(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シールド用タブ状接続部のピッチをPw、前記非シールド用タブ状接続部のピッチをPn、前記シールド用基板接続部のピッチ及び前記非シールド用基板接続部のピッチをPoとしたときに、Po=Pw/2+Pn/2である請求項1に記載の回路基板と基板用コネクタの接続構造。
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、前記シールド用タブ状接続部のピッチをPw、前記非シールド用タブ状接続部のピッチをPn、前記シールド用基板接続部のピッチ及び前記非シールド用基板接続部のピッチをPoとしたときに、Po=Pw/2+Pn/2としてもよい。この構成によれば、シールド用タブ状接続部のピッチPwとシールド用基板接続部のピッチPoの寸法差と、非シールド用タブ状接続部のピッチPnと非シールド用基板接続部のピッチPoの寸法差とが同じ寸法となるので、一対のシールド用端子金具と一対の非シールド用端子金具を共用化することができる。
【0012】
第1の発明は、前記シールド用端子金具は、前記シールド用タブ状接続部の後端と前記シールド用基板接続部とを繋ぐシールド用脚部を有しており、前記シールド用脚部が、前記シールド用タブ状接続部に対し左右方向において同心状に配されていてもよい。この構成によれば、左右一対のシールド用端子金具の間隔に起因する高い通信性能が回路基板の近傍まで維持される。
【0013】
第1の発明は、前記非シールド用端子金具は、前記非シールド用タブ状接続部の後端と前記非シールド用基板接続部とを繋ぐ非シールド用脚部を有しており、前記非シールド用脚部が、前記非シールド用タブ状接続部に対し左右方向において同心状に配されていてもよい。この構成によれば、左右一対の非シールド用端子金具の間隔に起因する高い通信性能が回路基板の近傍まで維持される。
【0014】
第2の発明は、前記端子金具は、前記タブ状接続部の後端と前記基板接続部とを繋ぐ脚部を有しており、前記脚部が、前記タブ状接続部に対し左右方向において同心状に配されていてもよい。この構成によれば、左右一対の端子金具の間隔に起因する高い通信性能が回路基板の近傍まで維持される。
【0015】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を
図1〜
図8を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後の方向については、
図3,7における上方及び
図4,8における左方を前方と定義する。上下の方向については、
図1,2,4,5,6,8にあらわれる向きを、そのまま上方、下方と定義する。左右の方向については、
図2,3,6,7にあらわれる向きを、そのまま左方、右方と定義する。
【0016】
本実施例1の接続構造は、イーサネット(登録商標)の高速通信回路に用いられるものである。この接続構造は、シールド用と非シールド用とで共通の回路基板10と、シールド用基板用コネクタ20(請求項に記載の基板用コネクタ)と、非シールド用基板用コネクタ35(請求項に記載の基板用コネクタ)とを備えて構成されている。回路基板10には、シールド用基板用コネクタ20と非シールド用基板用コネクタ35のいずれか一方のみが取り付けられる。
【0017】
<回路基板10>
回路基板10は水平な向きに配され、回路基板10の上面には、導体パターン(図示省略)が印刷により形成されている。
図3に示すように、回路基板10の前端縁よりも後方の領域には、導体パターンを構成する左右対称な一対のパッド11が配されている。一対のパッド11の平面視形状は、前後方向に細長い略長方形をなす。一対のパッド11は、所定のピッチPoで左右に並ぶように配置されている。
【0018】
回路基板10の上面のうち一対のパッド11より前方の領域は、シールド用基板用コネクタ20または非シールド用基板用コネクタ35を配置するための固定スペースとなっている。回路基板10の導体パターン及び回路基板10に実装される電子部品(図示省略)は、シールド用基板用コネクタ20と非シールド用基板用コネクタ35とで共通となっている。回路基板10は、電磁シールドされた筐体(図示省略)内に収容されている。
【0019】
<シールド用基板用コネクタ20>
シールド用基板用コネクタ20は、
