特許第6880435号(P6880435)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6880435解説情報提供装置、方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6880435
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】解説情報提供装置、方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 7/04 20060101AFI20210524BHJP
   G09B 5/08 20060101ALI20210524BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20210524BHJP
【FI】
   G09B7/04
   G09B5/08
   G06Q50/20
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-130548(P2017-130548)
(22)【出願日】2017年7月3日
(62)【分割の表示】特願2017-97036(P2017-97036)の分割
【原出願日】2017年5月16日
(65)【公開番号】特開2018-194808(P2018-194808A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2020年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】517171200
【氏名又は名称】株式会社なるほどゼミナール
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】山中 孝光
【審査官】 宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−089652(JP,A)
【文献】 特開2002−268529(JP,A)
【文献】 特開2005−275252(JP,A)
【文献】 特開2015−075547(JP,A)
【文献】 特開2010−243662(JP,A)
【文献】 特開2007−248773(JP,A)
【文献】 特開2005−173015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 5/00−5/14
G09B 7/00−7/12
G06Q 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習者の学習者端末と通信可能に構成され、学習者が問題の採点を通じて学習するための情報を提供する装置であって、
問題に対する採点用の簡易解答情報と、問題の詳細な解説情報と、問題ごとに設定され学習する時期に応じて変化する学習レベルを記憶した解答・解説記憶手段と、
上記学習者端末から学習者が学習している問題を特定する問題特定情報と、学習者の学習の度合いを表す学習レベル情報の入力を受け付ける受付手段と、
上記受け付けた問題特定情報に基づいて、上記解答・解説記憶手段を参照して、当該問題の採点用の簡易解答情報を提供し、採点後に上記学習者端末からの解説要求に応じて、上記解答・解説記憶手段を参照して、上記入力された学習者の学習レベルと同等か又はそれ以上の問題についてのみ上記問題の詳細な解説情報を提供し、上記学習者の学習レベルよりも易しい問題については上記簡易回答情報のみを表示する解答・解説提供手段と、
を有することを特徴とする解説情報提供装置。
【請求項2】
上記解答・解説記憶手段には、詳細解説情報として、文字・図形等からなる詳細解説情報と、映像からなる詳細解説情報の2種類の解説情報が記憶されており、
上記解答・解説提供手段は、上記学習者により選択された解説情報を上記学習者端末に提供する、
請求項1記載の解説情報提供装置。
【請求項3】
上記受付手段は、上記問題特定情報として、上記問題ごとに付与された問題番号又は、上記問題が掲載されている問題集のページ番号の入力を受け付ける、
請求項1又は2に記載の解説情報提供装置。
【請求項4】
学習者の学習者端末と通信可能に構成され、問題に対する採点用の簡易解答情報と、問題の詳細な解説情報と、問題ごとに設定され学習する時期に応じて変化する学習レベルを記憶した解答・解説記憶手段を有するコンピュータが、
上記学習者端末から学習者が学習している問題を特定する問題特定情報と、学習者の学習の度合いを表す学習レベル情報の入力を受け付ける処理と、
