特許第6881305号(P6881305)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6881305
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】超音波シール装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/22 20060101AFI20210524BHJP
【FI】
   B65B51/22 100
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-537681(P2017-537681)
(86)(22)【出願日】2016年8月3日
(86)【国際出願番号】JP2016072813
(87)【国際公開番号】WO2017038358
(87)【国際公開日】20170309
【審査請求日】2019年7月25日
(31)【優先権主張番号】特願2015-171187(P2015-171187)
(32)【優先日】2015年8月31日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】木村 康彦
(72)【発明者】
【氏名】柚原 徳崇
【審査官】 内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−522135(JP,A)
【文献】 特開2011−194454(JP,A)
【文献】 特開2002−337821(JP,A)
【文献】 実開昭60−032206(JP,U)
【文献】 特開2008−296972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装資材に当接して振動を加えるホーンと、
前記ホーンの側周を覆うと共に前記ホーンを包含する空間と外部とを連通する切欠部が形成された枠体を有し、前記ホーンに対して着脱可能なホーンカバーと、
を備え
前記ホーンに対向して配置されるアンビルをさらに備え、
前記枠体は複数の小枠体によって構成され、複数の前記小枠体は、前記アンビルに向かう方向に積層されると共に互いに連結される、
ことを特徴とする超音波シール装置。
【請求項2】
前記切欠部は、前記小枠体の積層方向と交差する方向に延びるスリットであることを特徴とする請求項に記載の超音波シール装置。
【請求項3】
前記アンビルに形成された間隙内に収容され、前記ホーンに向かって移動可能な断裁刃と、
前記ホーンの前記間隙と対向する位置に形成され、前記ホーンに向かって移動した前記断裁刃が入り込む溝部と、を有し、
前記断裁刃は、前記溝部に入り込むことによって前記包装資材の封止された部分を切断することを特徴とする請求項または請求項2に記載の超音波シール装置。
【請求項4】
前記ホーンカバーは、封止後に切断された前記包装資材の部分を押圧することを特徴とする請求項に記載の超音波シール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装資材を封止する超音波シール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、紙製の包装資材によって飲料等の液体を収容して販売することが行われている。液体収容後の包装資材は、折り畳まれる、あるいは貼り合わされて三角錘、四角柱さらには円筒形等といった様々な立体形状に成形される。本明細書では、成形後の包装資材を「パッケージ」と記す。
このようなパッケージのうち、例えば、略四角柱のパッケージを製造する場合、先ず、長尺の包装資材は、長手方向に沿う両端が重ね合わされ、貼り合わせられて筒状にされる。次に、筒状の包装資材は、筒の下端が封止されて内容物が充填された後、上端が封止される。両端が封止された包装資材は、押圧されて立体的な四角柱に成形される。なお、本明細書では、包装資材の封止を以降「シール」と記す。
【0003】
包装資材のシールの技法としては、超音波シールがある。超音波シールでは、包装資材のシールされる部分を、ホーンと呼ばれる共振体とアンビルと呼ばれる受治具とによって挟んで加圧する。また、超音波シールでは、加圧と同時にホーンを介して振動エネルギーをシール部分に加え、包装資材内面の熱可塑性樹脂を溶融して包装資材同士を融着する。
両端が封止された包装資材を加圧する超音波シール装置は、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の超音波シール装置は、超音波発生装置を収容するケーシングに折り曲げプレートを設け、折り曲げプレートによって筒状になった包装資材を折り曲げてパッケージを成形している。
