(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記システム制御部は、前記書き込み総量が前記寿命事前通知閾値を超えた状態において、前記過剰書き込みと判断しない場合、前記保証期間を満たせるが前記不揮発性メモリーの交換が近いことを知らせる第2の警告を通知することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の電子機器の一実施形態を、
図1〜
図7を参照しながら説明する。なお、以下の説明においての電子機器の一例としては、たとえば印刷機能、コピー機能、FAX機能、ネットワーク経由でのデータ送受信機能等を搭載した複合的な周辺機器であるMFP(Multifunction Peripheral)であるものとする。
【0015】
まず、
図1に示すように、MFP100は、インターネットや社内LAN(Local Area Network)等のネットワーク300を介し、MFP100を管理する管理サーバー200に接続されている。管理サーバー200は、MFP100から受け取った後述の
図3(b)に示す差分管理テーブル113の書き込み差分平均値(Ave.)を元に、TBW(Tera Byte Written)と呼ばれる寿命までに何テラバイトのデータを書き込みできるかを示した書き込み保証値を取得できない不揮発性メモリーの寿命予測等を行う。
【0016】
MFP100は、スキャナー部101、プリンター部102、FAX(Facsimile)部103、I/F(インターフェース)104、DRAM(Dynamic Random Access Memory)105、パネル部106、USB(Universal Serial Bus)メモリー107、SSD(solid state drive)108、SDカード109、Flashメモリー(登録商標)110を制御する制御部120を備えている。なお、不揮発性メモリーであるUSBメモリー107は、MFP100の本体に対して挿抜自在となっている。これに対し、不揮発性メモリーであるSSD108、SDカード109、Flashメモリー(登録商標)110は、MFP100の本体に対し、抜き出しできないように装着されている。また、Flashメモリー(登録商標)110は、たとえばNOR Flash、NAND Flash等を示す。また、図示しないHDD(Hard Disk Drive)を設けてもよい。
【0017】
スキャナー部101は、イメージセンサ(図示省略)によって読み取られる、原稿の画像をデジタルの画像データに変換し、制御部120に入力するデバイスである。プリンター部102は、制御部120から出力される印刷データに基づき、用紙上に画像を印刷するデバイスである。FAX部103は、制御部120から出力されるデータを、電話回線を通じ相手方となるファクシミリへと送信し、また、相手方ファクシミリからのデータを受信して制御部120に入力するデバイスである。
【0018】
I/F104は、社内LAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを介し、管理サーバー200、他のユーザー端末、コンテンツサーバー、ウェブサーバー等との通信を受け持つネットワークインターフェースカード等のデバイスである。DRAM105は、プログラムを実行するためのワークメモリーである。また、DRAM105は、後述の画像処理部127によって画像処理(ラスタライズ)された印刷データ等を記憶する。パネル部106は、たとえば不揮発性メモリーであるSSD108、SDカード109、Flashメモリー(登録商標)110に対する過剰書き込みの検知結果等を表示する。
【0019】
USBメモリー107は、各種設定情報や印刷データ等をMFP100に登録したりする際に用いられる。SSD108、SDカード109、Flashメモリー(登録商標)110は、後述の
図2に示すユーザーデータやアプリケーションプログラム(以下、アプリという)データ等を記憶するパーティションを有している。なお、SSD108の場合、S.M.A.R.T.(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)と呼ばれる自己診断機能が搭載されている。また、自己診断機能が搭載されている不揮発性メモリーの場合、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)インターフェースを使用することで、TBW(Tera Byte Written)と呼ばれる何テラバイトのデータを書き込んだかを示した書き込み量を取得できる。これに対し、SDカード109や、Flashメモリー(登録商標)110の場合、S.M.A.R.T.と呼ばれる自己診断機能が搭載されていないため、TBWと呼ばれる書き込み量を取得できない。ただし、本実施形態では、SATAインターフェースを搭載していないため、SSD108からのTBWを取得できないことから、過剰書き込みの検知対象を、不揮発性の半導体メモリー(以降、単に「不揮発性メモリー」と記述する。)であるSSD108、SDカード109、及びFlashメモリー(登録商標)110とする。
