【文献】
harmoアプリでいつでもお薬を確認!,「世界のウェブアーカイブ|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」, [online],2017年 3月20日,[令和3年2月1日検索], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20170320115144/https://www.harmo.biz/sp/customer/app/>
【文献】
処方箋をスマホで撮るだけで飲み忘れなどが防げるお薬手帳アプリ「くすりれき」,[online],2015年 4月 2日,[令和3年2月1日検索], インターネット<URL:https://thebridge.jp/2015/04/manage-your-medicine-with-kusurireki>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記市販薬品の購入申込を行ったメンバーから、上記所定のグループに属するメンバーごとの監査結果に基づき、上記購入申込が行われた市販薬品を服薬するメンバーに係る服薬情報と監査結果の承認情報の入力を受け付ける受付手段、をさらに有する、
請求項1又は2に記載の服薬監査処理システム。
所定のグループに属する所定のメンバーが購入申込を行った市販薬品について、当該所定のグループに属するメンバーによる服薬の監査を行うためのコンピュータプログラムであって、
グループごとに、当該グループに属するメンバーを関連付けて記憶するグループ情報記憶手段と、
上記市販薬品の服薬条件を含む薬品情報を記憶した薬品情報記憶手段と、
上記メンバーごとに、上記市販薬品の服薬可否の判断根拠となる情報を記憶した判断根拠情報記憶手段と、
上記メンバーに対して処方された処方薬の薬歴を記憶する第一薬歴情報記憶手段と、
を有するコンピュータに対し、
上記グループ情報記憶手段を参照して、上記市販薬品の購入申込を行ったメンバーが属するグループを特定すると共に、当該グループに属する他のメンバーを特定する処理と、
上記第一薬歴情報記憶手段を参照して、上記処方薬の処方日及び処方日数から、上記メンバーについて、服薬中の処方薬の有無を判別する処理と、
上記薬品情報記憶手段、上記判断根拠情報記憶手段および上記第一薬歴情報記憶手段を参照して、上記市販薬品の購入申込を行ったメンバーが属するグループ内のメンバーごとに、服薬中の上記処方薬との関係で、上記購入申込が行われた市販薬品の服薬可否を判定する処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係る服薬監査処理システム1について、図を参照して説明する。
図1に示す本実施形態に係る服薬監査処理システム1は、顧客が購入申込を行った市販薬品について、当該顧客の家族等による服薬の監査を行うシステムである。
【0018】
この服薬監査処理システム1は例えば、クライアント1bサーバ1aモデルによって構築され、サーバ1aはCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブといったハードウェア資源、CPUが実行するコンピュータプログラム等のソフトウェア資源により、顧客属性情報記憶部1A、グループ情報記憶部1B、判断根拠情報記憶部1C、購入履歴情報記憶部1D、薬歴情報記憶部1E、薬品情報記憶部1F、検索処理部11、特定処理部12、抽出処理部13、判別処理部14、監査処理部15、登録処理部16、及び通信処理部17からなる機能部を備える。
一方、クライアント1bは、CPU、RAM、ROMといったハードウェア資源、CPUが実行するコンピュータプログラム等のソフトウェア資源により、読取処理部21、入出力処理部22、及び通信処理部23からなる機能部を備える。
【0019】
顧客属性情報記憶部1Aは、市販薬を購入する顧客の属性情報を記憶した記憶部である。
この顧客属性情報記憶部1Aには例えば、
図2に示されるように、顧客を識別可能なメンバーID、氏名、性別、生年月日、住所、連絡先、ポイントカード情報などが関連付けて記憶されている。
【0020】
ここで、顧客は後述する所定のグループに属するメンバーの一人であり、メンバーIDは、所定のグループに属する一人のメンバーとしての顧客を識別する情報である。なお、グループとメンバーについて具体的な例を挙げると、グループが家族である場合、顧客たるメンバーは当該家族のうちの一人である。
