(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6880466
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】プローブ位置合わせ装置
(51)【国際特許分類】
G01R 31/28 20060101AFI20210524BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20210524BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
G01R31/28 K
G01R31/26 J
H01L21/66 B
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-172635(P2019-172635)
(22)【出願日】2019年9月24日
(65)【公開番号】特開2020-71219(P2020-71219A)
(43)【公開日】2020年5月7日
【審査請求日】2019年9月24日
(31)【優先権主張番号】107138655
(32)【優先日】2018年10月31日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505441638
【氏名又は名称】致茂電子股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chroma Ate Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】王友延
(72)【発明者】
【氏名】林佳宏
(72)【発明者】
【氏名】翁思淵
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼國▲ウェイ▼
【審査官】
島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−326675(JP,A)
【文献】
特開平10−010197(JP,A)
【文献】
特開平10−321686(JP,A)
【文献】
特開2002−014145(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0142861(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/28
G01R 31/26
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブ素子を測定待機物に位置合わせするためのものであり、
前記測定待機物と前記プローブ素子との間に設けられており、三角形を呈する透光可能な二つのプリズムで構成され、第1光出射面と、第2光出射面と、光入射面と、を有し、
前記光入射面から入射した光線を2つの光線に分ける分光素子と、
前記分光素子の前記光入射面に設けられている画像センシング装置と、
前記分光素子の前記光入射面の対向側に設けられている光反射素子と、
前記分光素子の前記光入射面に位置合わせられて、前記分光素子を介して、前記2つの光線の一方を前記プローブ素子に投射し、前記2つの光線の他方を前記測定待機物に投射する光源と、
前記分光素子と前記プローブ素子との間に設けられており、光線を前記プローブ素子に投射し、又は前記分光素子と前記測定待機物との間に設けられており、光線を前記測定待機物に投射する環状光源と、
を備え、
前記第1光出射面と前記第2光出射面とは、それぞれ前記プローブ素子と前記測定待機物とに面し、前記二つのプリズムの接合面は半分透過可能な反射面を構成し、これにより、前記2つの光線の一方は前記反射面に反射されて前記プローブ素子に入射し、前記2つの光線の他方は、前記反射面を透過し、前記光反射素子に反射されて前記反射面に戻して、前記測定待機物に投射し、
前記分光素子は、前記第1光出射面が接収するプローブ素子の画像と前記第2光出射面が接収する測定待機物の画像と、を前記光入射面を透過して外部へ出射し、前記画像センシング装置は、前記プローブ素子の画像と前記測定待機物の画像とを取って位置合わせを行うためのものである、
プローブ位置合わせ装置。
【請求項2】
前記環状光源の中央には、貫通孔が設けられ、
前記貫通孔により、前記プローブ素子の画像が遮蔽されることを回避する、
請求項1に記載のプローブ位置合わせ装置。
【請求項3】
前記第1光出射面と前記第2光出射面とは、それぞれ前記分光素子の両側に位置する、請求項1または2に記載のプローブ位置合わせ装置。
【請求項4】
前記分光素子はビームスプリッターである、請求項1から3のいずれか一項に記載のプローブ位置合わせ装置。
【請求項5】
更に、光経路変更素子を備え、
前記光経路変更素子は、二つの遮蔽板を有し、
前記二つの遮蔽板の一方は、前記分光素子の上側に移動可能に設けられており、前記二つの遮蔽板の他方は、前記分光素子の下側に移動可能に設けられており、
前記二つの遮蔽板は、前記第1光出射面または前記第2光出射面を選択的に遮蔽する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のプローブ位置合わせ装置。
【請求項6】
