(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示処理部は、各前記データ図形のうち前記マーカーが表示されている前記データ図形を特定するための特定表示を前記表示部に表示する特定表示処理を更に実行可能である、
請求項1又は2に記載のデータ解析用のデータ表示装置。
前記表示処理部は、前記下限サイズ未満となった前記データ図形が複数ある場合であって、前記下限サイズ未満となった複数の前記データ図形についての前記マーカーが重なる場合は、その重なる各前記マーカーをまとめて1つのマーカーとして表示する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のデータ解析用のデータ表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示されるデータの縮尺を変更した場合に、解析者に誤解を与えることを抑制できる
データ解析用のデータ表示装置、及び
データ解析用のデータ表示プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(請求項1)
請求項1に記載のデータ表示装置は、図形を表示可能な表示部と、
データ解析に用いる複数のデータを
可視化してデータ図形として並べて前記表示部に表示する処理を実行可能であるとともに前記データ図形の縮尺を変更する処理を実行可能な表示処理部と、を備えている。前記表示処理部は、前記データ図形の縮尺を変更する際に、各前記データ図形のサイズの比率を保持したまま前記データ図形の縮尺の変更に合わせて各前記データ図形のサイズを変更した場合に各前記データ図形のうち変更後の前記データ図形のサイズが予め設定された下限サイ
ズ未満となるものが発生したときはその下限サイズ未満となった
前記データ図形の位置を特定するためのマーカーを前記表示部に表示するマーカー表示処理を実行することができる。
【0007】
これによれば、解析者がデータ全体を見渡そうとして表示の縮尺を小さくし、その結果、個々のデータ図形が小さくなり過ぎて消失つまり欠落したように見えた場合であっても、解析者は、マーカーの存在及び位置を確認することで、データ図形の消失が発生していることを直感的に容易に認識することができる。これにより、解析者は、データ全体について正確に把握し易くなり、その結果、解析者の誤解を抑制することができる。
【0008】
(請求項2)
請求項2に記載のデータ表示装置において、前記表示処理部は、前記マーカーを下限サイズ未満となった前記データ図形に接して表示する。これによれば、マーカーは、表示部に表示されている各データ図形の全体に対してどの位置にデータ図形の消失が発生しているかを示す目印となる。したがって、解析者は、マーカーの表示位置を見ることで、どこにデータ図形の消失が発生しているかを更に直感的に把握し易くなる。
【0009】
(請求項3)
請求項3に記載のデータ表示装置において、前記表示処理部は、各前記データ図形のうち前記マーカーが表示されている前記データ図形を特定するための特定表示を前記表示部に表示する特定表示処理を更に実行可能である。これによれば、解析者は、特定表示を見ることで、マーカーの対象となったデータ図形つまり表示部から消失して見えるデータ図形の種類を容易に確認することができる。
【0010】
(請求項4)
ところで、例えば表示内容の縮小に伴って下限サイズ未満となってしまうデータ図形が隣接して複数存在していた場合、各データ図形についてそれぞれ個別にマーカーを表示すると、そのマーカーが重なって見難くなってしまう場合がある。また、各マーカーが重なることを避けて表示しようとした場合には、そのマーカーがずれて正確な位置を指し示さなくなるばかりか、そのマーカーの位置のずれが他のマーカーに波及してしまう可能性がある。すると、解析者は、下限サイズ未満となって消失したデータ図形が何処にあるのかを理解し難くなり、かえって解析者に誤解を与えてしまう可能性がある。更に、そればかりでなく、マーカーの表示が煩雑となってデータの鳥瞰的な解析を阻害することにもなりかねない。
【0011】
そこで、請求項4に記載のデータ表示装置において、前記表示処理部は、前記下限サイズ未満となった前記データ図形が複数ある場合であって、前記下限サイズ未満となった複数の前記データ図形についての前記マーカーが重なる場合は、その重なる各前記マーカーをまとめて1つのマーカーとして表示する。
【0012】
これによれば、例えば隣接する複数のデータ図形が下限サイズ未満となって消失してしまった場合であっても、マーカーの表示が煩雑になることを避けることができる。したがって、解析者は、マーカーが指し示す位置つまり消失したデータ図形が存在している位置を一見して正確に把握することができ、その結果、鳥瞰的なデータの把握がよりし易くなる。
【0013】
(請求項5)
請求項5に記載のデータ表示プログラムは、請求項1のデータ表示装置を実現するものである。このデータ表示プログラムを、例えば既存のパーソナルコンピュータ等によって実行することで、既存のパーソナルコンピュータ等に、請求項1のデータ表示装置としての機能を付加することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、複数の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0016】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について、
