(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
f_1aspを前記第1レンズ群が備える前記メニスカス非球面形状を有するレンズの焦点距離、f_2aspを前記第2レンズ群が備える前記メニスカス非球面形状を有するレンズの焦点距離として、条件式
|f / f_1asp| < 1.0
|f / f_2asp| < 1.0
を満足する請求項1から5のいずれか一項に記載のレンズ系。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。以下の実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0015】
特許請求の範囲、明細書、図面、及び要約書には、著作権による保護の対象となる事項が含まれる。著作権者は、これらの書類の何人による複製に対しても、特許庁のファイルまたはレコードに表示される通りであれば異議を唱えない。ただし、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。
【0016】
図1から
図8に関連してレンズ系の実施例が開示されている。各実施例で開示されているように、一実施形態のレンズ系は、物体側から像側へと順に、正の第1レンズ群、開口絞り、正の第2レンズ群を備える。無限遠合焦状態から近接物体合焦状態へのフォーカシングの際に、第1レンズ群と第2レンズ群は、光軸上の間隔が一定の状態で像側から物体側へ移動される。第1レンズ群は、3枚以上のレンズを備え、物体側から順に、1つ以上の接合レンズ、1枚の物体側に凸となるメニスカス非球面形状を有するレンズを備える。第2レンズ群は、4枚以上のレンズを備え、物体側から順に、1つ以上の接合レンズ、1枚の物体側に凹となるメニスカス非球面形状を有するレンズを備える。fを全系の焦点距離、f1を第1レンズ群の焦点距離、 TLを無限遠合焦状態の第1レンズ群の最も物体側のレンズ面から像面までの、バックフォーカスを空気換算長とした場合の光軸上の距離、Yを最大像高として、次の条件式を満足する。
0.5 < f / f1 < 1.1 ・・・(条件式1)
1.9 < TL / Y < 2.4 ・・・(条件式2)
【0017】
上記構成をとることで、撮像センササイズに対してより短いバックフォーカスを維持したまま、各面での軸上、および軸外収差の補正を効率よく各レンズが分担することができる。また、バックフォーカスの短いレンズ構成では、各レンズ面への入射角が大きくなり、レンズ入射・出射で生じる偏角差により収差発生量が大きくなるため、各諸収差が大きくなり易い。これに対し、本実施形態のレンズ系によれば、第1レンズ群と第2レンズ群の非球面レンズがそれぞれ実質的に対称に設置されているので、各収差を抑えつつ、非球面における収差補正を効率よく行うことができる。
【0018】
条件式1は、第1レンズ群とレンズ系全体の屈折力との比を規定している。条件式1の上限を超えると、第1レンズ群の屈折力が相対的に強くなり、小型化に寄与するものの、軸外収差の補正が難しくなる。一方、条件式の下限を超えると、第1レンズ群の屈折力が相対的に弱くなり、レンズの大型化を招いてしまい、小型のまま性能を高めるためには各レンズの敏感度が高くなるため、製造難易度が高くなる。
【0019】
さらに、次の条件式1−1を満足することで上述の効果がより顕著となる。
0.65 < f / f1 < 1.0 ・・・(条件式1−1)
【0020】
条件式2は、無限遠被写体に合焦時のレンズ系全長と最大像高の関係を規定している。条件式2の上限を超えると、収差補正には有利であるものの、レンズ系全長を短くすることが難しくなる。一方、条件式の下限を超えると、最大像高に対してレンズ系全長が短くなり、収差性能を維持することが難しくなる。
【0021】
さらに、条件式2−1を満足することで上述の効果がより顕著となる。
2.1 < TL / Y < 2.3 ・・・(条件式2−1)
【0022】
本実施形態のレンズ系は、EPDを射出瞳距離、Yを最大像高として、次の条件式3を満足してよい。
1.3 < EPD / Y < 1.7 ・・・(条件式3)
【0023】
条件式3は、無限遠被写体に合焦時の射出瞳位置と最大像高の関係を規定している。条件式3の上限を超えると、射出瞳位置が撮像面から遠くなるために、全長を小型化することが難しくなる。一方、条件式の下限を超えると最大像高に対して射出瞳距離が短くなりすぎるため、軸外光線の入射角が大きくなってしまい、軸外収差が発生し易くなる。また、撮像素子の入射角制限から外れてしまうため、周辺の減光を招き易くなる。
【0024】
さらに、条件式3−1を満足することで上述の効果がより顕著となる。
1.4 < EPD / Y < 1.6 ・・・ (条件式3−1)
【0025】
本実施形態のレンズ系は、f_1aspを第1レンズ群が備えるメニスカス非球面形状を有するレンズの焦点距離、f_2aspを第2レンズ群が備えるメニスカス非球面形状を有するレンズの焦点距離として、条件式4及び条件式5を満足してよい。
|f / f_1asp| < 1.0 ・・・(条件式4)
|f / f_2asp| < 1.0 ・・・(条件式5)
