特許第6880391号(P6880391)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6880391商品寿命提供装置、商品寿命提供プログラム、及び商品寿命提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6880391
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】商品寿命提供装置、商品寿命提供プログラム、及び商品寿命提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20210524BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20210524BHJP
【FI】
   G06Q50/12
   G06Q30/02 300
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-216488(P2016-216488)
(22)【出願日】2016年11月4日
(65)【公開番号】特開2018-73358(P2018-73358A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】清水 真理子
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 哲哉
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−186535(JP,A)
【文献】 特開2006−331132(JP,A)
【文献】 特開平6−68065(JP,A)
【文献】 特開平10−240715(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0232461(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G16H 10/00−80/00
G06F 15/00
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報提供サイトに登録された各店舗の商品の登録期間を示す登録履歴情報に基づいて当該商品の推定寿命を算出する寿命算出部と、
前記寿命算出部により算出される前記推定寿命に関する寿命関連情報を提供する寿命情報提供部と、
を備え
前記寿命算出部は、予め設定される算出条件に基づいて前記登録履歴情報から複数の店舗に対応する特定の商品の登録期間を抽出し、当該複数の店舗に対応する前記特定の商品の登録期間に基づいて当該特定の商品の推定寿命を算出する、
商品寿命提供装置。
【請求項2】
記算出条件を設定する算出条件設定部を更に備える
請求項1に記載の商品寿命提供装置。
【請求項3】
前記算出条件設定部は、ユーザ操作に応じて、商品、価格、エリア、又は業態のいずれか一つ又は複数に関する条件を含む前記算出条件を設定する、
請求項2に記載の商品寿命提供装置。
【請求項4】
前記算出条件設定部は、前記店舗に対応付けて前記商品情報提供サイトに予め登録された情報に基づいて、商品、価格、エリア、又は業態のいずれか一つ又は複数に関する条件を含む前記算出条件を設定する、
請求項2又は3に記載の商品寿命提供装置。
【請求項5】
前記算出条件設定部は、ログイン中のユーザに関連付けられている店舗の前記情報に基づいて、前記算出条件の少なくとも一部を自動的に設定する、
請求項4に記載の商品寿命提供装置。
【請求項6】
前記算出条件設定部は、商品と価格とに関する条件を含む前記算出条件を設定することが可能であり、
前記寿命算出部は、前記価格で提供される前記商品の推定寿命を算出し、
前記寿命情報提供部は、前記寿命算出部により算出される推定寿命を前記寿命関連情報として提供する、
請求項2〜5のいずれかに記載の商品寿命提供装置。
【請求項7】
前記寿命情報提供部は、前記算出条件設定部で設定された対象商品の前記寿命関連情報に加えて、当該対象商品に関連する関連商品の前記寿命関連情報を提供する、
請求項のいずれかに記載の商品寿命提供装置。
【請求項8】
前記関連商品が、特定の属性情報が前記対象商品と一致又は類似する他の商品である、
請求項に記載の商品寿命提供装置。
【請求項9】
前記寿命情報提供部は、前記対象商品の前記寿命関連情報に加えて、前記対象商品よりも推定寿命の長い前記関連商品の前記寿命関連情報を提供する、
請求項又は請求項に記載の商品寿命提供装置。
【請求項10】
前記寿命情報提供部は、商品の属性情報と推定寿命との対応関係を示す情報を前記寿命関連情報として提供する、
請求項1〜のいずれかに記載の商品寿命提供装置。
【請求項11】
前記属性情報が価格である、
請求項10に記載の商品寿命提供装置。
【請求項12】
前記寿命算出部は、前記登録履歴情報に含まれる各店舗の前記商品の登録期間の平均を、前記商品の推定寿命として算出する、
請求項1〜11のいずれかに記載の商品寿命提供装置。
【請求項13】
前記登録履歴情報に、各店舗の前記商品の価格が含まれ、
前記寿命算出部は、前記登録履歴情報に含まれる各店舗の前記商品の価格及び登録期間を示す散布図から、前記商品の価格と推定寿命との対応関係を示す近似曲線を算出する、
請求項1〜11のいずれかに記載の商品寿命提供装置。
【請求項14】
商品情報提供サイトに登録された各店舗の商品の登録期間を示す登録履歴情報に基づいて当該商品の推定寿命を算出する寿命算出ステップと、
算出された前記推定寿命に関する寿命関連情報を提供するステップと、
をプロセッサに実行させるための商品寿命提供プログラムであって、
前記寿命算出ステップは、予め設定される算出条件に基づいて前記登録履歴情報から複数の店舗に対応する特定の商品の登録期間を抽出し、当該複数の店舗に対応する前記特定の商品の登録期間に基づいて当該特定の商品の推定寿命を算出する、
商品寿命提供プログラム。
【請求項15】
一又は複数のプロセッサが、
商品情報提供サイトに登録された各店舗の商品の登録期間を示す登録履歴情報に基づいて当該商品の推定寿命を算出する寿命算出ステップと
算出された前記推定寿命に関する寿命関連情報を提供するステップと
を実行する商品寿命提供方法であって、
前記寿命算出ステップは、予め設定される算出条件に基づいて前記登録履歴情報から複数の店舗に対応する特定の商品の登録期間を抽出し、当該複数の店舗に対応する前記特定の商品の登録期間に基づいて当該特定の商品の推定寿命を算出する、
