特許第6880779号(P6880779)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6880779情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6880779
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/909 20190101AFI20210524BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20210524BHJP
【FI】
   G06F16/909
   G06Q30/02 480
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-13533(P2017-13533)
(22)【出願日】2017年1月27日
(65)【公開番号】特開2018-120557(P2018-120557A)
(43)【公開日】2018年8月2日
【審査請求日】2019年10月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】西澤 潔
(72)【発明者】
【氏名】漆原 倫子
(72)【発明者】
【氏名】井上 令恵
【審査官】 齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−203214(JP,A)
【文献】 特開2012−058632(JP,A)
【文献】 特開2011−154004(JP,A)
【文献】 特開2014−048916(JP,A)
【文献】 特開2002−207744(JP,A)
【文献】 特開2001−177651(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0036807(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の飲食店に関する飲食店情報を記憶する記憶部と、
ユーザ端末と通信可能な通信部と、
前記ユーザ端末の位置を中心にした2つの同心円に挟まれる領域にある飲食店を前記記憶部から検索し、
前記2つの同心円のうち外側の円の大きさを規定する第1の距離に基づいて内側の円の大きさを規定する第2の距離を自動的に設定し、又は、前記2つの同心円のうち内側の円の大きさを規定する第2の距離に基づいて外側の円の大きさを規定する第1の距離を自動的に設定する
制御部を具備する
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記第1の距離の変更を指示する制御コマンドが入力されると前記制御コマンドに基づいて定まる変更後の前記第1の距離に基づいて前記第2の距離を自動的に設定し、又は、前記第2の距離の変更を指示する制御コマンドが入力されると前記制御コマンドに基づいて定まる変更後の前記第2の距離に基づいて前記第1の距離を自動的に設定する
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記制御コマンドにより、前記第1の距離が増加するように変更される場合、前記第1の距離と前記第2の距離の差分が減少するように、前記第2の距離を設定する
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記検索される飲食店の数が所定の店舗数に満たない場合、前記第1の距離が増加するように変更する
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
ユーザが検索の起点に戻るまでの時間に相当する第1の時間から、可変される時間であって飲食店において前記ユーザが利用可能な時間に相当する第2の時間を引いて前記ユーザが移動に利用可能な第3の時間を算出し、
前記第3の時間に基づいて、前記第1の距離を算出する
情報処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、飲食店を検索する時刻に応じて前記第2の時間を可変する
情報処理装置。
【請求項7】
請求項5に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、飲食店が提供する飲食物のジャンルに応じて前記第2の時間を可変する
情報処理装置。
【請求項8】
複数の飲食店に関する飲食店情報を記憶する記憶部と、ユーザ端末と通信可能な通信部を具備する情報処理装置の情報処理方法であって、
前記ユーザ端末の位置を中心にした2つの同心円に挟まれる領域にある飲食店を前記記憶部から検索し、
前記2つの同心円のうち外側の円の大きさを規定する第1の距離に基づいて内側の円の大きさを規定する第2の距離を自動的に設定し、又は、前記2つの同心円のうち内側の円の大きさを規定する第2の距離に基づいて外側の円の大きさを規定する第1の距離を自動的に設定する
情報処理方法。
【請求項9】
複数の飲食店に関する飲食店情報を記憶する記憶部と、ユーザ端末と通信可能な通信部を具備する情報処理装置に、
前記ユーザ端末の位置を中心にした2つの同心円に挟まれる領域にある飲食店を前記記憶部から検索する処理と、
前記2つの同心円のうち外側の円の大きさを規定する第1の距離に基づいて内側の円の大きさを規定する第2の距離を自動的に設定し、又は、前記2つの同心円のうち内側の円の大きさを規定する第2の距離に基づいて外側の円の大きさを規定する第1の距離を自動的に設定する処理