【0026】
条件式4及び条件式5は、全系の焦点距離と第1レンズ群の非球面レンズの焦点距離、及び第2レンズ群の非球面レンズの焦点距離の関係を規定している。条件式4及び条件式5の上限を超えると、各群での非球面レンズの屈折力が強くなりすぎ、略対称系の構成が崩れ収差補正が難しくなる。また、非球面部の偏芯感度が高くなり、製造難易度が高くなる。
【0027】
さらに、条件式4−1及び条件式5−1を満足することで上述の効果がより顕著となる。
【0028】
|f / f_1asp| < 0.8 ・・・(条件式4−1)
|f / f_2asp| < 0.6 ・・・(条件式5−1)
【0029】
本実施形態のレンズ系は、CR_r1を第1レンズ群の最も像側のレンズの物体側面の曲率半径、CR_r2を第1レンズ群の最も像側のレンズの像側面の曲率半径として、条件式6を満足してよい。
|CR_r1 / CR_r2| > 5 ・・・(条件式6)
【0030】
条件式6は、第1レンズ群及び第2レンズ群の最も絞り側のレンズの物体側面の曲率半径の関係を規定している。条件式6の下限を超えると、球面収差と像面湾曲のバランスを崩してしまい、収差補正が難しくなる。また、偏芯時の性能劣化が大きくなる。
【0031】
さらに、条件式6−1を満足することで上述の効果がより顕著となる。
|CR_r1 / CR_r2| > 10 ・・・(条件式6−1)
【0032】
なお、本明細書等において「〜から構成され」、「〜からなり」、「〜からなる」という用語が用いられる場合、列挙された構成要素に加えて、実質的に屈折力を有さないレンズ、絞り、フィルタ及びカバーガラス等の、実質的に屈折力を有するレンズ以外の光学要素、及び/又は、レンズフランジ、撮像素子及び振れ補正機構等の機構要素を含み得る。例えば、「Xから構成され」、「Xからなり」、「Xからなる」という用語が用いられる場合、Xに加えて、実質的に屈折力を有するレンズ以外の光学要素、及び/又は、機構要素を含み得る。
【0033】
次に、レンズ系の実施形態に係る実施例のレンズ構成を説明する。まず、レンズ系の各実施例の説明で用いられる記号等の意味を説明する。
【0034】
「Lm」はレンズを示す。ここで、Lに続くmは自然数である。mは、物体側からm番目のレンズであることを示す。各実施例において、Lmは、物体側からm番目のレンズであることを示すために割り当てた記号である。各実施例の説明において、記号Lmが割り当てられたレンズと、他の実施例における同じ記号Lmが割り当てられたレンズとが同じレンズであることを意味するものではない。
【0035】
レンズ系が有する複数の面は、iを自然数として、面番号iで識別される。物体側からみて光学要素の最初の面を第1面とし、以降、光線が光学要素の面を通過する順に面番号をカウントアップする。面番号における「STO」は開口絞りSの開口面を表す。「Di」は、第i番目の面と第i+1番目の面との間の光軸上の間隔を示す。
【0036】
レンズ系は、非球面に形成されたレンズ面を持つレンズを含む場合がある。非球面に形成されたレンズ面の面番号には「*」を付して示す。非球面形状は、「x」をレンズ面の頂点からの光軸方向における距離、「y」を光軸に垂直な方向における光軸からの高さ、「c」をレンズの頂点における近軸曲率、「κ」を円錐定数(コーニック定数)、「A」、「B」、「C」、「D」をそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数として、次の式によって定義される。
x=cy
2/(1+(1−(1+κ)c
2y
2)
1/2)+Ay
4+By
6+Cy
8+Dy
10
なお、「x」はサグ量とも呼ばれる。「y」は像高とも呼ばれる。「c」は曲率半径の逆数である。
【0037】
「f」は焦点距離を示す。「Fno」はFナンバーを示す。「ω」は半画角を示す。「Y」は最大像高(IH)を示す。「Dex」は無限遠合焦状態の射出瞳位置を示す。「R」は曲率半径を示す。レンズデータに示す曲率半径において、「INF」は平面であることを示す。「Nd」は屈折率を示す。「Vd」は、アッベ数を示す。屈折率Nd及びアッベ数Vdは、d線(λ=587.6nm)における値である。
【0038】
図1は、第1実施例におけるレンズ系100のレンズ構成を、光学部材F及び像面IMAとともに示す。レンズ系100は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群110、開口絞りS、正の屈折力を有する第2レンズ群120から構成される。第1レンズ群110、開口絞りS、第2レンズ群120が一体で光軸方向に可動することにより、フォーカシングを行う。無限遠合焦状態から近接物体合焦状態へのフォーカシングの際に、第1レンズ群110と第2レンズ群120は光軸上の間隔が一定の状態で像側から物体側へ移動する。
【0039】
第1レンズ群110は、負レンズL1と正レンズL2とを接合した接合レンズと、正レンズL3と、正レンズL4とから構成される。第2レンズ群120は、正レンズL5と負レンズL6とを接合した接合レンズと、負レンズL7と、負レンズL8と、正レンズL9とから構成される。光学部材Fは、レンズ系100と像面IMAとの間に設けられる。光学部材Fは、例えば、光学フィルタやカバープレート等である。像面IMAには、レンズ系100及び光学部材Fを通過した光が入射する。
