特許第6881438号(P6881438)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6881438
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】再生装置および再生方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 7/005 20060101AFI20210524BHJP
   G11B 7/135 20120101ALI20210524BHJP
【FI】
   G11B7/005 B
   G11B7/135
【請求項の数】12
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2018-514116(P2018-514116)
(86)(22)【出願日】2017年1月27日
(86)【国際出願番号】JP2017002958
(87)【国際公開番号】WO2017187688
(87)【国際公開日】20171102
【審査請求日】2019年12月4日
(31)【優先権主張番号】特願2016-90125(P2016-90125)
(32)【優先日】2016年4月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 公博
(72)【発明者】
【氏名】堀籠 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】関口 浩司
(72)【発明者】
【氏名】黒川 光太郎
【審査官】 川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−028823(JP,A)
【文献】 特開2014−032728(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/031120(WO,A1)
【文献】 特開2013−054801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 7/00 − 7/013
G11B 7/12 − 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランドとグルーブの双方に信号が記録される記録媒体に対して、光源より発せられた光を照射して前記ランドと前記グルーブの記録信号の双方を反映した信号光を得、且つ前記光源より発せられた光から参照光を生成し、前記信号光と前記参照光とを重ね合わせた重ね合わせ光に対し、ほぼ0°の位相差を与えた第1の信号光と参照光の組と、ほぼ180°の位相差を与えた第2の信号光と参照光の組と、ほぼ90°の位相差を与えた第3の信号光と参照光の組と、ほぼ270°の位相差を与えた第4の信号光と参照光の組をそれぞれ生成する光学系と、
前記第1の信号光と参照光の組を第1受光素子、前記第2の信号光と参照光の組を第2受光素子、前記第3の信号光と参照光の組を第3受光素子、前記第4の信号光と参照光の組を第4受光素子によってそれぞれ受光する受光部と、
前記第1受光素子で得られる第1受光信号と前記第2受光素子で得られる第2受光信号の差分である第1差分信号aと、前記第3受光素子で得られる第3受光信号と前記第4受光素子で得られる第4受光信号の差分である第2差分信号bを計算し、
前記第1差分信号a、前記第2差分信号b、クロストーク分と信号光の平均位相の位相差Ψおよび信号光と参照光の光路長差θを使用して
a・sin(Ψ−θ(t))−b・cos(Ψ−θ(t))
の演算を行って再生信号を得る再生信号生成回路と、
θの逐次変化量Δθを求め、逐次変化量Δθによってθを更新する位相抽出回路と
を備える再生装置。
【請求項2】
θt+1=θt+Δθtの関係にある場合、逐次変化量Δθtを下記の式によって求める請求項1に記載の再生装置。
【数18】
【請求項3】
前記参照光は、前記光源より発せられた光をミラーにて反射させることによって生成される請求項1に記載の再生装置。
【請求項4】
相オフセットは、(Ψ=4πnd/λ)(nは、屈折率、dは、前記ランドおよびグルーブ間の段差、λは光の波長)にほぼ等しいものとされる請求項1 に記載の再生装置。
【請求項5】
受光素子から出力される受光信号から再生信号を形成する場合に、光路を第1および第2の光路に分割し、前記第1の光路の受光信号から高域成分を抽出し、前記第2の光路の受光信号から低域成分を抽出し、
デジタル信号に変換された高域成分およびデジタル信号に変換された低域成分を合成して再生信号とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項6】
前記第2の光路の受光信号によって参照光サーボをかける参照光サーボを有する請求項5に記載の再生装置。
【請求項7】
受光素子から出力される受光信号から再生信号を形成する場合に、光路を第1および第2の光路に分割し、前記第1の光路の受光信号から高域成分を抽出し、前記第2の光路の受光信号によって参照光サーボをかけ、
デジタル信号に変換された高域成分および固定のDC値を合成して再生信号とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項8】
受光素子から出力される受光信号から再生信号を形成する場合に、光路を第1および第2の光路に分割し、前記第1の光路の受光信号から固定のDC値を減算し、前記第2の光路の受光信号によって参照光サーボをかけ、
固定のDC値が減算された信号をデジタル信号に変換した信号および固定のDC値を合成して再生信号とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項9】
受光素子から出力される受光信号から再生信号を形成する場合に、単一の光路の受光信号によって参照光サーボをかけ、
前記参照光サーボの目標位相と対応するDC値を前記受光信号から減算し、
前記DC値が減算された信号をデジタル信号に変換した信号および前記目標位相と対応するDC値をデジタル信号に変換した信号を合成して再生信号とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項10】
受光素子から出力される受光信号から再生信号を形成する場合に、単一の光路の受光信号によって参照光サーボをかけ、
固定のDC値を前記受光信号から減算し、
前記DC値が減算された信号をデジタル信号に変換した信号および前記固定のDC値をデジタル信号に変換した信号を合成して再生信号とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項11】
受光素子から出力される受光信号から再生信号を形成する場合に、単一の光路の受光信号によって参照光サーボをかけ、
前記受光信号をデジタル信号に変換した信号および目標位相と対応するDC値をデジタル信号に変換した信号を合成して再生信号とする請求項1に記載の再生装置。
【請求項12】
ランドとグルーブの双方に信号が記録される記録媒体に対して、光源より発せられた光を照射して前記ランドと前記グルーブの記録信号の双方を反映した信号光を得、且つ前記光源より発せられた光から参照光を生成し、前記信号光と前記参照光とを重ね合わせた重ね合わせ光に対し、ほぼ0°の位相差を与えた第1の信号光と参照光の組と、ほぼ180°の位相差を与えた第2の信号光と参照光の組と、ほぼ90°の位相差を与えた第3の信号光と参照光の組と、ほぼ270°の位相差を与えた第4の信号光と参照光の組を光学系によってそれぞれ生成し、
前記第1の信号光と参照光の組を第1受光素子、前記第2の信号光と参照光の組を第2受光素子、前記第3の信号光と参照光の組を第3受光素子、前記第4の信号光と参照光の組を第4受光素子によってそれぞれ受光し、