図1〜
図7を参照して説明する。
図1に示すデータ表示装置10は、例えば工場に設置された生産設備等から収集した稼働状況等の各種データを、そのデータの解析者が理解し易いように棒状のデータ図形いわゆるデータバーとして提示することができる装置である。なお、本実施形態において、データ図形とは、データ表示装置10が表示対象とするデータを図形として可視化したものである。データ表示装置10は、
図1に示すように、表示部11、入力部12、及び制御部20を備えている。データ表示装置10は、例えばデータ表示装置10を実現するための専用のコンピュータであっても良いし、例えば汎用的なパーソナルコンピュータやいわゆるスマートフォン又はタブレット端末等の高機能携帯端末であっても良い。
【0017】
表示部11は、例えば液晶ディスプレイ等であって、図形及び文字等の各種情報を表示可能である。入力部12は、ユーザの入力操作を受け付けるものである。入力部12は、例えば表示部11に一体に組み込まれたタッチパネルや、マウス及びキーボードなど表示部11とは別体に構成されたインタフェース等である。ユーザは、例えば表示部11に表示された操作用の各種アイコンをタッチ操作又はマウス等を用いて操作することにより、入力部12に対して操作入力を行うことができる。
【0018】
制御部20は、データ表示装置10全体の制御を司っている。制御部20は、CPU201や、ROM、RAM、及び書き換え可能なフラッシュメモリ等の記憶領域202を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。記憶領域202は、データ表示装置10を実現するためのデータ表示プログラムを記憶している。
【0019】
制御部20は、CPU201において、記憶領域202に記憶されているデータ表示プログラムをCPU201において実行することにより、表示処理部21等をソフトウェア的に実現する。なお、これら表示処理部21等は、例えば制御部20等と一体の集積回路としてハードウェア的に実現しても良い。
【0020】
表示処理部21は、表示処理を実行可能である。表示処理は、
図2〜
図4に示すような複数、例えば「製品A」、「停止」、「製品B」の3種類のデータを、それぞれ例えば棒状のデータ図形であるデータバー31、32、33として並べて表示部11に表示する処理である。本実施形態の場合、表示処理部21は、各データの時系列に沿って一方向に並べて各データバー31、32、33を表示する。
【0021】
この場合、「製品A」に関するデータバー31は、例えばデータ解析の対象となる生産設備が製品Aを製造するために稼働していたことを示すものである。また、「停止」に関するデータバー32は、例えばデータ解析の対象となる生産設備が例えば生産設備の段取りやメンテナンス等のために停止していたことを示すものである。そして、「製品B」に関するデータバー33は、例えばデータ解析の対象となる生産設備が製品Bを製造するために稼働していたことを示すものである。なお、解析に用いる各データは、上述したような生産設備の稼働状況及び停止状況を示すものに限られない。
【0022】
ここで、
図2〜
図4における紙面右方向つまり各データバー31、32、33が並んでいる横方向の長さ寸法は、各データが示す状態の維持期間、この場合、データ解析の対象となる生産設備の稼働時間又は停止時間を意味する。表示処理部21は、各データについて、そのデータが示す状態が維持された期間を、各データバー31、32、33の横方向の長さ寸法を変えることで表現する。
【0023】
例えば
図2に示す1周期DLは、対象となる生産装置において「製品A」の製造のための稼働と「停止」と「製品B」の製造のための稼働とがそれぞれ1回ずつ行われた期間を意味する。この場合、1周期DLの間において、「製品A」の製造のために生産設備が稼働していた期間L1と、生産設備が「停止」していた期間L2と、「製品B」の製造のために生産設備が稼働していた期間L3との比率は、18:2:20となっている。したがって、
図2の例において、表示処理部21は、各データバー31、32、33の長さ寸法の比率を18:2:20に設定して、各データバー31、32、33を表示部11に表示する。
【0024】
また、表示処理部21は、ユーザの操作に基づいて、各データバー31、32、33の縮尺を変更する処理、すなわち各データバー31、32、33の表示範囲を変更する処理を行うことができる。ここで、本実施形態において、表示部11に表示される表示内容の縮尺を大きくするということは、表示範囲を縮小するということ、すなわち
図3、
図2の順に示すように、表示部11の一画面に同時に表示される各データバー31、32、33の数を減らす代わりに、表示部11に表示される各データバー31、32、33の個々のサイズつまり長さを大きくすることを意味する。換言すれば、本実施形態において、縮尺を大きくするということは、各データバー31、32、33についてズームインして表示することを意味する。
