(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
検出対象物からの放射線を検出する1以上の放射線検出器を備え、作業機械に脱着可能に取付けられる放射線検出アタッチメントを用いて、該放射線の線量に基づいて前記検出対象物を選別する選別方法であって、
前記検出対象物を複数搬送可能な搬送手段を用意する工程と、
前記作業機械から前記放射線検出アタッチメントを取り外し、該搬送手段上で移動する該複数の検出対象物の放射線を順次検出できるように該放射線検出アタッチメントを該搬送手段近傍に配置する工程と、
該搬送手段上で移動する前記複数の検出対象物毎に放射線の線量を求める工程と、
を含むことを特徴とする選別方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1で示されるような構成では、放射線検出器で検出する検出対象物はバケットの中のものに限定されている。つまり、特許文献1では検出対象物の大きさや検出対象物との距離が制限されてしまうので、放射線検出器を汎用的に使用することが困難であった。
【0005】
そこで、本発明は、前記問題点を解決するべくなされたもので、放射線検出器を効率的かつ汎用的に使用可能な放射線検出アタッチメント、作業機械、及び選別方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、検出対象物からの放射線を検出する1以上の放射線検出器を備え、作業機械に脱着可能に取付けられる放射線検出アタッチメントであって、
前記作業機械に取付けられた際には移動可能に支持され
、前記放射線検出器を複数備える際に、複数の該放射線検出器を支持するフレーム体を備え、少なくとも1つの放射線検出器と他の放射線検出器との距離が、該フレーム体の備える可動部の移動により変更可能とされていることにより、前記課題を解決したものである。
あるいは、本発明は、検出対象物からの放射線を検出する1以上の放射線検出器を備え、作業機械に脱着可能に取付けられる放射線検出アタッチメントであって、前記作業機械に取付けられた際には移動可能に支持され、互いに接近離間可能な複数の爪部材を備えることにより、前記課題を解決したものである。
【0007】
即ち、本発明においては、1以上の放射線検出器を備える放射線検出アタッチメントが作業機械に脱着可能に取付けられる。しかも、放射線検出アタッチメントは、作業機械に移動可能に支持されている。このため、検出対象物の大きさの制限が少なく、且つ検出対象物との距離と位置関係の調整を相応に行うことが可能となる。
【0008】
なお、前記作業機械のアーム体に揺動可能に支持されている場合には、より放射線検出アタッチメントの位置自由度を広げることが可能となる。
【0009】
なお、前記放射線検出器を複数備える際に、少なくとも1つの放射線検出器と他の放射線検出器との距離が変更可能とされている場合には、検出対象物の大きさにより放射線検出器の間隔を変更することで、効率的な放射線の検出を実現することが可能となる。
【0010】
あるいは、互いに接近離間可能な複数の爪部材を備える
ので、例えば爪部材で検出対象物を把持することで検出対象物との距離を安定させ、且つ検出した放射線の線量に対して検出対象物を正確に特定することが可能となる。
【0011】
なお、前記放射線検出器の少なくとも1つを、弾性部材を介して支持している場合には、仮に放射線検出器に大きな外力が加わっても、放射線検出器の故障や破損などが生じる可能性を低減することが可能となる。
【0012】
なお、前記放射線検出器と前記検出対象物の検出領域との間に存在する置換前空気を置換できるように配置された1以上の吐出ノズルを備え、該1以上の吐出ノズルからは、前記置換前空気に含まれる放射性物質を低減した置換後空気が吐出される場合には、空間線量の影響を低減して、検出対象物自体の線量を正確に検出することが可能となる。
【0013】
なお、本発明は、上記放射線検出アタッチメントが取付けられることを特徴とする作業機械と捉えることも可能である。
【0014】
なお、前記作業機械において、自身の運転席に、前記放射線検出器の出力に基づく放射線の線量を表示可能な表示装置が備えられている場合には、運転席にいる操作者は放射線の線量を直接的に確認することが可能となる。
【0015】
なお、前記作業機械において、前記表示装置で、前記放射線の線量を前記検出対象物の検出領域に対応してマッピング表示可能とされている場合には、線量の多少を検出領域毎に判断できる。このため、検出対象物の解体を行う際には、解体で生じる廃棄物の配置場所の確保や解体手順などを、解体開始前に想定することが可能となる。つまり、解体手順や線量の確認を解体後にいちいち行わずにすませることができるので、作業効率を向上させることも可能となる。
【0016】
なお、本発明は、検出対象物からの放射線を検出する1以上の放射線検出器を備え、作業機械に脱着可能に取付けられる放射線検出アタッチメントを用いて、該放射線の線量に基づいて前記検出対象物を選別する選別方法であって、前記作業機械で支持し、前記検出対象物の検出領域毎に前記放射線検出アタッチメントを接近させる工程と、前記放射線検出器の出力に基づいて該検出領域の放射線の線量を求める工程と、
