特許第6881356号(P6881356)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝三菱電機産業システム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6881356-蓄電池システム 図000002
  • 特許6881356-蓄電池システム 図000003
  • 特許6881356-蓄電池システム 図000004
  • 特許6881356-蓄電池システム 図000005
  • 特許6881356-蓄電池システム 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6881356
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】蓄電池システム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/36 20200101AFI20210524BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20210524BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   G01R31/36
   H01M10/48 P
   H02J7/00 X
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-41927(P2018-41927)
(22)【出願日】2018年3月8日
(65)【公開番号】特開2019-158397(P2019-158397A)
(43)【公開日】2019年9月19日
【審査請求日】2020年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(72)【発明者】
【氏名】池間 大記
【審査官】 田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−015246(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/132311(WO,A1)
【文献】 特開2009−081078(JP,A)
【文献】 特開平11−273747(JP,A)
【文献】 特開2010−232104(JP,A)
【文献】 特開2005−151740(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0142351(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 31/36−31/396、
H01M 10−42−10/48、
H02J 7/00−7/12、
7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線を介して電力系統に接続する運用用パワーコンディショニングシステム(運用用PCS)と、
前記電線に接続し、前記運用用PCSと並列に接続する容量測定用PCSと、
前記運用用PCSに接続し、並列に配置された複数の蓄電池盤と、
一端が前記容量測定用PCSに接続し、他端が前記複数の蓄電池盤のそれぞれに接続する複数の容量測定側コンタクタと、
制御装置と、を備え、
前記複数の蓄電池盤のそれぞれは、
一端が前記運用用PCSに接続する運用側コンタクタと、
前記運用側コンタクタの他端が接続する蓄電池と、
前記蓄電池の状態を監視する蓄電池監視ユニットと、を備え、
前記複数の容量測定側コンタクタのそれぞれは、前記運用側コンタクタと前記蓄電池との間の電線に接続し、
前記容量測定用PCSは、充放電指令に応じて前記電力系統の交流電力を直流電力に変換して前記蓄電池に充電する機能と、前記蓄電池の直流電力を交流電力に変換して前記電力系統へ放電する機能とを有し、
前記制御装置は、
前記複数の蓄電池盤のうち容量測定対象とする1つの対象蓄電池盤の前記運用側コンタクタを開き、前記複数の容量測定側コンタクタのうち該対象蓄電池盤に接続する前記容量測定側コンタクタ1つのみを閉じて容量測定モードとする容量測定モード切替手段と、
前記容量測定用PCSへ前記充放電指令を出力し、前記対象蓄電池盤の前記蓄電池監視ユニットから出力される蓄電池情報から蓄電池容量を計算する容量計算手段と、を備えること、