特許文献1には、折り曲げプレートのみをケーシングから取り外して超音波装置のヘッドをクリーニングすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−337821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、超音波シール装置のホーンのメンテナンスは、ヘッド部分のクリーニングのみを行うものではない。このため、ケーシングに取り外し可能な折り曲げプレートを設ける構成は、ホーンのヘッドよりケーシング奥の部分のメンテナンスを行おうとする場合には、ケーシングを分解する、あるいはケーシングごとホーンを超音波シール装置から取り外す必要が生じ得る。
また、近年では、超音波シールは増々高速化される傾向にあり、現在では1分間に100個から400個ものパッケージが製造されている。超音波シールの処理が高速化されると、ホーンにおいて熱が発生する。ホーンで発生した熱を冷却する方法として、ホーンに水をかけることが考えられる。しかし、ホーンの側周をケーシングによって覆う従来の超音波シール装置では、ホーンに直接水をかけることができず、ホーンの発熱を抑えるための充分な冷却効果を得ることができない。ここに、冷却は、超音波シールの処理を高速で行うほど重要になってくる。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、ホーンのメンテナンスにかかる作業が容易にでき、かつホーンの冷却効率が高い超音波シール装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明の一態様の超音波シール装置は、包装資材に当接して振動を加えるホーンと、上記ホーンの側周を覆うと共に上記ホーンを包含する空間と外部とを連通する切欠部が形成された枠体を有し、上記ホーンに対して着脱可能なホーンカバーと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ホーンのメンテナンスにかかる作業が容易にでき、かつホーンの冷却効率が高い超音波シール装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態の超音波シール装置を説明するための模式図である。
図2図1に示したホーン及びホーンカバーを説明するための模式的な図である。
図3図2に示したホーンカバーを説明するための斜視図である。
図4図1に示した筒状資材を説明するための図である。
図5図1に示した筒状資材を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態は、略四角柱の外観を有し、内部に液体が充填されたパッケージを製造する例を挙げて本実施形態の超音波シール装置を説明する。なお、本実施形態が例示するパッケージは、例えばジュースや酒類等の液体や固形分を有する内容物を長期保存するものである。
【0011】
(全体構成)
図1は、本実施形態の超音波シール装置1を説明するための模式図である。超音波シール装置1は、筒状になった包装資材である筒状資材21に当接して振動を加えるホーン7と、ホーン7と対向して配置されるアンビル6と、ホーン7の側周を覆うホーンカバー9とを備えている。ホーンカバー9は、ホーンカバー9で囲まれた空間(ホーン7が包含される空間)とホーンカバー9の外部の空間とを連通する切欠部としてのスリット91が形成された枠体を有する。
ホーンカバー9及びホーン7は、超音波発生ユニット5に固定されていて、ホーン7に対して着脱可能に構成されている。シールジョーの役割をするホーン7及びホーンカバー9は、超音波発生ユニット5と共にジョー支持部3によって支持されている。また、シールジョーの役割をするアンビル6は、ジョー支持部4によって支持されている。ホーン7及びホーンカバー9とアンビル6とは、ジョー支持部3、4によって互いに離接する方向に移動可能である。
なお、本実施形態でいう「枠体」とは、一定の平面領域を囲むように形成された一続きの部材(無端環状の部材)を指すものとする。
【0012】
超音波発生ユニット5は、図示しない超音波発振器及びコンバータを備えている。超音波発振器は、超音波振動子であるコンバータに電力を供給する。超音波発振器によって供給された電力は、コンバータによって機械的な振動に変換された後、ホーン7に供給される。
ホーン7は、アンビル6と共に筒状資材21を挟み込み、筒状資材21を加圧すると共に振動を加えて筒状資材21をシールする。本実施形態では、筒状資材21のシールされた部分を、以降「シール部分S」と記す。筒状資材21は、ホーン7とアンビル6との間でシールされながら、図1中、上から下の一方向に搬送される。
