特許第6881719号(P6881719)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 九州産業株式会社の特許一覧 ▶ マフレン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6881719-集塵装置用濾布 図000002
  • 特許6881719-集塵装置用濾布 図000003
  • 特許6881719-集塵装置用濾布 図000004
  • 特許6881719-集塵装置用濾布 図000005
  • 特許6881719-集塵装置用濾布 図000006
  • 特許6881719-集塵装置用濾布 図000007
  • 特許6881719-集塵装置用濾布 図000008
  • 特許6881719-集塵装置用濾布 図000009
  • 特許6881719-集塵装置用濾布 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6881719
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】集塵装置用濾布
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/02 20060101AFI20210524BHJP
【FI】
   B01D46/02 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-134025(P2019-134025)
(22)【出願日】2019年7月19日
(65)【公開番号】特開2021-16829(P2021-16829A)
(43)【公開日】2021年2月15日
【審査請求日】2020年10月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319008890
【氏名又は名称】九州産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】312010308
【氏名又は名称】マフレン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】菅本 一朗
(72)【発明者】
【氏名】青山 祥飛
(72)【発明者】
【氏名】大徳 一美
【審査官】 宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−148697(JP,A)
【文献】 実開昭54−109975(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3112705(JP,U)
【文献】 特表平09−510396(JP,A)
【文献】 特開2006−231315(JP,A)
【文献】 特開平05−018481(JP,A)
【文献】 特開2001−269527(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3204164(JP,U)
【文献】 特開平07−000736(JP,A)
【文献】 特開2003−190728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/02
B01D 46/24
B01D 46/52
B01D 39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
濾過室と清浄室との隔壁に開口する円形の吸引口に垂下して取付けられた濾布において、該濾布は、前記吸引口に勘合する濾布基部と、該濾布基部と連結された有底の濾布胴部から形成されており、前記濾布基部の内面には弾性材からなる金属リングが半径方向に弾性圧縮され、前記濾布基部は前記吸引口に前記金属リングの弾性復元力で押圧されるとともに前記金属リングの外面と前記濾布基部の前記内面が接着剤で取付けられ、前記金属リングの下端は前記濾布基部の前記内面に取付けられた環状布部の上端もしくは前記濾布胴部の上端に支持されており、エアパルスによる滑落防止のため前記金属リングの厚みは0.1〜0.5mmに対して前記環状布部もしくは前記濾布胴部の厚みは0.5〜1.0mmであることを特徴とする集塵装置用濾布。
【請求項2】