なお、ポイントカード情報は、市販薬品の購入や処方薬の処方に応じて蓄積されるポイントに関する情報であり、所定のメンバーに対して発行されたポイントカードのIDやポイント数などの情報によって構成される。このポイントカード情報は、同一のグループに属するメンバーで共用できるようになっていてもよい。
【0021】
グループ情報記憶部1Bは、所定のグループごとに、グループに属するメンバーを関連付けて記憶する記憶部である。
このグループ情報記憶部1Bには例えば、
図3に示されるように、グループを識別するグループIDごとに、当該グループに属するメンバーがメンバーIDによって関連付けて記憶されている。
【0022】
ここで、グループとは、相互に一定の関係を有するメンバーによって構成される集団であって、一のメンバーが購入した市販薬品を共用し得る集団が想定され、具体例を挙げると家族とその一員である。この例でいえば、本発明の実施は、家族のうちの一人が購入する市販薬品について、他の家族による当該市販薬品の服薬を監査する。
【0023】
判断根拠情報記憶部1Cは、メンバーごとに、市販薬品の服薬可否の判断根拠となる情報を記憶した記憶部である。
この判断根拠情報記憶部1Cには例えば、
図4に示されるように、顧客を識別するメンバーIDに関連付けて、障害や妊娠、授乳の有無など、所定の市販薬品の服薬が不適切あるいは禁忌とされる要因に係る情報が記憶されている。
【0024】
購入履歴情報記憶部1Dは、顧客による市販薬品の購入履歴に係る情報を記憶する記憶部である。
この購入履歴情報記憶部1Dには例えば、
図5に示されるように、顧客を識別するメンバーIDに関連付けて、購入市販薬名、購入日時、承認情報、服薬メンバー情報が記憶されている。
【0025】
ここで、承認情報とは、所定のグループに属するメンバーごとの監査結果について、市販薬品の購入申込を行ったメンバーが承認したことを示す情報である。
また、服薬メンバー情報とは、購入申込が行われた市販薬品を服薬するメンバーの情報であって、市販薬品の購入申込を行ったメンバーによって指定された情報である。
【0026】
薬歴情報記憶部1Eは、メンバーごとに、メンバーに対して処方された処方薬の薬歴に係る情報を記憶した記憶部である。
この薬歴情報記憶部1Eには例えば、
図6に示されるように、顧客を識別するメンバーIDに関連付けて、メンバーに対して処方された処方薬と、メンバーが服薬する市販薬品に係る情報が記憶される。
【0027】
ここで、処方薬に係る情報としては例えば、処方薬名、処方日、処方日数、処方医師に係る情報が含まれる。
また、市販薬品に係る情報は、所定のメンバーが市販薬品を購入した際、当該所定のメンバーによって当該市販薬品を服薬するメンバーとして指定された場合に関連付けられる。
これにより、所定のメンバーについて、服薬している処方薬や市販薬品の情報を把握することができる。
【0028】
薬品情報記憶部1Fは、薬品の情報を記憶した記憶部である。
この薬品情報記憶部1Fには例えば、
図7に示されるように、薬品名、薬品の分類、服薬条件、薬品の説明に係る情報が記憶されている。
服薬条件は、服薬の可否を判断するための情報であって、飲み合わせの禁忌に関する情報である。
また、薬品説明は、薬品の一般的な説明書に係る情報であって、効能・効果、用法・用量、副作用などの服薬上の注意点等に係る情報からなる。
【0029】
検索処理部11は、顧客属性情報記憶部1Aを参照して、市販薬品を購入する顧客の情報を検索する処理を実行する機能部である。
【0030】
特定処理部12は、グループ情報記憶部1Bを参照して、市販薬を購入する顧客が属するグループを特定すると共に、当該グループに属する他のメンバーを特定する処理を実行する。
【0031】
抽出処理部13は、各記憶部から所定の情報を抽出する処理を実行する。
例えば、監査処理部15による服薬の監査に応じて、所定の市販薬品の薬品情報を薬品情報記憶部1Fから抽出したり、顧客の判断根拠情報を判断根拠情報記憶部1Cから抽出したりする。
【0032】
判別処理部14は、所定のメンバーについて、服薬中の処方薬の有無を判別すると共に、服薬中の処方薬がある場合には当該服薬中の処方薬を特定する。
この処理ではまず、薬歴情報記憶部1Eが参照され、所定のメンバーに対する処方薬の処方日及び処方日数の情報から、当該所定のメンバーが処方薬を服薬中か否かが判別される。即ち、処方薬の処方日と処方日数によって、いつまで処方薬を服薬中であるかを把握することができ、これにより現在、所定のメンバーが処方薬を服薬中か否かが判別される。