【0013】
アンビル6のシール部分Sに当接する面には、シールバー8が設けられていて、シールバー8が筒状資材21に当接してホーン7と共に筒状資材21を加圧する。また、アンビル6は間隙13を有している。間隙13は、筒状資材21の搬送方向の略中央に形成される。その間隙13内にはホーン7に向かって移動可能な断裁刃10が収容されている。一方ホーン7には溝部11が形成されている。溝部11は、アンビル6の間隙13と対向する位置に形成され、その溝部11にホーン7に向かって移動した断裁刃10が入り込む。断裁刃10は、溝部11に入り込むことによって、筒状資材21のシール部分Sを切断する。
【0014】
(ホーンカバー)
図2は、図1に示したホーン7及びホーンカバー9を説明するための模式的な図である。超音波発生ユニット5は、ケース51内に図示しない超音波発振器及びコンバータを内蔵している。ケース51には蓋52が取り付けられていて、蓋52によって超音波発振器及びコンバータが設けられた空間を閉じている。ホーン7及びホーンカバー9は、それぞれ別個に蓋52に取り付けられて固定されている。このため、ホーンカバー9は、ホーン7を蓋52から取り外すことなく独立して蓋52から取り外すことができる。このような構成を、本実施形態では、「ホーン7に対して着脱可能である」と記す。
【0015】
図3は、ホーンカバー9を説明するための斜視図である。ホーンカバー9は、図3に示すように、積層した複数の小枠体93−1、93−2、93−3、93−4と、基台90と、を備えている。複数の小枠体93−1〜93−4は、基台90からアンビル6に向かう積層方向dに積層されると共に互いに連結することで一体化している。本実施形態では、複数の小枠体93−1〜93−4の連結は、ネジ95が複数の小枠体93−1〜93−4及び基台90を同軸に貫通し、ネジ95の先端部側が蓋52にネジ留めされることによって行われる。
なお、小枠体93−1〜93−4は、例えば、鉄材、ステンレス鋼、アルミニウム合金、チタン合金などの材料から構成すれば良い。
【0016】
複数の小枠体93−1〜93−4は、互いに同一形状の部材であって、矩形形状の平面Bを囲む一続きの部材(断面矩形状となっている無端環状の部材)である。平面Bの位置は、ホーン7の図示しないヘッド部に対応する。但し、最もアンビル6に近い小枠体93−1を除く小枠体93−2〜93−4は、積層方向dに向いた面に各々凹段差部931を有し、凹段差部931を有する面の裏面に各々凸段差部932を有している。
凹段差部931及び凸段差部932は、互いに隣り合う枠体の凸段差部932及び凹段差部931同士が係合することで、互いの位置ずれを防止している。また、最もアンビル6に近い小枠体93−1は、小枠体93−2に向かう面に凸段差部932を有し、凸段差部932が小枠体93−2の凹段差部931と係合するようになっている。また、基台90は、凹段差部931を有していて、凹段差部931が小枠体93−4の凸段差部932と係合するようになっている。
【0017】
複数の小枠体93−1〜93−4が積層し連結してなるホーンカバー9には、図3中に示した押圧面A、A’が形成される。各小枠体93−1〜93−4は、各々が切欠191を有している。複数の小枠体93−1〜93−4がネジ95によって連結されると、切欠191は、隣り合う小枠体同士が当接することでスリット91を形成する。このため、ホーンカバー9には、押圧面A、A’にスリット91が形成されることになる。押圧面A、A’は、後述するように、パッケージを押圧して四角柱に成形することに使用される。本実施形態のスリット91は、複数の小枠体93−1〜93−4の積層方向dと交差する方向、例えば直交する方向に延びている。
【0018】
図3に示したホーンカバー9は、ネジ95を緩めることによって複数の小枠体93−1〜93−4及び基台90を一度に蓋52から取り外すことができる。このため、本実施形態は、ホーン7のメンテナンスにあたってホーンカバー9全体を容易に取り外すことができる。
また、ホーンカバー9によれば、押圧面Aに複数のスリット91が形成されていることにより、ホーンカバー9に対し外側から水をかけると、複数のスリット91から、冷却に十分な量の水がホーンカバー9内に入り込む。ホーンカバー9内に入り込んだ水は、ホーン7と直接接触することによってホーン7を効率良く冷却する。
【0019】
また、ホーンカバー9が有する複数のスリット91を介してホーン7に空気を吹き付けてパージし、ホーン7に付着した塵や汚れを除去することができる。このような構成によれば、ホーンカバー9を取り外すことなくホーン7のメンテナンスを行うことができる。
