(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
【0012】
(第1の実施形態)
以下では、本発明の第1の実施形態の回転装置および遊技機について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の回転装置の構成を示す模式的な正面図である。
図2は、本発明の第1の実施形態の遊技機の構成を示す模式的な斜視図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態の回転装置1Aは、駆動モータ2、駆動ギヤ3、減速ギヤ4、コイルバネ7、およびリール5を備える。
【0014】
駆動モータ2は、駆動軸2aを回転させるモータである。例えば、駆動モータ2は、安価な誘導電動機の一つであるPM(Permanent Magnet)モータであってもよい。駆動モータ2は、所定の回転角ごとに停止可能なステッピングモータであってもよい。駆動モータ2は、不図示の制御回路に電気的に接続される。この制御回路は、駆動モータ2の回転を制御する。
駆動モータ2には、図示略のケーブルを介して電力および制御信号が供給される。
【0015】
駆動ギヤ3は、駆動モータ2の駆動軸2aに固定されている。駆動ギヤ3の種類は特に限定されない。例えば、駆動ギヤ3は平歯車が用いられてもよい。
駆動モータ2および駆動ギヤ3は、後述する減速ギヤ4に駆動力を伝達する。駆動モータ2および駆動ギヤ3は、駆動機構と呼ばれることもある(各実施形態共通)。
【0016】
減速ギヤ4は、駆動ギヤ3と噛み合う。減速ギヤ4は、駆動モータ2による駆動ギヤ3の回転を減速して後述するリール5に伝達する。減速ギヤ4の中心部には、中心軸線に沿って貫通する貫通孔を有するボス4fが形成されている。ボス4fの貫通孔には、貫通孔と相対回転可能に嵌合する回転軸6が挿通されている。回転軸6は、図示略の装置本体に固定されている。回転軸6は、減速ギヤ4を回転可能に支持する。減速ギヤ4は、駆動ギヤ3を介して駆動モータ2によって駆動される。
減速ギヤ4は、第1の回転体と呼ばれることもある。
【0017】
減速ギヤ4の周辺部においてギヤ歯よりも内側には、減速ギヤ4の回転中心を挟んで対向する位置にガイド溝4a、4bが減速ギヤ4の厚さ方向に貫通している。本実施形態では、一例として、ガイド溝4a、4bの形状、配置位置は、減速ギヤ4の回転中心軸線に沿う方向から見て、回転中心軸線に関して180°回転対称になっている。
ただし、ガイド溝4a、4bの配置位置は、このような180°回転対称な位置からずれていてもよい。
ガイド溝4a、4bは、減速ギヤ4の中心と同心の円弧上に延びている。ガイド溝4a、4bの周方向における長さは互いに等しい。ガイド溝4a、4bには、それぞれ後述するストッパ5a、5bが貫入している。ガイド溝4a、4bは、後述するストッパ5a、5bを周方向においてスライド移動可能に案内する。
【0018】
減速ギヤ4においてガイド溝4aから周方向に離間した位置には、後述するコイルバネ7の第1端部7aを係合する係合部4cが形成されている。
図1に示す例では、係合部4cは、ガイド溝4aから図示時計回りにほぼ90°回転した位置に形成されている。
係合部4cの形状は、後述するコイルバネ7の第1端部7aの位置を固定することができれば限定されない。係合部4cは、例えば、穴、突起などで構成されてもよい。係合部4cは1箇所に設けられてもよい。係合部4cは、ガイド溝4aからの距離が異なる複数の位置に設けられてもよい。
図1に示す例では、係合部4cは、ガイド溝4aからの距離がそれぞれ異なる位置に合計3個設けられている。
図1に示す例では、各係合部4cは減速ギヤ4の厚さ方向に貫通する貫通孔である。
【0019】
コイルバネ7は、第1端部7aと、第2端部7bと、第1端部7aと第2端部7bとの間に形成されたバネ部7cとを有する。
第1端部7aは減速ギヤ4の係合部4cに固定されている。第2端部7bは後述するリール5のストッパ5aと固定されている。第1端部7a、第2端部7bの形状は、それぞれ係合部4c、後述するストッパ5aと固定できれば限定されない。
図1に示す例では、第1端部7aは、貫通孔である係合部4cに挿入されるフックである。詳細の図示は省略するが、例えば、第2端部7bは、後述するストッパ5aに貫通して設けられた固定穴に挿入されるフックで構成されてもよい。
バネ部7cは、第1端部7aと第2端部7bとの相対変位に応じて弾性変形する。バネ部7cの弾性変形のために発生した弾性復元力は、第1端部7aおよび第2端部7bを介して減速ギヤ4および後述するリール5にそれぞれ作用する。
コイルバネ7は、バネ部7cが自然状態よりも伸ばされた状態で、第1端部7aが係合部4cに、第2端部7bが後述するストッパ5aとそれぞれ係合されている。第1端部7aが係合する係合部4cの位置を変えると、係合部4cからストッパ5aまでの距離に応じて、コイルバネ7の伸び量が変化する。このため、第1端部7aが係合する係合部4cを適宜選択することによって、コイルバネ7の弾性復元力を変えることができる。
以下では、減速ギヤ4およびリール5が停止した状態においてコイルバネ7の設定された弾性復元力をコイルバネ7の「初期荷重」と称する。
【0020】
コイルバネ7は、バネ部7cを有するため、弾性変形部材と呼ばれることもある。
このような構成によりコイルバネ7は、減速ギヤ4と後述するリール5とを互いに相対変位可能に連結している。
【0021】
リール5は、中心部5f、外周部5d、および支持部5eを備える。
中心部5fは、
図1において減速ギヤ4の裏側に配された円板状部材である。中心部5fの外形は、減速ギヤ4と略同様の大きさを有する。中心部5fの中心には、回転軸6が貫通している。中心部5fは、回転軸6によって回転可能に支持されている。
中心部5fには、減速ギヤ4のガイド溝4a、4bに貫入するストッパ5a、5bが設けられている。ストッパ5a、5bは、中心部5fに直接的に形成されていてもよい。あるいは、ストッパ5a、5bは、別部材が中心部5fに固定されて形成されてもよい。
【0022】
ストッパ5a(5b)は、ガイド溝4a(4b)に沿って径方向にスライド移動可能な突起を有する。ストッパ5a(5b)の突出方向における先端には、ガイド溝4a(4b)の辺縁部に係止する係止爪が形成されていてもよい。この係止爪は、回転軸6に沿う方向(
図1の紙面垂直方向)における減速ギヤ4と中心部5fとの距離を一定に保つ。
ストッパ5a(5b)は、ガイド溝4a(4b)に対する周方向における遊びの大きさの範囲で減速ギヤ4と相対回転変位可能である。
図示は省略するが、ストッパ5aには、コイルバネ7の第2端部7bを係合する係合部が形成されている。このため、ストッパ5aは、コイルバネ7の第2端部7bから受ける弾性復元力の大きさおよび方向に応じて、ガイド溝4aの範囲内で周方向に移動することができる。
例えば、減速ギヤ4およびリール5が停止している状態では、ストッパ5aは、コイルバネ7によって引っ張られているため、図示時計回り方向におけるガイド溝4aの端部に当接している。この状態では、ストッパ5aと、図示反時計回り方向におけるガイド溝4aの端部との間には、スライド移動の可動域となる隙間(遊び)が生じている。
ストッパ5bとガイド溝4bとの関係も同様である。
【0023】
外周部5dは、中心部5fよりも大径の円筒状部材である。外周部5dと中心部5fとの間には、外周部5dと中心部5fとを連結する支持部5eが配されている。支持部5eは、外周部5dを回転軸6の中心軸線と同軸に支持する。支持部5eの形状は特に限定されない。
図1に示す例では、支持部5eは、中心部5fから外周部5dに向かって放射状に複数本延びている。