濾過室と清浄室との隔壁に開口する円形の吸引口に垂下して取付けられた濾布において、該濾布は、前記吸引口に勘合する濾布基部と、該濾布基部と連結された有底の濾布胴部から形成されており、前記濾布基部の内面には弾性材からなる金属リングが半径方向に弾性圧縮され、前記濾布基部は前記吸引口に前記金属リングの弾性復元力で押圧されるとともに前記金属リングの外面と前記濾布基部の前記内面が接着剤で取付けられ、前記濾布基部の前記内面と前記濾布基部の前記内面に取付けられた環状布部で収納部を形成し、もしくは前記濾布基部の前記内面と前記濾布胴部で前記収納部を形成し、該収納部の中に前記金属リングの下端を挿入して、前記金属リングを支持することを特徴とする集塵装置用濾布。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集塵装置に装着される集塵装置用濾布に関する。
【背景技術】
【0002】
集塵機は濾過室と清浄室との隔壁に多数本の筒状の濾布が吊り下げられ、濾過室に流入した含塵ガスは濾布を通過する過程で濾過され、処理ガスは清浄室を経て排気される。濾布の外面には濾過されたダストが集積し、濾布の通気抵抗が増加していくので濾過性能が低下することから、適宜頻度で高圧の逆洗空気を濾布内壁に噴射して、濾布外面のダストを払い落として濾過性能を回復する。
【0003】
濾布は一般的に、含塵ガスを濾過するための濾布胴部と濾布を隔壁に取付けるための濾布基部とからなっている。濾布基部は濾布胴部上部に縫合されて取付けられている。高圧の濾過室側から低圧の清浄室に、含塵ガスが濾布をバイパスして流れ込まないようにするため、濾布上部に設けた濾布基部を隔壁の吸引口に均一に押圧してシールしている。濾布基部の内部にはリング状の弾性材からなる金属板が縫い込まれており、濾布基部は金属板の弾性力で吸引口に押付けられている。
【0004】
従来、金属板は濾布基部に縫い込まれており、使用後の濾布を廃棄する際には、濾布基部を切り開いて金属板を取り出し、濾布と金属を分離して分別処理していた。使用済みの粉塵まみれの濾布から金属を分離する作業は3K作業であり、作業場所の汚染の問題や作業者の確保が難しく解決が急務であった。このため、金属板を濾布に縫い込まない構造にして、簡単に濾布と金属リングを分離する方法が各種試みられてきた。
【0005】
特開昭53−083169号広報において、リテーナ金属棒にリングを取付け、ベンチュリーの熱膨張を利用してリテーナとリングを拡径し、リングと透孔の間に嵌装された濾布を透孔に押付けてシールする集塵装置が示されている。この方法においては、集塵初期段階ではベンチュリーの温度上昇が不十分なため、リングの拡径ができず濾布と透孔の押付け力が不足し適正な集塵ができなかった。
【0006】
特許第4099178号広報において、弾性素材の帯板の外周面に2以上の突起状係止部を設けた止め具を、開口縁部の内側から止め具の弾力性を利用して濾布保持板の受孔に対し装着固定及び離脱容易にした集塵装置用バグフィルターが示されている。この方法における濾布の取付けは、1)濾布を受孔に挿入する工程、2)止め具を外面から内面に向けて押圧し変形縮小せしめて、止め具を濾布の内側に挿入する工程、3)止め具をリング状に復元せしめて、濾布の外面を受孔に押圧する工程、が必要であり、現場での濾布取付け作業に多大の時間を要し生産機会が失われていた。又、止め具の製作において、係止部とリング部分を一枚の板から切り出して、一体的に形成した場合は材料の歩留まりが悪かった。又、突起状係止部を別途製作して、薄いリング金属にリベット接合にするのは手間がかかりコスト大となっていた。
【0007】
実用新案登録第3204164号広報において、濾布開孔縁部の内部に金属リング又は樹脂リングを縫い込んで、止め具の弾力性を利用してバグ保持板にバグフィルターを固定する方法が提案されている。この方法においては、止め具の滑落防止のために止め具に鈎状係止部を取付ける必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献01】特開昭53−083169号広報
【特許文献02】特許第4099178号広報
【特許文献03】実用新案登録第3204164号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は以下の課題を解決するものである。(1)金属リングを濾布に縫い込まずに、金属リングと濾布が分離した構造とする。(2)濾布交換の際は、濾布と金属リングを簡単に分離できるようにする。(3)金属リングが濾布から滑落しない構造とする。(4)吸引口と濾布のシール性能を向上する。(5)金属リングと濾布を同時に吸引口に取付けられるようにして取付け作業の時間短縮を図る。(6)金属リングの構造を簡単にして製作コストを低減する。