また、ホーンカバー9は、単純な且つ基本構想が同一形状からなる、複数の小枠体93−1〜93−4を積層することによって形成できるので、ホーンカバー9は、比較的加工及び製造が簡易である。また、小枠体93−1〜93−4に切欠191を設けてスリット91を形成することにより、本実施形態では、一体形成のホーンカバー9の壁面をくり抜いてスリットを形成する場合に比べて、簡易にスリット91を有するホーンカバー9を形成することができる。
【0020】
ところで、筒状資材21のシールの状態には、ホーン7のヘッド部分の先端振幅が寄与することが知られている。ホーン7は、金属を材料とし、金属はその母材が個々に持つ音速にばらつきを有する。このため、ホーン7の先端振幅を最適化するため、ホーン7の長さが音速のばらつきに応じて変更されることが考えられる。このとき、ホーンカバー9は、重ね合わされる枠体の数や幅を調整することによって、様々な長さのホーン7に対応することができる。このため、本実施形態は、ホーン7毎に個別形状のホーンカバー9を作製する必要がなく、枠体を組み替えることによって長さの異なる複数のホーン7に対応することができる。
【0021】
(筒状資材)
ここで、ホーン7とアンビル6とによってシールされる筒状資材21について説明する。図4は、筒状資材21の材料となる包装資材49を説明するための図である。包装資材49は、樹脂や紙の多層構造を有している。包装資材49において、内容物が充填されたパッケージ内部に向く面を「内面」、パッケージ表面に向いた面を「表面」と記す。包装資材49は、内面の側から順に、第1ポリエチレン(PolyEthylene:以下、PEとも記す)樹脂491、バリア材492、第2PE樹脂493、紙494及び第3PE樹脂495の各層が積層されることによって形成されている。
第1PE樹脂491は、熱可塑性樹脂であって、包装資材49の内面同士を溶着する際の接着剤の役割をする。また、バリア材492としては、ナイロン(Ny)類、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、及びその混合物等が挙げられる。また、バリア材492としては、蒸着膜層を形成しバリア性を持たせたポリエチレンテレフタラート(PET)やアルミニウム等が挙げられる。
【0022】
図5(a)、(b)及び図5(c)は、筒状資材21を説明するための図である。図5(a)に示すように、筒状資材21は、長尺形状の包装資材49の長手方向に沿う端部496a、496bを重ね合わせて形成される。このため、筒状資材21も長尺形状の部材となる。端部496a、496bが重ね合わされた重なり部分に「R」の符号を付して示す。
図5(b)は、図5(a)中に示した筒状資材21の短手方向に沿う線分I−Iで筒状資材21を切った断面図である。図5(b)に示すように、本実施形態では、端部496a、端部496bが重なった領域を重なり部分Rと記す。図5(c)に示すように、重なり部分Rの端部496aの端部には、エッジプロテクションテープ31が貼り付けられている。エッジプロテクションテープ31は、端部496aを包装資材49の内面に貼りつけて包装資材49を筒状資材21に成形している。
【0023】
筒状資材21は、ホーン7及びアンビル6によってシールされる。アンビル6の筒状資材21をシールする面には段差部23が形成されていて、重なり部分Rはシール時に段差部23によって押圧される。段差部23は、重なり部分Rが他のシール部分よりも厚くなっていることに鑑み、重なり部分Rに加わる圧力を軽減して筒状資材21の表面が損傷することを防ぐものである。
【0024】
(動作)
次に、本実施形態の超音波シール装置の動作を説明する。
図1に戻り、超音波シール装置1には長尺形状の筒状資材21がセットされ、筒状資材21は、図示しない搬送機構によって図1中の上から下に向かって搬送される。なお、筒状資材21の搬送方向を上から下に向かう方向に設定することにより、筒状資材21は重力によって弛むことなくホーン7とアンビル6との間を移動する。
ホーン7及びアンビル6は、下方向に搬送される筒状資材21に対して左右から接近し、筒状資材21のシール部分Sを挟んで加圧すると共に超音波に基づく周波数の振動を加える。振動によって第1PE樹脂491が溶融し、加圧によって筒状資材21の内面がシールされる。
【0025】
