特許第6880328号(P6880328)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6880328
(24)【登録日】2021年5月7日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】発光素子及び照明装置のための支持体
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20210524BHJP
   F21K 9/232 20160101ALI20210524BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20210524BHJP
   F21V 29/70 20150101ALI20210524BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20210524BHJP
【FI】
   F21V19/00 170
   F21K9/232 100
   F21V29/503
   F21V29/70
   F21Y115:10
【請求項の数】19
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-529623(P2020-529623)
(86)(22)【出願日】2019年8月20日
(65)【公表番号】特表2021-504920(P2021-504920A)
(43)【公表日】2021年2月15日
(86)【国際出願番号】EP2019072250
(87)【国際公開番号】WO2020048766
(87)【国際公開日】20200312
【審査請求日】2020年5月29日
(31)【優先権主張番号】18193218.7
(32)【優先日】2018年9月7日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517152128
【氏名又は名称】ルミレッズ ホールディング ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】エプマイヤー,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】デッカーズ,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ギーセ,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルマイヤー,ペトラ
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーバー,カールステン
(72)【発明者】
【氏名】ヘニンガー,ゲオルク
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−098060(JP,A)
【文献】 特開2013−093130(JP,A)
【文献】 特開2013−069837(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/037645(WO,A1)
【文献】 特開2008−294181(JP,A)
【文献】 特開2014−120388(JP,A)
【文献】 特表2013−521613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21K 9/232
F21V 29/503
F21V 29/70
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子のための支持体であって:
少なくとも1つの取り付け面を有する取り付け部であって、前記少なくとも1つの取り付け面は、配置方向を有し、前記配置方向に沿って配置される少なくとも1つの発光素子を収容するために構成される、取り付け部と;
前記取り付け部に隣接して配置される本体部と;
前記本体部から前記少なくとも1つの取り付け面への電気的接続を提供するための導体と;
を備え、
前記少なくとも1つの取り付け面は、前記配置方向に沿って少なくとも3つの交互接触部を備え、各交互接触部は、導体に対応し、接触部のペアは、それぞれの絶縁部によって分離され、
前記本体部は、前記少なくとも1つの取り付け面から側方に突出し、
前記取り付け部及び前記本体部は、導体と絶縁層の層状構造を有し、前記絶縁層は、それぞれの絶縁部を形成し、
前記本体部の前記導体と絶縁層の層状構造は、角度付けられた部分を備え、前記本体部の最長寸法が前記配置方向と実質的に平行に延び、
前記本体部は、少なくとも部分的に、前記取り付け部からの距離が長くなるにつれて大きくなる断面積を有する、
支持体。
【請求項2】
前記本体部は、少なくとも部分的に三角形断面を有し、前記取り付け部は、前記三角形断面のエッジに配置されている、
請求項1に記載の支持体。
【請求項3】
前記取り付け部が配置された前記三角形断面の前記エッジは、0°〜90°の角度を有する、
請求項2に記載の支持体。
【請求項4】
前記取り付け部が配置された前記三角形断面の前記エッジは、30°〜45°の角度を有する、
請求項2に記載の支持体。
【請求項5】
前記導体は、金属シート材料を含む、
請求項1乃至のいずれかに記載の支持体。
【請求項6】
前記金属シート材料は、主面及び側面を含み、前記接触部の各々は、少なくとも部分的に、金属シート材料の側面によってそれぞれ形成される、
請求項に記載の支持体。
【請求項7】
前記取り付け部内における、前記導体と絶縁層との層状構造の延長方向は、前記少なくとも1つの取り付け面の前記配置方向に対して実質的に垂直又は実質的に平行に延びる、
請求項1乃至のいずれかに記載の支持体。
【請求項8】
前記取り付け部は、互いに隣接して配置される少なくとも2つの取り付け面を備え、かつ/又は
