(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ラップフィルムを収容したカートン本体部から引出され、かつカッターによりカットされた後の残留側におけるラップフィルムを、前記カートン本体部の外面に保持可能なラップフィルム保持部を備えるラップフィルムカートンにおいて、前表面の一部に粘着部を設け、かつ裏面を前記カートン本体部の外面に対して固定した保持基部と、前表面の一部となる上部の所定範囲に粘着部を設けるとともに、メモ書きを行うことができるメモ紙を使用し、かつラップフィルムの引出し時に当該ラップフィルムと一緒に掴むことができる複数の保持紙を積層し、かつ最裏面部を前記保持基部の前表面に貼付した保持紙積層部とを有するラップフィルム保持部を備えることを特徴とするラップフィルムカートン。
前記保持基部は、前記カートン本体部の前面部に対して着脱式に取付可能な取付部を介して固定し、又は直接固定してなることを特徴とする請求項1記載のラップフィルムカートン。
ラップフィルムを収容したカートン本体部から引出され、かつカッターによりカットされた後の残留側におけるラップフィルムを、前記カートン本体部の外面に保持可能なラップフィルム保持具であって、前記カートン本体部に対して着脱式に取付可能な取付部と、前表面の一部に粘着部を設け、かつ裏面を前記取付部に固定した保持基部と、前表面の一部となる上部の所定範囲に粘着部を設けるとともに、メモ書きを行うことができるメモ紙を使用し、かつラップフィルムの引出し時に当該ラップフィルムと一緒に掴むことができる複数の保持紙を積層し、かつ最裏面部を前記保持基部の前表面に貼付した保持紙積層部とを備えることを特徴とするラップフィルム保持具。
前記取付部は、前記カートン本体部の開口部の端辺から前面部の表裏面を挟んで固定可能なU形状に形成してなることを特徴とする請求項3記載のラップフィルム保持具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したラップフィルムカートンをはじめ、従来におけるこの種のラップフィルムカートンは、次のような問題点があった。
【0006】
第一に、フィルム保持部は、単純な粘着部を用いたものにすぎないため、フィルムの着脱を繰り返す度に、フィルム保持部における表面の保持力が低下する。このため、フィルム保持部の保持力(粘着力)の選定が重要になり、粘着力を大きく選定すれば、ラップフィルムを傷めたり、使い勝手が悪くなるなどの弊害を招くとともに、粘着力を小さく選定すれば、早期の寿命低下を招いてしまう。結局、妥協的な粘着力を選定せざるを得ず、必ずしも良好なフィルム保持部を備えたラップフィルムカートンが提供されていないのが実情である。
【0007】
第二に、この種のラップフィルムカートンに備えるフィルム保持部は、巻戻りを防止する機能に留まるため、機能としては、単一の機能に留まる。したがって、機能としての多様性及び多機能性を確保する観点からも必ずしも十分であるとはいえず、ラップフィルムカートンに対する、より付加価値を高める観点からは更なる改善の余地があった。
【0008】
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決したラップフィルムカートン及びラップフィルム保持具の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るラップフィルムカートンMは、上述した課題を解決するため、ラップフィルムFを収容したカートン本体部Mmから引出され、かつカッターCによりカットされた後の残留側におけるラップフィルムFrを、カートン本体部Mmの外面Mmoに保持可能なラップフィルム保持部を備えるラップフィルムカートンにおいて、前表面3fの一部に粘着部3fjを設け、かつ裏面3rをカートン本体部Mmの外面Mmoに対して固定した保持基部3と、前表面5f…の一部となる上部の所定範囲Aに粘着部5fj…を設けるとともに、メモ書きを行うことができるメモ紙を使用し、かつラップフィルムFの