前記作業機械から前記放射線検出アタッチメントを取り外し、前記検出対象物を前記検出領域毎に分離可能とする作業アタッチメントを前記作業機械に取付ける工程と、該作業アタッチメントで、求めた前記放射線の線量に応じて、前記検出対象物を分離する工程と、を含むことを特徴とする選別方法と捉えることも可能である。
あるいは、本発明は、検出対象物からの放射線を検出する1以上の放射線検出器を備え、作業機械に脱着可能に取付けられる放射線検出アタッチメントを用いて、該放射線の線量に基づいて前記検出対象物を選別する選別方法であって、前記作業機械で支持し、前記検出対象物の検出領域毎に前記放射線検出アタッチメントを接近させる工程と、前記放射線検出器の出力に基づいて該検出領域の放射線の線量を求める工程と、前記放射線検出アタッチメントが互いに接近離間可能な複数の爪部材を備える際には、該放射線検出アタッチメントで、求めた前記放射線の線量に応じて、前記検出対象物を分離する工程と、を含むことを特徴とする選別方法と捉えることも可能である。
【0017】
なお、前記選別方法において、前記検出領域の放射線の線量を求める前に、前記放射線検出器と該検出領域との間に存在する置換前空気を、該置換前空気に含まれる放射性物質を低減した置換後空気で置換する工程を含むことができる。
【0018】
なお、前記選別方法において、求めた前記放射線の線量を、前記検出領域に対応してマッピング表示する工程を含むことができる。
【0019】
そして、前記選別方法において、前記作業機械から前記放射線検出アタッチメントを取り外し、前記検出対象物を前記検出領域毎に分離可能とする作業アタッチメントを前記作業機械に取付ける工程と、該作業アタッチメントで、求めた前記放射線の線量に応じて、前記検出対象物を分離する工程と、を含む
ので、作業機械の車体自体は兼用となるので、狭い現場であっても検出対象物を容易に選別することが可能となる。
【0020】
あるいは、前記選別方法において
、前記放射線検出アタッチメント
が互いに接近離間可能な複数の爪部材を備える際には、該
放射線検出アタッチメントで、求めた前記放射線の線量に応じて、前記検出対象物を分離する工程を含む
ので、別の作業機械を必要とせず、且つ放射線検出アタッチメントと作業アタッチメントの交換作業が不要であり、狭い現場であっても検出対象物の選別を迅速に行うことが可能となる。
【0021】
なお、本発明は、検出対象物からの放射線を検出する1以上の放射線検出器を備え、作業機械に脱着可能に取付けられる放射線検出アタッチメントを用いて、該放射線の線量に基づいて前記検出対象物を選別する選別方法であって、前記検出対象物を複数搬送可能な搬送手段を用意する工程と、前記作業機械から前記放射線検出アタッチメントを取り外し、該搬送手段上で移動する該複数の検出対象物の放射線を順次検出できるように該放射線検出アタッチメントを該搬送手段近傍に配置する工程と、該搬送手段上で移動する前記複数の検出対象物毎に放射線の線量を求める工程と、を含むことを特徴とする選別方法と捉えることも可能である。
【0022】
なお、前記選別方法において、前記検出対象物毎に放射線の線量を求める際に、前記放射線検出器と該検出対象物との間に存在する置換前空気を、該置換前空気に含まれる放射性物質を低減した置換後空気で置換する工程を含むことができる。
【0023】
なお、前記選別方法において、前記作業機械から前記放射線検出アタッチメントを取り外し、前記検出対象物を支持可能とする作業アタッチメントを前記作業機械に取付ける工程と、前記放射線を検出するために、該作業アタッチメントで前記複数の検出対象物を前記搬送手段上に配置する工程と、を含む場合には、作業機械の車体自体は兼用となるので、狭い現場であっても検出対象物を容易に搬送手段上に配置することが可能となる。
【0024】
なお、前記選別方法において、前記作業機械が前記放射線検出アタッチメントと、前記検出対象物を支持可能とする作業アタッチメントとを同時に備える際に、前記放射線を検出するために、備えられた該作業アタッチメントで前記複数の検出対象物を前記搬送手段上に配置する工程を含む場合には、別の作業機械を必要とせず、且つ放射線検出アタッチメントと作業アタッチメントの交換作業が不要であり、狭い現場であっても検出対象物を容易に搬送手段上から移動させ選別することが可能である。
【0025】
なお、前記選別方法において、求めた前記放射線の線量を、前記検出対象物毎に表示する工程を含む場合には、検出対象物を線量に従って容易に選別することが可能となる。
【0026】
なお、前記選別方法において、求めた前記放射線の線量に応じて、前記作業アタッチメントで前記検出対象物を選別する工程を含む場合には、作業機械の車体自体は兼用となるので、狭い現場であっても検出対象物を容易に搬送手段上から移動させ選別することが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、放射線検出器を効率的かつ汎用的に使用することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態の一例を詳細に説明する。
【0030】
最初に、本実施形態に係る作業機械100の構成について、
