特許第6881763号(P6881763)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6881763
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】ゲーム装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/44 20140101AFI20210524BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20210524BHJP
   A63F 13/46 20140101ALI20210524BHJP
   A63F 13/814 20140101ALI20210524BHJP
【FI】
   A63F13/44
   A63F13/58
   A63F13/46
   A63F13/814
【請求項の数】10
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2018-20725(P2018-20725)
(22)【出願日】2018年2月8日
(62)【分割の表示】特願2017-57465(P2017-57465)の分割
【原出願日】2017年3月23日
(65)【公開番号】特開2018-158094(P2018-158094A)
(43)【公開日】2018年10月11日
【審査請求日】2020年3月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(72)【発明者】
【氏名】水野 勇太
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英之
(72)【発明者】
【氏名】成田 順彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐介
【審査官】 比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−195620(JP,A)
【文献】 特開2010−88688(JP,A)
【文献】 【デレステ】第2回LIVE PARTY!!開催!効率の良い攻略方法,はぴすぷ,2016年10月19日,平成29年9月14日検索,URL,http://hapisupu.com/2016/08/deresute-31st-event-live-party/
【文献】 LIVE攻略情報−アイマス デレステ攻略まとめwiki【アイドルマスター シンデレラガールズ スター,Gamerch,2016年11月30日,平成29年9月14日検索,URL,https://imascg-slstage-wiki.gamerch.com/LIVE%E6%94%BB%E7%95%A5%E6%83%85%E5%A0%B1
【文献】 シアトリズム ドラゴンクエスト THEATRHYTHM DRAGON QUEST,電撃Nintendo 第15巻 第5号,株式会社KADOKAWA,2015年 3月20日,第15巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00−13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームにおいて操作タイミングが判定される複数の判定位置ごとに個別に対応付けられ、所定の定義付けが為された定義値の初期値のそれぞれを、前記判定位置ごとに対応付けられた所定のパラメータ値に基づいて導出する定義値導出部と、
所定の評価基準タイミングと前記判定位置に対する操作タイミングとの一致度を評価する評価部と、
前記評価部によって所定の水準を満たさないとの低評価結果が得られた場合に、当該低評価結果が得られた判定位置に対応付けられた定義値を減少させる定義値制御部と
を備え
前記評価部は、対応の前記定義値が一定以下となった前記判定位置については評価対象から除外し、
前記定義値制御部は、評価対象から除外された前記判定位置について、所定条件が満たされた場合に評価対象とするゲーム装置。
【請求項2】
前記定義値導出部は、
前記定義値として、前記判定位置ごとに対応付けられたキャラクタごとの所定の属性に対応するパラメータ値に基づいて体力値の初期値を導出する
請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記定義値制御部は、
前記低評価結果が得られるごとに、当該低評価結果が得られた判定位置に対応付けられた定義値を、所定の減少量により減少させる
請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記複数の判定位置のうちの少なくとも一部に対応する減少量は、予め定められた一定値である
請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記定義値制御部は、
ゲームの開始から終了までにおいて前記判定位置にて操作タイミングの評価が行われる評価対象回数に基づいて、前記判定位置に対応する前記減少量を設定する
請求項3または4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記定義値制御部は、
前記定義値を前記評価対象回数よりも少ない数で除算して求められる値に基づいて、前記判定位置に対応する前記減少量を設定する
請求項5に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記定義値制御部は、
前記判定位置に対応付けられたキャラクタに設定された所定の属性値に基づいて前記減少量を設定する
請求項3から6のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記定義値制御部は、
前記評価部による評価が行われるゲームの難易度に基づいて、前記減少量を設定する
請求項3から7のいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項9】
前記定義値制御部は、
所定の判定位置に対応する前記定義値の増加の機能が対応付けられた評価基準タイミングに対する操作タイミングについて一定の水準以上との評価結果が得られた場合に、前記所定の判定位置に対応する定義値を増加させる
請求項1からのいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1からのいずれか一項に記載のゲーム装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
評価基準タイミングに合わせるようにユーザがタイミング操作を行い、タイミング操作が行われたタイミングと評価基準タイミングとの一致度を評価するタイミングゲームが知られている。このようなタイミングゲームとして、体力メータ(ゲージ)を表示し、ユーザが操作に失敗すると体力メータが減り、体力メータがゼロになるとゲームオーバーとなるようにされたゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3147888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のようなゲームでは、ユーザの演奏についてのタイミング評価を行っているため、例えばタイミング操作の行われる位置が1つであるか複数であるかにかかわらず、タイミング操作の失敗によりユーザに応じた1つのゲージが減少する。このため、例えばユーザによってはプレイに対する緊張感が薄れやすくなる可能性がある。
【0005】
本発明のいくつかの態様は、ユーザが評価基準タイミングに合わせるように操作を行うゲームについて、ユーザがプレイに対する緊張感を持続しやすいゲーム装置及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
【0006】
また、本発明の他の態様は、後述する実施形態に記載した作用効果を奏することを可能にするゲーム装置及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、ゲームにおいて操作タイミングが判定される複数の判定位置ごとに個別に対応付けられ、所定の定義付けが為された定義値の初期値のそれぞれを、前記判定位置ごとに対応付けられた所定のパラメータ値に基づいて導出する定義値導出部と、所定の評価基準タイミングと前記判定位置に対する操作タイミングとの一致度を評価する評価部と、前記評価部によって所定の水準を満たさないとの低評価結果が得られた場合に、当該低評価結果が得られた判定位置に対応付けられた定義値を減少させる定義値制御部とを備えるゲーム装置である。
【0008】
また、本発明の一態様は、コンピュータを、上記のゲーム装置の各部として機能させるためのプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の音楽ゲームにおけるプレイ開始前のゲーム画面の一例を示す図である。
図2】第1実施形態の音楽ゲームにおけるプレイ開始後のゲーム画面の一例を示す図である。
図3】第1実施形態の音楽ゲームにおけるプレイ開始後のゲーム画面の一例を示す図である。
図4】第1実施形態におけるゲーム装置の構成例を示す図である。
図5】第1実施形態におけるシーケンスデータの内容例を示す図である。
図6】第1実施形態におけるゲーム装置が、キャラクタごとの体力値の設定に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図7】第1実施形態におけるゲーム装置が、タイミング操作に応じた体力値の制御に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図8】第1実施形態におけるゲーム装置が、キャラクタごとに応じたタイミング操作受け付けの可否設定に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図9】第2実施形態におけるゲーム装置の構成例を示す図である。
図10】第2実施形態におけるゲーム装置が、キャラクタごとの体力値と減少値の設定に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図11】第3実施形態におけるゲーム装置の構成例を示す図である。
図12】第3実施形態におけるゲーム装置がキャラクタごとの減少量の設定に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図13】第4実施形態におけるゲーム装置の構成例を示す図である。
図14】第4実施形態におけるゲーム装置がキャラクタごとの減少量の設定に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1実施形態]
〔ゲーム概要〕
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
以下の説明にあたり、本実施形態のゲーム装置によりプレイされるゲームは、音楽ゲームである場合を例に挙げる。音楽ゲームは、ゲーム画面において表示されるオブジェクトを、オブジェクトに設定される基準の操作タイミング(評価基準タイミング)に合わせて操作を行うタイミングゲームの一種であって、評価基準タイミングのガイドとして楽曲が用いられるゲームである。
【0011】
また、本実施形態のゲーム装置は、例えばスマートフォンやタブレット端末などの携帯端末装置であってもよいし、家庭などで使用される据え置き型であってもよいし、店舗などに設置されるアーケードゲームに対応するゲーム装置であってもよい。以降の説明において、本実施形態のゲーム装置は、携帯端末装置である場合を例に挙げる。
また、本実施形態の携帯端末装置が備える表示部はタッチパネルとして構成されており、本実施形態の音楽ゲームに対する操作は、ゲーム画面が表示されるタッチパネルに対して行われる場合を例に挙げる。