外周部5dの表面である外周面5cには、図形、記号、絵柄などの表示画像(以下、図柄という)が、例えば、印刷などを使用して描かれていてもよい。
【0024】
このような構成によれば、リール5はコイルバネ7を介して減速ギヤ4と連結されている。リール5は減速ギヤ4と連動して回転可能である。コイルバネ7は、減速ギヤ4とリール5とを互いに相対回転変位可能に連結している。リール5は、第2の回転体と呼ばれることもある。
減速ギヤ4とリール5とは、ガイド溝4a、4bとストッパ5a、5bとによっても連結されている。ガイド溝4a、4bとストッパ5a、5bとは、減速ギヤ4とリール5との互いの相対回転変位を規制している。
ガイド溝4a、4bとストッパ5a、5bとは、相対回転変位規制部と呼ばれることもある。
コイルバネ7、ガイド溝4a、4b、およびストッパ5a、5bは、連結部と呼ばれることもある。
【0025】
回転装置1Aには、リール5の回転位置のホームポジションを検知するため、図示略の位置検出センサが設けられていてもよい。例えば、位置検出センサとしては、例えば、装置本体に設けられたフォトインタラプタと、リール5に設けられた遮蔽板との組み合わせが用いられてもよい。
【0026】
このような構成の回転装置1Aによれば、駆動モータ2が駆動されると、駆動ギヤ3から減速ギヤ4に駆動力が伝達される。減速ギヤ4の回転は、減速ギヤ4とリール5との間の連結部を介してリール5に伝達される。このとき、駆動モータ2の回転条件によっては、連結部の作用によってリール5の回転動作が減速ギヤ4の回転動作から変化する。この動作の詳細については後述する。
回転装置1Aの用途は特に限定されない。例えば、回転装置1Aは、
図2に示すような回胴式遊技機50Aの一部として用いられてもよい。
【0027】
回胴式遊技機50Aは、回転装置1Aを用いることができる本実施形態の遊技機の一例である。
回胴式遊技機50Aの内部には、回転装置1Aが3つ配置されている。
回胴式遊技機50Aは、前面扉52を開閉可能に軸支するキャビネット51を有する。キャビネット51には、液晶表示装置53と、表示窓54と、張出部55と、腰部パネル56と、メダル払出口57とが、配されている。
張出部55の上面には、MAX−BETボタン58と、メダル投入口59とが配されている。張出部55の前面には、スタートレバー60と、左停止ボタン61と、中停止ボタン62と、右停止ボタン63とが配されている。
【0028】
回胴式遊技機50Aは、キャビネット51内に、左リールユニット64と、中リールユニット65と、右リールユニット66と、を有している。左リールユニット64、中リールユニット65、および右リールユニット66は、それぞれ本実施形態の回転装置1Aを有している。
左リールユニット64、中リールユニット65、および右リールユニット66における各リール5の外周面5cには、周方向に沿って、20個あるいは21個程度の図柄が形成されている。
各外周面5cは、表示窓54を通して外部から図柄が見えるように、周方向における一部が表示窓54内に露出している。
【0029】
回胴式遊技機50Aは、例えば、MAX−BETボタン58、スタートレバー60、左停止ボタン61、中停止ボタン62、右停止ボタン63等の操作部からの操作に応じて、装置動作を制御する制御ユニット70を有している。
例えば、制御ユニット70は、少なくとも、回転装置1Aの駆動モータ2の回転動作を制御する。制御ユニット70には、上述した回転装置1Aの制御回路(図示略)が設けられていてもよい。
【0030】
回胴式遊技機50Aにおいては、スタートレバー60が操作されると、制御ユニット70は、左リールユニット64、中リールユニット65、および右リールユニット66における各リール5を回転させる。
例えば、左停止ボタン61が操作されると、制御ユニット70は、左リールユニット64のリール5の回転を停止する。同様にして、中停止ボタン62が操作されると中リールユニット65のリール5が、右停止ボタン63が操作されると右リールユニット66のリール5が、それぞれ停止する。
【0031】
回胴式遊技機50Aの動作について、回胴式遊技機50Aに含まれる回転装置1Aの動作を中心にして説明する。
図3(a)、(b)は、本発明の第1の回転装置の第1動作例の動作説明図である。
図4(a)、(b)、(c)、(d)は、同じく第2動作例の動作説明図である。
【0032】
遊技者は、メダル投入口59にメダルを投入して、遊技を開始する。遊技者がスタートレバー60を操作すると、制御ユニット70は、左リールユニット64、中リールユニット65、および右リールユニット66における各回転装置1Aの各リール5を回転させる。
遊技者は、左停止ボタン61、中停止ボタン62、および右停止ボタン63を適宜のタイミングで押す。制御ユニット70は、これらの押下を検知すると、それぞれに対応するリール5を停止させる。停止時に表示窓54に現れる図柄の配列が予め決められた役に合致すると、メダル払出口57からメダルが払い出される。
このため、遊技が行われる間、各リール5の回転動作は遊技者によって注視されている。各リール5の停止の図柄に応じて遊技の結果が判明するため、各リール5の回転動作に対する遊技者の関心は、特に各リール5の停止動作時に高まる。
このため、各リール5の回転動作は、定常的な回転の間は、安定して回転することが求められる。これに対して、停止に向かう回転動作では、遊技者の興趣を増大させるために、いわゆるバウンドストップのような回転動作が演出的に行われることが好ましい。バウンドストップとは、回転が停止するまでの間に回転方向が変化するバウンドを含む停止動作を意味する。バウンドストップにおいては、バウンド回数、バウンド振幅の減衰、バウンドの周期などを種々に設定することによって、回転動作に種々の変化をつけることができる。
【0033】
本実施形態の回転装置1Aでは、回転方向に応じて停止に向かう回転動作が異なる。以下では、リール5の2方向における回転を「正転」、「逆転」と称する。正面視の各動作説明図において、「正転」は図示時計回りで、「逆転」は図示反時計回りで、それぞれ表わされる。正転方向は第1の方向と呼ばれることもある。逆転方向は第2の方向と呼ばれることもある。
例えば、正転方向は遊技者から見てリール5が上から下に向かって回転する方向であってもよい。
本実施形態では、減速ギヤ4はリール5と同軸に配置されているため、減速ギヤ4の回転方向についても、リール5と同様の方向への回転を「正転」、「逆転」と称する。さらに、簡単のため、駆動モータ2の回転方向について言及する場合、減速ギヤ4の正転(逆転)を起こす回転方向を駆動モータ2の「正転(逆転)方向」とも称する。駆動モータ2の「正転(逆転)方向」は、本実施形態では、図示反時計回り(時計回り)である。
【0034】
(第1動作例)
図3(a)、(b)に示す第1動作例は、正転中のリール5が停止する動作を表す。
図3(a)、(b)は、見易さのため、駆動モータ2、駆動ギヤ3などの図示は省略されている(以下の動作説明図も同様。)。
図3(a)には、特に演出的な回転動作が行われない場合に、減速ギヤ4が正転している状態が示されている。制御ユニット70によって制御された駆動モータ2はその正転方向に滑らかに回転起動されて定速に達する。駆動モータ2の回転は駆動ギヤ3の正転方向に伝達される。以下では、特に断らない限り、駆動モータ2の回転動作は、特に演出的な回転動作を含まない。
本実施形態では、コイルバネ7の初期荷重は、正転動作中においてガイド溝4aに対してストッパ5aが逆転方向に相対回転しない大きさに設定されている。例えば、コイルバネ7の初期荷重は、リール5が受ける静止摩擦力に抗するトルクを与えられる大きさとされている。
減速ギヤ4が正転すると、コイルバネ7によってストッパ5aが正転方向に引っ張られてリール5が正転する。リール5が正転し始めると摩擦力等は低下する。このため、コイルバネ7を介してリール5が正転方向に引っ張られる状態が持続する。