上記受け付けた問題特定情報に基づいて、上記解答・解説記憶手段を参照して、当該問題の採点用の簡易解答情報を提供し、採点後に、上記学習者端末からの解説要求に応じて、上記解答・解説記憶手段を参照して、上記入力された学習者の学習レベルと同等か又はそれ以上の問題についてのみ、上記問題の詳細な解説情報を提供し、上記学習者の学習レベルよりも易しい問題については上記簡易回答情報のみを表示する処理と、
を行うことを特徴とする解説情報提供方法。
【請求項5】
上記解答・解説記憶手段には、詳細解説情報として、文字・図形等からなる詳細解説情報と、映像からなる詳細解説情報の2種類の解説情報が記憶されており、
上記コンピュータは、上記学習者により選択された解説情報を上記学習者端末に提供する、
請求項記載の解説情報提供方法。
【請求項6】
上記コンピュータは、上記問題特定情報として、上記問題ごとに付与された問題番号又は、上記問題が掲載されている問題集のページ番号の入力を受け付ける、
請求項4又は5に記載の解説情報提供方法。
【請求項7】
学習者の学習者端末と通信可能に構成され、問題に対する採点用の簡易解答情報と、問題の詳細な解説情報と、問題ごとに設定され学習する時期に応じて変化する学習レベルを記憶した解答・解説記憶手段を有するコンピュータに対して、
上記学習者端末から学習者が学習している問題を特定する問題特定情報と、学習者の学習の度合いを表す学習レベル情報の入力を受け付ける処理と、
上記受け付けた問題特定情報に基づいて、上記解答・解説記憶手段を参照して、当該問題の採点用の簡易解答情報を提供し、採点後に、上記学習者端末からの解説要求に応じて、上記解答・解説記憶手段を参照して、上記入力された学習者の学習レベルと同等か又はそれ以上の問題についてのみ、上記問題の詳細な解説情報を提供し、上記学習者の学習レベルよりも易しい問題については上記簡易回答情報のみを表示する処理と、
を行わせるコンピュータプログラム。
【請求項8】
上記解答・解説記憶手段には、詳細解説情報として、文字・図形等からなる詳細解説情報と、映像からなる詳細解説情報の2種類の解説情報が記憶されており、
上記コンピュータに対して、上記学習者により選択された解説情報を上記学習者端末に提供させる、
請求項記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
上記コンピュータに対して、上記学習者に、最初に簡易解答情報を提供した後、学習者から要求された問題に対して詳細解答情報を提供させる、
請求7又は8記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習用の問題に対して、学習者のレベルに応じた解説情報を提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、学習教材等使って問題を解くとき、学習者はその問題の難しさ、つまり難易度を意識するため、設問に難易度(学習レベル)を設けた問題の提供が行われている。そして、問題の解答は、ある程度学習レベルが低い学習者でも分かるように丁寧に解説がされている。
このような例としては、例えば特許文献1では、学習者の上記知識レベルと難易度レベルとを関連付け、学習者の学習モデルと難易度レベルとに基づいて、学習用練習問題を自動的に生成する方法がある。
また、特許文献2には、問題ごとに正誤情報、解答時間情報、属性情報と関連付けておき、属性ごとに次の最適な問題の属性を決定して問題を出題する技術が開示されている。
【0003】
一方で、問題だけではなく、学習者のレベルに応じた解説コンテンツの提供する技術もある。
この例としては、特許文献3に、「節」または「章」を含む学習単位ごとの受講者へ提供する解説コンテンツのレベル度を、履歴情報をもとに変更し、変更したレベル度の解説コンテンツで解説される教育コンテンツを受講者へ提供することが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2010−266855号公報
【特許文献2】特開2009−300877号公報
【特許文献3】特開2002−268529公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来、採点用の簡易な解答と各問題の詳細な解説は一体となっており、その場合簡単な問題であっても必要以上に解説がされており、学習者はかえって見にくかったり、答えを探しにくいなどの問題があった。特に、この解答・解説書を冊子にすると、詳細な解説が多くなればなるほど、冊子のページ数が厚くなってしまい、携帯性が悪くなってしまうなどの問題があった。
特に、さまざまな学習レベルの学習者に合わせて解説書を作成すると、設問ごとに簡単な解説から、詳細な解説までレベルにあった多くの解説を用意しなければならず、これを冊子にしたり、一覧表示すると問題集以上に解答・解説集の分量が多くなってしまい、とても使いづらいものになってしまうという問題があった。