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、飲食店情報をユーザに提供可能に構成される情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店情報を検索するサービスを提供する情報処理技術の技術分野においては、指定された地理座標を中心にして、その地理座標の近くの店舗を検索することが一般的に行われている。例えば特許文献1は、店舗検索が指示されると、店舗データベースにアクセスして、ユーザにより指定された場所周辺の店舗情報を取得し、地図上にアイコンと共に表示する情報処理を行う情報処理装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には地図上の一点(出発地)から放射状に伸びた2本の線に挟まれる領域のうち、出発地から所定の距離以遠にあり、また、所定の距離以内にある地域を対象に店舗の検索を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−203587号公報
【特許文献2】特開2013−200799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、飲食店情報を検索するサービスの市場には、昼休みなどでランチ検索をするといった場合に、1.近い場所では会社の同僚に会ってしまうので避けたい、2.もう少し歩いたり遠出をしたりして気分転換したい、といったニーズが存在する。これらのようなニーズに応えられるような、新規な検索サービスの提供が求められている。
【0006】
本技術の目的は、普段足を運ばないエリアにある飲食店との出会いの機会をユーザに与えることのできる検索サービスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本技術の一側面は、記憶部と通信部と制御部を具備する情報処理装置である。
上記記憶部は、複数の飲食店に関する飲食店情報を記憶する。
上記通信部は、ユーザ端末と通信可能に構成される。
上記制御部は、上記ユーザ端末の位置を中心にした2つの同心円に挟まれる領域にある飲食店を上記記憶部から検索する。
また、上記制御部は、上記2つの同心円のうち外側の円の大きさを規定する第1の距離に基づいて内側の円の大きさを規定する第2の距離を自動的に設定し、又は、上記2つの同心円のうち内側の円の大きさを規定する第2の距離に基づいて外側の円の大きさを規定する第1の距離を自動的に設定する。
【0008】
上記情報処理装置によれば、ユーザ端末を中心にした2つの同心円に挟まれたエリアの飲食店が検索されることによって、普段足を運ばないエリアにある飲食店との出会いの機会がユーザ端末のユーザにもたらされるという効果がある。
【0009】
上記情報処理装置において、上記制御部は、前記第1の距離の変更を指示する制御コマンドが入力されると前記制御コマンドに基づいて定まる変更後の前記第1の距離に基づいて前記第2の距離を自動的に設定してもよい。
あるいは、上記制御部は、前記第2の距離の変更を指示する制御コマンドが入力されると前記制御コマンドに基づいて定まる変更後の前記第2の距離に基づいて前記第1の距離を自動的に設定してもよい。
【0010】
また、第1又は第2の距離の変更という検索条件の変更に即応して、飲食店を推薦するエリアを可変することができ、条件に対して適切な店舗が検索されるようにもなる。
【0011】
上記情報処理装置において、上記制御部は、上記制御コマンドにより、上記第1の距離が増加するように変更される場合、上記第1の距離と上記第2の距離の差分が減少するように、上記第2の距離を設定してもよい。
【0012】
この構成によれば、第1の距離が拡大すればするほど第2の距離が第1の距離に近づくことになり、ユーザ端末の位置からの距離という検索条件に対してより適切な店舗が検索されるようになる。
【0013】
上記情報処理装置において、上記制御部は、上記抽出処理の結果、抽出される飲食店の数が所定の店舗数に満たない場合、上記第1の距離が増加するように変更してもよい。
【0014】
この構成によれば、検索条件が不適切である場合に自動的に検索条件が変更されるという効果がもたらされる。
【0015】
上記情報処理装置において、上記制御部は、以下の処理を実行してもよい。
・ユーザが検索の起点に戻るまでの時間に相当する第1の時間から、可変される時間であって飲食店において上記ユーザが利用可能な時間に相当する第2の時間を引いて上記ユーザが移動に利用可能な第3の時間を算出する処理。
・上記第3の時間に基づいて、上記第1の距離を算出する処理。
この場合、上記制御部は、飲食店を検索する時刻に応じて上記第2の時間を可変してもよいし、あるいは、飲食店が提供する飲食物のジャンルに応じて上記第2の時間を可変してもよい。
【0016】
これらの構成によれば、ユーザが普段より遠出して食事を楽しむにあたって、飲食店における食事時間が考慮された現実的な範囲内での遠出を提案することが可能になる。
【0017】
上記目的を達成する本技術の別の一側面は、複数の飲食店に関する飲食店情報を記憶する記憶部と、ユーザ端末と通信可能な通信部を具備する情報処理装置の情報処理方法である。
上記情報処理方法は、以下の各処理を含む。
・上記ユーザ端末の位置を中心にした2つの同心円に挟まれる領域にある飲食店を上記記憶部から検索する処理。
