(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の画素の1以上は前記第3及び第4領域の少なくとも一方を含み、前記複数の画素の残りは前記第3及び第4領域の何れも含んでいない請求項1に記載の表示体。
前記複数の画素の2以上は、前記第1領域と、前記第3及び第4領域の少なくとも一方と、任意に前記第2領域とを含み、前記画素の面積に占める前記第1領域の面積の割合が異なり、且つ、前記画素の面積に占める前記第3及び第4領域の合計面積の割合が異なっている請求項1乃至3の何れか1項に記載の表示体。
前記複数の画素の2以上は、前記第2領域と、前記第3及び第4領域の少なくとも一方と、任意に前記第1領域とを含み、前記画素の面積に占める前記第2領域の面積の割合が異なり、且つ、前記画素の面積に占める前記第3及び第4領域の合計面積の割合が異なっている請求項1乃至5の何れか1項に記載の表示体。
前記複数の画素の1以上は前記第3領域を含み、前記複数の画素の1以上は前記第4領域を含み、前記第3領域を含んだ前記複数の画素の1以上の配列が形成する第3パターンは、前記第4領域を含んだ前記複数の画素の1以上の配列が形成する第4パターンとは異なっている請求項1乃至8の何れか1項に記載の表示体。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態を記載する。
一実施形態によると、
二次元的に配列した複数の画素が一方の主面に設けられた光透過層と、前記主面を部分的に被覆した金属層とを備えた表示体であって、
前記複数の画素の各々は、
前記主面に平行な第1方向に対して−10°乃至+10°の第1角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第1溝又は稜が設けられた第1領域と、
前記主面に平行であり且つ前記第1方向に垂直な第2方向に対して−65°乃至+65°の第2角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第2溝又は稜が設けられ、前記複数の第2溝又は稜は、前記光透過層と前記金属層との界面又は前記金属層の表面に回折構造を生じさせる第2領域と、
平坦な第3領域と、
前記第2角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第3溝又は稜が設けられ、前記複数の第3溝又は稜は、前記光透過層と前記金属層との界面又は前記金属層の表面に異方性光散乱構造を生じさせる第4領域と
からなる群より選ばれる1以上を含み、
前記複数の画素の1以上は前記第1領域を含み、
前記複数の画素の1以上は前記第2領域を含み、
前記金属層は、前記第1領域の少なくとも一部を被覆することなしに、前記第2領域と、存在している場合には前記第3領域と前記第4領域とを被覆し、
前記表示体は、白色光で照明して透過光を観察した場合には前記第1領域の分布に対応した第1画像を表示し、白色光で照明して前記回折構造が射出する回折光を観察した場合には第2画像を表示するように構成された表示体が提供される。
【0009】
この表示体は、回折光による画像の表示に加え、透過光による画像の表示が可能である。従って、この表示体によると、高い偽造防止効果を達成し得る。
【0010】
また、複数の第1溝又は稜は、金属層による第1領域の被覆率を小さくするのに寄与している。それ故、この表示体では、第1領域の位置と金属層の開口部の位置とは、高い精度で一致している。従って、この表示体は、高い画質で画像を表示することが可能である。
【0011】
ここで、「回折構造」は、回折格子、ホログラム、又はそれらの組み合わせを意味している。回折構造は、白色光で照明した場合に、第1観察方向には第1回折光を射出し、第1観察方向とは異なる第2観察方向には第1回折光とは波長が異なる第2回折光を射出して、第1観察方向から観察している観察者と、第2観察方向から観察している観察者とに、異なる色を知覚させるように設計されている。
【0012】
また、「異方性光散乱構造」は、複数の溝又は稜からなり、それらの長さ方向が30°以下の角度範囲内に、好ましくは15°以下の角度範囲内にあり、溝又は稜の長さ方向及びピッチの少なくとも一方が不規則な構造である。異方性光散乱構造は、これが設けられた面に対して斜めであり且つ溝又は稜の平均的な長さ方向に対して垂直な第1照明方向から白色光で照明した場合には白色光を散乱光として射出し、上記面に対して垂直であり且つ溝又は稜の平均的な長さ方向を含む平面内の方向のうち、第1照明方向と上記面に対する角度が等しい第2照明方向から白色光で照明した場合には、散乱光を射出しないか又は第1照明方向から白色光で照明した場合と比較して低強度の白色光を散乱光として射出するように設計されている。
【0013】
他の実施形態によると、
二次元的に配列した複数の画素が一方の主面に設けられた光透過層であって、
前記複数の画素の各々は、
前記主面に平行な第1方向に対して−10°乃至+10°の第1角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第1溝又は稜が設けられた第1領域と、
前記主面に平行であり且つ前記第1方向に垂直な第2方向に対して−65°乃至+65°の第2角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第2溝又は稜が設けられ、前記第2溝又は稜は回折構造を構成するように配列した第2領域と、
平坦な第3領域と、
前記第2角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第3溝又は稜が設けられ、前記複数の第3溝又は稜は異方性光散乱構造を構成するように配列した第4領域と
からなる群より選ばれる1以上を含み、
前記複数の画素の1以上は前記第1領域を含み、前記複数の画素の1以上は前記第2領域を含んだ光透過層を準備することと、
前記主面上に金属層としての第1層を形成することと、
前記光透過層を前記第1方向へ搬送させながら、気相堆積法により、前記第1層とは異なる材料を前記第1層上に堆積させて、前記第1領域の位置におけるエッチング剤の透過性が前記第2乃至第4領域における前記エッチング剤の透過性と比較してより高い第2層を形成することと、
前記エッチング剤を前記第2層に接触させて、前記第1及び第2層からなる積層構造のうち前記第1領域上に位置した部分の少なくとも一部を選択的に除去することと
を含んだ表示体の製造方法が提供される。
この方法では、第2層をパターニングするためのプロセスなしで、第1及び第2層からなる積層構造のうち第1領域上に位置した部分の少なくとも一部を選択的に除去することができる。従って、この方法によれば、上記の表示体を簡便に製造することができる。
【0014】
また、この方法では、複数の第1溝又は稜は、第1領域の位置におけるエッチング剤の透過性を、第2乃至第4領域におけるエッチング剤の透過性と比較してより高めることに寄与している。それ故、この方法では、第1領域の位置と第1層の開口部の位置とを、高い精度で一致させることができる。従って、この方法によれば、高い画質で画像を表示可能な表示体を製造することが可能である。
【0015】
本発明者らは、第1領域の位置におけるエッチング剤の透過性が第2乃至第4領域におけるエッチング剤の透過性と比較してより高い第2層を形成できるのは、以下の理由によると考えている。
【0016】
斜方蒸着は、液晶の配向膜の形成に利用されている。例えば、珪素酸化物などの材料を基板上に斜方蒸着すると、この材料は、各々が傾いた柱を形成するように基板上で成長する。
【0017】
上記実施形態に係る方法では、光透過層を搬送させながら、気相堆積法によって、第2層の材料を光透過層上に堆積させる。例えば、気化した材料を供給する蒸発源に対して、光透過層を相対的に移動させながら、光透過層上に上記材料を堆積させる。即ち、光透過層には、気化した材料は斜め方向から供給される。それ故、このプロセスでは、上記の斜方蒸着と同様の現象を生じ得る。
【0018】
第2層の材料が柱状に成長すると、これら柱の陰に隠れた部分では、この材料の成長が妨げられる。そのため、このようにして得られる第2層は多孔質となる。
【0019】
但し、光透過層は移動しているため、その表面近傍では乱流が生じる。そのため、平坦な領域上には、柱状構造は生じ難い。従って、第2層のうち第3領域上に位置した部分は、多孔質とはならない。
【0020】
また、光透過層の表面に多数の溝が設けられ且つそれら溝の長さ方向と光透過層の搬送方向とが大きな角度で交差している場合、これら溝は、光透過層の表面近傍における乱流の生成を促進する。従って、第2層のうち第2及び第4領域上に位置した部分も、多孔質とはならない。
【0021】
これに対し、表面に多数の溝が設けられ且つそれら溝の長さ方向と搬送方向とがほぼ平行である場合、これら溝は、表面近傍における気流を整流化する。そのため、そのような溝が設けられた領域では、柱状構造を生じ易い。しかも、気化した材料の堆積は、溝の底の位置よりも、溝の開口近傍において生じ易い。即ち、柱状構造は、溝の底の位置よりも、溝の開口近傍に生じ易い。溝の開口近傍に柱状構造が形成されると、溝の底への原料の堆積は極めて生じ難くなる。従って、第2層のうち第1領域上に位置した部分は多孔質となる。
【0022】
以上のように、第2層は、第2乃至第4領域上では緻密に形成され、第1領域上では多孔質になる。従って、第1領域の位置でのみ、第1層へエッチング剤が到達し、エッチングが選択的に進行する。
【0023】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、光透過層は、光透過性を有しているフィルムである。なお、ここで使用する用語「フィルム」は、厚さの概念を含むものではない。
【0024】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、光透過層は樹脂からなる。
【0025】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、光透過層は透明である。或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、光透過層は不透明である。
