特許第6880995号(P6880995)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6880995
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】車体後部構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/08 20060101AFI20210524BHJP
   B62D 25/06 20060101ALI20210524BHJP
   B62D 25/02 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   B62D25/08 K
   B62D25/06 A
   B62D25/02 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-89813(P2017-89813)
(22)【出願日】2017年4月28日
(65)【公開番号】特開2018-187961(P2018-187961A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2020年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(72)【発明者】
【氏名】武田 宗信
【審査官】 米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−157616(JP,U)
【文献】 特開2009−208537(JP,A)
【文献】 特開2012−228948(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0024091(US,A1)
【文献】 特開平7−300082(JP,A)
【文献】 特開2012−232702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/08
B62D 25/02
B62D 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックドア取付用座部を設けたルーフパネルと、このルーフパネルの車室内側に接合されたルーフメンバと、前記ルーフパネルおよびルーフメンバの車幅方向端部が接合されたサイドボディと、該サイドボディの後端部に設けられた縦壁面部材と、前記ルーフパネルとルーフメンバとの間に配置され、前記バックドア取付用座部を補強するリンフォース部材とを備えた車体後部構造において、
前記縦壁面部材がバックドア開口部の上角部から側部にかけて形成されており、前記ルーフメンバの後端部に設けられた縦壁面部が前記サイドボディの後端部に設けられた縦壁面部材に連続するように設けられており、かつ前記ルーフメンバの縦壁面部と、前記リンフォース部材の後端部縦壁面部とが車体後方側から見て上下に重なるように前記ルーフパネルの後端部内側に設けられており、
前記サイドボディの縦壁面部材から前記ルーフメンバの縦壁面部に連続するように形成された該ルーフメンバの縦壁面部の上下の稜線部が、車幅方向内側に向かうほど徐々に狭く形成され、前記バックドア取付用座部の車体外側端部と連続するように前記稜線部が収束していることを特徴とする車体後部構造。
【請求項2】
前記ルーフメンバの縦壁面部は、前記バックドア取付用座部が設けられた車幅方向中央側に向けて延出されており、前記リンフォース部材は車体前方側に延出されており、かつ前記サイドボディとの合わせ部に向けて徐々に低くなる縦壁を有していることを特徴とする請求項1に記載の車体後部構造。
【請求項3】
前記ルーフメンバの縦壁面部は、縦壁上側の稜線部を跨いで車体前方に延びる上壁面を有し、該上壁面が前記サイドボディと接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車体後部構造。
【請求項4】
前記ルーフメンバの縦壁面部は、縦壁下側の稜線部から車体後方に延びる底壁面を備え、該底壁面が前記サイドボディの後端部に設けられた縦壁面部材から車体後方に延出された壁面に接合されていることを特徴とする請求項3に記載の車体後部構造。
【請求項5】
前記リンフォース部材は、前記縦壁から車体前方に向けて延出された上壁面と、前記縦壁から車体後方に向けて延出された底壁面とを備え、前記リンフォース部材の上壁面の先端部および底壁面の後端部がそれぞれ前記ルーフメンバと接合されて前記リンフォース部材とルーフメンバとで閉じ断面を形成したことを特徴とする請求項に記載の車体後部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックドアが取り付けられるバックドアヒンジ取付座部を設けた車体後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
バックドア開口上部の、バックドアヒンジ取付座部にかけて、リンフォースによって閉じ断面構造を設けて、ヒンジ取付部を補強する構造が知られている(特許文献1参照)。
