(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0013】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る光走査装置について説明する。
図1及び
図2は、第1実施形態に係る光走査装置の一例を示す斜視図であり、
図1はパッケージカバーを取り外した状態の光走査装置を示し、
図2はパッケージカバーを取り付けた状態の光走査装置を示している。
【0014】
図1及び
図2に示されるように、光走査装置1000は、光走査部100と、光走査部100を搭載するセラミックパッケージ200と、セラミックパッケージ200上に配されて光走査部100を覆うパッケージカバー300とを有する。光走査装置1000は、セラミックパッケージ200の下側に、基板や制御回路等を備えてもよい。
【0015】
光走査装置1000において、パッケージカバー300の略中央部には光反射面を有するミラー110の近傍を露出する開口部300Aが設けられている。開口部300Aは、ミラー110へのレーザ入射光Li及びミラー110からのレーザ出射光Lo(走査光)を遮らない形状とされている。なお、開口部300Aにおいて、レーザ入射光Liが通る側は、レーザ出射光Loが通る側よりも小さく開口されている。すなわち、レーザ入射光Li側が略半円形状に狭く開口しているのに対し、レーザ出射光Lo側は略矩形状に広く開口している。これは、レーザ入射光Liは一定の方向から入射するのでその方向のみを開口すればよいのに対し、レーザ出射光Loは2次元に走査されるため、2次元に走査されるレーザ出射光Loを遮らないように、走査される全範囲を開口する必要があるためである。
【0016】
次に、光走査装置1000の光走査部100について説明する。
図3は、第1実施形態に係る光走査装置の光走査部の一例を示す上面側の斜視図である。
【0017】
図3に示されるように、光走査部100は、ミラー110を揺動させて光源から照射されるレーザ入射光を走査する部分である。光走査部100は、例えば圧電素子によりミラー110を駆動させるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー等である。
【0018】
光走査部100は、光反射面を有するミラー110と、ミラー110を外側から支持する可動枠160と、可動枠160を両側から支持する一対の駆動梁170A、170Bとを有する。そして、可動枠160と第2の駆動梁170Aとが接続される可動枠接続部A11は、ミラー110の光反射面の中心Cを通る軸(以下「垂直回転軸V」ともいう。)に対して、固定枠180と第2の駆動梁170Aとが接続される固定枠接続部A12が配置させる側とは、略反対側に配置されている。また、可動枠160と第2の駆動梁170Bとが接続される可動枠接続部A13は、垂直回転軸Vに対して、固定枠180と第2の駆動梁170Bとが接続される固定枠接続部A14が配置される側とは、略反対側に配置されている。また、可動枠接続部A11、A13は、その端部が垂直回転軸Vを含むようにして、垂直回転軸Vに対して固定枠接続部A12、A14が配置される側とは反対側に配置されていてもよい。また、第2の駆動梁170Aと第2の駆動梁170Bとは、ミラー110の光反射面の中心Cを通り垂直回転軸Vに垂直な直線(以下「水平回転軸H」という。)を対象軸とする線対称の配置関係になっている。以下、詳細に説明する。
【0019】
光走査部100は、ミラー110と、ミラー支持部120と、捻れ梁130A、130Bと、連結梁140A、140Bと、第1の駆動梁150A、150Bと、可動枠160と、第2の駆動梁170A、170Bと、固定枠180とを有する。また、第1の駆動梁150A、150Bは、それぞれ駆動源151A、151Bを有する。また、第2の駆動梁170A、170Bは、それぞれ駆動源171A、171Bを有する。第1の駆動梁150A、150B、第2の駆動梁170A、170Bは、ミラー110を上下又は左右に揺動してレーザ光を走査するアクチュエータとして機能する。
【0020】
ミラー支持部120には、ミラー110の円周に沿うようにスリット122が形成されている。スリット122により、ミラー支持部120を軽量化しつつ捻れ梁130A、130Bによる捻れをミラー110へ伝達することができる。
【0021】