少なくとも2つの取り付け面が、互いに角度をもって又は互いに実質的に平行に配置される、
請求項1乃至のいずれかに記載の支持体。
【請求項9】
前記取り付け部は、3つの取り付け面を備え、前記3つの取り付け面のうちの1つは、他の2つの取り付け面の間に配置され、他の2つの取り付け面に対して、45°〜135°の囲み角度で又は実質的に垂直に配置される、
請求項に記載の支持体。
【請求項10】
前記少なくとも1つの取り付け面は、前記配置方向に沿って配置される複数の発光素子を収容するために構成される、
請求項1乃至のいずれかに記載の支持体。
【請求項11】
照明装置であって:
請求項1乃至10のいずれかに記載の支持体と;
前記少なくとも1つの取り付け面の前記配置方向に沿って取り付けられた少なくとも1つの発光素子と;
を備え、前記少なくとも1つの発光素子は、少なくとも2つの接触部に電気的に接触している、
照明装置。
【請求項12】
電源に接続するためのソケットを更に備え、前記ソケットは前記本体部に接続される、
請求項11に記載の照明装置。
【請求項13】
照明装置を製造する方法であって:
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の支持体を提供するステップと;
前記少なくとも1つの取り付け面の前記配置方向に沿って少なくとも1つの発光素子を取り付けるステップと;
を含み、前記少なくとも1つの発光素子を、接触部に電気的に接触させる、
方法。
【請求項14】
前記支持体を提供するステップは、金属シートの積層と、前記金属シートの間に絶縁層を配置することを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記金属シートは、実質的に垂直な角度を有する角度付けられた部分を形成するように屈曲される、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記支持体を提供するステップは、前記金属シートの積層後に、前記金属シート及び前記絶縁層の一部の除去を含む、
請求項14又は15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの発光素子を取り付けるステップは、
前記少なくとも1つの発光素子を支持層上に着脱可能に固定するステップと、
前記少なくとも1つの発光素子に接触材料を塗布するステップと、
前記支持層上に固定された前記少なくとも1つの発光素子を、前記少なくとも1つの取り付け面に適用するステップであって、前記接触材料は、前記少なくとも1つの発光素子を前記接触部に接続する、ステップと、
を含む、請求項13乃至16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記支持層上に固定された少なくとも1つの発光素子を、前記少なくとも1つの取り付け面に適用することは、前記少なくとも1つの取り付け面の形状に一致するように前記支持層を屈曲させることを含み、
前記支持層は、少なくとも1つの所定の屈曲線を有する、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記支持層上に固定された少なくとも1つの発光素子を、前記少なくとも1つの取り付け面に適用することは、前記支持層の切断を含む、
請求項17又は18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動車照明のような用途における改善された熱輸送及び光学特性のために、特に層状構造を備えた照明装置内の発光素子のための支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ワイヤフィラメントを含む白熱光源のような従来の光源を、LEDのような発光素子を含む照明装置に置き換える努力がなされている。いくつかの特定の用途、例えば自動車照明においては、そのような照明装置の「レトロフィット(retrofitting)」を行うことが望ましい。例えば白熱電球のような従来の光源のみをLED照明装置で置き換え、ランプの残りの素子、例えば反射器カップやレンズのような光学素子を置き換える必要がないと都合がよい。したがって、従来の標準光源、例えばH7ハロゲン電球の1:1の置き換えを表す、このようなレトロフィット照明装置を提供する努力がなされている。
【0003】
しかしながら、従来の光源をレトロフィットするための照明装置を構成することは困難なことである。第1に、照明装置は、従来の光源と同じ光学素子を使用するよう意図されているので、従来の光源の照明パターンは、発光素子の配置及び仕様によって密接に模倣されなければならない。例えばLEDは、白熱光源のフィラメントの形状を表すように配置され、LEDは、配置方向に沿って配置されることが要求され得る。第2に、LEDからの熱輸送は、LEDの長寿命を確実にするために効果的でなければならず、これは、従来の光源の照明パターンを再現するには複数のLEDを互いに非常に近接して配置する必要があり、これが、小さい容積内での熱の集中を招く可能性があるため、特に困難である。自動車照明のようなレトロフィット用途では、高い光出力が必要とされ、これもまた、発光素子の高い熱出力をもたらす。第3に、発光素子は、効率的な方法で電気エネルギーを供給されなければならず、電気的接続における追加の熱生成を低減しなければならない。
【0004】
プリント回路基板(PCB)に基づくレトロフィット用途のためのLEDのための支持体を提供する試みがなされており、これは、有効な熱輸送を伴うLEDの電気的接続を提供することができる。しかしながら、PCBは、LEDの配置を実質的に平坦又は二次元の形状に制限するので、支持体としてPCBを用いてフィラメントの形状を模倣することは不満足である。
【0005】
従来技術による他のサポートは、熱輸送が更により最適化され得るように、小さな断面を有する導体上に並列に接続される相当数のLEDを配置することを更に必要とする。