また、操作にあたってタッチパネルに触れる操作体は、指のほか、例えばスタイラスペンなどであってもよいが、以降の説明では、指を操作体としてタッチパネルが操作される場合を例に挙げる。
【0012】
本実施形態の音楽ゲームをプレイしようとするユーザは、音楽ゲームに対応して用意された複数のキャラクタのうちから、自分がプレイに使用できるキャラクタに応じたカード(キャラクタカード)を入手しておくようにする。
本実施形態において、キャラクタに応じたカード(キャラクタカード)は、キャラクタに関するデータを含む電子的媒体である。
なお、キャラクタカードは、例えばICチップを備えるカード、磁気によりデータが記録された磁気カード、あるいは二次元バーコードなどによりデータが記録された物理的媒体であってもよい。また、キャラクタカードと同等の機能を有する物理的媒体としては、例えばICチップを備える各種玩具のようなものであってもよい。
【0013】
ユーザは、音楽ゲームをプレイするにあたり、まず、音楽ゲームにて使用するキャラクタを設定する。本実施形態の音楽ゲームにて使用すべきキャラクタの数は複数であれば特に限定されないが、以降の説明では、5つである場合を例に挙げる。また、本実施形態の音楽ゲームのゲーム画面においては、音楽ゲームにて使用する5つのキャラクタごとに対応して5つのタイミング操作領域(判定位置の一例)が配置されている。
ユーザは、5つのタイミング操作領域のそれぞれに対して、自分が所有しているキャラクタカードのうちから、1つずつ異なるキャラクタカードを割り当てる操作をゲーム装置に対して行う。つまり、本実施形態の音楽ゲームのプレイの開始に先立って、事前準備として、5つのタイミング操作領域のそれぞれに対して異なるキャラクタを1つずつ割り当てることが行われる。
【0014】
なお、ユーザは、音楽ゲームをプレイするために必ずしも5つ以上のキャラクタカードを入手しておく必要はない。
例えばユーザが4つのキャラクタカードしか入手していない場合、ユーザは、4つのキャラクタカードに対応するキャラクタのそれぞれを、5つのタイミング操作領域のうちの任意の4つのタイミング操作領域に割り当てればよい。
このように、ユーザにより5つ未満の数のキャラクタのタイミング操作領域への割り当てが行われた場合、ゲーム装置は、本実施形態の音楽ゲームにて用意されているキャラクタのうちから、ユーザにより割り当てが行われなかったキャラクタを1つ選択し、選択したキャラクタを、ユーザによるキャラクタの割り当てが行われずに残っていたタイミング操作領域に割り当てるようにしてもよいし、キャラクタカードが割り当てられなかったタイミング操作領域は空欄としてもよい。
【0015】
図1は、上記のようにタイミング操作領域へのキャラクタの割り当てが行われたことに応じて表示される、音楽ゲームのプレイ開始前におけるゲーム画面の一例を示している。
【0016】
同図のゲーム画面の下側には、5つのタイミング操作領域TAR−1、TAR−2、TAR−3、TAR−4、TAR−5が横方向に並ぶようにして配置された状態で表示される。以降の説明において、タイミング操作領域TAR−1〜TAR−5について特に区別しない場合にはタイミング操作領域TARと記載する。
また、タイミング操作領域TAR−1、TAR−2、TAR−3、TAR−4、TAR−5を横方向に横切るように、判定ラインELNが配置される。判定ラインELNは、ノーツに対するタイミング操作の判定基準としてユーザへのガイドのために表示されるラインである。
【0017】
同図のタイミング操作領域TARは円形となっている。タイミング操作領域TARとしての円形の枠内には、割り当てられたキャラクタを表すアイコン画像が表示される。なお、タイミング操作領域TARの形状は、同図に示される円形に限定されるものではなく、例えば楕円形や所定の多角形などであってもよい。
また、タイミング操作領域TAR−1〜TAR−5のそれぞれの上側には、割り当てられたキャラクタの全身を表すキャラクタ画像CH−1〜CH−5が表示される。以降の説明において、キャラクタ画像CH−1〜CH−5について特に区別しない場合にはキャラクタ画像CHと記載する。
このようなタイミング操作領域TARとキャラクタ画像CHとを見ることで、ユーザは、音楽ゲームのプレイ中においても、どのタイミング操作領域TARにどのキャラクタが割り当てられているのかを確認できる。
なお、キャラクタ画像CHは、ゲーム画面において動きがあるように表示されてもよいし静止した状態で表示されてもよい。
【0018】
また、同図のゲーム画面においては、タイミング操作領域TAR−1〜TAR−5を横方向に横切るように、判定ラインELNが配置される。判定ラインELNは、ノーツに対するタイミング操作の判定基準としてユーザへのガイドのために表示されるラインである。
【0019】
さらに、タイミング操作領域TAR−1〜TAR−5のそれぞれの下側には、ゲージGAR−1〜GAR−5が配置されている。以降の説明において、ゲージGAR−1〜GAR−5について特に区別しない場合にはゲージGARと記載する。
ゲージGARは、対応のキャラクタ(対応のタイミング操作領域TARに割り当てられたキャラクタ)についての現在の体力値(定義値の一例)を横方向のバーの長さにより示す。体力値は、対応のキャラクタが有する体力の残りを表すものとして定義された数値である。
ゲージGARにより示される体力値は、音楽ゲームのプレイ中において対応のタイミング操作領域TARに対するタイミング操作の評価結果が一定水準より低い場合に所定の減少値ずつ減少していく。
同図の場合には、音楽ゲームのプレイ開始前の状態であることからゲージGAR−1〜GAR−5により示される体力値は、音楽ゲームにおいて設定される初期値を示している。つまり、同図の体力値はゲージ一杯の状態であって、未だ減少されていない状態を示している。
【0020】
そのうえで、同図に示されるゲージGAR−1〜GAR−5は、それぞれ、横方向における長さが異なっている。これは、体力値の初期値がキャラクタごとに対応して異なっていることを示す。即ち、本実施形態においては、体力値はタイミング操作領域TARごとに対応して、初期値が異なるように設定される。
なお、体力値の初期値がキャラクタごとに対応して異なるようにされたうえで、体力値の初期値に対応するゲージGAR−1〜GAR−5の長さについては、それぞれ同じとしてもよい。この場合には、例えばダメージを受けたことによる体力値の減少や、回復による体力値の増加に際し、単位当たりの増減値に対応して変化する長さがゲージGAR−1〜GAR−5ごとに異なる。
【0021】
そして、体力値の初期値は、対応のキャラクタの属性に基づいて例えば以下のように設定される。
キャラクタカードは、対応のキャラクタについての所定の属性ごとの内容を示すキャラクタデータを含む。例えば、キャラクタデータには、対応のキャラクタを一意に示すキャラクタ識別子とともに、キャラクタのタイプ(種別)、特技、経験値などに関する各種のキャラクタの属性を示す情報(属性情報)が含まれる。このような属性情報のうち、例えばキャラクタのタイプ(種別)、特技等の組み合わせは、キャラクタごとに本来的に異なる。また、経験値などのようにキャラクタの成長度合いが反映される属性情報は、ユーザによるこれまでの音楽ゲームでのキャラクタを使用してのプレイ(育成)の履歴(プレイ回数、成績等)に応じて、キャラクタごとに異なってくる。
【0022】
そこで、ゲーム装置は、1つのキャラクタに対応する体力値の初期値を設定(導出)するにあたり、対応のキャラクタのキャラクタカードにおいて示されるキャラクタデータのうちから、1以上の所定の属性情報を取得する。ゲーム装置は、例えば取得した属性情報が示す値(属性値)を利用した所定の演算によって、体力値の初期値を算出する。
あるいは、ゲーム装置は、所定の1以上の属性情報の組み合わせと体力値の初期値とを対応付けた体力値テーブルを利用して、体力値の初期値を導出するようにしてよい。つまり、ゲーム装置は、取得した属性情報が示す属性値の組み合わせに対応付けられた体力値の初期値を体力値テーブルから取得してもよい。また、体力値テーブルは、例えばゲーム装置が記憶していてもよいし、ゲーム装置とネットワーク等を経由して接続されるゲームサーバが記憶していてもよい。
あるいは、キャラクタデータにおける属性情報には、例えばデフォルトとして定められた値を有する体力値(デフォルト体力値)が含まれる。そこで、ゲーム装置は、1つのキャラクタに対応する体力値の初期値について、対応のキャラクタのデフォルト体力値とキャラクタデータにおけるデフォルト体力値以外の所定の属性情報とに基づいて求めるようにしてよい。例えば、ゲーム装置は、キャラクタのデフォルト体力値に対して、デフォルト体力値以外の所定の属性情報に基づく係数を乗算することによって、体力値の初期値を求めてよい。
あるいは、キャラクタに関しては、例えば経験値などに基づく水準を示すレベルが設定されたうえでレベルに応じて体力値も設定されるようにしてよい。このような体力値は、キャラクタがレベルアップすることに伴って増加するように変更されるが、変更の際の増加量は、キャラクタごとに異なったり、レベルアップの際に生成されるランダム値などによって異なったりする。即ち、キャラクタに設定される体力値は、キャラクタごとに異なるうえ、ユーザの間で同じキャラクタについて同じレベルが設定されたとしても、ユーザごとに異なる体力値が設定される場合がある。
そこで、ゲーム装置は、上記のようにキャラクタのレベルに応じて設定された体力値を参照し、参照した体力値を、ゲームでの体力値の初期値として設定してもよい。このようにしても、キャラクタごとに異なる体力値の初期値を設定できる。
【0023】
上記のように、ゲーム装置は、キャラクタに対応する所定の属性情報が示す属性値に基づいて、タイミング操作領域TARに設定されたキャラクタごとに異なる体力値の初期値を導出する。ゲーム装置は、導出したキャラクタごとの体力値の初期値を、同図のようにキャラクタが対応するゲージGARの表示に反映させる。つまり、ゲーム装置は、キャラクタごとの体力値の初期値に応じた横方向の長さにより、各ゲージGARを表示させる。
【0024】
本実施形態において、このように設定される体力値は、キャラクタに対応付けられたものである。そのうえで、キャラクタがタイミング操作領域TARに対応付けられていることを考慮すると、体力値はタイミング操作領域TARにも対応付けられていると捉えられる。以降においては、体力値は、キャラクタとタイミング操作領域TARとのいずれにも対応付けられているものとして説明する。
【0025】
そして、同図のようにプレイ開始前のゲーム画面が表示された状態のもと、プレイをしようとするユーザはプレイ開始を指示する操作(プレイ開始指示操作)を行う。プレイ開始指示操作に応じて、ゲーム装置は音楽ゲームの進行を開始させる。
【0026】
図2は、音楽ゲームの進行が開始されてから或る時間が経過したタイミングでのゲーム画面の一例を示している。即ち、同図のゲーム画面は、音楽ゲーム進行中の状態のもとでの一例を示す。
同図に示されるゲーム画面においては、上側には5つのノーツ出現領域AAR−1、AAR−2、AAR−3、AAR−4及びAAR−5が横方向に並ぶように配置される。同図においてノーツ出現領域AAR−1〜AAR−5を破線により示しているのは、ノーツ出現領域AAR−1〜AAR−5がゲーム画面上で明示的に表示されてないことを表す。ノーツ出現領域は、ノーツが出現する領域である。ノーツは、ゲーム画面においてタイミング操作の対象として表示されるオブジェクトである。
なお、ノーツ出現領域AAR−1〜AAR−5は、ゲーム画面上で明示的に表示されてもよい。また、以降の説明にあたり、ノーツ出現領域AAR−1〜AAR−5について特に区別しない場合には、ノーツ出現領域AARと記載する。
なお、同図の例では、ノーツ出現領域AARは5つとされて、タイミング操作領域TARと同じ数とされているが、ノーツ出現領域AARは必ずしもタイミング操作領域TARと同じ数である必要はない。ノーツ出現領域AARの数は、1以上であれば任意に設定されてよい。
【0027】
本実施形態の音楽ゲームにおいては、楽曲の進行に伴って、それぞれに定められたタイミングで、ノーツ出現領域AAR−1〜AAR−5のうちのいずれかから適宜ノーツNTが出現する。
