(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6881229
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】腐食試験装置及び腐食試験方法
(51)【国際特許分類】
G01N 17/00 20060101AFI20210524BHJP
【FI】
G01N17/00
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-205234(P2017-205234)
(22)【出願日】2017年10月24日
(65)【公開番号】特開2019-78615(P2019-78615A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2020年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100187702
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 律生
(74)【代理人】
【識別番号】100162204
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100172269
【弁理士】
【氏名又は名称】▲徳▼永 英男
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 妃奈
(72)【発明者】
【氏名】荒井 勇翔
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼浦 正樹
(72)【発明者】
【氏名】田島 里美
(72)【発明者】
【氏名】井上 陽介
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 愛美
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 君代
【審査官】
福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−026945(JP,A)
【文献】
特開昭53−003437(JP,A)
【文献】
特開平10−318910(JP,A)
【文献】
特開2008−155163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験溶液を貯留する試験槽と、
前記試験槽の内面に設置された試験体を保持する試験体保持部と、
前記試験溶液を前記試験体に飛散させる飛沫発生手段と、
を有し、前記飛沫発生手段は、
前記試験槽の内側に設けられ、長手方向が、前記試験槽内に架け渡された軸周りに回転自在の回転軸と、
前記回転軸の外周面に、前記回転軸とともに回転自在に取付けられ、少なくとも一部が前記試験溶液に浸漬されて、前記試験溶液を飛散させる試験溶液飛散部と、
前記回転軸を周方向に回転させる回転手段と、
を有する、腐食試験装置。
【請求項2】
前記回転手段は回転速度を制御する回転速度制御手段を有する、請求項1に記載の腐食試験装置。
【請求項3】
前記試験溶液、前記試験体の一方又は両方の温度を制御する温度制御手段を有する、請求項1又は2に記載の腐食試験装置。
【請求項4】
前記試験槽外で発生させた試験溶液のミストを前記試験槽内に導入する試験溶液付着量制御手段を有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の腐食試験装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の腐食試験装置を用いる腐食試験方法であって、
試験槽内に貯留された試験溶液に試験溶液飛散部の少なくとも一部を浸漬し、
前記飛沫発生手段を回転手段によって周方向に回転させて、
試験体保持手段に設置された試験体の表面に前記試験溶液の飛沫を付着させる、
腐食試験方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腐食試験装置及び腐食試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、大気腐食が発生する環境では、直径が数十μm以下の微細な塩粒子が鋼材の表面に付着し、夜間に結露、日中に乾燥を繰り返すことで腐食が進行する。従来、高塩害環境地域での腐食の再現試験や、促進試験として、塩水を噴霧するか、又は、超音波振動等によってミスト化し、鋼材の表面に付着させる試験法が提案されている(例えば、特許文献1〜4、参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−93185号公報
【特許文献2】特開2002−257711号公報
【特許文献3】特開2007−121263号公報
