特許第6880481号(P6880481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6880481-外装部材、時計、及びそれらの製造方法 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6880481
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】外装部材、時計、及びそれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/28 20060101AFI20210524BHJP
   G04B 45/00 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   G04B19/28 Z
   G04B45/00 D
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-8282(P2017-8282)
(22)【出願日】2017年1月20日
(65)【公開番号】特開2018-116009(P2018-116009A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2019年12月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(72)【発明者】
【氏名】石井 陽作
(72)【発明者】
【氏名】有田 幸喜
(72)【発明者】
【氏名】▲辻▼ 彩子
(72)【発明者】
【氏名】中塚 義樹
(72)【発明者】
【氏名】新藤 孝征
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 満紀
【審査官】 清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−121412(JP,A)
【文献】 特開2005−030924(JP,A)
【文献】 特開2000−258560(JP,A)
【文献】 実開昭48−038868(JP,U)
【文献】 特開2005−114495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00 − 99/00
A44C 5/00 − 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ねじ部が内周面に設けられた外側部材と、
前記外側部材内に配置され、第2ねじ部が外周面に設けられた内側部材と、
前記外側部材と前記内側部材との回転方向の位置を規制する回転規制部と、
前記内側部材の上端部とこれに対応して前記外側部材の上部に設けられた押え部との間に配置された弾性部材と、
を備え、
前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とが相互に螺合して前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とが相互に乗り越えて噛み合いが外れた状態で、前記外側部材の前記第1ねじ部の下端部と前記内側部材の前記第2ねじ部の上端部とが相互に押し付けられて当接し、
前記噛み合いが外れた状態で、前記内側部材の前記上端部と前記外側部材の前記押え部とが、前記弾性部材によって弾力的に押し広げられていて、
前記噛み合いが外れた状態で、前記内側部材の貫通孔と前記外側部材の挿入穴とが互いに対応して配置されていて、ピン状部材が前記内側部材の前記貫通孔から前記外側部材の前記挿入穴にかけて配置されていることを特徴とする外装部材。
【請求項2】
請求項1に記載の外装部材において、前記第1ねじ部は前記外側部材の内周面における下部側にその内周面から内部側に突出して設けられ、前記第2ねじ部は前記内側部材の外周面における上部側にその外周面から外部側に突出して設けられていることを特徴とする外装部材。
【請求項3】
請求項2に記載の外装部材において、前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とは、その軸方向の長さがほぼ同じ長さで、その両方の長さが前記外側部材と前記内側部材との互いに対面する軸方向の長さよりも短く形成されていることを特徴とする外装部材。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の外装部材において、前記第1ねじ部の下部とこれに対応する前記内側部材の内周面との間に設けられ、前記外側部材と前記内側部材とを弾力的に接着する弾性接着剤を備えていることを特徴とする外装部材。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の外装部材において、前記外側部材は、カーボン樹脂で形成されていることを特徴とする外装部材。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載された外装部材を備えていることを特徴とする時計。
【請求項7】