このため、リール5の正転中、リール5のストッパ5aには、コイルバネ7から初期荷重が作用している。ストッパ5aは、停止時と同様、ガイド溝4aの正転方向(図示時計回り方向)における端部に当接している。
【0035】
図3(b)は、駆動モータ2が正転方向における回転をステップ的に停止した状態を示す。
減速ギヤ4は、駆動モータ2の回転停止とともに、正転を停止する。
リール5は、減速ギヤ4に比べて大きな回転慣性を有するため、さらに正転を続けようとする。しかし、リール5のストッパ5a、5bは、ガイド溝4a、4bの正転方向における端部に当接しているため、正転方向におけるリール5の回転位置は規制されている。
このため、減速ギヤ4が停止するとともに、リール5の正転も停止する。
回転装置1Aによれば、正転からの停止動作においては、リール5は揺動なしに停止する。
【0036】
(第2動作例)
図4(a)、(b)、(c)、(d)に示す第2動作例は、逆転中のリール5が停止する動作を表す。
図4(a)には、特に演出的な回転動作が行われない場合に、減速ギヤ4が逆転している状態が示されている。制御ユニット70によって制御された駆動モータ2はその逆転方向に滑らかに回転起動されて定速に達する。駆動モータ2の回転は駆動ギヤ3の逆転方向に伝達される。
減速ギヤ4が逆転すると、ガイド溝4a、4bにおける正転方向における端部から、ストッパ5a、5bに逆転方向における回転駆動力が伝達される。このため、リール5は、減速ギヤ4とともに逆転する。
【0037】
図4(b)は、駆動モータ2が、逆転方向における回転をステップ的に停止した状態を示す。
減速ギヤ4は、駆動モータ2の回転停止とともに、逆転を停止する。
リール5は、減速ギヤ4に比べて大きな回転慣性を有するため、図示白抜き矢印で示すように、さらに逆転を続けようとする。このとき、ガイド溝4a、4bの逆転方向における端部とストッパ5a、5bとの間には周方向に遊びがある。このため、ストッパ5a、5bは、この遊びの範囲で、逆転方向にスライド移動可能である。
このため、リール5の逆転はさらに継続する。ただし、リール5の逆転とともに、コイルバネ7が伸ばされて弾性復元力が増大する。コイルバネ7の弾性エネルギーの増分によってリール5の運動エネルギーが吸収されていく。リール5は減速され、
図4(c)に示すように、リール5の逆転が停止する。この状態でリール5のストッパ5aには、初期荷重よりも増大したコイルバネ7の弾性復元力が作用して、リール5が徐々に正転する。
【0038】
ただし、リール5の運動エネルギーによっては、ストッパ5a、5bがガイド溝4a、4bにおける逆転方向における端部に達しても、コイルバネ7の弾性エネルギーとして吸収できない場合もある。この場合には、ストッパ5a、5bは、ガイド溝4a、4bに逆転方向における端部からの反発力も加わって正転することになる。
【0039】
図4(d)に示すように、ストッパ5a、5bがガイド溝4a、4bの正転方向における端部に達すると、この端部によって正転方向における移動が規制されているため、リール5はこれ以上正転できない。
リール5の運動エネルギーが充分に小さい場合には、ストッパ5a、5bとガイド溝4a、4bとの衝突によって運動エネルギーが消散し、リール5の正転が停止する。
一方、リール5の運動エネルギーが衝突によっても消散しない場合は、ガイド溝4a、4bの正転方向における端部から反発力を受けて、リール5が逆転する。リール5が逆転すると、上述の動作が繰り返される。
このように、リール5は、その運動エネルギーが減衰しきるまで、ガイド溝4a、4bの遊びの範囲で揺動する。
このようにして、少なくとも1回の揺動を経て、リール5は停止し、
図4(d)に示す停止状態になる。
【0040】
このように、回転装置1Aの連結部は、減速ギヤ4が正転するときには減速ギヤ4とリール5とが一体的に回転し、減速ギヤ4が逆転するときにはリール5が減速ギヤ4に対して相対回転変位可能であるように、減速ギヤ4とリール5とを連結している。
【0041】
上述したように回転装置1Aでは、減速ギヤ4を逆転状態からステップ的に停止することにより、リール5が揺動しながら停止状態に到る。すなわち、駆動モータ2の駆動軸2aは揺動しないにも関わらず、リール5が揺動する。これにより、遊技者の興趣を増すことができるリール5のバウンドストップが実現される。
本実施形態では、駆動モータ2の逆転方向における回転をステップ的に停止させるという、逆転と停止との2つの動作だけで、リール5がバウンドストップする。
駆動モータ2をステップ的に停止させる制御は、バウンドストップの動作自体を駆動モータ2の回転によって実現する場合に比べて格段に安定した制御になる。例えば、駆動モータ2がステッピングモータの場合、複雑な励磁制御を行う必要がない。このため、駆動モータ2の回転が不安定になったり、脱調したりすることを防止できる。
【0042】
上述したように、本実施形態の回転装置1Aおよび回転装置1Aを備える回胴式遊技機50Aによれば、減速ギヤ4とリール5とが相対回転変位規制部を有する連結部によって連結されている。このため、回転装置1Aは、駆動機構の動作の安定性に影響することなくリール5の回転動作に変化をつけることができる。
【0043】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の回転装置および遊技機について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態の回転装置の構成を示す模式的な正面図である。
【0044】
図2に示すように、本実施形態の回胴式遊技機50B(遊技機)は、上記第1の実施形態の回転装置1Aに代えて、回転装置1Bを備える。
図5に示すように、本実施形態の回転装置1Bは、上記第1の実施形態の回転装置1Aのリール5、コイルバネ7に代えて、リール15、コイルバネ17を備え、さらに中間連結部材19、コイルバネ18が追加して構成される。
上記第1の実施形態の回転装置1Aでは、連結部の弾性変形部材が、1本のコイルバネ7で構成されていたのに対して、本実施形態では、連結部の弾性変形部材がコイルバネ17、18の2本からなる。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0045】
リール15は、上記第1の実施形態におけるリール5のストッパ5a、5bに代えて、ストッパ15a、15bを備える。
ストッパ15a、15bは、後述する中間連結部材19のガイド溝19c、19dに貫入される突起である以外は、上記第1の実施形態におけるストッパ5a、5bと同様の構成を有する。ストッパ15aには、後述するコイルバネ18の第2端部18bと係合する係合部(図示略)が形成されている。この係合部は、ストッパ5aの係合部(図示略)と同様の構成であってもよい。
中心部5f上におけるストッパ15a、15bの配置位置は、後述する中間連結部材19のガイド溝19c、19dに貫入可能であれば限定されない。
図5に示す例では、中心部5fの中心軸線を挟んで対向する位置であって、減速ギヤ4のガイド溝4a、4bよりも内側に位置している。しかし、ストッパ15a、15bは、ガイド溝4a、4bに重なる領域に配置されていてもよい。
【0046】
コイルバネ17(18)は、上記第1の実施形態のコイルバネ7と同様、第1端部7a、バネ部7c、および第2端部7bに対応して、第1端部17a(18a)、バネ部17c(18c)、および第2端部17b(18b)を備える。
コイルバネ17(18)は、バネ部17c(18c)を有するため、弾性変形部材と呼ばれることもある。
【0047】
コイルバネ17は、減速ギヤ4と後述する中間連結部材19とを連結する。