【特許文献4】特開2008−70298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
融雪塩が散布される地域や海水飛沫帯は、直径が数mm程度の塩水の飛沫が付着することで腐食が進行する環境であるが、このような腐食環境は、従来の試験法では再現することができなかった。本発明はこのような実情に鑑み、例えば塩水などの試験溶液の飛沫の付着による腐食を再現できる腐食試験装置及び腐食試験方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、直径が数mm程度の試験溶液の飛沫を試験体に付着させる方法について検討を行った。そして、外周の少なくとも一部に試験溶液を保持できる回転体を用い、遠心力を利用して試験溶液の飛沫を飛散させて、試験体に付着させる方法を着想した。本発明者らは、さらに検討を進めて、回転体の回転速度、試験体との距離によって試験体に付着する飛沫のサイズや付着頻度の制御が可能であるという知見を得た。
【0006】
本発明はこのような知見に基づいてなされたものであり、その要旨は以下のとおりである。
【0007】
[1]試験溶液を貯留する試験槽と、
前記試験槽の内面に設置された試験体を保持する試験体保持部と、
前記試験溶液を前記試験体に飛散させる飛沫発生手段と、
を有し、前記飛沫発生手段は、
前記試験槽の内側に設けられ、長手方向が、前記試験槽内に架け渡された軸周りに回転自在の回転軸と、
前記回転軸の外周面に、前記回転軸とともに回転自在に取付けられ、少なくとも一部が前記試験溶液に浸漬されて、前記試験溶液を飛散させる試験溶液飛散部と、
前記回転軸を周方向に回転させる回転手段と、
を有する、腐食試験装置。
[2]前記回転手段は回転速度を制御する回転速度制御手段を有する、上記[1]に記載の腐食試験装置。
[3]前記試験溶液、前記試験体の一方又は両方の温度を制御する温度制御手段を有する、上記[1]又は[2]に記載の腐食試験装置。
[4]前記試験槽外で発生させた試験溶液のミストを試験槽内に導入する試験溶液付着量制御手段を有する、上記[1]〜[3]の何れかに記載の腐食試験装置。
[5]上記[1]〜[4]の何れかに記載の腐食試験装置を用いる腐食試験方法であって、
試験槽内に貯留された試験溶液に試験溶液飛散部の少なくとも一部を浸漬し、
前記飛沫発生手段を回転手段によって周方向に回転させて、
試験体保持手段に設置された試験体の表面に前記試験溶液の飛沫を付着させる、
腐食試験方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、試験溶液の飛沫の付着による腐食を再現できる腐食試験装置及び腐食試験方法提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る腐食試験装置の構成を示す図である。(a)側面図、(b)上面図。
【
図2】本発明に係る腐食試験装置の第二の実施形態を示す図である。
【
図3】本発明に係る腐食試験装置の第三の実施形態を示す図である。
【
図4】本発明に係る腐食試験装置の第四の実施形態を示す図である。
【
図5】本発明に係る腐食試験装置の第五の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態について、図面を用いて具体的に説明する。
【0011】
本実施形態に係る腐食試験装置は、試験溶液を貯留する試験槽と、前記試験槽の内面に設置された、試験体を保持する試験体保持部と、前記試験溶液を前記試験体に飛散させる飛沫発生手段と、を有する。そして、本実施形態に係る飛沫発生手段は、試験槽の内側に設けられ、長手方向が、前記試験槽内に架け渡された軸周りに回転自在の回転軸と、前記回転軸の外周面に、前記回転軸とともに回転自在に取付けられ、少なくとも一部が前記試験溶液に浸漬されて、前記試験溶液を飛散させる試験溶液飛散部と、前記回転軸を周方向に回転させる回転手段と、を有する。
【0012】
本実施形態に係る腐食試験装置を
図1に示す。(a)は側面図であり、(b)は上面図である。本実施形態に係る腐食試験装置は、試験槽11と、回転軸31の長手方向の少なくとも一部の周囲に設けられた試験溶液飛散部32と、試験槽11の外部に設けられた回転手段33とを有する飛沫発生手段30、試験体保持部13、14と、を備える。回転軸31は、長手方向が試験槽内11に架け渡され、回転自在に設置されており、試験溶液飛散部32は回転軸31の外周面に取付けられている。試験槽11は試験溶液12を貯溜し、試験溶液飛散部32の外周の少なくとも一部が試験溶液12に浸漬される。試験体21、22は、試験体保持部13、14に設置される。なお、
図1において、回転軸31の回転方向は時計回りである。
【0013】
(試験槽)
