(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6880314
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】カテーテル用風船の製造治具及びこれを利用した風船の製造方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/10 20130101AFI20210524BHJP
【FI】
A61M25/10 502
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2020-513479(P2020-513479)
(86)(22)【出願日】2018年11月7日
(65)【公表番号】特表2020-520291(P2020-520291A)
(43)【公表日】2020年7月9日
(86)【国際出願番号】KR2018013428
(87)【国際公開番号】WO2019135481
(87)【国際公開日】20190711
【審査請求日】2019年11月12日
(31)【優先権主張番号】10-2018-0000149
(32)【優先日】2018年1月2日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519404300
【氏名又は名称】アイメディコム
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ジュ、ドン ス
【審査官】
上石 大
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−192408(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/105267(WO,A1)
【文献】
米国特許第06561788(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0175739(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューブ素材を利用してカテーテル用風船を製造するためのカテーテル用風船の製造治具であって、
前記風船の中心部を成形するために中間部分にセンター成形部を有するシリンダー形状のセンター治具部材と、
前記センター治具部材の一端開放部を通じてその長さ方向に引入・引出可能に具備され、前記風船の一端部と前記風船の中心部間がテーパ状になるようにその間に第1テーパ部を成形する第1サイド治具部材と、
前記センター治具部材の他端開放部を通じてその長さ方向に引入・引出可能に具備され、前記風船の他端部と前記風船の中心部間がテーパ状になるようにその間に第2テーパ部を成形する第2サイド治具部材と、
を含み、
前記センター治具部材は、
前記センター成形部の一端から前記一端開放部まで延長し、前記第1サイド治具部材の引入・引出を案内する第1引入・引出案内部と、
前記センター成形部の他端から前記他端開放部まで延長し、前記第2サイド治具部材の引入・引出を案内する第2引入・引出案内部と、
を含み、
前記第1サイド治具部材は、
前記第1引入・引出案内部に沿って引入・引出す第1引入・引出胴体と、
前記第1引入・引出胴体の中心にその長さ方向に長く形成され、前記チューブ素材が挿入される第1チューブ挿入路と、
を含み、
前記第2サイド治具部材は、
前記第2引入・引出案内部に沿って引入・引出す第2引入・引出胴体と、
前記第2引入・引出胴体の中心にその長さ方向に長く形成され、前記チューブ素材が挿入される第2チューブ挿入路と、
を含み、
前記カテーテル用風船の製造治具は、
前記第1引入・引出胴体の露出端に具備され、前記第1チューブ挿入路と連結して通じる第1通孔を有する第1締め切り部材と、
前記第2引入・引出胴体の露出端に具備され、前記第2チューブ挿入路と連結して通じる第2通孔を有する第2締め切り部材と、
をさらに含み、
前記第2通孔は、前記第1通孔より小さい内径を有し、
前記第2チューブ挿入路の後端部は、前記第2通孔と同一の内径を有するように管が縮小して前記第2通孔と連結して通じる、カテーテル用風船の製造治具。
【請求項2】
前記センター成形部には、複数のディンプルが形成される請求項1に記載のカテーテル用風船の製造治具。
【請求項3】
前記センター成形部は、前記第1及び第2引入・引出案内部より相対的に小さい内径を有し、前記第1及び第2引入・引出案内部と段差のある形状を有する請求項1に記載のカテーテル用風船の製造治具。
【請求項4】
前記第1サイド治具部材は、
前記第1チューブ挿入路の末端からコーン形態で管が拡張し、前記センター成形部の一端に繋がる第1テーパ成形部と、
をさらに含み、
前記第2サイド治具部材は、
前記第2チューブ挿入路の末端からコーン形態で管が拡張し、前記センター成形部の他端に繋がる第2テーパ成形部と、
をさらに含む請求項1に記載のカテーテル用風船の製造治具。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項のカテーテル用風船の製造治具を利用した風船の製造方法であって、