図1を用いて説明する。なお、作業機械100は、原子力発電所等から漏れた放射性物質等による放射線の存在するおそれのある環境における建物解体業や林業やスクラップ業や廃棄物処理業や除染作業などに用いることができる。
【0031】
作業機械100は、
図1に示す如く、車体120とアーム体127と放射線検出アタッチメント140とを備える。車体120は、クローラ式の走行体122と旋回機構124と旋回体126とを備える。旋回体126は、旋回機構124により走行体122に対して回転可能とされている。旋回体126には運転席126Aが設けられている。運転席126Aは、密閉可能な構成であり、雨風を遮断しながら放射線を相応に遮蔽でき且つエアコンにより温度調節が可能とされている。即ち、作業機械100の操作者は、作業環境にそれほど影響を受けることなく、作業機械100を安定して操作することができる。なお、運転席126Aには、放射線検出器162、164からの出力を処理する処理装置170と、処理装置170で処理された結果を表示する表示装置180と、がある(つまり、運転席126Aに、放射線検出器162、164の出力に基づく放射線の線量を表示可能な表示装置180が備えられている)。処理装置170と表示装置180については、後述する。なお、作業機械100は、無線で車外から遠隔操作され、その車外で操作者が放射線検出器の出力を確認する構成であってもよい(あるいは、プログラムミングやAIなどによって無人化されていてもよい)。旋回体126には、上下揺動自在のアーム体127が取付けられている。また、旋回体126には、図示せぬエアコンプレッサが搭載されている。エアコンプレッサの空気取り口には、エアフィルターが設けられており、空気中に漂う放射性物質をろ過することが可能とされている。エアコンプレッサから供給される圧縮空気は、アーム体127を経由して、アーム体127で支持される放射線検出アタッチメント140に供給される。なお、圧縮空気の供給タイミングは、操作者により決定されるが、放射線検出器162、164の検出開始に自動的に連動してもよい。
【0032】
アーム体127は、
図1に示す如く、旋回体126に取付けられるブーム128とブーム128の先端に取付けられるアーム132とを備える。アーム132は、シリンダ機構130により揺動可能とされている。アーム132の先端には放射線検出アタッチメント140が脱着可能に取付けられている(つまり、放射線検出アタッチメント140は、作業機械100に脱着可能に取付けられ、作業機械100に取付けられた際には移動可能に支持されている)。放射線検出アタッチメント140は、リンク機構136を介してシリンダ機構134により揺動可能とされている(つまり、放射線検出アタッチメント140は、作業機械100のアーム体127に揺動可能に支持されている)。なお、シリンダ機構130、134は、車体120から供給される油圧により駆動される(後述するシリンダ機構160も同様)。
【0033】
次に、放射線検出アタッチメント140について、主に
図2(A)、(B)を用いて説明する。
【0034】
放射線検出アタッチメント140は、ブラケット146と、ブラケット146に複数のコイルばね(弾性部材)148を介して支持されるフレーム体154と、フレーム体154に支持される検出対象物Wからの放射線を検出する4つの放射線検出器162、164と、を備える。つまり、放射線検出アタッチメント140は、4つの放射線検出器162、164を、コイルばね148を介して支持している。なお、4つの放射線検出器162、164には外部からのノイズを遮断するためのコリメータ(図示略)が設けられていてもよい。
【0035】
ブラケット146には揺動軸142とリンク軸144とが設けられている。揺動軸142が上述したアーム132に係合し、リンク軸144が上述したリンク機構136に係合する。このため、ブラケット146は、揺動軸142を中心として揺動駆動される。ブラケット146の先端にはコイルばね148が設けられており、コイルばね148を介してフレーム体154はブラケット146に取付けられている。
【0036】
フレーム体154は、コイルばね148に固定支持されるケーシング156と、ケーシング156に移動可能に支持される可動部158と、を備える。ケーシング156には、シリンダ機構160が配置されている。シリンダ機構160のシリンダ部160Aがケーシング156に固定され、シリンダ機構160のピストン部160Bが可動部158を支持している。このため、可動部158は、
図2(A)、(B)のx方向に移動可能とされている。なお、ケーシング156にはエア配管150と連通する流路156Bが設けられており、流路156Bは4つの吐出ノズル166に連通している。また、シリンダ機構160には、油圧配管152が連通している。
【0037】