(7)濾布の製作ストを低減する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、濾過室と清浄室との隔壁に開口する円形の吸引口に垂下して取付けられた濾布において、該濾布は、前記吸引口に勘合する濾布基部と、該濾布基部と連結された有底の濾布胴部から形成されており、前記濾布基部の内面には弾性材からなる金属リングが半径方向に弾性圧縮され、前記濾布基部は前記吸引口に前記金属リングの弾性復元力で押圧されるとともに前記金属リングの外面と前記濾布基部の前記内面が接着剤で取付けられ、前記金属リングの下端は前記濾布基部の前記内面に取付けられた環状布部の上端もしくは前記濾布胴部の上端に支持されており、エアパルスによる滑落防止のため前記金属リングの厚みは0.1〜0.5mmに対して前記環状布部もしくは前記濾布胴部の厚みは0.5〜1.0mmであることを特徴とする集塵装置用濾布である。
【0011】
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、濾過室と清浄室との隔壁に開口する円形の吸引口に垂下して取付けられた濾布において、該濾布は、前記吸引口に勘合する濾布基部と、該濾布基部と連結された有底の濾布胴部から形成されており、前記濾布基部の内面には弾性材からなる金属リングが半径方向に弾性圧縮され、前記濾布基部は前記吸引口に前記金属リングの弾性復元力で押圧されるとともに前記金属リングの外面と前記濾布基部の前記内面が接着剤で取付けられ、前記濾布基部の前記内面と前記濾布基部の前記内面に取付けられた環状布部で収納部を形成し、もしくは前記濾布基部の前記内面と前記濾布胴部で前記収納部を形成し、該収納部の中に前記金属リングの下端を挿入して、前記金属リングを支持することを特徴とする集塵装置用濾布である。
【発明の効果】
【0012】
第1の解決手段による効果は以下である。(1)金属リングを濾布基部に縫い込まずに、分離した構造にしているので、濾布交換の際は、濾布と金属リングを簡単に分離できる。(2)金属リングを濾布基部の中に縫い込む必要が無いので濾布の製作コストを低減できる。(3)濾布もしくは濾布基部に設けた環状の受け部で金属リングが支持されているので、金属リングが濾布から滑落しない。(4)金属リングを支持部で支持しているので、濾布と金属リングを同時に吸引口に取付けることができ、取付け時間を短縮できる。(5)帯状金属を平滑に接続して段差のない金属リングを形成し、金属リングと吸引口の押圧力を均一にして、シール性能を向上できる。(6)金属リングと濾布を同時に吸引口に取付けられるようにしているので取付け作業時間を短縮ができる。(7)金属リングを再利用できる。
【0013】
第2の解決手段による効果は以下である。(1)金属リングの下端を濾布基部もしくは濾布に取付けた収納部で保持しているので、金属リングが滑落しない。(2)濾布基部で金属リングを確実に保持できるので、運搬時に濾布基部から金属リングが外れることがない。(3)金属リングと濾布基部が一体的に動くので、金属リングと濾布基部を一体的に吸引口に取付けることができる。(4)濾布基部への金属リングの取付けが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】は金属リングを環状受部で支持した濾布の断面図。
図2】は濾布基部の断面図。
図3】は金属リングを濾布基部と濾布胴部で支持した断面図。
図4】は金属リングを濾布基部に接着剤で接合した濾布の部分断面図
図5】は金属リングを収納部で支持した濾布の部分断面図。
図6】は金属リングの全体を収納部で被覆した部分断面図。
図7】は濾布基部上面から金属リングに垂れ幕を垂らした濾布の部分断面図。
図8】はリベット止め構造の金属リングの立体図。
図9】は溶接止め構造の金属リングの立体図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を請求項1及び請求項2及び図1図9に基づいて説明する。
【0016】
第1の解決手段は特許請求項1に示すように、濾過室と清浄室との隔壁100に開口する円形の吸引口100aに垂下して取付けられた濾布10において、該濾布10は、前記吸引口100aに勘合する濾布基部20と、該濾布基部20と連結された有底の濾布胴部30から形成されており、前記濾布基部20の内面20aには弾性材からなる金属リング40が半径方向に弾性圧縮され、前記濾布基部20は前記吸引口100aに前記金属リング40の弾性復元力で押圧されるとともに前記金属リング40の外面40bと前記濾布基部20の前記内面20aが接着剤で取付けられ、前記金属リング40の下端40aは前記濾布基部20の前記内面20aに取付けられた環状布部50の上端50aもしくは前記濾布胴部30の上端30aに支持されており、エアパルスによる滑落防止のため前記金属リング40の厚みは0.1〜0.5mmに対して前記環状布部50もしくは前記濾布胴部30の厚みは0.5〜1.0mmであることを特徴とする集塵装置用濾布10である。