第1端部17aは、第1端部7aと同様の構成を有している。第1端部17aは、係合部4cに係合される。
第2端部17bは、第2端部7bと同様の構成を有している。第2端部17bは、ガイド溝4aから突出する後述する中間連結部材19のストッパ19aの係合部(図示略)と係合される。
【0048】
コイルバネ18は、後述する中間連結部材19とリール15とを連結する。
第1端部18aは、第1端部7aと同様の構成を有している。第1端部18aは、後述する中間連結部材19の係合部19eに係合される。
第2端部18bは、第2端部7bと同様の構成を有している。第2端部18bは、後述する中間連結部材19のガイド溝19cから突出するストッパ15aの係合部(図示略)と係合される。
【0049】
コイルバネ17のバネ部17cのバネ定数は、コイルバネ18のバネ部18cのバネ定数よりも小さい。
【0050】
中間連結部材19は、減速ギヤ4と中心部5fとの間に挟まれている。中間連結部材19は、例えば、略円板状の外形を有する。中間連結部材19は、中心部5fに対して減速ギヤ4を平行に支持した状態で、減速ギヤ4に対してリール15を相対回転変位可能に連結する。
中間連結部材19の中心部には、回転軸6が挿通された貫通孔が設けられている。このため、中間連結部材19は、減速ギヤ4または中心部5fとともに回転軸6回りに回転可能である。
【0051】
中間連結部材19は、ストッパ19a、19b、ガイド溝19c、19d、および係合部19eを備える。
ストッパ19a、19bは、上記第1の実施形態におけるストッパ5a、5bと同様の構成を有する。ストッパ19aは、ストッパ5aと同様、図示略の係合部も備える。この係合部には、第2端部17bが係合されている。
ストッパ19a、19bは、中間連結部材19において減速ギヤ4と対向する面において、上記第1の実施形態におけるストッパ5a、5bと同様の位置に配置される。
ただし、本実施形態におけるストッパ19a(19b)と、ガイド溝4a(4b)との間の遊びの量は、上記第1の実施形態におけるストッパ5a(5b)と、ガイド溝4a(4b)との間の遊びの量と異なっていてもよい。上記第1の実施形態と遊びの量を変える場合、ストッパ19a(19b)の周方向における長さおよびガイド溝4a(4b)の周方向における長さのうちいずれが変えられてもよい。
【0052】
ガイド溝19c、19dは、リール15において中心部5fから突出されたストッパ15a、15bが貫入する以外は、減速ギヤ4におけるガイド溝4a、4bと同様の構成を有する。
ただし、本実施形態におけるストッパ15a(15b)と、ガイド溝19c(19d)との間の遊びの量は、上記第1の実施形態におけるストッパ5a(5b)と、ガイド溝4a(4b)との間の遊びの量と異なっていてもよい。上記第1の実施形態と遊びの量を変える場合、ストッパ15a(15b)の周方向における長さおよびガイド溝19c(19d)の周方向における長さのうちいずれが変えられてもよい。
中間連結部材19におけるガイド溝19c、19dは、ストッパ15a、15bの配置位置に対応する適宜の位置に形成されればよい。
図5に示す例では、ガイド溝19c、19dは、中心部5fの中心軸線を挟んで対向する位置であって、減速ギヤ4のガイド溝4a、4bよりも内側に位置している。
【0053】
係合部19eは、コイルバネ18の第1端部18aを係合する。係合部19eは、ガイド溝19cから周方向に離間した位置に形成されている。
図5に示す例では、係合部19eは、ガイド溝19cから図示時計回りにほぼ90°回転した位置に形成されている。
係合部19eの形状は、コイルバネ18の第1端部18aの位置を固定することができれば限定されない。例えば、係合部19eは、上記第1の実施形態における係合部4cと同様の構成を有していてもよい。
図5に示す例では、係合部19eは、ガイド溝19cからの距離がそれぞれ異なる位置に合計3個設けられている。
【0054】
このような構成により、減速ギヤ4と中間連結部材19とは、コイルバネ17を介して、上記第1の実施形態における減速ギヤ4とリール5と同様に連結されている。中間連結部材19とリール15とは、コイルバネ18を介して、上記第1の実施形態における減速ギヤ4とリール5と同様に連結されている。リール15は減速ギヤ4と連動して回転可能である。
このため、減速ギヤ4とリール15とは、周方向においてコイルバネ17、18が直列状態に配置されて連結されていることに相当する。
リール15は、第2の回転体と呼ばれることもある。
【0055】
減速ギヤ4とリール15との間には、周方向において、ガイド溝4a(4b)とストッパ19a(19b)との間の第1の遊びと、ガイド溝19c(19d)とストッパ15a(15b)との間の第2の遊びとが形成されている。
減速ギヤ4とリール15とは、ガイド溝4a、4bとストッパ19a、19bとによる相対回転変位の第1の規制と、ガイド溝19c、19dとストッパ15a、15bとによる相対回転変位の第2の規制との両方を受ける。
ガイド溝4a、4b、19c、19d、ストッパ19a、19b、15a、15bは、全体として相対回転変位規制部と呼ばれることもある。さらに、ガイド溝4a、4bとストッパ19a、19bは、第1の相対回転変位規制部、ガイド溝19c、19dとストッパ15a、15bとは、第2の相対回転変位規制部と呼ばれることもある。
【0056】
コイルバネ17、18、ガイド溝4a、4b、19c、19d、およびストッパ15a、15b、19a、19bは、連結部と呼ばれることもある。
本実施形態において、連結部は、2自由度振動系によって構成されている。
【0057】
回胴式遊技機50Bの動作について、回胴式遊技機50Bに含まれる回転装置1Bの動作を中心にして説明する。
図6(a)、(b)は、本発明の第2の回転装置の第3動作例の動作説明図である。
図7(a)、(b)、(c)、(d)は、同じく第4動作例の動作説明図である。
図8(a)、(b)、(c)、(d)は、同じく第5動作例の動作説明図である。
【0058】
本実施形態の回転装置1Bにおいても、上記第1の実施形態と同様、回転方向に応じて停止に向かう回転動作が異なる。ただし、減速ギヤ4とリール15とがコイルバネ17、18を介して連結されているため、リール15の回転動作は、上記第1の実施形態よりもさらに変化に富んだ動作になる。
【0059】
(第3動作例)
図6(a)、(b)に示す第3動作例は、正転中のリール15が停止する動作を表す。
図6(a)には、特に演出的な回転動作が行われない場合に、上記第1の実施形態の第1動作例と同様、減速ギヤ4が正転している状態が示されている。
本実施形態では、コイルバネ17の初期荷重は、正転動作中においてガイド溝4aに対してストッパ19aが逆転方向に相対回転しない大きさに設定されている。同様に、コイルバネ18の初期荷重も、正転動作中においてガイド溝19cに対してストッパ15aが逆転方向に相対回転しない大きさに設定されている。例えば、コイルバネ17、18の初期荷重は、リール15が受ける静止摩擦力に抗するトルクを与えられる大きさとされている。
減速ギヤ4が正転すると、コイルバネ17によって中間連結部材19のストッパ19aが引っ張られて中間連結部材19が正転する。中間連結部材19が正転し始めると、中間連結部材19に係合されたコイルバネ18によってリール15のストッパ15aが正転方向に引っ張られてリール15が正転する。リール15が正転し始めると摩擦力等は低下する。このため、コイルバネ17、18を介してリール15が正転方向に引っ張られる状態が持続する。
このため、リール15の正転中、ストッパ19a、15aには、それぞれコイルバネ17、18からそれぞれの初期荷重が作用している。ストッパ19a、15aは、停止時と同様、それぞれガイド溝4a、19cの正転方向(図示時計回り方向)における端部に当接している。