放射線検出器162、164は、例えば、NaIなどの蛍光作用を利用したシンチレーション検出器であり、検出した放射線の線量を出力できる。放射線検出器162、164の検出面162A、164Aは、z方向のマイナス側に向けられている。放射線検出器162はケーシング156の2つの隅に配置され、放射線検出器164は可動部158の両端に配置されている。このため、放射線検出器162と放射線検出器164との距離は、シリンダ機構160により、変更可能となっている。ケーシング下面156Aは検出面162A、164Aよりも距離Hだけ突出することで、ケーシング下面156Aと検出面162A、164Aとの間に段差を設けている。これにより、検出対象物Wが平面形状だった場合に、ケーシング下面156Aと検出対象物Wとを当接させても、距離Hだけ放射線検出器162、164の検出面162A、164Aと検出対象物Wとの間に隙間を設けることができる。つまり、この段差を設けることで、検出対象物Wとの直接的な追突のおそれを低減でき、放射線検出器162、164の外力による故障や破損を防止できる(これに限定されず、このような段差はなくてもよい)。この段差の部分には、検出面162A、164Aに車体120から供給される圧縮空気を吐出させる吐出ノズル166を設けている。即ち、放射線検出アタッチメント140は、放射線検出器162、164と検出対象物Wの検出領域MAとの間に存在する置換前空気Abを置換できるように配置された4つの吐出ノズル166を備えている構成である。そして、4つの吐出ノズル166からは、置換前空気Abに含まれる放射性物質を低減した置換後空気Afが吐出される構成となっている。本実施形態では、放射線検出器162、164は、図示せぬ無線通信ユニットを介して、処理装置170及び表示装置180に接続されている(有線通信で実現してもよい)。無線通信ユニットにより、操作者は放射線検出器162、164の検出開始と検出終了とを行うことが可能となっている。そして、操作者は、放射線検出器162、164の出力を運転席126Aで確認することが可能となっている。本実施形態では、無線通信で出力されるので、放射線検出器162、164は配線の引き回しに制限されずに検出に適切な位置に配置することが可能となっている。なお、放射線検出器162、164及び無線通信ユニットの動力源としては、車体120から供給される電力を用いてもよいし、専用の充電池を用いてもよい。また、本実施形態では、放射線検出器162、164は、検出面162A、164Aが露出状態であるが、これに限らず、検出面を保護するような緩衝部材がその検出面に設けられていてもよいし、検出開始の際だけ検出面が露出するような構成を備えてもよい。
【0038】
次に、放射線検出器162、164と処理装置170と表示装置180とについて、主に
図3を用いて説明する。なお、処理装置170には図示せぬ入力手段が設けられ、操作者は、放射線検出器162、164に対して、検出開始と検出終了とを指令することができる。
【0039】
処理装置170は、放射線検出器162、164で検出した放射線の線量のデータを、図示せぬ無線通信ユニットを介して受け取り、各種の演算処理を行う。具体的に、処理装置170は、線量演算部172と、マッピング処理部174と、選別判定部176と、を備える。
【0040】
線量演算部172は、放射線検出器162、164の位置関係から、放射線検出アタッチメント140全体で検出可能な総線量Ctを求める。例えば、放射線検出器162、164の検出面162A、164Aの面積をそれぞれS0、放射線検出器162、164で囲まれる面積(総検出面積という)をS1とし、放射線検出器162、164で検出される線量をC1、C2、C3、C4とする。このとき、線量演算部172は、式(1)により、総検出面積S1で検出可能な総線量Ctを求めることができる。
【0041】
Ct=(C1+C2+C3+C4)/4/S0*S1 (1)
【0042】
即ち、放射線検出アタッチメント140においては、可動部158を移動させることで、総検出面積S1を変化させ、検出対象物Wに適した検出面の大きさに変更することができる。なお、可動部158の位置は、シリンダ機構160を駆動させる供給油量(あるいはエンコーダなど)をモニターすることで求めることができる。
【0043】
また、線量演算部172は、検出対象物Wが個々に分離された形態(後述するフレコンパックFPなど)であれば、総検出面積S1の検出対象物W全体を覆う割合(立体角など)を入力することで、その検出対象物Wの固有線量Ciを求めることができる。
【0044】
マッピング処理部174は、総線量Ctを、検出対象物Wの検出領域MAに対応して紐付けする。例えば、作業機械100には、地図上で現在位置をGPS信号に基づき特定する位置特定装置(ナビゲーションシステム)が組み込まれている。そして、その地図のデータを、マッピング処理部174は展開可能としている。マッピング処理部174は、その地図に更に、レーザースキャナやカメラ(2D、あるいは3D)や設計データから得られる個々の構造物(個人住宅、集合住宅、公共施設・設備、インフラ施設・設備など)の形状データを紐付けする(個々の構造物の形状データは、電子データの形で処理装置170に設けられた外部インターフェースから入力されてもよい)。マッピング処理部174は、それら個々の構造物の形状データ上で、放射線検出アタッチメント140の総検出面積S1に相当する大きさの検出領域MAでメッシュ処理を行う。そして、マッピング処理部174は、放射線検出アタッチメント140の検出位置に対応する検出領域MAに、総線量Ctを割りつける。このときの放射線検出アタッチメント140の検出位置は、各シリンダ機構を駆動させる供給油量(あるいはエンコーダなど)をモニターすることで求めることができる。勿論、操作者自身が、放射線検出アタッチメント140の検出位置に対応する検出領域MAを、手動で決定するようにしてもよい。このため、マッピング処理部174では、具体的な個々の構造物における線量分布から地区・地域といった広い範囲における線量分布までを求めることが可能となっている。