引出し時に当該ラップフィルムFと一緒に掴むことができる複数の保持紙5…を積層し、かつ最裏面部6rを保持基部3の前表面3fに貼付した保持紙積層部6とを有するラップフィルム保持部1mを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るラップフィルム保持具1は、上述した課題を解決するため、ラップフィルムFを収容したカートン本体部Mmから引出され、かつカッターCによりカットされた後の残留側におけるラップフィルムFrを、カートン本体部Mmの外面Mmoに保持可能なラップフィルム保持具であって、カートン本体部Mmに対して着脱式に取付可能な取付部2と、前表面3fの一部に粘着部3fjを設け、かつ裏面3rを取付部2に固定した保持基部3と、前表面5f…の一部となる上部の所定範囲Aに粘着部5fj…を設けるとともに、メモ書きを行うことができるメモ紙を使用し、かつラップフィルムFの引出し時に当該ラップフィルムFと一緒に掴むことができる複数の保持紙5…を積層し、かつ最裏面部6rを保持基部3の前表面3fに貼付した保持紙積層部6とを備えることを特徴とする。
【0011】
一方、発明の好適な態様により、ラップフィルムカートンMを構成するに際し、保持基部3は、カートン本体部Mmの前面部Mmfに対して着脱式に取付可能な取付部2を介して固定してもよいし又は直接固定してもよい。他方、ラップフィルム保持具1を構成するに際しては、取付部2を、カートン本体部Mmの開口部Mmuの端辺Mmusから前面部Mmfの表裏面を挟んで固定可能なU形状に形成することができる。したがって、この取付部2は、合成樹脂素材又は金属素材を用いた弾性素材Rにより一体成形することが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
このような構成を有する本発明に係るラップフィルムカートンM及びラップフィルム保持具1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
【0013】
(1) ラップフィルムカートンMは、前表面3fの一部に粘着部3fjを設け、かつ裏面3rをカートン本体部Mmの外面Mmoに対して固定した保持基部3と、前表面5f…の一部に粘着部5fj…を設けた複数の保持紙5…を積層し、かつ最裏面部6rを保持基部3の前表面3fに貼付した保持紙積層部6とを有するラップフィルム保持部1mを備えるため、粘着部5fj…の粘着力(保持力)が使用により低下した場合、劣化した保持紙5を剥がして除去し、次の新しい保持紙5を使用することができる。これにより、最適な粘着力を選定することが可能になり、粘着力が大きすぎてラップフィルムを傷めたり使い勝手が悪くなる弊害を回避しつつ、常に好適な粘着力を確保できる。
【0014】
(2) 複数の保持紙5…を積層した保持紙積層部6を備えるため、本来の巻戻り防止機能に加え、必要により、ラッピング対象となる料理等の日時,名前,用途,目的などを書き込むメモ紙として利用できる。即ち、使用するラップフィルムFfに、粘着部5fjを介して保持紙5を貼付けた状態にできるため、保持紙5にメモ書きし、そのままラップフィルムFと一緒に剥がすことにより、伝言や記録等を目的としたメモ紙としての機能を持たせることができる。この結果、多様性及び多機能性を高めることができるなど、ラップフィルムカートンMにおける付加価値をより高めることができる。
【0015】
(3) ラップフィルム保持具1は、カートン本体部Mmに対して着脱式に取付可能な取付部2と、前表面3fの一部に粘着部3fjを設け、かつ裏面3rを取付部2に固定した保持基部3と、前表面5f…の一部に粘着部5fj…を設けた複数の保持紙5…を積層し、かつ最裏面部6rを保持基部3の前表面3fに貼付した保持紙積層部6とを備えるため、粘着部(保持部)を有しない一般的なラップフィルムカートンにも容易に後付けできるとともに、保持紙5…が残った場合であっても他のラップフィルムカートンに付け替えて利用できるなど、上述した(1)及び(2)のメリットに加え、使用する際の柔軟性及び汎用性、更には省資源性及び経済性を高めることができる。