【0006】
特許文献1は、第1金属プレートと、第2金属プレートと、第1金属層と第2金属層との間の絶縁層とを含むカラム状基板を備えるLEDモジュールに関する。
【0007】
特許文献2は、絶縁層によって互いに絶縁された少なくとも3つの導体を含むピラー本体を備える半導体チップパッケージを開示しており、ピラー本体は、複数の取り付け面を含む周辺部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第2760058号明細書
【特許文献2】米国特許第7,420,268号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、少なくとも1つの発光素子が、支持体上に配置されるときに効率的な熱輸送及び伝導性を提供する発光素子のための支持体を提供することにある。支持体はまた、様々な形状、特に発光素子の三次元配置を提供することもでき、レトロフィット用途に望ましい光学特性を可能にする。本発明は更に、特にレトロフィット用途のために、熱輸送及の照明パターンを改善する照明装置に関する。本発明は更に、そのような照明装置を製造する方法に関する。
【0010】
本発明の第1態様によると、発光素子のための支持体が提案され、支持体は:少なくとも1つの取り付け面を有する取り付け部であって、少なくとも1つの取り付け面は、配置方向を有し、配置方向に沿って配置される少なくとも1つの発光素子を収容するために構成される、取り付け部と;取り付け部に隣接して配置される本体部と;本体部から少なくとも1つの取り付け面への電気的接続を提供するための導体と;を備え、少なくとも1つの取り付け面は、配置方向に沿って少なくとも2つの接触部を備え、各接触部は、導体に対応し、絶縁部によって分離されており、本体部は、配置方向に対して少なくとも1つの取り付け面から側方に突出する。
【0011】
本発明の第2態様によると、照明装置であって、本発明の第1態様による支持体と;少なくとも1つの取り付け面の配置方向に沿って取り付けられた少なくとも1つの発光素子と;を備え、少なくとも1つの発光素子が、少なくとも2つの接触部に電気的に接触している、照明装置が提案される。
【0012】
本発明の第3態様によると、照明装置、特に本発明の第2態様による照明装置を製造する方法が提案され、当該方法は、本発明の第1態様による支持体を提供するステップと;少なくとも1つの取り付け面の配置方向に沿って少なくとも1つの発光素子を取り付けるステップと;を含み、少なくとも1つの発光素子を、接触部に電気的に接触させる。
【0013】
本発明の第1、第2及び第3態様の例示的実施形態は、以下で説明される特性の1つ以上を有してよい。
【0014】
支持体は、少なくとも1つの取り付け面を有する取り付け部を備える。取り付け面は、1つ以上の発光素子のための適切な取り付け面を提供し得る。例えば取り付け面は、LEDダイ等の発光素子を収容するのに適した領域を提供するよう、少なくとも部分的に平坦又は平面であってよい。少なくとも1つの取り付け面は、配置方向を有し、配置方向に沿って配置される少なくとも1つの発光素子を収容するように構成される。配置方向は、少なくとも1つの取り付け面及び/又は少なくとも1つの発光素子の延長方向に対応し得る。例えば配置方向は、少なくとも1つの取り付け面及び/又は少なくとも1つの発光素子の最長寸法に対応してよい。少なくとも1つの取り付け面は、特に、複数の発光素子が線、例えば直線に沿って配置され得るように構成されてよく、配置方向は、発光素子の線の配向に対応する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの取り付け面は、単一の発光素子のみを収容するように構成されてもよく、発光素子は、例えば配置方向を伸長の方向に対応させた細長い(矩形)形状を有する。
【0015】
白熱光源をフィラメントで置き換えるよう意図された照明装置における使用のための支持体の実施形態では、配置方向は、フィラメントの延長方向、すなわちフィラメントの最長寸法の方向に対応してよい。次いで、少なくとも1つの取り付け面は、白熱光源の照明を効果的に模倣するために、少なくとも1つの発光素子を収容してよい。
【0016】
本体部は、取り付け部に隣接して配置され、特に、少なくとも1つの取り付け面に取り付けられた1つ以上の発光素子によって生成された熱が、取り付け部から本体部に伝達されるように、本体部は、取り付け部に熱的に接触する。本体部は、特に、発光素子によって生成された熱に適した熱放散を提供し、発光素子に冷却を提供するように構成される、容積及び/又は表面を有してよい。
【0017】
導体は、本体部から少なくとも1つの取り付け面への電気的接続を提供してよい。本体部は、例えばソケットによって電源に接続されてもよい。導体は、本体部から取り付け部へ、したがって少なくとも1つの取り付け面に取り付けられた1つ以上の発光素子へ電力の伝達を提供し得る。さらに、本体部は、ヒートシンクとしてだけでなく、支持体の環境への熱伝導体としても機能し得る。
【0018】
少なくとも1つの取り付け面は、配列方向に沿って少なくとも2つの接触部を備える。例えば接触部は、例えばはんだ付け又は導電性接着剤の手段によって、発光素子との電気的接触を可能にする接触パッチ又は接触領域として、取り付け面の表面上に構成されてもよい。各接触部は、導体に対応し、したがって、本体部に電気的に接続され、例えば本体部が電源に接続されるときに、隣接する接触部の間に電圧を印加してよい。各隣接する接触部は、絶縁部によって分離されてもよい。
【0019】