【0017】
図1は、濾布10の断面図である。濾過室と清浄室は隔壁100で仕切られており、隔
壁100には複数の吸引口100aが設けられ、濾布10が垂下している。濾過室の含塵ガスは濾布10の濾布胴部30を通過することで除塵され清浄室に送られ排気される。
【0018】
図2は濾布基部20の断面図を示している。通常濾布10は濾布基部20と濾布胴部30を縫合などで接合して形成されている。
【0019】
環状布部50は濾布材を濾布10に環状に縫合して形成する。濾布基部20の外面20bには、濾布材などを丸めた補強部21で形成した2つの突起22の間に凹み部20cが形成されている。濾布10は、濾布基部20の凹み部20cのシール面20dを金属リング40で吸引口100aに押付けることにより隔壁100に取付けられている。同時に濾過室と清浄室は濾布10の濾布基部20のシール面20dと吸引口100aの押圧力によりシールされている。
【0020】
図1では、金属リング40の下端40aは濾布基部20の内面20aに取付けた環状布部50の上端50aに載置されている。環状布部50は濾布基部20の内面20aに濾布材を環状に縫合して形成することができる。
【0021】
図3では、濾布胴部30の上端30aを環状布部50として使用している。濾布胴部30の上端30aを金属リング40側へ延長して、濾布胴部の30の上端30aに金属リング40の下端40aを支持した例を示している。
【0022】
環状布部50や濾布胴部30の厚みtは0.5〜1.0mmがよい。0.1mmより小さいと金属リング40が外れて滑落する。1.0mmより大きいとダストが堆積しやすい。金属リング40は環状布部50の上端50aや濾布胴部の上端30aに確実に保持されているので逆洗時のエアパルスによる衝撃でも滑落することがない。
【0023】
金属リング40の材質は、ステンレス、チタン、バネ鋼などの金属薄板を使用できる。金属リング40の幅は10〜30mm程度がよい。10mmより小さいと濾布基部20の凹み部20cを吸引口100aに正確に当接できない。又、金属リング40の弾性復元力が小さくなり、濾布基部20を吸引口100aに適切に押圧できない。30mmより大きいと金属リング40が濾布基部20から突き出るのでリテーナを挿入する際の障害となる。
【0024】
金属リング40の厚みは0.1〜0.5mmがよい。0.1mmより小さいと濾布基部20の押圧力が不足し含塵ガスがリークする。0.5mmより大きいと弾性力が大きくなり、内側へ押し込んで金属リング40の外径を縮小せしめるのが困難となる。
【0025】
図8のように、金属リング40は金属薄板41の両端に開孔してリベット42で接続する方法が多用されている。図9のように、レーザー溶接で突合せ接合40eすることにより凹凸のない平滑な面を得ることができる。金属リング40が平滑であると濾布基部20を均等な押圧力で押さえることができる。
【0026】
濾布10を吸引口100aに取付ける方法としては、濾布10と金属リング40を別々に分けて取付ける方法と一体にして同時に取付ける方法がある。本発明では、いずれの方法でも取付け可能である。
【0027】
濾布10と金属リング40を別々に取付ける方法は、(1)吸引口100aに濾布基部20の凹み部20cを当接させる。(2)金属リング40を外側から内側に向けて押圧し、内側に凹ませて外形を縮小させる。(3)金属リング40を濾布基部20に当接して、金属リング40を弾性力で円形に復元させて、金属リング40と濾布基部20を密着させる。(4)濾布基部20は金属リング40の復元力で吸引口100aに押付けられる。
【0028】
濾布10と金属リング40を一体にして取付ける方法は、(1)金属リング40を外側から内側に向けて押圧し、内側に凹ませて外形を縮小させる。(2)金属リング40を濾布基部20に当接して、金属リング40を弾性力で円形に復元させて、金属リング20と濾布基部20を密着させる。(3)金属リング40と濾布基部20を外側から内側に向けて押圧し、内側に凹ませて濾布基部20の外形を縮小させる。(4)吸引口100aに濾布基部20の凹み部20cを嵌装して、金属リング40を弾性力で円形に復元させて、吸引口100aと濾布基部20を密着させる。
【0029】