前記第1及び第2サイド治具部材を前記センター治具部材の前記第1及び第2引入・引出案内部にそれぞれ引入れる段階と、
前記チューブ素材を前記第1チューブ挿入路、前記センター成形部、そして前記第2チューブ挿入路に順次に挿入させる段階と、
前記チューブ素材が前記第1及び第2テーパ成形部と前記センター成形部によって前記風船に成形されるように前記チューブ素材の後端を塞ぎ、前記チューブ素材の先端に膨脹圧力を加える段階と、
前記風船が成形されれば前記第1及び第2サイド治具部材を前記第1及び第2引入・引出案内部から引き出した後、前記風船を抜き取る段階と、
を含む風船の製造方法。
【請求項6】
前記風船の製造方法は、
前記風船を抜き取る段階後に、前記風船の両端部をカッティングする段階をさらに含む請求項5に記載の風船の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテル用風船を製造するための治具及びこれを利用した風船の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、カテーテル用風船は、患者病変のうみ排出に役立ったり摩擦が必要な部分に使用される医療機器として、カテーテルを利用して病変周りで前後に移動させたり回転させながら治療する役割をする。
【0003】
このようなカテーテル用風船を製造するための従来の技術として、特許文献1に開示されたカテーテル用風船の製造方法は、先ず弾力性のあるPTU素材を準備し、20日間50〜55℃の乾燥器で熟成し、第1及び第2チューブと拡張可能な部材(風船)として使用されるように各用途に適合な長さで素材を切る。以後、インデックスリング(index ring)を第2チューブに位置させ、拡張可能な部材の用途に合わせて切られた素材を第1及び第2チューブに溶接して連結し、第1及び第2チューブを各種ポート(port)を持ったマニホールド(manifold)に連結する。そして、上部と下部成形枠(mold)中に入れ、ポートに空気を注入して拡張可能な部材を大きさと模様に合わせて成形する。以後、乾燥器中で50〜55℃で乾燥及び熟成を5時間進行し、拡張可能な部材に対する圧力テストを行い、洗浄後に50〜55℃の乾燥器中で乾燥と熟成を48時間進行する。
【0004】
しかし、従来のカテーテル用風船の製造方法は、拡張可能な素材を製造するためには、拡張可能な部材の用途に合わせて切られた素材を第1及び第2チューブに一々溶接を通じて連結しなければならないため、作業性が落ちるという問題がある。
【0005】
また、上部及び下部成形枠によって拡張可能な部材の成形が行われる構造であるため、拡張可能な部材の両側のテーパ角度を少し変更する必要がある場合でも、上部及び下部成形枠の全体を交替しなければ当該変更事項が反映できないため、テーパ角度の変更による費用が過多に発生するという問題がある。さらに、上部及び下部成形枠を当接するための別途の成形枠の当接メカニズムが要求されるため、設備費用が増大するだけでなく、これを当接する工程の追加により収率が落ちるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国登録特許公報US8,382,931
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の技術的課題は、素材を溶接する必要がなく、風船のテーパ角度の変更が容易なカテーテル用風船の製造治具及びこれを利用した風船の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一実施例によるカテーテル用風船の製造治具は、チューブ素材を利用してカテーテル用風船を製造するためのカテーテル用風船の製造治具であって、前記風船の中心部を成形するために中間部分にセンター成形部を有するシリンダー形状のセンター治具部材と、前記センター治具部材の一端開放部を通じてその長さ方向に引入・引出可能に具備され、前記風船の一端部と前記風船の中心部間がテーパ状になるようにその間に第1テーパ部を成形する第1サイド治具部材と、前記センター治具部材の他端開放部を通じてその長さ方向に引入・引出可能に具備され、前記風船の他端部と前記風船の中心部間がテーパ状になるようにその間に第2テーパ部を成形する第2サイド治具部材とを含む。
【0009】
前記センター成形部には、複数のディンプル(dimple)が形成されることができる。
【0010】
前記センター治具部材は、前記センター成形部の一端から前記一端開放部まで延長し、前記第1サイド治具部材の引入・引出を案内する第1引入・引出案内部と、前記センター成形部の他端から前記他端開放部まで延長し、前記第2サイド治具部材の引入・引出を案内する第2引入・引出案内部とをさらに含むことができる。
【0011】
前記センター成形部は、前記第1及び第2引入・引出案内部より相対的に小さい内径を有し、前記第1及び第2引入・引出案内部と段差のある形状を有することができる。