図1に示すように、アンビル6の間隙13には断裁刃10が設けられている。一方、ホーンには対応する溝部11が形成されている。シールの終了後、断裁刃10は溝部11に向けて移動し、シール部分Sを上下に切断する。シール部分Sの切断により、上部と底部とがシールされたパッケージが完成する。また、シール部分Sの切断により、底部のみがシールされた筒状資材21が形成する。底部のみがシールされた筒状資材21には液体の内容物22が充填される。内容物22が充填された筒状資材21の上部は、ホーン7及びアンビル6によって上記と同様にシールされる。そして、シール部分Sが断裁刃10によって切断されてパッケージが完成する。パッケージは、超音波シール装置において上から下に搬送される。
【0026】
本実施形態では、このようなホーン7とアンビル6とのユニットが2式設けられていて、一方が筒状資材21の上部をシールし、他方が筒状資材21の下部をシール、切断する。そして、シールが完了すると、上部をシールしたユニットが下がって次回には筒状資材21の下部をシール・切断し、他方が上がって筒状資材21の上部をシール・切断する。
さらに、本実施形態では、ホーン7及びアンビル6の上下には図示しないホールディングフラップと呼ばれる枠体が設けられている。下部がシールされて切断された筒状資材21は、シールを行ったユニットのホーンカバー9の押圧面Aによってシール部分近傍の四角柱に成形されたときに天面になる部分を押圧し、四角柱に成形されたときに側面となる部分を上側のホールディングフラップに押し付ける。そして、上部がシールされて切断されるとき、シールを行ったホーンカバー9の押圧面A’によってシール部分近傍の四角柱に成形されたときに底面になる部分を押圧し、四角柱に成形されたときに側面となる部分を下側のホールディングフラップに押し付ける。このような動作により、パッケージは、切断されたシール部分が折り畳まれて略四角柱の形状に成形される。
【0027】
また、本実施形態は、以上の動作と平行してホーンカバー9上から水をかけ、ホーン7を冷却する。このとき、水は、押圧面A、A’に設けられたスリット91からホーンカバー9の内部に入り込む。そして、水はホーン7に直接接触してホーン7を冷却し、ホーン7の発熱を抑える。
以上説明した本実施形態は、ホーン7をホーンカバー9の上から冷却することができる。また、本実施形態は、ホーンカバー9を一度に取り外すことができ、ホーン7のメンテナンスを容易にすることができる。また、本実施形態は、ホーンカバー9をパージしてホーン7に付着した塵等を除去することができる。
【0028】
さらに、本実施形態は、ホーン7の長さに応じて枠体を組み替えることにより、長さが異なる複数のホーン7に対応することができる。
なお、以上説明した本実施形態は、上記構成に限定されるものではない。すなわち、本実施形態は、ホーンカバー9に切欠としてスリット91を形成しているが、切欠はスリット91に限定されるものでなく、ホーンカバー9にホーン7が収容される空間と外部とを連通させるものであればよい。また、本実施形態は、図3に示したように、スリット91を小枠体93−1から93−4が積層される積層方向dに直交する向きに形成しているが、スリットの向きは任意の向きであってよい。
【0029】
以上説明した本実施形態の図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、本実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に記載された発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0030】
以上、本願が優先権を主張する、日本国特許出願2015−171187号(2015年8月31日出願)の全内容は、参照により本開示の一部をなす。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、包装資材を切り離した後、圧力を加えて折り畳む超音波シール装置であれば、どのような分野においても適用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 超音波シール装置
3,4 ジョー支持部
5 超音波発生ユニット
6 アンビル
7 ホーン
8 シールバー
9 ホーンカバー
10 断裁刃
11 溝部
13 間隙
21 筒状資材
22 内容物
23 段差部
31 エッジプロテクションテープ
49 包装資材
51 ケース
52 蓋
90 基台
91 スリット
93−1,93−2,93−3,93−4 小枠体
95 ネジ
191 切欠
491 第1PE樹脂
492 バリア材
493 第2PE樹脂
494 紙
495 第3PE樹脂
496a,496b 端部
931 凹段差部
932 凸段差部
図1
図2
図3
図4
図5