【0040】
表1は、レンズ系100のレンズデータを示す。表1において、Di、Nd及びVdは面番号iに対応づけて示されている。面番号17の面間隔Diは無限遠合焦時の値である。
【0042】
表2に、非球面形状を有する面の面番号と、円錐定数κと、非球面係数A、B、C及びDとを示す。円錐定数κ及び非球面係数A、B、C及びDの値について、「E−i」は、10を底とする指数表現、すなわち「10
−i」を示す。ただし、iは整数とする。
【0044】
表3は、無限遠合焦状態のレンズ系100の全系の焦点距離f、Fno、半画角ω、最大像高Y、及び射出瞳位置Dexを示す。
【0046】
第1レンズ群110は、両凹の負レンズL1と正レンズL2とを接合した負の屈折力の接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の非球面メニスカスレンズL3と、物体側の曲率半径が像側よりも大きい形状の正レンズL4とから構成される。この構成によれば、負成分が先行しており、レンズ径の小さいレンズ系において、球面収差と軸外収差を良好に補正することが可能となる。また、接合レンズの正レンズL2に、接合レンズの負レンズL1と比べてアッベ数の大きい硝材を用いることにより、軸上色収差と軸外色収差を良好に補正している。
【0047】
第2レンズ群120は、両凸形状の正レンズL5と両凹形状の負レンズL6とを接合した正の屈折力の接合レンズと、物体側に凹面を向けた負の非球面メニスカスレンズL7と、物体側に凹面を向けた負のメニスカスレンズL8と、物体側に凹面を向けた正のメニスカスレンズL9とから構成される。開口絞りS近傍に接合レンズを設置し、メニスカス非球面レンズを使用することで、各画角光線に対して適切に収差補正をし、軸上収差及び軸外収差をバランス良く補正することができる。また、接合レンズの正レンズL5に、接合レンズの負レンズL6と比べてアッベ数の大きい硝材を用いることにより、軸上色収差と軸外色収差を良好に補正している。
【0048】
図2は、レンズ系100の無限遠合焦状態での球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。球面収差において、一点鎖線はC線(656.27nm)、実線はd線(587.56nm)、破線はg線(435.84nm)の値を示す。非点収差において、実線はd線のサジタル像面、一点鎖線はd線のメリディオナル像面の値を示す。歪曲収差はd線の値を示す。各収差図から、レンズ系100は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0049】
図3は、第2実施例におけるレンズ系200のレンズ構成を、光学部材F及び像面IMAとともに示す。レンズ系200は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群210、開口絞りS、正の屈折力を有する第2レンズ群220から構成される。第1レンズ群210、開口絞りS、第2レンズ群220が一体で光軸方向に可動することにより、フォーカシングを行う。無限遠合焦状態から近接物体合焦状態へのフォーカシングの際に、第1レンズ群210と第2レンズ群220は光軸上の間隔が一定の状態で像側から物体側へ移動する。
【0050】
第1レンズ群210は、負レンズL1と正レンズL2とを接合した接合レンズと、正レンズL3と、正レンズL4とから構成される。第2レンズ群220は、正レンズL5と、正レンズL6と負レンズL7とを接合した接合レンズと、負レンズL8と、負レンズL8と、負レンズL9と、正レンズL10とから構成される。光学部材Fは、レンズ系200と像面IMAとの間に設けられる。光学部材Fは、例えば、光学フィルタやカバープレート等である。像面IMAには、レンズ系200及び光学部材Fを通過した光が入射する。
【0051】
表4は、レンズ系200のレンズデータを示す。表4において、Di、Nd及びVdは面番号iに対応づけて示されている。面番号19の面間隔Diは無限遠合焦時の値である。
【0053】
表5に、非球面形状を有する面の面番号と、円錐定数κと、非球面係数A、B、C及びDとを示す。円錐定数κ及び非球面係数A、B、C及びDの値について、「E−i」は、10を底とする指数表現、すなわち「10
−i」を示す。ただし、iは整数とする。
【0055】
表6は、無限遠合焦状態のレンズ系200の全系の焦点距離f、Fno、半画角ω、最大像高Y、及び射出瞳位置Dexを示す。
【0057】
第1レンズ群210は、両凹の負レンズL1と正レンズL2とを接合した負の屈折力の接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の非球面メニスカスレンズL3と、物体側の曲率半径が像側よりも大きい形状の正レンズL4とから構成される。この構成によれば、負成分が先行しており、レンズ径の小さいレンズ系において、球面収差と軸外収差を良好に補正することが可能となる。また、接合レンズの正レンズL2に、接合レンズの負レンズL1と比べてアッベ数の大きい硝材を用いることにより、軸上色収差と軸外色収差を良好に補正している。