・上記2つの同心円のうち外側の円の大きさを規定する第1の距離に基づいて内側の円の大きさを規定する第2の距離を自動的に設定し、又は、上記2つの同心円のうち内側の円の大きさを規定する第2の距離に基づいて外側の円の大きさを規定する第1の距離を自動的に設定する処理。
【0018】
上記目的を達成する本技術の別の一側面は、複数の飲食店に関する飲食店情報を記憶する記憶部と、ユーザ端末と通信可能な通信部を具備する情報処理装置に、以下の書く処理を実行させるプログラムである。
・上記ユーザ端末の位置を中心にした2つの同心円に挟まれる領域にある飲食店を上記記憶部から検索する処理。
・上記2つの同心円のうち外側の円の大きさを規定する第1の距離に基づいて内側の円の大きさを規定する第2の距離を自動的に設定し、又は、上記2つの同心円のうち内側の円の大きさを規定する第2の距離に基づいて外側の円の大きさを規定する第1の距離を自動的に設定する処理。
【発明の効果】
【0019】
以上、本技術によれば、検索の起点から離れたところにあり、普段足を運ばないエリアにある飲食店との出会いの機会をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本技術の一実施形態に係る飲食店情報提供システムの構成を示す図である。
図2図1に含まれるサーバやユーザ端末のハードウェア構成例を示す図である。
図3図1に含まれる飲食店情報提供サーバが保持するデータの構成を示す図である。
図4図3に示されるカスタマーデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
図5図3に示される店舗データベースのデータ構造の一例を示す図である。
図6】上記飲食店情報提供システムのユースケース図である。
図7】上記飲食店情報提供システムにおける入力インタフェース例を示す図である。
図8図1に含まれる飲食店情報提供サーバが実行する処理の流れの一例を示す図である。
図9】上記飲食店情報提供システムの出力を説明するための図である。
図10図1に含まれる飲食店情報提供サーバが実行する処理の流れの別の一例を示す図である。
図11】上記飲食店情報提供システムにおける検索条件の変更について説明するための図である。
図12】上記飲食店情報提供システムにおける距離D1の自動設定について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0022】
<構成例>
図1を参照すると、本実施形態のネットワーク構成例が示されている。図示のように、本実施形態に係る飲食店情報提供サーバ100は、インターネット50を媒介として、ユーザ端末200と通信可能に構成されている。なお、飲食店情報提供サーバ100とユーザ端末200を含むシステムは、飲食店情報提供システム1と呼ばれる。
【0023】
なお、ユーザ端末200とは、図1に示すユーザAが使うユーザ端末200A,ユーザBが使うユーザ端末200B,ユーザCが使うユーザ端末200C,・・・のいずれか少なくとも1つ以上が、特定せずに言及された場合の呼び名である。
【0024】
なお、インターネット50は本実施形態における、飲食店情報提供サーバ100とユーザ端末200を媒介するネットワークの一例であり、そのようなネットワークには移動体無線通信の基地局同士を結ぶネットワークや、イントラネットなどが含まれていてもよい。
【0025】
図2を参照すると、飲食店情報提供サーバ100のハードウェア構成例が示されている。図2に示すように、飲食店情報提供サーバ100のハードウェアは、バス14を介してCPU(Central Processing Unit: 中央演算装置)11、ROM(Read Only Memory: 読み出し専用記憶装置)12、RAM(Random Access Memory: ランダムアクセスメモリ)13が接続されて処理制御部を構成してもよい。
【0026】
バス14に接続された各種ハードウェアにより構成される処理制御部はさらに、入出力インタフェース15に接続されていてもよい。入出力インタフェース15は、表示部16、操作受付部17、記憶部18、通信部19に接続していてもよい。
【0027】
入出力インタフェース15に接続された各種ハードウェアは、飲食店情報提供サーバ100に情報を入出力する入出力部として機能する。飲食店情報提供サーバ100への情報の入出力には、バス14に接続された各種ハードウェアにより構成される処理制御部への情報の入出力という態様を含む。
【0028】
表示部16は、飲食店情報提供サーバ100に表出力の機能を提供し、具体的には例えば液晶ディスプレイとグラフィックコントローラなどの組み合わせにより実現される。操作受付部17は、飲食店情報提供サーバ100にユーザ操作の入力の機能を提供し、具体的には例えば液晶タッチパネルやキーボードデバイスなどにより実現される。
【0029】
記憶部18は、飲食店情報提供サーバ100に二次記憶の機能を提供し、具体的には例えばハードディスクデバイスやSSD(Solid State Disks)などにより実現される。通信部19は、飲食店情報提供サーバ100に外部装置との通信機能や、当該通信機能を用いて情報を入出する機能などを提供する。通信部19は、具体的には例えば、ローカルエリアネットワークデバイスにより実現され、その場合は有線/無線といった物理層の別を問わず実施可能である。
【0030】