【0026】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、光透過層は、樹脂層からなる単層構造を有している。或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、光透過層は多層構造を有している。多層構造の光透過層は、例えば、基材と、その上に設けられた樹脂層とを含んでいる。
【0027】
基材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、及びポリプロピレン(PP)フィルム等のプラスチックフィルム;紙;合成紙;プラスチック被覆紙;又は樹脂含浸紙である。
【0028】
樹脂層は、例えば、熱可塑性樹脂からなる。そのような樹脂層は、例えば、熱可塑性樹脂からなる塗膜を形成し、この塗膜を加熱しながら、これに溝又は稜に対応した凸部又は凹部が設けられた版(又は金型)を押し当て、この状態で塗膜を冷却し、その後、版から塗膜を剥離することにより得られる。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、及びビニル系樹脂、これらの1以上を含んだ混合物、又は、これらの1以上を含んだ共重合体を使用することができる。
【0029】
或いは、樹脂層は、例えば、熱硬化性樹脂からなる。そのような樹脂層は、例えば、熱硬化性樹脂からなる塗膜を形成し、これに上記の版を押し当てるとともに熱を加え、その後、版から塗膜を剥離することにより得られる。熱硬化性樹脂としては、例えば、イソシアネート化合物とアクリル系ポリオール樹脂及びポリエステル系ポリオール樹脂などのポリオール系樹脂との架橋反応によって形成されるウレタン系樹脂;メラミン系樹脂;エポキシ系樹脂;フェノール系樹脂;これらの1以上を含んだ混合物;又は、これらの1以上を含んだ共重合体を使用することができる。
【0030】
或いは、樹脂層は、例えば、放射線硬化性樹脂からなる。そのような樹脂層は、例えば、放射線硬化性樹脂からなる塗膜を形成し、これに上記の版を押し当てるとともに紫外線等の放射線を照射し、その後、版から塗膜を剥離することにより得られる。或いは、そのような樹脂層は、例えば、基材と版との間に放射線硬化性樹脂を流し込むとともに、基材と版とを互いに対して押し当て、これに放射線を照射し、その後、塗膜を版から剥離することにより得られる。
【0031】
放射線硬化性樹脂は、例えば、重合性化合物と開始剤とを含んでいる。
重合性化合物としては、例えば、光ラジカル重合が可能な化合物を使用する。光ラジカル重合が可能な化合物としては、例えば、エチレン性不飽和結合又はエチレン性不飽和基を有している、モノマー、オリゴマー又はポリマーを使用することができる。或いは、光ラジカル重合が可能な化合物として、例えば、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエイスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のモノマー;エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート及びポリエステルアクリレート等のオリゴマー;又は、ウレタン変性アクリル樹脂及びエポキシ変性アクリル樹脂等のポリマーを使用してもよい。
【0032】
重合性化合物として光ラジカル重合が可能な化合物を使用する場合、開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を使用することができる。
【0033】
この光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル及びベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系化合物;アントラキノン及びメチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物;アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−アミノアセトフェノン及び2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モリホリノプロパン−1−オン等のフェニルケトン系化合物;ベンジルジメチルケタール;チオキサントン;アシルホスフィンオキサイド;又は、ミヒラーズケトンを使用することができる。
【0034】
或いは、重合性化合物として、光カチオン重合が可能な化合物を使用してもよい。光カチオン重合が可能な化合物としては、例えば、エポキシ基を有している、モノマー、オリゴマー若しくはポリマー、キセタン骨格含有化合物、又は、ビニルエーテル類を使用することができる。
【0035】
重合性化合物として光カチオン重合が可能な化合物を使用する場合、開始剤としては、光カチオン重合開始剤を使用することができる。この光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ホスホニウム塩又は混合配位子金属塩を使用することができる。
【0036】
或いは、重合性化合物として、光ラジカル重合が可能な化合物と光カチオン重合が可能な化合物との混合物を使用してもよい。
【0037】
この場合、開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤と光カチオン重合開始剤との混合物を使用する。或いは、この場合、光ラジカル重合及び光カチオン重合の双方の開始剤として機能し得る重合開始剤を使用してもよい。
【0038】
このような開始剤としては、例えば、芳香族ヨードニウム塩又は芳香族スルホニウム塩を使用することができる。
【0039】
放射線硬化性樹脂に占める開始剤の割合は、例えば、0.1乃至15質量%の範囲内とする。
【0040】
放射線硬化性樹脂は、重合開始剤を含んでいなくてもよい。この場合、例えば、放射線として電子線を照射することにより、重合性化合物の重合反応を引き起こすことができる。
【0041】
放射線硬化性樹脂は、増感色素、染料、顔料、重合禁止剤、レベリング剤、消泡剤、タレ止め剤、付着向上剤、塗面改質剤、可塑剤、含窒素化合物、及びエポキシ樹脂等の添加剤、離型剤、又はこれらの組合せを更に含んでいてもよい。
【0042】
また、放射線硬化樹脂には、その成形性を向上させるべく、非反応性の樹脂を更に含有させてもよい。この非反応性の樹脂としては、例えば、上記熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などを単独で又は混合して用いることができる。
【0043】
樹脂層は、例えば、0.1μm乃至10μmの厚さを有している。樹脂層の厚さは、その表面に設けるべき溝又は稜の深さ又は高さ以上とする。この厚さは、溝の深さ又は稜の高さの1倍乃至10倍の範囲内とすることが好ましく、溝の深さ又は稜の高さの3倍乃至5倍の範囲内とすることがより好ましい。この厚さが大きいと、溝又は稜を形成するべく樹脂層に版を押し当てた際に、樹脂のはみ出しや皺を生じ易い。この厚さが小さいと、溝又は稜を所望の形状に形成することが難しい。
【0044】
版は、例えば、電子線描画装置又はナノインプリント装置を用いて製造する。これにより、上述した凸部又は凹部を高い精度で形成することができる。なお、通常は、先ず、一方の主面にレリーフ構造が設けられた原版を作製し、この原版のレリーフ構造を転写して反転版を作製し、この反転版のレリーフ構造を転写して複製版を作製する。このようにして得られた複製版を用いて、樹脂層の表面にレリーフ構造を設ける。
【0045】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第1溝又は稜は長さ方向が同一である。或いは、他の実施形態によれば、上記実施形態において、複数の第1溝又は稜は長さ方向がばらついている。
【0046】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第1溝又は稜は、第1領域の或る端から他の端まで延びていている。或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第1溝又は稜は不連続部を有している。
【0047】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第1溝又は稜の各々は、その長さ方向に垂直な断面が、例えば、V字形状やU字形状のように先細り形状を有している。或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第1溝又は稜の各々は、その長さ方向に垂直な断面が矩形状である。
【0048】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第1溝又は稜の中心間距離は一定である。或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第1溝又は稜の中心間距離は不均一である。
【0049】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第1溝又は稜の中心間距離は、100nm乃至3000nmの範囲内にあり、好ましくは300nm乃至1500nmの範囲内にある。
【0050】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第1溝又は稜の深さ又は高さは、20nm乃至1500nmの範囲内にあり、好ましくは50nm乃至800nmの範囲内にある。
【0051】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第1溝又は稜の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は、3.0以下であり、好ましくは1.0以下である。