一方で、クォーターピラーの下から上への入力荷重や、バックドアヒンジの中央から外側への入力荷重がヒンジ取付座部からルーフパネル側端部にかけてのバックドア開口角部の領域に集中するので、角部の捩じれ剛性等の剛性を確保することが要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−224109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような角部の捩じれ剛性等の剛性を確保するためには、ヒンジ取付座部から角部を通ってサイドボディにかけて、バックドア開口に沿う縦壁を通すことが理想的であるが、ヒンジ取付座部のレイアウトが著しく制限されるため、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、バックドア開口の上角部において、2つの縦壁形状が重なるように配置することによって、ヒンジ取付座部からルーフサイドにかけての剛性を向上し、クォーターピラーやバックドアヒンジからの入力荷重に対応することができる車体後部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するため、バックドア取付用座部を設けたルーフパネルと、このルーフパネルの車室内側に接合されたルーフメンバと、前記ルーフパネルおよびルーフメンバの車幅方向端部が接合されたサイドボディと、該サイドボディの後端部に設けられた縦壁面部材と、前記ルーフパネルとルーフメンバとの間に配置され、前記バックドア取付用座部を補強するリンフォース部材とを備えた車体後部構造において、前記縦壁面部材がバックドア開口部の上角部から側部にかけて形成されており、前記ルーフメンバの後端部に設けられた縦壁面部が前記サイドボディの後端部に設けられた縦壁面部材に連続するように設けられており、かつ前記ルーフメンバの縦壁面部と、前記リンフォース部材の後端部縦壁面部とが車体後方側から見て上下に重なるように前記ルーフパネルの後端部内側に設けられており、前記サイドボディの縦壁面部材から前記ルーフメンバの縦壁面部に連続するように形成された該ルーフメンバの縦壁面部の上下の稜線部が、車幅方向内側に向かうほど徐々に狭く形成され、前記バックドア取付用座部の車体外側端部と連続するように前記稜線部が収束していることにある。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
ルーフメンバの後端部に設けられた縦壁面部が前記サイドボディの後端部に設けられた縦壁面部材に連続するように設けられているので、角部の捩じれ剛性等の剛性を確保することができる。すなわち、ヒンジ取付座部から角部を通ってサイドボディにかけて、バックドアの開口に沿う縦壁を通すことができるため、ヒンジ取付座部からルーフパネル側端部にかけてのバックドア開口角部の領域に集中する入力荷重に対する剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態による車体後部構造を、バックドアを外して車体後部を示す斜視図である。
図2図1の車体後部の角部、矢視A部を拡大して示す斜視図である。
図3図2のB−B線断面図である。
図4図2のC−C線断面図である。
図5図1のルーフパネルを外して矢視A部を拡大して示す斜視図である。
図6図5の車体後部構造を車室内から見た斜視図である。
図7図5の部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態による車体後部構造を、図1ないし図7に示す図面を参照しながら詳細に説明する。
図1ないし図5において、1は図示しないバックドアを外して示す車体後部のルーフ部で、車体上面を覆うルーフパネル2と、ルーフパネル2の後端部室内側に車幅方向に配設されるルーフメンバ3で構成されている。4は、前記ルーフ部1の左右の下部側に配設される車体側面を構成するサイドボディであり、このサイドボディ4の後部は、車体側面を構成するサイドボディアウタパネル5と、サイドボディアウタパネル5の後端部室内側に配設されるクォーターインナパネル6とで構成されている。
【0010】
前記ルーフ部1とサイドボディ4の後端部は、図示しないフロアパネルの上部側に略逆U字状のバックドア開口部10を形成するように構成されており、このバックドア開口部10が図示しないバックドアによって開閉されるものである。前記ルーフメンバ3には、ルーフサイドリンフォース7が配設されて補強されており、この補強位置に対応するようにルーフパネル2の後端部にはヒンジ取付座部8が設けられている。
前記バックドアはルーフパネル2の後端部に設けられたヒンジ取付座部8に図示しないヒンジ金具を介して開閉自在に取り付けられている。
【0011】
前記ルーフメンバ3は、図3ないし図5に示すように車幅方向の中間部に設けられた帯状のルーフメンバ本体部31と、ルーフメンバ本体部31の左右の両側にそれぞれ車幅方向に延設された一対のルーフメンバエクステンション32とで構成されている。一対のルーフメンバエクステンション32は、車幅方向のそれぞれ端部32aにおいて前記ルーフパネル2の左右の縁部2aに接合されている。ルーフメンバ本体部31と、ルーフメンバエクステンション32の接合部には、前記クォーターインナパネル6の車幅方向に延びる延長部6aがネジ33およびナット33aによってネジ止めによって組み付けられている。
【0012】