前記第1受光素子で得られる第1受光信号と前記第2受光素子で得られる第2受光信号の差分である第1差分信号aと、前記第3受光素子で得られる第3受光信号と前記第4受光素子で得られる第4受光信号の差分である第2差分信号bを計算し、
前記第1差分信号a、前記第2差分信号b、クロストーク分と信号光の平均位相の位相差Ψおよび信号光と参照光の光路長差θを使用して
a・sin(Ψ−θ(t))−b・cos(Ψ−θ(t))
の演算を行って再生信号を得るようになし、
θの逐次変化量Δθを求め、逐次変化量Δθによってθを更新する
再生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、光ディスク等の光媒体を再生するのに適用される再生装置および再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば多層光ディスクを再生する場合、信号光量の低下が生じ、信号の読み取りにエラーが発生する可能性が高くなる。この問題を解決するため、光の干渉を利用して検出信号を増幅するホモダイン検出法が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、信号光と参照光とを干渉させた光を検波するホモダイン方式として、それぞれその位相差が90度ずつ異なるようにされた4つの信号光・参照光の組について検波を行うようにされている。具体的には、位相差がそれぞれ0度、90度、180度、270度とされた信号光・参照光の組について、それぞれ検波を行うものである。これらの各検波は、信号光と参照光とを干渉させた光についての光強度をそれぞれ検出することで行われる。
【0004】
さらに、特許文献2には、受光素子とアンプをAC結合した場合でも、信号を正しく再生するための信号処理が記載されている。さらに、ランドとグルーブの双方に信号が記録された光ディスクに関してホモダイン方式を適用する再生装置が特許文献3に記載されている。
【0005】
ホモダイン方式では、参照光の光強度に応じて増幅された信号光の成分を、再生信号として得ることができる。このように信号光が増幅されることで、再生信号のSNRを改善することができる。また、得られる再生信号が、信号光と参照光の位相差の影響を受けないものとなり、光路長差調整(いわゆる光路長サーボ)を不要とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4564948号公報
【特許文献2】特開2013−54801号公報
【特許文献3】特開2014−32728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2は、DC成分はAC成分に対してその振幅が非常に大であるため、増幅器のダイナミックレンジを考慮すると、真に検出したいAC成分の増幅率を有効に高めることができない問題を解決するものである。特許文献2では、AC結合することによって、AC成分単体について増幅することを可能とするものである。
【0008】
特許文献3では、ローパスフィルタによって得られる信号からsinθ、cosθの成分を抽出して、これらの値を用いて、参照光の位相オフセットθを抽出している。しかしながら、ローパスフィルタを用いる手法は、ノイズの帯域が広いために、ノイズが再生信号の帯域まで入り込んでいる等の理由によって所望の改善効果が得られない問題があった。
【0009】
したがって、本技術の目的は、ホモダイン検出方式を採用すると共に、位相オフセットを精度良く抽出することができる再生装置および再生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本技術は、ランドとグルーブの双方に信号が記録される記録媒体に対して、光源より発せられた光を照射してランドとグルーブの記録信号の双方を反映した信号光を得、且つ光源より発せられた光から参照光を生成し、信号光と参照光とを重ね合わせた重ね合わせ光に対し、ほぼ0°の位相差を与えた第1の信号光と参照光の組と、ほぼ180°の位相差を与えた第2の信号光と参照光の組と、ほぼ90°の位相差を与えた第3の信号光と参照光の組と、ほぼ270°の位相差を与えた第4の信号光と参照光の組をそれぞれ生成する光学系と、
第1の信号光と参照光の組を第1受光素子、第2の信号光と参照光の組を第2受光素子、第3の信号光と参照光の組を第3受光素子、第4の信号光と参照光の組を第4受光素子によってそれぞれ受光する受光部と、
第1受光素子で得られる第1受光信号と第2受光素子で得られる第2受光信号の差分である第1差分信号aと、第3受光素子で得られる第3受光信号と第4受光素子で得られる第4受光信号の差分である第2差分信号bを計算し、
第1差分信号a、第2差分信号b、クロストーク分と信号光の平均位相の位相差Ψおよび信号光と参照光の光路長差θを使用して
a・sin(Ψ−θ(t))−b・cos(Ψ−θ(t))
の演算を行って再生信号を得る再生信号生成回路と、
θの逐次変化量Δθを求め、逐次変化量Δθによってθを更新する位相抽出回路と
を備える再生装置である。
本技術は、ランドとグルーブの双方に信号が記録される記録媒体に対して、光源より発せられた光を照射してランドとグルーブの記録信号の双方を反映した信号光を得、且つ光源より発せられた光から参照光を生成し、信号光と参照光とを重ね合わせた重ね合わせ光に対し、ほぼ0°の位相差を与えた第1の信号光と参照光の組と、ほぼ180°の位相差を与えた第2の信号光と参照光の組と、ほぼ90°の位相差を与えた第3の信号光と参照光の組と、ほぼ270°の位相差を与えた第4の信号光と参照光の組を光学系によってそれぞれ生成し、
第1の信号光と参照光の組を第1受光素子、第2の信号光と参照光の組を第2受光素子、第3の信号光と参照光の組を第3受光素子、第4の信号光と参照光の組を第4受光素子によってそれぞれ受光し、
第1受光素子で得られる第1受光信号と第2受光素子で得られる第2受光信号の差分である第1差分信号aと、第3受光素子で得られる第3受光信号と第4受光素子で得られる第4受光信号の差分である第2差分信号bを計算し、
第1差分信号a、第2差分信号b、クロストーク分と信号光の平均位相の位相差Ψおよび信号光と参照光の光路長差θを使用して
a・sin(Ψ−θ(t))−b・cos(Ψ−θ(t))
の演算を行って再生信号を得るようになし、
θの逐次変化量Δθを求め、逐次変化量Δθによってθを更新する
再生方法である。
【発明の効果】
【0011】
少なくとも一つの実施形態によれば、ランド/グルーブ記録方式の光記録媒体をホモダイン検出方法を使用して良好に再生することができる。本技術では、差分信号をローパスフィルタを通して参照光の位相θを求める方法と比較して応答性が高く、長時間安定した信号が得られる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本技術中に記載されたいずれかの効果であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】再生対象とする光記録媒体の断面構造についての説明図である。
図2】再生対象とする光記録媒体の記録面の構造についての説明図である。
図3】記録面上に形成される再生光のビームスポットとランド、グルーブの関係を示す略線図である。
図4】光記録媒体の再生状態の説明に用いる略線図である。
図5】再生装置で用いる光学系の構成を示す略線図である。
図6】従来の位相ダイバーシティ方式を用いる再生装置の信号生成系のブロック図である。
図7】光記録媒体の再生状態を説明するための略線図である。
図8】位相ダイバーシティ方式を説明するための略線図である。