【0006】
また、学習者も自分の学習レベルが10段階のうち5レベルの生徒にとっては、学習レベルが3の問題については、たとえその問題を間違ったとしても、うっかりミスのような場合が多く、解答さえ見れば自分がどこで間違ったか気付くことができ多くの解説を必要としない場合が多い。一方、自分の学習レベル相当の問題や、これより少し高い学習レベル(自分の学習レベルないしは、これに+1したレベルであるレベル6)の問題を間違った場合には、その問題の解き方を理解していない場合が多く、学習者に対して詳細な解説が必要となる場合が多い。
しかし、これまでは、解答・解説は一体として、問題集ごとに冊子となっていたため、いずれのレベルにも合うように、適当な分量の解説がされている場合が多い。そのため、学習レベルが低い学習者にとっては物足りない解説となっており、また学習レベルが高い学習者にとっては無駄に長い解説となってしまうことが多いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであって、問題の冊子と、解答・解説の情報とを分けるとともに、学習者にとって必要な時に、必要な詳細解説情報が提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る解説情報提供装置は、学習者の学習者端末と通信可能に構成され、学習者が問題の採点を通じて学習するための情報を提供する装置であって、問題に対する採点用の簡易解答情報と、問題の詳細な解説情報と、問題ごとに設定され学習する時期に応じて変化する学習レベルを記憶した解答・解説記憶手段と、上記学習者端末から学習者が学習している問題を特定する問題特定情報と、学習者の学習の度合いを表す学習レベル情報の入力を受け付ける受付手段と、上記受け付けた問題特定情報に基づいて、上記解答・解説記憶手段を参照して、当該問題の簡易解答情報を提供し、その後、上記学習者端末からの要求に応じて、上記解答・解説記憶手段を参照して、上記入力された学習者の学習レベルと同等か又はそれ以上の問題についてのみ、上記問題の詳細な解説情報を提供する解答・解説提供手段とを有することを特徴とする。
【0009】
上記解答・解説記憶手段には、詳細解説情報として、文字・図形等からなる詳細解説情報と、映像からなる詳細解説情報の2種類の解説情報が記憶されており、上記解答・解説提供手段は、上記学習者により選択された解説情報を上記学習者端末に提供してもよい。
【0010】
上記解答・解説提供手段は、上記学習者に対して、最初に簡易解答情報を提供した後、学習者から要求された問題に対して詳細解答情報を提供してもよい。
【0011】
上記受付手段は、上記問題特定情報として、上記問題ごとに付与された問題番号又は、上記問題が掲載されている問題集のページ番号の入力を受け付けてもよい。
【0012】
本発明の一の観点にかかる解説情報提供方法は、学習者の学習者端末と通信可能に構成され、問題に対する採点用の簡易解答情報と、問題の詳細な解説情報と、問題ごとに設定され学習する時期に応じて変化する学習レベルを記憶した解答・解説記憶手段を有するコンピュータが、上記学習者端末から学習者が学習している問題を特定する問題特定情報と、学習者の学習の度合いを表す学習レベル情報の入力を受け付ける処理と、上記受け付けた問題特定情報に基づいて、上記解答・解説記憶手段を参照して、当該問題の簡易解答情報を提供し、その後、上記学習者端末からの要求に応じて、上記解答・解説記憶手段を参照して、上記入力された学習者の学習レベルと同等か又はそれ以上の問題についてのみ、上記問題の詳細な解説情報を提供する処理とを行うことを特徴とする。
【0013】
本発明の一の観点にかかるコンピュータプログラムは、学習者の学習者端末と通信可能に構成され、問題に対する採点用の簡易解答情報と、問題の詳細な解説情報と、問題ごとに設定され学習する時期に応じて変化する学習レベルを記憶した解答・解説記憶手段を有するコンピュータに対して、上記学習者端末から学習者が学習している問題を特定する問題特定情報と、学習者の学習の度合いを表す学習レベル情報の入力を受け付ける処理と、上記受け付けた問題特定情報に基づいて、上記解答・解説記憶手段を参照して、当該問題の簡易解答情報を提供し、その後、上記学習者端末からの要求に応じて、上記解答・解説記憶手段を参照して、上記入力された学習者の学習レベルと同等か又はそれ以上の問題についてのみ、上記問題の詳細な解説情報を提供する処理と、を行わせることを特徴とする。
【0014】