このルーフパネル2とルーフメンバエクステンション32の間には、図3に示すように車幅方向の左右の端部7aがルーフパネル2の車幅方向の端部2aとルーフメンバエクステンション32の端部32aと共に接合されたルーフサイドリンフォース7が車幅方向に配設されて補強されている。このルーフサイドリンフォース7は、図4に示すように、車体前後方向の先端部7bがルーフメンバエクステンション32の先端部32bとねじ止め、または接合されており、途中に下方向に折り曲げて段差部7cを形成した後端部7dが、ヒンジ取付座部8を補強するヒンジ取付座部リンフォース9の先端部に接合されている。前記クォーターインナパネル6の車幅方向に延びる延長部6aの車体前後方向の先端部6bは、図4に示すようにルーフサイドリンフォース7の先端部7bと、前記ルーフメンバエクステンション32の先端部32bとの接合部に共止めされている。前記ルーフサイドリンフォース7はルーフメンバエクステンション32との間に断面略四角形の閉じ断面部Sを形成している。
【0013】
ヒンジ取付座部リンフォース9は、図4および図5に示すようにバックドアを取り付ける段差部2bを形成したルーフパネル2の車体前後方向の後端部2cに設けられたヒンジ取付座部8を補強するもので、ルーフパネル2の後端部2cとルーフメンバエクステンション32の後端部32cの間に配置されている。ヒンジ取付座部リンフォース9は、ルーフサイドリンフォース7に比べて板厚の厚い金属製の部材であり、ヒンジ取付座部8に対応する位置に配置され、車幅方向の断面形状が矩形状で、車体前後方向の断面形状がクランク形状に形成されている。
【0014】
図4には、ルーフ部1のヒンジ取付座部8に取り付けるヒンジ金具81の取付部81aをネジ82とナット82aにてルーフパネル2の後端部2cのヒンジ取付座部8と、ヒンジ取付座部リンフォース9と、ルーフメンバエクステンション32の後端部32cとに固定した状態を示したものである。クォーターインナパネル6には、ナット82a取付用の作業用開口穴6cが設けられている。このクォーターインナパネル6の車体前後方向の後端部のフランジ部6dは、ルーフパネル2の後端部2cのフランジ部2dと共に一体に接合されている。
【0015】
サイドボディ4の後端部は、図5ないし図7に示すように、サイドボディアウタパネル5と、クォーターインナパネル6を接合するサイドボディエクステンション(縦壁面部材)51が設けられており、このサイドボディエクステンション51はサイドボディ4後面の縦壁面4Aを形成している。この縦壁面4Aは前記バックドア開口部10の上辺部角部から車幅方向の内側上辺部にかけて延出して設けられており、このサイドボディエクステンション51の延出部51aは車室内側に配設されているクォーターインナパネル6の延設部6aに接合されている(図5参照)。
【0016】
サイドボディエクステンション(縦壁面部材)51によって形成される縦壁面4Aは、図7に示すように湾曲部を形成した上端の角部から、ルーフ部1のルーフメンバエクステンション32の縦壁部32Aにかけて延設されるようにサイドボディエクステンション51の外側稜線部A1と内側稜線部A2に沿った形状が破線形状Xのように円弧を描くように形成されている。ルーフメンバエクステンション32の縦壁部32Aの前方側には、縦壁上側の稜線部B1を跨いで車体前方に延びる上壁面32Bを有し、該上壁面32Bがサイドボディ4と接合されている。また、縦壁下側の稜線部B2を跨いで車体後方に延出された後端部(底壁面)32cがサイドボディエクステンション51の車体後方に延出された壁面に接合されている。
また、前記ルーフサイドリンフォース7は、車体後方から見て段差部7cの後面によって形成される縦壁部7Aが車幅方向に沿って端部側が徐々に細くなるように上側稜線部C1と下側稜線部C2に沿った形状が図7破線形状Yのように形成されている。前記破線形状Xの縦壁部32Aと、破線形状Yの縦壁部7Aは、車体後方から見て上下に重なるように形成されている。
【0017】
上記構成によると、サイドボディ4の後端部に設けられたサイドボディエクステンション51からルーフ部1のルーフメンバ3にかけて形成される破線形状Xの縦壁部32Aと、破線形状Yの縦壁部7Aが、車体後方から見て上下に重なるように形成されている。したがって、ヒンジ取付座部8からルーフパネル側端部にかけてのバックドア開口角部10Aの領域に集中するクォーターピラーやバックドアヒンジからの入力荷重に対して、バックドア開口角部10Aの捩じれ剛性等の剛性を確保することができる。
サイドボディエクステンション51の外側稜線部A1が、ルーフサイドリンフォース7のヒンジ取付座部リンフォース9が設けられた補強面まで車幅方向に繋がっており、この外側稜線部A1がクォーターピラーやバックドアヒンジからの入力荷重に対する分散経路としても効果がある。
【0018】
前記ルーフメンバ3の縦壁面部、すなわちルーフ部1のルーフメンバエクステンション32の縦壁部32Aは、バックドア取付用座部となるヒンジ取付座部8が設けられた車幅方向中央側に向けて延出されており、かつ、前記ルーフサイドリンフォース(リンフォース部材)7は車体前方側に延出されており、かつ前記サイドボディ4との合わせ部に向けて徐々に低くなる縦壁部(縦壁)7Aを有している。