上述したように、本体部は、少なくとも1つの取り付け面への電気的接続を提供してよく、ヒートシンク並びに熱伝導体として同時に作用することができ、これは、高い熱出力を有する発光素子、例えば自動車ヘッド照明のような高電流用途のLED光源が使用されるときに特に有利である。本体部が少なくとも1つの取り付け面から側方に突出すると、特に本体部の容積は大きくなり、本体部は取り付け部からの大幅に改善された熱伝達を提供する。導体の拡大された断面により電気伝導率も改善され、少なくとも1つの取り付け面に収容される発光素子に大電流を供給することが可能になる。さらに、本発明による支持体は、フィラメントベースの白熱光源のような従来の光源の照明を厳密に模倣することを可能にし得ることがわかっている。特に、ハロゲン球のような光源の照明パターンは、当該支持体に基づいて発光素子(例えば少なくとも1つのLED)非常に近接して再現され得る。したがって、本発明による支持体は、レトロフィット光源の光学的、熱的及び電気的態様の最適化を提供し得る。
【0020】
「突出した側方」の下では、特に、ビューア(viewer)が少なくとも1つの取り付け面(例えば取り付け面の表面に垂直な方向)に面すると、本体部は、少なくとも1つの取り付け面の1つのエッジを越えて延びることが理解され得る。例えば本体部は、該本体部が少なくとも1つの取り付け面の少なくとも1つのエッジを越えて延び、少なくとも1つのエッジが、配置方向に対して実質的に平行に延びるという点で、配置方向に対して側方に突出し得る。
【0021】
本発明の例示的な実施形態によれば、本体部は、少なくとも部分的に、取り付け部分からの距離が大きくなると大きくなる断面積を有する。これにより、支持体に基づく照明装置の光学特性は、熱特性を最適化するために本体部に高容積及び表面積を提供しつつも、本体部に収容される発光素子により発光される光のうちのより少ない量が本体部によってブロックされるという点で、更に改善され得る。特に、少なくとも三角形断面が、少なくとも部分的に、該三角形断面のエッジ上に取り付け部を配置して設けられるとき、三角形断面の適切な開口角度を選択することにより、本体部によってブロック又は反射される光の量を制御することができる一方で、本体部の容積及び表面積は最適化される。三角形断面の開口角度は、例えば本体部の大容積(より大きな開口角度)又はより大きな照明角度(より小さな開口角度)に対して選択され得る。
【0022】
いくつかの実施形態において、三角形断面は、0°〜90°、すなわち、0°超から90°の開口角を有してよい。この範囲では、本体の熱特性は、多くの用途に十分である一方、特にレトロフィット用途に適した照明角度を提供する。30°〜45°の範囲の開口角度を選択するとき、照明角度を改善することができる。本体部によるより高い熱伝達を必要とするより高い熱発生の用途に対しては、50°〜70°の範囲、特に約60°の開口角が有利であることがわかっている。
【0023】
本発明の別の実施形態によれば、取り付け部及び/又は本体部は、導体と絶縁層の層状構造を備える。層状構造は、取り付け部及び/又は本体部に導体を提供するための特に単純な構成を表し、特に、取り付け部及び/又は本体部は、層状構造によって一体的に形成されてよい。また、導体は、取り付け面が接触部の層状構造も含み得るように、接触部の少なくとも一部を形成してもよい。
【0024】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、導体は、金属シート材料を含む。シート材料を使用することによって、本体部及び/又は取り付け部の層状構造を特に単純な方法で提供することができ、支持体は費用効果的に製造され得る。例えばシート材料のサイズ及び厚さは、支持体の電気伝導率及び熱伝導率の要件に従って選択されてよい。シート材料のベースとして、異なる金属材料が可能である。一実施形態によると、金属シート材料は、銅ベースであるか又は銅からなる。銅は、許容可能な材料コストの観点から、非常に高い電気伝導率及び熱伝導率を提供し得る。
【0025】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、金属シート材料は、主面及び側面を備え、接触部の各々は、それぞれ、少なくとも部分的に、金属シート材料の側面によって形成される。シート材料の主面は、最大寸法を有するシート材料の表面であってよい。接触部が金属シート材料の側面によって形成されるとき、例えば接触部は、少なくとも1つの発光素子への電気的及び熱的接触に適切な(小さな)寸法を有してもよく、一方、金属シート材料は、電気及び熱輸送のために大きな容積及び断面を提供してもよい。
【0026】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、導体と絶縁層の層状構造及び延長方向は、取り付け部内の少なくとも1つの取り付け面の配置方向に実質的に垂直に延びる。特に、層状構造は、少なくとも1つの取り付け面の配置方向に実質的に垂直に延びる金属シート材料に基づく。延長方向は、この意味で、層状構造の層に平行な方向を表し得る。電気及び熱輸送は、主に、導体(例えば金属シート材料)によって提供されてよく、延長方向は、配置方向に実質的に垂直であるので、取り付け部から本体部への非常に直接的で効果的な電気及び熱伝達を得ることができる。
【0027】
他の実施形態では、導体、特に金属シート材料と絶縁層の層状構造の延長方向は、少なくとも1つの取り付け面の配置方向と実質的に平行に延びる。「実質的に垂直」のもとでは、90°+/−10°の角度、特に90°+/−5°の角度であることが理解され得る。「実質的に平行」のもとでは、0°+/−10°の角度であること、特に0°+/−5°の角度であることが理解され得る。