商品寿命提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ操作に応じて商品の推定寿命に関する情報を提供する商品寿命提供装置、商品寿命提供プログラム、及び商品寿命提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、飲食店情報提供サイトには、全国各地の飲食店に関する情報(店名、写真、地図、電話番号など)が登録されている。また、前記飲食店情報提供サイトには、各飲食店で提供されているメニューに関する情報(メニュー名、価格、写真など)が登録されている。
【0003】
飲食店の経営者は、パーソナルコンピュータ等から前記飲食店情報提供サイトのサーバ装置にアクセスして、自身の飲食店で提供されているメニューに関する情報を登録又は削除することができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−71870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記飲食店情報提供サイトにおける或る飲食店の或るメニューの登録期間(前記飲食店情報提供サイトに当該メニューが登録されてから削除されるまでの期間)は、当該飲食店で当該メニューが提供されていた期間を示している。すなわち、前記登録期間は、当該飲食店での当該メニューの寿命を表している。このような情報は、例えば新メニューの提供を検討している他の飲食店の経営者にとって、大いに役立つ情報である。
【0006】
本発明の目的は、飲食店で提供されるメニューのような商品の推定寿命に関する情報を提供することが可能な商品寿命提供装置、商品寿命提供プログラム、及び商品寿命提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る商品寿命提供装置は、商品情報提供サイトに登録された各店舗の商品の登録期間を示す登録履歴情報に基づいて当該商品の推定寿命を算出する寿命算出部と、前記寿命算出部により算出される前記推定寿命に関する寿命関連情報を提供する寿命情報提供部と、を備える。
【0008】
本発明に係る商品寿命提供プログラムは、商品情報提供サイトに登録された各店舗の商品の登録期間を示す登録履歴情報に基づいて当該商品の推定寿命を算出するステップと、算出された前記推定寿命に関する寿命関連情報を提供するステップと、をプロセッサに実行させるための商品寿命提供プログラムである。
【0009】
本発明に係る及び商品寿命提供方法では、商品情報提供サイトに登録された各店舗の商品の登録期間を示す登録履歴情報に基づいて当該商品の推定寿命が算出される。算出された前記推定寿命に関する寿命関連情報が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、飲食店で提供されるメニューのような商品の推定寿命に関する情報を提供することが可能な商品寿命提供装置、商品寿命提供プログラム、及び商品寿命提供方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る商品寿命提供システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る商品寿命提供システムで使用されるユーザ情報の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る商品寿命提供システムで使用される店舗情報の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施の形態に係る商品寿命提供システムで使用される商品登録履歴情報の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施の形態に係る商品寿命提供システムで使用される寿命算出用データベースの一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施の形態に係る商品寿命提供装置で実行される商品寿命提供処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、本発明の実施の形態に係る商品寿命提供システムにおいてユーザ端末に表示される算出条件設定ページの一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施の形態に係る商品寿命提供システムにおいてユーザ端末に表示される寿命情報表示ページの一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施の形態に係る商品寿命提供システムにおいてユーザ端末に表示される価格別寿命表示ページの一例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施の形態に係る商品寿命提供システムにおいてユーザ端末に表示される価格別寿命表示ページの一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施の形態に係る商品寿命提供システムにおいてユーザ端末に表示される寿命情報表示ページの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0013】
[商品寿命提供システム1]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る商品寿命提供システム1は、商品寿命提供装置2と一又は複数のユーザ端末3とを含む。商品寿命提供装置2及びユーザ端末3は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。
【0014】
商品寿命提供装置2は、複数の店舗の各々で提供されている商品の情報を提供する商品情報提供サイトとしての機能を備えている。本実施形態では、前記店舗が飲食店であり、前記商品が飲食店で提供されるメニューであり、前記商品情報提供サイトが飲食店情報提供サイトである場合を例に挙げて説明する。
【0015】
前記飲食店情報提供サイトには、全国各地の飲食店に関する情報(店名、写真、地図、電話番号など)が登録されている。また、前記飲食店情報提供サイトには、各飲食店で提供されているメニューに関する情報(メニュー名、価格、写真など)が登録されている。飲食店の経営者は、ユーザ端末3から商品寿命提供装置2にアクセスして、自身の飲食店で提供されているメニューに関する情報を登録又は削除することができる。
【0016】