【0025】
一方、本実施形態において、表示部11に表示される表示内容の縮尺を小さくするということは、表示範囲を拡大すること、すなわち
図2、
図3の順に示すように、表示部11に表示される各データバー31、32、33の個々のサイズを小さくする代わりに、表示部11の一画面に同時に表示される各データバー31、32、33の数を増やすことを意味する。換言すれば、本実施形態において、縮尺を大きくするということは、各データバー31、32、33についてズームアウトして表示することを意味する。
【0026】
表示処理部21は、
図2等に示すように、縮尺表示34、拡大ボタン35、及び縮小ボタン36を表示部11上に表示する処理を実行することができる。縮尺表示34は、表示部11に表示されている各データバー31、32、33の現在の縮尺を示すものである。拡大ボタン35は、各データバー31、32、33の表示内容を拡大つまり表示範囲を縮小するための操作用のアイコンである。ユーザは、拡大ボタン35を操作することにより、例えば
図3、
図2の順に示すように表示部11に一度に表示される各データバー31、32、33の数を減らして各データバー31、32、33の個々のサイズを大きくすることができる。これにより、ユーザは、各データバー31、32、33をより詳細に見ることができる。
【0027】
縮小ボタン36は、各データバー31、32、33の表示内容を縮小つまり表示範囲を拡大するための操作用のアイコンである。ユーザは、縮小ボタン36を操作することにより、
図2、
図3の順に示すように表示部11に表示される個々のデータバー31、32、33のサイズすなわち長さ寸法を縮小して、表示部11に一度に表示されるデータバー31、32、33の数を増やすことができる。これにより、ユーザは、各データバー31、32、33の全体をより鳥瞰的に見ることができる。
【0028】
ここで、例えば
図2の例において、データバー32のように他のデータバー31、33に比べてもともとの長さ寸法が小さいものは、データバー31、32、33の表示範囲を拡大してつまり縮尺を小さくして各データバー31、32、33のサイズが小さくなると、
図4に示すように両側に隣接するデータバー31、32の境界に重なって見た目上消失してしまう。すると、解析者は、実際にはデータバー32が存在しているにもかかわらず、データバー32が存在していないと誤解してしまうおそれがある。
【0029】
そこで、本実施形態の表示処理部21は、マーカー表示処理を実行することができる。マーカー表示処理は、データバー31、32、33の表示範囲つまり縮尺を変更する際に、各データバー31、32、33の長さの比率を保持したまま各データバー31、32、33の縮尺の変更に合わせて各データバー31、32、33の長さL1、L2、L3を変更した場合において、各データバー31、32、33のうち変更後のデータバー31、32、33の長さL1、L2、L3が予め設定された下限サイズLmin未満となるものが発生したときはその下限サイズLmin未満となったデータバーを特定するためのマーカー38を表示部11に表示する処理である。この場合、表示処理部21は、下限サイズLmin未満となったデータバーを表示しても良いし、非表示としても良い。
【0030】
具体的には、データ表示装置10は、データバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3について、下限サイズLminを予め設定している。なお、本実施形態において、データバー31、32、33のサイズとは、各データバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3を意味する。下限サイズLminは、マーカー38を表示するための閾値であり、本実施形態の場合、各データバー31、32、33で共通の値に設定されている。データ表示装置10は、各データバー31、32、33の長さL1、L2、L3が下限サイズLmin未満となったときに、マーカー38を表示する。この場合、下限サイズLminは、例えば各データバー31、32、33が下限サイズLminで表示された場合に、少なくとも解析者がそのデータバー31、32、33の存在を認識できる程度に小さい値に設定されている。
【0031】
すなわち、下限サイズLminは、その長さより小さい値でデータバー31、32、33が表示された場合に、解析者による目視による認識が困難になるであろうと推定される設定上の下限値を意味する。この下限サイズLminは、予めデータ表示装置10の製造メーカによって設定しても良いし、解析者によって任意に設定しても良い。また、下限サイズLminは、表示部11の解像度に応じて適宜変更しても良い。なお、各データバー31、32、33の高さ寸法つまり幅寸法については、縮尺の変更に伴って適宜変更しても良いし、縮尺に関係の無い一定値であっても良い。
【0032】