上記解答・解説記憶手段には、詳細解説情報として、文字・図形等からなる詳細解説情報と、映像からなる詳細解説情報の2種類の解説情報が記憶されており、上記コンピュータは、上記学習者により選択された解説情報を上記学習者端末に提供するようにしてもよい。
【0015】
上記コンピュータは、上記学習者に対して、最初に簡易解答情報を提供した後、学習者から要求された問題に対して詳細解答情報を提供してもよい。
【0016】
上記コンピュータは、上記問題特定情報として、上記問題ごとに付与された問題番号又は、上記問題が掲載されている問題集のページ番号の入力を受け付けてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、問題の冊子と、解答・解説の情報とを分けるとともに、学習者にとって必要な時に、必要な詳細解説情報が提供することができる。また、解説書のような分厚い冊子を持っていなくとも、簡単かつ適切な時に、適切な詳細解説を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係るシステム全体を示した機能ブロック図。
図2】実施形態に係る解答サーバの機能ブロック図。
図3】第1の実施形態に係る問題・解答データベースに記憶されているデータの例を示した図。
図4】第1の実施形態にかかる解説情報提供方法の処理フロー。
図5】実施形態にかかる問題集の例を示した図。
図6】実施形態に係る教材検索画面の例を示した図。
図7】実施形態に係る学習者の学習レベル、教材の採点を行うページ数などの入力画面を示した図。
図8】実施形態に係る簡易解答を表示した画面の例。
図9】実施形態に係る詳細解説を示した画面の例。
図10】第2の実施形態に係る問題・解答データベースに記憶されているデータの例を示した図。
図11】第2の実施形態にかかる解説情報提供方法の処理フロー。
図12】第3の実施形態にかかる処理の流れを示した図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明にかかる第1の実施形態について図を参照して説明する。
本実施形態では、学習者は問題集(冊子)で問題を解いて、インターネットを介して解答サーバ1から解答情報を取得して、その採点及び問題の解説を取得するようになっている。
本実施形態のシステムは、図1に示されるように、解答サーバ1と、インターネットを介して学習者端末2が接続可能となっている。
学習者端末2は、問題集を使って学習を行う学習者が使用する端末である。この学習者端末2は、いわゆるパーソナルコンピュータ端末、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistance)端末などインターネット接続可能で、受信したデータをディスプレイなどに出力可能なコンピュータであればよい。
【0020】
解答サーバ1は、問題の解答及び解説情報を有するコンピュータであって、CPU及びハードディスクドライブ、メモリなどに記憶されたコンピュータプログラムを実行することで、図2に示すような機能を実現できるように構成されている。
図2に示す機能ブロックは、教室データベース(DB)11、問題・解答データベース(DB)12、通信処理部13、ユーザ情報処理部13、解答・解説処理部14を有している。
【0021】
教室データベース11は、テキスト(冊子)を教材として採用している学習教室等の情報をデータベース化したものである。この教室データベース11には、教室識別としての教室番号とその教室名などの情報、その教室が採用しているテキスト(冊子)の情報などが記憶できるようになっている。
【0022】
問題・解答データベース12は、問題に対する答えとその解説情報をデータベース化したものである。
この問題・解答データベース12には、図3に示すように、問題集ごとに設問番号(No.)と、簡易解答と、詳細解答がそれぞれ記憶できるようになっている。
設問番号は、各設問を識別するための番号であって、この例ではさらに設問番号により学年、教科、テキスト、番号が識別できる情報が含まれている。
簡易解答は、学習者の解答を採点するために必要な情報である。この簡易解答としては、例えば、○、×や、解答となる「30°」「(ア)」など、採点をするために必要な情報だけが含まれていればよい。
詳細解説は、設問の解き方を詳細に解説したものである。解答に至るその思考の過程や、問題の解き方のポイント、ヒントなどを含んでいる。また、この詳細解説はテキストだけでなく図表や動画、音声などを含んでもよい。
なお、問題・解答データベース12には、問題集の問題情報とともに、そのページ数や段落などデータを合わせて記憶しておき、各ページごとに問題集の問題のレイアウトに合わせて解答を表示できるようにしてもよい。
【0023】