ところで、前記飲食店情報提供サイトにおける或る飲食店の或るメニューの登録期間(前記飲食店情報提供サイトに当該メニューが登録されてから削除されるまでの期間)は、当該飲食店で当該メニューが提供されていた期間を示している。すなわち、前記登録期間は、当該飲食店での当該メニューの寿命を表している。このような情報は、例えば新メニューの提供を検討している他の飲食店の経営者にとって、大いに役立つ情報である。しかしながら、飲食店の経営者がこのような情報を入手するには、前記飲食店情報提供サイトに他の飲食店のメニューが登録されてから削除されるまでの期間を監視する必要があり、飲食店の経営者にとって非常に困難である。これに対し、本実施形態に係る商品寿命提供システム1では、飲食店で提供されるメニューのような商品の推定寿命に関する情報を提供することが可能である。
【0017】
[商品寿命提供装置2]
図1に示されるように、商品寿命提供装置2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信I/F24などを備えるサーバである。なお、商品寿命提供装置2は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよい。また、商品寿命提供装置2で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサによって分散して実行されてもよい。
【0018】
通信I/F24は、商品寿命提供装置2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介してユーザ端末3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インタフェースである。
【0019】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザインタフェースである。
【0020】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部22には、ユーザ情報D1、店舗情報D2、商品登録履歴情報D3、寿命算出用データベースD4などのデータが記憶される。ここに、図2はユーザ情報D1の一例を示す図、図3は店舗情報D2の一例を示す図である。また、図4は商品登録履歴情報D3の一例を示す図、図5は寿命算出用データベースD4の一例を示す図である。
【0021】
図2に示されるように、ユーザ情報D1には、ユーザ端末3のユーザごとに対応するユーザID、パスワード、店舗IDなどの情報が含まれる。ユーザIDはユーザを識別するための識別情報であって、ユーザID及びパスワードはユーザのログイン処理で使用される。店舗IDは、ユーザが経営又は管理している飲食店を識別するための識別情報である。
【0022】
図3に示されるように、店舗情報D2には、飲食店ごとに対応する店舗ID、エリア、業態、平均予算などの情報が含まれる。エリアは、飲食店の所在地を示し、業態は、飲食店で提供される料理ジャンルなどに基づく飲食店の分類である。平均予算は、例えば飲食店を利用するときに必要となる平均的な金額である。なお、店舗情報D2には、他に、利用目的、許容人数、クーポン使用可否、飲み放題有無、又は食べ放題有無などの情報が含まれていてもよい。店舗情報D2は、前記飲食店情報提供サイトにおいてユーザが任意の飲食店を探す際に実行される検索処理時に制御部21により参照されることがある。
【0023】
商品登録履歴情報D3は、前記飲食店情報提供サイトに登録されたニューに関する情報であって、例えば飲食店ごとに記憶される。図4は、店舗Aに関する商品登録履歴情報D3を示している。図4に示されるように、商品登録履歴情報D3には、メニューごとに対応する商品ID、価格、登録日、削除日などの情報が含まれる。商品IDは、メニューを識別するための識別情報であって、例えばメニュー名である。なお、同一のメニュー又は実質的に同一とみなされるメニューには、異なる店舗で提供されていても、同一の商品IDが割り当てられる。例えば、店舗Aで提供される「特製餃子」と店舗Bで提供される「ひとくち餃子」と店舗Cで提供される「水餃子」とに、同一の商品IDである「餃子」が割り当てられる。なお、他の実施形態では、例えば餃子に対応する商品IDとして、「焼き餃子」、「水餃子」、「揚げ餃子」のように細分化された商品IDが用いられてもよい。価格は、メニューの価格を示している。登録日は、前記飲食店情報提供サイトにメニューが登録された日付を示し、削除日は、前記飲食店情報提供サイトからメニューが削除された日付を示す。商品登録履歴情報D3は、前記飲食店情報提供サイトにメニューが登録されたとき、及び前記飲食店情報提供サイトからメニューが削除されたときに、制御部21により随時更新される。商品登録履歴情報D3は、本発明の「登録履歴情報」の一例である。
【0024】
寿命算出用データベースD4は、メニューの推定寿命を算出するために用いられるデータの集合体である。寿命算出用データベースD4に含まれる各レコードは、例えば、店舗情報D2及び商品登録履歴情報D3に基づいて生成される。図5に示されるように、寿命算出用データベースD4には、店舗と商品の組み合わせごとに対応する店舗ID、商品ID、登録期間、価格、エリア、業態などが含まれる。登録期間は、前記飲食店情報提供サイトにメニューが登録されていた期間を示し、商品登録履歴情報D3における登録日から削除日までの期間に相当する。寿命算出用データベースD4には、メニューの属性情報として、価格、エリア、業態、平均予算、料理のジャンル、メイン食材などの情報が含まれている。前記属性情報は、メニューの推定寿命を算出する際の算出条件の一部として用いられる。寿命算出用データベースD4は、本発明の「登録履歴情報」の一例である。
【0025】
なお、他の実施形態として、ユーザ情報D1、店舗情報D2、商品登録履歴情報D3、寿命算出用データベースD4などの情報の一部又は全部が、商品寿命提供装置2から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバに記憶されていることも考えられる。そして、商品寿命提供装置2の制御部21は、前記サーバから各種の情報を取得して、後述の商品寿命提供処理(図6参照)などの各処理を実行してもよい。
【0026】