【0058】
第2レンズ群220は、両凸の正レンズL5と、両凸形状の正レンズL6と両凹形状の負レンズL7とを接合した正の屈折力の接合レンズと、物体側に凹面を向けた負の非球面メニスカスレンズL8と、物体側に凹面を向けた負のメニスカスレンズL9と、物体側に凹面を向けた正のメニスカスレンズL10とから構成される。開口絞りS近傍に両凸の正レンズL5を配置することで、接合レンズのパワーを分割することができる。これにより、敏感度を抑制することができ、製造誤差によって発生する収差の低減に寄与する。また、メニスカス非球面レンズL8を使用することで、各画角光線に対して適切に収差補正をし、軸上収差及び軸外収差をバランス良く補正することができる。また、接合レンズの正レンズL6に接合レンズの負レンズL7と比べてアッベ数の大きい硝材を用いることにより、軸上色収差と軸外色収差を良好に補正している。
【0059】
図4は、レンズ系200の無限遠合焦状態での球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。球面収差において、一点鎖線はC線(656.27nm)、実線はd線(587.56nm)、破線はg線(435.84nm)の値を示す。非点収差において、実線はd線のサジタル像面、一点鎖線はd線のメリディオナル像面の値を示す。歪曲収差はd線の値を示す。各収差図から、レンズ系200は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0060】
図5は、第3実施例におけるレンズ系300のレンズ構成を、光学部材F及び像面IMAとともに示す。レンズ系300は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群310、開口絞りS、正の屈折力を有する第2レンズ群320から構成される。第1レンズ群310、開口絞りS、第2レンズ群320が一体で光軸方向に可動することにより、フォーカシングを行う。無限遠合焦状態から近接物体合焦状態へのフォーカシングの際に、第1レンズ群310と第2レンズ群320は光軸上の間隔が一定の状態で像側から物体側へ移動する。
【0061】
第1レンズ群310は、負レンズL1と正レンズL2とを接合した接合レンズと、正レンズL3と、正レンズL4とから構成される。第2レンズ群320は、正レンズL5と負レンズL6とを接合した接合レンズと、負レンズL7と、負レンズL8と、負レンズL9と正レンズL10とを接合した接合レンズとから構成される。光学部材Fは、レンズ系300と像面IMAとの間に設けられる。光学部材Fは、例えば、光学フィルタやカバープレート等である。像面IMAには、レンズ系300及び光学部材Fを通過した光が入射する。
【0062】
表7は、レンズ系300のレンズデータを示す。表7において、Di、Nd及びVdは面番号iに対応づけて示されている。面番号18の面間隔Diは無限遠合焦時の値である。
【0064】
表8に、非球面形状を有する面の面番号と、円錐定数κと、非球面係数A、B、C及びDとを示す。円錐定数κ及び非球面係数A、B、C及びDの値について、「E−i」は、10を底とする指数表現、すなわち「10
−i」を示す。ただし、iは整数とする。
【0066】
表9は、無限遠合焦状態のレンズ系300の全系の焦点距離f、Fno、半画角ω、最大像高Y、及び射出瞳位置Dexを示す。
【0068】
第1レンズ群310は、両凹の負レンズL1と正レンズL2とを接合した負の屈折力の接合レンズ、物体側に凸面を向けた正の非球面メニスカスレンズL3、物体側の曲率半径が像側よりも大きい形状の正レンズL4とから構成される。この構成にれば、負成分が先行しており、レンズ径の小さいレンズ系において、球面収差と軸外収差を良好に補正することが可能となる。接合レンズの正レンズL2に接合レンズの負レンズL1と比べてアッベ数の大きい硝材を配置することにより、軸上色収差と軸外色収差を良好に補正することができる。
【0069】
第2レンズ群320は、両凸形状の正レンズL5と両凹形状の負レンズL6とを接合した正の屈折力の接合レンズと、物体側に凹面を向けた負の非球面メニスカスレンズL7と、物体側に凹面を向けた負のメニスカスレンズL8、両凹形状の負レンズL9と両凸形状の正レンズL10の正の屈折力の接合レンズとから構成される。物体側に凹面を向けた負のメニスカスレンズL7及びL8によりパワーを分割し、第2レンズ群320の最も像側のレンズを、両凹形状の負レンズL9と両凸形状の正レンズL10とを接合した正の屈折力の接合レンズとすることで、各負レンズで偏角されることで発生する収差を極力小さくし、第2レンズ群320全体の収差の低減に寄与している。また、メニスカス非球面レンズL7を使用することで、各画角光線に対して適切に収差補正をし、軸上収差及び軸外収差をバランス良く補正することができる。また、接合レンズの正レンズL5に接合レンズの負レンズL6と比べてアッベ数の大きい硝材を用いることにより、軸上色収差及び軸外色収差を良好に補正している。
【0070】