更に、光遮蔽素子を備え、前記光遮蔽素子は、前記分光素子に移動可能に設けられており、これにより、前記第1光出射面を選択的に遮蔽することができる、請求項1から5のいずれか一項に記載のプローブ位置合わせ装置。
【請求項7】
前記光源からの光線は、前記プローブ素子と前記測定待機物とにより反射し、
前記プローブ素子により反射された前記光源からの光線と、前記測定待機物により反射された前記光源からの光線とは、それぞれ前記第1光出射面と前記第2光出射面とを経由して前記分光素子に入射し、これにより、前記分光素子は、前記第1光出射面と前記第2光出射面とからの画像を接収し、
前記第1光出射面と前記第2光出射面とからの前記画像は、同じ軸心に位置して、前記光入射面から前記分光素子の外へ投射される、
請求項1から6のいずれか一項に記載のプローブ位置合わせ装置。
【請求項8】
前記画像センシング装置は、前記分光素子を介して前記測定待機物をスキャンするためのものである、請求項1から7のいずれか一項に記載のプローブ位置合わせ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体のテストに関し、特に、プローブ位置合わせ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体のスポット計測技術は、プローブが測定待機物とのテスト点に直接に接触することにより、信号を取って、周辺のテスト機器に合わせて、テストの目的を達成する。プローブをテスト点に精確に接触するために、プローブ位置合わせ(Alignment)は半導体のスポット計測技術の極めて重要な技術の一つである。
【0003】
図1は従来のプローブ位置合わせ装置10を示す図である。従来のプローブ位置合わせ装置10は、
図1に示すように、位置合わせするために、2組の画像キャプチャモジュール12, 14が必要である。一組の画像キャプチャモジュール12は、測定待機物16(例えばウエハー)をスキャンして、測定待機物16の表面の画像を撮るためのものである。他組の画像キャプチャモジュール14は、一般的に、測定待機物16の積載プラットフォーム11の近傍に設けられており、これにより、プローブカード18の特定の針先端の画像を撮るためのものである。この二つの画像は、画像処理されて対比して分析を行う。これにより、それに対応するXY座標を取ることができる。
【0004】
画像キャプチャモジュール12, 14は、それぞれ独立である。このため、従来のプローブ位置合わせ装置10は、同じ軸心で測定待機物16の表面をスキャンする画像(例えば電極パッド、プローブの跡など)とプローブ先端の画像とを取って校正することができず、プローブ位置合わせの精確度が影響されやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、測定待機物の表面の画像、プローブの跡およびプローブ先端の画像を同じ軸心で位置合わせを行うことができ、プローブ位置合わせの精確度を向上することが可能なプローブ位置合わせ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るプローブ位置合わせ装置によると、プローブ素子を測定待機物に位置合わせするためのものであり、
測定待機物とプローブ素子との間に設けられており、三角形を呈する透光可能な二つのプリズムで構成され、第1光出射面と、第2光出射面と、光入射面と、を有し、第1光出射面と第2光出射面とは、それぞれプローブ素子と測定待機物とに面し、二つのプリズムの接合面は半分透過可能な反射面を構成し、これにより、光入射面を通過する光線は、反射面に反射されてプローブ素子に入射する分光素子と、
分光素子の光入射面に設けられている画像センシング装置と、
分光素子の光入射面の対向側に設けられており、一部が反射面を透過する光線は、光反射素子に反射されて反射面に戻して、測定待機物に投射する光反射素子と、
を備えるプローブ位置合わせ装置において、
分光素子は、第1光出射面が接収するプローブ素子の画像と第2光出射面が接収する測定待機物の画像と、を光入射面を透過して外部へ出射し、画像センシング装置は、プローブ素子の画像と測定待機物の画像とを取って位置合わせを行うためのものであることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るプローブ位置合わせ装置によると、第1光出射面と第2光出射面とは、それぞれ分光素子の両側に位置することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るプローブ位置合わせ装置によると、分光素子は分光器であることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るプローブ位置合わせ装置によると、更に、光経路変更素子を備え、光経路変更素子は、分光素子に移動可能に設けられており、これにより、第1光出射面または第2光出射面を選択的に遮蔽することができることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るプローブ位置合わせ装置によると、更に、光遮蔽素子を備え、光遮蔽素子は、分光素子に移動可能に設けられており、これにより、第1光出射面を選択的に遮蔽することができることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るプローブ位置合わせ装置によると、更に、光源を備え、光源は、分光素子の光入射面に位置合わせられて、分光素子を介して、光線をプローブ素子と測定待機物とに投射することを特徴とする。