【0060】
図6(b)は、駆動モータ2が正転方向における回転をステップ的に停止した状態を示す。
減速ギヤ4は、駆動モータ2の回転停止とともに、正転を停止する。
リール15は、減速ギヤ4に比べて大きな回転慣性を有するため、さらに正転を続けようとする。しかし、リール15はストッパ15a、15bを介して、ガイド溝19c、19dの正転方向における端部に当接している。さらに中間連結部材19はストッパ19a、19bを介して、ガイド溝4a、4bの正転方向における端部に当接している。この結果、正転方向におけるリール5および中間連結部材19の各回転位置が規制されている。
このため、減速ギヤ4が停止するとともに、リール15の正転も停止する。
回転装置1Bによれば、正転からの停止動作においては、上記第1の実施形態と同様、リール15は揺動なしに停止する。
【0061】
(第4動作例)
図7(a)、(b)、(c)、(d)に示す第4動作例は、逆転中のリール15が停止する動作を表す。本実施形態では、ストッパ19a、15a、ガイド溝4a、19cに関連して起こる動作は、それぞれ対応するストッパ19b、15b、ガイド溝4b、19dにも同様な動作が発生する。
以下では、簡単のため、ストッパ19b、15b、ガイド溝4b、19dに関連する動作の説明を省略する場合がある。
【0062】
図7(a)には、特に演出的な回転動作が行われない場合に、上記第1の実施形態の第2動作例と同様、減速ギヤ4が逆転している状態が示されている。
第4動作例では、逆転の回転速度が比較的低い場合について説明する。この場合、リール15の回転の運動エネルギーが比較的小さいため、リール15の逆転は、主としてコイルバネ17が伸長することによって制止可能になる。このため、コイルバネ18はほとんど伸長しない。
例えば、逆転の回転速度が所定値よりも低い第1の回転速度の場合、バネ定数がコイルバネ17に比べて大きなコイルバネ18は、逆転からの停止動作の間、リール15と中間連結部材19とをほぼ一体的に連結し、リール15と減速ギヤ4との間の相対回転変位が、実質的に減速ギヤ4と中間連結部材19との間で生じる状態になる。
第4動作例では、減速ギヤ4がこのような第1の回転速度で回転される。
【0063】
減速ギヤ4が逆転すると、ガイド溝4a、4bにおける正転方向における端部から、中間連結部材19のストッパ19a、19bに逆転方向における回転駆動力が伝達される。さらに、ガイド溝19c、19dにおける正転方向における端部から、リール15のストッパ15a、15bに逆転方向における回転駆動力が伝達される。このため、リール15は、減速ギヤ4とともに逆転する。
【0064】
図7(b)は、駆動モータ2が、逆転方向における第1の回転速度による回転をステップ的に停止した状態を示す。
減速ギヤ4は、駆動モータ2の回転停止とともに、逆転を停止する。
リール15は、減速ギヤ4に比べて大きな回転慣性を有するため、図示白抜き矢印で示すように、さらに逆転を続けようとする。
このとき、ガイド溝4a、4bの逆転方向における端部と中間連結部材19のストッパ19a、19bとの間には周方向に遊びがある。ガイド溝19c、19dの逆転方向における端部とリール15のストッパ15a、15bとの間には周方向に遊びがある。このため、ストッパ19a、19b、15a、15bは、ガイド溝4a、4b、19c、19dのそれぞれの遊びの範囲で、逆転方向にスライド移動可能である。
【0065】
コイルバネ18の連結力はコイルバネ17の連結力よりも大きいため、第1の回転速度においては、ストッパ15a、15bのスライド移動はほとんど発生しない。
これに対して、コイルバネ17の連結力はコイルバネ18よりも小さいため、第1の回転速度においては、ストッパ19a、19bよりも、ストッパ15a、15bのスライド移動量が大きくなる。
このため、減速ギヤ4の停止後は、主としてコイルバネ17の伸長によって、リール15の逆転が継続する。
図7(c)に示すように、上記第1の実施形態の第2動作例と同様、コイルバネ17、18の弾性エネルギーの増分によってリール15の運動エネルギーが吸収されると、リール15の逆転が停止する。本動作例のように、第1の回転速度からの停止動作では、実質的にコイルバネ17の伸長による弾性エネルギーが増加する。すなわち、ストッパ19aは、ガイド溝4aにおいて逆転方向における端部寄りに移動しているのに対して、ストッパ15aは、ガイド溝19cにおいて正転方向における端部寄りに位置している。
【0066】
リール15の逆転が停止すると、主としてコイルバネ17の弾性復元力が作用して、リール15が徐々に正転する。
図7(d)に示すように、ストッパ19a、15aの両方がガイド溝4a、19cの正転方向における端部に達すると、リール15はこれ以上正転できない。
このため、上記第1の実施形態における第2動作例と同様に、リール15の運動エネルギーに応じて、リール15が逆転または停止する。リール15が逆転すると、上述の動作が繰り返される。
このように、リール15は、その運動エネルギーが減衰しきるまで、主としてガイド溝4a、4bにおける第1の遊びの範囲で揺動する。
このようにして、少なくとも1回の揺動を経て、リール15は停止し、
図7(d)に示す停止状態になる。
【0067】
このように、第3、第4動作例は、連結部がコイルバネ17、18を有している場合において、逆転からの停止時に、実質的にコイルバネ17の伸縮によってリール15の揺動が生じる場合の例になっている。このため、第3、第4動作例は、上記第1の実施形態における第1、第2動作例と略同様の動作になっている。
【0068】
(第5動作例)
図8(a)、(b)、(c)、(d)に示す第5動作例は、逆転中のリール15が停止する動作を表す。ただし、簡単のため、ストッパ19b、15b、ガイド溝4b、19dの図示は省略している。
図8(a)には、特に演出的な回転動作が行われない場合に、上記第1の実施形態の第2動作例と同様、減速ギヤ4が逆転している状態が示されている。
第5動作例では、逆転の回転速度が比較的高い場合について説明する。この場合、リール15の回転の運動エネルギーが比較的大きいため、リール15の逆転は、コイルバネ17、18の両方が伸長するによって制止可能になる。
例えば、逆転の回転速度が所定値よりも高い第2の回転速度の場合、逆転からの停止動作において、コイルバネ17、18の両方が伸長し、リール15と減速ギヤ4との間の相対回転変位が、減速ギヤ4と中間連結部材19との間および中間連結部材19とリール15との間で生じる状態になる。
第5動作例では、減速ギヤ4がこのような第2の回転速度で回転される。以下、上記第4動作例と異なる点を中心に説明する。
【0069】
減速ギヤ4が逆転すると、上記第4動作例と同様にして、リール15は、減速ギヤ4とともに逆転する。
図8(b)は、駆動モータ2が、逆転方向における第2の回転速度による回転をステップ的に停止した状態を示す。
このとき、上記第4動作例と同様に、減速ギヤ4は逆転を停止する。リール15は、図示白抜き矢印で示すように、さらに逆転を続けようとする。ただし、第2の回転速度から停止する場合、リール15の回転の運動エネルギーは、上記第4動作例よりも大きい。
このため、リール15の逆転が持続することによって、まず、コイルバネ17が伸長してから、コイルバネ18の伸長が始まる。このため、リール15は、最大でガイド溝4aにおける第1の遊びと、ガイド溝19cにおける第2の遊びとの和の範囲まで、逆転を続けることができる。
例えば、
図8(c)には、ストッパ19a、15aがそれぞれガイド溝4a、19cにおいて逆転側の端部に移動してリール15の逆転が停止した状態が示されている。