【0052】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第1溝又は稜の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は、0.05以上であり、好ましくは0.15以上である。
【0053】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、第1領域は、長さ方向が第1角度範囲外の溝又は稜が設けられていない。
【0054】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第2溝又は稜は長さ方向が同一である。
【0055】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、第2領域は、複数のサブ領域を含み、それらサブ領域の各々では複数の第2溝又は稜は長さ方向が同一であり、それらサブ領域間では、複数の第2溝又は稜は長さ方向が異なっている。
【0056】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第2溝又は稜は、第2領域又はサブ領域の或る端から他の端まで延びていている。或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第2溝又は稜は不連続部を有している。
【0057】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第2溝又は稜の各々は、その長さ方向に垂直な断面が、例えば、V字形状やU字形状のように先細り形状を有している。或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第2溝又は稜の各々は、その長さ方向に垂直な断面が矩形状である。
【0058】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第2溝又は稜の中心間距離は一定である。
【0059】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第2溝又は稜の中心間距離は、100nm乃至3000nmの範囲内にあり、好ましくは300nm乃至1500nmの範囲内にある。
【0060】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第2溝又は稜の深さ又は高さは、20nm乃至1500nmの範囲内にあり、好ましくは50nm乃至800nmの範囲内にある。
【0061】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第2溝又は稜の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は、1.0以下であり、好ましくは0.5以下である。
【0062】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第2溝又は稜の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は、0.1以上であり、好ましくは0.05以上である。
【0063】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、第2領域は、複数の第2溝又は稜と交差する溝又は稜が設けられていない。或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、第2領域は、複数の第2溝又は稜と交差する溝又は稜が設けられている。
【0064】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第3溝又は稜は長さ方向が同一であり且つ中心間距離が不均一である。或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第3溝又は稜は長さ方向が不均一である。
【0065】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、第4領域は、複数のサブ領域を含み、それらサブ領域の各々では複数の第3溝又は稜は平均的な長さ方向が同一であり、それらサブ領域間では、複数の第3溝又は稜は平均的な長さ方向が異なっている。
【0066】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第3溝又は稜は、第4領域又はサブ領域の或る端から他の端まで延びていている。或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第3溝又は稜は不連続部を有している。
【0067】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第4溝又は稜の各々は、その長さ方向に垂直な断面が、例えば、V字形状やU字形状のように先細り形状を有している。或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第4溝又は稜の各々は、その長さ方向に垂直な断面が矩形状である。
【0068】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第4溝又は稜の中心間距離は、100nm乃至3000nmの範囲内にあり、好ましくは300nm乃至1500nmの範囲内にある。
【0069】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第4溝又は稜の深さ又は高さは、20nm乃至1500nmの範囲内にあり、好ましくは50nm乃至800nmの範囲内にある。
【0070】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第4溝又は稜の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は1.0以下であり、好ましくは0.5以下である。
【0071】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、複数の第4溝又は稜の中心間距離に対する深さ又は高さの比の平均値は0.05以上であり、好ましくは0.15以上である。
【0072】
他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、前記複数の画素の1以上は前記第3及び第4領域の少なくとも一方を含み、前記複数の画素の残りは前記第3及び第4領域の何れも含んでいない。このような構造は、第3及び第4領域の少なくとも一方を利用して、第1画像の形状を調整するのに適している。
【0073】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、前記複数の画素の2以上は、前記第1領域を含み且つ前記画素の面積に占める前記第1領域の面積の割合が異なっている。このような構造によれば、第1画像を階調画像とすることができる。
【0074】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、前記複数の画素の2以上は、前記第1領域と、前記第3及び第4領域の少なくとも一方と、任意に前記第2領域とを含み、前記画素の面積に占める前記第1領域の面積の割合が異なり、且つ、前記画素の面積に占める前記第3及び第4領域の合計面積の割合が異なっている。このような構造は、第3及び第4領域の少なくとも一方を利用して、第1画像の階調を調整するのに適している。
【0075】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、前記複数の画素の2以上は、前記第2領域を含み且つ前記画素の面積に占める前記第2領域の面積の割合が異なっている。このような構造によれば、第2画像を階調画像とすることができる。
【0076】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、前記複数の画素の2以上は、前記第2領域と、前記第3及び第4領域の少なくとも一方と、任意に前記第1領域とを含み、前記画素の面積に占める前記第2領域の面積の割合が異なり、且つ、前記画素の面積に占める前記第3及び第4領域の合計面積の割合が異なっている。このような構造は、第3及び第4領域の少なくとも一方を利用して、第2画像の階調を調整するのに適している。
【0077】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、前記第1画像のネガ画像は前記第2画像のモノクロ画像と等しい。これら画像を表示する表示体は、表示画像を第1画像と第2画像との間で切り替える際に、例えば、画像の形状を変化させることなしに、明暗反転と多色化(若しくは着色化)又は単色化(若しくは脱色化)とを同時に生じ得る。
【0078】
或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、前記第1画像のネガ画像は前記第2画像のモノクロ画像とは異なっている。これら画像を表示する表示体は、表示画像を第1画像と第2画像との間で切り替える際に、例えば、画像の形状の変化と多色化(若しくは着色化)又は単色化(若しくは脱色化)とを同時に生じ得る。
【0079】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、前記複数の画素の1以上は前記第3領域を含み、前記複数の画素の1以上は前記第4領域を含み、前記第3領域を含んだ前記複数の画素の1以上の配列が形成する第3パターンは、前記第4領域を含んだ前記複数の画素の1以上の配列が形成する第4パターンとは異なっている。このような構造を採用した表示体は、白色光で照明して前記異方性光散乱構造が射出する散乱光を観察した場合に、第1画像とは形状が異なる画像を表示し得る。