図9】シミュレーションの光学系を示す略線図およびランドとグルーブとの段差をそれぞれ異なる値に設定したときの、トラックピッチとジッタとの関係をシミュレーションにより求めた結果を示したグラフである。
図10】シミュレーションの光学系を示す略線図およびランドとグルーブとの段差をそれぞれ異なる値に設定したときの、トラックピッチとジッタとの関係をシミュレーションにより求めた結果を示したグラフである。
図11】改良されたホモダイン方式の信号生成系のブロック図である。
図12】改良されたホモダイン方式の信号生成系におけるトラックピッチとジッタとの関係をシミュレーションにより求めた結果を示したグラフである。
図13】本技術の一実施の形態の説明に用いるブロック図である。
図14】位相抽出回路の構成の一例のブロック図である。
図15】位相抽出回路の説明に用いるグラフである。
図16】光電変換素子の出力からRF信号を形成する光電変換回路の第1の例のブロック図である。
図17】光電変換回路の第2の例のブロック図である。
図18】光電変換回路の第3の例のブロック図である。
図19】光電変換回路の第4の例のブロック図である。
図20】光電変換回路の第5の例のブロック図である。
図21】光電変換回路の第6の例のブロック図である。
図22】光電変換回路の第7の例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に説明する実施の形態は、本技術の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかしながら、本技術の範囲は、以下の説明において、特に本技術を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
なお、本技術の説明は、下記の順序にしたがってなされる。
<1.従来のホモダイン検出方法について>
<2.改良されたホモダイン検出方法について>
<3.一実施の形態>
<4.光電変換回路の例>
<5.変形例>
【0014】
<1.従来のホモダイン検出方法について>
本技術の一実施の形態の再生方法についての説明に先立ち、従来のホモダイン検出方法、並びに改良されたホモダイン検出方法について説明しておく。以下では一例として、いわゆる位相ダイバーシティ方式によるホモダイン検出方法について説明する。
【0015】
「再生対象の光記録媒体」
図1に、再生対象とする光記録媒体1の断面構造図を示す。回転駆動される光記録媒体1に対するレーザ光照射が行われて記録信号の再生が行われる。光記録媒体1は、例えば記録マークの形成により情報が記録されたいわゆる追記型の光記録媒体とされる。
【0016】
図1に示されるように光記録媒体1には、上層側から順にカバー層2、記録層(反射膜)3、基板4が形成されている。ここで、「上層側」とは、再生装置側からのレーザ光が入射する面を上面としたときの上層側を指す。つまりこの場合、光記録媒体1に対しては、カバー層2側からレーザ光が入射することになる。
【0017】
光記録媒体1において、基板4は、例えばポリカーボネートなどの樹脂で構成され、その上面側には凹凸の断面形状が与えられている。このような基板4は、例えばスタンパを用いた射出成形などにより生成される。
【0018】
そして、上記凹凸形状が与えられた基板4の上面側に対して、スパッタ等により記録層3が形成される。ここで、従来のホモダイン検波で再生対象とする光記録媒体1のトラックは、光学的限界値を超えない通常のトラックピッチで形成されている。すなわち、記録層3におけるトラックピッチは、「λ/NA/2」(λは再生波長、NAは対物レンズの開口数)でその理論値が表される光学的限界値よりも大に設定されているものである。
【0019】
記録層3の上層側に形成されるカバー層2は、例えば紫外線硬化樹脂をスピンコート法等により塗布した後、紫外線照射による硬化処理を施すことで形成されたものとなる。カバー層2は、記録層3の保護のために設けられている。
【0020】
図2は、再生対象の光記録媒体1の記録面の構造を示している。図2Aは記録面の一部を拡大した平面図であり、図2Bは記録面の一部を拡大した斜視図である。なお、図2Bは、再生のためのレーザ光が照射される側の面を示すすなわち、図面の上側より、再生のためのレーザ光が照射される。光記録媒体1には、グルーブGとランドLとが形成されている。ここで本明細書においては、BD(Blu-ray Disc:登録商標)の場合と同様に、再生のためのレーザ光が先に到達する側、すなわち凸部側をグルーブGとし、凹部側をランドLと称するものとする。
【0021】
再生対象とする光記録媒体1には、グルーブGとランドLの双方にマーク列が形成されている。マーク列をトラックとすると、トラックピッチTpは、図2Bに示されるようにランドLとグルーブGとの形成ピッチと定義できる。トラックピッチTpが光学的限界値を超える狭ピッチに設定されることで、情報記録密度の向上が図られたものとなる。例えば、光記録媒体1におけるグルーブGの形成ピッチが、従来の光記録媒体におけるトラックピッチ(マーク列の形成ピッチ)と同じであるとすると、光記録媒体1は、従来のほぼ2倍に情報記録密度が高められたものとなる。
【0022】
ランドLとグルーブGとの間の段差(深さと適宜称する)をdと表す。例えば光記録媒体1の屈折率をnとすると、深さdが「λ/8/n」とされる。例えば再生波長λ=405nm、n=1.5の条件であれば、約33nmの深さdが形成される。
【0023】
ここで、光記録媒体1では、ランドLとグルーブGとの形成ピッチが光学的限界値を超えているので、記録面上に形成される再生光のビームスポットとランドL、グルーブGとの関係は、例えば図3に示すようなものとなる。
【0024】
従来と同様に、グルーブG或いはランドLを対象として対物レンズのトラッキングサーボ制御を行ったとする。図3では、グルーブGを対象として対物レンズのトラッキングサーボ制御を行った場合を例示している。この場合、サーボの対象とされたグルーブGの再生信号に対して、隣接する2本のランドLの記録情報が混在してしまうことが分かる。
【0025】
すなわち、ランド/グルーブ記録方法において、トラックピッチが狭くなると、隣接トラックからクロストークが発生する。図4に示すように、グルーブを再生する場合、グルーブの再生信号f(t)のみならず、隣接するランドの再生信号g(t)も混入する。グルーブの再生信号の位相φ=0とすると、ランドの位相Ψ=4πnd/λ(λは、波長、nは、光記録媒体1の基板の屈折率である)となる。
【0026】
「位相ダイバーシティ方式によるホモダイン検出方法」
位相ダイバーシティ方式では、互いの位相差が90度ずつ異なるようにされた4つの信号光・参照光の組を用いる。具体的に位相ダイバーシティ方式では、位相差がそれぞれほぼ0度、ほぼ180度、ほぼ90度、ほぼ270度となるように調整された信号光・参照光の組について、それぞれ検波を行うようにされる。これらの各検波は、信号光と参照光とを干渉させた光についての光強度をそれぞれ検出することで行われる。
【0027】
図5は、位相ダイバーシティ方式で用いる光学系の構成を主に示す。光記録媒体1は、再生装置に装填されると、スピンドルモータによって回転駆動される。光学系には、再生のためのレーザ光源となるレーザ(半導体レーザ)10が設けられている。レーザ10より出射されたレーザ光は、コリメーションレンズ11を介して平行光となるようにされた後、1/2波長板12を介して偏光ビームスプリッタ13に入射する。
【0028】