図4(a)は、環状布部20で金属リング40を支持し、且つ金属リング40の外面40bを濾布基部20の内面20aに接着剤60で接合している断面図である。図4(b)は、濾布胴部30で金属リング40を支持し、且つ金属リング40の外面40bを濾布基部20の内面20aに接着剤60で接合している断面図である。接着剤60は、例えばエポキシ樹脂系接着剤、シリコン樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤などがあり、濾布10と金属からなる金属リング40が接合できればよく適宜選択できる。又、両面テープ60を使用することもできる。
【0030】
接着剤60で濾布基部20の内面20aと金属リング40の外面40bは強固に接合され一体化できる。濾布10を吸引口100aに取付ける際は、濾布基部20を内側に押圧し変形させることにより、濾布基部20の外形が縮小するとともに、金属リング40も濾布基部20と一体となって縮小するので、濾布基部20の凹み部20dを吸引口100aに簡単に嵌め込むことができる。濾布基部20を吸引口100aに嵌め込んだ後は、金属リング40が弾性的に復元し、濾布基部20も一体となって復元する。金属リング40の弾性復元力で濾布基部20は吸引口100aに押圧されるので濾過室と清浄室を確実にシールすることができる。
【0031】
接着剤60は経年的に劣化していくので、濾布10を交換する頃には、濾布基部20から金属リング40を簡単に分離することができる。
【0032】
第2の解決手段は特許請求項2に示すように、濾過室と清浄室との隔壁100に開口する円形の吸引口100aに垂下して取付けられた濾布10において、該濾布10は、前記吸引口100aに勘合する濾布基部20と、該濾布基部20と連結された有底の濾布胴部30から形成されており、前記濾布基部20の内面20aには弾性材からなる金属リングが半径方向に弾性圧縮され、前記濾布基部20は前記吸引口100aに前記金属リング40の弾性復元力で押圧されるとともに前記金属リング40の外面40bと前記濾布基部20の前記内面20aが接着剤60で取付けられ、前記濾布基部20の前記内面20aと前記濾布基部20の前記内面20aに取付けられた環状布部50で収納部70を形成し、もしくは前記濾布基部20の前記内面20aと前記濾布胴部30で前記収納部70を形成し、該収納部70の中に前記金属リング40の下端40aを挿入して、前記金属リング40を支持することを特徴とする集塵装置用濾布10である。
【0033】
図5(a)は、環状布部50の上端50aを延長して、濾布基部20の内面20aと環状布部50で収納部70、71を形成している。図5(b)は、環濾布胴部30の上端30aを延長して、濾布基部20の内面20aと濾布胴部30で収納部70、72を形成している。金属リング40の挿入長さsは3〜20mmがよい。3mmより短いと金属リング40の下部40aが外れる恐れがある。図6に示すように、収納部70はで金属リング40を前面被覆してもよい。
【0034】
濾布基部20の内面20aと金属リング40の外面40bを接着剤60で接合することにより、濾布基部20と金属リング40を一体化できるので、濾布基部20の吸引口100aへの取付けが簡単となる。
【0035】
図7(a)は、環状布部50の上端50aを延長して、濾布基部20の内面20aと環状布部50で収納部70、71を形成し、濾布基部20の上面20bには垂れ幕80を取付けて、金属リング40の内面40dに垂らしている。図6(b)は、濾布胴部30の上端30aを延長して、濾布基部20の内面20aと濾布胴部30で収納部70、72を形成し、濾布基部20の上面20bには垂れ幕80を取付けて、金属リング40の内面40dに垂らしている。
【0036】
垂れ幕80により、金属リング40を確実に濾布基部20に固定できるので、濾布10の運搬中に金属リング40が濾布10から脱落することがない。垂れ幕80で金属リング40の上端40cを被覆しているので、安全に取付け作業ができる。
【0037】
10:濾布
20:濾布基部
21:補強部
22:突起
20a:(濾布基部の)内面
20b:(濾布基部の)上面
20c:(濾布基部の)凹み部
20d:(濾布基部の)シール面
30:濾布胴部
30a:(濾布胴部の)上端
40:金属リング
40a:(金属リングの)下端
40b:(金属リングの)外面
40c:(金属リングの)上端
40d:(金属リングの)内面
40e:突合せ接合
50:環状布部
50a:(環状布部の)上端
60:接着剤
70:収納部
80:垂れ幕
100:隔壁
100a:吸引口
s:挿入長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9