【0012】
本発明に係るプローブ位置合わせ装置によると、光源は同軸光源であることを特徴とする。
【0013】
本発明に係るプローブ位置合わせ装置によると、更に、環状光源を備え、環状光源は、分光素子とプローブ素子との間に設けられており、光線をプローブ素子に投射し、又は分光素子と測定待機物との間に設けられており、光線を測定待機物に投射することを特徴とする。
【0014】
本発明に係るプローブ位置合わせ装置によると、画像センシング装置は、分光素子を介して測定待機物をスキャンするためのものであることを特徴とする
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るプローブ位置合わせ装置によれば、測定待機物の表面の画像、プローブの跡およびプローブ先端の画像を同じ軸心で位置合わせを行うことができる。これにより、プローブ位置合わせの精確度を向上することができると共に、画像分析の計算の複雑度を減少することが可能であるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】従来のプローブ位置合わせ装置を示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るプローブ位置合わせ装置を示す図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係るプローブ位置合わせ装置を示す図である。
【
図4】本発明の第3実施形態に係るプローブ位置合わせ装置を示す図である。
【
図5】本発明の第4実施形態に係るプローブ位置合わせ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明の実施形態の図面における各部材の比例は、説明を容易に理解するために示され、実際の比例ではない。
【0018】
(第1実施形態)
図2は、係本発明の第1実施形態に係るプローブ位置合わせ装置100を示す図である。プローブ位置合わせ装置100は、プローブ素子20(例えばプローブカード(probe card))を測定待機物30(例えばウエハー(wafer)、チップまたは電子回路)に位置合わせするためのものである。具体的には、プローブ位置合わせ装置100は、プローブ素子20のプローブの先端を測定待機物30上の接触接点に位置合わせて、その後のスポット計測プロセスを行うためのものである。
【0019】
プローブ位置合わせ装置100は、
図2に示すように、積載プラットフォーム110と、光源120と、分光素子140と、光反射素子160と、画像センシング装置180と、を備える。
【0020】
積載プラットフォーム110は、測定待機物30を固定するためのものである。本実施形態では、積載プラットフォーム110が、移動可能であり、水平方向に沿って移動することができる。光源120により、光線が発生してプローブ素子20と測定待機物30とに投射して、プローブ素子20と測定待機物30との画像を生じる。
【0021】
分光素子140は、測定待機物30とプローブ素子20との間に設けられている。分光素子140は、第1光出射面A1と、第2光出射面A2と、光入射面A3と、を有する。第1光出射面A1と第2光出射面A2とは、それぞれプローブ素子20と測定待機物30とに面する。
【0022】
本実施形態では、プローブ位置合わせ装置100の光源120は同軸光源である。すなわち、光源120は、分光素子140の光入射面A3に位置合わせされて、分光素子140により、
図2における矢印のように、光源120からの光線が二つのビームに分けられて、プローブ素子20と測定待機物30とに同時に投射する。
【0023】
本実施形態では、第1光出射面A1と第2光出射面A2とは、それぞれ分光素子140の両側(
図2における上下側)に位置する。分光素子140は、分光器(beam splitter)でもよく、例えば、
図2に示すように、透光可能な立方体である。このような立方体は、二つの三角形を呈する透光可能なプリズムで構成される。この二つのプリズムの接合面は、半分透過反射面A4を構成し、分光の目的を達成することができる。
【0024】
光反射素子160は、分光素子140の光入射面A3の対向側に設けられている。光源120からの光線が半分透過反射面A4に投射された後、一部の光線は、半分透過反射面A4を経由して上へ反射して第1光出射面A1に入射して、第1光出射面A1を透過してプローブ素子20に投射し、その他の光線は、半分透過反射面A4を透過して、光反射素子160(例えば光反射メッキ層)に投射して反射されて、半分透過反射面A4に戻して、半分透過反射面A4を経由して下へ反射して第2光出射面A2に入射して、測定待機物30に投射する。
【0025】
光の経路は逆走可能なため、プローブ素子20と測定待機物30とからの反射の光線は、それぞれ第1光出射面A1と第2光出射面A2とを経由して分光素子140に入射し、且つ同じ光束が光入射面A3から外へ投射するようになる。これにより、分光素子140は、第1光出射面A1と第2光出射面A2とからの画像を接収することができ、第1光出射面A1と第2光出射面A2とからの画像は同じ軸心に位置して、光入射面A3から外へ投射する。