図1〜4に示すように、シールド用端子保持部材21と、左右対称な一対の端子金具31(請求項に記載のシールド用端子金具及び非シールド用端子金具)とを備えて構成されている。シールド用端子保持部材21は、機能的には、回路基板10の上面に対して略鉛直をなす壁状のシールド用端子貫通部22と、シールド用端子貫通部22の外周縁から前方へ角筒状に延出したシールド用フード部23とを備えて構成されている。シールド用端子保持部材21は、部品構成的には、合成樹脂製の絶縁ハウジング24と、外導体28と、誘電体29とを組み付けて構成されている。
【0020】
絶縁ハウジング24は、シールド用端子貫通部22を構成するシールド用壁状本体部25と、シールド用壁状本体部25の外周縁から前方へ突出したシールド用フード部23とを有する単一部品である。シールド用壁状本体部25には、前後方向に貫通する取付孔26が形成されている。取付孔26には、シールド端子27が貫通状態で取り付けられている。
【0021】
シールド端子27は、側面視形状が略L字形に屈曲した角筒状の外導体28と、外導体28内の後端部に収容した誘電体29と、左右一対の端子金具31とを組み付けて構成されている。誘電体29には、前後方向に貫通する左右一対のシールド用圧入孔30が形成され、一対の端子金具31は、各シールド用圧入孔30を圧入状態で個別に貫通している。
【0022】
シールド端子27のうち外導体28の後端部は取付孔26内に嵌合されている。シールド端子27のうち外導体28の前端側領域と端子金具31の前端側領域(タブ状接続部32の前端側領域)は、シールド用壁状本体部25から前方へ突出してシールド用フード部23内に収容されている。シールド用端子貫通部22は、シールド用壁状本体部25と誘電体29とを備えて構成されている。一対の端子金具31は、シールド用端子貫通部22を貫通した状態でシールド用端子保持部材21に保持されている。
【0023】
図2,3に示すように、一対の端子金具31は、左右対称な形状である。各端子金具31は、1本の細長い金属材料を曲げ加工して所定形状に成形したものである。
図4に示すように、端子金具31は、タブ状接続部32(請求項に記載のシールド用タブ状接続部及び非シールド用タブ状接続部)と、脚部33(請求項に記載のシールド用脚部及び非シールド用脚部)と、基板接続部34(請求項に記載のシールド用基板接続部及び非シールド用基板接続部)とを備えている。
【0024】
タブ状接続部32は、前後方向(回路基板10の上面と平行な方向)に直線状に延びた形態であり、シールド用端子貫通部22のシールド用圧入孔30を前後方向に貫通している。タブ状接続部32の前端側領域は、シールド用端子貫通部22の前方へ突出してシールド用フード部23内に収容されている。タブ状接続部32の後端部は、シールド用端子貫通部22を構成する誘電体29の後方に突出し、外導体28の後端部で覆われている。
【0025】
脚部33は、タブ状接続部32の後端から略直角に下方(回路基板10に接近する方向)へ直線状に延出し、外導体28の後端部で覆われている。基板接続部34は、脚部33の下端から回路基板10の上面と略平行をなすように直線状に延出している。基板接続部34の幅寸法(左右方向の寸法)はパッド11の幅寸法よりも小さい。
図3に示すように、平面視において、一対の基板接続部34は一対のパッド11と重なるように配され、各基板接続部34は左右方向においてパッド11の中央位置に配されている。基板接続部34は、パッド11の上面に対しリフローハンダにより導通可能に固着されている。
【0026】
一対の端子金具31は、シールド用端子保持部材21に取り付けた状態で左右対称に配置されている。シールド用端子保持部材21に取り付けた状態における一対の端子金具31は、タブ状接続部32同士の左右方向のピッチPwが基板接続部34同士の左右方向のピッチPoより大きい寸法となっている。
図2,3に示すように、平面視及び背面視において、タブ状接続部32と脚部33は、幅方向(左右方向)の中心が合致した同心の位置関係にある。基板接続部34の幅方向中心は、タブ状接続部32及び脚部33に対して左右いずれかに偏心した位置関係である。即ち、左側に位置する端子金具31ではタブ状接続部32と脚部33が基板接続部34よりも左方へ偏心し、右側に位置する端子金具31ではタブ状接続部32と脚部33が基板接続部34よりも右方へ偏心している。
【0027】