本実施形態の場合、下限サイズLminを「1」とし、各データバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3の基準値とする。なお、下限サイズLmin及び各データバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3の単位は例えばピクセルとすることができる。そして、基準となる下限サイズLminの具体的なピクセル数は、表示部11の解像度等に応じて適宜設定することができる。
【0033】
表示処理部21は、表示範囲の変更すなわち縮尺が変更されると、その変更後の縮尺における各データバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3を算出する。この場合、変更後の長さ寸法L1、L2、L3とは、各データバー31、32、33の変更前つまり縮尺が1/1であるときの各長さ寸法L1、L2、L3の比率を維持したまま、変更後の縮尺に合わせて各データバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3を変更したときの値を意味する。
【0034】
解析者が拡大ボタン35又は縮小ボタン36を操作して縮尺を変更すると、表示処理部21は、変更後のデータバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3で、それぞれのデータバー31、32、33を表示する。そして、表示処理部21は、各データバー31、32、33のうちその長さ寸法L1、L2、L3が予め設定された下限サイズLmin未満となったものがある場合は、その下限サイズLminとなったデータバーを特定するためのマーカー38を表示する。
【0035】
例えば
図2の例では、縮尺が1/1のとき、各データバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3はL1:L2:L3=18:2:20となっている。この場合、各データバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3は、いずれも下限サイズLmin以上である。したがって、この場合、表示処理部21は、マーカー38を表示しない。
【0036】
また、
図3に示すように、縮尺が1/2に変更されると、各データバー31、32、33の表示範囲が拡大されて、個々のデータバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3が小さくなる。この場合、各データバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3はL1:L2:L3=9:1:10であり、いずれも下限サイズLmin以上である。したがって、この場合も、表示処理部21は、マーカー38を表示しない。
【0037】
一方、
図4に示すように、縮尺が1/10に変更されると、各データバー31、32、33の表示範囲が更に拡大されて、個々のデータバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3が更に小さくなる。このときの各データバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3は、L1:L2:L3=1.8:0.2:2となる。つまり、この場合、データバー32の長さ寸法L2が下限サイズLmin未満となっている。したがって、表示処理部21は、データバー32についてマーカー表示処理を実行し、マーカー38を表示部11に表示する。
【0038】
本実施形態の場合、マーカー38は、例えば三角形の図形で構成されているが、これに限られず、矩形や円形の図形、若しくは記号等で構成しても良い。また、本実施形態の場合、表示処理部21は、下限サイズLmin未満となったデータバーの代替としてマーカー38を表示する。そのため、表示処理部21は、データバー32についてマーカー38を表示する場合は、下限サイズLmin未満となったデータバー32は非表示とする。なと、表示処理部21は、下限サイズLmin未満となったデータバーを表示するとともに、その下限サイズLmin未満となったデータバーについてのマーカー38を表示する構成としても良い。すなわち、表示処理部21は、マーカー38とともにデータバー32を表示する構成であっても良い。
【0039】
また、例えば
図4に示すように、表示処理部21は、マーカー38を、下限サイズLmin未満となったデータバー32に接するようにして表示する。この場合、表示処理部21は、マーカー38を、各データバー31、32、33の並び方向に対して直角方向であって下限サイズLminとなったデータバー32の外側に表示する。すなわち、
図4の例では、表示処理部21は、マーカー38を、データバー32の上下方向の外側でかつデータバー32に接した状態で表示する。
【0040】
また、表示処理部21は、特定表示処理を実行可能である。特定表示処理は、各データバー31、32、33のうちマーカー38が表示されているデータバー32を特定するための特定表示37を表示部11に表示する処理である。例えば
図4では、「停止」を意味するデータバー32についてのマーカー38が表示されている。そのため、表示処理部21は、特定表示37として「停止」の文字を表示し、マーカー表示処理の対象つまりマーカー38の対象が「停止」に関するデータバー32であることを表示している。なお、マーカー38が表示されていない場合、表示処理部21は、
