(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6881071
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】高床運搬車のクローラ走行装置
(51)【国際特許分類】
B62D 55/08 20060101AFI20210524BHJP
【FI】
B62D55/08 B
B62D55/08 A
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-121564(P2017-121564)
(22)【出願日】2017年6月21日
(65)【公開番号】特開2019-6178(P2019-6178A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2020年4月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144980
【氏名又は名称】株式会社アテックス
(72)【発明者】
【氏名】重見 和男
(72)【発明者】
【氏名】井手 宣弘
(72)【発明者】
【氏名】大原 浩二
【審査官】
米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−111033(JP,A)
【文献】
実開昭52−37739(JP,U)
【文献】
実開昭52−37740(JP,U)
【文献】
特開2001−122166(JP,A)
【文献】
米国特許第1992702(US,A)
【文献】
国際公開第2016/073466(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側へ向けて開口の凹部(10)を有する椀状輪(33),(33)により、クローラ(1)内周面(6)から突出する左右芯金突起(13),(13)の外側面を嵌合案内する接地転輪(2)を、クローラ(1)の接地辺部に沿って配置し、該接地転輪(2)の転輪軸(3)部と、この接地転輪(2)に案内されるクローラ(1)の転動面部(4)の外側に張出形成される接地縁部(5)の内周面(6)との間(H)の適宜高さ(K)に、前後方向に沿うクローラガード(7)を設け、このクローラガード(7)を、棒材、パイプ材、又は、板材で形成するとともに、前記クローラガード(7)の前端部(8)、又は後端部(9)を、接地転輪(2)の外側面に形成する凹部(10)側へ向けて湾曲、又は屈曲形成したことを特徴とする高床運搬車のクローラ走行装置。
【請求項2】
クローラガード(7)の外側端縁(11)を、クローラ幅(W)の外側縁(W1)から外方へ突出しないよう設定したことを特徴とする請求項1に記載の高床運搬車のクローラ走行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高床形態の運搬車のクローラ走行装置に関するもので、畝、溝形成の圃場や、温床等の作物条、畝、溝条等に沿って、畝面や作物を跨ぎながらクローラ走行し、作物を収穫、運搬したり、又、育成管理作業するための物を運搬したり、育成管理作業するために好適に利用できるもので、これら運搬車の走行、操作を安全に行い、操作性、作業性を高める。
【背景技術】
【0002】
クローラ幅方向の中央部の転動面部に沿って、芯金突起、およびこの芯金突起間のガイド溝を形成し、このガイド溝に嵌合案内するクローラガイドを設ける技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001―122166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高床運搬車を走行して収穫作業するとき、圃場の畝間溝部にクローラを位置案内させて畦上面部を跨いだ状態で走行させながら作業することが多い。収穫した作物を高床運搬車の収穫車台上に載置収容しながら、作業運行操作するとき、運転作業者は、車体の左、右横側位置を随行しながら、収穫作業や、作物の管理作業等を行うことが多く、足先でクローラ接地辺部の内周転動面部を踏み付けたり、この接地辺部に接触し易くなり、この接地辺部の内周転動面部上を誤って踏付けた足先部が、走行回転するこのクローラの芯金突起を形成した転動面部と接地転輪との間に挟み込まれ易くなり、危険性を招き易い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、