【0045】
選別判定部176は、総線量Ct、固有線量Ciが基準となる線量Cbを超えているか否かを判定し、判定結果に基づく表示変更、後処理の案内を行う。例えば、固有線量Ciが、単位質量換算で基準線量(例えば、1kg当たり8000ベクレル)を超えている場合には、放射性廃棄物と判定する。質量のデータは検出対象物Wの分離可能な重量を想定し求めてもよいし、ロードセルなどの重量センサの出力を使用してもよい(重量センサは後述するグラップルGPあるいはベルトコンベアBCの一部に組み込まれていてもよい)。なお、総線量Ctについては単位面積換算で選別判定を行ってもよい。
【0046】
表示装置180は、処理装置170に接続されており、その表示部182に、個々の放射線検出器162、164が検出した放射線の線量をそのまま表示することができる。また、表示部182には、同時に、線量演算部172やマッピング処理部174や選別判定部176で求められた結果も表示することができる(つまり、表示装置180で、放射線の線量を検出対象物Wの検出領域MAに対応してマッピング表示可能とされている)。これらの結果は、数値だけでなく色分けして表示してもよい。なお、表示装置180は位置特定装置の表示装置と兼用であってもよい。
【0047】
次に、放射線検出アタッチメント140を用いて、放射線の線量に基づいて検出対象物Wを選別する選別手順を
図4、
図5を用いて説明する。なお、ここでは、検出対象物Wは、
図4に示す解体構造物BBとされている。
【0048】
まず、放射線検出アタッチメント140を作業機械100に取付ける(
図5ステップS2)。そして、放射線検出アタッチメント140を検出領域MAへ接近させる(
図5ステップS4)。つまり、放射線検出アタッチメント140を作業機械100で支持し、解体構造物BBの検出領域MAに放射線検出アタッチメント140を接近させる。このときには、放射線検出アタッチメント140のフレーム体154の下面(ケーシング下面156A)を検出領域MAに当接させる。
【0049】
次に、圧縮空気を吐出ノズル166から吐出させ、置換前空気Abの置換を行う(
図5ステップS6)。つまり、検出領域MAの放射線の線量を求める前に、放射線検出器162、164と検出領域MAとの間に存在する置換前空気Abを、置換前空気Abに含まれる放射性物質を低減した置換後空気Afで置換する。
【0050】
次に、検出領域MAの総線量(線量)Ctを求める(
図4(A)、
図5ステップS8)。つまり、線量演算部172で、放射線検出器162、164の出力に基づいて総検出面積S1に対応する検出領域MAの放射線の総線量Ctを求める。そして、マッピング処理部174にて、総線量Ctを検出領域MAと紐付けする。
【0051】
次に、表示装置180に、求めた放射線の総線量Ctを、検出領域MAに対応してマッピング表示する(
図5ステップS10)。
【0052】
次に、すべての検出領域MAについて、検出したか否かを判断する。すべての検出領域MAについて検出がなされていなければ(
図5ステップS12でNo)、別の検出領域MAの検出が開始される(
図5ステップS4からS10)。
【0053】
すべての検出領域MAについて検出がなされれば(
図5ステップS12でYes)、放射線検出アタッチメント140の大割圧砕具(作業アタッチメント)CTへの交換が行われる(
図5ステップS14)。つまり、作業機械100から放射線検出アタッチメント140を取り外し、解体構造物BBを検出領域MA毎に分離可能とする大割圧砕具CTを作業機械100に取付ける(これにより、作業機械100は作業機械101となる)。
【0054】
次に、大割圧砕具CTによる解体構造物BBの分離を行う(
図4(B)、
図5ステップS16)。つまり、大割圧砕具CTで、求めた放射線の総線量Ctに応じて、解体構造物BBを分離する。分離した際には、総線量Ctに応じて分離した解体構造物BBの部分を、互いに混じらないように異なる場所に載置する。また、分離手順も総線量Ctに応じて、できるだけ同等の総線量Ctの解体構造物BBの部分を一緒に分離する。なお、大割圧砕具CTではなく、解体構造物BBを検出領域MA毎に分離可能とするウォータージェットを放出する機構を作業機械に取付けて用いてもよい。
【0055】
このように、解体構造物BBの解体においては、放射線検出アタッチメント140を用いることで、解体の前に解体構造物BB全体に対しての放射線の線量の分布を調べることができ、効率的な解体と迅速な選別を行うことができる。
【0056】
また、作業機械100から放射線検出アタッチメント140を取り外し、大割圧砕具CTを作業機械100に取付け、大割圧砕具CTで、求めた放射線の総線量Ctに応じて、解体構造物BBを分離する。このため、作業機械100の車体120自体は、作業機械101と兼用となるので、狭い現場であっても解体構造物BBを容易に選別することが可能である。
【0057】
次に、放射線検出アタッチメント140を用いて、放射線の線量に基づいて別の検出対象物Wを選別する選別手順を
図6、
図7を用いて説明する。なお、ここでは、検出対象物Wが、