【0080】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、前記複数の画素の1以上は前記第4領域を含み、前記複数の第3溝又は稜の長さ方向が前記複数の第2溝又は稜の長さ方向に対してなす角度は、5乃至60°の範囲内にあり、好ましくは15乃至50°の範囲内にある。このような構造を採用した表示体は、前記異方性光散乱構造が射出する散乱光によって表示される画像は、第2画像の表示を妨げず、その逆も同様である。
【0081】
或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、前記複数の画素の1以上は前記第4領域を含み、前記複数の第3溝又は稜の長さ方向が前記複数の第2溝又は稜の長さ方向に対してなす角度は、0乃至30°の範囲内にあり、好ましくは0乃至15°の範囲内にある。このような構造を採用した表示体は、回折光と散乱光との組み合わせによって第2画像を表示し得る。
【0082】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、前記複数の画素の各々は、最大寸法が5乃至5000μmの範囲内にあり、好ましくは20μm乃至1000μmの範囲内にある。そのような構造を採用した表示体は、写真画質の画像を表示するのに特に適している。
【0083】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、前記複数の画素が含んでいる第1乃至第4領域の各々は、最大寸法が1乃至3000μmの範囲内にあり、好ましくは5μm乃至500μmの範囲内にある。そのような構造を採用した表示体も、写真画質の画像を表示するのに特に適している。
【0084】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、
前記複数の画素の各々は第1乃至第3サブ画素を含み、
前記第1乃至第3サブ画素の各々は前記第1乃至第4領域の1以上を含み、
前記複数の画素の1以上において、前記第1サブ画素は前記第2領域を含み、
前記複数の画素の1以上において、前記第2サブ画素は前記第2領域を含み、
前記複数の画素の1以上において、前記第3サブ画素は前記第2領域を含み、
前記第1サブ画素が前記第2領域を含んだ前記複数の画素の1以上の各々において、前記回折構造のうち前記第1サブ画素上に位置した部分は、前記表示体を白色光で照明して回折光を観察する何れかの条件のもとで赤色の回折光を射出し、
前記第2サブ画素が前記第2領域を含んだ前記複数の画素の1以上の各々において、前記回折構造のうち前記第2サブ画素上に位置した部分は、前記条件のもとで緑色の回折光を射出し、
前記第3サブ画素が前記第2領域を含んだ前記複数の画素の1以上の各々において、前記回折構造のうち前記第3サブ画素上に位置した部分は、前記条件のもとで青色の回折光を射出する。
【0085】
この表示体は、第2画像としてカラー画像を表示可能である。また、この表示体は、表示画像を第1画像と第2画像との間で切り替える際に、例えば、画像の形状を変化させることなしに、明暗反転と多色化(若しくは着色化)又は単色化(若しくは脱色化)とを同時に生じ得る。
【0086】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、
前記複数の画素の各々は第1及び第2サブ画素を含み、
前記複数の画素の1以上では、前記第1サブ画素は、前記第1領域と任意に前記第3及び第4領域の少なくとも一方とを含み、前記複数の画素の残りでは、前記第1サブ画素は、前記第3及び第4領域の少なくとも一方と任意に前記第1領域とを含み、
前記複数の画素の1以上では、前記第2サブ画素は、前記第2領域と任意に前記第3及び第4領域の少なくとも一方とを含み、前記複数の画素の残りでは、前記第2サブ画素は、前記第3及び第4領域の少なくとも一方と任意に前記第2領域とを含んでいる。
【0087】
この表示体は、表示画像を第1画像と第2画像との間で切り替える際に、例えば、画像の形状の変化と多色化(若しくは着色化)又は単色化(若しくは脱色化)とを同時に生じ得る。
【0088】
或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、
前記複数の画素の各々は第1乃至第4サブ画素を含み、
前記第1サブ画素は前記第1、第3及び第4領域の少なくとも1つを含み、
前記第2乃至第4サブ画素の各々は前記第2乃至第4領域の少なくとも1つを含み、
前記複数の画素の1以上において、前記第2サブ画素は前記第2領域を含み、
前記複数の画素の1以上において、前記第3サブ画素は前記第2領域を含み、
前記複数の画素の1以上において、前記第4サブ画素は前記第2領域を含み、
前記第2サブ画素が前記第2領域を含んだ前記複数の画素の1以上の各々において、前記回折構造のうち前記第2サブ画素上に位置した部分は、前記表示体を白色光で照明して回折光を観察する何れかの条件のもとで赤色の回折光を射出し、
前記第3サブ画素が前記第2領域を含んだ前記複数の画素の1以上の各々において、前記回折構造のうち前記第3サブ画素上に位置した部分は、前記条件のもとで緑色の回折光を射出し、
前記第4サブ画素が前記第2領域を含んだ前記複数の画素の1以上の各々において、前記回折構造のうち前記第4サブ画素上に位置した部分は、前記条件のもとで青色の回折光を射出する。
【0089】
この表示体は、第2画像としてカラー画像を表示可能である。また、この表示体は、表示画像を第1画像と第2画像との間で切り替える際に、例えば、画像の形状の変化と多色化(若しくは着色化)又は単色化(若しくは脱色化)とを同時に生じ得る。
【0090】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、金属層は、第1領域を被覆することなしに、第2領域と、存在している場合には第3領域と第4領域とを被覆している。或いは、更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、金属層は、第1領域を部分的に被覆するとともに、第2領域と、存在している場合には第3領域と第4領域とを被覆している。
【0091】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、金属層は遮光性の反射層である。
【0092】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、金属層は、アルミニウム、錫、クロム、ニッケル、銅、金、及び銀などの単体としての金属、又は、これらの1以上を含んだ合金からなる。好ましくは、金属層は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる。
【0093】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、金属層の厚さは10nm乃至3000nmの範囲内にあり、好ましくは30nm乃至1000nmの範囲内にある。
【0094】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、金属層としての第1層の成膜は、スプレー法などの塗布法又は気相堆積法によって行う。気相堆積法は、真空蒸着法及びスパッタリング法などの物理気相堆積(PVD)法であってもよく、化学気相堆積(CVD)法であってもよい。前記金属層の成膜は、PVD法又はCVD法によって行うことが好ましく、真空蒸着法によって行うことがより好ましい。
【0095】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、第1層の成膜は、光透過層を第1方向へ搬送しながら行う。こうすると、第1及び第2層からなる積層構造のうち第1領域上に位置した部分を更に除去し易くなる。
【0096】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、第2層は珪素酸化物(SiO
x;1<x<2)からなる。珪素酸化物は、酸性及びアルカリ性の溶液に対する耐性が高い。また、第2層の材料として珪素酸化物を用い、光透過層を第1方向へ搬送させながら、気相堆積法により、第2層の材料を第1層上に堆積させた場合、第1領域の位置におけるエッチング剤の透過性が第2乃至第4領域における前記エッチング剤の透過性と比較してより高い第2層を比較的容易に形成することができる。
【0097】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、エッチング剤を接触させる前の第2層は、第1領域上に位置した部分では、多孔質層、例えば、一方向に傾いた複数の柱状体からなる層や空隙を有する層であり、第2乃至第4領域上に位置した部分では連続膜である。
【0098】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、第2層の成膜は、ロール上の光透過層に対して行う。一例によれば、ロールの直径は、300mm乃至1000mmの範囲内にある。ロール上の光透過層に対して真空蒸着によって第2層の成膜を行う場合、蒸発源からロールまでの距離は、例えば、0.5m乃至1.5mの範囲内とする。
【0099】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、表示体の製造における光透過層の搬送を、50m/分乃至300m/分の速度で、好ましくは100m/分乃至300m/分の速度で行う。
【0100】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、エッチング剤としてエッチング液を使用する。エッチング液は、例えば、水酸化ナトリウム溶液、炭酸ナトリウム溶液、及び水酸化カリウム溶液等のアルカリ性溶液、又は、塩酸、硝酸、硫酸、及び酢酸等の酸性溶液である。
【0101】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、エッチング剤は、水酸化ナトリウムを0.5乃至2%の質量濃度で含んだ水酸化ナトリウム水溶液である。