第1ねじ部が内周面に設けられた外側部材と、前記外側部材内に配置され、第2ねじ部が外周面に設けられた内側部材とを、前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とが相互に螺合して前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とが相互に乗り越えて噛み合いが外れていて、かつ、前記外側部材の前記第1ねじ部の下端部と前記内側部材の前記第2ねじ部の上端部とが相互に押し付けられて当接している状態とし、
前記噛み合いが外れた状態で、前記外側部材と前記内側部材とを相互に回転させて、前記内側部材の貫通孔と前記外側部材の挿入穴とを対応させ、
前記内側部材の前記貫通孔から前記外側部材の前記挿入穴にかけて、ピン状部材を配置させることを特徴とする外装部材の製造方法。
【請求項8】
第1ねじ部が内周面に設けられた外側部材と、前記外側部材内に配置され、第2ねじ部が外周面に設けられた内側部材とを、前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とが相互に螺合して前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とが相互に乗り越えて噛み合いが外れていて、かつ、前記外側部材の前記第1ねじ部の下端部と前記内側部材の前記第2ねじ部の上端部とが相互に押し付けられて当接している状態とし、
前記噛み合いが外れた状態で、前記外側部材と前記内側部材とを相互に回転させて、前記内側部材の貫通孔と前記外側部材の挿入穴とを対応させ、
前記内側部材の前記貫通孔から前記外側部材の前記挿入穴にかけて、ピン状部材を配置させて、外装部材を製造することを含む、時計の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、腕時計などの電子機器に用いられる外装部材時計、及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、腕時計の外装部材においては、特許文献1に記載されているように、腕時計ケースのケース本体に装着する合成樹脂製の第1のリングと、この第1のリングに装着する金属製の第2のリングと、を備えたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−39049号公報
【0004】
この種の外装部材は、合成樹脂製の第1のリングの内周面に設けられた内方突起部がケース本体の外周面に設けられた溝部に挿入して係止されることにより、第1のリングがケース本体の外周に取り付けられるように構成されている。この場合、第1のリングは、その下面に設けられた第1の位置規制部がケース本体の上面に設けられた規制穴に挿入することにより、ケース本体に対する回転が規制されている。
【0005】
また、この外装部材は、金属製の第2のリングの内周面に設けられた係合突起部が第1のリングの外周面に設けられた外方突起部を乗り越えることにより、第2のリングの係合突起部が第1のリングの外方突起部に係合して、第2のリングが第1のリングに取り付けられるように構成されている。この場合、第2のリングは、その外周部に設けられた切欠き部に第1のリングの外周に設けられた第2の位置規制部が係合することにより、第1のリングに対する回転が規制されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような外装部材では、第1のリングがケース本体における外周に取り付けられた際に、ケース本体に対する第1のリングの回転位置が規制され、第2のリングが第1のリングに取り付けられた際に、第1のリングに対する第2のリングの回転位置が規制されてしまうため、第1のリングに対する第2のリングの回転位置を調整することができないという問題がある。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、回転位置を容易に調整することができる外装部材時計、及びそれらの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、第1ねじ部が内周面に設けられた外側部材と、前記外側部材内に配置され、第2ねじ部が外周面に設けられた内側部材と、前記外側部材と前記内側部材との回転方向の位置を規制する回転規制部と、前記内側部材の上端部とこれに対応して前記外側部材の上部に設けられた押え部との間に配置された弾性部材と、を備え、前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とが相互に螺合して前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とが相互に乗り越えて噛み合いが外れた状態で、前記外側部材の前記第1ねじ部の下端部と前記内側部材の前記第2ねじ部の上端部とが相互に押し付けられて当接し、前記噛み合いが外れた状態で、前記内側部材の前記上端部と前記外側部材の前記押え部とが、前記弾性部材によって弾力的に押し広げられていて、前記噛み合いが外れた状態で、前記内側部材の貫通孔と前記外側部材の挿入穴とが互いに対応して配置されていて、ピン状部材が前記内側部材の前記貫通孔から前記外側部材の前記挿入穴にかけて配置されることを特徴とする外装部材である。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、第1ねじ部と第2ねじ部とを螺合させて第1ねじ部と第2ねじ部とが相互に乗り越えるだけで、簡単に外側部材と内側部材とを回転可能に取り付けることができ、この状態で外側部材と内側部材とを相互に回転させることができるので、外側部材と内側部材との相互の回転位置を容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明を腕時計に適用した一実施形態を示した拡大斜視図である。