試験溶液12を貯溜する試験槽11は耐薬品性および耐熱性に優れた素材で構成された筐体であって、上面は開閉可能である。また蒸発・飛散による試験溶液の減少を防ぐため、試験槽11の上面と側面との間にはシール材などを設けて、試験中は密閉構造とすることが好ましい。試験溶液12は金属材料を腐食させる物質を含む溶液であり、例えば、海水、人工海水、塩化マグネシウム溶液、塩化カルシウム溶液など、塩化物を含む水溶液を使用することができる。
【0014】
(試験体保持部)
試験槽11は、好ましくは直方体であって、その内部の側面および上面には、試験体を保持する試験体保持部13、14が設けられている。このうち、試験槽11の内部の側面に設けられた試験体保持部13は、試験溶液の飛沫が飛来する方向に試験体の試験面を向けるため、飛沫発生手段の回転軸の長手方向と平行である側の側面に設けられる。
図2に示すように、試験槽11の上面を傾斜させて、試験体保持部14を設置してもよい。なお、
図2において、回転軸31の回転方向は時計回りである。
【0015】
(飛沫発生手段)
本実施形態に係る腐食試験装置は、試験溶液の飛沫を発生させる飛沫発生手段を有する。本実施形態に係る飛沫発生手段30は、試験溶液を飛散させる試験溶液飛散部32と、試験溶液飛散部を回転させる回転軸31及び回転手段33と、を有する。
【0016】
回転軸31は、長手方向が試験槽内に架け渡され、試験槽11の底面に平行かつ前記試験体保持部13が設置される側面に平行になるように、試験槽11の内側に回転自在に設置される。回転軸31の長手方向の一部又は全部の周囲には、試験溶液飛散部32が形成されている。試験溶液飛散部32は、試験槽内に回転軸とともに回転自在に取り付けられ、その少なくとも外周の一部は試験溶液12に浸漬される。そして、回転軸31を回転手段33によって回転させると、試験溶液を一時的に保持した試験溶液飛散部32から、試験溶液の飛沫が飛散し、試験体21、22に付着させることができる。
【0017】
(試験溶液飛散部及び回転軸)
飛沫発生手段30のうち、試験溶液飛散部32及び回転軸31は試験槽11の内部に設置されており、回転軸31の端部は試験槽11の側面で支えられていてもよい。試験溶液飛散部32は回転軸31の長手方向の少なくとも一部の周囲に形成されており、試験槽11の底部、側面、上面に接しないように設置される。なお、試験溶液飛散部32は、ブラシ、金網、スポンジ、羽根等、試験溶液を一時的に保持し、回転によって飛散させることができる形状を有していればよい。特に、ロールブラシ、捩じりブラシなど、ブラシ毛材が回転軸から周方向に向かって伸びる形状のブラシが好ましい。試験溶液保持部32の材質は特に限定されないが、耐薬品性に優れた素材で構成されることが好ましい。
【0018】
試験溶液飛散部32の下方の一部は、試験溶液12に浸漬されており、回転軸31の回転によって外周に発生する遠心力を利用して、一時的に保持した試験溶液の飛沫を飛散させる。試験槽11に貯留される試験溶液12の液量は特に限定されないが、試験溶液飛散部32の全体が浸漬しないように調整することが必要である。また、効率的に飛沫を発生させるためには、試験溶液12の液面が試験溶液飛散部32の回転軸31の高さ以下になるように、液量を調整することが好ましい。
【0019】
(回転手段)
試験溶液飛散部32の回転軸31の端部は、回転手段33に接続される。回転軸31の回転方向は、一方向のみでもよいが、適宜、回転方向を切り替えてもよい。試験溶液飛散部32の回転軸31が回転手段33によって周方向に回転すると、試験溶液飛散部32の外周に保持された試験溶液12は遠心力によって飛沫となり、飛散して、試験体保持部13、14に設置された試験体21、22に付着する。回転手段33は、回転軸32の回転速度を一定に保持すればよいので、例えば、モーターなどを使用することができる。回転手段33は、防水の観点から試験槽11の外部に設置することが好ましいが、試験槽11の内部に設置してもよい。
【0020】
(回転速度制御手段)
実際の腐食環境では、飛沫が発生する箇所から試験体までの距離によって、試験体の表面に付着する飛沫のサイズや頻度が異なる。したがって、任意の腐食環境を再現するためには、飛沫のサイズや付着頻度を制御できることが好ましい。飛沫の直径及び付着頻度は、試験溶液飛散部32の回転軸31の回転速度と、試験溶液飛散部32から試験体21、22までの距離によって制御することができる。そのため、試験溶液飛散部32の回転軸31の端部に接続する回転手段33は、
図3に示すように、回転速度を調節する機能を備える回転制御手段34に接続してもよい。
【0021】
飛沫の直径及び付着頻度は、試験溶液飛散部32の回転速度とは正の相関があり、試験溶液飛散部32から試験体21、22までの距離とは負の相関がある。回転軸31の回転速度を速くすると、飛沫の直径は大きくなり、付着頻度は多くなる。また、試験溶液飛散部32から試験体21、22までの距離を短くすると、飛沫の直径は大きくなり、付着頻度は多くなる。更に、回転軸31の回転方向を周期的に反転させるように制御すれば、
図1又は