【0102】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、エッチングは、前記第1及び第2層が設けられた前記光透過層を、30℃乃至50℃のエッチング液に、30秒乃至5分間に亘って浸漬させることにより行う。
【0103】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、エッチングは、エッチング液中で光透過層を第1方向へ搬送しながら行う。こうすると、第1及び第2層からなる積層構造のうち第1領域上に位置した部分を更に除去し易くなる。
【0104】
更に他の実施形態によれば、上記実施形態の何れかにおいて、第1及び第2層からなる積層構造のうち第1領域上に位置した部分の少なくとも一部を除去した後に、第2層の残りの部分を除去する。或いは、第2層の残りの部分は除去しない。
【0105】
更に他の実施形態によると、上記実施形態の何れかに係る表示体は、スレッド、ティアテープ、又はそれらの一部として使用される。
【0106】
更に他の実施形態によると、上記実施形態の何れかに係る表示体は、偽造防止の目的で使用される。或いは、更に他の実施形態によると、上記実施形態の何れかに係る表示体は、偽造防止以外の目的で、例えば、玩具、学習教材、装飾品、若しくはそれらの一部として、又は、販売促進の目的で使用される。
【0107】
更に他の実施形態によると、上記実施形態の何れかに係る表示体と、前記表示体上に設けられた粘着層とを備えた粘着ラベルが提供される。
【0108】
更に他の実施形態によると、上記実施形態の何れかに係る表示体と、前記表示体を剥離可能に支持した支持体とを備えた転写箔が提供される。
支持体は、例えば、樹脂からなるフィルム又はシートである。この樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、又は塩化ビニルである。
【0109】
転写箔は、支持体と表示体との間に、剥離層を更に備えていてもよい。剥離層は、表示体を被転写体へ転写する際に、表示体の支持体からの剥離を容易にする役割を担っている。剥離層の材料としては、例えば、樹脂を使用するができる。剥離層は、パラフィンワックス、カルナバワックス、ポリエチレンワックス及びシリコーンなどの添加剤を更に含んでいてもよい。なお、剥離層の厚さは、例えば5μm以下とする。
【0110】
転写箔は、表示体上に、接着層を更に備えていてもよい。接着層の材料としては、例えば、反応硬化型接着剤、溶剤揮散型接着剤、ホットメルト型接着剤、電子線硬化型接着剤及び感熱接着剤などの接着剤を使用することができる。
【0111】
反応硬化型接着剤としては、例えば、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウレタン及びアクリルウレタンなどのポリウレタン系樹脂、又は、エポキシ樹脂などを使用することができる。
【0112】
溶剤揮散型接着剤としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アイオノマー樹脂及びウレタン樹脂などを含んだ水性エマルジョン型接着剤、又は、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合樹脂及びアクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂などを含んだラテックス型接着剤を使用することができる。
【0113】
ホットメルト接着剤としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルエーテル樹脂及びポリウレタン樹脂などをベース樹脂として含んだものを使用することができる。
【0114】
電子線硬化型接着剤としては、例えば、アクリロイル基、アリル基及びビニル基などのビニル系官能基を1個又は複数個有したオリゴマーを主成分として含んだものを使用することができる。例えば、接着付与剤と、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタクリレート、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエーテルアクリレート及びポリエーテルメタクリレートの1以上との混合物を使用することができる。接着付与剤としては、例えば、リンを含んだアクリレート若しくはその誘導体、又は、カルボキシ基を含んだアクリレート若しくはその誘導体を使用することができる。
【0115】
感熱接着剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ゴム系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂又は塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂を使用することができる。
【0116】
更に他の実施形態によると、上記実施形態の何れかに係る表示体と、これを支持した物品とを備えたラベル付き物品が提供される。
【0117】
表示体を支持させる物品は、例えば、IC(integrated circuit)カード及びID(identification)カードなどのカード類、パスポートや通帳などの冊子類、証書類、有価証券類、美術品、工芸品、又は、電子部品及び電子機器などの工業製品である。表示体は、真正品であることが確認されるべき物品の一部であってもよく、その物品に取り付けられるべきタグであってもよい。表示体を支持させる物品は、真正品であることが確認されるべき物品を収容する包装体であってもよい。
【0118】
表示体を支持させる物品が紙を含んでいる場合、表示体は、紙の表面に貼り付けてもよく、表示体を紙に漉き込み、表示体に対応した位置で紙を開口させてもよい。
【0119】
以下、実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0120】
先ず、本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態は、図面を参照することなしに説明した実施形態の何れかをより具体化したものである。
【0121】
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示体を概略的に示す平面図である。
図2は、
図1に示す表示体のII−II線に沿った断面図である。
図3は、
図1に示す表示体のIII−III線に沿った断面図である。
【0122】
図1乃至
図3に示す表示体10は、
図2及び
図3に示すように、光透過層11と金属層12とを含んでいる。
光透過層11の一方の主面には、
図1乃至
図3に示すように、二次元的に配列した複数の画素PXが設けられている。ここでは、画素PXは、互いに直交する二方向に配列している。それら配列方向の一方は第1方向D1に対して平行であり、それら配列方向の他方は第2方向D2に対して平行である。画素PXの配列方向は、互いに対して斜めであってもよい。また、画素PXの配列方向の少なくとも一方は、第1方向D1又は第2方向に対して斜めであってもよい。なお、第1方向D1は、表示体10の製造における光透過層11の搬送方向である。また、第2方向D2は、光透過層の主面に平行であり且つ第1方向D1に対して垂直な方向である。
【0123】
画素PXの各々は、第1領域R1及び第2領域R2の何れかを含んでいる。画素PXの1以上は、第1領域R1を含んでいる。また、画素PXの1以上は、第2領域R2を含んでいる。
【0124】
第1領域R1には、
図1及び
図2に示すように、長さ方向が第1方向D1に対して平行であり且つ第2方向D2に配列した複数の第1溝G1が設けられている。ここでは、第1溝G1が設けられた構造を描いているが、複数の第1溝G1の代わりに、長さ方向が第1方向D1に対して平行であり且つ第2方向D2に配列した複数の第1稜が設けられていてもよい。或いは、複数の第1溝G1に加えて、複数の第1稜が設けられていてもよい。
【0125】
第2領域R2には、
図1及び
図3に示すように、長さ方向が第2方向D2に対して平行であり且つ第1方向D1に配列した複数の第2溝G2が設けられている。ここでは、第2溝G2が設けられた構造を描いているが、複数の第2溝G2の代わりに、長さ方向が第2方向D2に対して平行であり且つ第1方向D1に配列した複数の第2稜が設けられていてもよい。或いは、複数の第2溝G2に加えて、複数の第2稜が設けられていてもよい。
【0126】
金属層12は、光透過層11の上記主面のうち、第1領域R1を被覆することなしに、第2領域R2を被覆している。第2溝G2は、光透過層11と金属層12との界面及び金属層12の表面に回折構造を生じさせている。
【0127】
この表示体10は、白色光で照明して透過光を観察した場合には、第1領域R1の分布に対応した第1画像を表示する。また、この表示体10は、白色光で照明して回折構造が射出する回折光を観察した場合には、第2画像を表示する。第1画像のネガ画像は、第2画像のモノクロ画像と等しい。従って、この表示体10は、表示画像を第1画像と第2画像との間で切り替える際に、画像の形状を変化させることなしに、明暗反転と着色化又は脱色化とを同時に生じ得る。
【0128】
なお、この表示体10では、第1溝G1の長さ方向は第1方向D1に対して平行であるが、それらは互いに対して平行でなくてもよい。また、この表示体10では、第2溝G2の長さ方向は第2方向D2に対して平行であるが、それらは互いに対して平行でなくてもよい。
【0129】
図4は、溝又は稜の長さ方向の角度範囲を説明するための図である。
図4において、参照符号AR1及びAR2は、それぞれ、第1及び第2角度範囲を表している。第1角度範囲AR1は、第1方向D1に対して−10°から+10°までの角度範囲である。第2角度範囲AR2は、第2方向D2に対して−65°から+65°までの角度範囲である。
【0130】
図1乃至
図3を参照しながら説明した第1溝G1の長さ方向は、第1溝G1を含んだ画素PXの各々において、同一であってもよく、第1角度範囲AR1内でばらついていてもよい。また、第1溝G1の長さ方向は、第1溝G1を含んだ画素PX間で、同一であってもよく、第1角度範囲AR1内でばらついていてもよい。更に、第2溝G2の長さ方向は、第2溝G2を含んだ画素PX間で、同一であってもよく、第2角度範囲AR2内でばらついていてもよい。