図3を参照すると、記憶部18に記憶されている情報の構成の一例が示されている。また、図4図5を参照すると、図3に示される各データベースのデータ構造の一例が示されている。記憶部18に記憶されている情報とは、飲食店情報提供サーバ100が保持するデータと捉えてもよい。図示のように、記憶部18は、カスタマーデータベース31と、店舗データベース32を有する構成としてもよい。
【0031】
図4を参照すると、カスタマーデータベース31に格納されるユーザごとの情報のデータ構造の一例が示されている。カスタマーデータベース31は、図1に示したようなユーザA,B,C・・・各々について、所有するユーザ端末200の識別情報や、ユーザ名、ユーザがそれを用いて本実施形態に係る店舗情報検索をする際に検索の起点とする場所の位置情報の初期値(以下、位置情報P0と呼ぶ)、ランチタイムなどを顧客の基本情報として記憶する。カスタマーデータベース31にはその他に、ユーザの持つ端末識別情報を記憶してもよい。
【0032】
図5を参照すると、店舗データベース32に格納される店舗ごとの情報のデータ構造の一例が示されている。店舗データベース32は、飲食店情報提供サーバ100にあらかじめ登録されている店舗ごとに、店舗識別情報、店名、種別、位置情報などを記憶する。ここで種別とは店舗が提供する料理の傾向(イタリアン、和食、中華など)やサービス提供形態(居酒屋、ファーストフード、ビュッフェスタイルなど)などを意味する。種別は料理の傾向とサービス提供形態などの情報の組み合わせでもよい。
【0033】
「位置情報」の具体的な態様に限定はないが、緯度と経度で示される地理座標や、町名と番地や街路名と番地などで表される所在地情報などの情報でもよい。位置情報が地理座標と所在地情報の少なくとも一方を含むものとしてもよい。また、位置情報は高さ方向の情報(店舗の所在する階など)を含んでもよい。なお、カスタマーデータベース31に格納される位置情報と店舗データベース32に格納される位置情報との間でデータ型が共通のものである必要はなく、一方が緯度経度による地理座標であり他方が住所であってもよい。
【0034】
<ユースケース>
以下、本実施形態に係る飲食店情報提供システム1のユースケースの概略を説明し、飲食店情報提供サーバ100とユーザ端末200がそれぞれ実行する処理について述べる。
【0035】
図6を参照すると、飲食店情報提供システム1のユースケース図が示されている。図示のように、ユーザは飲食店情報提供システム1の利用主体として、「検索を実行する」「検索条件を変更する」「基本情報を変更する」といった操作をすることができる。飲食店情報提供システム1はこれらユーザ操作に対して、「検索の実行」「検索条件の変更」「基本情報の変更」といった機能を提供する。なお、図6に開示したユースケースは一例に過ぎず、飲食店情報提供システム1はこれらの他にも多様な機能を提供可能なシステムとして構成されてもよい。
【0036】
「基本情報の変更」機能を提供するための飲食店情報提供システム1側の処理としては、ユーザ端末200が基本情報の変更に必要な情報をユーザに入力させるためのユーザインタフェースを提示する処理、同ユーザインタフェースを介して取得された情報に基づいて、飲食店情報提供サーバ100がカスタマーデータベース31を更新する処理などが含まれる。なお、ここで言う「基本情報」とは図3図4で示したカスタマーデータベース31に記憶・格納されている顧客の基本情報を指す。
【0037】
基本情報の変更に必要な情報をユーザに入力させるためのユーザインタフェースは、例えば、飲食店情報提供システム1がHTTPベースのウェブアプリケーションとして構築される場合、1以上複数の入力フィールドやサブミットボタンなどを備えるウェブページとして実装されてもよい。この場合、入力フィールドにユーザが入力した情報がサブミットボタンの押下をトリガにしてシステム側へ送信される。飲食店情報提供システム1はユーザが入力した情報のサニタイズや正規化を行い、カスタマーデータベース31に格納する。ウェブページは、ウェブサーバとしても機能するように構成された飲食店情報提供サーバ100がユーザ端末200に送信し、ユーザ端末200にインストールされたウェブブラウザなどにより描画される。描画されたウェブページが本例ではユーザインタフェースである。
【0038】
ユーザインタフェースは、プロプライエタリなソフトウェア(例えば、米国アップルコンピュータ(登録商標)社が提供するAppStore(登録商標)からユーザがダウンロードして利用可能になる「ぐるなび(登録商標)グルメアプリ」のようなアプリケーションソフトウェアなど)で構築されてもよい。その場合、システムとユーザインタフェース間のプロトコルはHTTPに限らず種々のプロトコルを利用できる。また、それに応じてハードウェアとソフトウェアの構成も変形されうる。
【0039】
ユーザインタフェースが視覚のみに依存するインタフェースである必要はなく、例えば音声認識機能を備え、ユーザの音声に応じてシステムへの入力情報を生成するアプリケーションなどにより構築されてもよい。なお、ユーザがシステムに与える基本情報が取得されるルートは、ここに挙げたユーザインタフェースに限定される必要はない。不図示の他のデータベースから取得されるルートがあってもよい。
【0040】
「検索の実行」機能を提供するための飲食店情報提供システム1側の処理としては、ユーザ端末200が検索の実行に必要な情報をユーザに入力させるためのユーザインタフェースを提示する処理、同ユーザインタフェースを介して取得された情報や、ユーザ端末200が自動的に取得する位置情報や、カスタマーデータベース32に格納されている情報に基づいて、飲食店情報提供サーバ100が店舗データベース32を対象に検索する処理などが含まれる。