このとき、偏光ビームスプリッタ13は、例えばP偏光を透過しS偏光を反射するように構成されているとする。1/2波長板12の取り付け角度(レーザ光の入射面内において光軸を中心した回転角度)は、偏光ビームスプリッタ13を透過して出力される光(P偏光成分)と反射して出力される光(S偏光成分)との比率(すなわち偏光ビームスプリッタ13による分光比)が例えばほぼ1:1となるように調整されているとする。
【0029】
偏光ビームスプリッタ13にて反射されたレーザ光は、1/4波長板14を介した後、2軸アクチュエータ16により保持された対物レンズ15を介して光記録媒体1の記録層に集光するようにして照射される。
【0030】
2軸アクチュエータ16は、対物レンズ15をフォーカス方向(光記録媒体1に対して接離する方向)およびトラッキング方向(光記録媒体1の半径方向:上記フォーカス方向とは直交する方向)に変位可能に保持する。2軸アクチュエータ16には、フォーカスコイル、トラッキングコイルが備えられており、これらフォーカスコイル、トラッキングコイルにそれぞれ後述するフォーカスドライブ信号FD、トラッキングドライブ信号TDが供給される。対物レンズ15は、フォーカスドライブ信号FD、トラッキングドライブ信号TDにしたがってフォーカス方向、トラッキング方向にそれぞれ変位する。
【0031】
光記録媒体1の記録層からの反射光は、対物レンズ15および1/4波長板14を介して偏光ビームスプリッタ13に入射される。偏光ビームスプリッタ13に入射した反射光(復路光)は、1/4波長板14による作用と記録層における反射時の作用とにより、その偏光方向が、レーザ10側から入射し該偏光ビームスプリッタ13にて反射された光(往路光とする)の偏光方向に対して90度異なったものとなっている。すなわち、反射光は、P偏光で偏光ビームスプリッタ13に入射する。このため、反射光は、偏光ビームスプリッタ13を透過する。なお、以下、このように偏光ビームスプリッタ13を透過することになる光記録媒体1の記録信号を反映した反射光のことを、信号光と称する。
【0032】
図5において、レーザ10より出射され偏光ビームスプリッタ13を透過したレーザ光(P偏光)は、ホモダイン検出方式における参照光として機能する。偏光ビームスプリッタ13を透過した参照光は、図中の1/4波長板17を介した後、ミラー18にて反射されて、再び1/4波長板17を通過して偏光ビームスプリッタ13に入射する。
【0033】
ここで、このように偏光ビームスプリッタ13に入射する参照光(復路光)は、1/4波長板17による作用とミラー18での反射時の作用とにより、その偏光方向が往路光としての参照光とは90度異なるものとされる(つまりS偏光となる)。従って、復路光としての参照光は、偏光ビームスプリッタ13にて反射されることになる。
【0034】
図5中では、このように偏光ビームスプリッタ13にて反射された参照光を破線矢印により示している。図5中では、偏光ビームスプリッタ13を透過した信号光を実線矢印により示している。偏光ビームスプリッタ13によって、これら信号光と参照光とが重ね合わされた状態で同方向に出射される。具体的にこの場合、信号光と参照光とはそれらの光軸が一致するように重ね合わされた状態で同方向に出射される。ここで、参照光は、いわゆるコヒーレント光である。
【0035】
偏光ビームスプリッタ13から出力された信号光と参照光の重ね合わせ光は、ハーフビームスプリッタ19に入射する。ハーフビームスプリッタ19は、入射光をほぼ1:1の割合で反射光と透過光とに分割する。
【0036】
ハーフビームスプリッタ19を透過した信号光と参照光の重ね合わせ光は、1/2波長板20を介して偏光ビームスプリッタ21に入射される。一方、ハーフビームスプリッタ19で反射した信号光と参照光の重ね合わせ光は、1/4波長板22を介して偏光ビームスプリッタ23に入射される。
【0037】
1/2波長板20および1/4波長板22は、偏光面を回転させることが可能とされている。したがって、1/2波長板20と偏光ビームスプリッタ21とを組み合わせることによって、偏光ビームスプリッタ21によって分岐される光量の比を調整することができる。同様に、1/4波長板22によって、偏光ビームスプリッタ23によって分岐される光量の比を調整することができる。
【0038】
偏光ビームスプリッタ21および23のそれぞれによって分岐される光の光量がほぼ1:1となるようにされる。偏光ビームスプリッタ21によって反射された光が光検出部24に入射され、偏光ビームスプリッタ21を透過した光が光検出部25に入射される。偏光ビームスプリッタ23によって反射された光が光検出部26に入射され、偏光ビームスプリッタ23を透過した光が光検出部27に入射される。
【0039】
光検出部24から出力される受光信号をIと表記し、光検出部25から出力される受光信号をJと表記し、光検出部26から出力される受光信号をLと表記し、光検出部27から出力される受光信号をKと表記する。
【0040】
これらの受光信号I〜Lは、減算回路31aおよび31bに対して供給される。減算回路31aに対して、受光信号IおよびJが供給され、減算回路31aが(a=I−J)の差分信号aを発生し、減算回路31bが(b=K−L)の差分信号bを発生する。
【0041】
図6に示すように、上述した差分信号aおよびbが演算回路32に供給される。演算回路32は、遅延回路33aおよび33b、乗算回路34aおよび34b、ローパスフィルタ35aおよび35b、オフセット(φ)設定回路36aおよび36b、並びに加算回路37を有する。遅延回路33aは、ローパスフィルタ35aおよびオフセット(φ)設定回路36aにおいて生じる遅延量に等しい遅延時間を有する。遅延回路33bは、ローパスフィルタ35bおよびオフセット(φ)設定回路36bにおいて生じる遅延量に等しい遅延時間を有する。乗算回路34aの出力および乗算回路34bの出力が加算回路37に供給される。加算回路37の出力に再生信号が取り出される。
【0042】
上述した再生装置は、以下に説明するように、光記録媒体1の面ブレ等による参照光の位相ズレ(θ(t))の成分の影響を受けない再生信号を得ることができる。
【0043】
受光信号I〜Lは、下記の数式で示すものとなる。式中の各項の意味を下記に示す。
R:参照光成分
A:光記録媒体の記録面に形成されるミラー面(ランド部分)の反射成分
f:記録マークの有/無に応じた変調成分(正負値をとる)
t:サンプリング時間
φ:読みたいマークと信号光の平均位相の位相差である。使用者が推定してセットする値である。
θ:信号光と参照光の光路長差(主に光記録媒体1の面ブレに起因して生じる)
【0044】
図7に示すように、対物レンズ15と光記録媒体1の信号面とが面ブレによって変化すると、信号光の光路長が変化する。一方、参照光は、ミラー18において反射するので、光路長が変化しない。その結果、信号光および参照光の間の位相差が設定した値とずれた値となる。この位相ずれの成分がθ(t)である。
【0045】
【数1】
【数2】
【数3】
【数4】
【0046】
減算回路31aの差分信号a(=I−J)および減算回路31bの差分信号b(=K−L)は、以下の式に示すものとなる。
【0047】
【数5】
【数6】
【0048】
図8Aに示すように、ホモダイン検出を行わない通常の検出においても、再生信号のDC成分が背景のミラー部分に対応して現れている。ホモダイン検出の場合、図8Bに示すように、ミラー部分に対応するDC成分が上述した参照光光路長差に対応する位相θによってうねることになる。
【0049】
この位相θを求めるために、図8Bに示す差分信号aおよびbをローパスフィルタ35aおよび35bにそれぞれ供給する。ローパスフィルタ35aおよび35bによって、図8Cに示すように、cosθ(t)およびsinθ(t)を求めることができる。すなわち、数式(5)および数式(6)において、fは、記録マークの有/無に応じた変調成分(正負値をとる)としているので、関数fが乗算されている項が消えて、sinθおよびcosθの項が残ると考えられる。