図6(C)に示すフレコンパックFPとされている。フレコンパックFPには、除染で生じた汚染土や汚染草木などや、解体などで生じた汚染廃棄物などが収納されている。
【0058】
まず、フレコンパックFPを複数搬送可能なベルトコンベア(搬送手段)BCを用意する(
図6(A)、
図7ステップS20)。このとき、例えば処理装置170にフレコンパックFPを覆う放射線検出アタッチメント140の割合を入力する。本実施形態では、ベルトコンベアBCはフレコンパックFPを単に一方向へそのままの姿勢で移動させるが、これに限らず、ベルトコンベアBCは、フレコンパックFPを回転させながら一方向に移動させ、絶えずベルトコンベアBCの一端側(放射線検出アタッチメント140が配置される側)にフレコンパックFPが接触するような構成となっていてもよい。
【0059】
次に、作業機械100から放射線検出アタッチメント140を取り外す(
図7ステップS22)。そして、フレコンパックFPを支持可能とするグラップルGPを作業機械100に取付ける(
図7ステップS24)。これにより、作業機械100は作業機械102となる。なお、グラップルGPには、重量センサが設けられており、支持したフレコンパックFPの重量を計測し、処理装置170に送る構成を備えている(作業アタッチメントは、グラップルGPではなく、フレコンパックFPを吊り下げ可能なフックなどでもよい)。
【0060】
同時に、ベルトコンベアBCで移動する複数のフレコンパックFPの放射線を順次検出できるように、放射線検出アタッチメント140をベルトコンベアBC近傍に配置する(
図6(B)、
図7ステップS26)。そして、放射線検出アタッチメント140の配置された場所を箱形カバーCVで覆う(箱形カバーCVには、例えばフレコンパックFPが通過可能な開閉ドアが設けられている。つまり、開閉ドアは1つのフレコンパックFPが移動して箱形カバーCVの内部に入ると閉じられる。そして、放射線の線量を検出後に、開閉ドアは開かれ、フレコンパックFPが移動して、箱形カバーCVから出ていく構成となっている。勿論、箱形カバーCVがなくてもよい)。なお、放射線検出アタッチメント140の制御は、作業機械102から行う。本実施形態では、作業機械100で放射線検出アタッチメント140をベルトコンベアBC近傍に配置した際に、その位置で放射線検出アタッチメント140を取り外し据え付けている。しかし、これに限らず、別の場所で取り外した放射線検出アタッチメント140を作業機械102のグラップルGPあるいは手作業で、ベルトコンベアBC近傍に配置して据え付けてもよい。また、本実施形態では、放射線検出アタッチメント140が1つだけベルトコンベアBCの片側に配置されている。しかし、これに限らず、複数の放射線検出アタッチメントを用いることで、放射線検出アタッチメントがベルトコンベアBCの両側や上側に配置されてもよい。
【0061】
次に、ベルトコンベアBCを駆動させ、放射線を検出するために、グラップルGPで複数のフレコンパックFPをベルトコンベアBC上に配置する(
図7ステップS28)。なお、ベルトコンベアBCの駆動は、開始、終了、搬送速度を適宜に遠隔操作などで行うことができる。
【0062】
次に、フレコンパックFP毎に放射線の線量を検出するために、フレコンパックFPが箱形カバーCVに入ってきた際に、開閉ドアが閉じられ、少なくとも放射線検出器162、164とフレコンパックFPとの間に存在する置換前空気Abを、置換前空気Abに含まれる放射性物質を低減した置換後空気Afで置換する(
図7ステップS30)。なお、箱形カバーCV全体に対して置換前空気Abを置換することがより好ましい。
【0063】
次に、放射線検出アタッチメント140により、複数のフレコンパックFP毎に放射線を検出する。そして、放射線検出アタッチメント140からはその放射線の線量データを処理装置170に伝送する。伝送された線量データは、処理装置170の線量演算部172で処理をして、フレコンパックFP毎に放射線の固有線量(線量)Ciを求める(
図7ステップS32)。そして、表示装置180は、選別判定部176の出力に基づいて、求めた放射線の固有線量Ciとその処理方法などを、フレコンパックFP毎に表示する(
図7ステップS34)。
【0064】
次に、求めた放射線の固有線量Ciに応じて、グラップルGPで箱形カバーCVから出てきたフレコンパックFPを選別する(
図6(C)、
図7ステップS36)。例えば、
図6(C)に示す如く、作業機械102は、固有線量Ciの多少に基づき載置場所PL1、PL2を異ならせてフレコンパックFPそれぞれを配置することができる。
【0065】
このように、フレコンパックFPの線量判定においては、ベルトコンベアBCと取り外された放射線検出アタッチメント140とを用いることで、作業機械でフレコンパックFPを1個1個、個別に処理することなく、流れ作業で処理することが可能である。つまり、大量のフレコンパックFPについて処理するのに、効率的に検出して選別することが可能である。
【0066】