【0012】
前記第1サイド治具部材は、前記第1引入・引出案内部に沿って引入・引出す第1引入・引出胴体と、前記第1引入・引出胴体の中心にその長さ方向に長く形成され、前記チューブ素材が挿入される第1チューブ挿入路と、前記第1チューブ挿入路の末端からコーン形態で拡管し、前記センター成形部の一端に繋がる第1テーパ成形部とを含むことができ、前記第2サイド治具部材は、前記第2引入・引出案内部に沿って引入・引出す第2引入・引出胴体と、前記第2引入・引出胴体の中心にその長さ方向に長く形成され、前記チューブ素材が挿入される第2チューブ挿入路と、前記第2チューブ挿入路の末端からコーン形態で拡管し、前記センター成形部の他端に繋がる第2テーパ成形部とを含むことができる。
【0013】
上述した本発明の一実施例によるカテーテル用風船の製造治具は、前記第1引入・引出胴体の露出端に具備され、前記第1チューブ挿入路と連結して通じる第1通孔を有する第1締め切り部材と、前記第2引入・引出胴体の露出端に具備され、前記第2チューブ挿入路と連結して通じる第2通孔を有する第2締め切り部材とをさらに含むことができる。
【0014】
前記第2通孔は、前記第1通孔より小さい内径を有することができ、前記第2チューブ挿入路の後端部は、前記第2通孔と同一の内径を有するように管が縮小して前記第2通孔と連結して通じることができる。
【0015】
前記第1及び第2締め切り部材のそれぞれは、ポリエーテルエーテルケトン素材(PEEK;polyether ether ketone)からなることができる。
【0016】
一方、本発明によるカテーテル用風船の製造治具を利用した風船の製造方法は、上述した本発明の一実施例に他のカテーテル用風船の製造治具を利用した風船の製造方法であって、前記第1及び第2サイド治具部材を前記センター治具部材の前記第1及び第2引入・引出案内部にそれぞれ引入れる段階と、前記チューブ素材を前記第1チューブ挿入路と前記センター成形部と前記第2チューブ挿入路とに順次に挿入させる段階と、前記チューブ素材が前記第1及び第2テーパ成形部とセンター成形部によって前記風船に成形されるように前記チューブ素材の後端を
塞ぎ、前記チューブ素材の先端に膨脹圧力を加える段階と、前記風船が成形されれば前記第1及び第2サイド治具部材を前記第1及び第2引入・引出案内部から引き出した後、前記風船を抜き取る段階とを含む。
【0017】
上述した本発明の他の実施例によるカテーテル用風船の製造治具を利用した風船の製造方法は、前記風船を抜き取る段階後に、前記風船の両端部をカッティングする段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明の実施例によるカテーテル用風船の製造治具及びこれを利用した風船の製造方法は、次のような効果を有することができる。
【0019】
本発明の実施例によると、長いチューブ素材を溶接せずとも風船に成形されることができ、センター治具部材をそのままにした状態で、第1及び第2サイド治具部材だけを他のものに交替することで、風船の第1及び第2テーパ部を多様化することができる。
【0020】
また、本発明の実施例によると、センター成形部に複数のディンプルが形成されるため、これを通じて成形された風船の中心部には複数のエンボス突起を有することができ、風船がカテーテルに連結して使用される場合、患者病変のうみ排出にさらに役立てられるなど、患者病変の周りに更なる大きな摩擦を起こすことができる。
【0021】
また、本発明の効果は、これに限らず、本発明の構成から導出されることができる他の効果も含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施例によるカテーテル用風船の製造治具を概略的に示した一部切開斜視図である。
【
図2】
図1のカテーテル用風船の製造治具を概略的に示した断面図である。
【
図3】センター治具部材に第1及び第2サイド治具部材が引入・引出される状態を概略的に示した図面である。
【
図4】
図1のカテーテル用風船の製造治具に第1及び第2締め切り部材がさらに具備された状態を概略的に示した一部切開図面である。
【
図5】
図1のカテーテル用風船の製造治具によって製造された風船を概略的に示した図面である。
【
図6】本発明の他の実施例によるカテーテル用風船の製造治具を利用した風船の製造方法を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付の図面を参考として本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態に具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。
【0024】
図1は、本発明の一実施例によるカテーテル用風船の製造治具を概略的に示した一部切開斜視図であり、
図2は、
図1のカテーテル用風船の製造治具を概略的に示した断面図であり、そして
図3は、センター治具部材に第1及び第2サイド治具部材が引入・引出される状態を概略的に示した図面である。
図4は、