光走査部100において、ミラー支持部120の上面にミラー110が支持され、ミラー支持部120は、両側にある捻れ梁130A、130Bの端部に連結されている。捻れ梁130A、130Bは、揺動軸を構成し、軸方向に延在してミラー支持部120を軸方向両側から支持している。捻れ梁130A、130Bが捻れることにより、ミラー支持部120に支持されたミラー110が揺動し、ミラー110に照射された光の反射光を走査させる動作を行う。捻れ梁130A、130Bは、それぞれが連結梁140A、140Bに連結支持され、第1の駆動梁150A、150Bに連結されている。
【0022】
第1の駆動梁150A、150B、連結梁140A、140B、捻れ梁130A、130B、ミラー支持部120及びミラー110は、可動枠160によって外側から支持されている。第1の駆動梁150A、150Bは、可動枠160にそれぞれの一方の側が支持されている。第1の駆動梁150Aの他方の側は内周側に延びて連結梁140A、140Bと連結している。第1の駆動梁150Bの他方の側も同様に、内周側に延びて連結梁140A、140Bと連結している。
【0023】
第1の駆動梁150A、150Bは、捻れ梁130A、130Bと直交する方向に、ミラー110及びミラー支持部120を挟むように、対をなして設けられている。第1の駆動梁150A、150Bの上面には、駆動源151A、151Bがそれぞれ形成されている。駆動源151A、151Bは、第1の駆動梁150A、150Bの上面の圧電素子の薄膜(以下「圧電薄膜」ともいう。)の上に形成された上部電極と、圧電薄膜の下面に形成された下部電極とを含む。駆動源151A、151Bは、上部電極と下部電極に印加する駆動電圧の極性に応じて伸長したり縮小したりする。
【0024】
このため、第1の駆動梁150Aと第1の駆動梁150Bとで異なる位相の駆動電圧を交互に印加すれば、ミラー110の左側と右側で第1の駆動梁150Aと第1の駆動梁150Bとが上下反対側に交互に振動する。これにより、捻れ梁130A、130Bを揺動軸又は回転軸として、ミラー110を軸周りに揺動させることができる。ミラー110が捻れ梁130A、130Bの軸周りに揺動する方向を、以後、水平方向と呼ぶ。例えば第1の駆動梁150A、150Bによる水平駆動には、共振振動が用いられ、高速にミラー110を揺動駆動することができる。
【0025】
また、可動枠160の外部には、第2の駆動梁170A、170Bの一端が、それぞれ連結梁172A、172Bを介して可動枠接続部A11、A13において連結されている。第2の駆動梁170A、170Bは、可動枠160を左右両側から挟むように、対をなして設けられている。そして、第2の駆動梁170A、170Bは、可動枠160を両側から支持すると共に、垂直回転軸V周りに揺動させる。第2の駆動梁170Aは、第1の駆動梁150Aと平行に延在する複数個(例えば偶数個)の矩形梁の各々が、隣接する矩形梁と端部で連結され、全体としてジグザグ状の形状を有する。そして、第2の駆動梁170Aの他端は、固定枠接続部A12において固定枠180の内側に連結されている。第2の駆動梁170Bも同様に、第1の駆動梁150Bと平行に延在する複数個(例えば偶数個)の矩形梁の各々が、隣接する矩形梁と端部で連結され、全体としてジグザグ状の形状を有する。そして、第2の駆動梁170Bの他端は、固定枠接続部A14において固定枠180の内側に連結されている。このように、光走査部100では、可動枠160と第2の駆動梁170Aとが接続される可動枠接続部A11は、垂直回転軸Vに対して、固定枠180と第2の駆動梁170Aとが接続される固定枠接続部A12が配置される側とは、略反対側に配置されている。また、光走査部100では、可動枠160と第2の駆動梁170Bとが接続される可動枠接続部A13は、垂直回転軸Vに対して、固定枠180と第2の駆動梁170Bとが接続される固定枠接続部A14が配置される側とは、略反対側に配置されている。また、可動枠接続部A11、A13は、その端部が垂直回転軸Vを含むようにして、垂直回転軸Vに対して固定枠接続部A12、A14が配置される側とは反対側に配置されていてもよい。さらに、第2の駆動梁170Aと第2の駆動梁170Bとは、水平回転軸Hを対象軸とする線対称の配置関係になっている。
【0026】
第2の駆動梁170A、170Bの上面には、それぞれ曲線部を含まない矩形単位ごとに駆動源171A、171Bが形成されている。駆動源171Aは、第2の駆動梁170Aの上面の圧電薄膜の上に形成された上部電極と、圧電薄膜の下面に形成された下部電極とを含む。駆動源171Bは、第2の駆動梁170Bの上面の圧電薄膜の上に形成された上部電極と、圧電薄膜の下面に形成された下部電極とを含む。