外側へ向けて開口の凹部10を有する椀状輪33,33により、クローラ1内周面6から突出する左右芯金突起13,13の外側面を嵌合案内する接地転輪2を、クローラ1の接地辺部に沿って配置
し、該接地転輪2の転輪軸3部と、この接地転輪2に案内されるクローラ1の転動面部4の外側に張出形成される接地縁部5の内周面6との間(H)の適宜高さ(K)に、前後方向に沿うクローラガード7を設けたことを特徴とする高床運搬車のクローラ走行装置の構成とする。
【0006】
高床運搬車の走行は、車体フレーム25後端部に搭載のエンジン19の駆動によって、駆動スプロケット29の回転により、左右両側部のクローラ1,1を連動駆動して、各クローラ1,1の底部の接地辺部を栽培床畝A間の溝B底部に接地させて走行させながら、作業者Mが畝A上面から収穫した作物C又は作物Cを入れた容器C1を、走行中、乃至一時停止中の運搬車の車台(乃至荷台)18上面に積込むことができる。
【0007】
作業者Mが運搬車の横側に接近して、走行中の荷台18に収穫作物Cを積込んだり、又は運搬してきた収穫作物Cを下すときは、足先Nで走行回転中のクローラ1の接地辺部である転動面部4や、この外側の接地縁部5等を踏付けたり、足先Nがこれら接地辺部に接触するようになると、これら接地縁部5の内周面6上には、クローラガード7がこの接地縁部5の前後方向全長に亘って設けられているため、作業者Mの足先Nは、このクローラガード7を踏付けたり、又は、このクローラガード7によって、足先Nがクローラ1の内周面6上に踏付けられたり接触したりすること等が阻止される。又は、前記クローラガード7は、前記接地縁部5の内周面6との間Hの適宜高さKに、前後方向に沿った形態に構成されるため、足先N部でクローラガード7上面を踏付けても、下側の接地縁部5の内周面6には接触し難く、足先Nの内周面6と接地転輪2との間への挟み込みを防止することができる。
【0008】
又、クローラ1の転動面部4、乃至内周面6方向線Lと、これらの面を転動する接地転輪2の転接角度線E1との間の挟み込み角度a(
図8の(イ)参照)は、クローラガード7を設けた形態におけるクローラガード7上面6方向線Lと、接地転輪2の転接角度線E2との間の間の挟み込み角度b(
図8の(ロ)参照)よりも小さい ( a < b )。 このため、この挟み込み角度a部の前側に足先N等が踏み込まれると、これらクローラ1の内周面6部と接地転輪2との間に挟み込まれ易いが、このクローラ1の内周面6部上にクローラガード7が構成されている形態では、挟み込み角度aよりも大きい挟み込み角度bが形成されるため、この点においても足先N等の挟み込みを行い難くすることができる。
【0009】
【0010】
前記クローラガード7として使用するロッド部材を、断面ムク質形態の棒材45(
図9の(イ)参照)、又は、パイプ、中空形態のパイプ材46(
図9の(ロ)参照)によって構成することができる。又、部材を板材47(
図9の(ハ)参照)によって構成することもできる。板材47の断面形態を単なる前後に長い平板状形態や、正面視コ字形状、又はL字形状、くの字形状断面形態等に形成するも可能である。これらの部材長は、クローラ1の接地辺部の前後長と略同長さに形成している。
【0011】
【0012】
クローラ1の接地辺部の前端部や後端部を掛け渡す接地転輪(端部転輪)2は、外周面部をV字状断面形態に形成して、芯金突起13を内側に嵌合案内する転輪溝17を形成し、この接地転輪2の左右外側部は、該芯金突起13の外側部の内周面6を受けて回転する平プーリ状形態のロール面35に形成し、この接地転輪2の外側面部は、転輪軸3部側中央部を内側の転動面部4側へ深く椀状形態に窪ませた椀状凹部10を形成している。
【0013】
前記クローラ1接地辺部の接地縁部5内周面6上に対向して、前後方向に沿って設けるクローラガード7は、前端部8を、前記前端接地転輪2の外側面の凹部10にのぞませるように対向させて湾曲形成し、後端部9を、前記後端接地転輪2の外側面の凹部10にのぞませるように対向させて湾曲形成している。