通信処理部13は、インターネットの所定のプロトコルに基づいて、データの送受信処理を行う処理部である。この通信処理部13は、学習者が学習者端末2との間でデータの送信・受信の処理を行う。
教室情報処理部14は、学習者が入力した教室番号に基づいて、その教室が採用している教材の情報を特定する処理を行う。
【0024】
解答・解説処理部15は、学習者からの要求に応じて、学習者端末2に対して、解答情報や、解説情報を提供する処理を行う。
【0025】
次に、本実施形態にかかる解説情報を学習者に提供するための処理の流れについて図4を参照しながら説明する。
図4において、まず前提としてユーザである学習者は、図5に示すような問題集について解答する。
この問題集は、学習者に冊子で提供されており、学習者はこれまでと同じように問題集で解答を行う。
この問題集の各問題には、図5に示すように、設問番号Noが付与されている。上述のように設問番号により学年、教科、テキスト、番号が識別できる情報となっている。
【0026】
そして、問題が解き終えた時点で、採点を行う場合、まず学習者は所定のWebサイトにアクセスし、図示しない教室検索画面で自身が所属している教室の教室番号を入力して検索する。これにより、教室情報処理部13は入力された教室番号に基づいて教室データベース11を参照して、当該教室が採用している教材の情報を表示させる。そして、解答・解説処理部15は、学習者端末2に対して、図6に示すような教材検索画面を表示させる(S1)。これに応じて、学習者は、問題特定情報としての教材のキーワードや、教材のシリーズ名等を入力して教材を検索する。
【0027】
解答・解説処理部15は、学習者端末2に対して、該当する教材名を特定させる(S2)。
この際の画面を図7に示す。図7に示すように画面上には、キーワード等に該当する教材名101、教材のレベル102、対象学年103、教科104が表示される。
【0028】
解答・解説処理部15は、学習者に簡易解答か又は、詳細解答のいずれを表示させるか選択する画面を表示させる(S3)。
この状態で学習者が簡易解答を選択すると、簡易解答の場合は表示したいページ数の入力を要求する(S4)。
そしてページ数が入力されることで、解答・解説処理部15は、問題・解答データベース12を参照して、指定されたページの簡易解答を抽出して、学習者端末2に出力させる(S5)。
この例を図8に示す。図8に示した例では、テキスト(冊子)と同じイメージで、解答欄にその問題の解答201だけが赤字で表示されている。このように、テキストと同じイメージの解答欄に、解答だけ目立つように表示することで、学習者は問題と解答の関係性を一目で理解できる。
そして、またS3の処理に戻って、詳細解説を選択できるようにしてもよい。
【0029】
一方、上記S3の処理で詳細解答が選択された場合には、問題特定情報としてページ範囲と段階範囲、又は問題番号の入力を要求する(S11)。
そして、入力された情報に基づいて、解答・解説処理部15は、問題・解答データベース12を参照し、指定された問題の詳細解説情報を抽出(S12)し、これを学習者端末2に出力させる(S13)。
この詳細な解説の例を図9に示す。図9に示すように、詳細解説では、問題ごとに詳細な解き方や考え方などの解説が表示される。
そして、学習者は、表示された解説を見ることで、指定した問題についてのみ十分に解説を見て、復習することができる。
【0030】
このように、上述の実施形態によれば、自分が間違った問題など学習者が指定した問題についてだけ、詳細な解説を見て学習することができるので、非常に効率よく学習できる。
つまり、図9のように、学習者が必要としない問題は、簡易解答だけが表示され、学習者が必要とした問題だけ詳細解説を表示させることで、必要以上の詳細解説が表示されることはなく、従来のように無用な解説が多いため、見にくかったり、却って分かりにくいなどの問題がなく、効率的に学習できる。
また、問題や解答・解説を提供する問題作成事業者としても、簡易解答と詳細解答を登録しておけば、あとは学習者側の判断でその情報を必要な時に見ることができるので、様々な解答・解説集のパターンを複数作成しなくとも、簡易解答と詳細解説の情報を登録しておくだけでよい。
【0031】
第2の実施形態
上述の実施形態では、簡易解答と詳細解答の2種類であったが、別の実施形態として、詳細な解答を上述の文字・図表による詳細解説と映像による映像解説に分けて、選択的に提供してもよい。
この場合の例を図12に示す。図12に示した実施形態では、解答・解説処理部15が、上述のS3の処理で、学習者に対して簡易解答、詳細解答、映像解説のいずれかを学習者に選択させるようにする。
この中から学習者が選択した解説を提供する。
これにより、学習者が文字、図表による解説だけでは理解できない場合でも、映像による解説の方が実際に講義を受けていると同様な環境で学習を進めることができる。