1つのノーツ出現領域AARから出現したノーツNTは、タイミング操作領域TAR−1〜TAR−5のうちのいずれかのうち、予め指定されたタイミング操作領域TARに移動していく。ノーツNTは、当該ノーツNTに対応付けられた評価基準タイミングにてタイミング操作領域TARに到達するようにされている。
【0028】
なお、同図に示されるノーツNTに関しては、全てがシングルノーツである場合を例に挙げている。シングルノーツは、1つの評価基準タイミングが対応付けられたノーツNTである。
また、本実施形態の音楽ゲームにおいては、シングルノーツに加えてロングノーツも出現するようにされてよい。ロングノーツは、操作開始の評価基準タイミング(開始評価基準タイミング)に合わせたタッチ操作と、当該タッチ操作から指をタッチパネルに接触させた状態を維持するホールドとが指定されるノーツである。そのうえで、ロングノーツに関しては、ホールド状態を解除する終了評価基準タイミングが指定されるものと、終了評価基準タイミングについては指定されないものとがあってよい。その他、画面上で操作体である指を払うように動かすフリック操作を要求するフリックノーツや、画面上で操作体である指をスライドさせるように動かすスライド操作を要求するスライドノーツ等の種類のノーツも出現するようにされてよい。
なお、以降においては、説明を簡単にするため、ノーツNTに関する説明についてはシングルノーツを例に挙げる。
【0029】
また、ゲーム画面において表現されるゲーム空間においてノーツ出現領域AARは、上の奥側に位置し、タイミング操作領域TARは、下の手前側に位置しているものとされている。このため、遠近法に従って、ノーツ出現領域AARから出現するタイミングでは、ノーツNTは小さく表示され、タイミング操作領域TARに近づくのに応じて徐々に大きくなるように表示される。つまり、ゲーム画面におけるノーツNTは、ゲーム空間における奥から手前側のノーツ出現領域AARに移動してくる様子が表現されるように表示される。
【0030】
同図に示されるシングルノーツとしてのノーツNTには、シーケンスデータにより規定される基準のタイミング(評価基準タイミング)が1つ設定されている。ノーツNTは、評価基準タイミングに基づいて算出されたタイミング(時刻)にてノーツ出現領域AARから出現し、評価基準タイミングにてタイミング操作領域TARに到達するように移動する。ここで、評価基準タイミングにてノーツNTがタイミング操作領域TARに到達した状態は、より具体的にはノーツNTがタイミング操作領域TARとしての円形にちょうど収まった状態である。
ユーザは、ノーツ出現領域AARから出現したノーツNTが到達先のタイミング操作領域TARに到達したタイミングに合わせるようにタイミング操作領域TAR−1に対する1回のタップ操作を行う。このようにノーツNTに対するタイミング操作が行われる。
ノーツNTがタイミング操作領域TARに到達し、タイミング操作領域TARとしての円形にちょうど収まった状態では、判定ラインELNの位置が円形のノーツNTの中心と一致する。即ち、ゲーム画面に表示される判定ラインELNは、ゲーム画面においてユーザがタイミング操作を行うべきタイミングを示すガイドとなる。
【0031】
ゲーム装置は、上記のように行われたタイミング操作としてのタップ操作が行われたタイミングと、ノーツNTの評価基準タイミングとの時間差(一致度)に基づいてタイミング操作の評価を行う。
本実施形態では、時間差に応じて、最良の評価(「Perfect」)と、その次に良い評価(「Great」)と、その次に良い評価(「Good」)と、最低の評価(「Bad」)とのうちのいずれかの評価のランクの中から1つの評価のランクを採択するように評価が行われる場合を例に挙げる。
【0032】
ゲーム装置は、上記のようにユーザにより行われたタイミング操作について評価を行うと、評価結果をユーザのゲームの成績に反映させる。
具体的に、本実施形態においては、例えば最も評価ランクの低い「Bad」の評価結果(低評価結果の一例)が得られた場合、「Bad」の評価結果となったタイミング操作が行われたタイミング操作領域TARに対応する体力値を減少させる。本実施形態において、1回の「Bad」の評価結果に応じて体力値から減少されるポイント数(減少量)は予め定められた一定値であればよい。
ここで、本実施形態においては、上記のように「Bad」の評価結果が得られたことに応じて減少の対象となる体力値は、当該「Bad」の評価結果が得られたタイミング操作が行われた1つのタイミング操作領域TARに対応する体力値に限定される。換言すると、「Bad」の評価結果が得られたタイミング操作が行われたタイミング操作領域TARではない他のタイミング操作領域TARに対応する体力値については、当該「Bad」の評価結果に応じて減少されることはない。
ゲーム装置は、上記のように「Bad」の評価結果に応じて体力値を減少させたことに応じて、減少された体力値が反映されるように対応のゲージGARの表示を変更する。
【0033】
本実施形態においては、上記のように、タイミング操作領域TARごとに個別に体力値が対応付けられる。そのうえで、体力値は、対応のタイミング操作領域TARに対する「Bad」の評価結果に応じて減少されるように制御される。つまり、各タイミング操作領域TARに対応する体力値は、対応のタイミング操作領域TARに対して行われたタイミング操作に応じて個別に変化する。このため、同図のゲーム画面に示されるように、音楽ゲームの進行過程での或るタイミングにおいてゲージGARごとに示される体力値は、それぞれが異なってくる。
【0034】
また、「Perfect」、「Great」、「Good」等の「Bad」よりも良い評価結果が得られた場合には、例えばタイミング操作が行われたタイミング操作領域TARに対応するキャラクタに対して評価結果に応じた所定の報酬が付与される。このような報酬の一例として、例えばゲーム装置は、タイミング操作が行われたタイミング操作領域TARに対応するキャラクタに対して付与する得点を算出し、算出した得点を、これまでにキャラクタに付与された得点の累計(スコア)に加算する。この場合、同図においては図示が省略されているが、例えばゲーム画面における所定の領域において、キャラクタごとに対応するスコアが表示されるようにしてよい。
【0035】
図3は、音楽ゲームの進行中におけるゲーム画面として、図2の状態からさらに或る時間を経過したタイミングにおけるゲーム画面の状態の一例を示している。
図2のゲーム画面のタイミングから同図のゲーム画面が表示されるタイミングまでの間において、ユーザは、ノーツNTの出現に応じて各タイミング操作領域TARに対して操作を行っており、各タイミング操作領域TARにおいて何度か「Bad」の評価結果も得られている状況にある。このため、同図においては、各ゲージGARにおいて示される体力値が図2の場合よりも減少している状態が示されている。
【0036】
そのうえで、同図においては、ゲージGAR−1〜GAR−5のうち、ゲージGAR−5については、体力値が「0」となった状態が示されている。このようにゲージGAR−5により示される体力値が「0」となったということは、対応のキャラクタの体力が完全に無くなったために現在プレイされている音楽ゲームで活動できなくなったことを表す。
上記のようにゲージGAR−5の体力値が「0」となったことに応じて、対応のタイミング操作領域TAR−5は、タイミング操作の受け付けが不可となる。このように、キャラクタの体力値が「0」となってタイミング操作の受け付けが不可である状態は、同図のタイミング操作領域TAR−5に示されるように、キャラクタのアイコン部分が例えばグレーアウト等の操作不可であることを表す態様に変化することによって表現される。
【0037】
音楽ゲームの進行のもとではシーケンスデータに従ってノーツNTが出現する。このため、出現するノーツNTのうちには、タイミング操作の受け付けが不可となったタイミング操作領域TAR−5に対しても移動してくるものがある。しかしながら、この状態の場合には、タイミング操作領域TAR−5に到達してきたノーツNTに応じてユーザがタイミング操作を行っても評価対象とはされず、評価結果に応じた報酬がタイミング操作領域TAR−5に対応のキャラクタに付与されることはない。
このように、タイミング操作領域TARに対する操作の受け付けが不可とされることが、キャラクタが活動できなくなった状態に相当する。
【0038】
本実施形態において、上記のようにゲージGARに示される「0」の体力値は、音楽ゲームの進行中において所定時間が経過することに応じて復活するようにされている。
体力値が復活するまでの所定時間は、予め定められた固定値であってもよいし、例えばキャラクタの属性、対応のタイミング操作領域TARに対するこれまでのタイミング操作の評価結果の履歴に応じて設定されてもよい。
また、復活した際のゲージGARの体力値は、音楽ゲームのプレイ開始前に導出された初期値にまで戻されてもよいし、初期値未満の所定値にまで戻されてもよい。
【0039】
また、同図には、ゲーム画面において1つの回復ノーツNT−Rが出現している状態が示されている。回復ノーツNT−Rは、到達先のタイミング操作領域TARに対応するゲージGARの体力値を回復させる(即ち、増加させる)機能を有するノーツである。
同図の例では、回復ノーツNT−Rは、タイミング操作領域TAR−3に到達しようとしている。この場合、ユーザは、タイミング操作領域TAR−3に回復ノーツNT−Rが到達するタイミングに合わせてタイミング操作を行う。なお、本実施形態では、回復ノーツNT−Rは、体力値が「0」より多い状態でのみ、体力値を回復させる機能を有するものとする。
【0040】
ゲーム装置は、上記のような回復ノーツNT−Rに対するタイミング操作の評価結果に基づいて、体力値を回復させるか否かを決定する。
一例として、ゲーム装置は、「Perfect」、「Great」、「Good」、「Bad」の評価ランクにおいて所定以上の評価ランクが得られた場合に体力値を回復させ、一定未満の評価結果の場合には体力値を回復させないというように決定してよい。一例として、ゲーム装置は、「Perfect」または「Great」の評価結果の場合には体力値を回復させるが、これより低い「Good」または「Bad」の評価ランクの場合には体力値を回復させないというように決定できる。
この場合の体力値の回復の態様としては特に限定されない。例えば現在の体力値に所定の回復値を加算するようにして体力値が回復されてもよいし、初期値にまで戻すように体力値が回復されてもよい。体力値に回復値を加算する場合、回復値は、予め定められた固定値であってもよいし、例えばキャラクタの属性、対応のタイミング操作領域TARに対するこれまでのタイミング操作の評価結果の履歴に応じて設定されてもよい。
また、ゲーム装置は、タイミング操作領域TARに対するタイミング操作の評価結果のランクに応じて体力値に加算する回復値を変更してもよい。
【0041】
音楽ゲームの楽曲が終了する前のタイミングで、全てのゲージGARの体力値が「0」の状態となったことに応じてゲームオーバーとなる。例えば、タイミング操作のミスが続いて体力値が復活する時間を経過しないうちに次々とゲージGARの体力値が「0」となれば、このように音楽ゲームの楽曲が終了する前のタイミングで全てのゲージGARの体力値が「0」の状態となり得る。
これに対して、全てのゲージGARに示される体力値が「0」となることなく、楽曲が終了するまでプレイをすることができたのであれば、音楽ゲームをクリアできたことになる。
なお、上記の例では、ゲージGARに示される体力値が「0」となったことに応じて対応のタイミング操作領域TARに対するタイミング操作の受け付けが不可となるようにされている。しかし、例えば、体力値が「0」より大きい所定値以下となったことに応じて、タイミング操作の受け付けが不可となるようにされてもよい。
【0042】
〔ゲーム装置の構成例〕
図4を参照して、本実施形態のゲーム装置10の構成例について説明する。同図のゲーム装置10は、タッチパネル110、ゲーム制御部120、記憶部130及び音響出力部140を備える。