【0028】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、導体(例えば金属シート材料)と絶縁層の層状構造は、角度付けられた部分(angled section)を備える。角度付けられた部分により、取り付け部は、本体部の長さに関して、すなわち、本体部の最長寸法に関して、特定の方向に配置されてよい。例えば本体部は、例えばソケットを介して電源への電気的接続のために構成される第1端部と、第1端部の反対にある第2端部と、第1端部を第2端部に接続する側面を有してよい。取り付け部は、本体の側面に設けられてもよく、熱伝達は更に改善される。特に、角度付けられた部分は、本体部の長さが、配置方向に実質的に平行に延びるように構成されてよい。熱伝達を最適化することに加えて、このような配置は、種々の従来の光源における配置に類似している。
【0029】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、取り付け部は、少なくとも2つの取り付け面を備える。複数の取り付け面を使用することによって、フィラメントによって提供される照明を、より高い精度で模倣することができる。例えば各取り付け面の配置方向は、実質的に互いに平行であってよく、取り付け面は、フィラメントの異なる側面を表す。特に、少なくとも2つの取り付け面は、発光素子を取り付けるための連続した領域が得られるように、互いに隣接して配置される。少なくとも2つの取り付け面は、例えば同じ方向に向かういくつかの照明領域を得るために、特に、複数のフィラメントを有する光源を模倣するために、互いに実質的に平行に配置されてよい。少なくとも2つの取り付け面、特に隣接する取り付け面は、例えば45°〜135°の範囲、特に45°〜75°の範囲の囲み角度(enclosing angle)で又は実質的に互いに垂直に、互いに対して角度をもって配置されてよい。例えば互いに対して角度をもって配置された取り付け面は、フィラメントの異なる側面を表し、かつ/又は増加した照明角度を提供してよい。
【0030】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、取り付け部は、3つの取り付け面を備える。さらに、3つの取り付け面のうちの1つは、他の2つの取り付け面の間に配置されてよく、任意で、他の2つの取り付け面に直接隣接して配置されてもよい。取り付け部は、例えば4つの側面を含み、3つの側面が取り付け面を提供し、4番目の側面が本体部に接触を提供する。特に、3つの取り付け面のうちの1つは、他の2つの取り付け面に対して、45°〜135°の囲み角度、特に45°〜75°の囲み角度を有するか又は実質的に垂直に配置されてもよい。
【0031】
本発明の次の例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの取り付け面は、配置方向に沿って配置された複数の発光素子を収容するために構成される。発光素子は、例えば配置方向に沿って線状に、特に直線に配置されてよく、フィラメントの延長方向を表す。少なくとも1つの取り付け面は、配置方向に沿って少なくとも3つの交互接触部を備え、各交互接触部は、導体に対応し、絶縁部によって分離されている。一実施形態では、交互接触部は、交互の極性を提供するように構成される。例えば隣接する接点部の間の極性は、互いに対して反転される(例えば+/−/+又は−/+/−のようなシーケンス)。発光素子を、異なる極性を有する2つの接触部に接触させてよく、例えば発光素子は、2つの隣接する交互接触部に接触され得る。
【0032】
例えば複数の発光素子は、配置方向に沿って、線状に、例えば「1×N」構成で配置されてもよい。配置方向に沿って配置された「1×N」構成の各発光素子は、異なるペアの交互接触部に接触し得る。同じペアの交互接触部に接触している複数の発光素子を有する構成もまた、例えば「2×N」構成、「3×N」構成又はより大きなアレイのような発光素子のアレイに対して可能である。
【0033】
配置方向に沿って少なくとも3つの交互接触部を提供することによって、取り付け面に取り付けられた発光素子への熱伝達及び電気伝導は、熱伝達及び電気伝導を提供する導体の数が増加するという点で改善され、特に熱が本体部に効果的に伝達され得る。例えば配置方向に沿って配置されたN個の発光素子を有する「1×N」構成では、N+1個の接触部及びN+1個の導体を提供して、熱伝達を最適化することができる。したがって、本発明による支持体は、複数の発光素子が並列に接続され、熱伝達が同じ導体を介して行われる従来技術の単純な柱状形状と比較して、発光素子の改善された効率性及び寿命を提示することができる。また、少なくとも3つの交互接触部を設けることは、単一又は複数の発光素子を互いに独立して動作させる可能性を開く。
【0034】
第2態様による照明装置は、第1態様による支持体と、少なくとも1つの取り付け面の配置方向に沿って取り付けられた少なくとも1つの発光素子とを備える。少なくとも1つの発光素子は、例えば少なくとも1つの照明素子の接触パッチが接触部とそれぞれ電気的に接触するように、少なくとも2つの接触部に電気的に接触する。電気的接触及び/又は機械的接続は、例えばはんだ付けされた接触(例えばはんだペーストによる)及び/又は導電性接着剤の接触に基づいてよい。少なくとも1つの発光素子は、対応する接触部に関連付けられる導体に電圧を印加することによって動作され得る。例えば本体部は、電源への電気的接触を提供するように構成され得る。
【0035】
したがって、本発明の次の実施形態では、照明装置は、電源に接続するためのソケットを更に備えてよく、ソケットは、本体部に接続される。ソケットは、特に、意図される用途、特に、必要なタイプのレトロフィットに適した標準ソケットである。いくつかの実施形態では、ソケットは、自動車用途のためのハロゲン電球及び/又は電球の標準ソケットであってよい。そのようなソケットの一例はH7ソケットである。
【0036】
本体部と、少なくとも1つの取り付け面を有する取り付け部は、フィラメントの配置及び従来の光源における取り付けを模倣するように配置されてもよい。例えば発光素子の配置方向及び配置は、特に、ハロゲンフィラメントのような標準フィラメントの配置に対応する。ソケットが使用されるとき、特に、ソケットに対する取り付け面の距離及び向きは、従来の光源におけるソケットに対するフィラメントの距離及び向きに対応し得る。