図2及び
図3に示すように、特定表示37の表示領域に「なし」の文字を表示する。
【0041】
次に、
図5も参照して、縮尺が変更された際に行われる表示処理の流れについて説明する。表示処理部21は、拡大ボタン35又は縮小ボタン36の操作に基づいて縮尺が変更されると(スタート)、ステップS11において、選択された縮尺における各データバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3を算出する。次に、表示処理部21は、ステップS21において、算出した長さL1、L2、L3で各データバー31、32、33を表示部11に表示する。
【0042】
次に、表示処理部21は、ステップS13において、ステップS11で算出した各データバー31、32、33つまりステップS12で表示部11に表示した各データバー31、32、33の中に、長さ寸法L1、L2、L3が下限サイズLmin未満となっているものがあるか否かを判断する。例えば
図2及び
図3に示すように、全てのデータバー31、32、33の長さ寸法L1、L2、L3が下限サイズLmin以上であれば(
図5のステップS13でNO)、表示処理部21は、ステップS14のマーカー表示処理及びステップS15の特定表示処理を実行することなく、一連の処理を終了する(エンド)。
【0043】
一方、例えば
図4に示すように、表示部11に表示されるデータバー31、32、33のうち長さ寸法L1、L2、L3が下限サイズLmin未満となるものがある場合(
図5のステップSS13でYES)、表示処理部21は、ステップS14へ処理を移行させてマーカー表示処理を実行する。これにより、表示処理部21は、
図4に示すように、下限サイズLminとなったデータバー32について、表示部11上にマーカー38を表示する。
【0044】
そして、次に、表示処理部21は、
図5のステップS15へ処理を移行させて特定表示処理を実行する。これにより、表示処理部21は、マーカー表示処理の対象となっているつまりマーカー38が付されているデータバー32を特定するための特定表示37として、例えば「停止」の文字を表示部11に表示する。そして、表示処理部21は、一連の処理を終了する(エンド)。
【0045】
以上説明した実施形態によれば、データ表示装置10は、図形を表示可能な表示部11と、表示処理部21と、を備えている。表示処理部21は、複数のデータをデータ図形の一形態であるデータバー31、32、33として表示部11に表示する処理を実行可能であるとともに、データバー31、32、33の縮尺を変更する処理を実行可能である。
【0046】
また、表示処理部21は、データバー31、32、33の縮尺を変更する際に、各データバー31、32、33のサイズつまり長さL1、L2、L3の比率を保持したままデータバー31、32、33の縮尺の変更に合わせて各データバー31、32、33の長さL1、L2、L3を変更した場合に、各データバー31、32、33のうち変更後のデータバー31、32、33の長さL1、L2、L3が予め設定された下限サイズLmin未満となるものが発生したときはその下限サイズLmin未満となったデータバー31、32、33の位置を特定するためのマーカー38を表示部11に表示する。すなわち、本実施形態によれば、表示処理部21は、縮尺の縮小に伴って小さくなり過ぎて見えなるデータバーについてマーカー38を表示する。
【0047】
これによれば、解析者がデータ全体を見渡そうとして表示の縮尺を小さくし、その結果、個々のデータバー31、32、33が小さくなり過ぎて、例えば
図4のデータバー32のように消失つまり欠落したように見えた場合であっても、解析者は、マーカー38の存在及び位置を確認することで、データバー32の消失が発生していることを直感的に容易に認識することができる。これにより、解析者は、データ全体について正確に把握し易くなり、その結果、解析者の誤解を抑制することができる。
【0048】
表示処理部21は、例えば
図4に示すように、マーカー38を下限サイズLmin未満となったデータバー32に接して表示する。これによれば、マーカー38は、表示部11に表示されている各データバー31、32、33の全体に対してどの位置にデータバーの消失が発生しているかを示す目印となる。したがって、解析者は、マーカー38の表示位置を見ることで、どこにデータバーの消失が発生しているかを更に直感的に把握し易くなる。
【0049】
表示処理部21は、各データバー31、32、33のうちマーカー38が表示されているデータバー31、32、33を特定するための特定表示37を表示部11に表示する特定表示処理を更に実行可能である。これによれば、解析者は、特定表示37を見ることで、マーカー38の対象となったデータバー32つまり表示部11から消失して見えるデータバー32の種類を容易に確認することができる。
【0050】
なお、本実施形態において、例えば各データバー31、32、33は、紙面に対して上下方向に並べて表示しても良い。
また、各データバー31、32、33は、必ずしも全て目視可能な状態で表示部11に表示する必要はない。