また、記憶部22には、前記飲食店情報提供サイトに登録されている飲食店及びメニューの情報を提供するための飲食店情報ページ(不図示)のデータ、前記飲食店情報提供サイトに登録されている飲食店及びメニューを検索するための検索ページ(不図示)のデータ、飲食店の経営者又は管理者が前記飲食店情報提供サイトにメニューを登録するための管理ページ(不図示)のデータなども記憶される。さらに、記憶部22には、後述の算出条件設定ページP11(図7参照)、寿命情報表示ページP12(図8参照)、価格別寿命表示ページP13,P14(図9図10参照)などのデータも記憶される。
【0027】
さらに、記憶部22には、制御部21に後述の商品寿命提供処理(図6参照)を実行させるための商品寿命提供プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記商品寿命提供プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、商品寿命提供装置2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。
【0028】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより商品寿命提供装置2を制御する。
【0029】
具体的に、制御部21は、図1に示されるように、商品登録処理部211、商品情報提供部212、算出条件設定部213、寿命算出部214、寿命情報提供部215などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記商品寿命提供プログラムに従った各種の処理を実行することによって算出条件設定部213、寿命算出部214、及び寿命情報提供部215として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記商品寿命提供プログラムは、複数のプロセッサを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0030】
商品登録処理部211は、ユーザ端末3から受信されるユーザID及びパスワードに基づいて、ユーザ情報D1を参照してユーザ認証を行う。そして、商品登録処理部211は、前記管理ページのデータをユーザ端末3に送信して、前記管理ページをユーザ端末3に表示させる。メニューが登録又は削除されると、商品登録処理部211は、商品登録履歴情報D3を更新する。
【0031】
商品情報提供部212は、ユーザ端末3からの要求に応じて前記検索ページのデータをユーザ端末3に送信して、前記検索ページをユーザ端末3に表示させる。そして、商品情報提供部212は、ユーザ端末3から受信される検索条件に基づいて、前記検索条件に対応する前記飲食店情報ページのデータをユーザ端末3に送信して、前記飲食店情報ページをユーザ端末3に表示させる。
【0032】
算出条件設定部213は、メニューの推定寿命を算出するための算出条件を設定する。例えば、算出条件設定部213は、ユーザ端末3からの要求に応じて、算出条件設定ページP11のデータをユーザ端末3に送信して、算出条件設定ページP11をユーザ端末3に表示させる。そして、算出条件設定部213は、ユーザ端末3におけるユーザ(例えば、飲食店の経営者)の操作に応じて前記算出条件を設定する。なお、算出条件設定ページP11には、例えば前記管理ページ(不図示)から遷移することができる。
【0033】
算出条件設定部213は、例えば、メニュー、価格、エリア、又は業態のいずれか1つ又は複数に関する条件を含む前記算出条件を設定することが可能である。
【0034】
なお、算出条件設定部213は、各店舗に対応付けて前記飲食店情報提供サイトに予め登録された情報(例えば、メニュー、価格、エリア、業態)に基づいて、メニュー、価格、エリア、又は業態のいずれか一つ又は複数に関する条件を含む前記算出条件を設定してもよい。例えば、店舗Aの経営者であるユーザAがログイン中である場合、算出条件設定部213は、ユーザAに関連付けられて前記飲食店情報提供サイトに予め登録されている店舗Aの情報(エリア又は業態など)に基づいて、前記算出条件の少なくとも一部を自動的に設定してもよい。具体的には、算出条件設定部213は、店舗情報D2に基づいて、店舗Aと同一のエリア(東京)及び業態(居酒屋)を前記算出条件として自動的に設定してもよい。もしくは、算出条件設定部213は、商品登録履歴情報D3に基づいて、店舗Aで提供されているメニュー及び当該メニューの価格を前記算出条件として自動的に設定してもよい。
【0035】
なお、以下では、前記算出条件において推定寿命の算出対象として設定されるメニューのことを「対象メニュー」と称する。
【0036】
寿命算出部214は、前記飲食店情報提供サイトに登録された各飲食店のメニューの登録期間を示す情報(例えば、商品登録履歴情報D3又は寿命算出用データベースD4)に基づいて、前記対象メニューの推定寿命を算出する。例えば、寿命算出部214は、前記飲食店情報提供サイトにおける各飲食店のメニューの登録期間を示す情報から、算出条件設定部213により設定される前記算出条件に該当する情報を抽出し、当該抽出された情報に基づいて、前記対象メニューの推定寿命を算出する。具体的には、寿命算出部214は、寿命算出用データベースD4に含まれている全レコードの中から、算出条件設定部213により設定された前記算出条件に合致するレコードを抽出し、当該抽出されたレコードにおける登録期間のデータに基づいて、前記対象メニューの推定寿命を算出する。
【0037】
具体的には、寿命算出部214は、前記飲食店報提供サイトに登録された各店舗の前記対象メニューの登録期間の平均を、前記対象メニューの推定寿命として算出する。例えば、前記算出条件が、「餃子」のみであれば、寿命算出部214は、寿命算出用データベースD4から、商品IDが「餃子」のレコードを抽出し、抽出されたレコードにおける登録期間の平均を推定寿命として算出する。また、例えば、前記算出条件が、「餃子」、「東京」、「居酒屋」であれば、寿命算出部214は、寿命算出用データベースD4から、商品IDが「餃子」であり、エリアが「東京」であり、且つ業態が「居酒屋」であるレコードを抽出し、抽出されたレコードにおける登録期間の平均を推定寿命として算出する。
【0038】