【0016】
(4) ラップフィルム保持具1(ラップフィルムカートンM)に用いる保持紙5の粘着部5fjは、前表面5fにおける上部の所定範囲Aに設けたため、保持紙5を剥離する際に下側から捲り易くなり、最も望ましい形態として実施することができる。
【0017】
(5) 好適な態様により、ラップフィルムカートンMを構成するに際し、保持基部3は、カートン本体部Mmの前面部Mmfに対して、着脱式に取付可能な取付部2を介して間接的に固定してもよいし、或いは直接的に固定してもよい。この場合、いずれを採用しても、基本的なレイアウト形態を、従来の粘着部付きのラップフィルムカートンと同じにできるため、従来と同等の使い勝手を確保できるとともに、違和感なく使用することができる。
【0018】
(6) 好適な態様により、ラップフィルム保持具1を構成するに際し、取付部2を、カートン本体部Mmの開口部Mmuの端辺Mmusから前面部Mmfの表裏面を挟んで固定可能なU形状に形成すれば、単一の単純部品として製作できるため、製作容易性及び低コスト性に優れる。
【0019】
(7) 好適な態様により、取付部2を、合成樹脂素材又は金属素材を用いた弾性素材Rにより一体成形すれば、汎用素材を金型成形或いは折曲成形等により容易に製造できるため、更なる低コスト性及び量産性を確保できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
まず、本実施形態に係るラップフィルムカートンM及びラップフィルム保持具1の理解を容易にするため、一般的なラップフィルムカートンと同じ構成部分となるラップフィルムカートンMにおける基本的な構成部分について、
図1〜
図6を参照して説明する。
【0023】
ラップフィルムカートンMにおける基本的な構成部分は、カートン本体部Mmとカートン蓋部Mrにより構成され、カートン本体部MmにラップフィルムFが収容される。カートン本体部Mmは、上面部に開口部Mmuを有する横長の直方体形状に形成され、側面視の断面はほぼ正方形枠形である。また、カートン蓋部Mrは、カートン本体部Mmの開口部Mmuを開閉する機能を備え、開口部Mmuの形状とほぼ同形状の蓋本体部Mra,この蓋本体部Mraの両端に設けた左右一対の蓋側面部Mrs…,及び蓋本体部Mraの前端に設けた蓋前面部Mrfにより構成される。例示の場合、蓋前面部Mrfと蓋側面部Mrs…の高さ寸法は、同程度となり、カートン本体部Mmの高さ寸法に対して2/3程度の長さである。
【0024】
そして、蓋本体部Mraの後端辺は、カートン本体部Mmの背面側の上端辺に対して連続させ、蓋本体部Mraの後端辺とカートン本体部Mmの上端辺間は、回動可能なヒンジ部Mhとして機能する。このため、一般的に、カートン本体部Mm及びカートン蓋部Mrは、厚紙により一体に構成される。また、蓋前面部Mrfの裏面には、
図1に示す細長いカッターCが固定され、このカッターCの下端辺に形成されるノコギリ状のカッター刃Cmは蓋前面部Mrfの下端辺から下方に突出する。一方、ラップフィルムFは、
図2に示すように、筒芯となる紙管Eの外周面にロール巻きして構成される。
【0025】
以上が、ラップフィルムカートンMにおける基本的な構成部分となる。これにより、一般的なラップフィルムカートン、即ち、ラップフィルムカートンMの基本的な構成部分を使用する場合、使用者は、ラップフィルムFの先端を手で持ち、カートン本体部Mmの開口部Mmuから外部へ使用する長さだけ引出した後、カートン蓋部Mrを閉じて他の手で押さえ、この状態において、引出したラップフィルムFを斜め上方へ引張れば、カッター刃Cmにより、使用する長さのラップフィルムFrをカットすることができる。
【0026】