【0020】
制御部120は、画像形成プログラムや制御プログラム等を実行してMFP100全体の動作を制御するプロセッサーである。制御部120は、スキャナー制御部121、プリンター制御部122、FAX制御部123、通信制御部124、DRAM制御部125、ROM(Read-Only Memory)126、画像処理部127、パネル操作制御部128、USBHOST制御部129、SD制御部130、Flash制御部131、システム制御部132を備えている。また、これらは、データバス133に接続されている。
【0021】
スキャナー制御部121は、スキャナー部101の読み取り動作を制御する。プリンター制御部122は、プリンター部102の印刷動作を制御する。FAX制御部123は、FAX部103によるデータの送受信動作を制御する。通信制御部124は、I/F104を介し、ネットワーク経由でのデータ等の送受信の制御を行う。
【0022】
DRAM105は、プログラムを実行するためのワークメモリーである。また、DRAM105は、画像処理部127によって画像処理(ラスタライズ)された印刷データ等を記憶する。ROM126には、各部の動作チェック等を行う制御プログラムが記憶されている。画像処理部127は、たとえばスキャナー部101が読み取った画像データに対する画像処理(ラスタライズ)を行う。パネル操作制御部128は、パネル部106の表示動作を制御する。また、パネル操作制御部128は、パネル部106を介し、印刷、コピー、FAX、インターネット経由でのデータ送受信等の開始等を受け付ける。また、パネル操作制御部128は、システム制御部132がたとえば不揮発性メモリーであるSSD108、SDカード109、Flashメモリー(登録商標)110に対する過剰書き込みを検知すると、システム制御部132の指示に従い、過剰書き込みに伴う製品保証期間を満たせない状態となることを知らせる警告等を表示させる。
【0023】
USBHOST制御部129は、USBメモリー107及びSSD108に対するデータの読み出し及び書き込み等を制御する。SD制御部130は、SDカード109に対するデータの読み出し及び書き込み等を制御する。Flash制御部131は、Flashメモリー(登録商標)110に対するデータの読み出し及び書き込み等を制御する。システム制御部132は、各部の連携動作等を制御する。また、システム制御部132は、詳細については後述するが、後述の
図3(a)に示す設計値管理テーブル112と、同
図3(b)に示す差分管理テーブル113とを管理し、たとえば不揮発性メモリーであるSSD108、SDカード109、Flashメモリー(登録商標)110に対する過剰書き込みを検知し、パネル操作制御部128を介し、パネル部106に過剰書き込みに伴う製品保証期間を満たせない状態となることを知らせる警告等を表示させる。
【0024】
次に、
図2を参照し、SSD108、SDカード109、Flashメモリー(登録商標)110の構成について説明する。なお、以下では、SSD108、SDカード109、Flashメモリー(登録商標)110の構成がほぼ同じであるため、SSD108を代表させて説明する。
【0025】
まず、
図2(a)に示すSSD108は、記憶単位としてパーティションA〜Eを有している。なお、パーティションA〜Eの数は任意であり、図示のように5個に限定されるものではない。
図2(b)に示すカーネル管理領域111は、システム制御部132が管理するものであり、SSD108のパーティションA〜Eを管理する領域を示している。すなわち、システム制御部132は、各パーティションA〜Eに対するマウント処理を実行し、たとえばパーティションAをユーザーデータ領域111aとして管理し、パーティションBをアプリデータ領域111bとして管理し、パーティションCをデータベース領域111cとして管理し、パーティションDをテンポラリ領域111dとして管理し、パーティションEを予約領域111eとして管理する。なお、予約領域111eとして管理されているSSD108のパーティションEは、たとえばいずれかのパーティションA〜Dに過剰書き込みが発生した場合、代替書き込み領域として使用される。
【0026】
次に、