なお、メニューと価格とに関する条件を含む前記算出条件が設定されている場合には、寿命算出部214は、前記価格で提供される前記メニューの推定寿命を算出する。例えば、前記算出条件が、「餃子」、「320円」であれば、寿命算出部214は、寿命算出用データベースD4から、商品IDが「餃子」であり、且つ価格が「320円」であるレコードを抽出し、抽出されたレコードに基づいて推定寿命を算出する。また、例えば、前記算出条件が、「餃子」、「300円〜400円」であれば、寿命算出部214は、寿命算出用データベースD4から、商品IDが「餃子」であり、且つ価格が「300円」〜「400円」の範囲内であるレコードを抽出し、抽出されたレコードに基づいて推定寿命を算出する。ここで、価格の範囲「300円」〜「400円」の幅は、予め設定された一定の幅(例えば100円の幅)であってもよい。もしくは、メニューの価格の分布状況に応じて前記幅が自動設定されてもよい。例えば、登録されているレコード数が多い価格帯では、前記幅が狭い幅に設定され、登録されているレコード数が少ない価格帯では、前記幅が広い幅に設定されてもよい。
【0039】
なお、他の実施形態では、寿命算出部214は、前記商品情報提供サイトに登録された各店舗の前記対象メニューの価格及び登録期間を示す散布図(図10参照)から、前記対象メニューの価格と推定寿命との対応関係を示す近似曲線C11(図10参照)を算出してもよい。近似曲線C11は、価格別の前記対象メニューの推定寿命を示している。
【0040】
さらに他の実施形態では、寿命算出部214は、価格を含む前記算出条件が設定されている場合に、寿命算出用データベースD4における前記価格に合致するレコードの個数によって前記対象メニューの推定寿命の算出方法を切り替えてもよい。例えば、寿命算出部214は、寿命算出用データベースD4における前記価格に合致するレコードの個数が所定の閾値以上である場合に、当該レコードにおける登録期間の平均を前記対象メニューの推定寿命として算出してもよい。そして、寿命算出部214は、寿命算出用データベースD4における前記価格に合致するレコードの個数が前記所定の閾値未満である場合に、当該レコードにおける価格及び登録期間を示す散布図から近似曲線C11を算出し、当該近似曲線C11に基づいて前記対象メニューの推定寿命を算出してもよい。
【0041】
寿命情報提供部215は、寿命算出部214により算出される推定寿命に関する寿命関連情報を提供する。例えば、寿命情報提供部215は、図8に示される寿命情報表示ページP12のように、寿命算出部214により算出される推定寿命を前記寿命関連情報としてユーザ端末3に送信して、当該寿命関連情報をユーザ端末3に表示させてもよい。もしくは、寿命情報提供部215は、図9及び図10に示される価格別寿命表示ページP13,P14のように、メニューの属性情報(価格、エリア、業態など)と推定寿命との対応関係を示す情報(例えば、表又はグラフ)を前記寿命関連情報としてユーザ端末3に送信して、当該寿命情報をユーザ端末3に表示させてもよい。もしくは、寿命情報提供部215は、或る店舗で現在提供中のメニューが、あと何日で推定寿命を迎えるかを前記寿命関連情報として提供してもよい。さらには、寿命情報提供部215は、或る店舗で現在提供中のメニューがもう少しで推定寿命を迎える旨のメッセージを前記寿命関連情報として提供してもよい。
【0042】
また、寿命情報提供部215は、前記対象メニューの前記寿命関連情報に加えて、当該対象メニューに関連する他のメニュー(以下、「関連メニュー」と称する)の前記寿命関連情報を提供してもよい。前記関連メニューは、例えば、特定の属性情報(価格、業態、料理のジャンル、メイン食材など)が前記対象メニューと一致又は類似する他のメニューであってもよい。もしくは、寿命情報提供部215は、前記対象メニューと前記関連メニューとの対応関係を示すテーブル(不図示)等の情報を参照して、前記対象メニューに関連する前記関連メニューを判断してもよい。なお、寿命情報提供部215は、前記関連メニューの前記寿命関連情報を提供する場合に、図8に示される寿命情報表示ページP12のように、前記対象メニューよりも推定寿命の長い前記関連メニューの前記寿命関連情報を提供してもよい。
【0043】
[ユーザ端末3]
図1に示されるように、ユーザ端末3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信I/F34などを備える。ユーザ端末3は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータのような情報処理装置である。
【0044】
具体的に、飲食店の経営者又は管理者は、ユーザ端末3に表示された所定のログインページにおいてユーザID及びパスワードを入力することにより商品寿命提供装置2にログインする。これにより、商品寿命提供装置2の制御部21は、ログイン中のユーザを識別することが可能である。
【0045】
通信I/F34は、ユーザ端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して商品寿命提供装置2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インタフェースである。
【0046】
操作表示部33は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザインタフェースである。
【0047】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルに従って商品寿命提供装置2等の外部装置との間で通信処理を制御部31に実行させるための制御プログラムである。
【0048】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりユーザ端末3を制御する。
【0049】
具体的に、制御部31は、記憶部32に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部311として機能する。ブラウザ処理部311は、商品寿命提供装置2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部33に表示させ、操作表示部33に対する操作を商品寿命提供装置2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。なお、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0050】
[商品寿命提供処理]
以下、図6を参照しつつ、商品寿命提供装置2の制御部21によって実行される商品寿命提供処理について説明する。なお、制御部21は、ユーザ端末3からのアクセスが発生した場合に、ユーザ端末3ごとに対応する当該商品寿命提供処理を個別に実行する。即ち、制御部21は、複数のユーザ端末3に対応する前記商品寿命提供処理を時分割によって略並行して実行することがある。また、当該商品寿命提供処理は、ユーザ端末3の所定の操作によって途中で終了されることがある。