【0043】
タッチパネル110は、音楽ゲームのゲーム画面等の画像をゲーム制御部120の表示制御に応じて表示するとともに、画面に対して行われた操作を検出する。
タッチパネル110は、表示部111と操作入力部112とを備える。表示部111は、ゲーム制御部120の表示制御に応じて画像を表示する。操作入力部112は、例えば表示部111の画面に設けられるタッチパッドを備えて構成され、指などの操作体によりタッチパッドに触れるようにして行われる操作を検出し、操作検出信号をゲーム制御部120に出力する。
なお、ゲーム装置10は、タッチパネル以外の操作子や操作デバイスを備えてもよい。
【0044】
ゲーム制御部120は、ゲーム装置10において本実施形態の音楽ゲームを実現するための各種制御を実行する。ゲーム制御部120としての機能は、例えばゲーム装置10が備えるCPU(Central Processing Unit)が、本実施形態における音楽ゲームのアプリケーションのプログラムを実行することにより実現される。
ゲーム制御部120は、音楽ゲームに対応する機能部として、表示制御部121、定義値導出部122、評価部123及び定義値制御部124を備える。
【0045】
表示制御部121は、本実施形態のゲーム画面の表示に関する制御を実行する。
定義値導出部122は、本実施形態の音楽ゲームにおいて操作タイミングが判定される複数のタイミング操作領域TARごとに個別に対応付けられた体力値の初期値のそれぞれを、タイミング操作領域TARに対応付けられたキャラクタの属性情報(所定のパラメータ値の一例)に基づいて導出する。
【0046】
評価部123は、所定の評価基準タイミングとタイミング操作領域TARに対するタイミング操作のタイミング(操作タイミング)との一致度を評価する。つまり、評価部123は、ゲーム画面に表示されるノーツNTに対するタイミング操作がタイミング操作領域TARに対して行われたことに応じて、操作対象とされたノーツNTに対応付けられた評価基準タイミングとタイミング操作との一致度を評価する。
本実施形態の評価部123は、前述のように、一致度に応じて、「Perfect」「Great」「Good」、「Bad」の評価のランクのうちのいずれかの評価結果を採択する。
【0047】
定義値制御部124は、タイミング操作領域TARに対応付けられたキャラクタごとの体力値についての制御を行う。定義値制御部124は、評価部123によって所定の水準を満たさないとの低評価結果(例えば、最低の評価(「Bad」))が得られた場合に、当該低評価結果が得られたタイミング操作領域TARに対応付けられた体力値を減少させる。
また、定義値制御部124は、音楽ゲーム進行中において体力値が「0」となってから一定時間を経過したことに応じて「0」の体力値を所定値に増加させる。つまり、定義値制御部124は、体力値の復活を行うことができる。
また、定義値制御部124は、回復ノーツNT−Rに対するタイミング操作の評価結果に応じて、回復ノーツNT−Rに対するタイミング操作の行われたタイミング操作領域TARに対応する体力値を所定値にまで増加させる。つまり、定義値制御部124は、体力値の回復を行うことができる。
【0048】
記憶部130は、ゲーム制御部120が利用する各種の情報を記憶する。同図の記憶部130は、楽曲データ記憶部131、シーケンスデータ記憶部132及び音源データ記憶部133を備える。
【0049】
楽曲データ記憶部131は、音楽ゲームにおける楽曲を再生するための楽曲データを記憶する。楽曲データ記憶部131は、複数の異なる楽曲に対応する複数の楽曲データを記憶してよい。ゲームにおいて使用される楽曲は、ユーザの操作によって選択されればよい。ゲーム制御部120は、ゲームの実行にあたり、ユーザの操作によって選択された楽曲に対応する楽曲データを楽曲データ記憶部131から読み出して再生すればよい。
【0050】
シーケンスデータ記憶部132はシーケンスデータを記憶する。シーケンスデータは、楽曲データにより再生される楽曲の進行に応じてユーザが行うべきタイミング操作に対応する評価基準タイミングを示す情報である。前述のように、本実施形態において、評価基準タイミングは、ノーツに対応付けられる。
シーケンスデータ記憶部132は、例えば楽曲データ記憶部131が記憶する楽曲ごとに応じたシーケンスデータを記憶する。また、1つの楽曲データに対応するシーケンスデータは、例えば難易度などに応じて複数が記憶されてもよい。例えばユーザは、ゲームの難易度を選択する操作を行うことができる。
【0051】
ゲーム制御部120は、選択された楽曲に対応する複数のシーケンスデータのうちから、ユーザの操作によって選択された難易度に応じたシーケンスデータをシーケンスデータ記憶部132から読み出し、読み出したシーケンスデータを処理する。これにより、ゲーム制御部120は、ゲーム画面におけるノーツNTについての、ノーツ出現領域AARからの出現とタイミング操作領域TARへの移動に関する表示を行うことができる。また、ゲーム制御部120は、ユーザにより行われたタイミング操作を評価することができる。
【0052】
図5は、本実施形態におけるシーケンスデータの内容例を示している。同図のシーケンスデータは、条件定義部とシーケンス部とを備える。
条件定義部には、対応の楽曲を一意に示す識別子である楽曲ID、楽曲のテンポ、トラック構成、再生時間などといった、ゲームの実行にあたっての各種の条件を指定する情報が記述される。
【0053】
本実施形態のシーケンス部においては、音楽ゲームにおける楽曲の進行に応じて出力させるノーツを制御するための情報が記述される。このようなシーケンス部は、ノーツNTごとに対応するノーツ情報を含む。
ノーツ情報には、移動情報とタイミング情報とが記述される。移動情報は、対応のノーツについてのゲーム画面での移動パターンを指定する情報である。タイミング情報は、楽曲の進行において対応のノーツが操作されるべきタイミングを指定する情報である。本実施形態の場合、ノーツが操作されるべきタイミングは評価基準タイミングである。また、評価基準タイミングは、ゲーム画面においてノーツがタイミング操作領域TARに到達すべきタイミングである。
【0054】
具体例として、同図においては、3つのノーツ情報Dn1、Dn2、Dn3が示されている。なお、ノーツ情報Dn1、Dn2、Dn3については、いずれもシングルノーツとしてのノーツNTを指定する情報の例を挙げている。
ノーツ情報Dn1は、「1to3_05_1.00」と記述されている。当該記述において「_」の左側の「1to3」が移動情報であり、右側の「05.1.00」がタイミング情報である。
移動情報における「to」の左側の数値は、対応のノーツNTが出現すべきノーツ出現領域AARの番号を示す。ノーツ出現領域AAR−1〜AAR−5に対しては、それぞれ「1」〜「5」の番号が割り当てられている。また、移動情報における「to」の右側の数値は、対応のノーツが到達すべきタイミング操作領域TARの番号を示す。タイミング操作領域TAR−1〜TAR−5に対しては、それぞれ「1」〜「5」の番号が割り当てられている。
また、ノーツ情報Dn1におけるタイミング情報の「01.1.00」の記述には、左から順に「.」で区切られた「01」、「1」、「00」の値が含まれる。これらの3つの値により1つの評価基準タイミングが表される。つまり、最も左の値は小節の番号を示し、続く右の値は1小節における拍の番号を示し、最も右の値は、対応の拍におけるティックの番号を示す。例えば1拍の分解能を「96」と設定した場合、ティックの番号は「00」〜「95」の範囲である。
従って、同図のノーツ情報Dn1は、対応のノーツNTについて、ゲーム画面にてノーツ出現領域AAR−1にて出現し、5小節目の1拍目の先頭が対応する時刻にてタイミング操作領域TAR−3に到達するように移動し、5小節目の1拍目の先頭に対応する時刻が評価基準タイミングであることを指定している。
【0055】
ノーツ情報Dn1に基づいて、ゲーム制御部120は、ゲーム画面において以下のようにシングルノーツを表示させる。ゲーム制御部120は、タイミング情報が示す評価基準タイミングから所定時間遡った時刻にて対応のノーツをノーツ出現領域AAR−1から出現させる。ゲーム制御部120は、ノーツ出現領域AAR−1から出現させたシングルノーツについて、評価基準タイミングにてタイミング操作領域TAR−3に到達するように移動させる。
【0056】
また、ノーツ情報Dn2は、「2to5_33.1.00」と記述されている。このように記述されるノーツ情報Dn2は、対応のロングノーツについて、ゲーム画面にてノーツ出現領域AAR−2にて出現してタイミング操作領域TAR−5に到達するように移動し、33小節目の1拍目の先頭に対応する時刻が評価基準タイミングであることを指定する。
【0057】
また、ノーツ情報Dn3は、「4to1_64.1.00_rcv」と記述されている。ノーツ情報Dn3におけるタイミング情報の記述形式は、回復ノーツNT−Rを指定するものである。ノーツ情報Dn3の記述における「rcv」との記述部分により、対応のノーツが回復ノーツNT−Rであることが指定される。
このような記述による同図のノーツ情報Dn3は、ゲーム画面にてノーツ出現領域AAR−4にて出現してタイミング操作領域TAR−1に到達するように移動し、64小節目の1拍目の先頭が対応する時刻が評価基準タイミングとなる回復ノーツであることを指定する。
【0058】
説明を図4に戻す。音源データ記憶部133は、例えば各種効果音などのゲーム音としての音源データを記憶する。音源データ記憶部133が記憶する音源データには、例えばユーザが行ったタイミング操作の評価結果を示すゲーム音の音源データなどが含まれている。例えば、ゲーム制御部120は、タイミング操作の評価を行うと、評価結果に対応する音源データを音源データ記憶部133から読み出し、音源データに基づく音を、音響出力部140から出力させる。
【0059】
音響出力部140は、ゲーム制御部120の制御に応じて、音楽ゲームにおける楽曲、ゲーム音などの音を出力する。音響出力部140は、スピーカを備える構成であってもよいし、イヤホン端子などからオーディオ信号を出力する構成であってもよい。
【0060】
〔処理手順例〕
図6のフローチャートを参照して、本実施形態のゲーム装置10がキャラクタごとに対応する体力値の初期値の導出に関連して実行する処理手順例について説明する。
前述のように、ユーザは、音楽ゲームのプレイ開始に先だって、自分が所有するキャラクタカードを使用してタイミング操作領域TARごとにキャラクタを割り当てる操作(キャラクタ割り当て操作)を行う。ゲーム制御部120は、ユーザによるキャラクタ割り当て操作に応じて、タイミング操作領域TARごとにキャラクタを対応付ける処理を実行する(ステップS100)。
【0061】
次に、定義値導出部122は、ステップS100によってタイミング操作領域TARのそれぞれに対応付けられたキャラクタのうちから、体力値の初期値の導出対象とするキャラクタを1つ選択する(ステップS102)。
定義値導出部122は、ステップS102により選択された対象のキャラクタについての属性情報を、例えば対象のキャラクタに対応のキャラクタカードのデータから取得する(ステップS104)。この際、定義値導出部122は、キャラクタについての各種属性情報のうちから、体力値の初期値の導出に必要な属性情報を取得すればよい。
定義値導出部122は、ステップS104により取得された属性情報の属性値を利用して、体力値の初期値Phtiを導出する(ステップS106)。このようにしてステップS102により対象として選択された1つのキャラクタについての体力値の初期値Phtiが導出される。
【0062】
次に、定義値制御部124は、ステップS106により導出された初期値Phtiにより、ステップS102により選択された対象の1つのキャラクタについての体力値の初期設定を行う(ステップS108)。具体的に、定義値制御部124は、体力値PhtにステップS106により導出された初期値Phtiを代入する。