【0037】
第3態様による方法では、例えば少なくとも1つの照明素子の接触パッチが接触部に電気的に接続されるように、少なくとも1つの発光素子を接触部に電気的に接触させる。電気接点は、例えばはんだ付けによって、特にはんだペーストを使用すること及び/又は導電性接着剤を使用することによって確立されてよい。
【0038】
本発明の例示的な実施形態によれば、支持体を提供することは、金属シートの積層を含んでもよい。上述のように、導体の層状構造は、銅シートのような金属シート材料を使用することによって提供されてもよい。積層された金属シート材料は、本体部及び/又は取り付け部の形状、並び本体部から少なくとも1つの取り付け面への電気的接続を提供するための導体を提供し得る。特に、金属シートは、金属シートの主面上に積層されてよい。金属シート間の絶縁層は、金属シート間の電気的接触を防止するために配置されてもよい。いくつかの実施形態において、金属シート材料は、主面上に1つ以上の絶縁層を有する複合材料として提供されてもよい。別の例示的な実施形態では、接着剤が、積層前及び/又は積層中に金属シート材料上に配置され、金属シート間の絶縁層の少なくとも一部を形成する。接着剤を使用することによって、金属シートを機械的に接続し、同時に互いに絶縁することができる。
【0039】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、金属シートは、屈曲されて角度付けられた部分を形成する。シートが少なくとも部分的に支持体に必要な形状になるように、屈曲は、シートの積層前に行われてよい。また、屈曲を、金属シートの積層中又は積層後に行うことも可能である。例えば金属シートの間に絶縁層が配置された金属シートの積層が複合材料又は半完成品として提供され、支持体の形状に屈曲されてよい。
【0040】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、支持体を提供することは、特に金属シートの積層後の材料除去を含む。例えば矩形形状のような標準的形状の金属シートが、本体部及び/又は取り付け部の少なくとも一部を積み重ねて提供するために使用されてよい。支持体のより複雑な形状を得るために、例えば本体部の少なくとも一部分の前述の三角形断面、互いに角度をなして配置された取り付け面等の1つ以上の取り付け面の特定の形状、金属シート材料及び/又は絶縁層の材料を除去することができる。例えば支持体の形状は、少なくとも部分的に、フライス加工(milling)、研削、切断及び/又はエッチングによって得られてよい。
【0041】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、少なくとも1つの発光素子の取り付けは、少なくとも1つの発光素子を支持層上に着脱可能に固定するステップと、少なくとも1つの発光素子上に接触材料を塗布するステップと、支持層上に固定された少なくとも1つの発光素子を少なくとも1つの取り付け面に適用するステップとを含み、接触材料は、少なくとも1つの発光素子を接触部に接続する。取り付け面は、複雑な形状を有することがあり、特に、三次元(平らでない)形態で配置されることがあるので、はんだマスク等の標準的な技術によっては、はんだの信頼性の高い位置決めができない可能性がある。はんだマスクは、複雑な形状の比較的小さな取り付け面に適用することが困難な可能性がある。さらに、はんだが取り付け面の端部付近に配置されるとき、位置決めやはんだの量は制御するのが難しい。したがって、特にはんだのリフロー中に、発光素子の望ましくない位置変更が生じる可能性がある。
【0042】
例えば少なくとも1つの発光素子が支持層上に既に固定されているとき、少なくとも1つの発光素子上、特に少なくとも1つの発光素子の接触パッチ上に、はんだペーストのような接触材料を適用することが有利であることが分かっている。少なくとも1つの発光素子の正確な位置決めのために、支持層が使用されてもよく、少なくとも1つの発光素子は、接触部に接続されてもよい。例えば少なくとも1つの発光素子は、接触材料が接触部に接触するように取り付け面に適用される。接触材料は、リフロー及び/又は硬化を受け得る。支持層は、接触材料のリフロー及び/又は硬化の前、後又はその間に除去されてもよい。
【0043】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、支持層上に固定された少なくとも1つの発光素子を少なくとも1つの支持層に適用することは、少なくとも1つの支持面の形状に一致するように支持層を屈曲させることを含む。支持層を屈曲させることは、特に、発光素子が複数の取り付け面上に同時に取り付けられ得るように、複数の取り付け面の形状に一致させるために有用であり得る。
【0044】
一実施形態によると、支持層上に固定された発光素子は、SMT技術によって適用されてもよい。支持層は、吸引ノズルのような1つ以上の保持装置によってピックアップされ得る。例えば発光素子毎又は発光素子のグループ毎(例えば各グループが取り付け面に対応する)に、保持装置が使用されてよい。保持装置は、取り付け面の形状に対応する支持層の形状を得るために及び発光素子を取り付け面に適用するために、互いに対して位置決め及び回転されてよい。
【0045】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、支持層は、少なくとも1つの所定の屈曲線を有する。屈曲線は、例えば支持層の部分を分離する線に対応し、各部分は、取り付け面に対応する発光素子又は発光素子のグループに対応する。屈曲線によって、支持層の屈曲の精度、したがって、発光素子の位置決めの精度を大幅に改善することができる。屈曲線は、例えば支持層内の穿孔によって形成されてよい。支持層の残りの部分と比較して、厚さの減少及び/又はより高い柔軟性を有する異なる材料のような、他の構成も、追加又は代替として可能であり得る。