ところで、一般的なラップフィルムカートンの場合、この後に手を離せば、残留側におけるラップフィルムFrが巻戻りしてしまう問題がある。特に、ラップフィルムFrは、薄いが故に、巻戻りによりロール状に戻った場合、ラップフィルムFの先端を剥いで引出すことは容易でない。このため、従来のラップフィルムカートンには、背景技術で挙げたように、ラップフィルムFrが一時的に貼付いて保持(仮固定)される粘着部を前面部Mmfの前表面に設けたものが提案されており、本実施形態に係るラップフィルムカートンM及びラップフィルム保持具1は、この機能を、より改善したものである。
【0027】
次に、本実施形態に係るラップフィルムカートンM及びラップフィルム保持具1の構成について、
図1〜
図6を参照して具体的に説明する。
【0028】
図3に、ラップフィルム保持具1の全体構成を示す。ラップフィルム保持具1は、大別して、カートン本体部Mmに対して着脱式に取付可能な取付部2と、前表面3fの一部に粘着部3fjを設け、かつ裏面3rを取付部2に固定した保持基部3と、前表面5f…の一部に粘着部5fj…を設けた複数の保持紙5…を積層し、かつ最裏面部6rを保持基部3の前表面3fに貼付した保持紙積層部6とを備える。
【0029】
この場合、取付部2は、
図3及び
図4に示すように、カートン本体部Mmの開口部Mmuの端辺Mmusから前面部Mmfの表裏面を挟んで固定可能なU形状に形成する。即ち、取付部2は、
図4に示すように、対面した前プレート部2fと後プレート部2rの上端同士を連結部2jにより連続させる形状を有するとともに、前プレート部2fと後プレート部2rの間隔は、カートン本体部Mmの製作に用いる厚紙の厚さとほぼ同程度になるように選定し、かつ外力を付加しない自然状態では、
図4に示すように、前プレート部2fと後プレート部2rの先端(下端)が接触(又は圧接)するように構成する。なお、取付部2の横幅寸法は、後述する保持紙5と同程度或いはやや長く選定できる。このように構成すれば、単一の単純部品として製作できるため、製作容易性及び低コスト性に優れる利点がある。
【0030】
したがって、取付部2の形成素材としては、合成樹脂素材又は金属素材を用いた弾性素材Rにより一体形成することができる。例示は、合成樹脂素材を用いた例を示す。これにより、取付部2は、
図4に仮想線で示すように、前プレート部2fに対して後プレート部2rは、先端側(下端側)が離間して広がるように弾性変形させることができ、この際の弾性力、即ち、カートン本体部Mmに装着した際の固定強度は、連結部2jの素材及び厚さの選定により設定できる。このように、取付部2を、合成樹脂素材又は金属素材を用いた弾性素材Rにより一体成形すれば、汎用素材を金型成形又は折曲成形等により容易に製造できるため、更なる低コスト性及び量産性を確保できる利点がある。
【0031】
この結果、取付部2は、カートン本体部Mmに対して着脱式に取付可能になる。したがって、装着して使用するときは、
図6に示すように、カートン本体部Mmの開口部Mmuの端辺Mmusから前面部Mmfの表裏面を挟んで固定可能、即ち、前プレート部2fが前面部Mmfの表面に圧接し、後プレート部2rが前面部Mmfの裏面に圧接して固定可能になるとともに、使用しないときは、離脱することができる。
【0032】
一方、保持基部3は、基本的に、後述する保持紙5と同じものを用いることができる。保持紙5と異なる点は、
図6に示すように、裏面3rを、取付部2の前プレート部2fに固定する点にある。この場合、保持基部3の裏面3rは、接着剤又は両面接着テープ等の接着手段11を利用して前プレート部2fに接着固定、望ましくは、全面を接着固定することができる。そして、保持基部3の前表面3fの一部には、後述する保持紙5の粘着部5fjと同様の粘着部3fjを設けることができる。
【0033】
他方、保持紙5は、一枚のメモ紙として利用できるものであり、例示の形状は、矩形に形成した。この保持紙5の前表面5fの一部には粘着部5fjを設ける。この場合、粘着部5fjは、前表面5fにおける上部の所定範囲A、例示の場合、
図3及び
図6に示すように、上下方向における上側の1/4程度の範囲となる横方向に帯状となる所定範囲Aに設けた。このように設ければ、保持紙5を剥離する際には、下側から捲り易くなるため、最も望ましい形態として実施できる利点がある。