表示制御部121は、ステップS102により対象として選択されたキャラクタのタイミング操作領域TARに対応させて、ステップS108により初期設定が行われた体力値Phtが反映されたゲージGARの初期表示を行う(ステップS110)。
【0063】
次に、定義値導出部122は、タイミング操作領域TARに対応付けられた全てのキャラクタについての体力値の初期値の導出が行われたか否かについて判定する(ステップS112)。
未だ体力値の初期値の導出が行われていないキャラクタが残っている場合(ステップS112−NO)、定義値導出部122は、ステップS102に処理を戻す。これにより、未だ体力値の初期値の導出が行われていないキャラクタを対象として体力値の初期値の導出と、初期値が反映されたゲージGARの表示が実行される。
一方、全てのキャラクタについての体力値の初期値の導出が行われた場合(ステップS112−YES)、同図の処理が終了される。
【0064】
次に、図7のフローチャートを参照して、本実施形態の音楽ゲームの進行中において行われるタイミング操作に応じてゲーム装置10が実行する処理手順例について説明する。
なお、同図の説明にあたり、回復ノーツNT−R以外の通常のノーツNTに対するタイミング操作に対応しては、以下のように体力値についての制御が行われる場合を例に挙げる。つまり、前述のように、評価結果が最低の「Bad」である場合には、操作対象とされたタイミング操作領域TARに対応のキャラクタの体力値が減少される。一方、「Bad」よりも高い「Perfect」、「Great」、「Good」のいずれかの評価結果である場合には、評価結果に応じた報酬が対応のキャラクタに付与される。
また、回復ノーツNT−Rに対するタイミング操作に応じた体力値の制御に関しては以下の態様が採られる場合を例に挙げる。つまり、回復ノーツNT−Rに対するタイミング操作に対する評価結果が「Perfect」、「Great」、「Good」のいずれかである場合には、評価結果に応じた回復値により体力値が回復される。一方、回復ノーツNT−Rに対するタイミング操作に対する評価結果が最低の「Bad」である場合には、体力値は回復されず、通常のノーツNTの場合と同様に体力値が減少される。
【0065】
音楽ゲームの進行中において、評価部123は、タイミング操作領域TARのうちのいずれかに対するタイミング操作が行われるのを待機する(ステップS120−NO)。
タイミング操作が行われると(ステップS120−YES)、タイミング操作の対象とされたタイミング操作領域TARは、現在においてタイミング操作を受け付け可能であるか否かについて判定する(ステップS122)。前述のように、タイミング操作領域TARは、対応の体力値が「0」より大きければタイミング操作を受け付け可能であり、対応の体力値が「0」であればタイミング操作の受け付けが不可となる。
タイミング操作の受け付けが不可であった場合(ステップS122−NO)、ステップS120に処理が戻される。
一方、タイミング操作を受け付け可能であった場合(ステップS122−YES)、評価部123は、今回行われたタイミング操作についての評価を行う(ステップS124)。
【0066】
次に、定義値制御部124は、ステップS124による評価結果が最低の「Bad」であったか否かについて判定する(ステップS126)。
評価結果が「Bad」ではなかった場合(ステップS126−NO)、定義値制御部124は、さらに今回の操作対象とされたノーツが回復ノーツNT−Rであったか否かについて判定する(ステップS128)。
今回の操作対象とされたノーツが回復ノーツNT−Rであった場合(ステップS128−YES)、定義値制御部124は、ステップS124により得られた「Perfect」、「Great」、「Good」のいずれかの評価結果に応じて回復値Prcvを設定する(ステップS130)。なお、回復値Prcvの設定にあたっては、例えば対応のキャラクタの属性情報が示す属性値を利用してもよい。
次に、定義値制御部124は、対応のキャラクタの体力値を回復させる(ステップS132)。つまり、定義値制御部124は、対応のキャラクタについての現在の体力値Phtに対してステップS130により設定された回復値Prcvを加算して、体力値Phtを更新する。また、表示制御部121は、ステップS132により増加するように更新された体力値Phtが対応のゲージGARにて反映されるように表示制御を行う。ステップS132の処理の後は、ステップS120に処理が戻される。
【0067】
また、今回の操作対象とされたノーツが回復ノーツNT−Rではなく、通常のノーツNTであった場合(ステップS128−NO)、ゲーム制御部120は、対応のキャラクタに対して、評価結果に応じた所定の報酬を付与するための処理を実行する(ステップS134)。ステップS134の処理の後は、ステップS120に処理が戻される。
【0068】
また、評価結果が「Bad」であった場合(ステップS126−YES)、前述のように、通常のノーツNTと回復ノーツNT−Rとのいずれであるかにかかわらず、体力値が減少される。そこで、この場合の定義値制御部124は、対応のキャラクタの体力値について、現在の体力値Phtから所定の減少量Prdを減算するようにして更新する(ステップS136)。また、表示制御部121は、ステップS136により減少するように更新された体力値Phtが対応のゲージGARにて反映されるように表示制御を行う。
【0069】
ステップS136により体力値Phtを減少させる処理を実行した後、ゲーム制御部120は、現段階において、全てのキャラクタに対応する体力値が「0」となったか否かについて判定する(ステップS138)。
少なくとも1つのキャラクタに対応する体力値が「0」より大きい場合(ステップS138−NO)、ステップS120に処理が戻される。
一方、全てのキャラクタに対応する体力値が「0」となった場合(ステップS138−YES)、ゲーム制御部120は、ゲームオーバーになったとして、楽曲が最後まで終了していなくとも音楽ゲームの進行を終了させる(ステップS140)。
【0070】
次に、図8のフローチャートを参照して、音楽ゲーム進行中においてゲーム装置10がタイミング操作領域TARごとのタイミング操作の受け付け可否の設定に関連して実行する処理手順例について説明する。同図のフローチャートは、1つのタイミング操作領域TARに対応して行われる処理である。ゲーム装置10は、音楽ゲーム進行中において同図の処理をタイミング操作領域TARごとに実行する。
【0071】
まず、評価部123は、音楽ゲームの進行の開始に際して、対象のタイミング操作領域TARに対するタイミング操作を受け付け可能に設定する(ステップS152)。
そのうえで、評価部123は、対象のタイミング操作領域TARに対応付けられたキャラクタの体力値Phtが「0」となるのを待機する(ステップS154−NO)。そして体力値Phtが「0」となると(ステップS154−YES)、評価部123は、対象のタイミング操作領域TARに対するタイミング操作の受け付けを不可に設定する(ステップS156)。
【0072】
次に、評価部123は、ステップS156によりタイミング操作の受け付けを不可に設定してから所定時間が経過するのを待機する(ステップS158−NO)。所定時間が経過すると(ステップS158−YES)、評価部123は、対象のタイミング操作領域TARに対応付けられたキャラクタの体力値Phtを初期値Phtiにより更新する(ステップS160)。そのうえで、評価部123は、ステップS152に処理を戻すことにより、再びタイミング操作を受け付け可能に設定する。
このような処理により、対象のタイミング操作領域TARについて、タイミング操作の受け付けが不可となってから一定時間を経過したことに応じて、体力値が初期値に復活するとともに、タイミング操作を再度受け付け可能な状態に復帰する。
なお、同図のステップS160では、初期値により体力値を復活させた例を示しているが、前述のように、復活により設定される体力値は、初期値より小さい所定の値であってもよい。
【0073】
[第1実施形態のまとめ]
以上説明したように本実施形態のゲーム装置10は、定義値導出部122と、評価部123と、定義値制御部124とを備える。
定義値導出部122は、音楽ゲームにおいて操作タイミングが判定される複数のタイミング操作領域TAR(判定位置の一例)ごとに個別に対応付けられ、所定の定義付けが為された定義値(例えば、体力値)の初期値のそれぞれを、タイミング操作領域TARごとに対応付けられた所定のパラメータ値に基づいて導出する。
評価部123は、所定の評価基準タイミングとタイミング操作領域TARに対する操作タイミングとの一致度を評価する。
定義値制御部124は、評価部123によって「Bad」の評価結果(所定の水準を満たさないとの低評価結果の一例)が得られた場合に、当該「Bad」の評価結果が得られたタイミング操作領域TARに対応付けられた体力値を減少させる。
【0074】
上記構成によれば、ユーザは、本実施形態の音楽ゲームをプレイするにあたり、複数のタイミング操作領域TARに対してタイミング操作を行うようにされる。そのうえで、本実施形態の音楽ゲームにおいては、タイミング操作領域TARごとに個別に体力値が設定される。タイミング操作領域TARごとに個別に設定された体力値は、対応のタイミング操作領域TARに対するタイミング操作について例えば最低の評価結果が得られることに応じて、個別に減少していくようにされる。
このため、本実施形態においては、例えば複数のタイミング操作領域TARに対して共通となる1つの体力値が設定される場合と比較して、ユーザは、それぞれのタイミング操作領域TARにおける体力値の減少に気を配りながら音楽ゲームをプレイしていくことができる。これにより、ユーザはプレイに対する緊張感を保つことが可能になる。
【0075】
また、本実施形態のゲーム装置10において、定義値導出部122は、定義値として、タイミング操作領域TARごとに対応付けられたキャラクタごとの所定の属性に対応するパラメータ値(例えば、属性値)に基づいて体力値の初期値を導出する。
【0076】
上記構成によれば、複数のタイミング操作領域TARごとにキャラクタが設定される。そのうえで、タイミング操作領域TARごとの体力値の初期値は、それぞれキャラクタが有する属性値に基づいて決まる。つまり、タイミング操作領域TARごとの体力値の初期値は、属性値に応じたキャラクタの個性(本来の性質、成長の度合い等)に応じてそれぞれが異なるように設定される。このように、音楽ゲームにおけるキャラクタの個性が体力値の初期値に反映されるようにすることで、音楽ゲームにおいてキャラクタの個性を有効に活用できることになり、ゲームの興趣性が高まる。
【0077】
また、本実施形態のゲーム装置10において、定義値制御部124は、「Bad」の評価結果が得られるごとに、当該「Bad」の評価結果が得られたタイミング操作領域TARに対応付けられた体力値を、所定の減少量により減少させる。
【0078】
上記構成によれば、各タイミング操作領域TARの体力値は、対応のタイミング操作領域TARに対するタイミング操作について「Bad」の評価結果が得られるごとに、所定の減少量ずつ減少されていくようにすることができる。
【0079】
また、本実施形態のゲーム装置10において、複数のタイミング操作領域TARのうちの少なくとも一部に対応する減少量は、予め定められた一定値である。
【0080】
上記構成によれば、各タイミング操作領域TARの体力値は、対応のタイミング操作領域TARに対するタイミング操作について「Bad」の評価結果が得られるごとに、予め定められた一定値ずつ減少されていくようにすることができる。
【0081】
また、本実施形態のゲーム装置10において、評価部123は、対応の体力値が「0」(一定以下の定義値の一例)となったタイミング操作領域TARについては評価対象から除外する。
【0082】