すなわち、例えば「停止」を意味するデータバー32のように具体的な動作を伴わないものなどについては、例えば
図6に示すように、表示部11において目視可能な表示を省略することができる。この場合、データバー32は、両側に配置された具体的な動作を伴う2つのデータバー31、33の間に仮想的に表示されているものとみなすことができる。
その他、各データバー31、32、33の内容や形状は、適宜変更することができる。
【0051】
ところで、例えば表示内容の縮小に伴って下限サイズLmin未満となってしまうデータバーが隣接して複数存在していた場合、各データバーについてそれぞれ個別に
図4のようなマーカー38を表示すると、そのマーカー38が重なって見難くなってしまう場合がある。また、各マーカー38が重なることを避けて表示しようとした場合には、そのマーカー38がずれて正確な位置を指し示さなくなるばかりか、そのマーカー38の位置のずれが他のマーカー38に波及してしまう可能性がある。すると、解析者は、下限サイズLmin未満となって消失したデータ図形が何処にあるのかを理解し難くなり、かえって解析者に誤解を与えてしまう可能性がある。更に、そればかりでなく、マーカー38の表示が煩雑となってデータの鳥瞰的な解析を阻害することにもなりかねない。
【0052】
そこで、本実施形態において、表示処理部21は、例えば
図7に示すように、下限サイズLmin未満となったデータ図形が複数ある場合であって、下限サイズLmin未満となった複数のデータ図形321、322についての個別に表示しようとした際にマーカーが重なる場合は、その重なる各マーカー38をまとめて1つのマーカー39として表示する構成としても良い。この場合、各マーカー38が重なる場合とは、各マーカー38が完全に重なる場合に限られず、少なくとも一部が重なっている場合も含まれる。また、複数のマーカーをまとめて表示とは、複数のマーカーを完全に重ね合わせて表示する概念も含む。
【0053】
これによれば、例えば隣接する複数のデータ図形321、322が下限サイズLmin未満となって消失してしまった場合であっても、マーカー39の表示が煩雑になることを避けることができる。したがって、解析者は、マーカー39が指し示す位置つまり消失したデータ図形321、322が存在している位置を一見して正確に把握することができ、その結果、鳥瞰的なデータの把握がよりし易くなる。
【0054】
この場合、表示処理部21は、まとめたマーカー38の数に応じて、実際に表示部11に表示するマーカー39のサイズを大きくしても良い。例えば、2つのマーカー38をまとめて1つのマーカー39とする場合には、マーカー39の幅又は高さのいずれか一方又は両方を、マーカー38の2倍のサイズにしても良い。これによれば、解析者は、マーカー39のサイズを見ることで、消失したデータ図形の個数を直感的に把握することができる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、
図8及び
図9を参照して第2実施形態について説明する。
この第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、データ図形の具体的態様が異なる。すなわち、本実施形態において、表示処理部21は、各種のデータを、データ図形の一態様である円グラフとして表示部11に並べて表示することができる。表示処理部21は、
図8及び
図9に示すように、一又は複数の円グラフ40を、表示部11に表示することができる。この場合、円グラフ40は、例えば複数の要素41、42、43を有している。なお、本実施形態において、円グラフ40のサイズとは、円グラフ40の外径寸法を意味する。また、各要素41、42、43のサイズとは、例えば各要素41、42、43の円弧の長さR1、R2、R3を意味する。
【0056】
この場合、データ表示装置10は、円グラフ40の各要素41、42、43の円弧の長さ寸法R1、R2、R3について、最小サイズRminを予め設定している。最小サイズRminも、第1実施形態の最小サイズLminと同様に、マーカー38を表示するための閾値である。そして、この場合も、最小サイズRminは、各要素41、42、43が最小サイズRminで表示された場合に、少なくとも解析者がその要素41、42、43の存在を認識できる下限となる程度に小さい値に設定されている。
【0057】
例えば最小サイズRminを「1」とし、各要素41、42、34の長さ寸法R1、R2、R3の基準値とする。この場合、表示処理部21は、例えば
図8から
図9にかけて示すように、円グラフ40の縮尺を縮小する際に、各要素41、42、43のうちそのサイズが最小サイズRmin未満となるものについては、その最小サイズRmin未満となった要素の外側にマーカー38を表示する。例えば
図9において、表示処理部21は、最小サイズRmin未満となった要素42について、その要素42の外側にマーカー38を表示する。これによっても、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0058】
なお、本発明の実施形態は、上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。