図6は、レンズ系300の無限遠合焦状態での球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。球面収差において、一点鎖線はC線(656.27nm)、実線はd線(587.56nm)、破線はg線(435.84nm)の値を示す。非点収差において、実線はd線のサジタル像面、一点鎖線はd線のメリディオナル像面の値を示す。歪曲収差はd線の値を示す。各収差図から、レンズ系300は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0071】
図7は、第4実施例におけるレンズ系400のレンズ構成を、光学部材F及び像面IMAとともに示す。レンズ系400は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群410、開口絞りS、正の屈折力を有する第2レンズ群420から構成される。第1レンズ群410、開口絞りS、第2レンズ群420が一体で光軸方向に可動することにより、フォーカシングを行う。無限遠合焦状態から近接物体合焦状態へのフォーカシングの際に、第1レンズ群410と第2レンズ群420は光軸上の間隔が一定の状態で像側から物体側へ移動する。
【0072】
第1レンズ群410は、負レンズL1と正レンズL2とを接合した接合レンズと、正レンズL3と、正レンズL4とから構成される。第2レンズ群420は、正レンズL5と負レンズL6と負レンズL7とを接合した接合レンズと、負レンズL8と、負レンズL9と、正レンズL10とから構成される。光学部材Fは、レンズ系400と像面IMAとの間に設けられる。光学部材Fは、例えば、光学フィルタやカバープレート等である。像面IMAには、レンズ系400及び光学部材Fを通過した光が入射する。
【0073】
表10は、レンズ系400のレンズデータを示す。表10において、Di、Nd及びVdは面番号iに対応づけて示されている。面番号18の面間隔Diは無限遠合焦時の値である。
【0075】
表11に、非球面形状を有する面の面番号と、円錐定数κと、非球面係数A、B、C及びDとを示す。円錐定数κ及び非球面係数A、B、C及びDの値について、「E−i」は、10を底とする指数表現、すなわち「10
−i」を示す。ただし、iは整数とする。
【0077】
表12は、無限遠合焦状態のレンズ系400の全系の焦点距離f、Fno、半画角ω、最大像高Y、及び射出瞳位置Dexを示す。
【0079】
第1レンズ群410は、両凹の負レンズL1と正レンズL2とを接合した負の屈折力の接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の非球面メニスカスレンズL3、物体側の曲率半径が像側よりも大きい形状の正レンズL4とから構成される。この構成によれば、負成分が先行しており、レンズ径の小さいレンズ系において、球面収差と軸外収差を良好に補正することが可能となる。また、接合レンズの正レンズL2に接合レンズの負レンズL1と比べてアッベ数の大きい硝材を用いることにより、軸上色収差と軸外色収差を良好に補正している。
【0080】
第2レンズ群420は、両凸形状の正レンズL5と両凹形状の負レンズL6と両凹形状の負レンズL7とを接合した正の屈折力の3枚接合レンズと、物体側に凹面を向けた負の非球面メニスカスレンズL8と、物体側に凹面を向けた負のメニスカスレンズL9と、物体側に凹面を向けた正のメニスカスレンズ10とから構成される。開口絞りS近傍に接合レンズを設置し、メニスカス非球面レンズL8を使用することで、各画角光線に対して適切に収差補正をすることができ、軸上収差及び軸外収差をバランス良く補正することができる。また、3枚接合レンズのうち1枚にアッベ数が非常に高い硝材を用いることにより、軸上色収差と軸外色収差を良好に補正している。
【0081】
図8は、レンズ系400の無限遠合焦状態での球面収差、非点収差、歪曲収差を示す。球面収差において、一点鎖線はC線(656.27nm)、実線はd線(587.56nm)、破線はg線(435.84nm)の値を示す。非点収差において、実線はd線のサジタル像面、一点鎖線はd線のメリディオナル像面の値を示す。歪曲収差はd線の値を示す。各収差図から、レンズ系400は、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0082】
表13は、第1実施例から第4実施例における各条件式に係る数値を示す。
【0084】
本実施形態に係るレンズ系は、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮像装置用のレンズ系に適用できる。本実施形態に係るレンズ系は、ズーム機構を有しないレンズ系に適用できる。本実施形態に係るレンズ系は、ズーム機構を有するレンズ系にも適用できる。本実施形態に係るレンズ系は、レンズ非交換式の撮像装置が備える撮像レンズに適用できる。本実施形態に係るレンズ系は、一眼レフレックスカメラ等のレンズ交換式カメラの交換レンズに適用できる。
【0085】
次に、本実施形態に係るレンズ系を備えるシステムの一例としての移動体システムを説明する。
【0086】