ヒンジ取付座部8から角部を通ってサイドボディ4にかけて、バックドアの開口に沿う縦壁部7Aを通すことができるため、ヒンジ取付座部8からルーフパネル側端部にかけてのバックドア開口角部の領域10Aに集中する入力荷重に対する剛性を確保することができる。また、ルーフサイドリンフォース7の縦壁部7Aがサイドボディ4との合わせ部に向けて徐々に低くなっているので、縦壁部7Aの上側稜線部C1がサイドボディ4の合わせ部に向かって滑らかに繋がることによって、入力荷重が角部に集中することを防ぐことができる。
【0019】
前記ルーフメンバ3の縦壁面部、すなわちルーフ部1のルーフメンバエクステンション32の縦壁部32Aは、縦壁上側の稜線部B1を跨いで車体前方に延びる上壁面32Bを有し、該上壁面32Bが前記サイドボディ4と接合されている。
よって、応力が集中しやすいルーフ部1と、サイドボディ4の接合部を、ルーフメンバ3の2面、ルーフメンバエクステンション32およびルーフサイドリンフォース7によって補強することができる。したがって、ヒンジ取付座部8からルーフパネル側端部にかけてのバックドア開口角部10Aの領域に集中する入力荷重に対する剛性を確保することができる。
また、ルーフメンバエクステンション32およびルーフサイドリンフォース7は、両者に跨って接合されたヒンジ取付座部リンフォース9によって、補強しているので、より一層の剛性を保つことができる。
【0020】
前記ルーフメンバ3の縦壁面部は、縦壁下側の稜線部B2から車体後方に延びる後端部(底壁面)32cを備え、該底壁面が前記サイドボディ4の後端部に設けられたサイドボディエクステンション(縦壁面部材)51から車体後方に延出された壁面に接合されている。よって、応力が集中しやすいルーフ部1と、サイドボディ4の接合部を、ルーフメンバ3の2面、ルーフメンバエクステンション32およびルーフサイドリンフォース7によって補強することができる。したがって、ヒンジ取付座部8からルーフパネル側端部にかけてのバックドア開口角部10Aの領域に集中する入力荷重に対する剛性を確保することができる。
【0021】
前記ルーフサイドリンフォース(リンフォース部材)7は、前記縦壁7Aから車体前方に向けて延出された上壁面7Bと、前記縦壁7Aから車体後方に向けて延出された底壁面7Cとを備え、前記ルーフサイドリンフォース(リンフォース部材)7の上壁面7Bの先端部および底壁面7Cの後端部7dがそれぞれ前記ルーフメンバエクステンション32(ルーフメンバ3)と接合されて前記ルーフサイドリンフォース(リンフォース部材)7とルーフメンバエクステンション32とで閉じ断面Sを形成している。
よって、剛性の向上を図ることができる。また、クォーターインナパネル6がヒンジ取付座部8を越えて車幅方向内側に延びているので、クォーターインナパネル6も含めて2つの閉じ断面が形成される。したがて、より一層の剛性の向上を図ることができる。
【0022】
前記サイドボディ4の縦壁面部材4Aから前記ルーフメンバエクステンション32の縦壁面部32Aに連続するように形成された該ルーフメンバエクステンション32の縦壁面部32Aの上下の稜線部B1,B2が、車幅方向内側に向かうほど徐々に狭く形成され、前記バックドアのヒンジ取付用座部8の車体外側端部と連続するように稜線部B1,B2が収束するように形成されている。
よって、縦壁の稜線のヒンジ取付用座部8の入力荷重に対する分散経路が確保され剛性の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、例えば、ルーフメンバ3は、車幅方向の中間部に設けられた帯状のルーフメンバ本体部31と、ルーフメンバ本体部31の左右の両側にそれぞれ延設された一対のルーフメンバエクステンション32とで構成されているが、ルーフメンバ本体部31とルーフメンバエクステンション32とが一体のものを用いることもできる。また、リンフォースには、ルーフサイドリンフォース7にヒンジ取付座部リンフォース9を接合して剛性の向上を図っているが、一体のものを用いることもできる。また、ルーフサイドリンフォース7に肉厚の厚いものを用いてヒンジ取付座部リンフォース9を省略することもできる。さらに、
ルーフメンバの縦壁面部と、リンフォース部材の後端部縦壁面部の重なり幅は、任意に設定することができ、かつそれぞれの縦壁面部の長さ、及び幅も必要に応じて任意に設定することができる。その他、本発明の技術的範囲を変更しない範囲内で適宜変更して実施し得ることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0024】
1 ルーフ部
2 ルーフパネル
3 ルーフメンバ
31 ルーフメンバ本体部
32 ルーフメンバエクステンション
32A 縦壁部
B1 ルーフメンバエクステンションの縦壁上側の稜線部
B2 ルーフメンバエクステンションの縦壁下側の稜線部
4 サイドボディ
4A 縦壁面
5 サイドボディアウタパネル
51 サイドボディエクステンション(縦壁面部材)
A1 サイドボディエクステンションの外側稜線部
A2 サイドボディエクステンションの内側稜線部
6 クォーターインナパネル
7 ルーフサイドリンフォース
7A 縦壁部
C1 ルーフサイドリンフォースの縦壁部の上側稜線部
C2 ルーフサイドリンフォースの縦壁部の下側稜線部
8 ヒンジ取付座部
81 ヒンジ金具
9 ヒンジ取付座部リンフォース
10 バックドア開口部
10A バックドア開口角部
S 閉じ断面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7