【0014】
前記クローラガード7の前端部8、後端部9は、先端部を対向の端部転輪2の凹部10内部適宜深さに介入させるもよく、又は、凹部10の外側部適宜間隔位置にのぞませて接近させることもできる。
【0015】
請求項
2に記載の発明は、クローラガード7の外側端縁11を、クローラ幅Wの外側縁W1から外方へ突出しないよう設定する。
【0016】
前記のようにクローラガード7は、クローラ幅Wの外側縁W1から外方へ突出しないよう設定してあるので、クローラ1内周面6上に踏込まれる足先N部を受けて直接内周面6を踏付けることを阻止すると共に、作物Cや、異物等が内周面6に倒れ掛ったり、載置されたり、絡み付くのを防止する。そして、このような作物Cや、異物等がクローラ1の外側縁W1部に接近すると、クローラガード7の外側端縁11によって摺動案内されて、クローラ1の外側縁W1の外側方にせり出されることとなり、外側縁W1部、及び接地転輪2との間への巻込を防止する。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明は、高床運搬車のクローラ1が高く、クローラ1の接地辺部と上辺部との間隔が大きく形成されていて、この接地辺部の上面に足先Nの差込が行われ易い形態であっても、足先Nがクローラ1の接地辺部の転動面部4位置を踏付けると、クローラガード7を踏付けることとなり、転動面部4上面の踏付を阻止することができ、又、足先Nが接地縁部5の上側面である内周面6を踏むと、回転するクローラ1によって後側へ移動されても、クローラ1接地辺部の外側への踏出を簡単、容易に行うことができる。
【0022】
足先Nでクローラ1の接地辺部の上面(内周面6)を踏付けると、転動面部4の外側面である接地縁部5の内周面6にはクローラガード7があって、このクローラガード7によって転動面部4を直接の強い踏付けを阻止することができる。しかも、クローラガード7は、接地縁部5の内周面6との間に適宜の間隔を形成しているため、この間隔部からの足先N部の侵入、差込を阻止することができ、外側部への除去、退避を速かに円滑に行わせることができ、更にはクローラ1内周面6上に侵入した小石や異物等がクローラ1の外側へ排出されやすいという効果もある。
【0023】
又、クローラガード7を棒材、パイプ材、又は板材等で形成することによって、構成を簡単化し、軽量化し、安価に構成することができる。又、クローラガード7を前記ロッド部材の如き、簡単な形態から構成することによって、トラックフレーム27等との間に、大きい間隙部を形成して、足先N部や異物等の侵入が行われ易いものであるが、これら侵入した物の排出、取出し等も行われ易く、点検清掃等を行い易くすることができる。
【0024】
又、高床運搬車の作業走行時に、車体の横側に接近して作物Cが位置したり、作業者Mの足先Nが接近した場合には、クローラガード7の前端部8、又は後端部9の湾曲縁、乃至湾曲面の外側に摺接する作物Cや、足先N部を、端部転輪2の凹部10と、この手前の接地縁部5の内周面6との間の挟持間隔部への挟み込みを防止して、端部転輪の凹部10外側方へ押出案内して、クローラ1回転部への作物Cや、足先N部等の巻込、挟み込みを防止することができる。
【0025】
又、クローラガード7の前後端部の湾曲、乃至屈曲成形する簡単な形態によって、上記効果を安価で、有効に達成することができる。更にクローラガード7の外側端縁11がクローラ幅Wの外側縁W1から外方へ突出していないので、作物を傷付けず、畝を崩すことなく走行が可能である。
【0026】
【0027】
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図5】クローラ部の平面図と、接地転輪部の一部断面拡大図。
【