図9は、無人航空機(UAV)40及びコントローラ50を備える移動体システム10の一例を概略的に示す。UAV40は、UAV本体1101、ジンバル1110、複数の撮像装置1230、及び撮像装置1220を備える。撮像装置1220は、レンズ装置1160及び撮像部1140を備える。レンズ装置1160は、上述したレンズ系を備える。UAV40は、上述したレンズ系を有する撮像装置を備えて移動する移動体の一例である。移動体とは、UAVの他、空中を移動する他の航空機、地上を移動する車両、水上を移動する船舶等を含む概念である。
【0087】
UAV本体1101は、複数の回転翼を備える。UAV本体1101は、複数の回転翼の回転を制御することでUAV40を飛行させる。UAV本体1101は、例えば、4つの回転翼を用いてUAV40を飛行させる。回転翼の数は、4つには限定されない。UAV40は、回転翼を有さない固定翼機でもよい。
【0088】
撮像装置1230は、所望の撮像範囲に含まれる被写体を撮像する撮像用のカメラである。複数の撮像装置1230は、UAV40の飛行を制御するためにUAV40の周囲を撮像するセンシング用のカメラである。撮像装置1230は、UAV本体1101に固定されていてよい。
【0089】
2つの撮像装置1230が、UAV40の機首である正面に設けられてよい。さらに他の2つの撮像装置1230が、UAV40の底面に設けられてよい。正面側の2つの撮像装置1230はペアとなり、いわゆるステレオカメラとして機能してよい。底面側の2つの撮像装置1230もペアとなり、ステレオカメラとして機能してよい。複数の撮像装置1230により撮像された画像に基づいて、UAV40の周囲の3次元空間データが生成されてよい。複数の撮像装置1230により撮像された被写体までの距離は、複数の撮像装置1230によるステレオカメラにより特定され得る。
【0090】
UAV40が備える撮像装置1230の数は4つには限定されない。UAV40は、少なくとも1つの撮像装置1230を備えていればよい。UAV40は、UAV40の機首、機尾、側面、底面、及び天井面のそれぞれに少なくとも1つの撮像装置1230を備えてもよい。撮像装置1230は、単焦点レンズ又は魚眼レンズを有してもよい。UAV40に係る説明において、複数の撮像装置1230を、単に撮像装置1230と総称する場合がある。
【0091】
コントローラ50は、表示部54と操作部52を備える。操作部52は、UAV40の姿勢を制御するための入力操作をユーザから受け付ける。コントローラ50は、操作部52が受け付けたユーザの操作に基づいて、UAV40を制御するための信号を送信する。
【0092】
コントローラ50は、撮像装置1230及び撮像装置1220の少なくとも一方が撮像した画像を受信する。表示部54は、コントローラ50が受信した画像を表示する。表示部54はタッチ式のパネルであってよい。コントローラ50は、表示部54を通じて、ユーザから入力操作を受け付けてよい。表示部54は、撮像装置1220に撮像させるべき被写体の位置をユーザが指定するユーザ操作等を受け付けてよい。
【0093】
撮像部1140は、レンズ装置1160により結像された光学像の画像データを生成して記録する。レンズ装置1160は、撮像部1140と一体的に設けられてよい。レンズ装置1160は、いわゆる交換レンズであってよい。レンズ装置1160は、撮像部1140に対して着脱可能に設けられてよい。
【0094】
ジンバル1110は、撮像装置1220を可動に支持する支持機構を有する。撮像装置1220は、ジンバル1110を介してUAV本体1101に取り付けられる。ジンバル1110は、撮像装置1220を、ピッチ軸を中心に回転可能に支持する。ジンバル1110は、撮像装置1220を、ロール軸を中心に回転可能に支持する。ジンバル1110は、撮像装置1220を、ヨー軸を中心に回転可能に支持する。ジンバル1110は、ピッチ軸、ロール軸、及びヨー軸の少なくとも1つの軸を中心に、撮像装置1220を回転可能に支持してよい。ジンバル1110は、ピッチ軸、ロール軸、及びヨー軸のそれぞれを中心に、撮像装置1220を回転可能に支持してよい。ジンバル1110は、撮像部1140を保持してもよい。ジンバル1110は、レンズ装置1160を保持してもよい。ジンバル1110は、ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の少なくとも1つを中心に撮像部1140及びレンズ装置1160を回転させることで、撮像装置1220の撮像方向を変更してよい。
【0095】
図10は、UAV40の機能ブロックの一例を示す。UAV40は、インタフェース1102、制御部1104、メモリ1106、ジンバル1110、撮像部1140、及びレンズ装置1160を備える。
【0096】
インタフェース1102は、コントローラ50と通信する。インタフェース1102は、コントローラ50から各種の命令を受信する。制御部1104は、コントローラ50から受信した命令に従って、UAV40の飛行を制御する。制御部1104は、ジンバル1110、撮像部1140、及びレンズ装置1160を制御する。制御部1104は、CPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。メモリ1106は、制御部1104がジンバル1110、撮像部1140、及びレンズ装置1160を制御するのに必要なプログラムなどを格納する。