【0050】
(tanθ=sinθ/cosθ)であるので、(arctanθ=θ)によってθを求め、φ(オフセット)を設定して、乗算回路34aにおいて、(cos(φ−θ(t))をaに乗算し、乗算回路34bにおいて、(sin(φ−θ(t))をbに乗算する。そして、加算回路37によって、これらの乗算出力を加算する。加算回路37から得られる再生信号は、以下の式に示すものとなる。
【0051】
【数7】
【0052】
この数式から分かるように、再生信号では、θ(t)の成分が消えて、安定した信号となる。なお、ホモダイン検出方式としては、ミラー18の位置制御を行って、面ブレに伴い生じる信号光と参照光との位相差をキャンセルする方法もあるが、位相ダイバーシティ方式によれば、このようなミラー18の位置制御のための構成を省略することができる。さらに、信号光の成分が参照光の成分で増幅された再生結果が得られることが分かる。すなわち、光記録媒体1の記録信号が増幅されて検出されるものであり、この点でSNRの改善が図られる。なお、位相ダイバーシティ方式の用語は、差分信号aおよびbの二乗和(a2+b2)または二乗和の平方根を計算することによって、再生信号を求める方式を意味している。本明細書では、上述したように、(cos(φ−θ(t))をaに乗算し、乗算回路34bにおいて、(sin(φ−θ(t))をbに乗算する演算に対しても位相ダイバーシティ方式の用語を使用している。
【0053】
上述したようなランド/グルーブ記録の光記録媒体を図9Aに示す光学系によって再生することを想定し、トラックピッチTpを変えた場合の再生信号(グルーブの再生信号またはランドの再生信号)のジッタをシミュレーションによって求めた結果を図9Bのグラフに示す。なお、ジッタは、再生性能を表す指標の一つであり、ジッタ以外の指標を使用しても良い。
【0054】
図9Aに示すように、レーザダイオード41からのレーザ光がレンズ42、偏光ビームスプリッタ43および対物レンズ44を通って光記録媒体1の信号面に照射される。信号面からの反射光が偏光ビームスプリッタ43によって反射され、レンズ45を介して光検出部46に供給される。光検出部46から再生信号が得られる。図9Aに示す再生光学系は、上述したホモダイン検出を使用しないものである。
【0055】
シミュレーションは、下記の計算条件で行った。なお、面ブレがないものとし、トラック間クロストークを減少させるような再生方法を使用するようにしている。
λ=405nm、NA=0.85、リム=65%/65%、グルーブデューティ=50%
傾斜=90度、マーク反射率=0%、マーク幅=0.9Tp、線密度=25GB一定
【0056】
図9Bに示すグラフは、(Mrr(ミラーを意味し、d=0)、(d=0.125λ)、(d=0.15λ)、(d=0.175λ))のそれぞれについて、Tpに対するジッタの値の変化を示している。例えば(Tp=0.22)において、ミラー以外のグルーブの深さに関して、ジッタを少ないものとできる。さらに、グルーブの深さが異なっても、ジッタの変化をほぼ同様のものとできる。
【0057】
図10は、ランド/グルーブ記録の光記録媒体1をホモダイン検出を利用して再生する場合のシミュレーション結果を示している。図10Aに示すように、ミラー47が設けられ、光記録媒体1からの反射光(信号光)とミラー47の反射光(参照光)とがレンズ45を介して光検出部46に供給される。
【0058】
図10Aに示す光学系を使用した場合のシミュレーションの結果を図10Bに示す。シミュレーションの計算条件は、図9Bと同様である。図10Bに示すグラフは、(Mrr(ミラーを意味し、d=0)、(d=0.1λ)、(d=0.125λ=λ/8)、(d=0.15λ)、(d=0.175λ))のそれぞれについて、Tpに対するジッタの値の変化を示している。
【0059】
例えば(Tp=0.15)において、ミラーに比してジッタを少なくできる。しかしながら、深さdの値によって、ジッタの値の変化がバラツキがある。すなわち、(d=0.125λ=λ/8)の場合では、ジッタを大幅に改善できるのに対して、(d=0.175λ)の場合では、ジッタが大きすぎる。さらに、(d=0.1λ)および(d=0.15λ)の場合のジッタの値は、充分良好とはいえない。d=λ/8とする場合には、グルーブの再生信号とランドの再生信号との間に90度の位相差を生じさせることができるので、クロストークを少ないものとでき、ジッタを良好とできる。
【0060】
上述したように、特定のグルーブの深さdの場合にしか、良好な再生性能が得られないことは、光記録媒体1の設計上の制約が生じる。しかも、d=λ/8の値は、比較的大きな値であり、グルーブ間のランドにマークを記録する面では、好ましいものとはいえない。さらに、dが大きい場合には、光ディスクを成型する場合に段差の壁の面を傾斜なく、きれいなものとすることが困難となる。したがって、dの値が(λ/8)に限定されないことが好ましい。
【0061】
<2.改良されたホモダイン検出方法について>
この点を改良するために、図5と同様の再生光学系を使用し、図6に示すのと同様の再生信号生成回路を使用する。図5の光検出部24〜27のそれぞれから出力される受光信号I〜Lから形成される差分信号が図11に示すような構成の再生信号生成回路に供給される。
【0062】
再生信号生成回路は、減算回路31aおよび31bと、演算回路40とからなる。減算回路31aに対して、受光信号IおよびJが供給され、減算回路31aが(a=I−J)の差分信号aを発生し、演算回路31bが(b=K−L)の差分信号bを発生する。減算回路31aの差分信号aおよび減算回路31bの差分信号bが演算回路40に供給される。
【0063】
演算回路40は、遅延回路33aおよび33b、乗算回路34aおよび34b、ローパスフィルタ35aおよび35b、オフセット(Ψ)設定回路39aおよび39b、並びに減算回路40を有する。遅延回路33aは、ローパスフィルタ35aおよびオフセット(Ψ)設定回路39aにおいて生じる遅延量に等しい遅延時間を有する。遅延回路33bは、ローパスフィルタ35bおよびオフセット(Ψ)設定回路39bにおいて生じる遅延量に等しい遅延時間を有する。乗算回路34aの出力および乗算回路34bの出力が減算回路50に供給される。減算回路50の出力に再生信号が取り出される。
【0064】
オフセット(Ψ)設定回路39aおよび39bは、以下に説明するように、クロストーク分と信号光の平均位相の位相差に相当する値(Ψ)を使用者が推定してセットする固定値である。例えばグルーブGとランドLとの段差、すなわち、深さdに応じた位相のオフセットを設定する。再生対象の光記録媒体1の深さdの値は、予め分かっているので、オフセットΨを設定することが可能である。
【0065】
上述した改良されたホモダイン方式では、以下に説明するように、光記録媒体1の面ブレ等による参照光の位相ズレ(θ(t))の成分の影響を受けず、しかも、トラック間クロストークが除去された再生信号を得ることができる。図3および図4を参照して説明したように、ランド/グルーブ記録方法において、トラックピッチが狭くなると、隣接トラックからクロストークが発生する。図4に示すように、グルーブを再生する場合、グルーブの再生信号f(t)のみならず、隣接するランドの再生信号g(t)も混入する。グルーブの再生信号の位相φ=0とすると、ランドの位相Ψ=4πnd/λ(λは、波長、nは、光記録媒体1の基板の屈折率である)となる。
【0066】
図5に示す再生光学系を使用して受光信号I〜Lを求める。上述した数式と同様に、式中の各項の意味を下記に示す。
R:参照光成分