【0046】
本発明の別の例示的な実施形態によれば、支持層上に固定された少なくとも1つの発光素子を少なくとも1つの取り付け面に適用することは、支持層の切断を含む。一実施形態では、発光素子が支持層上に固定される前に支持層を切断してもよい。例えば支持層はセグメントに切断されてもよく、各セグメントは発光素子のグループを支持する。発光素子の各グループは、各取り付け面に独立して適用することができる支持層のストリップが得られるように、例えば取り付け面に対応し得る。別の実施形態では、発光素子を固定した後であるが、接触材料が適用される前に、支持層を切断してもよい。別の実施形態では、支持層は、少なくとも1つの発光素子が固定され、接触材料が塗布された後に切断されてもよい。
【0047】
支持層として、例えばポリイミド接着テープを使用してよい。ポリイミド接着テープは、接触材料が硬化した後、例えば接触材料として使用されるはんだペーストのリフローの後に除去されてもよい。別の実施形態では、表面上に硬化性接着層を有する支持層、例えばUV硬化性接着テープを使用してもよい。この場合、UV硬化性接着剤をUV光に曝すことによって接触材料を硬化させる前に、支持層をより容易に除去することができ、発光素子は、支持層から解放され得る。次いで、接触材料の硬化は、支持層なしで実施されてもよい。
【0048】
少なくとも1つの発光素子は、特に、発光可能な少なくとも1つの半導体素子を含んでよい。特に、少なくとも1つの発光素子は、少なくとも1つのLEDを含んでもよい。LEDは、p−n接合、ダイオード及び/又はトランジスタ等の少なくとも1つの半導体素子を含んでもよい。例えばLEDは、別個の又は組み合わされたLEDダイ及び/又はLEDパッケージの形態で提供されてよく、特定の少なくとも1つのLEDは、基板、例えばサファイア基板上に配置されてよい。LEDパッケージは、波長変換素子(例えば蛍光体に基づく)を含んでよく、かつ/又は拡散層、回折素子(例えばレンズ)及び/又は反射素子(例えば反射カップ)等の少なくとも1つの光学素子を含んでもよい。LED又は複数のLEDは、例えばLEDリードフレームに一体化されてもよい。
【0049】
本発明による支持体及び/又は照明装置は、特に、自動車照明における使用、例えば自動車ヘッドライトとしての使用のために構成されてよい。
【0050】
上述の本発明の特徴及び例示の実施形態は、本発明による異なる態様に等しく関連し得る。特に、第1態様及び第2態様による支持体及び照明装置に関する特徴の開示に伴い、第3態様による方法に関する対応する特徴も開示される。
【0051】
この領域における本発明の実施形態の提示は、単なる例示的であり、限定的ではないことを理解されたい。
【0052】
本発明の他の特徴は、添付の図面に関連して考慮される以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、図面は、本発明の限定の定義としてではなく、例示の目的のためにだけに設計されたものであり、本発明の限定の定義については、添付の特許請求の範囲を参照すべきであることを理解されたい。図面は、縮尺通りに描かれておらず、それらは、本明細書に記載されている構造及び手順を概念的に例示するように意図されるものに過ぎないことを更に理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
以下、添付の図面を参照して、本発明の例を詳細に説明する:
図1】側面図における支持体の第1実施形態の概略図である;
図2】上面図における支持体の第1実施形態の概略図である;
図3】正面図における支持体の第1実施形態の概略図である;
図4】斜視図における支持体の第1実施形態の概略図である;
図5】斜視図における照明装置の第1実施形態の概略図である;
図6】斜視図における照明装置の第2実施形態の概略図である;
図7】斜視図における支持体の第2実施形態及び照明装置の第3実施形態の概略図である;
図8a】照明装置を製造する方法の実施形態の概略図である。
図8b】照明装置を製造する方法の実施形態の概略図である。
図8c】照明装置を製造する方法の実施形態の概略図である。
図8d】照明装置を製造する方法の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1図2及び図3は、それぞれ、側面図、上面図、正面図における、少なくとも1つの発光素子のための支持体2の第1実施形態の概略図を示している。図4では、支持体2の第1実施形態が斜視図で示されている。
【0055】
特に、図1及び図2から分かるように、支持体2は、3つの取り付け面6a、6b、6cを有する取り付け部4を有し、取り付け面6a、6b、6cは配置方向8を有する。取り付け面6a、6b、6cは、配置方向8に沿って配置された発光素子を収容するように構成される。取り付け面6bは、他の2つの取り付け面6a、6cの間に配置され、他の2つの取り付け面6a、6cに対して実質的に垂直に配置される。
【0056】
本体部10は、取り付け部4に隣接して配置され、取り付け部4に熱的に接触している。支持体2は、本体部10を電源に接続することによって発光素子に電力が供給され得るように、本体部10から取り付け面6a、6b、6cへの電気的接続を提供する導体12を備える。取り付け部4及び本体部10は、金属シート材料、特に銅をベースにしたシート材料から形成される導体12の層状構造と、導体12の間に配置された絶縁層14とを備える。
【0057】
導体12及び絶縁層14を形成する金属シート材料の伸長方向は、取り付け部における取り付け面6a、6b、6cの配置方向8に対して実質的に垂直に延びる。本体部10の一部では、伸長方向は、配置方向8に対して実質的に平行に延びる。導体12と絶縁層14の層状構造は、角度付けられた部分18を含み、本体部10の長さは、配置方向8に対して実質的に平行に延びる。
