。
【0042】
情報処理装置10は、ステップS510において、保険契約候補情報を出力する。例えば、情報処理装置10の制御部23は、入出力部20により、保険契約候補を表示する。例えば、入出力部20は、
図6Aに示す出力画面60により保険契約候補を表示する。出力画面60は、新顧客の属性情報61、保障種別62、保障種別毎の保険料63、保障内容64、及び既存の契約内容65を含む。また、出力画面60は、保障種別62毎の特徴事項66を含んでもよい。特徴事項66は、各保険種別62を新顧客に提示する際に説明すべき設計のポイントが含まれる。かかる特徴事項66は、習熟担当者が保険契約候補又は保険契約提案を設計するときに保険契約候補又は保険契約提案に付随して新顧客に提示した情報であって、新顧客による契約内容の吟味に供したものである。かかる特徴事項66の情報は、例えば、保障種別に紐づけてサーバ装置11の記憶部22に格納されており、サーバ装置11から保険契約候補とともに送られる。あるいは、特徴事項66の情報が、サーバ装置11により、候補設計モデル301又は提案設計モデル302の一部として機械学習され、設計される保険契約候補の一部に含まれた状態でサーバ装置11から送られてもよい。また、出力画面60において、保障種別62のいずれかに対し、例えば、クリック又はタップ操作がなされると、
図6Bに示す出力画面600に画面が遷移して、選択された保障種別62に対応する契約内容の情報67が入力・編集可能な態様で表示される。担当者は、表示される保険契約候補を選択肢又は素案として用いて新顧客と対話し、新顧客のニーズを特定する。新顧客も、出力画面60に表示される保険契約候補を比較したり特徴事項66の情報を検討材料にしたりすることで、自身のニーズを認識することが可能となる。ここで、ニーズは、保険種別、保険料の予算、又はこれらの組合せである。
【0043】
情報処理装置10は、ステップS512において新顧客のニーズ情報と属性情報を取得し、ステップS514においてニーズ情報、属性情報、及び保険契約提案設計要求をサーバ装置11へ送る。例えば、担当者は、特定した新顧客のニーズと属性を、情報処理装置10の入出力部20に対し入力し、制御部23がニーズ情報と属性情報を入出力部20から受ける。例えば、入出力部20は、新顧客の氏名、生年月日、年齢、性別、家族構成、既存契約の内容等の情報に加え、
図6Cに示すように、必要とされる保障種別68、許容される保険料69等の情報を入力する画面602を表示し、担当者からの入力を受け付けて属性情報及びニーズ情報として制御部23へ送る。また、制御部23は、保険契約提案の設計をサーバ装置11に要求するための保険契約提案設計要求を生成する。そして、制御部23は、通信部21を介して、ニーズ情報、属性情報、及び保険契約提案設計要求をサーバ装置11へ送る。サーバ装置11では、制御部33が、通信部31を介して、ニーズ情報、属性情報、及び保険契約提案設計要求を受ける。
【0044】
サーバ装置11は、ステップS516において提案設計モデル302により属性情報及びニーズ情報に基づいて保険契約提案を設計し、ステップS518において保険契約提案情報を情報処理装置10へ送る。例えば、サーバ装置11の制御部33は、提案設計モデル302を用いて、属性情報及びニーズ情報に基づき保険契約情報300から必要な情報を読み出して修正することで、保険契約提案を設計する。そして、制御部33は、通信部31を介して、保険契約提案情報を情報処理装置10へ送る。情報処理装置10の制御部23は、通信部21を介して、保険契約提案情報を受ける。
【0045】
情報処理装置10は、ステップS520において保険契約提案情報を出力し、ステップS522において保険契約提案情報を修正する。例えば、情報処理装置10の制御部23は、入出力部20により、
図6Aに示す出力画面60に新顧客の属性情報61、保障種別62等を表示し、保障種別62のいずれかが選択されると
図6Bに示す出力画面600に画面が遷移して、選択された保障種別62に対応する契約内容の情報67が入力・編集可能な態様で表示される。担当者は、表示される保険契約提案を用いて新顧客と対話し、新顧客に保険契約を提案する。そして、担当者は、適宜、保険契約提案情報67を修正する。制御部23は、入出力部20に対し担当者により入力される保険契約提案に対する修正の情報を、入出力部20から受ける。そして、担当者は、保険契約提案を修正しながら、新顧客への提案を進める。
【0046】