そして、作業機械100から放射線検出アタッチメント140を取り外し、フレコンパックFPを支持可能とするグラップルGPを作業機械100(これで、作業機械100は、作業機械102となる)に取付け、放射線を検出するために、グラップルGPで複数のフレコンパックFPをベルトコンベアBC上に配置している。このため、フレコンパックFPをベルトコンベアBC上に配置する作業機械102の車体120自体は、放射線の線量を検出して処理する作業機械100と兼用となるので、狭い現場であってもフレコンパックFPを容易にベルトコンベアBC上に配置することが可能である。なお、これに限らず、フレコンパックFPの数が多く、迅速な選別を行うには、別の作業機械で複数のフレコンパックFPをベルトコンベアBC上に配置してもよい。
【0067】
更に、求めた放射線の固有線量Ciを、フレコンパックFP毎に表示している。このため、フレコンパックFPを固有線量Ciに従って容易に選別することが可能である。
【0068】
また、求めた放射線の固有線量Ciに応じて、グラップルGPで検出対象物Wを選別する。このため、フレコンパックFPをベルトコンベアBC上に配置し、且つベルトコンベアBC上のフレコンパックFPを選別する作業機械102の車体120自体は、放射線の線量を検出して処理する作業機械102と兼用となるので、狭い現場であってもフレコンパックFPを容易にベルトコンベアBC上から移動させ選別することが可能となる。なお、これに限らず、フレコンパックFPの数が多く、迅速な選別を行うには、別の作業機械でベルトコンベアBC上の複数のフレコンパックFPを選別してもよい。
【0069】
本実施形態では、4つの放射線検出器162、164を備える放射線検出アタッチメント140が作業機械100に脱着可能に取付けられる。しかも、放射線検出アタッチメント140は、作業機械100に移動可能に支持されている。このため、検出対象物Wの大きさの制限が少なく、且つ検出対象物Wとの距離と位置関係の調整を相応に行うことが可能である。また、放射線の検出要員を不要にできるので、原子力発電所等から漏れた放射性物質等による放射線の存在するおそれのある環境における作業の低コスト化を促進することが可能である。
【0070】
また、本実施形態では、放射線検出アタッチメント140が作業機械100のアーム体127に揺動可能に支持されている。このため、より放射線検出アタッチメント140の位置自由度を広げることが可能である。
【0071】
また、本実施形態では、2つの放射線検出器164と他の2つ放射線検出器162との距離が変更可能とされている。このため、検出対象物Wの大きさにより放射線検出器162、164の間隔を変更することで、効率的な放射線の検出を実現することが可能である。なお、これに限らず、放射線検出アタッチメントが複数の放射線検出器を備えても、いずれの放射線検出器も位置が固定されていてもよいし、3つ以上の放射線検出器を備えるときには、1軸方向だけでなく、多軸方向に移動可能となっていてもよい。
【0072】
また、本実施形態では、4つの放射線検出器162、164を、コイルばね148を介して支持している。このため、仮に放射線検出器162、164に大きな外力が加わっても、放射線検出器162、164の故障や破損などが生じる可能性を低減することが可能となる。なお、コイルばねはなくてもよい。あるいは、フレーム体に放射線検出器に対応してコイルばねが設けられ、そのコイルばねが放射線検出器それぞれを個別に支持する構成であってもよい。その際には、コイルばねの剛性を低くできるので、より衝突などによる放射線検出器の破損や故障を防止することができる。勿論、コイルばねの代わりに、板ばねやゴム剤、各手段ダンパーなどを用いてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、放射線検出器162、164と検出対象物Wの検出領域MAとの間に存在する置換前空気Abを置換できるように配置された4つの吐出ノズル166を備え、4つの吐出ノズル166からは、置換前空気Abに含まれる放射性物質を低減した置換後空気Afが吐出される。このため、例えば空間線量が高い環境であっても、線量の低い検出対象物Wの線量を検出することができる。即ち、空間線量の影響を低減して、検出対象物W自体の線量を正確に検出することが可能である。なお、これに限らず、このような吐出ノズルはなくてもよい。あるいは、吐出ノズルは、放射線検出器それぞれに対応して1つずつ設けるのではなく、2つずつでもよい。あるいは、1つの吐出ノズルがすべての放射線検出器を対象とするように配置させてもよい。あるいは、吐出ノズルは、フレーム体と一体とされずに、放射線検出器と一体とされた構成であってもよい。
【0074】
また、本実施形態では、運転席126Aに、放射線検出器162、164の出力に基づく放射線の線量を表示可能な表示装置180が備えられている。このため、運転席126Aにいる操作者は、放射線検出器162、164の出力を確認するために逐次放射線検出アタッチメント140の位置に移動することなく、放射線の線量を直接的に確認することが可能となる。なお、これに限らず、表示装置が運転席ではなく、作業機械に指令を与える外部に設けられていてもよいし、表示という形態でなく、音声などの形態であってもよい。また、表示装置における放射線の表示は、直接的な数値でもよいが色だけであってもよい。
【0075】