リール15の逆転が停止すると、コイルバネ17、18の両方の弾性復元力が作用して、リール15が徐々に正転する。ただし、弾性復元力は、上記第4動作例よりも大きいため、正転の加速度はより大きくなる。
リール15は、上記第4動作例よりも大きな運動エネルギーを得た状態で、
図8(d)に示すように、正転の限界に到達する。
このようにして、リール15は、そのリール15の運動エネルギーが減衰するまで、上述の逆転および正転の動作が繰り返される。
このように、リール15は、その運動エネルギーが減衰しきるまで、ガイド溝4a、4bにおける第1の遊びと、ガイド溝19c、19dにおける第2の遊びとの和の範囲で揺動する。
このようにして、少なくとも1回の揺動を経て、リール15は停止し、
図8(d)に示す停止状態になる。
【0070】
第5動作例は、第4動作例と同様、逆転からの停止動作において、リール15がバウンドストップする。ただし、第5動作例では、第4動作例に比べて、揺動範囲が大きくなる。第5動作例では、第4動作例に比べて、減衰に要する時間が長くなるため揺動時間が長くなる。
第4動作例では、連結部が2自由度振動系であっても、その効果が抑制されていた。これに対して、第5動作例では、揺動において2自由度系の連成振動モードがより強く現れる。このため、上記第1の実施形態の第2動作例と、遊び量、合成バネが同じであったとしても、揺動動作の見た目は異なる。
【0071】
このように、回転装置1Bの連結部は、弾性変形部材が直列に連結されている。減速ギヤ4とリール15とは、中間連結部材19を介して、2箇所で相対回転変位可能であるとともに、相対回転変位規制部が複数設けられている。
そして、弾性変形部材の配置位置によって、上記第1の実施形態と同様、減速ギヤ4が正転するときには減速ギヤ4とリール15とが一体的に回転し、減速ギヤ4が逆転するときにはリール15が減速ギヤ4に対して相対回転変位可能である。
【0072】
上述したように回転装置1Bでは、減速ギヤ4を逆転して停止することにより、リール15が揺動しながら停止状態となる。すなわち、駆動モータ2の駆動軸2aは揺動しないにも関わらず、リール15が揺動する。これにより、遊技者の興趣を増すことができるリール15のバウンドストップが実現される。
本実施形態では、上記第1の実施形態と同様、駆動モータ2の逆転方向における回転をステップ的に停止させるという、逆転と停止との2つの動作だけで、リール15がバウンドストップする。
例えば、駆動モータ2がステッピングモータの場合、複雑な励磁制御を行う必要がない。このため、駆動モータ2の回転が不安定になったり、脱調したりすることを防止できる。
【0073】
さらに本実施形態では、連結部がバネ定数が異なるコイルバネ17、18を備えるため、逆転の回転速度に応じて、上記第1の実施形態に類似したバウンドストップと、2自由度振動系の振動が加わることでより変化が富んだバウンドストップとが実現される。
【0074】
上述したように、本実施形態の回転装置1Bおよび回転装置1Bを備える回胴式遊技機50Bによれば、減速ギヤ4とリール15とが相対回転変位規制部を有する連結部によって連結されている。このため、回転装置1Bは、駆動機構の動作の安定性に影響することなくリール15の回転動作に変化をつけることができる。
【0075】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態の回転装置および遊技機について説明する。
図9は、本発明の第3の実施形態の回転装置の構成を示す模式的な正面図である。
図10は、本発明の第3の実施形態の回転装置の分解斜視図である。
図11は本発明の第3の実施形態の回転装置の模式的な縦断面図である。
図12は、本発明の第3の実施形態の回転装置における第2の回転体の斜視図である。
図13(a)、(b)は、同じく固定部材の模式的な正面図および側面図である。
図14は、同じく回転装置における第1の回転体の模式的な正面図である。
【0076】
図2に示すように、本実施形態の回胴式遊技機50C(遊技機)は、上記第1の実施形態の回転装置1Aに代えて、回転装置1Cを備える。
図9、10に示すように、本実施形態の回転装置1Cは、上記第1の実施形態の回転装置1Aのコイルバネ7、リール5、減速ギヤ4に代えて、トーションバネ27(
図10参照)、リール25、減速ギヤ24を備える。回転装置1Cは、さらに、リール25を軸方向に押さえる押さえ部材23と、リール25のホームポジションを検知するため、位置検出センサ28および遮蔽板26とを備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0077】
図10に示すように、トーションバネ27は、コイル状に巻かれたバネ部27cの両端部に第1端部27aと第2端部27bとが形成されたねじりコイルバネである。トーションバネ27は弾性変形部材と呼ばれることもある。
第1端部27a、第2端部27bは、バネ部27cの両端部がコイルの軸方向に屈曲されて形成される。第1端部27aは、後述する減速ギヤ24の係合部24cに挿入されている。第1端部27aは係合部24cと周方向において係合されている。第2端部27bは、後述する固定部材22の係合部22eに挿入されている。第2端部27bは、係合部22eと周方向において係合されている。
図11に示すように、トーションバネ27は、リール25に固定された後述する固定部材22と減速ギヤ24との間において、回転軸6と同軸となるように配置されている。
【0078】
リール25は、上記第1の実施形態におけるリール5の中心部5fに代えて、中心部25aを備える。
図12に示すように、中心部25aの中心には、回転軸6と回転可能に嵌合する貫通孔25cが貫通されている。中心部25aにおいて減速ギヤ24と対向する裏面には、貫通孔25cを囲む領域に固定部材連結部25bが形成されている。
固定部材連結部25bは、後述する固定部材22と嵌合して、固定部材22を周方向に係合する。本実施形態では、一例として、後述する固定部材22から突出される凸部を嵌合する凹部で構成されている。
【0079】
図11に示すように、リール25の支持部5eには、遮蔽板26が固定されている。遮蔽板26は、回転軸6の中心軸線に平行に延びている。遮蔽板26は、固定板20aに固定された位置検出センサ28の発光部28aと受光部28bとの間を通過できるように設けられている。
【0080】
図13(a)、(b)に示すように、固定部材22は、全体として円板状の外形を有する。固定部材22の外周部22hの外径は、外周部22hの先端部が後述する減速ギヤ24においてガイド溝4a、4bと重なる大きさとされる。
固定部材22の厚さ方向における端面22fの中心部には、挿通孔22cが貫通している。挿通孔22cには、回転軸6と後述する減速ギヤ24のボス24fとが相対回転可能に挿通される。端面22fにおいて挿通孔22cを囲む円周上には、係合突起22dが突出している。本実施形態では、係合突起22dは、一例として、6個の片状突起が周方向において離間して設けられている。
【0081】
固定部材22において、端面22fの裏面側には、外周部22hと挿通孔22cとの間にトーションバネ収容部22gが形成されている。トーションバネ収容部22gの形状および大きさは、トーションバネ27を弾性ねじり変形可能に収容できる形状および大きさであれば限定されない。例えば、トーションバネ収容部22gは、平面視円環状の凹部からなっていてもよい。
【0082】
端面22fにおいて、トーションバネ収容部22gに重なる部位には、係合部22eが形成されている。係合部22eは、トーションバネ27の第2端部27bを周方向に係合する。
係合部22eの形状は、トーションバネ27の第2端部27bの周方向における位置を固定することができれば限定されない。係合部22eは、例えば、穴、突起などで構成されてもよい。係合部22eは1箇所に設けられてもよい。係合部22eは、固定部材22の周方向において互いに離間した複数の位置に設けられてもよい。