情報処理装置10は、ステップS524において保険契約の成約結果を取得し、ステップS526において成約結果に応じて担当者の経験値情報を更新する。例えば、情報処理装置10の制御部23は、入出力部20により、担当者からの保険契約の成約情報を受ける。そして、成約している場合には、制御部23は、担当者データベース200におけるその担当者の経験値情報に含まれる成約実績を更新する。制御部23は、ステップS502における担当者の認証結果を用いて、担当者データベース200におけるその担当者の情報を特定して、経験値情報を更新する。なお、担当者データベース200における経験値情報は、
図5の手順の一部としてではなく、別途、任意のタイミングで更新されてもよい。例えば、情報処理装置10を用いない場合における各担当者の営業成績を別途記録しておき、各担当者の営業成績をレビューする週次、月次等のタイミングで、各担当者又はその監督者等により、担当者データベース200が更新されてもよい。
【0047】
かかる手順によれば、未習熟担当者は、習熟者による保険契約候補及び保険契約提案の設計をサーバ装置11に実行させてその結果を参考にすることができるので、保険契約候補又は保険契約提案の設計作業において習熟者の技量を学習することができる。また、習熟担当者は、自分又は自分と同等の経験値を有する他の習熟者による保険契約候補及び保険契約提案の設計をサーバ装置11に実行させることができるので、保険契約候補及び保険契約提案の設計を行う作業時間を省略でき、設計作業の効率化が可能となる。そして、いずれの担当者の場合も、保険契約が成約した場合に、経験値が更新される。よって、
図4の手順により、洗い替えされた習熟担当者の技量を候補設計モデル301及び提案設計モデル302に反映することができ、候補設計モデル301及び提案設計モデル302に反映される担当者の技量の高さを維持することが可能となる。
【0048】
図7は、情報処理装置10の動作例を説明するシーケンス図である。ここには、習熟担当者により保険契約提案が新顧客に提示されるときの、情報処理装置10とサーバ装置11の動作手順が示される。
図7の手順は、
図5の手順に習熟担当者が関与した場合の手順であって、
図5のステップS522の後、任意のタイミングで実行される。
【0049】
情報処理装置10は、ステップS702において、担当者が習熟担当者であることを判別する。例えば、情報処理装置10の制御部23は、
図5のステップS502における担当者の認証結果を用いて、担当者が習熟担当者であるか否かを判別する。
【0050】
情報処理装置10は、ステップS702で習熟担当者を判別すると、ステップS704において、提案設計モデル302の変更要求をサーバ装置11へ送る。情報処理装置10の制御部23は、
図5のステップS522で取得した保険契約提案情報に対する修正の情報を含む提案設計モデル302の変更要求を生成し、通信部21を介して、変更要求をサーバ装置11へ送る。サーバ装置11では、制御部33が、通信部31を介して、変更要求を受ける。
【0051】
サーバ装置11は、ステップS706において、提案設計モデル302を変更する。例えば、サーバ装置11の制御部33は、習熟担当者により変更された保険契約提案を設計した際の属性情報及びニーズ情報と、変更された保険契約提案との対応付けを教師データに反映させて機械学習を行うことで、提案設計モデル302を変更する。
【0052】
図7の手順によれば、随時、習熟担当者による提案技量を提案設計モデル302に変更することが可能となる。
【0053】
上述の実施形態において、情報処理装置10の動作を規定する処理・制御プログラムは、サーバ装置11の記憶部32又は他のサーバ装置の記憶部に記憶されていて、ネットワーク12経由でダウンロードされてもよいし、コンピュータに読取り可能な可搬型で非一過性の記録・記憶媒体に格納され、情報処理装置10が媒体から読み取ってもよい。
【0054】
上述において、実施形態を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段、ステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【解決手段】情報処理装置10は、サーバ装置11に習熟者の履歴情報を教師データとして機械学習を行わせ、候補設計モデルと提案設計モデルとを生成させる。その後、新顧客の属性情報を取得し、サーバ装置11に候補設計モデルによる属性情報に応じた保険契約候補を設計させる。サーバ装置11は、設計された保険契約候補情報を出力した後、新顧客のニーズ情報と属性情報を取得し、提案設計モデルによる属性情報及びニーズ情報に応じた保険契約提案を設計させる。そして、設計された保険契約提案情報を出力し、保険契約提案情報を修正を行う。その後、保険契約の成約結果を取得すると、成約結果に応じて担当者の経験値情報を更新する。