を特徴とする蓄電池システム。
【請求項2】
前記容量測定モードにおいて、前記対象蓄電池盤の蓄電池の電圧を他の蓄電池盤の蓄電池の電圧まで戻した後、前記対象蓄電池盤に接続する前記容量測定側コンタクタを開き、前記対象蓄電池盤の前記運用側コンタクタを閉じて通常運用モードとする通常運用モード切替手段、
をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の蓄電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池システムに関する。特に、定期的な蓄電池の容量測定に好適な蓄電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
発電設備や工場設備に接続する蓄電池システムが知られている。図5に示す蓄電池システムは、発電設備や工場設備に接続するパワーコンディショニングシステム(PCS)3を備える。PCS3は、並列に配置された複数の蓄電池盤(51〜5n)に接続している。各蓄電池盤(51〜5n)は、コンタクタ(61〜6n)、蓄電池(71〜7n)を備える。
【0003】
蓄電池システムの長期運用のためには、定期的に蓄電池の容量測定を実施し、充放電の繰り返しにより劣化する蓄電池に対してメンテナンスや増設をする必要がある。蓄電池の電気容量を計測する手法として特許文献1等の手法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3667742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、24時間稼動する工場設備や発電設備(例えば、風量発電、水力発電、地熱発電)に併設される蓄電池システムにおいては、容量測定を実施するための時間を確保することが困難である。上述の図5のような蓄電池システムでは、容量測定のために運用を停止する必要が生じてしまうため、運用を継続しながら各蓄電池の容量測定を実施できることが望まれる。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、運用を停止することなく、運用と並行して個別に蓄電池容量を計測できる蓄電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するため、蓄電池システムであって、
運用用パワーコンディショニングシステム(運用用PCS)と、
容量測定用PCSと、
前記運用用PCSに接続し、並列に配置された複数の蓄電池盤と、
一端が前記容量測定用PCSに接続し、他端が前記複数の蓄電池盤のそれぞれに接続する複数の容量測定側コンタクタと、
制御装置と、を備え、
前記複数の蓄電池盤のそれぞれは、
一端が前記運用用PCSに接続する運用側コンタクタと、
前記運用側コンタクタの他端が接続する蓄電池と、
前記蓄電池の状態を監視する蓄電池監視ユニットと、を備え、
前記複数の容量測定側コンタクタのそれぞれは、前記運用側コンタクタと前記蓄電池との間の電線に接続し、
前記制御装置は、
前記複数の蓄電池盤のうち容量測定対象とする対象蓄電池盤の前記運用側コンタクタを開き、前記複数の容量測定側コンタクタのうち該対象蓄電池盤に接続する前記容量測定側コンタクタのみを閉じて容量測定モードとする容量測定モード切替手段と、
前記容量測定用PCSへ充放電指令を出力し、前記対象蓄電池盤の前記蓄電池監視ユニットから出力される蓄電池情報から蓄電池容量を計算する容量計算手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記容量測定モードにおいて、前記対象蓄電池盤の蓄電池の電圧を他の蓄電池盤の蓄電池の電圧まで戻した後、前記対象蓄電池盤に接続する前記容量測定側コンタクタを開き、前記対象蓄電池盤の前記運用側コンタクタを閉じて通常運用モードとする通常運用モード切替手段をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る蓄電池システムによれば、運用を停止することなく、運用と並行して個別に蓄電池容量を計測できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態1に係るシステム構成を説明するための概念構成図である。