【0027】
第2の駆動梁170A、170Bは、矩形単位ごとに隣接している駆動源171A、171B同士で、異なる極性の駆動電圧を印加することにより、隣接する矩形梁を上下反対方向に反らせ、各矩形梁の上下動の蓄積を可動枠160に伝達する。第2の駆動梁170A、170Bは、この動作により、平行方向と直交する方向である垂直方向にミラー110を揺動させる。例えば第2の駆動梁170A、170Bによる垂直駆動には、非共振振動を用いることができる。
【0028】
例えば、駆動源171Aを、可動枠160側から右側に向かって並ぶ駆動源171A1、171A2、171A3、171A4、171A5及び171A6を含むものとする。また、駆動源171Bを、可動枠160側から左側に向かって並ぶ駆動源171B1、171B2、171B3、171B4、171B5及び171B6を含むものとする。この場合、駆動源171A1、171B1、171A3、171B3、171A5、171B5を同波形、駆動源171A2、171B2、171A4、171B4、171A6及び171B6を前者と位相の異なる同波形で駆動することで垂直方向へ遥動できる。
【0029】
駆動源151Aの上部電極及び下部電極に駆動電圧を印加する駆動配線は、固定枠180に設けられた端子群190Aに含まれる所定の端子と接続されている。また、駆動源151Bの上部電極及び下部電極に駆動電圧を印加する駆動配線は、固定枠180に設けられた端子群190Bに含まれる所定の端子と接続されている。また、駆動源171Aの上部電極及び下部電極に駆動電圧を印加する駆動配線は、固定枠180に設けられた端子群190Aに含まれる所定の端子と接続されている。また、駆動源171Bの上部電極及び下部電極に駆動電圧を印加する駆動配線は、固定枠180に設けられた端子群190Bに含まれる所定の端子と接続されている。
【0030】
また、光走査部100は、駆動源151A、151Bに駆動電圧が印加されてミラー110が水平方向に遥動している状態におけるミラー110の水平方向の傾き具合(水平方向の振角)を検出する水平振角センサとして圧電センサ191、192を有する。圧電センサ191は連結梁140Aに設けられ、圧電センサ192は連結梁140Bに設けられている。
【0031】
また、光走査部100は、駆動源171A、171Bに駆動電圧が印加されてミラー110が垂直方向に遥動している状態におけるミラー110の垂直方向の傾き具合(垂直方向の振角)を検出する垂直振角センサとして圧電センサ195、196を有する。圧電センサ195は第2の駆動梁170Aの有する矩形梁の一つに設けられており、圧電センサ196は第2の駆動梁170Bの有する矩形梁の一つに設けられている。
【0032】
圧電センサ191は、ミラー110の水平方向の傾き具合に伴い、捻れ梁130Aから伝達される連結梁140Aの変位に対応する電流値を出力する。圧電センサ192は、ミラー110の水平方向の傾き具合に伴い、捻れ梁130Bから伝達される連結梁140Bの変位に対応する電流値を出力する。圧電センサ195は、ミラー110の垂直方向の傾き具合に伴い、第2の駆動梁170Aのうち圧電センサ195が設けられた矩形梁の変位に対応する電流値を出力する。圧電センサ196は、ミラー110の垂直方向の傾き具合に伴い、第2の駆動梁170Bのうち圧電センサ196が設けられた矩形梁の変位に対応する電流値を出力する。
【0033】
第1実施形態では、圧電センサ191、192の出力を用いてミラー110の水平方向の傾き具合を検出し、圧電センサ195、196の出力を用いてミラー110の垂直方向の傾き具合を検出する。なお、各圧電センサから出力される電流値からミラー110の傾き具合の検出を行う傾き検出部が光走査部100の外部に設けられていてもよい。また、傾き検出部の検出結果に基づき駆動源151A、151B、駆動源171A、171Bに供給する駆動電圧を制御する駆動制御部が光走査部100の外部に設けられていてもよい。
【0034】
圧電センサ191、192、195、196は、圧電薄膜の上面に形成された上部電極と、圧電薄膜の下面に形成された下部電極とを含む。第1実施形態では、各圧電センサの出力は、上部電極と下部電極とに接続されたセンサ配線の電流値となる。
【0035】