【0097】
メモリ1106は、コンピュータが可読な記録媒体でよい。メモリ1106は、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリなどのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ1106は、UAV40の筐体に設けられてよい。UAV40の筐体から取り外し可能に設けられてよい。
【0098】
ジンバル1110は、制御部1112、ドライバ1114、ドライバ1116、ドライバ1118、駆動部1124、駆動部1126、駆動部1128、及び支持機構1130を有する。駆動部1124、駆動部1126及び駆動部1128は、モータであってよい。
【0099】
支持機構1130は、撮像装置1220を支持する。支持機構1130は、撮像装置1220の撮像方向を可動に支持する。支持機構1130は、撮像部1140及びレンズ装置1160をヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸を中心に回転可能に支持する。支持機構1130は、回転機構1134、回転機構1136、及び回転機構1138を含む。回転機構1134は、駆動部1124を用いてヨー軸を中心に撮像部1140及びレンズ装置1160を回転させる。回転機構1136は、駆動部1126を用いてピッチ軸を中心に撮像部1140及びレンズ装置1160を回転させる。回転機構1138は、駆動部1128を用いてロール軸を中心に撮像部1140及びレンズ装置1160を回転させる。
【0100】
制御部1112は、制御部1104からのジンバル1110の動作命令に応じて、ドライバ1114、ドライバ1116、及びドライバ1118に対して、それぞれの回転角度を示す動作命令を出力する。ドライバ1114、ドライバ1116、及びドライバ1118は、回転角度を示す動作命令に従って駆動部1124、駆動部1126、及び駆動部1128を駆動させる。回転機構1134、回転機構1136、及び回転機構1138は、駆動部1124、駆動部1126、及び駆動部1128によりそれぞれ駆動されて回転し、撮像部1140及びレンズ装置1160の姿勢を変更する。
【0101】
撮像部1140は、レンズ系1168を通過した光により撮像する。撮像部1140は、制御部1222、撮像素子1221及びメモリ1223を備える。制御部1222は、CPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。制御部1222は、制御部1104からの撮像部1140及びレンズ装置1160に対する動作命令に応じて、撮像部1140及びレンズ装置1160を制御する。制御部1222は、コントローラ50から受信した信号に基づいて、レンズ装置1160に対する制御命令をレンズ装置1160に出力する。制御命令は、レンズ系1168を振動させる命令や、レンズ系1168の温度を検出する命令であってよい。
【0102】
メモリ1223は、コンピュータが可読な記録媒体でよく、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリなどのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ1223は、撮像部1140の筐体の内部に設けられてよい。撮像部1140の筐体から取り外し可能に設けられてよい。
【0103】
撮像素子1221は、撮像部1140の筐体の内部に保持され、レンズ装置1160を介して結像された光学像の画像データを生成して、制御部1222に出力する。制御部1222は、撮像素子1221から出力された画像データをメモリ1223に格納する。制御部1222は、画像データを、制御部1104を介してメモリ1106に出力して格納してもよい。
【0104】
レンズ装置1160は、制御部1162、メモリ1163、駆動機構1161、及びレンズ系1168を備える。レンズ系1168として、上記の実施形態に係るレンズ系を適用できる。
【0105】
制御部1162は、制御部1222からの制御命令に従って、レンズ系1168を駆動してよい。駆動機構1161は、制御部1162からの制御命令に従って、レンズ系1168が備える複数のレンズ群及び開口絞りを光軸方向に移動させることにより、レンズ系1168の焦点を調節してよい。駆動機構1161は、制御部1162からの制御命令に従って、レンズ系1168が備える開口絞りを制御してよい。駆動機構1161は、制御部1162からの制御命令に従って、レンズ系1168を振動させてよい。駆動機構1161は、例えばアクチュエータなどを備える。レンズ装置1160のレンズ系1168により結像された像は、撮像部1140により撮像される。
【0106】
レンズ装置1160は、撮像部1140と一体的に設けられてよい。レンズ装置1160は、いわゆる交換レンズであってよい。レンズ装置1160は、撮像部1140に対して着脱可能に設けられてよい。
【0107】