図9】クローラガードの斜視図と、別実施例を示す一部の拡大断面斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面に基づいて、高床運搬車は、左右幅方向を拡縮可能の車台(荷台)18の下側において、左右両側部に一対のクローラ1,1を配置し、この車台18本体の後端一側部(図例では、左側端部)に、エンジン19、及び操作装置20を配置している。この車台18の右側端に沿って左右方向へ移動できる拡縮台21を設け、シリンダの油圧伸縮やネジ機構等の拡縮手段Sによって車台18本体に対して拡縮台21を左右移動させて、車台18の走行幅、乃至作業幅、乃至作物C搭載幅を変更、調節することができ、作業畝幅に対応させることができる。これら車台18本体部と拡縮台21との間は、前記拡縮手段Sの他、拡縮可能の連結フレーム23、及び連動軸(スプライン軸)24、前側走行クラッチの連動軸22等が配置されて、前記拡縮手段Sによって、移動案内された各拡縮位置の車台18幅、及び左右クローラ1、1間隔(トレッド)を保持し、拡縮台21側のクローラ1の前進方向F、又は後進方向Rの走行伝動状態に維持できる形態である。
【0030】
左右一対のクローラ1,1は、車台18中心線に対して略左右対称状の形態に構成して、左側のクローラ1は、車台18本体側下部の左側端部に沿って構成し、右側のクローラ1は、拡縮台21の下側部に沿って構成する。
【0031】
車台18、及び拡縮台21の下側には、車体フレーム25から支持アーム26を介して、下端部にトラックフレーム27を支持し、このトラックフレーム27に配設する前端部の非接地端部転輪28と、後端部の非接地端部転輪28R及びその上方の駆動スプロケット29と、これらの間の底辺部(接地辺部)に沿って配置の複数の接地転輪2等に亘って、ゴム質状無端帯形態のクローラ1を掛け渡して構成している。
【0032】
クローラ1は、横クローラ幅W方向の中央部にスプロケット29の噛合する噛合穴30を形成し、各前後の噛合穴30間の間隔部毎には、横側に位置する前後方向の補強ワイヤー32,32間にに亘る芯金16を埋設して、この芯金16の中央部に突出する左右芯金突起13,13を、クローラ1の幅方向中央部の内周面部に突出させて、前記駆動スプロケット29が噛合回転すると共に、各接地転輪2の転動案内する転動面部4を形成する。各接地転輪2や非接地端部転輪28,28R等は、中心ボス部34を転輪軸3回りに回転自在に軸受けし、周縁部を左右外側に向けて円筒状、乃至ロール状のロール面35を形成して、外側に向けて開口の凹部10を深椀状輪形態に構成し、この左右両側部の椀状輪33,33間の転輪溝17部に芯金突起13の外側面を嵌合案内させる。
【0033】
又、前記前後の接地転輪2,2間の間隔部には、前上端部をトラックフレーム27に取付けた棒状材からなるクローラガイド15を、クローラ幅W中央部のガイド溝14に接近させて嵌合案内するように構成し、クローラ1の転動面部4の芯金突起13を、内側のクローラガイド15と、外側の接地転輪2の転輪溝17部との間に挟むようにして、走行案内し脱輪を防止している。この芯金突起13の外側に椀状輪33の転接する平ロール形態のロール面35を形成する。この接地転輪2のロール面35でクローラ7の接地縁部5の内周面6を受けて案内する。
【0034】
前記クローラ幅W域は、接地転輪2の転動支持される転動面部4の幅よりも広く張出形成されて、接地縁部5を構成する。この接地縁部5の内周面6は、前記接地転輪2の外側縁、即ち椀状輪33のロール面35の外側縁よりも外側位置に広幅に形成している。しかも、この内周面6よりも若干低位にすべく外側下りの勾配に形成して異物等が乗り上がり難く、しかもこの内周面6に異物等が上がっていたとしても、この外側下がりの傾斜面によって、外側へ速やかに排除され易い形態に形成している。
【0035】
クローラガード7は、ガード杆、ガードロッド、乃至ガードレール形態として、前記クローラ1の接地辺部の外側接地縁部5の内周面6上に沿って設ける。クローラガード7は、断面形態を、丸棒状(
図9の(イ)参照)、丸パイプ状(
図9の(ロ)参照)、乃至板状(
図9の(ハ)参照)等の形態として、クローラ1の接地辺部の略前後長に相等した長さに形成し、前後適数ヶ所と取付ブラケット36を介して、前記トラックフレーム27の外側面にボルト37締め等によって着脱可能に取付ける。又、前記取付位置を移動調節可能にして、クローラガード7のクローラ1内周面6に対する間隔位置や、水平設置度等の調節設定を行い易くすることもできる。尚、クローラガード7の断面形状は丸型状に限らず、角型状のムク材やパイプ材でもよく、材質についても特に限定するものではない。