【0041】
検索の実行に必要な情報をユーザに入力させるためのユーザインタフェースは、上記した基本情報の変更に必要な情報をユーザに入力させるためのユーザインタフェースに関して述べたことと同じことが言え、HTTPベースのウェブテクノロジを利用して構築されてもよいし、プロプライエタリなアプリケーションをプラットフォームにして構築されてもよい。
【0042】
また、検索の実行に必要な情報のすべてがこのようなユーザインタフェースにより取得されなければならない理由はなく、他のデータベースや外部装置から適宜取得(アグリゲーション)されてもよい。例えばユーザ端末200の位置情報は、ユーザが手入力で入力することを前提とせず、端末のGPS機能が提供する位置情報や端末のアクセスポイントから割り出される位置情報を取得してもよい。
【0043】
「検索条件の変更」機能を提供するための飲食店情報提供システム1側の処理としては、ユーザ端末200が検索条件の変更に必要な情報をユーザに入力させるためのユーザインタフェースを提示する処理、同ユーザインタフェースを介して収集された情報に基づいて、飲食店情報提供サーバ100が検索条件を再設定する処理や、上記「検索の実行」機能の提供における飲食店情報提供サーバ100が実行する処理を再度行う処理などが含まれる。
【0044】
<飲食店検索機能>
以下、「検索の実行」機能を提供するための処理を中心に説明する。図7を参照すると、入力ユーザインタフェースの一例としてユーザ端末200が表示する表示画面例が示されている。図示のようなユーザインタフェースは、ユーザ端末200にあらかじめインストールされている「飲食店検索アプリケーション」ソフトウェアとユーザ端末200が備えるハードウェアとの協働により提供される。あるいは、飲食店情報提供サーバ100が提供するウェブアプリケーションにより提供されてもよい。
【0045】
図7(a)は「飲食店検索アプリケーション」の起動時に示される画面の一例である。図中、入力ボタン211はユーザ端末200の地理座標系における位置情報の取得を、ユーザが明示的に指示するためのボタンである。ユーザ端末200の所在する場所の位置情報は、このようなボタンによらず、自動的に取得されてもよい。なお、位置情報の取得の具体的方法については、制限がなく、GPS(Global Positioning System)により提供されてもよいし、その他の当業者によく知られる技術によって提供されてもよい。
【0046】
入力ボタン212は本実施形態の主題とする飲食店検索機能を利用することを、ユーザが飲食店情報提供システム1に明示的に指示するためのボタンである。他方、入力ボタン213は通常の飲食店検索機能を利用することをユーザが飲食店情報提供システム1に明示的に指示するためのボタンである。通常の飲食店検索機能については本実施形態の主題でないので説明を省略する。
【0047】
入力ボタン212がユーザにより押下されると、ユーザインタフェースは図7(b)に示す画面に遷移する。図7(b)は「飲食店検索アプリケーション」が提供する飲食店検索機能における検索条件を確定させるための画面の一例である。図中、入力フィールド214は検索を実行する時点の時刻を入力するためのボタンである。通常は現在時刻がユーザ端末200のシステムクロック等を使って自動的に入力されるが、ユーザによって任意の時刻が入力されてもよい。
【0048】
入力フィールド215はユーザが検索の起点とした場所に帰着しなければならない時刻や時間(例えば、1時間以内など)といった時間情報を、ユーザが飲食店情報提供システム1に入力するためのフィールドである。当該時間情報は無指定の場合、カスタマーデータベース31に格納されている当該ユーザの顧客の基本情報が保持する「ランチタイム」の情報に基づいて自動的に指定される。
【0049】
入力フィールド216は飲食店検索を実行する範囲の上限を、ユーザが飲食店情報提供システム1に入力するためのフィールドである。飲食店検索を実行する範囲の上限は、例えば数100メートルなど、距離で表される。以下では、飲食店検索を実行する範囲の上限を「距離D1」と呼ぶ。なお、図7(b)では距離D1を徒歩時間で指定するユーザインタフェース例を示している。時間から距離への変換はユーザ端末200で実行しても飲食店情報提供サーバ100で実行してもよい。
【0050】
入力ボタン217は図7(b)に示したユーザインタフェースにより確定された検索条件を用いて、本実施形態に係る飲食店情報の検索の実行を指示するコマンドを、ユーザが飲食店情報提供システム1に入力するためのボタンである。
【0051】
以上に説明したような入力ユーザインタフェースにより、ユーザ端末200の位置情報や、ユーザが検索の起点にまで帰ってこなければならない時間などが飲食店情報提供システム1に入力される。これらの情報は、飲食店情報提供サーバ100のCPU11を中心に構成される制御部に入力される。これらの情報の入力元としては、以上に説明したような入力ユーザインタフェースだけに限らず、記憶部18に記憶されている各種データベースでもよい。
【0052】
図7(a)において「いつもと違うお店を探す」と示された本実施形態に係る飲食店情報検索は、少なくとも次の点で、通常の飲食店検索と異なる。すなわち、検索の起点を中心とする地点から所定の距離D1よりも、検索の起点に近い距離である距離D2(D2<D1)以内にある店舗が、ユーザに提示されないように処理がなされる点が通常の飲食店検索とは異なる。