【0058】
図1から分かるように、取り付け面6a、6b、6cは、配置方向8に沿って接触部16を備え、各接触部16は、導体12に対応し、絶縁層14によって形成される絶縁部によって分離されている。導体12を形成する金属シート材料は、主面及び側面を含み、接触部16の各々は、金属シート材料の側面によって形成される。
【0059】
特に、図3の正面図から分かるように、本体部10は、配置方向8に対して取り付け面6a、6b、6cから側方に突出する。例えばビューアが取り付け面6bに面している場合、本体部は、取り付け面6a、6b、6cのエッジを越えて延びる。すなわち、本体部10は、取り付け部4に比べて広くなった幅を有する。
【0060】
本体部10は、取り付け部4からの距離が長くなるにつれて大きくなる断面積を有し、これは、特に図2の上面図から明らかである。本体部10は、三角形断面を有し、取り付け部4は、三角形断面のエッジに配置される。三角形断面の開口角は45°である。上述したように、本体部は、少なくとも1つの取り付け面への電気的接続を提供してよく、ヒートシンク並びに熱伝導体として同時に作用してよく、これは、高熱出力を有する発光素子、例えば自動車ヘッド照明のような用途のためのLED光源が使用されるときに、特に有利である。本体部10が取り付け面6a、6b、6cから側方に突出すると、本体部10の容積が大きくなり、本体部10は、取り付け部4からの大幅に改善された熱伝達を提供すると同時に、レトロフィット用途に適した有効な電気伝導率及び光学特性を提供する。
【0061】
特に、ハロゲン電球のような光源の照明パターンは、支持体2の取り付け面6a、6b、6cに取り付けられた発光素子非常に密接に再現され得る。取り付け面6a、6b、6cの各々は、配置方向8に沿って配置された複数の発光素子を収容するように構成される。この第1実施形態では、取り付け面6a、6b、6cは各々、配置方向8に沿って6つの交互接触部(alternating contact section)16を備え、各交互接触部16は、導体12に対応し、絶縁部14によって分離されている。配置方向は、白熱光源におけるフィラメントの伸長方向に対応し得る。
【0062】
本発明に係る照明装置20の第1実施形態が、図5に示されており、照明装置20は、図1図4に示される支持体2の第1実施形態を備える。5つの発光素子22が、各取り付け面6a、6b、6cの配置方向8に沿って取り付けられている。各発光素子22は、2つの隣接する交互接触部16に電気的に接触している。
【0063】
図6には、本発明に係る照明装置20の第2実施形態が示されており、ここでは、電源に接続するためのソケット24が提供されており、ソケット24は支持体2の本体部10に接続される。支持体2は、図1図4に示される第1実施形態に従って構成される。ソケット24は、自動車用途におけるH7ハロゲンランプに対応する標準ソケットを表す。
【0064】
図7は、本発明に係る支持体2の第2実施形態と照明装置20の第3実施形態の斜視図である。これらの実施形態では、取り付け面6は、配置方向8に沿って細長い形状を有する単一の発光素子22のために構成される。本体部10及び取り付け部4は、絶縁層14によって分離された2つの導体12を備える。
【0065】
図8a〜図8dは、本発明に係る照明装置の製造方法、特に第1実施形態に係る照明装置の製造方法の概略図を示す。
【0066】
支持体2が提供され、例えば図1図4に示される第1実施形態に従って構成される。支持体2は、金属シートの積層及び金属シート間の絶縁層の配置によって提供されてよく、絶縁層は、金属シートに接着剤を塗布することによって形成されることができる。金属シートは、実質的に垂直な角度を有する角度付けられた部分を形成するように曲げられてよく、図1図4に示されるように支持体2の形状を得るために材料除去が行われてもよい。
【0067】
次いで、発光素子22が、図8a〜図8dに示されるように、支持体2に取り付けられる。図8aは、正面図を示し、発光素子22は、支持層26、例えば接着性ポリイミドテープ又はUV硬化性接着テープに着脱可能に固定される。支持層26は、発光素子22をグループに分割するミシン目28の形態の所定の屈曲線を有し、各グループは、取り付け面6a、6b、6cに対応する。接触材料としてのはんだペーストは、発光素子22(図示せず)の接触部に塗布される。
【0068】
支持層26は、保持装置の吸引ノズル30a、30b、30cによってピックアップされる。3つの吸引ノズル30a、30b、30c又は3つのグループの吸引ノズル30a、30b、30cが使用され、各々が発光素子22のグループ及び取り付け面6a、6b、6cに対応する。図8bの支持体2の上面図に示すように、取り付け面6bに対応する発光素子22が適用された後、吸引ノズル30a、30cは、図8cに示されるように、支持層26がミシン目28で折り曲げられて取り付け面6a、6b、6cの形状に一致するよう、再位置決めされて回転される。
【0069】
代替として、支持層26はストリップに切断されてもよく、各ストリップは、取り付け面6a、6b、6c(図示せず)に対応し、ストリップは同様に適用される。
【0070】
はんだペーストは、該はんだペーストが発光素子22を取り付け面6a、6b、6cの接触部16に永久的に接続するように、発光素子22の位置決めの後にリフローを受ける。支持層22は、リフローの後(例えば接着性ポリイミドテープが使用されるとき)又はリフローの前(例えば発光素子22への接着性を低減するためにUV光に露光され得るUV硬化性接着テープを使用するとき)に発光素子から除去されてもよい。図8dに示されるように発光装置20が得られる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図8c
図8d