図3を参照し、システム制御部132が管理するSSD108、SDカード109、Flashメモリー(登録商標)110のテーブルについて説明する。なお、以下においては、SSD108がパーティションA〜Eを有し、SDカード109がパーティションA〜Bを有し、Flashメモリー(登録商標)110がパーティションA〜Eを有しているものとする。
【0027】
まず、
図3(a)は、SSD108、SDカード109、Flashメモリー(登録商標)110の設計値管理テーブル112の一例を示している。設計値管理テーブル112は、USBメモリー107及びSSD108に記憶されている。設計値管理テーブル112は、SSD108、SDカード109、Flashメモリー(登録商標)110の製品保証期間としての製品保証年数(たとえば5年)に基づいた単位期間(本実施形態では1日)の書き込み予測量を示す設計値を管理する。すなわち、SSD108の場合、パーティションAを200MB、パーティションBを300MB、パーティションCを150MB、パーティションDを200MB、パーティションEを300MBとした設計値を管理する。SDカード109の場合、パーティションAを50MB、パーティションBを100とした設計値を管理する。Flashメモリー(登録商標)110の場合、パーティションAを3MB、パーティションBを25MB、パーティションCを1MB、パーティションDを10MB、パーティションEを5MBとした設計値を管理する。なお、単位期間については、日数に限定されるものではなく、任意に変更可能である。また、それぞれのパーティションでの設計値については、
図3(a)の容量に限定されるものではなく、任意に変更可能である。
【0028】
次に、
図3(b)は、たとえばSSD108についての10日分のパーティションA〜E全体の設計値に対する差分量の平均値を管理する差分管理テーブル113の一例を示している。差分管理テーブル113は、USBメモリー107及びSSD108に記憶されている。差分管理テーブル113は、それぞれのパーティションA〜Eでのデータの書き込み量の合計と、それぞれのパーティションA〜Eの設計値の合計との差分と、差分の単位期間(1日)当たりの平均値とを管理する。すなわち、SSD108に対するデータの書き込み量は、たとえばMFP100の電源ONに伴うシステム起動開始から2日毎(つまり1日置き)に取得される。つまり、1日目のデータの書き込み量は、システム起動開始日の翌日に取得し、以降1日置きに順次取得する。なお、システム管理部132は、それぞれのパーティションA〜Eへのデータの書き込み発生時の書き込み量をUSBメモリー107及びSSD108に記憶し、単位期間中、パーティションA〜E毎に積算して管理する。
【0029】
なお、パーティションA〜E全体の設計値に対する差分の単位期間(1日)当たりの平均値の取得は、たとえば特定回数(本実施形態では10回(10日))分のデータの書き込み量の取得があった時点で実行される。また、差分の単位期間当たりの平均値が取得は、単位期間の整数倍の期間毎に行えばよいが、少なくとも特定回数に対応する期間毎には行う必要がある。また、特定回数は、10回(10日)分に限るものではなく、任意に変更可能である。特に、使用状況によってはいずれかのパーティションA〜Eにおいてのデータの書き込み量が一時的に設計値よりさらに高い値を示すことがある。この場合、平均値の取得を10回(10日)分から20回(20日)分のように長くすることで、一時的に高くなったデータの書き込み量による影響を避けることができる。また、データの書き込み量の取得の間隔(取得間隔)は、2日毎(1日置き)に限るものではなく、任意に変更可能である。また、データの書き込み量の取得は、間隔を取らず毎日行われてもよい。また、データの書き込み量の取得開始のタイミングは、電源ONに伴うシステム起動開始に限らず、MFP100が有するシステム時刻に基づいてもよい。
【0030】
ここで、差分管理テーブル113は、10日分の差分量の合計の平均値が-40030[KB]である場合を示している。このように、平均値がマイナスとなった場合、システム制御部132は製品保証年数を満たすと判断する。これに対し、平均値がプラスとなった場合、システム制御部132は過剰書き込みであると判断する。この場合、製品保証年数を満たせない状態になると予測する。
【0031】
次に、
図4は、MFP100を管理する管理サーバー200による不揮発性メモリーの寿命予測の一例を示している。すなわち、
図4は、MFP100から得られる、各パーティションA〜Eへの書き込み量の合計の累計値、すなわち、不揮発性メモリーの書き込み開始(すなわち、使用開始)からのデータの書き込み総量の推移を示している。なお、システム管理部132は、それぞれの各パーティションA〜Eへのデータの書き込み量の合計とデータの書き込み量の取得間隔とに基づいて、データ書き込み総量を更新し、USBメモリー107及びSSD108に記憶する。データ書き込み総量の更新は、少なくとも、パーティションA〜E全体の設計値に対する差分の単位期間当たりの平均値の取得のタイミングで実行すればよい。