【0053】
従来の飲食店情報を検索するサービスにおいては、指定された地理座標を中心にして、その地理座標の近くの店舗を検索することが一般的に行われているところ、そのような従来サービスでは、ユーザは検索起点から近くの検索結果を選択しがちであり、新たな店舗との出会いのきっかけを提供しにくかった。逆に、店舗側にとっては新たな顧客との出会いのきっかけが生じにくいという課題があった。
【0054】
さらに、上述のような従来の技術では、昼休みなどでランチ検索をするといった場合に、1.近い場所では会社の同僚に会ってしまうので避けたい、2.もう少し歩いたり遠出をしたりして気分転換したい、といったニーズに応えることができない。そこで、本実施形態では、距離D1かD2のどちらか一方が設定されると、もう一方もCPU11が自動的に設定するように構成する。そして、CPU11が距離D1で規定される同心円と距離D2で規定される同心円で囲まれるエリア内の飲食店検索を行うように構成する。
【0055】
この本実施形態の飲食店検索によれば、検索の起点を中心とする地点から所定の距離D1よりも検索の起点に近い距離である距離D2(D2<D1)以内にある店舗は提示されない。むしろ、普段足を運ばないエリアにある飲食店に検索結果がフォーカスされる。したがって、そのような店舗との出会いの機会をユーザに与えることができる。
【0056】
<飲食店情報提供サーバの動作1>
図8を参照すると、飲食店情報提供サーバ100が実行する処理の流れの一例が示されている。飲食店情報提供サーバ100のCPU11は、店舗データベース32に対して、ユーザ端末200の位置情報により指定される地理座標、上述の検索する範囲の上限「距離D1」と、D2<D1の関係にある「距離D2」をパラメータとして検索をする(S11)。
【0057】
S11において、店舗データベース32へのパラメータとして与えられるD1は、図7を参照しながら説明した入力ユーザインタフェースによって入力されるか、あるいは、デフォルトの値が設定される。本実施形態の飲食店情報提供サーバ100のCPU11は、D1がユーザ入力によってあるいはデフォルト値により設定されると、D2を自動的に設定する。D2の自動設定のタイミングに制限はなく、例えば、図8のS11のタイミングでも、図8のフローが開始される時点でもよい。これにより、D1とD2で挟まれるエリアの幅が自動的に定まり、ユーザに普段よりも少し遠い場所への散歩などを促すことができる。
【0058】
S11の結果として、CPU11は、ユーザ端末200の位置する地理座標(中心)と距離D1とで規定される円と、同じくユーザ端末200の位置する地理座標(中心)と距離D2とで規定される円に挟まれたエリア内にある飲食店を店舗データベース32から出力として得る。
【0059】
図9を参照すると、S11の処理によりCPU11が出力する情報を説明するための概念図が示されている。図示のように、S11の処理により、ユーザ端末200を中心とした2つの同心円、距離D1の円と距離D2の間に挟まれたエリアにある飲食店が抽出される。
【0060】
続いて、CPU11は、S11で抽出した店舗数があらかじめ定められた所定の閾値を比較する(S12)。CPU11は、S12の比較判断の結果、S11の抽出数が所定の閾値以下であると判断した場合、検索条件を変更して(S14)、再度S11からやり直す。
【0061】
CPU11がS12の比較判断の結果、抽出店舗数が所定の閾値を超えていると判断した場合(S12,Yes)、飲食店情報提供サーバ100は抽出した飲食店の情報をユーザ端末200に送信する(S13)。
【0062】
なお、抽出した飲食店の情報の出力の形態は、表示出力という形態で行ってもよく、その場合、CPU11ないし飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200に対して、図9に示したような図面を地図に重畳させるような情報を送信する。ユーザ端末200は受信した情報に基づいて、図9のような図面を表示する。情報の出力について限定はなく、そのほかに例えば、店舗名をリストアップするような形態で行われてもよい。
【0063】
飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200のブラウザ、もしくは、「飲食店検索アプリケーション」に対して、抽出した飲食店の情報を送信する。ユーザ端末200は、受信した情報に基づいて、地図上に飲食店のアイコンをプロットする表示出力をしてユーザに提示する。あるいは、飲食店の情報を簡単な紹介文とともにリスト表示してもよい。地図上の飲食店のアイコンをユーザがクリックないしタップすると、図5に示した店舗の基本情報に基づいて店舗の概要などを紹介するページが表示されるように構成されてもよい。
【0064】
<飲食店情報提供サーバの動作2>
飲食店情報提供サーバ100が、ユーザ端末200の位置を中心にした2つの同心円に挟まれる領域にある飲食店を店舗データベース32から検索する方法としては、飲食店情報提供サーバ100のCPU11が、まず距離D1以内の店舗を検索し、次にその中から距離D2以内の店舗を取り除くという処理で実施してもよい。以下、図10を参照して、この方法で本実施形態の飲食店検索を行う場合の処理の流れを説明する。
【0065】