撮像装置1230は、制御部1232、制御部1234、撮像素子1231、メモリ1233、及びレンズ1235を備える。制御部1232は、CPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。制御部1232は、制御部1104からの撮像素子1231の動作命令に応じて、撮像素子1231を制御する。
【0108】
制御部1234は、CPU又はMPUなどのマイクロプロセッサ、MCUなどのマイクロコントローラなどにより構成されてよい。制御部1234は、レンズ1235に対する動作命令に応じて、レンズ1235の焦点を調節してよい。制御部1234は、レンズ1235に対する動作命令に応じて、レンズ1235が有する開口絞りを制御してよい。
【0109】
メモリ1233は、コンピュータが可読な記録媒体であってよい。メモリ1233は、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリなどのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。
【0110】
撮像素子1231は、レンズ1235を介して結像された光学像の画像データを生成して、制御部1232に出力する。制御部1232は、撮像素子1231から出力された画像データをメモリ1233に格納する。
【0111】
本実施形態では、UAV40が、制御部1104、制御部1112、制御部1222、制御部1232、制御部1234、及び制御部1162を備える。しかし、制御部1104、制御部1112、制御部1222、制御部1232、制御部1234、及び制御部1162のうちの複数で実行される処理をいずれか1つの制御部が実行してよい。制御部1104、制御部1112、制御部1222、制御部1232、制御部1234、及び制御部1162で実行される処理を1つの制御部で実行してもよい。本実施形態では、UAV40が、メモリ1106、メモリ1223、及びメモリ1233を備える。メモリ1106、メモリ1223、及びメモリ1233のうちの少なくとも1つに記憶される情報は、メモリ1106、メモリ1223、及びメモリ1233のうちの他の1つ又は複数のメモリに記憶してよい。
【0112】
撮像装置1220が上記の実施形態に係るレンズ系を有するレンズ装置1160を備えることで、小型で高い光学性能を有する撮像機能を提供することができる。
【0113】
次に、上記の実施形態に係るレンズ系を備えるシステムの一例としてのスタビライザを説明する。
【0114】
図11は、スタビライザ3000の一例を示す外観斜視図である。スタビライザ3000は、移動体の他の一例である。例えば、スタビライザ3000が備えるカメラユニット3013が、撮像装置1220と同様の構成の撮像装置を備えてよい。カメラユニット3013が、レンズ装置1160と同様の構成のレンズ装置を備えてよい。
【0115】
スタビライザ3000は、カメラユニット3013、ジンバル3020、及び持ち手部3003を備える。ジンバル3020は、カメラユニット3013を回転可能に支持する。ジンバル3020は、パン軸3009、ロール軸3010、及びチルト軸3011を有する。ジンバル3020は、パン軸3009、ロール軸3010、及びチルト軸3011を中心に、カメラユニット3013を回転可能に支持する。ジンバル3020は、支持機構の一例である。
【0116】
カメラユニット3013は、撮像装置の一例である。カメラユニット3013は、メモリを挿入するためのスロット3014を有する。ジンバル3020は、ホルダ3007を介して持ち手部3003に固定される。
【0117】
持ち手部3003は、ジンバル3020、カメラユニット3013を操作するための各種ボタンを有する。持ち手部3003は、シャッターボタン3004、録画ボタン3005、及び操作ボタン3006を含む。シャッターボタン3004が押下されることで、カメラユニット3013により静止画を記録することができる。録画ボタン3005が押下されることで、カメラユニット3013により動画を記録することができる。
【0118】
デバイスホルダ3001が持ち手部3003に固定されている。デバイスホルダ3001は、スマートフォンなどのモバイルデバイス3002を保持する。モバイルデバイス3002は、WiFiなどの無線ネットワークを介してスタビライザ3000と通信可能に接続される。これにより、カメラユニット3013により撮像された画像をモバイルデバイス3002の画面に表示させることができる。
【0119】
スタビライザ3000においても、カメラユニット3013が上記の実施形態に係るレンズ系を備えることで、小型で高い光学性能を持つ撮像機能を提供することができる。
【0120】
以上、移動体の一例としてUAV40及びスタビライザ3000を取り上げて説明した。撮像装置1220と同様の構成を有する撮像装置は、UAV40及びスタビライザ3000以外の移動体に取り付けられてよい。
【0121】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現可能である。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。