【0036】
このようにして装着するクローラガード7は、前記クローラ1の接地縁部5の内周面6上に沿って前後水平状、平行状に設けるが、このクローラガード7の内周面6に対する上下間隔は、作業者Mの足先N部が侵入し難い程度に狭く設定し、又、クローラ1接地縁部5の内周面6の外側端縁12上に沿って構成している。このクローラガード7がクローラ1の外側端縁12より外側へ大きく突出すると、走行時に隣接の障害物に接触し易くなって、走行作業抵抗を受け易くなるため、このクローラガード7の外側端縁11が、クローラ1の接地縁部5の外側端縁12の直上位置、乃至これよりも内側位置に設定するのが好適である。
【0037】
このクローラガード7の前端部8と、後端部9は、これらに対向する接地転輪(端部転輪)2の外側位置において、接地転輪2外側のロール面35部外側に形成される凹部10側へ湾曲し、又は屈曲して、先端部が凹部10内に介入するか、乃至は凹部10内へ接近するようにのぞむ形態に構成している。そして、前進、後進時には、これらクローラガード7の前端部8、又は後端部による隣接作物Cや異物等のクローラ1側へのすくい込みを防止し易く構成している。
【0038】
又、これらクローラガード7の前端部8、又は後端部9を内側へ湾曲、乃至屈曲して、接地転輪2の外側面の凹部10内側へ深く嵌合、乃至介入させることができるため、前記クローラガード7の前端部8、又は後端部9による作物C等のすくい込み作用を有効に防止する。
【0039】
前記クローラガイド15は、クローラ1の接地辺部に沿った前後の接地転輪2,2間において構成され、上端部をトラックフレーム27にボルト37,38締めで取付けている。このクローラガイド15の下端部は、前記クローラ1の左右芯金突起13,13間のガイド溝14内に前後方向に沿って介入し、クローラ1の駆動走行を案内すると共に、クローラ1の蛇行したり、側方傾斜したり、上下に揺動しても、接地転輪2から外れないように走行姿勢を安定保持している。又、前後中間部の接地転輪2は、軸3Aを中心に揺動自在のイコライザー転輪構成としてあり、このイコライザ転輪の中央部にもクローラガイド15を設けてある。
【0040】
このように、クローラガイド15がクローラ幅Wの中央部の芯金突起13,13間のガイド溝14部に位置して、クローラ1の回転走行を案内する。これに対して、クローラガード7は、クローラ1の外側端縁部12の内周面上に沿って構成されて、外側からの障害物の侵入、介入を阻止する。そして、クローラガイド15に対してクローラガード7の位置を適宜高位置に設定している。作業者Mの足先N部がクローラガード7を踏んだ状態、乃至踏越えて、クローラ1の前後接地輪2,2間の間隔部からクローラ1の転動面部4に介入されても、足先Nは転動面部4の芯金突起13の回転部には接触し難く、内側のクローラガイド15によって受け止められて、クローラガード7による過誤の足先N踏込侵入を阻止することができる。
【0041】
前記車台18の後端部には、エンジン19、及び操作装置20を配置し、このエンジン19によって伝動装置39を介して、クローラ1後端上部の駆動スプロケット29を伝動回転して、クローラ1走行することができる。操作装置20は、ハンドル40の前側にサイドクラッチレバー41や、走行クラッチレバー42、変速レバー44等を配置している。又、一部の補助操作機構43を車体18の前端部に配置して、この車台18の前端部位置からも操作可能の構成としている。
【0042】
前記トラックフレーム27の前端部には、クローラ1の張圧を保持する非接地の端部転輪28を設けて、張りボルト44Bによって、一定の張圧力に維持している。
【符号の説明】
【0043】
1 クローラ
2 接地転輪(端部転輪)
3 転輪軸
4 転動面部
5 接地縁部
6 内周面
7 クローラガード
8 前端部
9 後端部
10 凹部
11 外側端縁
13 芯金突起
14 ガイド溝
15 クローラガイド
16 芯金
H 間
K 適宜高さ
W クローラ幅
W1 外側縁