図2図1に示された腕時計の腕時計ケースを示した拡大斜視図である。
図3図2に示された腕時計ケースのA−A矢視における要部を断面で示した拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図3を参照して、この発明を腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この腕時計は、図1図3に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1は、ケース本体2と外装部材3とで構成されている。
【0012】
この腕時計ケース1の上部開口部、つまり外装部材3の上部開口部には、図1に示すように、時計ガラス4が装着されている。この腕時計ケース1の下部、つまりケース本体2の下部には、裏蓋(図示せず)が取り付けられている。この腕時計ケース1の内部、つまりケース本体2の内部には、時計モジュール5が設けられている。
【0013】
この時計モジュール5は、図1に示すように、指針5aを運針させて時刻を指示する時計ムーブメント、時刻や日付などの情報を電気光学的に表示する表示部、これらを電気的に駆動する回路部などの時計機能に必要な各種の部品(いずれも図示せず)を備えている。この場合、時計モジュール5の上部には、文字板5bが設けられている。この文字板5bの外周部には、時字5cが等間隔で設けられている。
【0014】
また、この腕時計ケースのケース本体2における12時側と6時側とには、図1に示すように、時計バンド(図示せず)を取り付けるためのバンド取付部6がそれぞれ設けられている。この腕時計ケース1のケース本体2における3時側には、竜頭などのスイッチ部7が設けられている。さらに、この腕時計ケース1のケース本体2における2時側、4時側、8時側、および10時側には、押釦スイッチ8がそれぞれ設けられている。
【0015】
ところで、ケース本体2は、図1図3に示すように、ステンレスやチタンなどの金属によって、全体がほぼリング状に形成されている。すなわち、このケース本体2は、その内周面が円形状に形成されている。このケース本体2の外周面における12時側と6時側とには、バンド取付部6が外部に突出して設けられている。
【0016】
また、このケース本体2の外周面における3時側には、図1および図2に示すように、スイッチ部7を保護する一対の保護突起部9が外部に突出して設けられている。これら一対の保護突起部9の間に位置するケース本体2の3時側には、スイッチ部7が取り付けられるスイッチ取付孔7aが内外に貫通して設けられている。
【0017】
さらに、このケース本体2の2時側、4時側、8時側、および10時側には、図2に示すように、押釦スイッチ8がそれぞれ取り付けられる複数の釦取付孔8aが内外に貫通して設けられている。また、このケース本体2の上端部には、図3に示すように、環状の装着凹部10が上側および内周側に開放されて設けられている。この装着凹部10の下側に位置するケース本体2の内周面には、カシメ用の固定溝11が環状に設けられている。
【0018】
一方、外装部材3は、図2および図3に示すように、外側部材である外側リング12と内側部材である内側リング13とを備えている。内側部材である内側リング13は、ケース本体2と同様、ステンレスやチタンなどの金属によって、全体がほぼリング状に形成されている。すなわち、この内側リング13は、その外径がケース本体2の外径とほぼ同じ大きさで、内径がケース本体2の内径とほぼ同じ大きさに形成されている。
【0019】
この場合、内側リング13は、図3に示すように、その外周側の上部が切り欠かれていることにより、上面における内周側に取付リング部14が起立した状態で設けられた構成になっている。この取付リング部14の外周面における上部側には、その下側のほぼ半分を除いて、第2ねじ部である雄ねじ部15が設けられている。この雄ねじ部15は、そのねじの山部が取付リング部14の外周面よりも突出し、ねじの谷部が取付リング部14の外周面と同じか、その外周面よりも僅かに外部側に突出して形成されている。
【0020】
また、この内側リング13の下面には、図3に示すように、環状の装着凸部16が下側に突出して設けられている。この装着凸部16は、ケース本体2の上端部の装着凹部10に嵌合するように構成されている。この内側リング13における装着凸部16の内周面には、ケース本体2の内周面の上部に嵌合する環状の嵌合突起部17が内部側と下部側とに突出して設けられている。
【0021】
この嵌合突起部17の下面における外周部の所定箇所には、図3に示すように、カシメ部18がそれぞれケース本体2の固定溝11に対応して設けられている。これらカシメ部18は、装着凸部16がケース本体2の装着凹部10に嵌合して、嵌合突起部17がケース本体2の内周面に嵌合した状態で、カシメ加工によってケース本体2の固定溝11内に食い込んでカシメられることにより、内側リング13をケース本体2に固定するように構成されている。