A:光記録媒体の記録面に形成されるミラー面(ランド部分)の反射成分
f:記録マークの有/無に応じた変調成分(正負値をとる)
g:隣接トラックからのクロストーク成分
t:サンプリング時間
φ:読みたいマークと信号光の平均位相の位相差である。使用者が推定してセットする値である。
θ:信号光と参照光の光路長差(主に光記録媒体1の面ブレに起因して生じる)
Ψ:クロストーク分と信号光の平均位相の位相差である。使用者が推定してセットする値である。
【0067】
【数8】
【数9】
【数10】
【数11】
【0068】
さらに、図11に示す再生信号生成回路を使用して演算を行う。減算回路31aの差分信号a(=I−J)および減算回路31bの差分信号b(=K−L)は、以下の式に示すものとなる。
【0069】
【数12】
【数13】
【0070】
上述したように、ローパスフィルタ35aおよび35bによって、cosθ(t)およびsinθ(t)を求める。すなわち、式(12)および式(13)において、fは、記録マークの有/無に応じた変調成分(正負値をとる)としており、gが隣接トラックからのクロストーク成分としているので、関数fおよびgが乗算されている項が消えて、sinθおよびcosθの項が残ると考えられる。(tanθ=sinθ/cosθ)であるので、(arctanθ=θ)によってθを求め、オフセット(Ψ)設定回路39aおよび39bによってΨ(オフセット)を設定して、乗算回路34aにおいて、(sin(Ψ−θ(t))をaに乗算し、乗算回路34bにおいて、(cos(Ψ−θ(t))をbに乗算する。そして、減算回路40によって、これらの乗算出力を合成する。減算回路40から得られる再生信号は、以下の式に示すものとなる。
【0071】
【数14】
【0072】
式(14)に示されるように、再生信号では、θ(t)の成分が消えて、安定した信号となる。加えて、再生信号中には、隣接トラックの再生信号成分g(t)が含まれておらず、トラック間クロストークを除去される。
【0073】
図10Aに示す光学系と同様の光学系を使用した場合のシミュレーションの結果を図12に示す。シミュレーションの計算条件は、図9Bおよび図10Bと同様である。図12に示すグラフは、(Mrr(ミラーを意味し、d=0)、(d=0.1λ)、(d=0.125λ=λ/8)、(d=0.15λ)、(d=0.175λ))のそれぞれについて、Tpに対するジッタの値の変化を示している。
【0074】
図12のグラフから分かるように、ミラー以外の全てのdの値に関して、ジッタを少なくすることができる。上述した図10Bの場合では、(d=0.125λ=λ/8)の場合のみ、ジッタを大幅に改善できるのに対して、改良されたホモダイン方式では、dが他の値の場合でも、同様に、ジッタを大幅に改善することができる。
【0075】
<3.一実施の形態>
上述した改良されたホモダイン方式は、信号光および参照光の間の位相差θのずれの影響を除去し、さらに、クロストーク分と信号光の平均位相の位相差に応じて予めオフセットΨを設定しておくことによってクロストークを除くことができる。このために、ローパスフィルタ35aおよび35bによって、信号光と参照光の光路長差に対応するθを求めている。しかしながら、ローパスフィルタの場合、ノイズの成分を充分に除去することが難しく、また、信号成分が除かれてしまうおそれがあった。
【0076】
本技術は、かかる点を考慮して考えられたものである。本技術は、ローパスフィルタを使用しないで信号光および参照光の間の位相差θのずれの影響を除去するものである。すなわち、抽出された位相変動成分を用いて変動(摂動要因)による信号品質低下を抑制するものである。差分信号aおよびbに対して、抽出された位相変動成分を用いて演算を施す。その結果、下記の式(15)および数式(16)で表される信号を独立に読み出すことができる。
【0077】
【数15】
【0078】
【数16】
【0079】
図13は、一実施の形態の構成例である。差分信号aおよびbが位相(θ)抽出回路71に供給され、位相が抽出される。オフセット設定回路72および73が設けられており、それぞれ再生対象の光ディスクに対応して設定されたオフセットφおよびΨを出力する。上述したように、φは読みたいマークと信号光の平均位相の位相差であり、Ψはクロストーク分と信号光の平均位相の位相差である。これらのオフセットは、使用者が推定してセットする値である。
【0080】
位相抽出回路71の出力およびオフセット設定回路72の出力が減算回路74に供給され、減算回路74から(Ψ−θ)の位相が得られる。信号発生回路76および77は、それぞれ(Ψ−θ)の位相と同期した正弦波および余弦波を発生する。差分信号aと信号発生回路76からの正弦波とが乗算回路78に供給され、乗算回路78の出力信号が減算回路80に供給される。差分信号bと信号発生回路77からの余弦波が乗算回路79に供給され、乗算回路79の出力信号が減算回路80に供給される。減算回路80の出力には、式(15)で示す再生信号が取り出される。
【0081】
位相抽出回路71の出力およびオフセット設定回路73の出力が減算回路75に供給され、減算回路75から(φ−θ)の位相が得られる。信号発生回路81および82は、それぞれ(φ−θ)の位相と同期した正弦波および余弦波を発生する。差分信号aと信号発生回路81からの正弦波とが乗算回路83に供給され、乗算回路83の出力信号が減算回路85に供給される。差分信号bと信号発生回路82からの余弦波が乗算回路84に供給され、乗算回路84の出力信号が減算回路85に供給される。減算回路85の出力には、式(16)で示す再生信号が取り出される。
【0082】
差分信号aおよびbにおいて、fおよびgがかかっている部分は、AC成分であるので、積算することによって0となり、DC成分のみが残る。すなわち、a=ARcosθ、b=−ARsinθが残る。一方、θが分かっている場合、差分信号aおよびbで下記の演算を行うと、DC成分が0になる。
asinθ+bcosθ→0
【0083】
現時点のθ(t)で上式が0でない場合にθを変化させて(Δθ)の値を0にするためには、次の式の関係が必要である。
【0084】
asin(θ+Δθ)+bcos(θ+Δθ)=aΔθcosθ+asinθ+bcosθ−bΔθsinθ=0
【0085】
θの逐次変化量Δθとして次の逐次式(式17)を使用して求める。逐次変化量Δθによってθを更新することによって位相θを求めるものである。すなわち、θt+1=θt+Δθtの関係である。式17において、ηは学習係数であり、Fは関数であり、例えばF(x)はx,sin(x),atan(x),tanh(x)等である。
【0086】
【数17】
【0087】
位相抽出回路71の一例を図14に示す。位相抽出回路71は、逐次位相検出法によって位相θを抽出するものである。演算回路91に対して差分信号aおよびbが供給され、上述した逐次式(式17)の演算が行われる。演算回路91の出力信号が係数乗算回路92に供給され、学習係数ηが乗算される。
【0088】
係数乗算回路92の出力が加算回路93に供給される。加算回路93の出力には、求められた(θt+1=Δθt+θt)が現れる。加算回路93の出力がθt+1として取り出されると共に、1サンプル周期Tの遅延回路94を介して演算回路91および加算回路93に対して供給される。
【0089】
本技術の一実施の形態に関してのシミュレーションの一例について説明する。シミュレーション条件は以下の通りである。
逐次式(式17)において、F=1とし、η=0.007とする。
ディスク容量:33.4GB
Tp=0.16μm(ランド、グルーブのそれぞれが)
溝深さ:λ/8
マーク反射率:0.3(位相なし)
PR(12221)
評価指標:i−MLSE
【0090】