図1のカテーテル用風船の製造治具に第1及び第2締め切り部材がさらに具備された状態を概略的に示した一部切開図面であり、
図5は、
図1のカテーテル用風船の製造治具によって製造された風船を概略的に示した図面である。
【0025】
本発明の一実施例によるカテーテル用風船の製造治具100は、
図1〜
図5に示すように、長いチューブ素材10を利用してカテーテル用風船200を製造するためのカテーテル用風船の製造治具であって、センター治具部材110と、第1サイド治具部材120と、そして第2サイド治具部材130とを含む。以下、
図1〜
図5を引き続き参照して、各構成要素について詳しく説明する。
【0026】
センター治具部材110は、風船200の中心部210を成形するだけでなく、その長さ方向に沿って第1及び第2サイド治具部材120、130の引入・引出を案内する構成要素である。このようなセンター治具部材110は、
図1〜
図3に示すように、その両端が貫通したシリンダー形状を有することができ、その内部の中間部分に風船200の中心部210を成形するためにセンター成形部111が具備されることができる。
【0027】
さらに、
図1〜
図3に示すように、センター成形部111には複数のディンプル(dimple)111aが形成されることができる。従って、このような複数のディンプル111aによって、上述した本発明のカテーテル用風船の製造治具100によって製造される風船200の中心部210には、
図5に示すように複数のエンボス突起211を有することができ、風船200がカテーテルに連結して使用される場合、患者病変のうみ排出にさらに役立てられるなど患者病変の周りに更なる大きな摩擦を与えることができる。
【0028】
具体的に、センター治具部材110は、
図1〜
図3に示すように、第1及び第2サイド治具部材120、130の引入・引出をそれぞれ案内するための第1及び第2引入・引出案内部112、113をさらに含むことができる。第1引入・引出案内部112は、センター成形部111の一端からセンター治具部材110の一端開放部110aまで延長し、第1サイド治具部材120の引入・引出を案内することができ、第2引入・引出案内部113は、センター成形部111の他端からセンター治具部材110の他端開放部110bまで延長し、第2サイド治具部材130の引入・引出を案内することができる。
【0029】
また、センター成形部111は、第1及び第2引入・引出案内部112、113より相対的に小さい内径を有し、第1及び第2引入・引出案内部112、113と段差のある形状を有することができる。従って、相対的に肉の多い(即ち、厚さの大きい)センター成形部111に充分に複数のディンプル111aを形成することができ、第1及び第2サイド治具部材120、130が引入れられる場合、このような段差のある形状を通じて第1及び第2サイド治具部材120、130がセンター成形部111の両端に緊密に接触することができる。複数のディンプル111aの大きさ及び個数は、個別風船によって変わることができる。
【0030】
第1サイド治具部材120は、風船(
図5の200)の中心部(
図5の210)と一端部(
図5の221)間がテーパ状になるようにその間に第1テーパ部(
図5の231)を成形させる構成要素である。このような第1サイド治具部材120は、
図3に示すように、センター治具部材110の一端開放部110a及び第1引入・引出案内部112を通じてその長さ方向に引入・引出可能に具備されることができる。
【0031】
例えば、第1サイド治具部材120は、
図1〜
図3に示すように、第1引入・引出胴体121、第1チューブ挿入路122、そして第1テーパ成形部123を含むことができる。第1引入・引出胴体121は、第1引入・引出案内部112に沿ってこれに緊密に接しながら引入・引出すことができ、第1チューブ挿入路122は、第1引入・引出胴体121の中心にその長さ方向に長く形成され、チューブ素材[風船200を成形するための素材]10が挿入されることができ、そして、第1テーパ成形部123は、第1チューブ挿入路122の末端からコーン形態で管が拡大してセンター成形部111の一端に繋がることができる。従って、第1テーパ成形部123を通じて風船200の中心部210と一端部221間に第1テーパ部231が成形されることができる。
【0032】
第2サイド治具部材130は、風船(
図5の200)の中心部(
図5の210)と他端部(
図5の222)間がテーパ状になるようにその間に第2テーパ部(
図5の232)を成形させる構成要素である。このような第2サイド治具部材130は、
図3に示すように、センター治具部材110の他端開放部110b及び第2引入・引出案内部113を通じてその長さ方向に引入・引出可能に具備されることができる。
【0033】
例えば、第2サイド治具部材130は、
図1〜