シールド用基板用コネクタ20には、シールドハーネス(図示省略)の端末部に取り付けたシールドコネクタ(図示省略)が嵌合される。シールドハーネスは、一対の非シールド電線を編組線等の筒状シールド部材で包囲し、各非シールド電線に雌端子金具を固着した形態である。一対の雌端子金具は、シールドコネクタ内に収容され、シールドコネクタを構成するシールドシェルで包囲されている。シールドコネクタをシールド用基板用コネクタ20のシールド用フード部23に嵌合すると、一対の雌端子金具が一対のタブ状接続部32に個別に接続されるとともに、シールドシェルが外導体28に接続される。
【0028】
上記のように左右両タブ状接続部32のピッチPwは基板接続部34のピッチPoより広いのであるが、これは、左右両タブ状接続部32間の間隔を、シールド端子27におけるタブ状接続部32と外導体28との距離に合わせたことによるものである。タブ状接続部32と外導体28との距離は、シールドコネクタにおける雌端子金具とシールドシェルとの距離とおおむね同じ寸法である。タブ状接続部32と外導体28との距離は、シールド機能を勘案して最適となるように設定されている。
【0029】
<非シールド用基板用コネクタ35>
非シールド用基板用コネクタ35は、
図5〜8に示すように、非シールド用端子保持部材36と、左右対称な一対の端子金具31とを備えて構成されている。一対の端子金具31は、シールド用基板用コネクタ20を構成する一対の端子金具31と同じ部品を左右逆の配置となるように入れ換えたものである。非シールド用端子保持部材36は、全体形状としては、回路基板10の上面に対して略鉛直をなす壁状の非シールド用端子貫通部37と、非シールド用端子貫通部37の外周縁から前方へ角筒状に延出した非シールド用フード部38とを備えて構成されている。非シールド用端子保持部材36は、合成樹脂製のコネクタハウジング39からなる。
【0030】
コネクタハウジング39は、非シールド用端子貫通部37を構成する非シールド用壁状本体部40と、非シールド用壁状本体部40の外周縁から前方へ突出した非シールド用フード部38とを有する単一部品である。非シールド用壁状本体部40には、前後方向に貫通する左右一対の非シールド用圧入孔41が形成されている。一対の端子金具31は、各非シールド用圧入孔41を圧入状態で個別に貫通した状態で非シールド用端子保持部材36に保持されている。
【0031】
図6,7に示すように、非シールド用基板用コネクタ35における一対の端子金具31も、シールド用基板用コネクタ20と同様、左右対称な形状である。タブ状接続部32は、前後方向(回路基板10の上面と平行な方向)に直線状に延びた形態であり、非シールド用端子貫通部37の非シールド用圧入孔41を前後方向に貫通している。タブ状接続部32の前端側領域は、非シールド用端子貫通部37の前方へ突出して非シールド用フード部38内に収容されている。タブ状接続部32の後端部は、非シールド用端子貫通部37の後方に突出している。
【0032】
脚部33は、タブ状接続部32の後端から略直角に下方(回路基板10に接近する方向)へ直線状に延出している。基板接続部34は、脚部33の下端から回路基板10の上面と略平行をなすように直線状に延出している。
図7に示すように、平面視において、一対の基板接続部34は一対のパッド11と重なるように配され、各基板接続部34は左右方向においてパッド11の中央位置に配されている。基板接続部34は、パッド11の上面に対しリフローハンダにより導通可能に固着されている。
【0033】
一対の端子金具31は、非シールド用端子保持部材36に取り付けた状態で左右対称に配置されている。非シールド用端子保持部材36に取り付けた状態における一対の端子金具31は、タブ状接続部32同士の左右方向のピッチPnが基板接続部34同士の左右方向のピッチPoより小さい寸法となっている。即ち、非シールド用基板用コネクタ35では、シールド用基板用コネクタ20とは逆に、左側に位置する端子金具31のタブ状接続部32と脚部33が基板接続部34よりも右方へ偏心し、右側に位置する端子金具31のタブ状接続部32と脚部33が基板接続部34よりも左方へ偏心している。
【0034】
非シールド用基板用コネクタ35における基板接続部34同士の左右方向のピッチPoは、シールド用基板用コネクタ20における基板接続部34同士の左右方向のピッチPoと同じ寸法である。したがって、非シールド用基板用コネクタ35におけるタブ状接続部32のピッチPnは、シールド用基板用コネクタ20におけるタブ状接続部32のピッチPwより狭い。基板接続部34のピッチPoと、シールド用基板用コネクタ20におけるタブ状接続部32のピッチPwと、非シールド用基板用コネクタ35におけるタブ状接続部32のピッチPnは、Po=Pw/2+Pn/2という寸法関係となっている。