図15は、シミュレーション結果を示している。図15Aは差分信号aおよびbと前述の式(15)で表される下記の信号の波形を示している。
(a×sin(Ψ−θ(t))−(b×cos(Ψ−θ(t))
図15Bはθの変化を示している。図15Cは本技術の逐次位相補正を適用する前(すなわち、差分信号a及びb)のi−MLSEの値と、本技術の逐次位相補正を適用した後(すなわち、図15Aの最も下側の波形)のi−MLSEの値を示している。MLSE(Maximum Liklihood Sequence Error)は、ビタビ検出されたデータを用いて設定されるターゲットレベルに対して実際の信号のレベルの差を用いて、エラー確率に対応した指標を計算したものである。i-MLSEの値が小さい方がより良好な再生であるので、本技術を適用することによって良好な再生が可能なことが分かる。
【0091】
上述した本技術によれば、差分信号aおよびbをローパスフィルタを通してθを検出する方法と比較して安定した信号処理を行うことができる利点がある。
【0092】
<4.光電変換回路の例>
上述したホモダイン検出方式では受光素子の出力信号例えば差分信号aおよびbにおいて、図8Bを参照して説明したように、無変調の低域成分のレベルが大きいために、光電変換回路のダイナミックレンジが消費されてしまい、変調成分のSNRが低下する問題があった。光電変換回路をAC結合とすれば、変調成分のSNRを確保することができるが、参照光位相の一部情報が失われてしまう問題があった。
【0093】
以下に説明する光電変換回路はかかる問題を解決できるものである。すなわち、再生光をAC用とDC用の二つの受光素子で光電変換した後、広いダイナミックレンジと高いSNRを確保することができる加算器でAC成分およびDC成分を加算することによって元の再生信号を復元するものである。光電変換回路は、例えば図5に示した光学系における光検出部24〜27のそれぞれに対して適用可能である。
【0094】
かかる構成によって、受光回路のダイナミックレンジ全体を変調成分で占有することができ、SNRの劣化を防止することができる。また、二つの光電変換回路からの信号をダイナミックレンジが確保できる加算器で加算することによって、DC結合側から加算器に入力する信号の帯域を狭いものとでき、加算後の信号のノイズを少ないものとできる。
【0095】
図16は光電変換回路の第1の例を示す。再生光がビームスプリッタ101およびミラー102によって分割される。ミラー102からの再生光がフォトディテクタ(受光素子)104およびハイパスフィルタ105が直列接続された光電変換回路103に入射され、電気信号へ変換される。ハイパスフィルタ105によって低域成分が除去され、ハイパスフィルタ105からの高域成分がA/Dコンバータ106によってデジタル信号に変換される。デジタル信号が加算器107に供給される。ハイパスフィルタ105の遮断周波数は、再生信号の低域変動を除去しうる周波数に選定される。
【0096】
ビームスプリッタ101からの再生光が光電変換回路108のフォトディテクタ109に入射され、再生信号が得られる。再生信号がローパスフィルタ110に供給される。ローパスフィルタ110で分離された低域成分がA/Dコンバータ111においてデジタル信号に変換される。A/Dコンバータ111の出力が係数乗算器112に供給される。係数乗算器112の出力が加算器107に供給される。加算器107において高域成分に加算される。加算器107からは、低域成分および高域成分が得られる。
【0097】
ローパスフィルタ110の周波数特性は、ハイパスフィルタ105の周波数特性と相補的なものとされている。すなわち、ハイパスフィルタ105の伝達関数をH(f)とし、ローパスフィルタ110の伝達関数をG(f)とすると、H(f)=1−G(f)の関係とされ、加算後では所定の帯域内において、ゲインが一定とされる。図16に示す光電変換回路の第1の例は、参照光サーボを必要としない利点がある。
【0098】
図17に光電変換回路の第2の例を示す。第2の例は、上述した第1の例の構成に対して参照光サーボ113を追加したものである。すなわち、光電変換回路108からの電気信号がローパスフィルタ110および参照光サーボ113に供給される。参照光サーボ113は、参照光の光路長を物理的に可変するものである。参照光サーボ113は、例えば参照光の光路中のミラー18(図5参照)の位置を制御信号によって可動させ、参照光の光路長を可変する構成を有する。参照光サーボによって信号光と参照光の位相差の時間変動を除くことができる。
【0099】
ローパスフィルタ110の出力は低域成分の残留成分である。残留成分がA/Dコンバータ111でデジタル化され、係数乗算器112で係数を乗算されて加算器107に供給される。加算器107において、高域成分に低域成分が加算される。加算器107からは、低域成分の残留成分が得られる。
【0100】
図18に光電変換回路の第3の例を示す。第3の例は、上述した第2の例の構成に対して加算器107において固定のDC値を加算するものである。参照光サーボ113が設けられていることによって信号光と参照光の位相差の時間変動を除くことができるので、固定のDC値を加算器107において加算するものである。固定のDC値は、予め求められている値である。
【0101】
図19に光電変換回路の第4の例を示す。参照光サーボ113が設けられている。光電変換回路103のフォトディテクタ104の出力が減算器114に供給され、固定のDC値がフォトディテクタ104の出力から減算される。固定のDC値は、予め求められている値である。減算器114の出力がA/Dコンバータ106に供給される。A/Dコンバータ106の入力側において、低域成分を予め除くようにしている。
【0102】
図20に光電変換回路の第5の例を示す。参照光サーボ113が設けられている。参照光サーボ113に対して、フォトディテクタ104の出力信号および目標位相(例えば目標位相に相当するDC値)115が与えられている。参照光サーボ113によってフォトディテクタ104の出力信号の位相が目標位相に一致するようになされる。
【0103】
フォトディテクタ104の出力が減算器114に供給される。位相−電圧レベル変調間回路116によって目標位相に対応するレベルの電圧(DC値)が形成される。このDC値が減算器114に供給され、フォトディテクタ104の出力信号から減算される。減算器114の出力に得られる信号は、低域成分がきわめて少ないものである。そして、加算器107において、目標位相に対応するレベルの電圧(DC値)が加算される。なお、加算器107においてDC値を加算する場合、DC値に対するレベル補正係数を乗じるようにしてもよい。フォトディテクタ104からA/Dコンバータ106に至るまでの経路のアナログ回路のダイナミックレンジの制限を回避することができる。さらに、図20の構成は、光路分割の必要がない利点がある。光路分割が不要な構成の場合では、差分信号aまたはbをフォトディテクタ104の出力信号の代わりに使用するようにしてもよい。
【0104】
図21に光電変換回路の第6の例を示す。この例は、第5の例と同様に光路分割の必要がない構成であり、参照光サーボ113が設けられている。光電変換回路103の減算器114に対してDC値118が供給される。減算器114の出力がA/Dコンバータ106でデジタル信号とされ、加算器107に供給される。DC値118をA/Dコンバータ117によってデジタル化した値が加算器107に対して供給される。なお、加算器107においてDC値を加算する場合、DC値に対するレベル補正係数を乗じるようにしてもよい。
【0105】