【0026】
特に、前記光出射面と光入射面とは、分光素子140が分光に利用される状態によって定義される。本実施形態では、光入射面にも光線の出射があり、光出射面にも光線の入射がある。
【0027】
画像センシング装置180は、分光素子140の光入射面A3に設けられており、第1光出射面A1と第2光出射面A2とからの画像を接収する。画像センシング装置180は、電荷結合素子(CCD)または相補型MOS(CMOS)である。分光素子140は、第1光出射面A1が接収するプローブ素子の画像と、第2光出射面A2が接収する測定待機物の画像と、を光入射面A3を介して外へ出射する。画像センシング装置180は、プローブ素子の画像と測定待機物の画像とを取って位置合わせを行う。本実施形態に係る画像センシング装置180は、プローブ素子の画像と測定待機物の画像とを同時に取って位置合わせを行う。例えばこの二つの画像を重ねて対比する。しかし、本発明はこれに限定されない。別の実施形態に係る画像センシング装置180は、まず、測定待機物の画像を取って分析を行って、プローブ素子の画像を取って位置合わせを行う。
【0028】
これにより、第1光出射面A1からの画像は、半分透過反射面A4に反射されて、分光素子140の光入射面A3に投射し、第2光出射面A2からの画像は、半分透過反射面A4に反射されて、光反射素子160に投射して、光反射素子160に反射されて、分光素子140の光入射面A3に投射する。
【0029】
特に、本実施形態に係る画像センシング装置180は、プローブ素子の画像を取って位置合わせを行うことが可能であると共に、測定待機物30をスキャンして、測定待機物30の表面の画像を取ることが可能である。このため、プローブ位置合わせ装置100は、同じ軸心で、測定待機物30の表面の画像(例えば電極パッド、プローブの跡など)とプローブ素子20のプローブ先端の画像とを取って、校正を行うことができる。これにより、プローブ位置合わせの精確度を向上することができる。一方、プローブ位置合わせ装置100は、同じ軸心で、測定待機物30の表面の画像とプローブ先端の画像とを取って対比して校正することができるため、スポット計測位置合わせプロセスのソフトウェア画像処理への依存を減少でき、更に、プローブ素子の画像と測定待機物の画像を直接に重ねて位置合わせを行うことができる。これにより、スポット計測位置合わせプロセスを簡単化することができ、装置のコストを減少することもできる。
【0030】
本実施形態では、光源120、分光素子140、光反射素子160及び画像センシング装置180は、一つの画像キャプチャモジュールに整合される。この画像キャプチャモジュールと積載プラットフォーム110とは、それぞれ独立である。測定待機物30の表面の画像を取ろうとするときには、積載プラットフォーム110を制御して移動させ、測定待機物30と画像キャプチャモジュール(特に、第2光出射面A2)との相対的な位置を変更することにより、測定待機物30の表面の画像を取る。プローブ素子の画像を取って位置合わせを行おうとするときには、プローブ素子20または画像キャプチャモジュールを制御して移動させる。
【0031】
(第2実施形態)
図3は、係本発明の第2実施形態に係るプローブ位置合わせ装置200を示す図である。
図2の実施形態に比べると、本実施形態に係るプローブ位置合わせ装置200は、更に、光経路変更素子270を備える。光経路変更素子270は、分光素子140に設けられており、第1光出射面A1又は第2光出射面A2を選択的に遮蔽することができる。本実施形態に係る光経路変更素子270は、遮蔽板272,274を備える。遮蔽板272,274は、それぞれ分光素子140の上下側に移動可能に設けられており、第1光出射面A1又は第2光出射面A2を選択的に遮蔽することができる。
【0032】
画像センシング装置180は、第2光出射面A2からの測定待機物の画像を取って分析を行おうとするときには、例えば測定待機物30の表面をスキャンしようとするときに、光経路変更素子270の遮蔽板272により第1光出射面A1を遮蔽すると、第1光出射面A1からのプローブ素子の画像が、取られた測定待機物の画像を干渉することを回避できる。逆に、画像センシング装置180は、第1光出射面A1からのプローブ素子の画像を取って位置合わせを行おうとするときには、光経路変更素子270の遮蔽板274により第2光出射面A2を遮蔽すると、第2光出射面A2からの測定待機物の画像が、取られたプローブ素子の画像を干渉することを回避できる。
【0033】
(第3実施形態)
図4は本発明の第3実施形態に係るプローブ位置合わせ装置300を示す図である。
図2の実施形態に比べると、本実施形態に係るプローブ位置合わせ装置300は、更に、光遮蔽素子370を備える。光遮蔽素子370は、分光素子140に移動可能に設けられており、第1光出射面A1を選択的に遮蔽する。本実施形態に係る光遮蔽素子370は遮蔽板である。
【0034】
画像センシング装置180は、第2光出射面A2からの測定待機物の画像を取って分析を行おうとするときには、例えば測定待機物30の表面をスキャンしようとするときに、光遮蔽素子370により第1光出射面A1を遮蔽すると、第1光出射面A1からのプローブ素子の画像が、取られた測定待機物の画像を干渉することを回避できる。画像センシング装置180は、プローブ素子の画像を取って位置合わせを行おうとするときには、光遮蔽素子370を外すと、第1光出射面A1からのプローブ素子の画像を取ることができる。