【0035】
この寸法関係により、一対の端子金具31をシールド用基板用コネクタ20と非シールド用基板用コネクタ35の両方で共用化できると同時に、回路基板10の一対のパッド11の位置関係をシールド用基板用コネクタ20と非シールド用基板用コネクタ35とで共通にすることができる。これにより、2種類の端子金具31と1種類の回路基板10だけで、シールド用基板用コネクタ20と非シールド用基板用コネクタ35の両方に対応することが可能となっている。
【0036】
非シールド用基板用コネクタ35には、ツイストペア線(図示省略)の端末部に取り付けた非シールドコネクタ(図示省略)が嵌合される。ツイストペア線は、一対の非シールド電線を所定のピッチで螺旋状に捻り合わせて1本のケーブル状にしたものであり、各非シールド電線に雌端子金具を固着した形態である。一対の雌端子金具は、非シールドコネクタ内に収容されている。非シールドコネクタを非シールド用基板用コネクタ35の非シールド用フード部38に嵌合すると、一対の雌端子金具が一対のタブ状接続部32に個別に接続される。
【0037】
<実施例1の作用及び効果>
本実施例1の接続構造は、回路基板10と、シールド用基板用コネクタ20と、非シールド用基板用コネクタ35とを備えており、シールド用基板用コネクタ20と非シールド用基板用コネクタ35のうち用途に応じて選択したいずれか一方が、回路基板10に取り付けられている。
【0038】
シールド用基板用コネクタ20は、回路基板10の上面に取付け可能なシールド用端子保持部材21と、シールド用端子保持部材21に保持された左右一対のシールド用の端子金具31とを備えている。一対の端子金具31は、シールド用端子保持部材21に貫通状態で保持されたシールド用のタブ状接続部32と、シールド用端子保持部材21の外部において回路基板10のパッド11に接続されるシールド用の基板接続部34とを有している。
【0039】
非シールド用基板用コネクタ35は、回路基板10の上面に取付け可能な非シールド用端子保持部材36と、非シールド用端子保持部材36に保持された左右一対の非シールド用の端子金具31とを備えている。一対の端子金具31は、シールド用の端子金具31と同じ部品であり、非シールド用端子保持部材36に貫通状態で保持された非シールド用のタブ状接続部32と、非シールド用端子保持部材36の外部において回路基板10のパッド11に接続される非シールド用の基板接続部34とを有している。
【0040】
シールド用基板用コネクタ20に取り付けた一対の端子金具31が、タブ状接続部32のピッチが基板接続部34のピッチより広いのに対し、非シールド用基板用コネクタ35に取り付けた一対の端子金具31は、タブ状接続部32のピッチが非シールド用基板接続部34のピッチより狭い。一方、シールド用基板用コネクタ20における基板接続部34のピッチと、
非シールド用基板用コネクタ35における基板接続部34のピッチは、概ね同じ寸法となっている。
【0041】
この構成によれば、シールド用基板用コネクタ20における基板接続部34のピッチと非シールド用基板用コネクタ35における基板接続部34のピッチが概ね同じ寸法なので、シールド用の回路基板10のパッド11の間隔と、非シールド用の回路基板10のパッド11の間隔とを同じピッチに設定することができる。これにより、シールド用の回路基板10と非シールド用の回路基板10を共用化することが実現できた。
【0042】
また、シールド用基板用コネクタ20におけるタブ状接続部32のピッチをPw、非シールド用基板用コネクタ35におけるタブ状接続部32のピッチをPn、シールド用基板用コネクタ20における基板接続部34のピッチ及び非シールド用基板用コネクタ35における基板接続部34のピッチをPoとしたときに、Po=Pw/2+Pn/2となっている。この構成によれば、シールド用基板用コネクタ20におけるタブ状接続部32のピッチPwと基板接続部34のピッチPoの寸法差と、非シールド用基板用コネクタ35におけるタブ状接続部32のピッチPnと基板接続部34のピッチPoの寸法差とが同じ寸法となるので、シールド用基板用コネクタ20と非シールド用基板用コネクタ35とで一対の端子金具31を共用化することができる。
【0043】