圧電センサ191の上部電極及び下部電極から引き出されたセンサ配線は、固定枠180に設けられた端子群190Bに含まれる所定の端子と接続されている。また、圧電センサ195の上部電極及び下部電極から引き出されたセンサ配線は、固定枠180に設けられた端子群190Aに含まれる所定の端子と接続されている。また、圧電センサ192の上部電極及び下部電極から引き出されたセンサ配線は、固定枠180に設けられた端子群190Bに含まれる所定の端子と接続されている。また、圧電センサ196の上部電極及び下部電極から引き出されたセンサ配線は、固定枠180に設けられた端子群190Bに含まれる所定の端子と接続されている。
【0036】
図4は、第1実施形態に係る光走査装置の光走査部の一例を示す下面側の斜視図である。
【0037】
図4に示されるように、ミラー支持部120の下面には、リブ125が設けられている。リブ125を設けることで、駆動しているときにミラー110に歪みが発生することを抑制し、ミラー110を平坦に保つことができる。リブ125は、ミラー110の形状とほぼ外形が一致するように形成される。これにより、ミラー110を全体に亘って平坦にすることができる。また、ミラー支持部120に形成されたスリット122により、捻れ梁130A、130Bから伝達される応力をミラー支持部120内で分散させ、リブ125にまで応力が伝達することを防ぐことができる。
【0038】
第2の駆動梁170A、170Bの下面において、連結梁172A、172Bとの連結部分には、リブ175A、175Bが設けられている。リブ175A、175Bを設けることで、第2の駆動梁170A、170Bと連結梁172A、172Bとを連結する部分を補強し、剛性を高めて変形を防止している。また、第2の駆動梁170A、170Bの下面において、隣接する駆動梁同士を連結する部分には、リブ176A、176Bが設けられている。リブ176A、176Bを設けることで、隣接する駆動梁同士を連結する部分を補強し、剛性を高めて変形を防止している。
【0039】
図5は、第1実施形態に係る光走査装置の光走査部の他の例を示す上面側の斜視図である。
図6は、第1実施形態に係る光走査装置の光走査部の他の例を示す下面側の斜視図である。
【0040】
光走査部100は、例えば支持層、埋め込み(BOX:Buried Oxide)層及び活性層を有するSOI(Silicon On Insulator)基板を用いて形成することができる。その場合、
図5及び
図6に示されるように、連結梁172A、172Bと可動枠160とが活性層及びBOX層によって接続されていてもよい。なお、
図5においては、連結梁172Aと可動枠160とが活性層及びBOX層によって接続されている部分を破線領域B11で示し、連結梁172Bと可動枠160とが活性層及びBOX層によって接続されている部分を破線領域B13で示している。また、連結梁172A、172Bと可動枠160とが活性層のみによって接続されていてもよい。
【0041】
次に、光走査装置1000の動作について説明する。
図7は、駆動源171A、171Bに印加する電圧波形とミラー110の動作波形との関係を説明するための図である。
図7において、破線は駆動電圧波形を表し、実線はミラー動作波形を表す。
図8は、光走査装置1000を用いて画像表示を行ったときの状態を説明するための図である。
【0042】
駆動源171A、171Bには、例えば
図7に示されるように、鋸歯状波形の電圧が印加される。これにより、例えば正弦波形の電圧が印加される場合と比較して、ミラー110によって光を走査する速度が一定になる区間を長くしている。
【0043】
ところで、駆動源171A、171Bに印加する電圧を鋸歯状波形としてミラー110を駆動させると、例えば
図7に示されるように、ミラー110の動作波形が振動する、所謂リンギングが発生する。そして、リンギングが発生すると、光走査装置1000を用いて画像表示を行った場合、例えば
図8に示されるように、横縞が発生する。
【0044】
そこで、リンギングの発生を抑制するため、ノッチフィルタ等のフィルタを用いて、リンギングの発生原因となる固有振動数に対応する周波数成分や固有振動数の高調波成分を除去する。
【0045】
しかしながら、除去対象となる固有振動モードが複数存在する場合、固有振動数に対応する周波数成分や固有振動数の高調波成分を除去するために複数のフィルタを用いる必要がある。ところが、複数のフィルタを用いると、駆動源に印加する電圧の直線性が低下し、光走査装置の走査速度が一定になる区間が短くなるため、画像表示に用いることが可能な領域が狭くなる。このため、画像表示に用いることが可能な領域を確保しつつ、リンギングの発生を抑制するためには、除去対象となる固有振動モードの数を少なくすることが有効である。