図13(a)に示す例では、係合部22eは、周方向に互いに離間した位置に合計3個設けられている。この例では、各係合部22eは、第2端部27bを挿通可能な孔径を有し、端面22fの厚さ方向に貫通する貫通孔である。
【0083】
固定部材22において、端面22fと反対側の外周部22hの端部よりも前方(
図13(b)の下方)には、後述する減速ギヤ24のガイド溝4a、4bにそれぞれ貫入するストッパ22a、22bが突出している。
ストッパ22a、22bは、固定部材22の中心軸線を挟んで径方向に対向する位置に配置されている。ストッパ22a、22bは、上記第1の実施形態におけるストッパ5a、5bと同様な構成を有する。ただし、ストッパ5aに設けられていた第2端部7bとの係合部は削除することができる。
このため、ストッパ22a、22bは、ガイド溝4a、4bに沿って径方向にスライド移動可能である。ストッパ22a(22b)の突出方向における先端には、ガイド溝4a(4b)の辺縁部に係止する係止爪22iが設けられている。係止爪22iは、回転軸6に沿う方向における減速ギヤ24と中心部25aとの距離を一定に保つ。
上記第1の実施形態におけるストッパ5a(5b)と同様、ストッパ22a(22b)は、ガイド溝4a(4b)に対する周方向における遊びの大きさの範囲で減速ギヤ24と相対回転変位可能である。
【0084】
図11、14に示すように、減速ギヤ24は、上記第1の実施形態の減速ギヤ4の係合部4c、ボス4fに代えて係合部24c、ボス24fを備える。
係合部24cは、トーションバネ27の第1端部27aを周方向に係合する。
係合部24cの形状は、トーションバネ27の第1端部27aの位置を固定することができれば限定されない。係合部24cは、例えば、穴、突起などで構成されてもよい。係合部24cは1箇所に設けられてもよい。係合部24cは、減速ギヤ24の周方向において互いに離間した複数の位置に設けられてもよい。
図14に示す例では、係合部24cは、周方向に互いに離間した位置に合計3個設けられている。
図14に示す例では、各係合部24cは、第1端部27aを挿通可能な孔径を有し、減速ギヤ24の厚さ方向に貫通する貫通孔である。
【0085】
ボス24fは、円筒状に形成されている。
図11に示すように、ボス24fの内部には、回転軸6が相対回転可能に挿入されている。ボス24fは、貫通孔25cに回転可能に挿入されている。
【0086】
図11に示すように、押さえ部材23は、キャップ23a、押さえ板部23c、および押圧バネ23bを備える。
キャップ23aは、回転軸6の先端部に固定される。押さえ板部23cは、回転軸6が内部に挿通された状態で、中心部25aと軸方向に対向して配置される。押圧バネ23bは、キャップ23aと押さえ板部23cの間に挾まれて配置される。押圧バネ23bは、押さえ板部23cを中心部25aに向かって付勢する。
【0087】
回転装置1Cの組立状態の位置関係について説明する。
図11に示すように、駆動モータ2および回転軸6は、支持板20に固定されている。駆動モータ2と回転軸6は、駆動軸2aと回転軸6との軸間距離とが、駆動ギヤ3と減速ギヤ24との適正な噛み合いに必要な軸間距離となる位置に配置される。
位置検出センサ28は、支持板20に固定された固定板20aを介して支持板20に固定されている。位置検出センサ28としては、フォトインタラプタが用いられてもよい。遮蔽板26は、位置検出センサ28の検知位置おいて検出光を遮断する部材である。
【0088】
回転軸6の軸上には、支持板20の方から、減速ギヤ24、トーションバネ27、固定部材22、およびリール25の中心部25aがこの順に配置されている。
トーションバネ27は、第1端部27aが係合部24cに係合される。このため、トーションバネ27は、減速ギヤ24と周方向において係合されている。
図11の断面には現れていないが、減速ギヤ24のガイド溝4a、4bには、固定部材22のストッパ22a、22bが貫入している。ストッパ22a、22bは、上記第1の実施形態のストッパ5a、5bと同様に、ガイド溝4a、4b内で、周方向においてスライド移動可能である。
【0089】
図11の断面には現れていないが、トーションバネ27の第2端部27bは、固定部材22の係合部22eに係合される。このため、トーションバネ27は、固定部材22と周方向において係合されている。
このような構成により、減速ギヤ24と固定部材22とは、回転軸6を中心として、ガイド溝4a(4b)とストッパ22a(22b)との遊びの範囲で相対回転変位可能である。減速ギヤ24と固定部材22とが相対回転変位すると、回転量に応じてトーションバネ27がねじりを受ける。これにより、トーションバネ27から減速ギヤ24および固定部材22に弾性復元力による反力が作用する。
トーションバネ27の初期荷重は、第1端部27a、第2端部27bを係合する係合部24c、22eの位置に応じて設定することができる。
【0090】
固定部材22は、係合突起22dが、リール25の固定部材連結部25bに嵌合することで、リール25と周方向に係合している。リール25は、押さえ部材23によって、軸方向において支持板20の方に押圧されている。これにより、リール25は、軸方向においても固定部材22と一体化されている。
このような構成により、本実施形態では、固定部材22と減速ギヤ24との相対回転変位は、リール25と減速ギヤ24との間の相対回転変位に等しい。
【0091】
回転装置1Cにおいて、減速ギヤ24、固定部材22が固定されたリール25は、それぞれ第1の回転体、第2の回転体と呼ばれることもある。
ガイド溝4a、4bとストッパ22a、22bとは、相対回転変位規制部と呼ばれることもある。
トーションバネ27、ガイド溝4a、4b、およびストッパ22a、22bは、連結部と呼ばれることもある。
【0092】
回転装置1Cによれば、上記第1の実施形態におけるコイルバネ7に代えてトーションバネ27が使用されることで、弾性変形部材の種類を変えた場合の例になっている。
このため、回転動作に関しては、上記第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態の回転装置1Cおよび回転装置1Cを備える回胴式遊技機50Cによれば、減速ギヤ24とリール25とが相対回転変位規制部を有する連結部によって連結されている。このため、回転装置1Cは、駆動機構の動作の安定性に影響することなくリール25の回転動作に変化をつけることができる。
特に本実施形態によれば、弾性変形部材としてねじりコイルバネであるトーションバネ27を用いるため、上記第1の実施形態における減速ギヤ4よりも減速ギヤ24が小径であっても、装置構成が容易である。さらに、回転装置1Cの組み立ては、減速ギヤ24、トーションバネ27、固定部材22を軸方向に順次配置して行うことができるため、組立性が良好になる。
【0093】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態の回転装置および遊技機について説明する。
図15は、本発明の第4の実施形態の回転装置の分解斜視図である。
図16(a)、(b)は、本発明の第4の実施形態の回転装置における中間連結部材の模式的な正面図および側面図である。
【0094】
図2に示すように、本実施形態の回胴式遊技機50D(遊技機)は、上記第1の実施形態の回転装置1Aに代えて、回転装置1Dを備える。
図15に示すように、本実施形態の回転装置1Dは、上記第3の実施形態の回転装置1Cのトーションバネ27、固定部材22に代えて、トーションバネ37、38、固定部材32を備え、中間連結部材39を追加して構成される。