【0033】
監査処理部15は、市販薬品の購入申込を行ったメンバーが属するグループ内のメンバーごとに、当該市販薬品の服薬可否に係る監査の処理を実行する。
この監査の処理では、購入申込が行われた市販薬品について、薬品情報記憶部1Fを参照して当該市販薬品の情報を取得する。そして、当該取得した情報に基づき、各メンバーの判断根拠情報や服薬中の処方薬、服薬中の他の市販薬品との関係で、服薬の可否が判別される。なお、判断根拠情報は判断根拠情報記憶部1Cを参照することによって、また、服薬中の処方薬や他の市販薬品の情報は薬歴情報記憶部1Eを参照することによって把握可能である。
【0034】
登録処理部16は、各種の情報を各記憶部に登録する処理を実行する。
例えば、顧客による市販薬品の購入履歴を購入履歴情報記憶部1Dに登録したり、顧客に対して処方された処方薬の情報を薬歴情報記憶部1Eに登録したりする。
また、顧客が購入する市販薬品について、当該顧客が属するグループのメンバーのうち、当該市販薬品を服薬するメンバーの情報を購入履歴情報記憶部1Dに登録したり、当該市販薬品に対する監査の結果に対する承認情報を購入履歴情報記憶部1Dに登録したりする。
【0035】
通信処理部17は、インターネット等のネットワークNWを介してクライアント1bとデータの送受信処理を実行する。
【0036】
読取処理部21は、市販薬品の情報を取得するための機能部であって、市販薬品に付されたラベルに表示されているバーコードやQRコード(登録商標)等を読み取る処理を実行する。
なお、市販薬品の情報の取得はこれに限らず、市販薬品の品番や名称等を入出力処理部22によって入力することでも可能である。
【0037】
入出力処理部22は、データの入出力を行う機能部であって、ディスプレイやキーボードのほか、バーコード等にコード化された情報を取得するによって実現される。
【0038】
通信処理部23は、インターネット等のネットワークNWを介してサーバ1aとデータの送受信処理を実行する。
【0039】
続いて、本実施形態に係る服薬監査処理システム1によって実行される処理の流れについて、
図8を参照して説明する。
まず、顧客が所定の市販薬品の購入を申し込むと、これに応じて薬局の調剤士等の服薬監査システムのユーザは服薬監査システムに当該顧客の検索を要求し、検索処理部11が顧客属性情報記憶部1Aを参照して当該顧客を検索する(S101)。
なお、顧客の検索は例えば、顧客の氏名や顧客IDを検索用キーワードとして受け付けることによって実行可能である。また、顧客情報がない場合には、顧客から顧客属性情報を受け付け、新規に顧客属性情報を顧客属性情報記憶部1Aに登録するとよい。
【0040】
ここで、顧客の検索の後、クライアント1b上に表示される顧客情報の出力画面の一例を
図10に示す。
この出力画面例では、顧客属性情報を表示する顧客属性情報表示欄101、判断根拠情報を患者特性として表示する判断根拠情報表示欄102、顧客が属するグループのメンバーの情報を家族情報として表示したメンバー情報表示欄103、これまでに購入された市販薬品の情報をOTC購入歴リストとして表示した薬歴情報表示欄104、監査処理の対象となる処方薬又は市販薬品の情報を患者情報として表示した監査対象薬品表示欄105が設けられている。
また、この出力画面の下方には、市販薬品の情報を取得するためのコマンドとして、「バーコード読取」ボタン106が設けられており、このボタン106を押下して、市販薬品のバーコードを読み込むと、市販薬品の情報を取得できるようになっている。
【0041】
顧客の情報が検索されると、顧客が購入を申し込む市販薬品の情報を取得する(S102)。
市販薬品の情報は例えば、市販薬品のラベル等に表示され、市販薬品を特定可能な情報がコード化されているバーコード等を読取処理部21によって読み取ることで取得される。
【0042】
他方、特定処理部12は、顧客のメンバーIDに基づき、グループ情報記憶部1Bを参照して当該顧客がメンバーとして属するグループを特定すると共に、当該グループの他のメンバーを特定する(S103)。
また、抽出処理部13は、購入申込に係る市販薬品の情報を薬品情報記憶部1Fから抽出する(S104)。
【0043】
監査処理部15は、市販薬品の購入申込を行った顧客が属するグループのメンバーごとに、当該市販薬品の服薬可否の判断に係る監査処理を実行する(S105)。