【0131】
図5A乃至
図5Eは、
図1乃至
図3に示す表示体の製造方法の一例を概略的に示す断面図である。
【0132】
この方法では、先ず、
図5Aに示す光透過層11を準備する。光透過層11の一方の主面には、第1領域R1及び第2領域R2の何れかを各々が含んだ画素PXが設けられている。
【0133】
次に、光透過層11を第1方向D1へ搬送しながら、
図5Bに示すように、上記主面上に第1層として金属層12を形成する。金属層12は、好ましくは気相堆積法によって、より好ましくは真空蒸着法によって形成する。また、金属層12は、その表面が、上記主面に設けられたレリーフ構造と同様のレリーフ構造を有するように形成する。ここでは、一例として、アルミニウムからなる金属層12を、真空蒸着法によって形成することとする。
【0134】
次いで、光透過層11を第1方向D1へ搬送しながら、
図5Cに示すように、金属層12上に第2層13を形成する。第2層13は、気相堆積法によって、好ましくは真空蒸着法によって形成する。また、第2層13は、第1領域R1の位置におけるエッチング剤の透過性が第2領域R2におけるエッチング剤の透過性と比較してより高くなるように形成する。ここでは、一例として、珪素酸化物からなる第2層13を真空蒸着法によって形成することとする。また、ここでは、一例として、第2層13は、第1領域R1上に位置した部分では、一方向に傾いた複数の柱状体からなる層又は空隙を有する層であり、第2領域R2上に位置した部分では連続膜であるとする。
【0135】
次いで、光透過層11を第1方向D1へ搬送しながら、第2層13にエッチング剤を接触させる。エッチング剤は、第1層12と比較して第2層13がより高いエッチング耐性を示すものである。ここでは、一例として、光透過層11をエッチング液中に通過させることとする。これにより、
図5Dに示すように、第1層12と第2層13との積層構造のうち第1領域R1上に位置した部分を選択的に除去する。
【0136】
続いて、
図5Eに示すように、第2層13を除去する。第2層13は、エッチングによって除去することができる。このエッチングに使用するエッチング剤は、第2層13と比較して第1層12がより高いエッチング耐性を示すものである。
【0137】
その後、このようにして得られた構造を、必要に応じて適当な寸法へ切断する。以上のようにして、表示体10を得る。
【0138】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、図面を参照することなしに説明した実施形態の何れかをより具体化したものである。
【0139】
図6は、本発明の第2実施形態に係る表示体を概略的に示す平面図である。
図7は、
図6に示す表示体が含んでいる画素の一例を概略的に示す平面図である。
図8は、
図6に示す表示体が含んでいる画素の他の例を概略的に示す平面図である。
図9は、
図6に示す表示体が含んでいる画素の更に他の例を概略的に示す平面図である。
【0140】
図6に示す表示体10は、以下の構造を採用したこと以外は、第1実施形態に係る表示体10と同様である。
【0141】
即ち、
図6に示す表示体10では、各画素PXは、
図7乃至
図9に示すように、第1サブ画素SPX1と、第2サブ画素SPX2と、第3サブ画素SPX3とを含んでいる。
【0142】
第1サブ画素SPX1は、第1領域R1と、第2領域である領域R2Rとの少なくとも一方を含んでいる。領域R2Rにおける第2溝又は稜の中心間距離は、例えば、860nm乃至880nmの範囲内にある。領域R2Rは、光透過層11と金属層12との界面又は金属層12の表面に、赤色表示用の回折格子を形成している。
【0143】
第2サブ画素SPX2は、第1領域R1と、第2領域である領域R2Gとの少なくとも一方を含んでいる。領域R2Gにおける第2溝又は稜の中心間距離は、例えば、755nm乃至775nmの範囲内にある。領域R2Gは、光透過層11と金属層12との界面又は金属層12の表面に、緑色表示用の回折格子を形成している。
【0144】
第3サブ画素SPX3は、第1領域R1と、第2領域である領域R2Bとの少なくとも一方を含んでいる。領域R2Bにおける第2溝又は稜の中心間距離は、例えば、735nm乃至755nmの範囲内にある。領域R2Bは、光透過層11と金属層12との界面又は金属層12の表面に、青色表示用の回折格子を形成している。
【0145】
画素PXの1以上は、第1領域R1を含んでいる。画素PXの1以上は、第2領域R2及び第3領域R3の少なくとも一方を含んでいる。画素PXの2以上は、画素PXの面積に占める第1領域R1の面積の割合が異なっている。画素PXの2以上は、画素PXの面積に占める領域R2R、R2G又R2Bの面積の割合が異なっている。
【0146】
図10は、
図6に示す表示体が第2画像を表示している様子の一例を概略的に示す平面図である。
図11は、
図6に示す表示体が第1画像を表示している様子の一例を概略的に示す平面図である。
【0147】
この表示体10は、白色光で照明して透過光を観察した場合には、第1領域R1の分布に対応した第1画像を、例えば
図11に示すように表示する。また、この表示体10は、白色光で照明して回折構造が射出する回折光を観察した場合には、第2画像としてのカラー画像を、例えば
図10に示すように表示する。第1画像のネガ画像は、第2画像のモノクロ画像と等しい。従って、この表示体10は、表示画像を第1画像と第2画像との間で切り替える際に、画像の形状を変化させることなしに、明暗反転と多色化(若しくは着色化)又は単色化(若しくは脱色化)とを同時に生じ得る。
【0148】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、図面を参照することなしに説明した実施形態の何れかをより具体化したものである。
【0149】
図12は、本発明の第3実施形態に係る表示体を概略的に示す平面図である。
図13は、
図12に示す表示体のXIII−XIII線に沿った断面図である。
図14は、
図12に示す表示体のXIV−XIV線に沿った断面図である。
【0150】
図12乃至
図14に示す表示体10は、以下の構造を採用したこと以外は、第1実施形態に係る表示体10と同様である。
【0151】
即ち、
図12乃至
図14に示す表示体10では、各画素PXは、第1領域R1、第2領域R2、及び第3領域R3の何れかを含んでいる。画素PXの1以上は、第1領域R1を含んでいる。画素PXの1以上は、第2領域R2を含んでいる。そして、画素PXの1以上は、第3領域R3を含んでいる。
【0152】
第3領域R3は、
図13及び
図14に示すように平坦面である。第3領域R3は、反射層12によって被覆されている。
【0153】
この表示体10は、白色光で照明して透過光を観察した場合には、第1領域R1の分布に対応した第1画像を表示する。また、この表示体10は、白色光で照明して回折構造が射出する回折光を観察した場合には、第2画像を表示する。第1画像のネガ画像は、第2画像のモノクロ画像とは異なっている。従って、この表示体10は、表示画像を第1画像と第2画像との間で切り替える際に、画像の形状の変化と着色化又は脱色化とを同時に生じ得る。
【0155】
この方法では、先ず、
図15Aに示す光透過層11を準備する。光透過層11の一方の主面には、第1領域R1、第2領域R2及び第3領域R3の何れかを各々が含んだ画素PXが設けられている。
【0156】
次に、光透過層11を第1方向D1へ搬送しながら、
図15Bに示すように、上記主面上に第1層として金属層12を形成する。金属層12は、好ましくは気相堆積法によって、より好ましくは真空蒸着法によって形成する。また、金属層12は、その表面が、上記主面に設けられたレリーフ構造と同様のレリーフ構造を有するように形成する。ここでは、一例として、アルミニウムからなる金属層12を、真空蒸着法によって形成することとする。
【0157】
次いで、光透過層11を第1方向D1へ搬送しながら、
図15Cに示すように、金属層12上に第2層13を形成する。第2層13は、気相堆積法によって、好ましくは真空蒸着法によって形成する。また、第2層13は、第1領域R1の位置におけるエッチング剤の透過性が第2領域R2及び第3領域R3におけるエッチング剤の透過性と比較してより高くなるように形成する。ここでは、一例として、珪素酸化物からなる第2層13を真空蒸着法によって形成することとする。また、ここでは、一例として、第2層13は、第1領域R1上に位置した部分では、一方向に傾いた複数の柱状体からなる層又は空隙を有する層であり、第2領域R2上に位置した部分と第3領域R3上に位置した部分とでは連続膜であるとする。
【0158】
次いで、光透過層11を第1方向D1へ搬送しながら、第2層13にエッチング剤を接触させる。エッチング剤は、第1層12と比較して第2層13がより高いエッチング耐性を示すものである。ここでは、一例として、光透過層11をエッチング液中に通過させることとする。これにより、
図15Dに示すように、第1層12と第2層13との積層構造のうち第1領域R1上に位置した部分を選択的に除去する。
【0159】
続いて、
図15Eに示すように、第2層13を除去する。第2層13は、エッチングによって除去することができる。このエッチングに使用するエッチング剤は、第2層13と比較して第1層12がより高いエッチング耐性を示すものである。
【0160】
その後、このようにして得られた構造を、必要に応じて適当な寸法へ切断する。以上のようにして、表示体10を得る。
【0161】
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態は、図面を参照することなしに説明した実施形態の何れかをより具体化したものである。
【0162】
図16は、本発明の第4実施形態に係る表示体を概略的に示す平面図である。
図17は、
図16に示す表示体が含んでいる画素の一例を概略的に示す平面図である。