【0032】
また、
図4において、直線aは製品保証年数(たとえば5年)を保証する推移を示している。
図3(b)の差分管理テーブル113で示す平均値がゼロ又はマイナスで推移する場合、製品保証年数(たとえば5年)が保証されることを示している。
【0033】
これに対し、折れ線bは、製品保証年数(たとえば5年)を満たせない状態となることを予測する推移を示している。つまり、
図3(b)の差分管理テーブル113で示す平均値がマイナスで推移する場合、直線b1のような推移となり、途中で平均値がプラスで推移すると、直線b2のような推移となり、製品保証年数(たとえば5年)を満たせない状態となることを予測する。
【0034】
ただし、折れ線c、dは、製品保証年数(たとえば5年)を満たせる状態となることを予測する推移を示している。つまり、折れ線cは、
図3(b)の差分管理テーブル113で示す平均値がプラスで推移する場合、直線c1のような推移となり、途中で平均値がマイナスで推移すると、直線c2のような推移となり、製品保証年数(たとえば5年)を満たせる状態となることを予測する。また、折れ線dは、
図3(b)の差分管理テーブル113で示す平均値がマイナスで推移する場合、直線d1のような推移となり、途中で平均値がプラスで推移すると、直線d2のような推移となり、さらに途中で平均値がマイナスで推移すると、直線d3のような推移となり、製品保証年数(たとえば5年)を満たせる状態となることを予測する。
【0035】
ここで、折れ線b、c、dのように、不揮発性メモリーの使用状況によっては、書き込み状況が変化することがある。特に、折れ線bのように、途中で平均値がプラスで推移すると、製品保証年数(たとえば5年)を満たせない状態となることがある。この場合、詳細については後述するが、後述のように、システム制御部132は、使用可能予測日数(Dprediction)を求め、求めた使用可能予測日数(Dprediction)と不揮発性メモリーが保証する保証日数(Dguarantee)とを比較し、(Dprediction)<(Dguarantee)となる場合、過剰書き込みと判断する。
【0036】
なお、システム制御部132は、過剰書き込みかどうかを判断する場合、次のような演算を行う。すなわち、システム制御部132は、書き込み保証値を(Wmax)とし、書き込み総量を(Wsum)とし、差分の平均値を(Ave.)とし、1日当たりの書き込み予測量を(Wref)とし、残保証日数を(Dremain)としたとき、(Dremain)=[(Wmax)−(Wsum)]/[(Ave.)+(Wref)]の演算により、前記残保証日数を求める。さらに、システム制御部132は、経過日数を(Dpast)とし、使用可能予測日数を(Dprediction)としたとき、(Dprediction)=(Dpast)+(Dremain)の演算により、使用可能予測日数を求める。また、システム制御部132は、不揮発性メモリーが保証する保証日数を(Dguarantee)としたとき、(Dprediction)<(Dguarantee)となる場合、過剰書き込みと判断する。具体的には、直線b2、c1、及びd2の期間中において、過剰書き込みと判断されることになる。
【0037】
ただし、システム制御部132が過剰書き込みと判断した場合でも、まだ書き込み総量がまだ少なく、今後の使用状況によっては、製品保証日数を満たせる可能性がある。この場合、システム制御部132は、書き込み保証値(Wmax)より一定値少ない寿命事前通知閾値(t)を元に、書き込み総量(Wsum)が寿命事前通知閾値(t)を超えた状態において、過剰書き込みと判断した場合、保証日数(Dguarantee)を満たせない可能性が高いことを知らせる第1の警告を通知する。この第1の警告は、折れ線bのように、製品保証年数(たとえば5年)より前に寿命事前通知閾値(t)を超えるような推移となると、通知される。この場合、保証日数(Dguarantee)を満たせない可能性が高いことを知らせる第1の警告は、パネル部106に表示されたり、管理サーバー200に通知されたりする。
【0038】