【0034】
そして、複数の保持紙5…を積層することにより保持紙積層部6として構成し、この保持紙積層部6の最裏面部6rを保持基部3の前表面3fに貼付する。これにより、取付部2,保持基部3及び保持紙積層部6が一体となった
図3に示す本実施形態に係るラップフィルム保持具1が構成される。
【0035】
このように、本実施形態に係るラップフィルム保持具1は、カートン本体部Mmに対して着脱式に取付可能な取付部2と、前表面3fの一部に粘着部3fjを設け、かつ裏面3rを取付部2に固定した保持基部3と、前表面5f…の一部に粘着部5fj…を設けた複数の保持紙5…を積層し、かつ最裏面部6rを保持基部3の前表面3fに貼付した保持紙積層部6とを備えるため、粘着部(保持部)を有しない一般的なラップフィルムカートンにも容易に後付けできるとともに、保持紙5…が残った場合であっても他のラップフィルムカートンに付け替えて利用できる利点があり、特に、使用する際の柔軟性及び汎用性、更には省資源性及び経済性を高めることができる。
【0036】
また、取付部2を除く保持基部3と保持紙積層部6は、ラップフィルム保持具1mとして構成される。即ち、例示の場合、保持基部3を取付部2を介して間接的にカートン本体部Mmに対して固定するものであるが、後述するように、保持基部3を直接カートン本体部Mmの前面部Mmfに接着することもできる。このように、ラップフィルムカートンMを構成するに際しては、保持基部3を、カートン本体部Mmの前面部Mmfに対して着脱式に取付可能な取付部2を介して固定することもできるし、或いは直接固定することもできる。この場合、いずれを採用しても、基本的なレイアウト形態は、従来の粘着部付きのラップフィルムカートンと同じになるため、従来と同等の使い勝手を確保できるとともに、違和感なく使用することができる。
【0037】
次に、本実施形態に係るラップフィルム保持具1を備えるラップフィルムカートンMの使用方法及び作用(機能)について、
図4〜
図9を参照して説明する。
【0038】
まず、ラップフィルム保持具1は、
図6に示すように、ラップフィルムカートンにおけるカートン本体部Mmに装着して使用する。カートン本体部Mmに装着するに際しては、取付部2を、側面視がU形状となるように形成したため、
図4に示すように、前プレート部2fの先端側(下端側)と後プレート部2rの先端側(下端側)を広げて離間し、カートン本体部Mmの開口部Mmuの端辺Mmusから前面部Mmfの表裏面を挟むように矢印Ds方向に装着すればよい。
【0039】
これにより、前プレート部2fと後プレート部2rは、前面部Mmfの表裏面に圧接して前面部Mmfを挟み、前面部Mmfに対して固定することができる。この場合、装着位置は、
図1に示すように、前面部Mmfの左右方向における略中央位置が望ましい。
図5(a)は、ラップフィルム保持具1を装着したラップフィルムカートン(開封後)の正面図を示している。なお、
図5(b)は、ラップフィルム保持具1を装着する前の一般的なラップフィルムカートンMo(開封前)の正面図を示す。この場合、前面カバー部Mcが付属しており、切離線Ccから、この前面カバー部Mcを取り除くことにより、カッターCが露出し、かつカートン蓋部Mrを開閉することができる。
【0040】
一方、ラップフィルムカートンMを使用する際は、一般的な、ラップフィルムカートンMoと同様に使用できる。即ち、
図6に示すように、使用者は、ラップフィルムFの先端、即ち、使用したいラップフィルムFfの先端を手Hpで持ち、カートン本体部Mm内のラップフィルムFを、当該カートン本体部Mmの開口部Mmuから使用したい長さ分だけ、外部へ引出した後、同図に示すように、カートン蓋部Mrを閉じ、閉じたカートン蓋部Mrを他の手Hqで押さえながら、引出したラップフィルムFfを、斜め上方へ引張ればよい。これにより、使用したい長さ分のラップフィルムFfを、カッターCによりカットすることができる。
【0041】
この後、残留側におけるラップフィルムFrは、