図10を参照すると、飲食店情報提供サーバ100が実行する処理の流れの別の一例が示されている。飲食店情報提供サーバ100のCPU11は、店舗データベース32に対して、ユーザ端末200の位置情報により指定される地理座標、上述の検索する範囲の上限「距離D1」をパラメータとして検索をする(S21)。CPU11は、ユーザ端末200の位置する地理座標を中心に、距離D1の範囲内にある飲食店を店舗データベース32から出力として得る。
【0066】
続いて、CPU11は、S21と同様に、距離D2以内にある飲食店の検索を行う(S22)。これにより、CPU11は、ユーザ端末200の位置する地理座標を中心に、距離D2の範囲内にある飲食店を店舗データベース32から出力として得る。
【0067】
続いて、CPU11は、検索の中心(起点)となるユーザ端末200の位置する地理座標を中心に距離D1の範囲内にあり、且つ、距離D2の範囲内にないという条件に合致する飲食店の抽出を行う(S23)。
【0068】
続いて、CPU11は、S13で抽出した店舗数があらかじめ定められた所定の閾値を比較して(S24)、所定の閾値以下の場合は検索条件を変更して(S26)、再度S21からやり直す。
【0069】
抽出店舗数が所定の閾値を越えていたら、飲食店情報提供サーバ100は抽出した飲食店の情報をユーザ端末200に送信する(S25)。抽出した飲食店の情報の出力の形態は、表示出力という形態で行ってもよく、その場合、CPU11ないし飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200に対して、図9に示したような図面を地図に重畳させるような情報を送信する。ユーザ端末200は受信した情報に基づいて、図9のような図面を表示する。情報の出力について限定はなく、そのほかに例えば、店舗名をリストアップするような形態で行われてもよい。
【0070】
飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ端末200のブラウザ、もしくは、「飲食店検索アプリケーション」に対して、抽出した飲食店の情報を送信する。ユーザ端末200は、受信した情報に基づいて、地図上に飲食店のアイコンをプロットする表示出力をしてユーザに提示する。あるいは、飲食店の情報を簡単な紹介文とともにリスト表示してもよい。地図上の飲食店のアイコンをユーザがクリックないしタップすると、図5に示した店舗の基本情報に基づいて店舗の概要などを紹介するページが表示されるように構成されてもよい。
【0071】
<検索条件の変更>
上述した飲食店検索機能の説明においては「距離D2を距離D1より短い」とだけ定義しているが、CPU11が距離D1の値に応じて、距離D2の値を自動的に定めるように構成してもよい。このような構成によれば、距離D1の変更という検索条件の変更に即応して、飲食店を推薦するエリアを可変することができ、条件に対して適切な店舗が検索されるようになる。
【0072】
自動的にD2を定める具体的な方法については限定がなく、例えば、D1−D2が一定の値(例えば100メートル)となるようにしてもよい。本実施形態においては、特に、距離D1が増加するように、すなわち、検索の中心点(ユーザ端末200の位置する地理座標)から遠ざかる方向に距離D1が変更される場合、D1−D2が減少するように、CPU11が距離D2を設定する。
【0073】
図11を参照すると、D1が増加する場合にD1−D2が減少するような相関の一例が示されている。図11の相関Aに示すように、D1の増加に対してD1−D2が一次関数的に減少するように、CPU11は距離D2を自動設定してもよい。また、相関Bに示すような減少を示すように自動設定してもよい。
【0074】
距離D1の変更及びそれに伴う距離D2の変更は、CPU11に距離D1の変更を指示する制御コマンドが入力されることにより、CPU11により実行される。そのような制御コマンドは、ユーザが図7のような入力ユーザインタフェースにおける入力フィールド216を用いて、距離D1を変更した際に生成される。あるいは、図10のS16における検索条件の変更が行われた際に生成される。制御コマンドの生成は、CPU11が行ってよい。
【0075】
本実施形態の飲食店情報提供サーバ100は、ユーザ又はシステムにより飲食店を検索する範囲が変更された場合、特に、範囲を拡大する方向に変更された場合、検索対象となるエリアを狭めて検索を行う。検索範囲の最大値を拡大するということには、拡大前の検索結果に何かしらの不足があるという含意がある。したがって、検索対象エリアを狭めて、不足があると判断された検索結果が積極的に表示されないように制御することによって、より遠くにある検索結果を目立たせることができ、ユーザにとっては新規な店舗との出会いの機会が増加する。
【0076】
なお、上述の検索条件の変更処理においては、先に距離D1が変更され、変更後のD1に応じてCPU11が距離D2を設定することとしたが、この流れとは異なり、先にD2の変更があり、変更後のD2に応じてCPU11がD1を設定することとしてもよい。
【0077】
なお、CPU11は距離D1を次のように自動的に決定してもよい。図12を参照しながら距離D1の自動設定について説明する。図12には、ある店舗において、飲食の提供にかかる時間T2と、同店舗に向かうまでの往復時間T3が示されている。図12において、移動手段が例えば徒歩など1種類に限定されていれば、往復時間T3が定まれば、CPU11は距離D1を自動的に決定することができる。