一方、システム制御部132は、書き込み保証値(Wmax)より一定値少ない寿命事前通知閾値(t)を元に、書き込み総量(Wsum)が寿命事前通知閾値(t)を超えた状態において、過剰書き込みと判断しない場合、保証日数(Dguarantee)を満たせるが不揮発性メモリーの交換が近いことを知らせる第2の警告を通知する。この第2の警告は、折れ線c、dのように、製品保証年数(たとえば5年)より後に寿命事前通知閾値(t)を超えるような推移となると、通知される。この場合、保証日数(Dguarantee)を満たせるが不揮発性メモリーの交換が近いことを知らせる第2の警告は、パネル部106に表示されたり、管理サーバー200に通知されたりする。
【0039】
ここで、寿命事前通知閾値(t)としては、不揮発性メモリーが寿命で動作しなくなる前に、開発者、販社、又はサービスマン等による不揮発性メモリーの交換等に関する適切な対応を受けることができる日数であることが望ましい。また、開発者、販社、又はサービスマン等による不揮発性メモリーの交換等に関する対応については、ある程度の日数に余裕を持たせておくことが好ましい。この場合、寿命事前通知閾値(t)は、書き込み保証値(Wmax)に対してたとえば30日前とした値とすることができる。ここで、書き込み保証値(Wmax)に対してたとえば30日前とは、たとえば直線aで示す製品保証年数(たとえば5年)を保証する推移を基準とした日数とすることができる。
【0040】
なお、
図4の折れ線b、c、dから分かる通り、寿命事前通知閾値(t)を超える前後において、それぞれの書き込み差分平均値(Ave.)が異なることで、それぞれの傾きが異なっている。この場合、
図4のように、それぞれの折れ線b、c、dに共通の寿命事前通知閾値(t)を設けると、折れ線b、c、dの傾きによっては30日以内に書き込み保証値(Wmax)に達する場合と、30日以降に書き込み保証値(Wmax)に達する場合とが生じる。特に、30日以内に書き込み保証値(Wmax)に達する場合では、開発者、販社、又はサービスマン等による不揮発性メモリーの交換等に関する対応に対しての日数に余裕が無くなってしまうことがある。この場合、後述の
図5のように、折れ線b、c、d毎に、それぞれの傾きに応じた寿命事前通知閾値(t)を設けるようにすると、開発者、販社、又はサービスマン等による不揮発性メモリーの交換等に関する対応に対しての日数の余裕の減少等を防止できる。
【0041】
図5は、MFP100を管理する管理サーバー200による不揮発性メモリーの寿命予測について、折れ線b、c、d毎に、それぞれの傾きに応じた寿命事前通知閾値(t)を設けた場合の他の例を示している。すなわち、
図5に示すように、たとえば製品保証年数(たとえば5年)を保証する推移を示す直線aに対する寿命事前通知閾値(t)の値をt0とし、この値t0を基準とする。ここで、折れ線bの場合、直線b2のように傾きが大きくなることから、寿命事前通知閾値(t)の値をt0より小さいt1とする。また、折れ線cの場合、直線c2のように傾きが小さくなることから寿命事前通知閾値(t)の値をt0より大きいt2とする。また、折れ線dの場合、直線d3のように傾きが直線aとほぼ同じとなることから、寿命事前通知閾値(t)の値をt0とする。これらの寿命事前通知閾値(t)の値t0、t1、t2は、いずれも製品保証年数(たとえば5年)を保証する推移を示す直線aを基準とすることで、直線aに対する傾きの差から求めることができる。
【0042】
また、それぞれの寿命事前通知閾値(t)の値t0、t1、t2を求めるタイミングとしては、まず、それぞれの折れ線b、c、dの推移から残保証日数(Dremain)を求め、残保証日数(Dremain)が特定期間、たとえば60日となったとき、10日分の書き込み差分を平均した値である書き込み差分平均値(Ave.)を、10日分からたとえば3日分に縮めた書き込み差分を平均した短縮平均値に変更する。さらに、製品保証年数(たとえば5年)を保証する推移を示す直線aに対する短縮平均値のプラス又はマイナスの差に基づき、それぞれの折れ線b、c、dに対し、t0〜t1で示す寿命事前通知閾値(t)を設定する。これにより、折れ線b、c、d毎に、それぞれの傾きである不揮発性メモリーの使用状況に応じた寿命事前通知閾値(t)を設定できるので、開発者、販社、又はサービスマン等による不揮発性メモリーの交換等に関する対応に対しての日数の余裕の減少等を防止できる。
【0043】
次に、
図6を参照し、不揮発性メモリーの管理について説明する。なお、以下では、不揮発性メモリーであるSSD108、SDカード109、Flashメモリー(登録商標)110の構成がほぼ同じであるため、SSD108を代表させて説明する。また、SSD108の各パーティションA〜Eの1日の書き込み予測量を定めた設計値は、
図3(a)の設計値管理テーブル112で管理されているとする。また、以下のステップS101〜S105までは差分管理の手順を示し、ステップS106〜S110までは過剰書き込み検出の手順を示している。
【0044】
(ステップS101)