図7に示すように、最前位置の保持紙5における粘着部5fjに付着することにより保持されるため、ラップフィルムFrの巻戻りが防止される。さらに、この後、ラップフィルムカートンMを、繰り返し使用することにより、粘着部5fjの粘着力が低下し、最前位置の保持紙5が劣化した場合には、
図4に示すように、最前位置の保持紙5を、矢印Dp方向に剥離することにより除去することができる。これにより、次の新しい保持紙5を使用することができる。
【0042】
このように、ラップフィルムカートンMは、前表面3fの一部に粘着部3fjを設け、かつ裏面3rをカートン本体部Mmの外面Mmoに対して固定した保持基部3と、前表面5f…の一部に粘着部5fj…を設けた複数の保持紙5…を積層し、かつ最裏面部6rを保持基部3の前表面3fに貼付した保持紙積層部6とを有するラップフィルム保持部1mを備えるため、粘着部5fj…の粘着力(保持力)が使用により低下した場合、劣化した保持紙5を剥がして除去し、次の新しい保持紙5を使用することができる。これにより、最適な粘着力を選定することが可能になり、粘着力が大きすぎてラップフィルムを傷めたり使い勝手が悪くなる弊害を回避しつつ、常に好適な粘着力を確保できる。
【0043】
他方、保持紙5…はメモ紙として使用することができる。この場合、
図8に示すように、使用者は、使用時に、手HpによりラップフィルムFfの前端部と最前位置における保持紙5を一緒に掴み、ラップフィルムFrと保持紙5を一緒に引出せば、最前位置における一枚の保持紙5を保持紙積層部6側から剥離することができる。この際、保持紙5の粘着部5fjは、ラップフィルムFfの端部に付着(固定)した状態となる。したがって、ラップフィルムFfを引き出す前に(又はその後に)、最前位置の保持紙5に、必要なメモ書きを行うことができる。
図9にメモ書きの一例を示す。
図9は、皿21に子供用のおやつSを載せた場合におけるメモ書き例を示している。なお、5kは、保持紙5の紙面上に表示した罫線を示す。
【0044】
このように、本実施形態に係るラップフィルムカートンMによれば、複数の保持紙5…を積層した保持紙積層部6を備えるため、本来の巻戻り防止機能に加え、必要により、ラッピング対象となる料理等の日時,名前,用途,目的などを書き込むメモ紙として利用できる。即ち、使用するラップフィルムFfに、粘着部5fjを介して保持紙5を貼付けた状態にできるため、保持紙5にメモ書きし、そのままラップフィルムFと一緒に剥がすことにより、伝言や記録等を目的としたメモ紙としての機能を持たせることができる。この結果、多様性及び多機能性を高めることができるなど、ラップフィルムカートンMにおける付加価値をより高めることができる。
【0045】
次に、本発明の変更実施形態に係るラップフィルム保持具1及びラップフィルムカートンMについて、
図10及び
図11を参照して説明する。
【0046】
図10は、ラップフィルム保持具1の変更例を示す。
図1〜
図9の実施形態は、ラップフィルム保持具1における取付部2及び保持紙5(保持基部3)の正面形状として、長方形を選定した基本形態を示したが、取付部2及び保持紙5(保持基部3)は、各種形状により実施可能である。
【0047】
図10(a)は、取付部2の正面形状を矩形形状を選定するも、保持紙5(保持基部3)の形状を花形形状に選定した例を示す。なお、5k…は保持紙5の前表面5fに表示された罫線を示す。また、
図10(b)は、取付部2の正面形状を非矩形形状に選定するとともに、保持紙5(保持基部3)の形状をハート形形状に選定した例を示す。なお、5kは保持紙5の前表面5fに表示された罫線を示す。この場合、取付部2の配色は、任意の色やデザインを選定して保持紙5の形状や配色にマッチング又は関連づけることができる。このように、取付部2及び保持紙5(保持基部3)の形状は、例示した形状をはじめ、各種形状により実施することができる。
【0048】
一方、
図11は、ラップフィルムカートンMの変更例を示す。
図1〜
図9の実施形態は、ラップフィルム保持具1を用いた例を示したが、