図2】本発明の実施の形態1に係るシステムのブロック図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る容量測定モードの一例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態1において、蓄電池の容量測定を実施する処理ルーチンのフローチャートである。
図5】従来の蓄電池システムの構成を説明するための概念構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0012】
実施の形態1.
(蓄電池システムの構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係るシステム構成を説明するための概念構成図である。図1に示す蓄電池システム1は、電力を供給する電線2を介して電力系統に接続する。電力系統は、送電設備の他、送電設備に接続された発電設備や負荷設備を含む。また、蓄電池システム1は、図示省略するエネルギーマネジメントシステム(EMS)に接続する。EMSは、発電設備の発電量、蓄電池システム1の充放電量、負荷設備の受電量など、電力系統の電力需給を管理する。
【0013】
図1に示す蓄電池システム1は、運用用PCS3、容量測定用PCS4、複数の蓄電池盤(第1蓄電池盤51、第2蓄電池盤52、・・・、第n蓄電池盤5n)、複数の容量測定側コンタクタ(第1容量測定側コンタクタ91、第2容量測定側コンタクタ92、・・・、第n容量測定側コンタクタ9n)、制御装置10を備える。
【0014】
運用用パワーコンディショニングシステム(運用用PCS3)は、電線2と複数の蓄電池盤(第1蓄電池盤51、第2蓄電池盤52、・・・、第n蓄電池盤5n)に接続する。図1では、蓄電池システム1は1台の運用用PCS3を備えているが、これは単なる一例である。運用用PCS3の並列数は、蓄電池システム1の仕様に基づいて定められる。よって、運用用PCS3の並列数が複数となることもある。
【0015】
また、運用用PCS3は、充放電指令に応じて電力系統の交流電力を直流電力に変換して蓄電池に充電する機能と、蓄電池の直流電力を交流電力に変換して電力系統へ放電する機能とを有する。
【0016】
複数の蓄電池盤(第1蓄電池盤51、第2蓄電池盤52、・・・、第n蓄電池盤5n)は、運用用PCS3に接続する。各蓄電池盤は並列に配置されている。蓄電池盤の並列数は運用用PCS3の仕様に基づいて定められる。
【0017】
複数の蓄電池盤のそれぞれは、一端が運用用PCS3に接続する運用側コンタクタと、
運用側コンタクタの他端が接続する蓄電池と、蓄電池の状態を監視する蓄電池監視ユニット(BMU)とを備える。
【0018】
各運用側コンタクタ(第1運用側コンタクタ61、第2運用側コンタクタ62、・・・、第n運用側コンタクタ6n)は、制御装置10からの開閉信号に応じて電路を開閉する。ON状態において電路が閉じられ(電路が接続され)、OFF状態において電路が開かれる(電路が切断される)。なお、常時はバネの力で接触子が切断状態となるコンタクタでは、開信号は信号が無いことを含む。
【0019】
各蓄電池(第1蓄電池71、第2蓄電池72、・・・、第n蓄電池7n)は、単一の蓄電池セルで構成されていてもよいし、複数の蓄電池セルの集合体として構成されていてもよい。蓄電池の種類としては、リチウムイオン電池やナトリウム硫黄電池やニッケル水素電池等の大容量の蓄電池が好ましい。各蓄電池は同じ仕様である。
【0020】
各蓄電池監視ユニット(第1BMU81、第2BMU82、・・・、第nBMU8n)は、蓄電池の状態を監視する。監視項目は、例えば、電流、電圧、温度等の状態量である。蓄電池監視ユニットは、監視項目である状態量をセンサによって常時監視する。本実施の形態でいう常時監視とは、センサから絶え間のない連続した信号を取り込む動作だけでなく、所定の短い周期でセンサの信号を取り込む動作を含む概念である。蓄電池監視ユニットは、得られた情報の一部或いは全部を蓄電池情報として制御装置10へ出力する。
【0021】
容量測定用パワーコンディショニングシステム(容量測定用PCS4)は、電線2と複数の容量測定側コンタクタ(第1容量測定側コンタクタ91、第2容量測定側コンタクタ92、・・・、第n容量測定側コンタクタ9n)に接続する。容量測定用PCS4と運用用PCS3は並列に接続される。図1では、蓄電池システム1は1台の容量測定用PCS4を備えているが、これは単なる一例である。運用用PCS3の並列数と同数の並列数としてもよいし、複数台の運用用PCS3に対して1台の容量測定用PCS4を配置してもよい。容量測定用PCS4の容量は、蓄電池盤(51〜5n)の1面分の容量に応じて定められ、運用用PCS3よりも小さい。