【0051】
また、本発明は、当該商品寿命提供処理に含まれる一又は複数のステップを実行する商品寿命提供方法の発明として捉えることができ、ここで説明する当該商品寿命提供処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。なお、前記商品寿命提供処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21によって当該商品寿命提供処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、複数のプロセッサによって当該商品寿命提供処理における各ステップが分散して実行される商品寿命提供方法も他の実施形態として考えられる。
【0052】
<ステップS1>
ステップS1において、制御部21は、ユーザ端末3からの要求に従って算出条件設定ページP11をユーザ端末3に表示させる。また、制御部21は、対象メニュー、価格、エリア、業態などを含む算出条件の設定操作をユーザ端末3から受け付ける。ここに、図7は、算出条件設定ページP11の一例を示す図である。図7に示されるように、算出条件設定ページP11では、推定寿命を算出するための算出条件として、対象メニュー、価格、エリア、業態などの条件が表示される。なお、初期状態では、例えば、対象メニューは空白(未選択状態)となり、価格、エリア及び業態は「全て」となる。なお、制御部21は、ログイン中のユーザに応じて、前記算出条件の一部の条件を自動的に設定してもよい。この場合、初期状態では、例えば、ログイン中のユーザが経営又は運営する飲食店と同じエリア及び業態が自動的に設定される。
【0053】
算出条件設定ページP11には、対象メニューを選択するための選択キーK11と、価格、エリア及び業態の各々の条件を変更するための変更キーK12〜K14と、条件項目を追加するための追加キーK15と、推定寿命を表示させるための表示キーK16とが含まれている。
【0054】
ユーザ端末3により選択キーK11が操作されると、制御部21は、例えば、寿命算出用データベースD4に登録されている商品ID(メニュー)の一覧をユーザ端末3に表示させて、当該一覧から任意の商品IDをユーザに選択させる。
【0055】
ユーザ端末3により変更キーK12が操作されると、制御部21は、例えば、価格又は価格帯を入力するための入力欄をユーザ端末3に表示させて、任意の価格又は価格帯をユーザに入力させる。ユーザ端末3により変更キーK13が操作されると、制御部21は、例えば、予め定められたエリアの一覧をユーザ端末3に表示させて、当該一覧から任意の1つ又は複数のエリアをユーザに選択させる。ユーザ端末3により変更キーK14が操作されると、制御部21は、例えば、予め定められた業態の一覧をユーザ端末3に表示させて、当該一覧から任意の1つ又は複数の業態をユーザに選択させる。
【0056】
ユーザ端末3により追加キーK15が操作されると、制御部21は、例えば、寿命算出用データベースD4に含まれている他の属性情報(例えば、平均予算、店舗規模、営業時間帯など)の一覧をユーザ端末3に表示させて、当該一覧から任意の属性情報をユーザに選択させる。そして、制御部21は、選択された属性情報を新たな条件項目として、対応する変更ボタンとともに算出条件設定ページP11に表示する。
【0057】
<ステップS2>
ステップS2において、制御部21(算出条件設定部213)は、算出条件設定ページP11に対するユーザ操作に応じて、推定寿命を算出する際の算出条件を設定する。例えば、図7に示される算出条件設定ページP11の状態で、ユーザ端末3により表示キーK16が操作されると、制御部21は、「餃子」、「320円」、「居酒屋」を前記算出条件として設定する。
【0058】
<ステップS3>
ステップS3において、制御部21(寿命算出部214)は、寿命算出用データベースD4に含まれている全レコードの中から、前記ステップS2で設定された前記算出条件に合致するレコードを抽出する。例えば、前記算出条件が「餃子」、「320円」、「居酒屋」である場合には、寿命算出用データベースD4に含まれている全レコードの中から、商品IDが「餃子」であり、価格が「320円」であり、且つ業態が「居酒屋」であるレコードを抽出する。
【0059】
<ステップS4>
ステップS4において、制御部21(寿命算出部214)は、前記ステップS3で抽出されたレコードにおける登録期間のデータに基づいて、前記対象メニューの推定寿命を算出する。例えば、制御部21は、前記ステップS3で抽出されたレコードにおける登録期間の平均を、前記対象メニューの推定寿命として算出する。
【0060】
ところで、例えば、「291円」のような価格条件が設定された場合には、前記算出条件に該当するレコード数が少なく、それらのレコードにおける登録期間の平均が、前記対象メニューの推定寿命として不適であるおそれがある。そこで、他の実施形態では、制御部21は、前記価格条件が示す価格を含む所定の価格帯(例えば、「291円」を中心とした「286円〜296円」の価格帯)に対応するレコードを抽出するようにしてもよい。さらに他の実施形態では、制御部21は、前記ステップS3で抽出されたレコードにおける価格及び登録期間を示す散布図(図10参照)から近似曲線C11を算出し、当該近似曲線C11により前記対象メニューの推定寿命を算出してもよい。なお、図10に示される散布図における各ドットは、前記ステップS3で抽出される各レコードに対応している。このように、近似曲線C11を用いて推定寿命を算出すれば、設定された価格条件によらず全体的な傾向に基づいて前記対象メニューの推定寿命を算出することができるので、前記算出条件に該当するレコード数が少ない場合でも、より適切に前記対象メニューの推定寿命を算出することができる。
【0061】
<ステップS5>
ステップS5において、制御部21(寿命情報提供部215)は、前記ステップS4で算出された推定寿命に基づいて、前記対象メニューの推定寿命に関する寿命関連情報を提供する。具体的には、制御部21は、図8に示されるように、前記対象メニューの推定寿命が表示される寿命情報表示ページP12をユーザ端末3に表示させる。
【0062】