上記構成によれば、複数のタイミング操作領域TARのうちで、対応の体力値が「0」となったタイミング操作領域TARについてはタイミング操作を行っても、タイミング操作に対する評価が行われないようにできる。つまり、対応の体力値が「0」となったタイミング操作領域TARに対するタイミング操作の受け付けを不可に設定できる。これにより、本実施形態においては、例えば音楽ゲームの進行において、タイミング操作を行えるタイミング操作領域TARとタイミング操作を行えないタイミング操作領域TARとがともにあるような状態となる。これにより、ユーザとしては、例えばタイミング操作が不可となるタイミング操作領域TARを極力つくらないように気を配りながらプレイするようになり、プレイの緊張感をさらに維持しやすくなる。
【0083】
また、本実施形態のゲーム装置10において、定義値制御部124は、所定のタイミング操作領域TARに対応する回復ノーツNT−R(体力値の増加の機能が対応付けられた評価基準タイミングの一例)に対する操作タイミングについて一定の水準以上との評価結果が得られた場合に、所定のタイミング操作領域TARに対応する体力値を増加させる。
【0084】
上記構成によれば、音楽ゲームの進行のもとで回復ノーツNT−Rが出現した場合、ユーザが回復ノーツNT−Rに対するタイミング操作を上手に行えば、回復ノーツNT−Rに対応のタイミング操作領域TARの体力値を増加(復活)させることができる。
この場合、ユーザは、音楽ゲームの進行のもとで、回復ノーツNT−Rが出現することを期待し、回復ノーツNT−Rが出現した場合には、できるだけ上手に回復ノーツNT−Rに対するタイミング操作を行おうとする。これにより、ゲームとしての面白味が増すことになる。
【0085】
[第2実施形態]
〔概要〕
続いて、第2実施形態について説明する。本実施形態の音楽ゲームにおいてシーケンスデータにより規定されるノーツの出現パターンは、楽曲や難易度に応じて異なる。このため、1プレイにおいてタイミング操作領域TARのそれぞれに到達するノーツ数が均等となるとは限らず、むしろ到達するノーツ数がタイミング操作領域TAR間で相当に異なる可能性もある。そのうえで、本実施形態においては、タイミング操作領域TARごとに対応付けられたキャラクタの体力値の初期値について、キャラクタごとに異なる値が設定される。
このため、例えば或るタイミング操作領域TARについては、体力値が少ないのにもかかわらず到達するノーツ数が相当に多く、一方で、他のタイミング操作領域TARについては、体力値が多いのにかかわらず到達するノーツ数が相当に少ない、という状況が生じ得る。
上記のような状況は、個々のタイミング操作領域TARに対応する音楽ゲームの難易度(例えば、ゲームクリアを達成するための難易度)に大きなばらつきを生じるものとの捉え方をすることができる。このようなタイミング操作領域TAR間の難易度のばらつきは、音楽ゲームの趣旨などに応じて、許容されてもよいとの考え方を採ることもできるが、できるだけ解消されることが好ましいとの考え方を採ることもできる。
そこで、本実施形態においては、タイミング操作領域TAR間の難易度のばらつきが解消されることが好ましいとの考え方に立ち、以下に説明するように、タイミング操作領域TAR間の難易度のばらつきの抑制を図る。
【0086】
〔ゲーム装置の構成例〕
図9は、本実施形態のゲーム装置10Aの構成例を示している。同図において、図4と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
同図のゲーム装置10Aにおいて、ゲーム制御部120Aは定義値制御部124Aを備える。本実施形態の定義値制御部124Aは、音楽ゲームの開始から終了までにおいてタイミング操作領域TARにて操作タイミングの評価が行われる評価基準タイミング数(評価対象回数の一例)に基づいて、当該タイミング操作領域TARに対応する減少量を設定する。例えば、定義値制御部124Aは、体力値を評価対象回数よりも少ない数で除算して求められる値に基づいて、タイミング操作領域TARに対応する減少量を設定する。
【0087】
〔処理手順例〕
図10のフローチャートを参照して、本実施形態のゲーム装置10Aが、キャラクタごとの減少量の設定に関連して実行する処理手順例について説明する。同図の処理は、音楽ゲームのプレイ開始前の段階において、ユーザがタイミング操作領域TARごとに対するキャラクタ割り当て操作を行ったことに応じて実行される。
同図におけるステップS1100〜S1112の処理は、図6のステップS100〜S112と同様となるため、説明は省略する。
【0088】
ステップS1112においてタイミング操作領域TARに対応付けられた全てのキャラクタについての体力値の初期値の導出が行われたことが判定されると、定義値制御部124Aは、キャラクタごとの減少量の設定に応じた以下の処理を実行する。
【0089】
例えば、ユーザは、音楽ゲームのプレイ開始に先立って、キャラクタ割り当て操作を行った後、さらに音楽ゲームのプレイで再生される楽曲を選択する操作(楽曲選択操作)を行う。ゲーム装置10Aは、音楽ゲームのプレイに際して、楽曲選択操作により選択された楽曲の楽曲データを再生するとともに、選択された楽曲に対応するシーケンスデータに従ってノーツNTをゲーム画面に出現させる、タイミング操作に対する評価を行う。
ゲーム制御部120Aは、上記のようにユーザにより行われた楽曲選択操作を受け付ける(ステップS1114)。
なお、前述のように、楽曲ごとに複数の難易度が設定されてよく、この場合には、ユーザは、楽曲選択操作に際して、楽曲の選択に加えて、選択された楽曲について対応付けられた難易度の候補のうちから1つを選択する操作を行えばよい。
【0090】
上記のように楽曲選択操作が受け付けられた後、定義値制御部124Aは、ステップS1100によってタイミング操作領域TARのそれぞれに対応付けられたキャラクタのうちから、減少量の設定対象とするキャラクタを1つ選択する(ステップS1116)。
【0091】
次に、定義値制御部124Aは、ステップS1116により選択されたキャラクタに対応付けられたタイミング操作領域TARにて、音楽ゲームの進行の開始から終了までにおいてタイミング操作の評価が行われる評価基準タイミング数Ntmを特定する(ステップS1118)。このために、定義値制御部124Aは、ステップS1114により受け付けられた楽曲選択操作により選択された楽曲に対応するシーケンスデータのノーツ情報を解釈する。定義値制御部124Aは、シーケンスデータにおけるノーツ情報を解釈していくことで、選択された楽曲の再生を伴う音楽ゲームの進行の開始から終了までにおいて、対応のタイミング操作領域TARにてタイミング操作の評価が行われる評価基準タイミング数Ntmを特定する。
なお、例えば、対応のタイミング操作領域TARに到達するノーツNTが全てシングルノーツであることがシーケンスデータにより規定されていれば、評価基準タイミング数Ntmは、対応のタイミング操作領域TARに到達する全ノーツNTの数と一致する。
【0092】
次に、定義値制御部124Aは、ステップS1118により特定された評価基準タイミング数Ntmに基づく除数Ntm1を算出する(ステップS1120)。除数Ntm1は、評価基準タイミング数Ntmよりも小さい数である。定義値制御部124Aは、評価基準タイミング数Ntmに対して「1」より小さい所定の正の数を乗算することに基づき、除数Ntm1を算出してよい。あるいは、定義値制御部124Aは、例えば評価基準タイミング数Ntmから所定数を減算することにより除数Ntm1を算出してもよい。
【0093】
次に、定義値制御部124Aは、ステップS1116により対象として選択されたキャラクタに対応する減少量Prdを算出する(ステップS1122)。具体的に、定義値制御部124Aは、同じキャラクタについて先のステップS1106により導出された体力値の初期値Phtiを除数Ntm1により除算することにより減少量Prdを算出する。このように算出された減少量Prdが、対応のキャラクタについての、1回あたりの「Bad」の評価結果に対応して体力値から減少させるべき減少量として設定される。
【0094】
次に、定義値制御部122Aは、タイミング操作領域TARに対応付けられた全てのキャラクタについての減少量Prdの設定が完了したか否かについて判定する(ステップS1124)。
未だ減少量Prdの設定が行われていないキャラクタが残っている場合(ステップS1124−NO)、定義値制御部122Aは、ステップS1116に処理を戻す。これにより、未だ減少量Prdの設定が行われていないキャラクタを対象として減少量Prdの設定が実行される。
一方、全てのキャラクタについての減少量Prdの設定が行われた場合(ステップS1124−YES)、同図の処理が終了される。
【0095】
仮に、初期値Phtiを評価基準タイミング数Ntmにより除算して減少量Prdを算出するようにした場合には、以下のような不具合が生じる。つまり、音楽ゲームにおける楽曲の開始から終了までにおいて、対応のタイミング操作領域TARにて行ったタイミング操作に対する評価が全て「Bad」であっても、最後の評価基準タイミングに対応して評価結果が得られた段階ではじめて体力値が「0」となる。この場合、対応のタイミング操作領域TARに対するタイミング操作が全て失敗しても、ゲーム進行において当該タイミング操作領域TARでの最後のタイミング操作に至るまで、体力値が「0」となることがないため、音楽ゲームとしての興趣性が損なわれる。
そこで、本実施形態においては、評価基準タイミング数Ntmよりも小さい除数Ntm1により初期値Phtiを除算して減少量Prdを算出するようにしている。これにより、初期値Phtiを評価基準タイミング数Ntmで除算した場合よりも大きい減少量Prdが求められることになる。この結果、対応のタイミング操作領域TARに対するタイミング操作について一定回数以上の「Bad」の評価結果が得られれば、対応の体力値がゲーム進行途中で「0」となるようにできる。
そのうえで、上記のように算出される減少量Prdは、ステップS1120、S1122から分かるように、初期値Phtiと評価基準タイミング数Ntmとに基づいている。このため、本実施形態においては、体力値が少ないのにもかかわらず対応のタイミング操作領域TARに到達するノーツ数が多いキャラクタの場合には、減少量Prdを少なく設定することができる。体力値が多いのにもかかわらず対応のタイミング操作領域TARに到達するノーツ数が少ないキャラクタの場合には、減少量Prdを多く設定することができる。これにより、タイミング操作領域TAR間での難易度のばらつきの抑制が図られる。
【0096】
[第2実施形態のまとめ]
以上説明したように本実施形態のゲーム装置10Aにおいて、定義値制御部124Aは、音楽ゲームの開始から終了までにおいてタイミング操作領域TARにて操作タイミングの評価が行われる評価基準タイミング数(評価対象回数の一例)に基づいて、タイミング操作領域TARに対応する減少量を設定する。
【0097】
上記構成によれば、タイミング操作領域TARごとに、対応の体力値の初期値と評価基準タイミング数に基づいて減少量が設定される。これにより、体力値の初期値と評価基準タイミング数により生じるタイミング操作領域TAR間での難易度のばらつきの抑制が図られる。
【0098】
また、本実施形態のゲーム装置10Aにおいて、定義値制御部124Aは、体力値を評価基準タイミング数よりも少ない数で除算して求められる値に基づいて、タイミング操作領域TARに対応する減少量を設定する。
【0099】
上記構成によれば、音楽ゲームの進行途中において、1つのタイミング操作領域TARに対応する所定回数の「Bad」の評価結果が所定回数にまで到達すると対応の体力値が「0」となる。この場合、1つのタイミング操作領域TARに対応する全ての評価基準タイミングに対するタイミング操作の評価結果が「Bad」となっても対応の体力値が「0」より大きい状態にあるという不具合が生じない。これにより、ユーザは、音楽ゲームの進行途中において体力値が「0」とならないように意識してプレイを行うことになり、この点でもプレイに対する緊張感が維持されることになり、音楽ゲームの興趣性も高まる。
【0100】
[第3実施形態]
〔概要〕