また、シールド用基板用コネクタ20の端子金具31は、タブ状接続部32の後端と基板接続部34とを繋ぐ脚部33を有しており、脚部33は、左右方向においてタブ状接続部32と同心状に配されている。この構成によれば、左右一対の端子金具31の間隔を適正に設定したことによる高い通信性能が回路基板10の近傍まで維持されている。同様に、非シールド用基板用コネクタ35においても、端子金具31は、タブ状接続部32の後端と基板接続部34とを繋ぐ脚部33を有しており、脚部33がタブ状接続部32に対し左右方向において同心状に配されている。したがって、非シールド用基板用コネクタ35においても、左右一対の端子金具31の間隔に起因する高い通信性能が回路基板10の近傍まで維持されている。
【0044】
<実施例2>
次に、本発明を具体化した実施例2を
図9〜
図12を参照して説明する。本実施例2の接続構造は、シールド用基板用コネクタ42及び非シールド用基板用コネクタ47に取り付けられた左右対称な一対の端子金具43を、上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0045】
シールド用基板用コネクタ42の左右一対の端子金具43(請求項に記載のシールド用端子金具、非シールド用端子金具)は、シールド用端子貫通部22を貫通した状態でシールド用端子保持部材21に保持されている。
図9,10に示すように、一対の端子金具43は、左右対称な形状である。各端子金具43は、1本の細長い金属材料を曲げ加工して所定形状に成形したものである。端子金具43は、タブ状接続部44(請求項に記載のシールド用タブ状接続部及び非シールド用タブ状接続部)と、脚部45(請求項に記載のシールド用脚部及び非シールド用脚部)と、基板接続部46(請求項に記載のシールド用基板接続部及び非シールド用基板接続部)とを備えている。
【0046】
タブ状接続部44は、前後方向(回路基板10の上面と平行な方向)に直線状に延びた形態であり、シールド用端子貫通部22のシールド用圧入孔30を前後方向に貫通している。タブ状接続部44の前端側領域は、シールド用端子貫通部22の前方へ突出してシールド用フード部23内に収容されている。タブ状接続部44の後端部は、シールド用端子貫通部22を構成する誘電体(図示省略)の後方に突出し、外導体28の後端部で覆われている。
【0047】
脚部45は、タブ状接続部44の後端から略直角に下方(回路基板10に接近する方向)へ延出し、外導体の後端部で覆われている。脚部45の背面視形状は、概ね上下方向に延びる上端側領域と概ね上下方向に延びる下端側領域とが左右にずれたように屈曲している。基板接続部46は、脚部45の下端から回路基板10の上面と略平行をなすように直線状に延出している。基板接続部46の幅寸法(左右方向の寸法)はパッド11の幅寸法よりも小さい。
図10に示すように、平面視において、一対の基板接続部46は一対のパッド11と重なるように配され、各基板接続部46は左右方向においてパッド11の中央位置に配されている。基板接続部46は、パッド11の上面に対しリフローハンダにより導通可能に固着されている。
【0048】
一対の端子金具43は、タブ状接続部44同士の左右方向のピッチPwが基板接続部46同士の左右方向のピッチPoより大きい寸法となっている。
図9,10に示すように、平面視及び背面視において、タブ状接続部44と脚部45の上端側領域は、幅方向(左右方向)の中心が合致した同心の位置関係にある。脚部45の下端側領域と基板接続部46も、幅方向(左右方向)の中心が合致した同心の位置関係にある。脚部45の上端側領域と脚部45の下端側領域は左右いずれかに偏心した位置関係である。左側に位置する端子金具43では、タブ状接続部44と脚部45の上端側領域が、脚部45の下端側領域と基板接続部46に対して左方へ偏心しており、右側に位置する端子金具43では、タブ状接続部44と脚部45の上端側領域が脚部45の下端側領域と基板接続部46に対して右方へ偏心している。
【0049】
非シールド用基板用コネクタ47の一対の端子金具43は、各非シールド用圧入孔41を圧入状態で個別に貫通した状態で非シールド用端子保持部材36に保持されている。
図11,12に示すように、非シールド用基板用コネクタ47における一対の端子金具43も、シールド用基板用コネクタ42と同様、左右対称な形状である。タブ状接続部44は、前後方向(回路基板10の上面と平行な方向)に直線状に延びた形態であり、非シールド用端子貫通部37の非シールド用圧入孔41を前後方向に貫通している。タブ状接続部44の前端側領域は、非シールド用端子貫通部37の前方へ突出して非シールド用フード部38内に収容されている。タブ状接続部44の後端部は、非シールド用端子貫通部37の後方に突出している。