なお、図8に示されるように、寿命情報表示ページP12では、前記対象メニューの推定寿命が表示されると共に、前記対象メニューよりも推定寿命が長い他のメニュー(関連メニュー)の推定寿命も表示されてもよい。この場合、制御部21は、前記対象メニューと同様に、前記関連メニューについても前記ステップS3及び前記ステップS4の処理を実行して、当該関連メニューの推定寿命を算出する。例えば、図7に示される算出条件が設定された場合、制御部21は、「居酒屋」で「320円」前後で提供される「餃子」以外のメニュー(例えば、「揚げ出し豆腐」、「だし巻き」、「小籠包」など)を前記関連メニューとして決定し、当該関連メニューの各々の推定寿命を算出し、「餃子」よりも推定寿命の長い関連メニューを寿命情報表示ページP12に表示してもよい。
【0063】
図8に示される寿命情報表示ページP12には、前記対象メニューの価格別の推定寿命を表示するための表示キーK17が含まれる。ユーザ端末3により表示キーK17が操作されると、制御部21は、例えば、図9に示される価格別寿命表示ページP13をユーザ端末3に表示させる。価格別寿命表示ページP13には、前記対象メニューの予め定められた価格帯ごとの推定寿命が表示される。例えば、「100円〜150円」の価格帯の推定寿命は、寿命算出用データベースD4から、商品IDが「餃子」であり、価格が「100円」〜「150円」のいずれかであり、且つ業態が「居酒屋」であるレコードにおける登録期間の平均として算出される。
【0064】
他の実施形態では、ユーザ端末3により表示キーK17が操作されると、制御部21は、図10に示される価格別寿命表示ページP14をユーザ端末3に表示させてもよい。価格別寿命表示ページP14には、前記対象メニューの予め定められた価格別の推定寿命を示す近似曲線C11を含む散布図が表示される。当該散布図における各ドットは、寿命算出用データベースD4に含まれている、商品IDが「餃子」であり、且つ業態が「居酒屋」である各レコードに対応する。前記レコードにおける価格が前記散布図の横軸に対応し、前記レコードにおける登録期間が前記散布図の縦軸に対応する。近似曲線C11は、例えば最小二乗法により算出される。
【0065】
以上説明したように、本実施形態では、商品寿命提供装置2により前記対象メニューの推定寿命に関する情報が提供される。よって、本実施形態によれば、例えば新メニューの提供を検討している飲食店の経営者等が、任意のメニューの推定寿命に関する情報を容易に入手することができる。また、前記経営者等は、前記飲食店情報提供サイトに他の飲食店のメニューが登録されてから削除されるまでの期間を監視する必要がないので、当該監視のための前記飲食店情報提供サイトへのアクセスによるネットワークトラフィックの増加を抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、商品登録履歴情報D3における登録日及び削除日のデータに基づいて、前記対象メニューの推定寿命を算出することが可能である。よって、前記飲食店情報提供サイトに登録された各メニューの寿命を示すデータ(例えば、寿命算出用データベースD4における登録期間のデータ)を人手により準備及び更新する必要がなく、商品寿命提供装置2の管理者の作業負担を軽減することができる。
【0067】
また、本実施形態では、前記対象メニューの寿命関連情報に加えて、当該対象メニューに関連する他のメニューの寿命関連情報も提供することが可能である。よって、例えば新メニューの提供を検討している飲食店の経営者等に、より推定寿命の長い他のメニューを提案することが可能である。これにより、前記経営者等は、必要に応じて、前記対象メニューよりも推定寿命が長い他のメニューを、前記対象メニューの代わりに新メニューとして採用することができる。
【0068】
また、本実施形態では、例えば、価格別寿命表示ページP13,P14のように、前記対象メニューの価格と推定寿命との対応関係を示す表又はグラフなどの情報を提供することが可能である。よって、飲食店の経営者等のユーザは、当該情報を参考にして、自身の飲食店で提供される前記対象メニューの価格を決定することができる。
【0069】
また、本実施形態では、前記対象メニューの推定寿命を算出する際の算出条件として、価格、エリア、業態などの任意の属性情報に関する条件を設定することが可能である。よって、価格帯、エリア、業態などの条件によって前記対象メニューの推定寿命が変わる場合でも、より精度の高い寿命関連情報を提供することができる。
【0070】
[変形例]
なお、本実施形態では、図7に示される算出条件設定ページP11の表示キーK16が操作された時点で推定寿命の算出処理が開始されるが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態では、寿命算出部214が、予め定められた複数の算出条件ごと(例えば、メニューごと、もしくはメニューと価格との組み合わせごと、など)に前記推定寿命を例えば定期的に算出して、当該算出された推定寿命を前記算出条件と対応付けて記憶部22等に推定寿命情報として記憶してもよい。そして、図7に示される算出条件設定ページP11の表示キーK16が操作された時点で、寿命情報提供部215が、設定された算出条件に対応する推定寿命を前記推定寿命情報から取得して寿命関連情報として提供してもよい。
【0071】
また、本実施形態では、前記算出条件にメニューが含まれる場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態では、前記算出条件にメニューが含まれなくてもよい。例えば、前記算出条件が、「320円」、「東京」、「居酒屋」である場合、寿命算出部214は、寿命算出用データベースD4に含まれている全レコードの中から当該算出条件に合致するレコードを抽出し、当該算出条件に合致するメニューの推定寿命を算出してもよい。そして、寿命情報提供部215は、算出された推定寿命を、「320円」、「東京」、「居酒屋」の算出条件に合致するメニューの推定寿命として提供してもよい。もしくは、前記算出条件が、「320円」、「東京」、「居酒屋」である場合、寿命算出部214は、寿命算出用データベースD4に含まれている全レコードの中から当該算出条件に合致するレコードを抽出し、抽出されたレコードに基づいて、メニューごとの推定寿命を算出してもよい。そして、寿命情報提供部215は、算出されたメニューごとの推定寿命を前記寿命関連情報として提供してもよい。この場合、例えば、図11に示される寿命情報表示ページP12のように、推定寿命が長いものから順番にメニューごとの推定寿命が表示されてもよい。もしくは、推定寿命が最も長いメニューの推定寿命のみが表示されてもよい。
【0072】