【0032】
また、別の提供方法として、簡易解答、詳細解答、映像解説を段階的に提供するようにしてもよい。
この場合、最初の段階は学習者に「簡易解答」を表示し(1stステップ)、そこでさらに解説を見たい場合は画面に表示されている「解説を見る」ボタンを押すことで「完全徹底解答」が表示される(2ndステップ)。さらに理解を深めたい場合は、画面に表示されている「映像解説授業を見る」ボタンを押すことで、「映像解説授業」が表示される(3rdステップ)。
このように、段階的に、詳細な解説を提供することで、学習者の理解に合わせた解を段階的に提供することができる。
【0033】
さらに別の提供方法として、「簡易解答」が終わった時点で(採点が終わった時点)、「完全徹底解答」と「映像解説授業」の2つのボタンを同時に表示させ、そのうちから学習者が見たい解説を選択するようにしてもよい。
これにより、学習者が自分の判断でいずれかの解説情報を見ることができる。
【0034】
第3の実施形態
上述の実施形態では、学習者の選択により詳細解説を表示させるようにしたが、学習者の学習レベルに応じて、自分の学習レベル以上の問題についてのみ、詳細解説を表示させるようにしてもよい。
ここで、学習レベルは、問題の難易度を表すものである。この学習レベルは、問題ごとの正答率と、この正答率に応じて決められた難易度に基づいて定められている。つまり、問題の正答率が高ければ難易度は低くなり、正答率が低ければ難易度は高くなる。この学習レベルを設定する基礎となる正答率、難易度は時期に応じて変化するようにしてもよい。つまり、例えば、4月ごろであれば入試までまだ期間があるため、ある特定の問題について、正答率は低く、難易度も高く設定されているが、12月ごろであれば学習者全体の学習が進むことから、正答率が高くなり、難易度は低下するため、ある特定の問題に対する学習レベルも低く変化するように時期に応じて動的に更新されてもよい。この正答率、学習レベル(難易度)の設定については、本出願人が先に出願した特願2016−223007号の内容と同じであってもよい。
そして、この実施形態では、図10に示すように、問題・解答データベース12に、問題集の設問ごとに各設問の学習レベル(レベル)を記憶しておく。
【0035】
第3の実施形態において詳細解説を表示する処理の流れについて図11を参照して説明する。
なお、上述の第1の実施形態と同じ処理は説明を省略する。
第3の実施形態では、上述のS2の処理の後、学習者端末に簡易解答を出力する(S31)。
これにより学習者は、自分の解答の採点をおこなう。
その後、学習者が自分の学習レベルを画面上から入力する(S32)。
これにより、学習者が画面上の「解説表示」ボタンを押すと、解答・解説処理部15は、問題・解答データベース12を参照し、その学習者が入力した学習レベルと同じレベル又はそれ以上の指定された問題についてのみ詳細解説情報を抽出し(S33)、これを学習者端末2に出力させる(S34)。
なお、学習者の学習レベルより易しい問題については、簡易解答のみ表示してもよいし、また表示を省略してもよい。
【0036】
この実施形態によれば、学習者は、自分の学習レベルにあった問題についてだけ詳細な解説を見ることで、十分に解説を見て復習することができる。
【0037】
また、詳細な解答を表示するのは、学習者の学習レベルと同一だけでなく、学習者の学習レベル+1まで詳細解答を表示するようにしてもよい。これにより、学習者にとって少し難しい問題だけ詳細な解答を得ることができ、その理解を進めることができる。
【0038】
第4の実施形態
上述の実施形態では、学習者が自分の学習レベルを選択入力していたが、これに替えて、ユーザデータベースを設け、あらかじめ学習者ごとの現時点での学習レベル情報を記憶しておき、学習者の学習レベルを超える問題についてだけ、詳細解説を提供するようにしてもよい。
この場合、学習者を特定するため、最初に学習者の識別情報を入力させ、これにより当該学習者の学習レベルをユーザデータベースから取得し、これの学習レベル以上の問題についてだけで、解答・解説処理部15が詳細解説及び/又は映像解説を提供する。
これにより、学習者は自分で学習レベルを設定しなくとも、模擬試験などの結果からユーザデータベース11に設定されている学習レベルに応じて、自分の学習レベルに合った問題について、詳細解説により学習を行うことができる。
【符号の説明】
【0039】
1 解答サーバ
2 学習者端末
11 ユーザDB
12 問題・解答DB
13 通信処理部
14 ユーザ情報処理部
15 解答・解説処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12