【0022】
一方、外側部材である外側リング12は、図2および図3に示すように、カーボン樹脂によって、全体がほぼリング状に形成されている。すなわち、この外側リング12は、その外径が内側リングの外径とケース本体2の外径とほぼ同じ大きさで、内径が内側リング13の取付リング部14の内径と同じ大きさに形成されている。
【0023】
この場合、外側リング12の内周部には、図3に示すように、内側リング13の取付リング部14が配置する切欠き部20が環状に設けられている。すなわち、この切欠き部20は、その上端部を除いて、外側リング12の内周部側と下部側とに開放されて形成されている。これにより、外側リング12の内周側の上部には、切欠き部20の上部に位置する押え部21が内側リング13の取付リング部14の上端面に対応して設けられている。
【0024】
また、この外周リング12の切欠き部20の内周面には、図3に示すように、内側リング13の雄ねじ部15が螺合する第1ねじ部である雌ねじ部22が設けられている。この雌ねじ部22は、切欠き部20の内周面における下部側のほぼ半分に設けられている。この雌ねじ部22は、そのねじの山部が切欠き部20の内周面よりも突出し、ねじの谷部が切欠き部20の内周面と同じか、その内周面よりも僅かに内部側に突出して形成されている。
【0025】
この場合、外周リング12の雌ねじ部22と内側リング13の雄ねじ部15とは、図3に示すように、その軸方向の長さがほぼ同じ長さで、これら雌ねじ部22と雄ねじ部15との両方の長さが、外側リング12と内側リング13との互いに対面する軸方向の長さ、つまり内側リング13の取付リング部14の軸方向(上下方向)の長さよりも少し短い長さで形成されている。
【0026】
これにより、雄ねじ部15と雌ねじ部22とは、図3に示すように、外側リング12の内部に内側リング13を配置する際に、雄ねじ部15と雌ねじ部22とを相互に螺合させて締め続けることにより、雄ねじ部15と雌ねじ部22とが相互に乗り越えて噛み合いが外れるように構成されている。このため、外側リング12と内側リング13とは、相互に回転可能な状態で取り付けられるように構成されている。この構成により、外側リング12と内側リング13とは、脱落しない。
【0027】
この場合、外側リング12のカーボン樹脂は、カーボン繊維層を交互に積層させてエポキシ樹脂などの合成樹脂で固めたものである。すなわち、このカーボン樹脂は、カーボン繊維を一方向に配列させてカーボン繊維層を形成し、このカーボン繊維層の繊維方向を交互に90度ずつずらして、カーボン繊維層を多数積層させた構成になっている。
【0028】
この場合、カーボン樹脂は、その最上面に位置するカーボン繊維層が、その繊維方向をその下側に位置するカーボン繊維層の繊維方向に対して45度ずらして積層されていることにより、網目が現れるようになっている。また、この外側リング12の予め定められた箇所には、刻印(図示せず)が設けられている。
【0029】
ところで、外側リング12と内側リング13とは、図3に示すように、その回転方向の位置が回転規制部23によって規制されている。すなわち、この回転規制部23は、ピン状部材23aと、内側リング13の12時側に位置する外周側の箇所にその上下に貫通して設けられた貫通孔23bと、外側リング12の12時側に位置する外周側の箇所に設けられて、内側リング13の貫通孔23bに対する凹部状のピン挿入穴23cと、を備えている。
【0030】
この場合、ピン状部材23aは、図3に示すように、その軸方向の長さが貫通孔23bとピン挿入穴23cとの両方の長さよりも少し短い長さで形成されている。また、内側リング13の貫通孔23bは、その内径がピン状部材23aの外径とほぼ同じ大きさに形成されている。同様に、外側リング12のピン挿入穴23cは、その内径がピン状部材23aの外径とほぼ同じ大きさに形成されている。
【0031】
これにより、回転規制部23は、図3に示すように、外側リング12と内側リング13とが回転可能な状態で取り付けられた状態で、外側リング12と内側リング13とを相互に回転させて、内側リング13の貫通孔23bと外側リング12のピン挿入穴23cとを対応させた際に、ピン状部材23aが内側リング13の下側から貫通孔23bを通してピン挿入穴23cに挿入されて接着剤(図示せず)によって接着されることにより、外側リング12と内側リング13との回転位置を規制するように構成されている。
【0032】
また、内側リング13の上端部とこれに対応して外側リング12の上部に設けられた押え部21との間には、図3に示すように、弾性部材24が配置されている。この弾性部材24は、ウレタン樹脂やシリコーン樹脂などの弾力性を有する合成樹脂によって、平板状のリング形状に形成されている。
【0033】
すなわち、この弾性部材24は、図3に示すように、その外径が外側リング12の切欠き部20の内径とほぼ同じ大きさで、内径が外側リング12の押え部21の内径とほぼ同じ大きさに形成されている。また、この弾性部材24は、その厚みが、外側リング12と内側リング13とが回転可能に取り付けられた状態における雄ねじ部15の下端部と雌ねじ部22の上端部との間の間隔とほぼ同じ大きさに形成されている。
【0034】