【0050】
脚部45は、タブ状接続部44の後端から略直角に下方(回路基板10に接近する方向)へ直線状に延出している。基板接続部46は、脚部45の下端から回路基板10の上面と略平行をなすように直線状に延出している。
図12に示すように、平面視において、一対の基板接続部46は一対のパッド11と重なるように配され、各基板接続部46は左右方向においてパッド11の中央位置に配されている。基板接続部46は、パッド11の上面に対しリフローハンダにより導通可能に固着されている。
【0051】
非シールド用基板用コネクタ47では、シールド用基板用コネクタ42とは逆に、一対の端子金具43のタブ状接続部44同士の左右方向のピッチPnが、基板接続部46同士の左右方向のピッチPoより小さい寸法となっている。即ち、左側に位置する端子金具43では、タブ状接続部44と脚部45の上端側領域が、脚部45の下端側領域と基板接続部46に対して右方へ偏心している。右側に位置する端子金具43では、タブ状接続部44と脚部45の上端側領域が脚部45の下端側領域と基板接続部46に対して左方へ偏心している。
【0052】
非シールド用基板用コネクタ47における基板接続部46同士の左右方向のピッチPoは、シールド用基板用コネクタ42における基板接続部46同士の左右方向のピッチPoと同じ寸法である。したがって、非シールド用基板用コネクタ47におけるタブ状接続部44のピッチPnは、シールド用基板用コネクタ42におけるタブ状接続部44のピッチPwより狭い。基板接続部46のピッチPoと、シールド用基板用コネクタ42におけるタブ状接続部44のピッチPwと、非シールド用基板用コネクタ47におけるタブ状接続部44のピッチPnは、Po=Pw/2+Pn/2という寸法関係となっている。
【0053】
この寸法関係により、一対の端子金具43をシールド用基板用コネクタ42と非シールド用基板用コネクタ47の両方で共用化できると同時に、回路基板10の一対のパッド11の位置関係をシールド用基板用コネクタ42と非シールド用基板用コネクタ47とで共通にすることができる。これにより、2種類の端子金具43と1種類の回路基板10だけで、シールド用基板用コネクタ42と非シールド用基板用コネクタ47の両方に対応することが可能となっている。
【0054】
<実施例3>
次に、本発明を具体化した実施例3を
図13〜
図16を参照して説明する。本実施例3の接続構造は、シールド用基板用コネクタ48及び非シールド用基板用コネクタ49に取り付けられた左右対称な一対の端子金具50を、上記実施例1とは異なる構成としたものである。その他の構成については上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0055】
シールド用基板用コネクタ48の左右一対の端子金具50(請求項に記載のシールド用端子金具、非シールド用端子金具)は、シールド用端子貫通部22を貫通した状態でシールド用端子保持部材21に保持されている。
図13,14に示すように、一対の端子金具50は、左右対称な形状である。各端子金具50は、1本の細長い金属材料を曲げ加工して所定形状に成形したものである。端子金具50は、タブ状接続部51(請求項に記載のシールド用タブ状接続部及び非シールド用タブ状接続部)と、脚部52(請求項に記載のシールド用脚部及び非シールド用脚部)と、基板接続部53(請求項に記載のシールド用基板接続部及び非シールド用基板接続部)とを備えている。
【0056】
タブ状接続部51は、前後方向(回路基板10の上面と平行な方向)に直線状に延びた形態であり、シールド用端子貫通部22のシールド用圧入孔30を前後方向に貫通している。タブ状接続部51の前端側領域は、シールド用端子貫通部22の前方へ突出してシールド用フード部23内に収容されている。タブ状接続部51の後端部は、シールド用端子貫通部22を構成する誘電体(図示省略)の後方に突出し、外導体28の後端部で覆われている。
【0057】
脚部52は、タブ状接続部51の後端から略直角に下方(回路基板10に接近する方向)へ直線状に延出し、外導体の後端部で覆われている。基板接続部53は、脚部52の下端から回路基板10の上面と略平行をなすように直線状に延出している。基板接続部53の幅寸法(左右方向の寸法)はパッド11の幅寸法よりも小さい。