【0046】
図9は、光走査装置の周波数特性を説明するための図である。
図9(a)は従来の光走査装置の周波数特性を示し、
図9(b)は第1実施形態の光走査装置の周波数特性を示している。
図9(a)及び
図9(b)において、横軸は周波数(Hz)を示し、縦軸はゲインを示している。なお、従来の光走査装置とは、可動枠160と第2の駆動梁170A、170Bとが接続される可動枠接続部と、固定枠180と第2の駆動梁170A、170Bとが接続される固定枠接続部とが、垂直回転軸Vに対して互いに同じ側に配置されている装置である。
【0047】
図9(a)に示されるように、従来の光走査装置では、f0(850Hz近傍)及びf1(1000Hz近傍)の周波数において、光走査部の固有振動モードが現れた。これに対し、
図9(b)に示されるように、第1実施形態の光走査装置1000では、f1(1000Hz近傍)の周波数においてのみ、光走査部100の固有振動モードが現れた。なお、f0の周波数における固有振動モードは、
図10(a)に示されるように、固定枠180に対してミラー110等が上下に振動する上下モードである。また、f1の周波数における固有振動モードは、固定枠180に対してミラー110等が傾くように振動する傾きモードである。なお、
図10は、固有振動モードを説明するための図である。
【0048】
このように、第1実施形態の光走査装置1000では、可動枠160と第2の駆動梁170Aとが接続される可動枠接続部A11は、垂直回転軸Vに対して、固定枠180と第2の駆動梁170Aとが接続される固定枠接続部A12が配置される側とは、略反対側に配置されている。また、光走査部100では、可動枠160と第2の駆動梁170Bとが接続される可動枠接続部A13は、垂直回転軸Vに対して、固定枠180と第2の駆動梁170Bとが接続される固定枠接続部A14が配置される側とは、略反対側に配置されている。これにより、固有振動モードの数を少なくすることができるので、少ない数のフィルタによって、リンギングの発生原因となる固有振動数に対応する周波数成分や固有振動数の高調波成分を除去することができる。このため、直線性の高い電圧、すなわち、1周期の間に直線となっている区間が長い電圧を駆動源171A、171Bに印加することができる。その結果、画像表示に用いることが可能な領域を確保しつつ、リンギングの発生を抑制することができる。
【0049】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る光走査装置について説明する。
図11は、第2実施形態に係る光走査装置の光走査部の一例を示す上面側の斜視図である。
図12は、第2実施形態に係る光走査装置の光走査部の一例を示す下面側の斜視図である。
【0050】
図11及び
図12に示されるように、第2実施形態に係る光走査部100Aは、第2の駆動梁170Aと第2の駆動梁170Bとが、ミラー110の光反射面の中心Cを対称点とする点対称の配置関係になっている点で、第1実施形態に係る光走査部100と異なる。なお、その他の構成については、第1実施形態に係る光走査部100と同様とすることができる。
【0051】
第2実施形態に係る光走査部100Aでは、第1実施形態と同様、可動枠160と第2の駆動梁170Aとが接続される可動枠接続部A21は、垂直回転軸Vに対して、固定枠180と第2の駆動梁170Aとが接続される固定枠接続部A22が配置される側とは、略反対側に配置されている。また、可動枠160と第2の駆動梁170Bとが接続される可動枠接続部A23は、垂直回転軸Vに対して、固定枠180と第2の駆動梁170Bとが接続される固定枠接続部A24が配置される側とは、略反対側に配置されている。
【0052】
これにより、第1実施形態と同様、固有振動モードの数を少なくすることができるので、少ない数のフィルタによって、リンギングの発生原因となる固有振動数に対応する周波数成分や固有振動数の高調波成分を除去することができる。このため、直線性の高い電圧、すなわち、1周期の間に直線となっている区間が長い電圧を駆動源171A、171Bに印加することができる。その結果、画像表示に用いることが可能な領域を確保しつつ、リンギングの発生を抑制することができる。
【0053】
以上、好ましい実施の形態について説明したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形及び置換を加えることができる。