【0022】
また、容量測定用PCS4は、充放電指令に応じて電力系統の交流電力を直流電力に変換して蓄電池に充電する機能と、蓄電池の直流電力を交流電力に変換して電力系統へ放電する機能とを有する。
【0023】
各容量測定側コンタクタ(第1容量測定側コンタクタ91、第2容量測定側コンタクタ92、・・・、第n容量測定側コンタクタ9n)は、一端が容量測定用PCS4に接続し、他端が複数の蓄電池盤(51〜5n)のそれぞれに接続する。具体的には、複数の容量測定側コンタクタ(91〜9n)のそれぞれは、運用側コンタクタ(61〜6n)と蓄電池(71〜7n)との間の電線(111〜11n)に分岐線(121〜12n)で接続する。
【0024】
また、各容量測定側コンタクタ(91〜9n)は、制御装置10からの開閉信号に応じて電路を開閉する。ON状態において電路が閉じられ(電路が接続され)、OFF状態において電路が開かれる(電路が切断される)。なお、常時はバネの力で接触子が切断状態となるコンタクタでは、開信号は信号が無いことを含む。
【0025】
制御装置10は、信号線を介して、EMS、運用用PCS3、容量測定用PCS4、複数の運用側コンタクタ(61〜6n)、複数の蓄電池監視ユニット(81〜8n)、容量測定側コンタクタ(91〜9n)に接続する。
【0026】
また、制御装置10は、EMSから充放電要求を受信し、複数の蓄電池監視ユニット(81〜8n)から蓄電池情報を受信する。制御装置10は、運用用PCS3および容量測定用PCS4へ充放電指令を送信し、複数の運用側コンタクタ(61〜6n)および容量測定側コンタクタ(91〜9n)へ開閉信号を送信する。
【0027】
以上のような構成において、蓄電池システム1は、複数の容量測定側コンタクタ(91〜9n)の全てを開いた状態、かつ、複数の運用側コンタクタ(61〜6n)を閉じた状態(図1)において、運用用PCS3へ充放電指令を出すことで「通常運用モード」を実現することができる。
【0028】
ところで、24時間稼動する工場設備や発電設備(例えば、風量発電、水力発電、地熱発電)に併設される蓄電池システムにおいては、蓄電池容量を計測するために運用を停止する時間を確保できない。そのため、運用を継続しながら蓄電池容量を計測できること望まれる。
【0029】
そこで、本発明の実施の形態1に係る蓄電池システム1では、蓄電池盤ごとに容量測定用PCS4に対して分岐線(121〜12n)を用意し、以下の説明のようにコンタクタの切り替えをすることで、運用を停止することなく、運用と並行して1台ずつ蓄電池容量を計測可能な構成とした。
【0030】
図2は、本発明の実施の形態1に係る蓄電池システム1のブロック図である。制御装置10を示すブロック内には、制御装置10が備える種々の機能のうちの一部がブロックで表されている。これらブロックのそれぞれに演算資源が割り当てられている。制御装置10には各ブロックに対応するプログラムが用意され、それらがプロセッサによって実行されることで各ブロックの機能が制御装置10において実現される。
【0031】
制御装置10は、容量測定モード切替手段21と、容量計算手段22と、通常運用モード切替手段23とを有する。
【0032】
容量測定モード切替手段21は、複数の蓄電池盤(51〜5n)のうち容量測定対象とする対象蓄電池盤の運用側コンタクタ(61〜6n)を開き、複数の容量測定側コンタクタ(91〜9n)のうち該対象蓄電池盤に接続する容量測定側コンタクタのみを閉じて「容量測定モード」とする。
【0033】
例えば、図3は、本発明の実施の形態1に係る容量測定モードの一例を示す図である。この例では、容量測定対象とする対象蓄電池盤を第1蓄電池盤51としている。容量測定対象は、オペレータの操作または制御装置10の設定情報により決定される。図1に示す「通常運用モード」の接続状態から、第1蓄電池盤51の第1運用側コンタクタ61を開く。このとき、他の運用側コンタクタ(62〜6n)は閉じた状態である。さらに、複数の容量測定側コンタクタ(91〜9n)のうち対象蓄電池盤に接続する第1容量測定側コンタクタ91のみを閉じた状態とする。これにより「容量測定モード」の接続状態となる。このような接続状態によれば、第1蓄電池盤51のみが運用から切り離された状態となり、第2蓄電池盤52〜第n蓄電池盤5nの運用状態は維持される。
【0034】