【0163】
図16に示す表示体10は、以下の構造を採用したこと以外は、第1実施形態に係る表示体10と同様である。
【0164】
即ち、
図16に示す表示体10では、各画素PXは、
図17に示すように、第1サブ画素SPX1と、第2サブ画素SPX2と、第3サブ画素SPX3と、第4サブ画素PX4とを含んでいる。
【0165】
第1サブ画素SPX1は、第1領域R1と第3領域R3との少なくとも一方を含んでいる。第1サブ画素SPX1は、第1画像を表示するためのものである。
【0166】
第2サブ画素SPX2は、第2領域である領域R2Gと第3領域R3との少なくとも一方を含んでいる。領域R2Rにおける第2溝又は稜の中心間距離は、例えば、860nm乃至880nmの範囲内にある。領域R2Rは、光透過層11と金属層12との界面又は金属層12の表面に、赤色表示用の回折格子を形成している。
【0167】
第3サブ画素SPX3は、第2領域である領域R2Gと第3領域R3との少なくとも一方を含んでいる。領域R2Gにおける第2溝又は稜の中心間距離は、例えば、755nm乃至775nmの範囲内にある。領域R2Gは、光透過層11と金属層12との界面又は金属層12の表面に、緑色表示用の回折格子を形成している。
【0168】
第4サブ画素SPX4は、第2領域である領域R2Bと第3領域R3との少なくとも一方を含んでいる。領域R2Bにおける第2溝又は稜の中心間距離は、例えば、735nm乃至755nmの範囲内にある。領域R2Bは、光透過層11と金属層12との界面又は金属層12の表面に、青色表示用の回折格子を形成している。
【0169】
画素PXの1以上は、第1領域R1を含んでいる。画素PXの1以上は、第2領域R2、第3領域R3及び第4領域R4の少なくとも1つを含んでいる。画素PXの2以上は、画素PXの面積に占める第1領域R1の面積の割合が異なっている。画素PXの2以上は、画素PXの面積に占める領域R2R、R2G又R2Bの面積の割合が異なっている。画素PXの2以上は、画素PXの面積に占める、第2領域R2、第3領域R3又は第4領域R4の面積の割合が異なっている。
【0170】
図18は、
図16に示す表示体が第2画像を表示している様子の一例を概略的に示す平面図である。
図19は、
図16に示す表示体が第1画像を表示している様子の一例を概略的に示す平面図である。
【0171】
この表示体10は、白色光で照明して透過光を観察した場合には、第1領域R1の分布に対応した第1画像を、例えば
図18に示すように表示する。また、この表示体10は、白色光で照明して回折構造が射出する回折光を観察した場合には、第2画像としてのカラー画像を、例えば
図19に示すように表示する。第1画像のネガ画像は、第2画像のモノクロ画像とは異なっている。従って、この表示体10は、表示画像を第1画像と第2画像との間で切り替える際に、画像の形状の変化と多色化(若しくは着色化)又は単色化(若しくは脱色化)とを同時に生じ得る。
【0172】
第3及び第4実施形態に係る表示体10の各々では、画素PXの1以上が、第3領域R3の代わりに第4領域を含んでいてもよい。或いは、第3及び第4実施形態に係る表示体10の各々では、画素PXの1以上が、第4領域を更に含んでいてもよい。
【0173】
図20は、第4領域に採用可能な構造の一例を概略的に示す平面図である。
図20に示す第4領域R4は、
図4を参照しながら説明した第2角度範囲AR2内に各々の長さ方向がある複数の第3溝G3が設けられている。これら第3溝G3は、
図13及び
図14などに示す光透過層11と金属層12との界面又は金属層12の表面に、異方性光散乱構造を生じさせている。
【0174】
ここでは、第3溝G3が設けられた構造を描いているが、複数の第3溝G3の代わりに、長さ方向が第2角度範囲内にある複数の第3稜が設けられていてもよい。或いは、複数の第3溝G3に加えて、複数の第3稜が設けられていてもよい。
【0175】
また、第1乃至第4実施形態に係る表示体の各々では、第2領域R2には、第2溝G2と交差する溝は設けられていない。第2領域R2には、第2溝G2と交差する溝を更に設けてもよい。
【0176】
図21は、第2領域に採用可能な構造の他の例を概略的に示す斜視図である。
図21に示す構造では、長さ方向が第2方向D2に平行な複数の溝と、長さ方向が第1方向D1に平行な複数の溝とが設けられている。これら溝とは交差しており、第1方向D1と第2方向D2とに配列した複数の凸部Pを形成している。
【0177】
図22は、本発明の一実施形態に係る転写箔を概略的に示す断面図である。
図22に示す転写箔30は、支持体31と、剥離層32と、表示体10と、接着層33とを含んでいる。剥離層32は、支持体31の一方の主面上に形成されている。表示体10は、その光透過層11が剥離層32と接するように、支持体31によって剥離可能に支持されている。接着層33は、表示体10のうち金属層12側の面を被覆している。
【0178】
図23は、本発明の一実施形態に係るラベル付き物品を概略的に示す平面図である。
図23に示すラベル付き物品40は、ギフトカードである。このラベル付き物品40は、紙に印刷層を設けてなる基材41と、これに支持された表示体10とを含んでいる。
【0179】
以下に、本発明の例を記載する。
(例1)
先ず、
図11及び
図10を参照しながらそれぞれ説明した第1及び第2画像を表示可能とするための描画データを作成した。ここでは、画素には、
図6乃至
図9を参照しながら説明した構造を採用することとした。また、第1溝の長さ方向は第1方向に対して平行とし、その空間周波数は2000本/mmとした。そして、第2溝の長さ方向は、第2方向に対して平行とした。
【0180】
次に、上記の描画データを利用して、レジスト層に対して電子線描画を行った。このレジスト層を現像することにより、レリーフ構造を形成した。次いで、このレリーフ構造に対して、スパッタリングによりニッケル層を形成し、続いて、これに対してニッケルを電鋳した。このようにして、ニッケルからなる原版を作製した。次いで、この原版を用いて、ニッケルからなる複製版を作製した。
【0181】
次に、厚さが19μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、グラビアコーティング法を用いて、厚さが1μmのアクリル樹脂からなる剥離層と、厚さが1μmの紫外線硬化型樹脂層とを順次形成した。これにより、積層フィルムを得た。
【0182】
次に、積層フィルムの紫外線硬化型樹脂層に、複製版を押し当てながら熱を加えた。具体的には、100℃に加熱しながら、1MPaの圧力を加えた。この状態で、紫外線硬化型樹脂層に紫外線を照射して、これを硬化させた。以上のようにして、紫外線硬化型樹脂の硬化物からなる光透過層を形成した。
【0183】
次いで、光透過層上に、第1及び第2層を順次形成し、続いて、エッチングを行った。これら一連の処理は、積層フィルムの搬送速度を100m/分として行った。
【0184】
具体的には、先ず、光透過層上に、真空蒸着法により、アルミニウムからなる厚さが50nmの第1層を形成した。
【0185】
次いで、第1層上に、真空蒸着法により、珪素酸化物からなる厚さが20nmの第2層を形成した。第2層の成膜は、直径が600mmのロール上で行った。また、第2層の成膜に当たり、蒸発源からロールまでの距離は1mに設定した。
【0186】
その後、積層フィルムをエッチング液中に通過させた。エッチング液としては、水酸化ナトリウムを1.5%の質量濃度で含有した水酸化ナトリウム水溶液を使用した。エッチング液の温度は45℃とし、浸漬時間は1分間とした。
【0187】
以上のようにして、PETからなる支持体と、アクリル樹脂からなる剥離層と、表示体とを含んだ積層構造を得た。
【0188】
次いで、表示体上に、グラビアコーティング法により、アクリル系樹脂からなる接着剤を塗布して、厚さが2μmの接着層を形成した。以上のようにして、転写箔を得た。
【0189】
このようにして得られた転写箔を用いて、支持体から被転写体へ表示体を転写した。この被転写体としては、光透過性のある被転写用紙を用いた。また、この転写は、150℃に加熱したスタンパを、10MPaの圧力で、被転写用紙上の転写箔へ押し当て、その後、スタンパを取り除くとともに、表示体から支持体を剥離することにより行った。
【0190】
このようにして得られたラベル付き物品を白色光で照明し、回折光を観察した。その結果、写真画質のフルカラーホログラム画像を観察することができた。続いて、このラベル付き物品の裏面を白色光で照明し、透過光を観察した。その結果、第1領域の分布に対応した透かし画像を観察することができた。即ち、
図10及び
図11を参照しながら説明した画像の変化を確認することができた。
【0191】
(例2)
先ず、
図19及び
図18を参照しながらそれぞれ説明した第1及び第2画像を表示可能とするための描画データを作成した。ここでは、画素には、
図16及び
図17を参照しながら説明した構造を採用することとした。また、第1溝の長さ方向は第1方向に対して平行とし、その空間周波数は2000本/mmとした。そして、第2溝の長さ方向は、第2方向に対して平行とした。
【0192】
次に、上記の描画データを利用して、レジスト層に対して電子線描画を行った。このレジスト層を現像することにより、レリーフ構造を形成した。次いで、このレリーフ構造に対して、スパッタリングによりニッケル層を形成し、続いて、これに対してニッケルを電鋳した。このようにして、ニッケルからなる原版を作製した。次いで、この原版を用いて、ニッケルからなる複製版を作製した。
【0193】
以上のようにして作製した複製版を用いたこと以外は、例1において行ったのと同様の方法により、転写箔を製造した。そして、この転写箔を用いたこと以外は、例1において行ったのと同様の方法により、ラベル付き物品の作製と、画像の観察とを行った。
【0194】
その結果、このラベル付き物品を白色光で照明し、回折光を観察したときには、写真画質のフルカラーホログラム画像を観察することができた。また、このラベル付き物品の裏面を白色光で照明し、透過光を観察したときには、先のホログラム画像とは形状が異なる画像を観察することができた。即ち、