続いて、第3実施形態について説明する。本実施形態の音楽ゲームにおいてタイミング操作領域TARごとに設定されるキャラクタについては、例えばそれぞれの個性が際立つことが好ましい。そこで、本実施形態においては、タイミング操作領域TARに対応付けられたキャラクタごとに対応する減少量Prdについて、キャラクタの属性に応じて設定されるようにする。
即ち、本実施形態においては、タイミング操作領域TARに対応付けられたキャラクタごとに異なる体力値Phtが設定されるだけでなく、体力値を減少させる減少量Prdについてもキャラクタごとに異なるように設定できる。これにより、音楽ゲームにおけるキャラクタの個性をさらに際立たせることが可能になり、音楽ゲームをプレイする興趣性も高められることになる。
【0101】
〔ゲーム装置の構成例〕
図11は、本実施形態のゲーム装置10Bの構成例を示している。同図において、図4と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
同図のゲーム装置10Bにおいて、ゲーム制御部120Bは定義値制御部124Bを備える。定義値制御部124Bは、タイミング操作領域TARに対応付けられたキャラクタに設定された所定の属性値に基づいて減少量Prdを設定する。
【0102】
〔処理手順例〕
図12のフローチャートを参照して、本実施形態のゲーム装置10Bが、キャラクタごとの減少量の設定に関連して実行する処理手順例について説明する。同図の処理は、音楽ゲームのプレイ開始前の段階において、ユーザがタイミング操作領域TARごとに対するキャラクタ割り当て操作を行ったことに応じて実行される。
同図におけるステップS2100〜S2116及びS2122の処理は、図10のステップS1100〜S1116及びS1124と同様となるため、説明を省略する。
【0103】
定義値制御部124Bは、ステップS2116により選択されたキャラクタの属性情報を、例えばキャラクタに対応のキャラクタカードのデータから取得する(ステップS2118)。この際、定義値導出部122は、キャラクタについての各種属性情報のうちから、減少量Prdの算出に必要な属性情報を取得すればよい。
定義値導出部122Bは、ステップS2118により取得された属性情報が示す属性値を利用して、減少量Prdを算出する(ステップS2120)。定義値導出部122Bは、例えばステップS2118により取得された属性情報の属性値を所定の演算式に代入して減少量Prdを算出することができる。このようにしてステップS2116により対象として選択された1つのキャラクタについての減少量Prdが設定される。
【0104】
定義値導出部122Bは、タイミング操作領域TARに対応付けられた全てのキャラクタについての減少量Prdの算出の完了がステップS2122にて判定されるまで、ステップS2116〜S2120の処理を繰り返し実行する。
【0105】
[第3実施形態のまとめ]
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置10Bにおいて、定義値制御部124Bは、タイミング操作領域TARに対応付けられたキャラクタに設定された所定の属性値に基づいて減少量を設定する。
【0106】
上記構成によれば、タイミング操作領域TARごとに対応付けられたキャラクタの体力値に対する減少量が、対応のキャラクタの個性に応じて設定されることになる。これにより、1回の「Bad」の評価結果が得られた場合の体力値の減少の度合いがキャラクタの個性に応じて決まることになる。これにより、音楽ゲームにおいてキャラクタの個性を有効に活用できることになり、ゲームの興趣性が高まる。
【0107】
[第4実施形態]
〔概要〕
続いて、第4実施形態について説明する。本実施形態の音楽ゲームは、プレイ時に再生される音楽、難易度の選択により、難易度が異なる。異なる難易度に対して、1回あたりの「Bad」の評価結果に応じて体力値を減少させる減少量Prdが一律に同じである場合、例えばキャラクタのレベルが低く、レベルに応じて体力値の初期値も少ないようなユーザにとっては、一律の減少量ではすぐにゲームオーバーとなりやすい。この場合、ユーザとしてはゲームを十分にプレイできないために面白味を感じられない場合がある。
そこで、本実施形態では、減少量Prdについて、音楽ゲームの難易度に応じて設定されるようにする。これにより、音楽ゲームの興趣性を高めることが可能になる。
【0108】
ここで、本実施形態における音楽ゲームの難易度に応じた減少量Prdの設定の態様として、1つには、音楽ゲームの全体的な難易度に応じて、タイミング操作領域TARに対応付けられたキャラクタに対して共通の減少量Prdを設定することができる。
もう1つの態様としては、選択された楽曲、難易度に応じて決まるシーケンスデータに基づいて、タイミング操作領域TARごとに難易度を特定し、タイミング操作領域TARごとに減少量Prdを設定することができる。
本実施形態としては、上記の2つのうちのいずれの態様であってもよい。以下の説明では、タイミング操作領域TARごとに減少量Prdを設定する場合を例に挙げて説明する。
【0109】
〔ゲーム装置の構成例〕
図13は、本実施形態のゲーム装置10Cの構成例を示している。同図において、図4と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
同図のゲーム装置10Cにおいて、ゲーム制御部120Cは定義値制御部124Cを備える。本実施形態の定義値制御部124Cは、タイミング操作領域TARに対応付けられたキャラクタに設定された所定の属性値に基づいて減少量Prdを設定する。
【0110】
〔処理手順例〕
図14のフローチャートを参照して、本実施形態のゲーム装置10Cが、キャラクタごとの減少量の設定に関連して実行する処理手順例について説明する。同図の処理は、音楽ゲームのプレイ開始前の段階において、ユーザがタイミング操作領域TARごとに対するキャラクタ割り当て操作を行ったことに応じて実行される。
同図におけるステップS3100〜S3116及びS3122の処理は、図10のステップS1100〜S1116及びS1124と同様となるため、説明を省略する。
【0111】
定義値制御部124Cは、ステップS3116により選択されたキャラクタに対応するタイミング操作領域TARの難易度を特定する(ステップS3118)。一例として、定義値制御部124Cは、難易度の特定にあたり、楽曲のテンポ、対応のタイミング操作領域TARにおける評価基準タイミング数Ntmなどの難易度特定に利用する所定のパラメータを取得する。定義値制御部124Cは、取得されたパラメータを利用した所定の演算によりタイミング操作領域TARの難易度を算出する。このように算出された難易度が特定結果となる。あるいは、定義値制御部124Cは、パラメータの組み合わせと難易度とを対応付けた難易度テーブルを参照して、難易度を特定してもよい。
【0112】
定義値制御部124Cは、ステップS3118により特定された難易度を利用した所定の演算式により減少量Prdを算出する(ステップS3120)。あるいは、定義値制御部124Cは、難易度と減少量Prdとを対応付けた減少量テーブルを参照して、減少量Prdを求めてもよい。
定義値導出部122Cは、タイミング操作領域TARに対応付けられた全てのキャラクタについての減少量Prdの算出が完了することがステップS3122にて判定されるまで、ステップS3116〜S3120の処理を繰り返し実行する。
【0113】
[第4実施形態のまとめ]
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置10Cにおいて、定義値制御部124Cは、評価部123による評価が行われる音楽ゲームの難易度に基づいて、減少量を設定する。
【0114】
上記構成によれば、例えばシーケンスデータに基づくノーツの出現パターンにより決まる難易度に応じて体力値に対する減少量が設定されることから、例えば音楽ゲームの総合的な難易度が適切となるように調整され、音楽ゲームの興趣性を高めることが可能になる。結果として、例えばノーツの出現パターンにより決まる難易度が高いほど1回のミスによる体力値の減少量が大きく設定される場合、高い難易度を選択してプレイするユーザにとっては、ミスをなるべくしないようにという緊張感をプレイに与えることが可能であり、一方、低い難易度を選択してプレイするユーザにとっては、ある程度のミスが許容されつつプレイを楽しむことが可能である。
【0115】
[変形例]
以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0116】
〔第1変形例〕
第4実施形態においては、音楽ゲームの難易度に応じて減少量Prdを設定していた。これに対して、本変形例では、ユーザのキャラクタの属性情報の1つであるキャラクタのレベルに応じてタイミング操作領域TARごとに減少量Prdが設定されてよい。本変形例において、キャラクタのレベルが体力値の初期値に反映される場合、導出されたキャラクタの体力値の初期値に基づいて、対応のタイミング操作領域TARの減少量Prdが設定されてよい。
本変形例のもとで、例えばユーザのスキルが高いことに伴い、キャラクタのレベルも高くなるのに応じて、減少量Prdが多くなるように設定することができる。この場合、減少量Prdが多くなることで難易度が高まるため、スキルの高いユーザにとっては難易度の高い音楽ゲームに挑戦できることになり、音楽ゲームのプレイに対する意欲が増すことになる。
一方、例えばユーザのスキルが低いことに伴い、キャラクタのレベルも低くなるのに応じて、減少量Prdが少なくなるように設定することができる。この場合、減少量Prdが少なくなることで難易度が低くなるため、スキルの低いユーザでもすぐにゲームオーバーとなることなく音楽ゲームをプレイしてくことができる。
【0117】
〔第2変形例〕
体力値に対する減少量について、第1実施形態では一定値が設定され、第2実施形態では評価基準タイミング数に基づいて設定され、第3実施形態ではキャラクタの属性に応じて設定され、第4実施形態では難易度に応じて設定される例を挙げた。さらに第1変形例では、キャラクタのレベル減少量Prdが設定される例を挙げた。
これに対して、本変形例では、タイミング操作領域TARに対応付けられたキャラクタごとに、上記の例のうちのいずれか1つの例により減少量が設定されてよい。
【0118】
〔第3変形例〕
上記各実施形態において、回復ノーツNT−Rの出現時刻及び出現パターンは、シーケンスデータにより予め定められている場合を例に挙げた。しかしながら、回復ノーツNT−Rは、例えば進行中の音楽ゲームにおけるこれまでのタイミング操作の履歴に基づいて事後的に出現時刻と出現パターンが生成され、生成された出現時刻と出現パターンに従って出現されるようにしてもよい。
【0119】
〔第4変形例〕
上記各実施形態において、音楽ゲームの進行中において「0」となった体力値は、所定時間が経過したことに応じて復活する場合を例に挙げた。しかしながら、例えば回復ノーツNT−Rに準じて、「0」となった体力値を復活させる機能を有する復活ノーツを出現させてもよい。復活ノーツを出現させるにあたっては、例えば体力値が「0」となっていないタイミング操作の受け付けが可能なタイミング操作領域TARのいずれかに到達するように出現させてよい。この場合、復活ノーツに対するタイミング操作の評価結果が一定以上に良好であれば、「0」となっていた体力値が所定値にまで復活し、対応のタイミング操作領域TARはタイミング操作を受け付け不可の状態から受け付け可能な状態に戻る。あるいは、復活ノーツに限定して、「0」の体力値に対応するタイミング操作領域TARに対する操作が受け付け可能となるようにしてもよい。
【0120】
〔第5変形例〕
上記各実施形態において、体力値が「0」となった状態のもとでは、対応のタイミング操作領域TARにはシーケンスデータに従ってノーツNTが到達してくるが、到達してくるノーツNTに対するタイミング操作が受け付けられないという例を挙げた。