システム制御部132は、SSD108の各パーティションA〜Eの書き込み量を取得する。
この場合、システム制御部132は、USBHOST制御部129を介し、SSD108の各パーティションA〜Eに書き込まれたデータの書き込み量を取得する。
【0045】
(ステップS102)
システム制御部132は、SSD108の各パーティションA〜E全体の設計値に対する差分を求める。
この場合、システム制御部132は、たとえば1日目のSSD108の各パーティションA〜Eの書き込み量を取得すると、
図3(a)の設計値管理テーブル112が示すSSD108の各パーティションA〜Eの設計値の合計と、取得したSSD108の各パーティションA〜Eの書き込み量の合計とを比較し、設計値の合計と書き込み量の合計との差分を求める。
【0046】
(ステップS103)
システム制御部132は、求めた差分を記憶させる。
この場合、システム制御部132は、求めた差分を
図3(b)の差分管理テーブル113に登録する。
【0047】
(ステップS104)
システム制御部132は、10日分のデータが得られたかどうかを判断する。
この場合、システム制御部132は、
図3(b)の差分管理テーブル113を参照し、10日分の差分が登録されていなければ10日分のデータが得られないと判断し(ステップS104:No)、ステップS101に戻る。
これに対し、システム制御部132は、
図3(b)の差分管理テーブル113を参照し、10日分の差分が登録されていれば10日分のデータが得られたと判断し(ステップS104:Yes)、ステップS105に移行する。
【0048】
(ステップS105)
システム制御部132は、SSD108の各パーティションA〜Eの書き込み差分平均値(Ave.)を求める。
この場合、システム制御部132は、
図3(b)の差分管理テーブル113を参照し、10日分の書き込み差分平均値(Ave.)を求め、差分管理テーブル113に登録する。
【0049】
(ステップS106)
システム制御部132は、各パーティションA〜Eの書き込み総量(Wsum)を更新する。
この場合、システム制御部132は、書き込み開始からの書き込み総量(Wsum)に10日分の各パーティションA〜Eの書き込み量の合計を加算するして、最新の書き込み総量(Wsum)を取得する。
【0050】
(ステップS107)
システム制御部132は、残保証日数(Dremain)を更新する。
この場合、システム制御部132は、
残保証日数(Dremain)=[書き込み保証値(Wmax)−書き込み総量(Wsum)]/[書き込み差分平均値(Ave.)+1日当たりの書き込み予測量(Wref)]
とした演算により、残保証日数(Dremain)を求める。
【0051】
(ステップS108)
システム制御部132は、使用可能予測日数(Dprediction)を求める。
この場合、システム制御部132は、
使用可能予測日数(Dprediction)=経過日数(Dpast)+残保証日数(Dremain)
とした演算により、使用可能予測日数(Dprediction)を求める。
【0052】
(ステップS109)
システム制御部132は、使用可能予測日数(Dprediction)<保証日数(Dguarantee)かどうかを判断する。
この場合、システム制御部132は、
保証日数(Dguarantee)=365日×5年
とした演算により、保証日数(Dguarantee)を求める。
そして、システム制御部132は、ステップS108で求めた使用可能予測日数(Dprediction)が保証日数(Dguarantee)より多い場合、使用可能予測日数(Dprediction)<保証日数(Dguarantee)でないと判断し(ステップS109:No)、ステップS101に移行する。
これに対し、システム制御部132は、使用可能予測日数(Dprediction)が保証日数(Dguarantee)より少ない場合、使用可能予測日数(Dprediction)<保証日数(Dguarantee)であると判断し(ステップS109:Yes)、ステップS110に移行する。
【0053】
(ステップS110)
システム制御部132は、過剰書き込みと判断する。
この場合、システム制御部132は、使用可能予測日数(Dprediction)が保証日数(Dguarantee)に満たないことから、過剰書き込みと判断する。
この場合、システム制御部132は、パネル操作制御部128を介し、パネル部106に過剰書き込みがあることを示す内容等を表示させてもよい。
【0054】
次に、
図7を参照し、不揮発性メモリーの管理における、警告通知について説明する。
【0055】
(ステップS201)
システム制御部132は、残保証日数(Dremain)が一定日数以下かどうかを判断する。