図3に示すように、第2引入・引出胴体131、第2チューブ挿入路132、そして第2テーパ成形部133を含むことができる。第2引入・引出胴体131は、第2引入・引出案内部113に沿ってこれに緊密に接しながら引入・引出すことができ、第2チューブ挿入路132は、第2引入・引出胴体131の中心にその長さ方向に長く形成され、チューブ素材10が挿入されることができ、そして第2テーパ成形部133は、第2チューブ挿入路132の末端からコーン形態で管が拡大してセンター成形部111の他端に繋がることができる。従って、第2テーパ成形部133を通じて風船200の中心部210と他端部222間に第2テーパ部232が成形されることができる。
【0034】
これと共に、上述した本発明の一実施例によるカテーテル用風船の製造治具100は、
図4に示すように、第1及び第2締め切り部材140、150をさらに含むことができる。
【0035】
第1締め切り部材140は、第1引入・引出胴体121の露出端に具備され、第1チューブ挿入路122と連結して通じる第1通孔141を有することができ、第2締め切り部材150は、第2引入・引出胴体131の露出端に具備され、第2チューブ挿入路132と連結して通じる第2通孔151を有することができる。特に、第2通孔151は、第1通孔141より小さい内径を有することができ、第2チューブ挿入路132の後端部は、第2通孔151と同一の内径を有するように管が縮小して第2通孔151と連結して通じることができる。
【0036】
また、第1及び第2締め切り部材140、150のそれぞれは、第1及び第2サイド治具部材120、130が熱くなることが防止できるように、ポリエーテルエーテルケトン素材(PEEK;polyether ether ketone)からなることができる。
【0037】
以下で、
図1、
図2、
図3及び
図6を参照して、本発明の他の実施例によるカテーテル用風船の製造治具を利用した風船の製造方法について説明する。
【0038】
図6は、本発明の他の実施例によるカテーテル用風船の製造治具を利用した風船の製造方法を示したフローチャートである。
【0039】
本発明の他の実施例によるカテーテル用風船の製造治具を利用した風船の製造方法は、上述した本発明の一実施例に他のカテーテル用風船の製造治具100を利用した風船の製造方法であって、先ず
図3に示すように、第1及び第2サイド治具部材120、130をセンター治具部材110の第1及び第2引入・引出案内部112、113にそれぞれ引入れる(S110)。すると、
図1に示すように、第1サイド治具部材120は、第1引入・引出案内部112に引入れられてセンター成形部111の一端に緊密に接するようになり、第2サイド治具部材130は、第2引入・引出案内部113に引入れられてセンター成形部111の他端に緊密に接するようになる。
【0040】
そして、チューブ素材10を第1チューブ挿入路122とセンター成形部111と第2チューブ挿入路132とに順次に挿入させる(
図2参照)(S120)。
【0041】
以後、
図2に示すように、チューブ素材10の後端をニッパー(
図2の上下方向の矢印参照)などで
塞ぎ、チューブ素材10の先端に膨脹圧力を加える(S130)。すると、チューブ素材10が膨脹しながら第1及び第2テーパ成形部123、133とセンター成形部111を通じてその形状に合う風船に成形される。
【0042】
このように風船200が成形されれば、第1及び第2サイド治具部材120、130をセンター治具部材110の第1及び第2引入・引出案内部112、123から引き出し(
図3参照)、風船200をセンター治具部材110からその長さ方向に引っ張りながら抜き取る(S140)。この時、風船200の中心部210に形成されるエンボス突起211は、風船200の自体弾性によって風船200を引っ張る動作だけで容易にセンター成形部111のディンプル111aから抜けることができる。
【0043】
これと共に、上述した本発明の他の実施例によるカテーテル用風船の製造治具を利用した風船の製造方法は、風船200を抜き取る過程(S140)が完了すれば、風船200の両端部221、222を使用が可能な設定長さでカッターなどを利用して切る過程をさらに含むことができる。
【0044】
以上のように、本発明の実施例によるカテーテル用風船の製造治具100及びこれを利用した風船の製造方法は、次のような効果を有することができる。
【0045】
本発明の実施例によると、長いチューブ素材10を溶接せずとも風船200に成形されることができ、センター治具部材110をそのままにした状態で、第1及び第2サイド治具部材120、130だけを他のものに交替することで風船200の第1及び第2テーパ部231、232を多様化することができる。
【0046】
また、本発明の実施例によると、センター成形部111に複数のディンプル111aが形成されるので、これを通じて成形された風船200の中心部210には複数のエンボス突起211を有することができ、患者病変のうみ排出にさらに役立てられるなど患者病変の周りに更なる大きな摩擦を起こすことができる。
【0047】
以上で本発明の好ましい実施例について詳しく説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、カテーテル用風船を製造することに使用されることができる。