図14に示すように、平面視において、一対の基板接続部53は一対のパッド11と重なるように配され、各基板接続部53は左右方向においてパッド11の中央位置に配されている。基板接続部53は、パッド11の上面に対しリフローハンダにより導通可能に固着されている。
【0058】
一対の端子金具50は、タブ状接続部51同士の左右方向のピッチPwが基板接続部53同士の左右方向のピッチPoより大きい寸法となっている。
図13,14に示すように、平面視及び背面視において、脚部52と基板接続部53は、幅方向(左右方向)の中心が合致した同心の位置関係にある。タブ状接続部51は、脚部52と基板接続部53に対して左右いずれかに偏心した位置関係である。左側に位置する端子金具50では、タブ状接続部51が脚部52と基板接続部53に対して左方へ偏心しており、右側に位置する端子金具50では、タブ状接続部51が脚部52と基板接続部53に対して右方へ偏心している。
【0059】
非シールド用基板用コネクタ49の一対の端子金具50は、各非シールド用圧入孔41を圧入状態で個別に貫通した状態で非シールド用端子保持部材36に保持されている。
図15,16に示すように、非シールド用基板用コネクタ49における一対の端子金具50も、シールド用基板用コネクタ48と同様、左右対称な形状である。タブ状接続部51は、前後方向(回路基板10の上面と平行な方向)に直線状に延びた形態であり、非シールド用端子貫通部37の非シールド用圧入孔41を前後方向に貫通している。タブ状接続部51の前端側領域は、非シールド用端子貫通部37の前方へ突出して非シールド用フード部38内に収容されている。タブ状接続部51の後端部は、非シールド用端子貫通部37の後方に突出している。
【0060】
脚部52は、タブ状接続部51の後端から略直角に下方(回路基板10に接近する方向)へ直線状に延出している。基板接続部53は、脚部52の下端から回路基板10の上面と略平行をなすように直線状に延出している。
図16に示すように、平面視において、一対の基板接続部53は一対のパッド11と重なるように配され、各基板接続部53は左右方向においてパッド11の中央位置に配されている。基板接続部53は、パッド11の上面に対しリフローハンダにより導通可能に固着されている。
【0061】
非シールド用基板用コネクタ49では、シールド用基板用コネクタ48とは逆に、一対の端子金具50のタブ状接続部51同士の左右方向のピッチPnが、基板接続部53同士の左右方向のピッチPoより小さい寸法となっている。即ち、左側に位置する端子金具50では、タブ状接続部51が脚部52と基板接続部53に対して右方へ偏心している。右側に位置する端子金具50では、タブ状接続部51が脚部52と基板接続部53に対して左方へ偏心している。
【0062】
非シールド用基板用コネクタ49における基板接続部53同士の左右方向のピッチPoは、シールド用基板用コネクタ48における基板接続部53同士の左右方向のピッチPoと同じ寸法である。したがって、非シールド用基板用コネクタ49におけるタブ状接続部51のピッチPnは、シールド用基板用コネクタ48におけるタブ状接続部51のピッチPwより狭い。基板接続部53のピッチPoと、シールド用基板用コネクタ48におけるタブ状接続部51のピッチPwと、非シールド用基板用コネクタ49におけるタブ状接続部51のピッチPnは、Po=Pw/2+Pn/2という寸法関係となっている。
【0063】
この寸法関係により、一対の端子金具50をシールド用基板用コネクタ48と非シールド用基板用コネクタ49の両方で共用化できると同時に、回路基板10の一対のパッド11の位置関係をシールド用基板用コネクタ48と非シールド用基板用コネクタ49とで共通にすることができる。これにより、2種類の端子金具50と1種類の回路基板10だけで、シールド用基板用コネクタ48と非シールド用基板用コネクタ49の両方に対応することが可能となっている。
【0064】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1〜3では、一対のシールド用端子金具と一対の非シールド用端子金具を共用化したが、一対のシールド用端子金具と一対の非シールド用端子金具は、互いに形状の異なる専用の端子金具であってもよい。
(2)上記実施例1〜3では、一対のシールド用端子金具を左右対称な形状としたが、一対のシールド用端子金具は左右非対称であってもよい。
(3)上記実施例1〜3では、一対の非シールド用端子金具を左右対称な形状としたが、一対の非シールド用端子金具は左右非対称であってもよい。