【0078】
オフィスにおけるランチの検索を想定すると、ユーザはランチにかけられる時間は決まっているのが普通である。ユーザが検索地点まで回帰するまでの時間をT1とする。本実施形態においては、T1はカスタマーデータベース31が格納する顧客の基本情報において、「ランチタイム」という情報として飲食店情報提供システム1により把握されている。T1が未入力などの場合は、昼食はある程度決まった時間にとるものであるから、例えば、「1時間」などのようにCPU11がカスタマーデータベース31に設定する。
【0079】
ここで、飲食の提供にかかる時間T2は、店舗のジャンルや混み具合によって変化する。店舗のジャンルとは、例えば、ファーストフードやレストランなどの別であり、ファーストフードであれば速く飲食物が提供される。レストランであればファーストフードよりは遅く飲食物が提供される。T2を店舗のジャンルに応じて設定してもよい。なお、T2はユーザがランチを取るのにかかる時間も含まれる。
【0080】
T2は、混み具合に応じてCPU11により変化するようにしてもよい。この場合、例えばCPU11が図8の飲食店検索を実行する時刻(例えば、S11やS12が実行される時刻としてもよい)に応じて、T2を設定する。ランチタイムには混みあう店舗が多く、ランチタイム以外では空いている店舗が多い。そのため、飲食店検索を実行する時刻がランチタイムにあたる場合、CPU11はT2を長めに設定し、飲食店検索を実行する時刻がランチタイムから外れる場合、CPU11はT2を短めに設定する。
【0081】
CPU11は、以上のようにして決められるT1とT2を用いて、ユーザが移動に費消することが可能な時間T3を算出する。例えば、T1−T2=T3の式からT3を求める。CPU11は、算出した往復時間T3と、移動手段(徒歩など)に基づいて、距離D1を算出する。T1とT2は上述のように自動的に定められるので、距離D1もCPU11により自動的に算出される。
【0082】
この場合、ユーザが検索の起点となる場所に、T1の時間内に戻ってくることが可能な範囲で距離D1が設定される。本実施形態の飲食店情報提供システム1により距離D1が自動的に算出され、距離D2も上述のプロセスにより自動的に設定されることにより、ユーザが遠出してランチを楽しむにあたって、現実的な範囲内での遠出を提案することが可能になる。
【0083】
本実施形態の飲食店情報提供システム1により自動的に算出された距離D1は、図10で示したような飲食店検索にフィードバックされてもよい。
【0084】
<変形例>
上記実施形態は、例えば、次のように実施することもできる。
【0085】
図7に示した検索条件の入力ユーザインタフェースにおいては、飲食店の属性(ジャンル)の指定をする機能を備えていないが、入力フィールドの一つとして、飲食店の属性の指定をするフィールドを備え、図10で説明した飲食店の検索(S11,S12)の際に飲食店の属性も検索条件の一つとする。飲食店の属性は、図5に示したように店舗ごとに設定されているため、このように検索条件の一つとすると、属性(ジャンル)により検索結果をフィルタリングすることができる。
【0086】
また、上述の実施形態においては距離D1を自動的に算出する際、移動手段をあらかじめ決定しておく構成が開示された。これに対して、飲食店情報提供システム1ないし飲食店情報提供サーバ100が、移動手段をスイッチする入力ユーザインタフェースを提示し、ユーザが移動手段をスイッチ(例えば、徒歩から乗用車による移動に変更など)すると、それに応じて距離D1を自動的に変化させてもよい。この場合、動的に検索範囲の上限が変化し、またそれに応じて、検索される店舗も動的に変化する。
【0087】
また、上記実施形態においては、ユーザの情報がカスタマーデータベース31に登録されているユーザが飲食店検索を行う例を中心に述べた。上記実施形態の場合、飲食店情報提供サーバ100などがカスタマーデータベース31に登録されているユーザの情報を利用して検索などの情報処理を行うことが可能になる。その点で上記実施形態は有利であるが、カスタマーデータベース31にユーザの情報が登録されていることは必須ではない。
【0088】
例えば、上記実施形態の中で開示された技術的思想は、カスタマーデータベース31へは未登録のユーザがウェブページで構成される検索が面から検索条件を入力して検索するようなケースに対しても適用が可能である。この場合、図7に示したようなユーザインタフェース画面がウェブページで構成されて、ユーザ端末200に表示される。その他に、ランチタイムの時間(所定の第1の時間)や位置情報は、ユーザ又はユーザ端末200が飲食店情報提供システム1に入力する。ランチタイムの時間の入力の具体的方法は、例えば、ユーザが手入力する方法や、あらかじめ12時から13時の間を既定(デフォルト)のランチタイムとする方法などが利用できる。位置情報の入力の具体的方法は、例えば、ユーザが手入力する方法、ユーザ端末200が自身の備えるGPS機能により緯度と経度の情報を外部から取得して自動的に入力するなどの方法が利用できる。
【符号の説明】
【0089】
1…飲食店情報提供システム
11…CPU
12…ROM
13…RAM
18…記憶部
19…通信部
31…カスタマーデータベース
32…店舗データベース
100…飲食店情報提供サーバ
200…ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12