また、本実施形態では、飲食店で提供されるメニューの推定寿命に関する寿命関連情報が提供されるが、本発明はこれに限らない。他の実施形態では、例えば、複数の店舗の商品を扱う通信販売サイトにおける各店舗の各商品の登録期間に基づいて、各商品の推定寿命に関する寿命関連情報が提供されてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、商品寿命提供装置2が、前記商品情報提供サイトとしての機能を備えているが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態では、例えば、前記商品情報提供サイトとしての機能を備えるサーバ(商品情報提供装置)が、商品寿命提供装置2とは独立して設けられてもよい。この場合、例えば、ユーザ情報D1、店舗情報D2及び商品登録履歴情報D3が、前記サーバに記憶されてもよい。そして、商品寿命提供装置2が、必要に応じて前記サーバにアクセスして、ユーザ情報D1、店舗情報D2及び商品登録履歴情報D3を参照してもよい。
【0074】
また、本実施形態では、店舗情報D2及び商品登録履歴情報D3に基づいて生成された寿命算出用データベースD4を用いて前記対象メニューの推定寿命が算出されるが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態では、寿命算出用データベースD4が生成されずに、店舗情報D2及び商品登録履歴情報D3に基づいて前記対象メニューの推定寿命が算出されてもよい。
【0075】
また、本実施形態において、飲食店で提供されるメニューの推定寿命の算出に、四季等の季節情報を使用してもよい。具体的には、メニューの提供される時期に応じたメニューの推定寿命を算出用データベースD4に記憶し、対象メニューの提供時期に関する情報を、推定寿命を算出する際の算出条件として設定してもよい。この場合、例えば、前記対象メニューが鍋類である場合に、提供時期の算出条件を「冬」に指定すると、冬に提供された鍋類の推定寿命が算出され、提供時期の算出条件を「夏」に指定すると、夏に提供された鍋類の推定寿命が算出される。一般に、鍋類は夏よりも冬に好まれる傾向があるため、夏よりも冬の方が寿命が長くなる傾向があるが、提供時期を考慮して推定寿命を算出することにより、鍋類のように季節性のあるメニューの推定寿命を、より適切に算出することが可能である。
【0076】
[発明の付記]
以下、上述の実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0077】
<付記1>
商品情報提供サイトに登録された各店舗の商品の登録期間を示す登録履歴情報に基づいて当該商品の推定寿命を算出する寿命算出部と、
前記寿命算出部により算出される前記推定寿命に関する寿命関連情報を提供する寿命情報提供部と、
を備える商品寿命提供装置。
【0078】
<付記2>
前記推定寿命を算出するための算出条件を設定する算出条件設定部を更に備え、
前記寿命算出部は、前記算出条件設定部により設定される前記算出条件に基づいて抽出される前記登録履歴情報に基づいて前記商品の推定寿命を算出する、
付記1に記載の商品寿命提供装置。
【0079】
<付記3>
前記算出条件設定部は、ユーザ操作に応じて、商品、価格、エリア、又は業態のいずれか一つ又は複数に関する条件を含む前記算出条件を設定する、
付記2に記載の商品寿命提供装置。
【0080】
<付記4>
前記算出条件設定部は、前記店舗に対応付けて前記商品情報提供サイトに予め登録された情報に基づいて、商品、価格、エリア、又は業態のいずれか一つ又は複数に関する条件を含む前記算出条件を設定する、
付記2又は3に記載の商品寿命提供装置。
【0081】
<付記5>
前記算出条件設定部は、ログイン中のユーザに関連付けられている店舗の前記情報に基づいて、前記算出条件の少なくとも一部を自動的に設定する、
付記4に記載の商品寿命提供装置。
【0082】
<付記6>
前記算出条件設定部は、商品と価格とに関する条件を含む前記算出条件を設定することが可能であり、
前記寿命算出部は、前記価格で提供される前記商品の推定寿命を算出し、
前記寿命情報提供部は、前記寿命算出部により算出される推定寿命を前記寿命関連情報として提供する、
付記2〜5のいずれかに記載の寿命情報提供装置。
【0083】
<付記7>
前記寿命情報提供部は、商品の属性情報と推定寿命との対応関係を示す情報を前記寿命関連情報として提供する、
付記1〜6のいずれかに記載の寿命情報提供装置。
【0084】
<付記8>
前記属性情報が価格である、
付記7に記載の寿命情報提供装置。
【0085】
<付記9>
前記寿命情報提供部は、前記算出条件設定部で設定された対象商品の前記寿命関連情報に加えて、当該対象商品に関連する関連商品の前記寿命関連情報を提供する、
付記1〜8のいずれかに記載の寿命情報提供装置。
【0086】
<付記10>
前記関連商品が、特定の属性情報が前記対象商品と一致又は類似する他の商品である、
付記9に記載の寿命情報提供装置。
【0087】
<付記11>
前記寿命情報提供部は、前記対象商品の前記寿命関連情報に加えて、前記対象商品よりも推定寿命の長い前記関連商品の前記寿命関連情報を提供する、
付記9又は付記10に記載の寿命情報提供装置。
【0088】
<付記12>
前記寿命算出部は、前記商品情報提供サイトに登録された各店舗の前記商品の登録期間の平均を、前記商品の推定寿命として算出する、
付記1〜11のいずれかに記載の寿命情報提供装置。
【0089】
<付記13>
前記寿命算出部は、前記商品情報提供サイトに登録された各店舗の前記商品の価格及び登録期間を示す散布図から、前記商品の価格と推定寿命との対応関係を示す近似曲線を算出する、
付記1〜11のいずれかに記載の寿命情報提供装置。
【0090】
<付記14>
商品情報提供サイトに登録された各店舗の商品の登録期間を示す登録履歴情報に基づいて当該商品の推定寿命を算出するステップと、
算出された前記推定寿命に関する寿命関連情報を提供するステップと、
をプロセッサに実行させるための商品寿命提供プログラム。
【0091】
<付記15>
商品情報提供サイトに登録された各店舗の商品の登録期間を示す登録履歴情報に基づいて当該商品の推定寿命を算出し、
算出された前記推定寿命に関する寿命関連情報を提供する、
商品寿命提供方法。
【符号の説明】
【0092】
1 商品寿命提供システム
2 商品寿命提供装置
21 制御部
211 商品登録処理部
212 商品情報提供部
213 算出条件設定部
214 寿命算出部
215 寿命情報提供部
3 ユーザ端末
31 制御部
311 ブラウザ処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11