この場合、システム制御部132は、
図6のステップS110において、過剰書き込みと判断した場合であっても、書き込み総量(Wsum)が少なく、今後の使用状況によっては保証日数(Dguarantee)を満たせる可能性がある。
そこで、システム制御部132は、
残保証日数(Dremain)=[書き込み保証値(Wmax)−書き込み総量(Wsum)]/[書き込み差分平均値(Ave.)+1日当たりの書き込み予測量(Wref)]
とした演算により、残保証日数(Dremain)を求める。
また、システム制御部132は、求めた残保証日数(Dremain)がたとえば50日以下でなければ、残保証日数(Dremain)が一定日数以下でないと判断し(ステップS201:No)、処理を終了する。
これに対し、システム制御部132は、求めた残保証日数(Dremain)がたとえば50日以下であれば、残保証日数(Dremain)が一定日数以下であると判断し(ステップS201:Yes)、ステップS202に移行する。
【0056】
(ステップS202)
システム制御部132は、寿命事前通知閾値(t)を超えているかどうかを判断する。
この場合、システム制御部132は、
使用可能予測日数(Dprediction)=経過日数(Dpast)+残保証日数(Dremain)
とした演算により、使用可能予測日数(Dprediction)を求める。
そして、システム制御部132は、使用可能予測日数(Dprediction)が寿命事前通知閾値(t)のたとえば30日を超えていなければ寿命事前通知閾値(t)を超えていないと判断し(ステップS202:No)、処理を終了する。
これに対し、システム制御部132は、使用可能予測日数(Dprediction)が寿命事前通知閾値(t)のたとえば30日を超えていれば寿命事前通知閾値(t)を超えていると判断し(ステップS202:Yes)、ステップS203に移行する。
【0057】
(ステップS203)
システム制御部132は、警告を通知する。
この場合、システム制御部132は、たとえば
図4の折れ線bのように、製品保証年数(たとえば5年)より前に寿命事前通知閾値(t)を超えるような推移となると、保証日数(Dguarantee)を満たせない可能性が高いことを知らせる第1の警告を通知する。なお、第1の警告は、パネル部106に表示されたり、管理サーバー200に通知されたりする。
また、システム制御部132は、たとえば
図4の折れ線c、dのように、製品保証年数(たとえば5年)より後に寿命事前通知閾値(t)を超えるような推移となると、保証日数(Dguarantee)を満たせるが不揮発性メモリーの交換が近いことを知らせる第2の警告を通知する。なお、第2の警告は、パネル部106に表示されたり、管理サーバー200に通知されたりする。
【0058】
このように、本実施形態では、設計値管理テーブル112により、製品保証期間を元にした単位期間当たりの前記記憶単位毎の書き込み予測量を設計値として管理し、差分管理テーブル113により、記憶単位毎の設計値の合計と記憶単位毎のデータの書き込み総量量の合計との差分を管理し、システム制御部132により、記憶単位毎のデータの書き込み量を単位期間取得し、差分を差分管理テーブル113に登録する。また、システム制御部132は、書き込み保証値を(Wmax)とし、書き込み総量を(Wsum)とし、差分の平均値を(Ave.)とし、1日当たりの書き込み予測量を(Wref)とし、残保証日数を(Dremain)としたとき、(Dremain)=[(Wmax)−(Wsum)]/[(Ave.)+(Wref)]の演算により、残保証日数を求め、さらに、経過日数を(Dpast)とし、使用可能予測日数を(Dprediction)としたとき、(Dprediction)=(Dpast)+(Dremain)の演算により、使用可能予測日数を求め、不揮発性メモリーが保証する保証日数を(Dguarantee)としたとき、(Dprediction)<(Dguarantee)となる場合、過剰書き込みと判断する。
【0059】
これにより、使用可能予測日数(Dprediction)が保証日数(Dguarantee)に満たない場合、過剰書き込みと判断できるので、製品保証期間を満たせるか否かを早期且つ理知的に判断できる。
【0060】
なお、本実施形態では、不揮発性メモリーの記憶単位をパーティションとしたが、不揮発性メモリーを構成するメモリーセルとしてもよい。その場合、「パーティション」を「メモリーセル」に読み替えて、本実施形態を準用すればよい。
【0061】
なお、本実施形態では、電子機器をMFP100とした場合で説明したが、この例に限らず、多機能プリンターやPC(Personal Computer)等の他の電子機器に適用してもよい。