図22に光電変換回路の第7の例を示す。この例は、第5の例と同様に光路分割の必要がない構成であり、参照光サーボ113が設けられている。参照光サーボ113に対して与えられる目標位相115が位相−電圧レベル変換回路116に供給される。位相−電圧レベル変換回路116によって目標位相に対応する電圧が形成され、この電圧が加算器107に対して供給される。なお、加算器107においてDC値を加算する場合、DC値に対するレベル補正係数を乗じるようにしてもよい。
【0106】
<5.変形例>
以上、本技術の実施の形態について具体的に説明したが、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、レーザ光源の波長は、405nm以外のものでも良い。
【0107】
さらに、再生光学系は、図5に示す構成に限らず、例えば4種類の受光信号I〜Lを得るために、ホモダイン検波光学系を使用しても良い。ホモダイン検波光学系は、ウォラストンプリズムを有しており、0度、90度、180度、270度の各位相差を有する光を生成することができるものである。
【0108】
また、上述の実施の形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0109】
なお、本技術は、以下のような構成も取ることができる。
(1)
ランドとグルーブの双方に信号が記録される記録媒体に対して、光源より発せられた光を照射して前記ランドと前記グルーブの記録信号の双方を反映した信号光を得、且つ前記光源より発せられた光から参照光を生成し、前記信号光と前記参照光とを重ね合わせた重ね合わせ光に対し、ほぼ0°の位相差を与えた第1の信号光と参照光の組と、ほぼ180°の位相差を与えた第2の信号光と参照光の組と、ほぼ90°の位相差を与えた第3の信号光と参照光の組と、ほぼ270°の位相差を与えた第4の信号光と参照光の組をそれぞれ生成する光学系と、
前記第1の信号光と参照光の組を第1受光素子、前記第2の信号光と参照光の組を第2受光素子、前記第3の信号光と参照光の組を第3受光素子、前記第4の信号光と参照光の組を第4受光素子によってそれぞれ受光する受光部と、
前記第1受光素子で得られる第1受光信号と前記第2受光素子で得られる第2受光信号の差分である第1差分信号aと、前記第3受光素子で得られる第3受光信号と前記第4受光素子で得られる第4受光信号の差分である第2差分信号bを計算し、
前記第1差分信号a、前記第2差分信号b、クロストーク分と信号光の平均位相の位相差Ψおよび信号光と参照光の光路長差θを使用して
a・sin(Ψ−θ(t))−b・cos(Ψ−θ(t))
の演算を行って再生信号を得る再生信号生成回路と、
θの逐次変化量Δθを求め、逐次変化量Δθによってθを更新する位相抽出回路と
を備える再生装置。
(2)
θt+1 =θt +Δθtの関係にある場合、逐次変化量Δθtを下記の式によって求める請求項1に記載の再生装置。
【数18】
(3)
前記参照光は、前記光源より発せられた光をミラーにて反射させることによって生成される(1)または(2)に記載の再生装置。
(4)
前記位相オフセットは、(|Ψ|=4πnd/λ)(nは、屈折率、dは、前記ランドおよびグルーブ間の段差、λは光の波長)にほぼ等しいものとされる(1)乃至(3)のいずれかに記載の再生装置。
(5)
受光素子から出力される受光信号から再生信号を形成する場合に、光路を第1および第2の光路に分割し、前記第1の光路の受光信号から高域成分を抽出し、前記第2の光路の受光信号から低域成分を抽出し、
デジタル信号に変換された高域成分およびデジタル信号に変換された低域成分を合成して再生信号とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の再生装置。
(6)
前記第2の光路の受光信号によって参照光サーボをかける参照光サーボを有する(5)に記載の再生装置。
(7)
受光素子から出力される受光信号から再生信号を形成する場合に、光路を第1および第2の光路に分割し、前記第1の光路の受光信号から高域成分を抽出し、前記第2の光路の受光信号によって参照光サーボをかけ、
デジタル信号に変換された高域成分および固定のDC値を合成して再生信号とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の再生装置。
(8)
受光素子から出力される受光信号から再生信号を形成する場合に、光路を第1および第2の光路に分割し、前記第1の光路の受光信号から固定のDC値を減算し、前記第2の光路の受光信号によって参照光サーボをかけ、
固定のDC値が減算された信号をデジタル信号に変換した信号および固定のDC値を合成して再生信号とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の再生装置。
(9)
受光素子から出力される受光信号から再生信号を形成する場合に、単一の光路の受光信号によって参照光サーボをかけ、
前記参照光サーボの目標位相と対応するDC値を前記受光信号から減算し、
前記DC値が減算された信号をデジタル信号に変換した信号および前記目標位相と対応するDC値をデジタル信号に変換した信号を合成して再生信号とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の再生装置。
(10)
受光素子から出力される受光信号から再生信号を形成する場合に、単一の光路の受光信号によって参照光サーボをかけ、
固定のDC値を前記受光信号から減算し、
前記DC値が減算された信号をデジタル信号に変換した信号および前記固定のDC値をデジタル信号に変換した信号を合成して再生信号とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の再生装置。
(11)
受光素子から出力される受光信号から再生信号を形成する場合に、単一の光路の受光信号によって参照光サーボをかけ、
前記受光信号をデジタル信号に変換した信号および前記目標位相と対応するDC値をデジタル信号に変換した信号を合成して再生信号とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の再生装置。
(12)
ランドとグルーブの双方に信号が記録される記録媒体に対して、光源より発せられた光を照射して前記ランドと前記グルーブの記録信号の双方を反映した信号光を得、且つ前記光源より発せられた光から参照光を生成し、前記信号光と前記参照光とを重ね合わせた重ね合わせ光に対し、ほぼ0°の位相差を与えた第1の信号光と参照光の組と、ほぼ180°の位相差を与えた第2の信号光と参照光の組と、ほぼ90°の位相差を与えた第3の信号光と参照光の組と、ほぼ270°の位相差を与えた第4の信号光と参照光の組を光学系によってそれぞれ生成し、
前記第1の信号光と参照光の組を第1受光素子、前記第2の信号光と参照光の組を第2受光素子、前記第3の信号光と参照光の組を第3受光素子、前記第4の信号光と参照光の組を第4受光素子によってそれぞれ受光し、
前記第1受光素子で得られる第1受光信号と前記第2受光素子で得られる第2受光信号の差分である第1差分信号aと、前記第3受光素子で得られる第3受光信号と前記第4受光素子で得られる第4受光信号の差分である第2差分信号bを計算し、
前記第1差分信号a、前記第2差分信号b、クロストーク分と信号光の平均位相の位相差Ψおよび信号光と参照光の光路長差θを使用して
a・sin(Ψ−θ(t))−b・cos(Ψ−θ(t))
の演算を行って再生信号を得るようになし、
θの逐次変化量Δθを求め、逐次変化量Δθによってθを更新する
再生方法。
【符号の説明】
【0110】
1 光記録媒体
41 レーザダイオード
44 対物レンズ
71 位相抽出回路
図1
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