図18及び
図19を参照しながら説明した画像の変化を確認することができた。
以下に、当初の発明の概要に記載していた発明を付記する。
一側面によると、二次元的に配列した複数の画素が一方の主面に設けられた光透過層と、前記主面を部分的に被覆した金属層とを備えた表示体であって、前記複数の画素の各々は、前記主面に平行な第1方向に対して−10°乃至+10°の第1角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第1溝又は稜と、任意に前記第1溝又は稜と交差する溝又は稜とが設けられた第1領域と、前記主面に平行であり且つ前記第1方向に垂直な第2方向に対して−65°乃至+65°の第2角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第2溝又は稜が設けられ、前記複数の第2溝又は稜は、前記光透過層と前記金属層との界面又は前記金属層の表面に回折構造を生じさせる第2領域と、平坦な第3領域と、前記第2角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第3溝又は稜が設けられ、前記複数の第3溝又は稜は、前記光透過層と前記金属層との界面又は前記金属層の表面に異方性光散乱構造を生じさせる第4領域とからなる群より選ばれる1以上を含み、前記複数の画素の1以上は前記第1領域を含み、前記複数の画素の1以上は前記第2領域を含み、前記金属層は、前記第1領域の少なくとも一部を被覆することなしに、前記第2領域と、存在している場合には前記第3領域と前記第4領域とを被覆し、前記表示体は、白色光で照明して透過光を観察した場合には前記第1領域の分布に対応した第1画像を表示し、白色光で照明して前記回折構造が射出する回折光を観察した場合には第2画像を表示するように構成された表示体が提供される。
以下に、当初の請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
二次元的に配列した複数の画素が一方の主面に設けられた光透過層と、前記主面を部分的に被覆した金属層とを備えた表示体であって、
前記複数の画素の各々は、
前記主面に平行な第1方向に対して−10°乃至+10°の第1角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第1溝又は稜が設けられた第1領域と、
前記主面に平行であり且つ前記第1方向に垂直な第2方向に対して−65°乃至+65°の第2角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第2溝又は稜が設けられ、前記複数の第2溝又は稜は、前記光透過層と前記金属層との界面又は前記金属層の表面に回折構造を生じさせる第2領域と、
平坦な第3領域と、
前記第2角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第3溝又は稜が設けられ、前記複数の第3溝又は稜は、前記光透過層と前記金属層との界面又は前記金属層の表面に異方性光散乱構造を生じさせる第4領域と
からなる群より選ばれる1以上を含み、
前記複数の画素の1以上は前記第1領域を含み、
前記複数の画素の1以上は前記第2領域を含み、
前記金属層は、前記第1領域の少なくとも一部を被覆することなしに、前記第2領域と、存在している場合には前記第3領域と前記第4領域とを被覆し、
前記表示体は、白色光で照明して透過光を観察した場合には前記第1領域の分布に対応した第1画像を表示し、白色光で照明して前記回折構造が射出する回折光を観察した場合には第2画像を表示するように構成された表示体。
[2]
前記複数の画素の1以上は前記第3及び第4領域の少なくとも一方を含み、前記複数の画素の残りは前記第3及び第4領域の何れも含んでいない項1に記載の表示体。
[3]
前記複数の画素の2以上は、前記第1領域を含み且つ前記画素の面積に占める前記第1領域の面積の割合が異なっている項1又は2に記載の表示体。
[4]
前記複数の画素の2以上は、前記第1領域と、前記第3及び第4領域の少なくとも一方と、任意に前記第2領域とを含み、前記画素の面積に占める前記第1領域の面積の割合が異なり、且つ、前記画素の面積に占める前記第3及び第4領域の合計面積の割合が異なっている項1乃至3の何れか1項に記載の表示体。
[5]
前記複数の画素の2以上は、前記第2領域を含み且つ前記画素の面積に占める前記第2領域の面積の割合が異なっている項1乃至4の何れか1項に記載の表示体。
[6]
前記複数の画素の2以上は、前記第2領域と、前記第3及び第4領域の少なくとも一方と、任意に前記第1領域とを含み、前記画素の面積に占める前記第2領域の面積の割合が異なり、且つ、前記画素の面積に占める前記第3及び第4領域の合計面積の割合が異なっている項1乃至5の何れか1項に記載の表示体。
[7]
前記第1画像のネガ画像は前記第2画像のモノクロ画像と等しい項1乃至6の何れか1項に記載の表示体。
[8]
前記第1画像のネガ画像は前記第2画像のモノクロ画像とは異なっている項1乃至6の何れか1項に記載の表示体。
[9]
前記複数の画素の1以上は前記第3領域を含み、前記複数の画素の1以上は前記第4領域を含み、前記第3領域を含んだ前記複数の画素の1以上の配列が形成する第3パターンは、前記第4領域を含んだ前記複数の画素の1以上の配列が形成する第4パターンとは異なっている項1乃至8の何れか1項に記載の表示体。
[10]
前記複数の画素の各々は第1乃至第3サブ画素を含み、
前記第1乃至第3サブ画素の各々は前記第1乃至第4領域の1以上を含み、
前記複数の画素の1以上において、前記第1サブ画素は前記第2領域を含み、
前記複数の画素の1以上において、前記第2サブ画素は前記第2領域を含み、
前記複数の画素の1以上において、前記第3サブ画素は前記第2領域を含み、
前記第1サブ画素が前記第2領域を含んだ前記複数の画素の1以上の各々において、前記回折構造のうち前記第1サブ画素上に位置した部分は、前記表示体を白色光で照明して回折光を観察する何れかの条件のもとで赤色の回折光を射出し、
前記第2サブ画素が前記第2領域を含んだ前記複数の画素の1以上の各々において、前記回折構造のうち前記第2サブ画素上に位置した部分は、前記条件のもとで緑色の回折光を射出し、
前記第3サブ画素が前記第2領域を含んだ前記複数の画素の1以上の各々において、前記回折構造のうち前記第3サブ画素上に位置した部分は、前記条件のもとで青色の回折光を射出する項1乃至9の何れか1項に記載の表示体。
[11]
前記複数の画素の各々は第1及び第2サブ画素を含み、
前記複数の画素の1以上では、前記第1サブ画素は、前記第1領域と任意に前記第3及び第4領域の少なくとも一方とを含み、前記複数の画素の残りでは、前記第1サブ画素は、前記第3及び第4領域の少なくとも一方と任意に前記第1領域とを含み、
前記複数の画素の1以上では、前記第2サブ画素は、前記第2領域と任意に前記第3及び第4領域の少なくとも一方とを含み、前記複数の画素の残りでは、前記第2サブ画素は、前記第3及び第4領域の少なくとも一方と任意に前記第2領域とを含んだ項1乃至9の何れか1項に記載の表示体。
[12]
前記複数の画素の各々は第1乃至第4サブ画素を含み、
前記第1サブ画素は前記第1、第3及び第4領域の少なくとも1つを含み、
前記第2乃至第4サブ画素の各々は前記第2乃至第4領域の少なくとも1つを含み、
前記複数の画素の1以上において、前記第2サブ画素は前記第2領域を含み、
前記複数の画素の1以上において、前記第3サブ画素は前記第2領域を含み、
前記複数の画素の1以上において、前記第4サブ画素は前記第2領域を含み、
前記第2サブ画素が前記第2領域を含んだ前記複数の画素の1以上の各々において、前記回折構造のうち前記第2サブ画素上に位置した部分は、前記表示体を白色光で照明して回折光を観察する何れかの条件のもとで赤色の回折光を射出し、
前記第3サブ画素が前記第2領域を含んだ前記複数の画素の1以上の各々において、前記回折構造のうち前記第3サブ画素上に位置した部分は、前記条件のもとで緑色の回折光を射出し、
前記第4サブ画素が前記第2領域を含んだ前記複数の画素の1以上の各々において、前記回折構造のうち前記第4サブ画素上に位置した部分は、前記条件のもとで青色の回折光を射出する項1乃至9の何れか1項に記載の表示体。
[13]
項1乃至12の何れか1項に記載の表示体と、前記表示体を剥離可能に支持した支持体とを備えた転写箔。
[14]
項1乃至12の何れか1項に記載の表示体と、これを支持した物品とを備えたラベル付き物品。
[15]
二次元的に配列した複数の画素が一方の主面に設けられた光透過層であって、
前記複数の画素の各々は、
前記主面に平行な第1方向に対して−10°乃至+10°の第1角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第1溝又は稜が設けられた第1領域と、
前記主面に平行であり且つ前記第1方向に垂直な第2方向に対して−65°乃至+65°の第2角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第2溝又は稜が設けられ、前記第2溝又は稜は回折構造を構成するように配列した第2領域と、
平坦な第3領域と、
前記第2角度範囲内に各々の長さ方向がある複数の第3溝又は稜が設けられ、前記複数の第3溝又は稜は異方性光散乱構造を構成するように配列した第4領域と
からなる群より選ばれる1以上を含み、
前記複数の画素の1以上は前記第1領域を含み、前記複数の画素の1以上は前記第2領域を含んだ光透過層を準備することと、
前記主面上に金属層としての第1層を形成することと、
前記光透過層を前記第1方向へ搬送させながら、気相堆積法により、前記第1層とは異なる材料を前記第1層上に堆積させて、前記第1領域の位置におけるエッチング剤の透過性が前記第2乃至第4領域における前記エッチング剤の透過性と比較してより高い第2層を形成することと、
前記エッチング剤を前記第2層に接触させて、前記第1及び第2層からなる積層構造のうち前記第1領域上に位置した部分の少なくとも一部を選択的に除去することと
を含んだ表示体の製造方法。