これにより、弾性部材24は、図3に示すように、外側リング12と内側リング13とが回転可能な状態で取り付けられた際に、内側リング13の上端部とこれに対応する外側リング12の押え部21との間に弾力的に挟まれるように構成されている。このため、弾性部材24は、内側リング13の上端部と外側リング12の押え部21とを弾力的に押し広げて、雄ねじ部15の下端部と雌ねじ部22の上端部とを弾力的に押し付けると共に、外側リング12の下面と内側リング13の上面との間に隙間が生じるように構成されている。
【0035】
また、雌ねじ部22の下部とこれに対応する内側リング13の内周面の下部との間には、図3に示すように、外側リング12と内側リング13とを弾力的に接着する弾性接着剤25が設けられている。この弾性接着剤25は、乾燥した状態で弾力性を有するものであり、外側リング12と内側リング13とを弾力的に接着するように構成されている。
【0036】
すなわち、この弾性接着剤25は、図3に示すように、雄ねじ部15と雌ねじ部22とが相互に螺合して、雄ねじ部15と雌ねじ部22とが相互に乗り越えて噛み合いが外れた際に、外側リング12の下面と内側リング13の上面との間に食い込んで配置される共に、外側リング12と内側リング13との相互の回転を弾力的に規制するように構成されている。
【0037】
これにより、弾性接着剤25は、図3に示すように、外側リング12の下面と内側リング13の上面との間に食い込んで配置されることにより、弾性接着剤25が乾燥した際に、外側リング12の下面と内側リング13の上面とを弾力的に押し広げて、雄ねじ部15の下端部と雌ねじ部22の上端部とを弾力的に押し付けると共に、外側リング12と内側リング13との相互の回転を弾力的に規制するように構成されている。
【0038】
次に、このような腕時計の腕時計ケース1の作用について説明する。
この腕時計ケース1を組み立てる場合には、まず、外装部材3を組み立てる。この場合には、予め、内側リング13の取付リング部14の上端部に弾性部材24を配置すると共に、内側リング13の取付リング部14の外周面における下部に弾性接着剤25を塗布する。
【0039】
この状態で、内側リング13の取付リング部14を外側リング12の切欠き部20の下側に対応させて、取付リング部14の雄ねじ部15と切欠き部20の雌ねじ部22とを相互に螺合させる。このときには、雄ねじ部15におけるねじの山部が取付リング部14の外周面よりも突出し、ねじの谷部が取付リング部14の外周面と同じか、その外周面よりも僅かに外部側に突出している。また、雌ねじ部22におけるねじの山部が切欠き部20の内周面よりも突出し、ねじの谷部が切欠き部20の内周面と同じか、その内周面よりも僅かに内部側に突出している。
【0040】
このため、雄ねじ部15と雌ねじ部22とが相互に螺合する際には、雄ねじ部15におけるねじの山部が外側リング12の切欠き部20の内周面に接触することがなく、また雌ねじ部22におけるねじの山部が内側リング13の取付リング部14の外周面に接触することがなく、雄ねじ部15と雌ねじ部22とが円滑にかつ良好に螺合する。
【0041】
そして、雄ねじ部15と雌ねじ部22とを締め続けると、雄ねじ部15と雌ねじ部22とが相互に乗り越えて噛み合いが外れる。この場合、外周リング12の雌ねじ部22と内側リング13の雄ねじ部15とは、その軸方向の長さがほぼ同じ長さで、これら雌ねじ部22と雄ねじ部15との両方の長さが、外側リング12と内側リング13との互いに対面する軸方向の長さ、つまり内側リング13の取付リング部14の軸方向の長さよりも少し短く形成されている。
【0042】
このため、雄ねじ部15と雌ねじ部22とを相互に螺合させて締め続けると、雄ねじ部15と雌ねじ部22とが相互に乗り越えて噛み合いが外れる。これにより、外側リング12と内側リング13とが相互に回転可能な状態で取り付けられる。このときには、内側リング13の上端部とこれに対応する外側リング12の押え部21との間に配置された弾性部材24が内側リング13の上端部と外側リング12の押え部21とを弾力的に押し広げる。
【0043】
このため、雄ねじ部15の下端部と雌ねじ部22の上端部とが弾力的に押し付けられると共に、外側リング12の下面が内側リング13の上面から浮き上がって、外側リング12の下面と内側リング13の上面との間に隙間が生じる。また、このときには、弾性接着剤25が外側リング12の下面と内側リング13の上面との間に食い込んで配置される。
【0044】
この状態で、外側リング12と内側リング13とを相互に回転させて、外側リング12と内側リング13との回転位置を調整して位置合わせする。すると、内側リング13の貫通孔23bと外側リング12のピン挿入穴23cとが対応して、外側リング12のカーボン樹脂の模様としての網目方向が位置合わせされる。
【0045】
すなわち、カーボン樹脂の網目方向の位置合わせとしては、例えば、12時と6時とを結ぶ直線に対してカーボン繊維の繊維方向を90度または45度の角度で傾けて配置させるか、または12時と6時とを結ぶ直線に対してカーボン繊維の繊維方向を平行に配置させる。また、このときには、外側リング12の刻印(図示せず)が位置合わせされる。
【0046】
このように、外側リング12と内側リング13との回転方向が位置合わせされて、内側リング13の貫通孔23bと外側リング12のピン挿入穴23cとが対応した際には、回転規制部23のピン状部材23aを内側リング13の下側から内側リング13の貫通孔23bに挿入させ、この挿入したピン状部材23aを外側リング12のピン挿入穴23cに挿入させて、接着剤(図示せず)で接着する。これにより、外側リング12と内側リング13との回転位置が規制される。