図2に示す試験体21、22、及び、試験体保持部13、14と略対称となる位置にも試験体及び試験体保持部を設置して試験を行うことができる。
【0022】
(温度制御手段)
腐食速度は、試験溶液や試験体の温度の影響を受ける。本実施形態に係る試験装置では、
図4に示すように、温度制御手段41、42、43を用いることができる。温度制御手段41は試験槽11の底面に設置されており、試験溶液12の温度を任意に設定することができる。また、温度制御手段42、43は、それぞれ、試験体保持手段13、14に設置されており、試験体21、22の温度を任意に設定することができる。例えば、大気腐食環境を再現する場合、試験溶液の温度は15〜50℃、試験片の温度は15〜80℃に設定される。温度制御手段は、例えば、ヒーターであってもよい。なお、
図4において、回転軸31の回転方向は時計回りである。
【0023】
(試験溶液付着量制御手段)
融雪塩が付着する山間の橋梁や海洋構造物などの腐食環境を再現する場合は、試験体に飛沫を付着させるだけでなく、直径が数十μm以下の微細なミストを試験体に付着させるために、試験溶液付着量制御手段50を用いることができる。
図5に示すように、本実施形態に係る試験溶液付着量制御手段50によれば、試験槽の外部で発生させた試験溶液の微細なミストを、試験槽内の雰囲気を排気することによって、試験槽内に導入することができる。
【0024】
試験溶液付着量制御手段50は、試験溶液の微細なミストを発生させるミスト発生部51と、試験槽内にミストを導入する給気部52と、試験槽内の雰囲気を排気する排気部53とで構成される。ミスト発生部51は、直径が数十μm以下の微細な試験溶液のミストを発生させるものであり、例えば、バブリングなどであってもよい。給気部52はミスト発生部51と試験槽11とを連結する管状の部材であり、排気部53は試験槽内の雰囲気を外部に排気する管状の部材である。
【0025】
試験溶液付着量制御手段50を用いることで、例えば、飛沫の付着だけでなく、露点や飛来する塩分量を調整することができる。これによって、融雪塩が付着する山間の橋梁や海洋構造物など、任意の腐食環境を再現することが可能になる。さらに、温度調整手段41、42、43を用いることにより、日中と夜間との繰り返しや、季節変動の再現も可能になる。なお、
図5において、回転軸31の回転方向は時計回りである。
【実施例】
【0026】
図1に示す腐食試験装置を用いて、上面に設置した試験体22に付着する飛沫のサイズおよび付着頻度を調査した。飛沫のサイズおよび付着頻度を測定するために、試験体22の表面に感水試験紙を貼付した。試験溶液は人工海水を用いた。
【0027】
試験溶液飛散部は回転軸の中心から周方向に向かって毛材が伸びる形状を有するロールブラシ(ブラシ)、又は、円筒状の金網の軸中心に回転軸を設置したもの(金網)を用いた。試験溶液飛散部の半径は、回転軸の中心から周方向に向かって試験溶液飛散部の先端までの距離である。試験溶液飛散部の下端から試験溶液の液面までの距離(試験溶液飛散部の浸漬深さ)は、試験溶液飛散部の半径、試験溶液の液量によって調整した。回転手段には一方向に回転するモーターを使用し、試験溶液飛散部を回転させる時間(回転時間)は5分間、10分間、30分間とし、その間の1分当たりの回転数(rpm)を一定値とした。試験溶液飛散部から試験体までの距離(試験溶液飛散部の上端から試験体までの距離)、試験溶液飛散部の浸漬深さ、回転数を変化させて、試験体に付着した飛沫の直径の算術平均値および単位面積当たりの付着個数を測定した。飛沫付着個数(個/cm
2/h)は、1cm
2当たりの飛沫の付着個数が2〜5となる回転時間の結果に基づいて算出した。試験条件および結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例1〜5、実施例6〜10に示すように、回転速度の増加に伴い、飛沫の直径および単位面積当たりの付着個数は増加する。また、実施例11〜14に示すように、試験溶液飛散部の浸漬深さおよび試験溶液飛散部から試験体までの距離の増加に伴い、飛沫の直径は増加するが、単位面積当たりの付着個数とは、相関が小さいことがわかった。
【符号の説明】
【0030】
11 試験槽
12 試験溶液
13、14 試験体保持部
21、22 試験体
30 飛沫発生手段
31 回転軸
32 試験溶液飛散部
33 回転手段
34 回転制御手段
41、42、43 温度制御手段
50 試験溶液付着量制御手段
51 ミスト発生部
52 給気部
53 排気部
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の腐食装置によれば、融雪塩が付着する山間の橋梁、海洋構造物、海岸付近の構造物など、塩水飛沫の付着により腐食が進行する環境を再現する腐食試験を行うことが可能になる。したがって、本発明の腐食装置は、各種の腐食環境に適した鋼材などの金属材料の選定や、開発などに利用することができる。