【0044】
ここで、メンバーごとの監査処理の流れを
図9に示す。
まず、抽出処理部13は、判断根拠情報記憶部1Cを参照して、監査を行うメンバーの判断根拠情報を抽出する(S201)。
【0045】
判別処理部14は、監査を行うメンバーについて、薬歴情報記憶部1Eを参照して服薬中の処方薬があるか否かを判別する(S202)。
この処理では、薬歴情報記憶部1Eに処方薬の登録があるか否かが判別され、薬歴情報記憶部1Eに処方薬の登録があった場合、当該処方薬の処方日及び処方日数の情報から、現在においても当該処方薬を服薬中か否かが判別される。
その結果、服薬中の処方薬があった場合には、抽出処理部13により薬歴情報記憶部1Eから服薬中の処方薬の情報が抽出される(S203)。
【0046】
同時に判別処理部14は、監査を行うメンバーについて、薬歴情報記憶部1Eを参照して服薬中の市販薬品があるか否かを判別する(S204)。
この処理では、薬歴情報記憶部1Eに服薬中の市販薬品の登録があるか否かが判別され、薬歴情報記憶部1Eに市販薬品の登録があった場合、当該市販薬品を服薬しているものとみなす。
その結果、服薬中の市販薬品があった場合には、抽出処理部13により薬歴情報記憶部1Eから府脚注の市販薬品の情報が抽出される(S205)。
【0047】
監査処理部15は、購入申込に係る市販薬品の情報に基づき、各メンバーの判断根拠情報、及び服薬中の処方薬や市販薬品の情報を参照して、各メンバーによる購入申込に係る市販薬品の服薬可否を判別する(S206)。
【0048】
監査処理の結果は、
図11の例に示される出力画面として、クライアント1b上に表示される(S106)。
即ち、出力画面上には、購入申込に係る市販薬品の情報を表示する市販薬品情報表示欄111、顧客の監査結果を示す監査結果表示欄112、顧客が属するメンバーの監査結果を示す監査結果表示欄113が設けられている。
【0049】
なお、市販薬品の情報は適宜、所定の市販薬品情報の詳細表示を要求するボタン等の押下により、出力させることができる。
図12は、市販薬品情報の表示画面の一例であり、薬剤師等は当該情報に基づいて顧客に服薬指導を行うことができる。なお、当該市販薬品情報は、薬品情報記憶部1Fから抽出されたものである。
【0050】
薬剤師等のユーザは、監査処理の結果を説明した後、所定の確認画面を表示して(S107)、購入申込が行われた市販薬品を服薬するメンバーに係る服薬情報と監査結果の承認情報の入力を受け付ける(S108)。
【0051】
所定の確認画面の一例を
図13に示す。
確認画面では、顧客の情報を表示する顧客情報表示欄121と顧客のグループに属するメンバーの情報を表示するメンバー情報表示欄122が設けられている。顧客と各メンバーに対してはさらに、購入申込に係る市販薬品の監査の結果、服薬が適切でない場合にその旨を示す情報(
図12の例では、エクスクラメーションマーク123が表示される)が表示されている。
また、監査内容に対する顧客の承認を入力するチェック欄124、メンバーごとに服薬如何を選択するチェック欄125、監査結果や服薬条件等について任意に入力されたテキストを表示するテキスト欄126が設けられている。
【0052】
確認画面にチェック等を入力して確定すると、当該情報は登録処理部16により、購入情報として購入履歴情報記憶部1Dに記憶される(S109)。
なお、この際、購入された市販薬品を服薬するメンバーとして指定されたメンバーについては、顧客自身を含め、服薬する市販薬品として当該市販薬品に係る情報が薬歴情報記憶部1Eに登録される。
【0053】
以上の本実施形態に係る服薬監査処理システム1によれば、所定のグループに属する所定のメンバーが購入する市販薬品について、当該所定のグループに属するメンバーによる服薬の監査が行われる。その結果、所定のグループのメンバー全員について、購入された市販薬品の服薬の安全性を確認することができる。
【0054】
なお、以上の本実施形態においては、顧客による市販薬品の購入申込に応じて、購入履歴記憶部を参照して、市販薬品の購入申込を行ったメンバーが属するグループ内のメンバーにより、購入申込に係る市販薬品と同一の市販薬品が購入されているか否かを判別する手段を設け、既に購入されている場合には、これを顧客に知らせるようにしてもよい。
これにより、グループ内で同一の市販薬品を重複購入することを防ぐことができる。