【0047】
この状態で、弾性接着剤25が乾燥すると、この乾燥した弾性接着剤25が外側リング12の下面と内側リング13の上面との間に食い込んで配置されていることにより、弾性接着剤25が外側リング12の下面と内側リング13の上面とを弾力的に押し広げると共に、乾燥した弾性接着剤25によって外側リング12と内側リング13との相互の回転が弾力的に規制される。
【0048】
これにより、外側リング12内に内側リング13が取り付けられて、外装部材3が組み立てられる。この外装部材3をケース本体2に取り付ける場合には、外装部材3の内側リング13の下面に設けられた装着凸部16を、ケース本体2の上端部の装着凹部10に嵌合させて、内側リング13における装着凸部16の内周面に設けられた環状の嵌合突起部17をケース本体2の内周面の上部に嵌合させる。
【0049】
この状態で、外装部材3とケース本体2との回転位置を調整して回転位置を合わせた状態で、嵌合突起部17の下面における外周部の所定箇所に設けられたカシメ部18をカシメ加工によってカシメてケース本体2の固定溝11内に食い込ませる。これにより、内側リング13がケース本体2に固定されて、外装部材3がケース本体2に取り付けられる。この結果、腕時計ケース1が組み立てられる。
【0050】
この腕時計ケース1に時計ガラス4を取り付ける場合には、外装部材3の内側リング13内に時計ガラス4をその上方から装着させる。そして、この腕時計ケース1内に時計モジュール5を組み付ける場合には、予め、ケース本体2における2時側、4時側、8時側、および10時側に設けられた複数の釦取付孔8aに押釦スイッチ8をそれぞれ取り付け、この状態でケース本体2の下側から時計モジュール5をケース本体2内に挿入させて配置する。
【0051】
この状態で、ケース本体2の3時側に設けられたスイッチ取付孔7aに竜頭などのスイッチ部7を時計モジュール5内に差し込んで取り付ける。そして、ケース本体2の下部に裏蓋(図示せず)を取り付ける。これにより、腕時計が組み立てられる。
【0052】
このような腕時計では、外装部材3が外部から衝撃を受けた際に、雄ねじ部15と雌ねじ部22との噛み合いが外れているため、外装部材3の内側リング13の上端部とこれに対応する外側リング12の押え部21との間に配置された弾性部材24によって、衝撃を緩衝することができる。これにより、外側リング12がカーボン樹脂で形成されていても、この外側リング12が衝撃によって破損しないようにすることができる。
【0053】
この場合、外部からの衝撃を弾性部材24によって緩衝する際には、雄ねじ部15と雌ねじ部22との噛み合いが外れているため、外側リング12が内側リング13に対して押し下げられるが、外側リング12の下面と内側リング13の上面との間に弾性接着剤25が食い込んで配置されていることにより、この弾性接着剤25の弾力性によって外側リング12が受けた衝撃を緩衝することにより、これによっても外側リング12の破損を防ぐことができる。
【0054】
また、この腕時計では、回転規制部23のピン状部材23aが内側リング13の貫通孔23bと外側リング12のピン挿入穴23cとに挿入されて、外側リング12と内側リング13との回転位置が規制されていることにより、外装部材3が外部から衝撃を受けても、外側リング12が内側リング13に対して回転することがない。
【0055】
また、このときには、外装部材3の内側リング13に設けられたカシメ部18がカシメ加工によってケース本体2の固定溝11内に食い込んで、内側リング13がケース本体2に固定されることにより、外装部材3が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃がケース本体2に伝わることがなく、またその衝撃によって外装部材3がケース本体2に対して回転することがない。
【0056】
このように、この腕時計ケース1の外装部材3によれば、雌ねじ部22が内周面に設けられた外側リング12と、この外側リング12内に配置され、雄ねじ部15が外周面に設けられた内側リング13と、を備え、雄ねじ部15と雌ねじ部22とは、相互に螺合して雄ねじ部15と雌ねじ部22とが相互に乗り越えて噛み合いが外れることにより、外側リング12と内側リング13とを回転可能な状態で取り付けていることにより、外側リング12と内側リング13との回転位置を容易にかつ正確に調整することができる。
【0057】
すなわち、この腕時計ケース1の外装部材3では、外側リング12と内側リング13とを取り付ける際に、雄ねじ部15と雌ねじ部22とを螺合させて雄ねじ部15と雌ねじ部22とが相互に乗り越えるだけで、簡単に外側リング12と内側リング13とを回転可能な状態で取り付けることができ、この状態で外側リング12と内側リング13とを相互に回転させることができるので、外側リング12と内側リング13との相互の回転位置を容易にかつ正確に調整することができる。
【0058】
この場合、雌ねじ部22は外側リング12の内周面における下部側にその内周面から内部側に突出して設けられ、雄ねじ部15は内側リング13の外周面における上部側にその外周面から外部側に突出して設けられていることにより、雌ねじ部22が内側リング13の外周面に接触せず、雄ねじ部15が外側リング12の内周面に接触することがないため、雄ねじ部15と雌ねじ部22とを円滑にかつ確実に螺合させることができる。