【0035】
(第4実施形態)
図5は、本発明の第4実施形態に係るプローブ位置合わせ装置400を示す図である。
図4の実施形態に比べると、本実施形態に係るプローブ位置合わせ装置400は、更に、環状光源430を備える。環状光源430は、分光素子140とプローブ素子20との間に設けられている。本実施形態に係る環状光源430は、補助光源として光線をプローブ素子20に投射する。環状光源430の中央に設けられている貫通孔により、プローブ素子20からのプローブ素子の画像が遮蔽されることを回避できる。環状光源430を利用することにより、プローブ素子の画像の明るさとコントラストとを向上でき、プローブ位置合わせの精確度を増加できる。
【0036】
本実施形態に係る環状光源430は、分光素子140とプローブ素子20との間に設けられており、光線をプローブ素子20に投射する。しかし、本発明はこれに限定されない。別の実施形態に係る環状光源は、分光素子140と測定待機物30と間に設けられており、光線を測定待機物30に投射する。もちろん、環状光源は、両面発光でもよい。これにより、光線をプローブ素子20と測定待機物30とに同時に投射することができ、
図5に示す光源120を取り代わることができる。
【0037】
本発明に係るプローブ位置合わせ装置によれば、測定待機物の表面の画像と、プローブの跡と、プローブ先端の画像と、を同じ軸心で、位置合わせを行うことができる。これにより、プローブ位置合わせの精確度を増加でき、画像分析の計算の複雑度を減少することもできる。
【0038】
このように、本発明の特定の例を参照して説明したが、それらの例は、説明のためだけのものであり、本発明を限定するものではなく、この分野に通常の知識を有する者には、本発明の要旨および特許請求の範囲を逸脱することなく、ここで開示された実施例に変更、追加、または、削除を施してもよいことがわかる。
[項目1]
プローブ素子を測定待機物に位置合わせするためのものであり、
上記測定待機物と上記プローブ素子との間に設けられており、三角形を呈する透光可能な二つのプリズムで構成され、第1光出射面と、第2光出射面と、光入射面と、を有し、上記第1光出射面と上記第2光出射面とは、それぞれ上記プローブ素子と上記測定待機物とに面し、上記二つのプリズムの接合面は半分透過可能な反射面を構成し、これにより、上記光入射面を通過する光線は、上記反射面に反射されて上記プローブ素子に入射する分光素子と、
上記分光素子の上記光入射面に設けられている画像センシング装置と、
上記分光素子の上記光入射面の対向側に設けられており、一部が上記反射面を透過する光線は、光反射素子に反射されて上記反射面に戻して、上記測定待機物に投射する光反射素子と、
を備えるプローブ位置合わせ装置において、
上記分光素子は、上記第1光出射面が接収するプローブ素子の画像と上記第2光出射面が接収する測定待機物の画像と、を上記光入射面を透過して外部へ出射し、上記画像センシング装置は、上記プローブ素子の画像と上記測定待機物の画像とを取って位置合わせを行うためのものである、プローブ位置合わせ装置。
[項目2]
上記第1光出射面と上記第2光出射面とは、それぞれ上記分光素子の両側に位置する、項目1に記載のプローブ位置合わせ装置。
[項目3]
上記分光素子は分光器である、項目1または2に記載のプローブ位置合わせ装置。
[項目4]
更に、光経路変更素子を備え、上記光経路変更素子は、上記分光素子に移動可能に設けられており、これにより、上記第1光出射面または上記第2光出射面を選択的に遮蔽することができる、項目1から3のいずれか一項に記載のプローブ位置合わせ装置。
[項目5]
更に、光遮蔽素子を備え、上記光遮蔽素子は、上記分光素子に移動可能に設けられており、これにより、上記第1光出射面を選択的に遮蔽することができる、項目1から4のいずれか一項に記載のプローブ位置合わせ装置。
[項目6]
更に、光源を備え、上記光源は、上記分光素子の上記光入射面に位置合わせられて、上記分光素子を介して、光線を上記プローブ素子と上記測定待機物とに投射する、項目1から5のいずれか一項に記載のプローブ位置合わせ装置。
[項目7]
上記光源は同軸光源である、項目6に記載のプローブ位置合わせ装置。
[項目8]
更に、環状光源を備え、上記環状光源は、上記分光素子と上記プローブ素子との間に設けられており、光線を上記プローブ素子に投射し、又は上記分光素子と上記測定待機物との間に設けられており、光線を上記測定待機物に投射する、項目6または7に記載のプローブ位置合わせ装置。
[項目9]
上記画像センシング装置は、上記分光素子を介して上記測定待機物をスキャンするためのものである、項目1から8のいずれか一項に記載のプローブ位置合わせ装置。
【符号の説明】
【0039】
10,100,200,300,400 プローブ位置合わせ装置
12, 14 画像キャプチャモジュール
16, 30 測定待機物
18 プローブカード
20 プローブ素子
11, 110 積載プラットフォーム
120 光源
140 分光素子
160 光反射素子
180 画像センシング装置
270 光経路変更素子
272, 274 遮蔽板
370 光遮蔽素子
430 環状光源
A1 第1光出射面
A2 第2光出射面
A3 光入射面
A4 半分透過反射面