また、本実施形態では、表示装置180で、放射線の総線量Ctを解体構造物BBなど検出対象物Wの検出領域MAに対応してマッピング表示可能とされている。このため、線量の多少を検出領域MA毎に判断できるので、検出対象物Wの解体を行う際には、解体で生じる廃棄物の配置場所の確保や解体手順などを、解体開始前に想定することが可能となる。つまり、解体手順や線量の確認を解体後にいちいち行わずにすませることができるので、作業効率を向上させることも可能となる。なお、これに限らず、放射線の総線量Ctは、表示装置でマッピング表示されなくてもよい。
【0076】
即ち、本実施形態においては、放射線検出アタッチメント140を用いることで、放射線検出器162、164を効率的かつ汎用的に使用することが可能である。
【0077】
本発明について第1実施形態を挙げて説明したが、本発明は第1実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでもない。
【0078】
例えば、上記実施形態では、放射線検出アタッチメント140が4つの放射線検出器162、164を備え、放射線検出器162と放射線検出器164とがxy平面上のx方向で間隔の変更が可能とされていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図8(A)、(B)に示す第2、第3実施形態の如くでもよい。第2、第3実施形態では、放射線検出アタッチメントが互いに接近離間可能な複数の爪部材を備えている。具体的に、
図8(A)に示す第2実施形態では、回転機構248に設けられた爪部材256、258が特定の対象物を把持する把持部材であり、放射線検出アタッチメント240がグラップルGPを構成している。また、
図8(B)に示す第3実施形態では、爪部材356、358が特定の対象物を切断可能な刃部材であり、放射線検出アタッチメント340がカッターを構成している(大割圧砕具CTや小割圧砕具やクラッシャーなどでもよい)。このような場合においては、破線で示す複数の位置262A、262B、262C、263、264A、264B、264C(362、363、364)のうちのいずれか一か所だけに放射線検出器が1つ配置されていてもよいし、すべてに放射線検出器が配置されていてもよい。なお、放射線検出器が異なる爪部材256、258(356、358)に複数配置されている場合には、爪部材256、258(356、358)の開閉を行うことで互いの放射線検出器の間隔を変更するようにしてもよい。
図8(A)、(B)に示す爪部材256、258(356、358)を用いることで、放射線検出アタッチメント240(340)でありながら、同時にカッターやグラップルGPといった従来の作業アタッチメントとして機能させることができる。また、例えば爪部材256、258(356、358)で検出対象物Wを把持することで検出対象物Wとの距離を安定させ且つ検出した放射線の線量に対して検出対象物Wを正確に特定することが可能となる。なお、これに限らず、爪部材の開閉形態がいわゆるチューリップ型のように、爪部材が複数の軸方向から互いに接近する構成であってもよい。あるいは、放射線検出アタッチメントが特定の対象物を切断可能なウォータージェットを放出する機構を備えてもよい。
【0079】
また、上記実施形態では、放射線検出アタッチメント140が作業機械100のアーム体127に揺動可能に支持されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図9に示す第4実施形態の如くであってもよい。第4実施形態では、放射線検出アタッチメント440が直動機構425によって旋回体426に対して並進移動可能に支持され、アーム体427に揺動可能に支持されていない構成である。
【0080】
同時に、第4実施形態では、作業機械400が放射線検出アタッチメント440と、検出対象物W及び放射線検出アタッチメント440を支持可能とするグラップルGPとを同時に備える構成となる。このため、放射線を検出するために、備えられたグラップルGPで複数の検出対象物WをベルトコンベアBC上に配置することができる。即ち、別の作業機械を必要とせず、且つ放射線検出アタッチメント440とグラップルGPの交換作業が不要であり、狭い現場であっても検出対象物Wを容易にベルトコンベアBC上から移動させ選別することが可能である。
【0081】
なお、
図9において、グラップルGPの代わりに大割圧砕具CT(カッターでもよい)が作業機械400に備えられているとする。その場合には、大割圧砕具CTで、求めた放射線の線量に応じて、検出対象物Wを分離することができる。即ち、別の作業機械を必要とせず、且つ放射線検出アタッチメント440と大割圧砕具CTの交換作業が不要であり、狭い現場であっても検出対象物Wの選別を迅速に行うことが可能である。
【0082】
なお、作業機械は、複数のアーム体を備えて、グラップルGP(あるいは大割圧砕具CTやカッター)と放射線検出アタッチメントとを別のアーム体でそれぞれ支持してもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、放射線検出器がシンチレーション検出器であったが、本発明はこれに限定されない。例えば放射線検出器としては、蛍光作用を利用した蛍光ガラス線量計や熱ルミネッセンス線量計でもよいし、写真フィルム、半導体式線量計、化学線量計、放電式電離箱形式の線量計、GM計数管などを用いてもよい。