容量計算手段22は、容量測定用PCS4へ充放電指令を出力し、対象蓄電池盤の蓄電池監視ユニットから出力される蓄電池情報から蓄電池容量を計算する。具体的には、まず、図3の容量測定用PCS4に充電指令を出力し、第1BMU81からの蓄電池情報に含まれる電圧値が充電終止電圧値に達するまで第1蓄電池71を充電する。その後、容量測定用PCS4に放電指令を出力し、第1BMU81からの蓄電池情報に含まれる電圧値が放電終止電圧値に達するまで第1蓄電池71を放電する。放電中の蓄電池情報に含まれる電流値を積分して蓄電池容量を計算する。これによれば、第2蓄電池盤52〜第n蓄電池盤5nの運用状態を維持しつつ、第1蓄電池盤51の容量測定が可能である。
【0035】
通常運用モード切替手段23は、容量測定モードにおいて、対象蓄電池盤の蓄電池の電圧を他の蓄電池盤の蓄電池の電圧まで戻した後、対象蓄電池盤に接続する容量測定側コンタクタを開き、対象蓄電池盤の運用側コンタクタを閉じて通常運用モードとする。これによれば、第1蓄電池盤51を運用状態に安全に切り戻すことができる。
【0036】
(フローチャート)
図4は、本発明の実施の形態1において、蓄電池の容量測定を実施する処理ルーチンのフローチャートである。
【0037】
図4に示すルーチンでは、まず、通常運用モードで運用中の蓄電池システム1において、オペレータの操作または制御装置10に定義された設定情報に応じて、複数の蓄電池盤(51〜5n)のうち容量測定対象とする対象蓄電池盤(第i蓄電池盤5i(1≦i≦n))が選択される(ステップS100)。
【0038】
次に容量測定モード切替手段21は、第i運用側コンタクタ6iのみをOFF状態とし、他の運用側コンタクタについてはON状態を維持する(ステップS105)。
【0039】
次に容量測定モード切替手段21は、複数の容量測定側コンタクタ(91〜9i)のうち、第i容量測定側コンタクタ9iのみをON状態とし、他の容量測定側コンタクタについてはOFF状態とする(ステップS110)。
【0040】
次に容量計算手段22は、容量測定用PCS4に充電指令を出力し、第iBMU8iからの蓄電池情報に含まれる電圧値が充電終止電圧値に達するまで第i蓄電池7iを充電する(ステップS115〜ステップS120)。
【0041】
その後、容量計算手段22は、容量測定用PCS4に放電指令を出力し、第iBMU8iからの蓄電池情報に含まれる電圧値が放電終止電圧値に達するまで第i蓄電池7iを放電する。この間、放電中の蓄電池情報に含まれる電流値を積分して蓄電池容量を計算する(ステップS125〜ステップS135)。
【0042】
容量計算手段22は、計算した蓄電池容量を制御装置10の記憶領域に記憶する(ステップS140)。
【0043】
次に通常運用モード切替手段23は、容量測定モードの接続状態において、対象蓄電池盤の蓄電池の電圧を他の蓄電池盤の蓄電池の電圧まで戻す(ステップS145)。
【0044】
その後、通常運用モード切替手段23は、対象蓄電池盤に接続する第i容量測定側コンタクタ9iを開き、対象蓄電池盤の第i運用側コンタクタ6iを閉じて通常運用モードに切り戻す(ステップS150〜ステップS155)。
【0045】
以上説明したように、図4に示すルーチンによれば、第i蓄電池盤5iのみを運用から切り離した状態とし、第i蓄電池盤5iの容量測定を独立して実施できる。また、他の蓄電池盤の運用状態は維持される。本ルーチンの処理を各蓄電池盤について実施することで、蓄電池システム全体の運用を停止することなく、運用と並行して個別に蓄電池容量を計測できる。定期的に蓄電池の劣化を診断でき、メンテナンスや蓄電池盤の増設に好適である。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 蓄電池システム
2 電線
3 運用用PCS
4 容量測定用PCS
51、52、5n 第1蓄電池盤、第2蓄電池盤、第n蓄電池盤
61、62、6n 第1運用側コンタクタ、第2運用側コンタクタ、第n運用側コンタクタ
71、72、7n 第1蓄電池、第2蓄電池、第n蓄電池
81、82、8n 第1BMU、第2BMU、第nBMU
91、92、9n 第1容量測定側コンタクタ、第2容量測定側コンタクタ、第n容量測定側コンタクタ
10 制御装置
111、112、11n 電線
121、122、12n 分岐線
21 容量測定モード切替手段
22 容量計算手段
23 通常運用モード切替手段
図1
図2
図3
図4
図5