【0059】
すなわち、雄ねじ部15は、そのねじの山部が取付リング部14の外周面よりも突出し、ねじの谷部が取付リング部14の外周面と同じか、その外周面よりも僅かに外部側に突出して設けられ、雌ねじ部22は、そのねじの山部が切欠き部20の内周面よりも突出し、ねじの谷部が切欠き部20の内周面と同じか、その内周面よりも僅かに内部側に突出して設けられていることにより、雄ねじ部15と雌ねじ部22とを円滑にかつ確実に螺合させることができる。
【0060】
すなわち、雄ねじ部15と雌ねじ部22とが相互に螺合する際には、雄ねじ部15におけるねじの山部が外側リング12の切欠き部20の内周面に接触することがなく、また雌ねじ部22におけるねじの山部が内側リング13の取付リング部14の外周面に接触することがないため、雄ねじ部15と雌ねじ部22とを円滑にかつ確実に螺合させることができる。
【0061】
また、外周リング12の雌ねじ部22と内側リング13の雄ねじ部15とは、その軸方向の長さがほぼ同じ長さで、これら雌ねじ部22と雄ねじ部15との両方の長さが、外側リング12と内側リング13との互いに対面する軸方向の長さ、つまり内側リング13の取付リング部14の軸方向の長さよりも少し短く形成されていることにより、雄ねじ部15と雌ねじ部22との噛み合いを確実に外すことができる。
【0062】
すなわち、雌ねじ部22と雄ねじ部15とは、これらを螺合させて締め続けた際に、雄ねじ部15と雌ねじ部22とが相互に乗り越えて、雄ねじ部15と雌ねじ部22との噛み合いを確実にかつ良好に外すことができ、これにより外側リング12と内側リング13とを回転可能な状態で取り付けることができる。
【0063】
また、この外装部材3では、外側リング12と内側リング13との回転方向の位置を規制する回転規制部23を備えていることにより、外側リング12と内側リング13とが回転可能に取り付けられていても、外側リング12と内側リング13との回転位置を調整した状態で、回転規制部23によって外側リング12と内側リング13との回転方向の位置を確実に規制することができる。
【0064】
この場合、回転規制部23は、ピン状部材23aと、内側リング13に設けられた貫通孔23bと、外側リング12に設けられて内側リング13の貫通孔23bに対する凹部状のピン挿入穴23cと、を備えていることにより、ピン状部材23aを内側リング13の貫通孔23bと外側リング12のピン挿入穴23cとに挿入させるだけで、外側リング12と内側リング13との回転を確実に規制することができる。
【0065】
すなわち、この回転規制部23は、外側リング12と内側リング13との回転位置を調整した際に、内側リング13の貫通孔23bと外側リング12のピン挿入穴23cとを対応させることができる。このため、外側リング12と内側リング13との回転位置を調整した状態で、ピン状部材23aを内側リング13の貫通孔23bと外側リング12のピン挿入穴23cとに挿入させて、接着剤で接着させることにより、外側リング12と内側リング13との回転を確実に規制することができる。
【0066】
また、この外装部材3では、内側リング13の上端部とこれに対応して外側リング12の上部に設けられた押え部21との間に弾性部材24が配置されていることにより、この弾性部材24によって内側リング13の上端部と外側リング12の押え部21とを弾力的に押し広げることができるので、外装部材3が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃を弾性部材24によって緩衝することができ、これにより外側リング12が衝撃によって破損しないようにすることができる。
【0067】
また、この外装部材3では、雌ねじ部22の下部とこれに対応する内側リング13の内周面との間に設けられ、外側リング12と内側リング13とを弾力的に接着する弾性接着剤25を備えていることにより、この弾性接着剤25を外側リング12の下面と内側リング13の上面との間に食い込ませて配置させることができるので、外側リング12が外部から衝撃を受けた際に、その衝撃を弾性部材24と弾性接着剤25とによって確実にかつ良好に緩衝することができる。
【0068】
すなわち、この弾性接着剤25は、乾燥しても弾力性を有していることにより、外側リング12が外部から衝撃を受け、その衝撃を弾性部材24が緩衝する際に、外側リング12が内側リング13に対して押し下げられて弾性接着剤25に押し当てられることにより、この弾性接着剤25の弾力性によって外側リング12が受けた衝撃を弾性部材24と共に確実にかつ良好に緩衝することができるので、これによっても外側リング12の破損を確実に防ぐことができる。
【0069】
さらに、この外装部材3では、外側リング12がカーボン樹脂で形成されていることにより、外側リング12の硬さを確保することができると共に、外側リング12の重量を軽くすることができ、これにより外装部材3の重量を軽くすることができると共に、腕時計ケース1の重量を軽くすることができる。
【0070】