しかしながら、本変形例として、ゲーム装置は、例えば体力値が「0」の状態となった場合、シーケンスデータでは対応のタイミング操作領域TARに到達するように指定されているノーツNTについて、タイミング操作の受け付けが可能な他のタイミング操作領域TARに到達するように、制御を行ってよい。
【0121】
〔第6変形例〕
上記各実施形態においては、全てのタイミング操作領域TARに対応付けられたキャラクタの体力値が「0」となるとゲームオーバーとなるようにされていた。しかしながら、本変形例としては、例えば、全てのタイミング操作領域TARのうちの一部の所定数のタイミング操作領域TARに対応付けられたキャラクタの体力値が「0」となるとゲームオーバーとなるようにされてよい。具体的に、先の各実施形態のようにタイミング操作領域TARが全部で5つである場合において、例えば5つのうちの3つに対応するキャラクタの体力値が「0」となるとゲームオーバーとなるようにすることができる。
【0122】
音楽ゲームのプレイの技量はユーザによって大きくばらつきがあり、同じ音楽ゲームをプレイするにあたっても技量に応じて目標が異なることがある。例えば、非常に技量の高いユーザであれば全てのタイミング操作について「Perfect」の評価結果を得ることが目標となる。また、あまり技量の高くないユーザであれば、1曲を通して最後までプレイする(即ち、音楽ゲームをクリアする)ことが目標となる。楽曲や1楽曲あたりの難易度を多様に用意すれば、ユーザの技量に幅広く対応できる。
しかしながら、楽曲や1楽曲あたりの難易度を多様に用意することは、音楽ゲームの制作者の負担になるという側面もある。この点を考慮すれば、楽曲や難易度のバリエーションを抑えつつ、ユーザの技量に幅広く対応できるようにすることが好ましい。
そこで、本変形例のようにすれば、例えばゲームオーバーとなるまでに「0」となることが許容される体力値の数が、タイミング操作領域TARの総数よりも少なくなることから、この点で、楽曲自体の難易度を高くしなくとも、難易度が高くなるといえる。一方で、体力値が「0」となってタイミング操作が不可となるタイミング操作領域TARが増えてくるのにつれ、タイミング操作に注意を払うべきタイミング操作領域TARの数が減ってくることから、この点では、音楽ゲームのクリアを目指すようなユーザにとっての難易度は低くなるといえる。即ち、本変形例によっては、ノーツNTの出現自体に基づく或る1つの難易度により、ユーザの技量に比較的幅広く対応することが可能になる。これにより、楽曲や難易度のバリエーションを抑えながらも幅広い技量のユーザに対応する音楽ゲームを提供できる。
【0123】
なお、上述のゲーム装置10、10A、10B、10Cの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりゲーム装置10、10A、10B、10Cなどとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD−ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0124】
[付記]
以上の記載から本発明は例えば以下のように把握される。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を便宜的に括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の態様に限定されるものではない。
【0125】
〔付記1〕
本発明の一態様に係るゲーム装置(10、10A、10B、10C)は、ゲーム(例えば、音楽ゲーム)において操作タイミングが判定される複数の判定位置(例えば、タイミング操作領域TAR)ごとに個別に対応付けられ、所定の定義付けが為された定義値の初期値のそれぞれを、前記判定位置ごとに対応付けられた所定のパラメータ値に基づいて導出する定義値導出部(122、S106、S1106、S2106、S3106)と、所定の評価基準タイミングと前記判定位置に対する操作タイミングとの一致度を評価する評価部(123、S124)と、前記評価部によって所定の水準を満たさないとの低評価結果(例えば、「Bad」の評価結果)が得られた場合に、当該低評価結果が得られた判定位置に対応付けられた定義値を減少させる定義値制御部(124、124A、124B、124C、S136)とを備える。
【0126】
上記構成によれば、ユーザは、ゲームをプレイするにあたり、複数の判定位置に対して操作を行うようにされる。また、ゲームにおいては、判定位置ごとに個別に定義値が設定される。判定位置ごとに個別に設定された定義値は、対応の判定位置に対するタイミング操作について例えば最低の評価結果が得られることに応じて、個別に減少していくようにされる。
このため、本実施形態においては、例えば複数の判定位置に対して共通となる1つの定義値が設定される場合と比較して、ユーザは、それぞれの判定位置における定義値の減少に気を配りながらゲームをプレイしていくことができる。これにより、ユーザはプレイに対する緊張感を保つことが可能になる。
できる。
【0127】
〔付記2〕
本発明の一態様は、付記1に記載のゲーム装置であって、前記定義値導出部は、前記定義値として、前記判定位置ごとに対応付けられたキャラクタごとの所定の属性に対応するパラメータ値(例えば、属性値)に基づいて体力値の初期値を導出する。
【0128】
上記構成によれば、複数の判定位置ごとにキャラクタが設定される。そのうえで、判定位置ごとの体力値の初期値は、それぞれキャラクタが有する所定の属性情報が示す属性値に基づいて決まる。つまり、判定位置ごとの体力値の初期値は、属性値に応じたキャラクタの個性に応じてそれぞれが異なるように設定される。このように、ゲームにおけるキャラクタの個性が体力値の初期値に反映されるようにすることで、ゲームにおいてキャラクタの個性を有効に活用できることになり、ゲームの興趣性が高まる。
【0129】
〔付記3〕
本発明の一態様は、付記1または2に記載のゲーム装置であって、前記定義値制御部は、前記低評価結果が得られるごとに、当該低評価結果が得られた判定位置に対応付けられた定義値を、所定の減少量により減少させる(S136)。
【0130】
上記構成によれば、各判定位置の定義値は、対応の判定位置に対する操作について低評価結果が得られるごとに、所定の減少量ずつ減少されていくようにすることができる。
【0131】
〔付記4〕
本発明の一態様は、付記3に記載のゲーム装置であって、前記複数の判定位置のうちの少なくとも一部に対応する減少量は、予め定められた一定値である(S136)。
【0132】
上記構成によれば、各判定位置の定義値は、対応の判定位置に対する操作について「Bad」の評価結果が得られるごとに、予め定められた一定値ずつ減少されていくようにすることができる。
【0133】
〔付記5〕
本発明の一態様は、付記3または4に記載のゲーム装置であって、前記定義値制御部は、ゲームの開始から終了までにおいて前記判定位置にて操作タイミングの評価が行われる評価対象回数(評価基準タイミング数)に基づいて、前記判定位置に対応する前記減少量を設定する(S1118〜S1222)。
【0134】
上記構成によれば、判定位置ごとに、対応の定義値の初期値と評価基準タイミング数に基づいて減少量が設定される。これにより、定義値の初期値と評価基準タイミング数により生じる判定位置間での難易度のばらつきの抑制が図られる。
【0135】
〔付記6〕
本発明の一態様は、付記5に記載のゲーム装置であって、前記定義値制御部は、前記定義値を前記評価対象回数よりも少ない数で除算して求められる値に基づいて、前記判定位置に対応する前記減少量を設定する(S1222)。
【0136】
上記構成によれば、1つの判定位置に対応して、評価基準タイミング数よりも少ない所定回数の低評価結果が得られた場合には、ゲームの進行途中において対応の定義値が一定以下(例えば「0」)となる。換言すれば、1つの判定位置に対応する全ての評価基準タイミングに対する操作が低評価結果となっても対応の定義値がゲーム進行途中で定義値が一定以下とならない、という不具合が生じない。これにより、ユーザは、ゲームの進行途中において定義値が一定以下とならないように意識してプレイを行うことになり、この点でもプレイに対する緊張感が維持されることになり、ゲームの興趣性も高まる。
【0137】
〔付記7〕
本発明の一態様は、付記3から6のいずれか1つに記載のゲーム装置であって、前記定義値制御部は、前記判定位置に対応付けられたキャラクタに設定された所定の属性値に基づいて前記減少量を設定する(S2118、S2120)。
【0138】
上記構成によれば、判定位置ごとに対応付けられたキャラクタの体力値に対する減少量が、対応のキャラクタの個性に応じて設定されることになる。これにより、1回の低評価結果が得られた場合の定義値の減少の度合いがキャラクタの個性に応じて決まることになる。これにより、ゲームにおいてキャラクタの個性を有効に活用できることになり、ゲームの興趣性が高まる。
【0139】
〔付記8〕
本発明の一態様は、付記3から7のいずれか1つに記載のゲーム装置であって、前記定義値制御部は、前記評価部による評価が行われるゲームの難易度に基づいて、前記減少量を設定する(S3118、S3120)。
【0140】
上記構成によれば、例えばシーケンスデータに基づく評価基準タイミングの設定により決まる難易度に応じて定義値に対する減少量が設定されることから、例えばゲームにおける総合的な難易度が適切となるように調整され、ゲームの興趣性を高めることが可能になる。
【0141】
〔付記9〕
本発明の一態様は、付記3から8のいずれか1つに記載のゲーム装置であって、前記評価部は、対応の前記定義値が一定以下(例えば、「0」)となった前記判定位置については評価対象から除外する(S156)。
【0142】
上記構成によれば、複数の判定位置のうちで、対応の定義値が一定以下となった判定位置については操作を行っても、操作に対する評価が行われないようにできる。つまり、対応の定義値が一定以下となった判定位置に対する操作の受け付けを不可に設定できる。これにより、本実施形態においては、例えばゲームの進行において、操作を行える判定位置と操作を行えない判定位置とがともにあるような状態となる。これにより、ユーザとしては、例えば操作が不可となる判定位置を極力つくらないように気を配りながらプレイするようになり、プレイの緊張感をさらに維持しやすくなる。
【0143】
〔付記10〕
本発明の一態様は、付記1から9のいずれか1つに記載のゲーム装置であって、前記定義値制御部は、所定の判定位置に対応する前記定義値の増加の機能が対応付けられた評価基準タイミング(例えば、回復ノーツNT−R)に対する操作タイミングについて一定の水準以上との評価結果が得られた場合に、前記所定の判定位置に対応する定義値を増加させる(S132)。
【0144】
上記構成によれば、ゲームの進行のもとで前記定義値の増加の機能が対応付けられた評価基準タイミングが到来した場合、ユーザが当該評価基準タイミングに対応して操作を上手に行えば、当該評価基準タイミングに対応の判定位置の定義値を増加させることができる。つまり、定義値の復活が可能になる。この場合、ユーザは、ゲームの進行のもとで、当該評価基準タイミングが出現することを期待し、当該評価基準タイミングが出現した場合には、できるだけ上手に当該評価基準タイミングに対する操作を行おうとする。これにより、ゲームとしての面白味が増すことになる。
【0145】
〔付記11〕
本発明の一態様は、コンピュータを、付記1から10のいずれか一項に記載のゲーム装置の各部として機能させるためのプログラムである。
【符号の説明】
【0146】
10,10A,10B,10C ゲーム装置、110 タッチパネル、111 表示部、112 操作入力部、120,120A,120B,120C ゲーム制御部、121 表示制御部、122 定義値導出部、123 評価部、124,124A、124B、124C 定義値制御部、130 記憶部、131 楽曲データ記憶部、132 シーケンスデータ記憶部、133 音源データ記憶部、140 音響出力部
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