図11に示す変更例は、ラップフィルム保持具1の取付部2を除いた形態、即ち、保持基部3と保持紙積層部6により構成されるラップフィルム保持部1mを利用し、保持基部3の裏面3rをカートン本体部Mmの前面部Mmfにおける外面に、接着剤又は両面接着テープ等の接着手段11を利用して直接固定したものである。したがって、このラップフィルム保持部1mは、ラップフィルムカートンMの製造段階において一体化することができる。即ち、工場において一体に組付けることを想定した一例であり、前述したラップフィルム保持具1のように、着脱方式を前提としたものではない。
【0049】
このような変更実施形態に係るラップフィルムカートンM(ラップフィルム保持具1)であっても、ラップフィルムカートンMは、前表面3fの一部に粘着部3fjを設け、かつ裏面3rをカートン本体部Mmの外面Mmoに対して固定した保持基部3と、前表面5f…の一部に粘着部5fj…を設けた複数の保持紙5…を積層し、かつ最裏面部6rを保持基部3の前表面3fに貼付した保持紙積層部6とを有するラップフィルム保持部1mを備えるため、粘着部5fj…の粘着力(保持力)が使用により低下した場合、劣化した保持紙5を剥がして除去し、次の新しい保持紙5を使用することができる。これにより、最適な粘着力を選定することが可能になり、粘着力が大きすぎてラップフィルムを傷めたり使い勝手が悪くなる弊害を回避しつつ、常に好適な粘着力を確保できる。
【0050】
また、複数の保持紙5…を積層した保持紙積層部6を備えるため、本来の巻戻り防止機能に加え、必要により、ラッピング対象となる料理等の日時,名前,用途,目的などを書き込むメモ紙として利用できる。即ち、使用するラップフィルムFfに、粘着部5fjを介して保持紙5を貼付けた状態にできるため、保持紙5にメモ書きし、そのままラップフィルムFと一緒に剥がすことにより、伝言や記録等を目的としたメモ紙としての機能を持たせることができる。この結果、多様性及び多機能性を高めることができるなど、ラップフィルムカートンMにおける付加価値をより高めることができる。
【0051】
しかも、ラップフィルム保持具1は、カートン本体部Mmに対して着脱式に取付可能な取付部2と、前表面3fの一部に粘着部3fjを設け、かつ裏面3rを取付部2に固定した保持基部3と、前表面5f…の一部に粘着部5fj…を設けた複数の保持紙5…を積層し、かつ最裏面部6rを保持基部3の前表面3fに貼付した保持紙積層部6とを備えるため、粘着部(保持部)を有しない一般的なラップフィルムカートンにも容易に後付けできるとともに、保持紙5…が残った場合であっても他のラップフィルムカートンに付け替えて利用できるなど、上述したメリットに加え、使用する際の柔軟性及び汎用性、更には省資源性及び経済性を高めることができる。なお、
図10(a),(b)及び
図11において、
図1〜
図9と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にするとともに、その詳細な説明は省略する。
【0052】
以上、好適実施形態(変更実施形態)について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
【0053】
例えば、ラップフィルム保持具1を構成するに際し、取付部2を、カートン本体部Mmの開口部Mmuの端辺Mmusから前面部Mmfの表裏面を挟んで固定可能なU形状に形成した場合を示したが、前面部Mmfに固定可能な形態であれば、各種形態を適用できる。一例として、二つの部品、具体的には、前述した前プレート部2fと後プレート部2rをそれぞれ単一の部品として形成し、前面部Mmfに設けた貫通孔を通して結合ピン等により結合する形態などであってもよいなど、各種形態により実施可能である。
【0054】
また、取付部2は、合成樹脂素材又は金属素材を用いた弾性素材Rにより一体成形することが望ましいが、他の素材を用いる場合を排除しない。特に、上述のように、二つの部品により構成する場合には、非弾性素材(剛性素材)であってもよく、必ずしも弾性素材Rを用いることを要しない。