すなわち、カーボン樹脂は、カーボン繊維層を交互に積層させてエポキシ樹脂などの合成樹脂で固めたものであり、カーボン繊維を一方向に配列させてカーボン繊維層を形成し、このカーボン繊維層の繊維方向を交互に90度ずつずらして、カーボン繊維層を多数積層させた構成であるから、硬度が高く、かつ重量を軽くすることができる。
【0071】
この場合、カーボン樹脂は、その最上面に位置するカーボン繊維層が、その繊維方向を下側のカーボン繊維層の繊維方向に対して45度ずらして積層されていることにより、網目を模様として良好に現すことができるので、デザイン性を高めることができると共に、腕時計ケース1に対する網目方向を自由に選択して設定することができるので、腕時計ケース1全体のデザイン性を高めることができる。
【0072】
また、この外側リング12は、カーボン樹脂で形成されていることにより、硬度が高くステンレスなどの金属材料に対して脆く、かつ雌ねじ部22の加工上の寸法精度が劣っていても、この雌ねじ部22を内側リング13の雄ねじ部15に確実にかつ良好に螺合させることができると共に、雌ねじ部22と雄ねじ部15との噛み合いを外した状態で、外側リング12と内側リング13とを取り付けることができ、このため外側リング12が外部から衝撃を受けても、その衝撃によって雌ねじ部22が破損しないようにすることができる。
【0073】
なお、上述した実施形態では、外側リング12をカーボン樹脂で形成した場合について述べたが、この発明はこれに限らず、脆性材料であれば良く、例えば、セラミック、ガラス(サファイヤガラス)などの材料で形成しても良い。また、第1ねじ部は雌ねじ部であって、第2ねじ部は雄ねじ部であっても良い。
【0074】
また、上述した実施形態では、腕時計に適用した場合について述べたが、この発明は必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の時計に適用することができる。
【0075】
さらに、この発明は必ずしも時計である必要はなく、腕に装着して使用する腕装着装置にも適用することができるほか、歩数計などの携帯型の電子機器にも広く適用することができる。
【0076】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0077】
(付記)
請求項1に記載の発明は、第1ねじ部が内周面に設けられた外側部材と、前記外側部材内に配置され、第2ねじ部が外周面に設けられた内側部材と、を備え、前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とは、相互に螺合して前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とが相互に乗り越えて噛み合いが外れた状態で、前記外側部材と前記内側部材とを固定したことを特徴とする外装部材である。
【0078】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の外装部材において、前記第1ねじ部は前記外側部材の内周面における下部側にその内周面から内部側に突出して設けられ、前記第2ねじ部は前記内側部材の外周面における上部側にその外周面から外部側に突出して設けられていることを特徴とする外装部材である。
【0079】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の外装部材において、前記第1ねじ部と前記第2ねじ部とは、その軸方向の長さがほぼ同じ長さで、その両方の長さが前記外側部材と前記内側部材との互いに対面する軸方向の長さよりも短く形成されていることを特徴とする外装部材である。
【0080】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の外装部材において、前記外側部材と前記内側部材との回転方向の位置を規制する回転規制部を備えていることを特徴とする外装部材である。
【0081】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の外装部材において、前記内側部材の上端部とこれに対応して前記外側部材の上部に設けられた押え部との間に、弾性部材が配置されていることを特徴とする外装部材である。
【0082】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の外装部材において、前記第1ねじ部の下部とこれに対応する前記内側部材の内周面との間に設けられ、前記外側部材と前記内側部材とを弾力的に接着する弾性接着剤を備えていることを特徴とする外装部材である。
【0083】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の外装部材において、前記外側部材は、カーボン樹脂で形成されていることを特徴とする外装部材である。
【0084】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載された外装部材を備えていることを特徴とする時計である。
【符号の説明】
【0085】
1 腕時計ケース
2 ケース本体
3 外装部材
12 外側リング
13 内側リング
14 取付リング部
15 雄ねじ部
18 カシメ部
20 切欠き部
21 押え部
22 雌ねじ部
23 回転規制部
23a ピン状部材
23b 貫通孔
23c ピン挿入穴
24 弾性部材
25 弾性接着剤
図1
図2
図3