回転装置1Dは、上記第2の実施形態における連結部に2つの弾性変形部材を有する構成を、トーションバネ37、38を使用して実現する場合の例になっている。
以下、上記第2および第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0095】
本実施形態におけるリール25は、上記第3の実施形態と同様の構成を有する。ただし、本実施形態では、トーションバネ37および中間連結部材39が用いられることに対応して、上記第3の実施形態における固定部材22は固定部材32に代えられる。
固定部材32は、上記第2の実施形態における固定部材22の係合部22eに代えて、係合部32eを備える。係合部32eは、後述するトーションバネ38の第2端部38bが係合される。係合部32eは、第2端部38bの形状に応じて適宜の構成が用いられる。例えば、係合部32eは、第2端部38bが挿通される貫通孔で構成されてもよい。
本実施形態における減速ギヤ24は、上記第3の実施形態と同様の構成を有する。ただし、上記第3の実施形態における係合部24cには、後述するトーションバネ37の第1端部37aが係合される。
【0096】
トーションバネ37は、減速ギヤ24と後述する中間連結部材39とを連結する。トーションバネ37は、コイル状に巻かれたバネ部37cの両端部に第1端部37aと第2端部37bとが形成されたねじりコイルバネである。トーションバネ37は弾性変形部材と呼ばれることもある。
第1端部37aは、上記第3の実施形態におけるトーションバネ27の第1端部27aと同様の構成を有している。第1端部37aは、減速ギヤ24の係合部24cに挿入されて、周方向において係合される。
第2端部37bは、上記第3の実施形態におけるトーションバネ27の第2端部27bと同様の構成を有している。第2端部37bは、後述する中間連結部材39の係合部39eに挿入されて、周方向において係合される。
トーションバネ37は、減速ギヤ24と中間連結部材39との間において、回転軸6と同軸となるように配置されている。
【0097】
トーションバネ38は、後述する中間連結部材39と固定部材32とを連結する。トーションバネ38は、コイル状に巻かれたバネ部38cの両端部に第1端部38aと第2端部38bとが形成されたねじりコイルバネである。トーションバネ38は弾性変形部材と呼ばれることもある。
第1端部38aは、上記第3の実施形態におけるトーションバネ27の第1端部27aと同様の構成を有している。第1端部38aは、後述する中間連結部材39の係合部39jに挿入されている。第1端部38aは、係合部39jと周方向において係合される。
第2端部38bは、上記第3の実施形態におけるトーションバネ27の第2端部27bと同様の構成を有している。第2端部38bは、固定部材32の係合部32eに挿入されている。第2端部38bは、係合部32eと周方向において係合されている。
トーションバネ38は、中間連結部材39と固定部材32との間において、回転軸6と同軸となるように配置されている。
【0098】
トーションバネ37のバネ部37cのバネ定数は、トーションバネ38のバネ部38cのバネ定数よりも大きい。本実施形態におけるトーションバネ37、38のバネ定数の関係は、上記第1の実施形態におけるコイルバネ17、18のバネ定数の関係とは反対である。
【0099】
中間連結部材39は、減速ギヤ24と固定部材32との間に挟まれている。中間連結部材39は、例えば、略円板状の外形を有する。中間連結部材39の外周部39hの外径は、固定部材32の外周部22hと略同様の大きさとされる。このため、中間連結部材39の外周部39hの先端部は減速ギヤ24におけるガイド溝4a、4bと重なる大きさである。
中間連結部材39は、減速ギヤ24と固定部材32とを互いに平行に支持した状態で、減速ギヤ24に対して固定部材32を相対回転変位に連結する。
【0100】
中間連結部材39の厚さ方向における端面39fの中心部には、円筒状のボス39kが固定部材32に向かって突出している。ボス39kは、固定部材32の挿通孔22cに回転可能に嵌合している。
ボス39kの中心部には、中間連結部材39の厚さ方向に貫通する挿通孔39iが形成されている。挿通孔39iの内部には、減速ギヤ24のボス24fと回転軸6とが回転軸6回りに相対回転可能に挿通されている。このため、中間連結部材39は、減速ギヤ24または固定部材32とともに回転軸6回りに回転可能である。
【0101】
図16(a)、(b)に示すように、中間連結部材39において、端面39fの裏面側には、外周部39hと挿通孔39iとの間にトーションバネ収容部39gが形成されている。トーションバネ収容部39gの形状および大きさは、トーションバネ37を弾性ねじり変形可能に収容できる形状および大きさであれば限定されない。例えば、トーションバネ収容部39gは、平面視円環状の凹部からなっていてもよい。
【0102】
端面39fにおいて、トーションバネ収容部39gに重なる部位には、係合部39e、39jが形成されている(
図16(b)参照)。
係合部39eは、トーションバネ37の第2端部37bを周方向に係合する。
係合部39eの形状は、トーションバネ37の第2端部37bの周方向における位置を固定することができれば限定されない。係合部39eは、例えば、穴、突起などで構成されてもよい。係合部39eは1箇所に設けられてもよい。係合部39eは、中間連結部材39の周方向において互いに離間した複数の位置に設けられてもよい。
図16(a)に示す例では、係合部39eは、周方向に互いに離間した位置に合計3個設けられている。この例では、各係合部39eは、第2端部37bを挿通可能な孔径を有し、端面39fの厚さ方向に貫通する貫通孔である。
【0103】
係合部39jは、トーションバネ38の第1端部38aを周方向に係合する。
係合部39jの形状は、トーションバネ38の第1端部38aの周方向における位置を固定することができれば限定されない。係合部39jの形状、個数は、係合部39jと同様の形状、個数が用いられてもよい。
図16(a)に示す例では、係合部39jは、係合部39eを図示時計回りに約120°回転したのと同様の構成を有する。ただし、各係合部39jは、第1端部38aを挿通可能な孔径を有している。
【0104】
中間連結部材39において、端面39fと反対側の外周部39hの端部よりも前方(
図13(b)の下方)には、減速ギヤ24のガイド溝4a、4bにそれぞれ貫入するストッパ39a、39bが突出している。
ストッパ39a、39bは、中間連結部材39の中心軸線を挟んで径方向に対向する位置に配置されている。ストッパ39a、39bは、上記第3の実施形態におけるストッパ22a、22bと同様な構成を有する。
このため、ストッパ39a、39bは、ガイド溝4a、4bに沿って径方向にスライド移動可能である。ストッパ39a(39b)の突出方向における先端には、上記第3の実施形態と同様、ガイド溝4a(4b)の辺縁部に係止する係止爪22iが設けられている。
上記第2の実施形態におけるストッパ19a(19b)と同様、ストッパ39a(39b)は、ガイド溝4a(4b)に対する周方向における第1の遊びの大きさの範囲で減速ギヤ24と相対回転変位可能である。
【0105】
図16(a)に示すように、中間連結部材39の端面39fにおいて、その中心軸線を挟んで対向する位置には、ガイド溝39c、39dが形成されている。
ガイド溝39c、39dは、固定部材32のストッパ22a、22bが貫入する以外は、減速ギヤ24におけるガイド溝4a、4bと同様の構成を有する。
ただし、本実施形態におけるストッパ22a(22b)とガイド溝39c(39d)との間の周方向における第2の遊びの量は、ストッパ39a(39b)とガイド溝4a(4b)との間の周方向における第1の遊びの量と同じでもよい、互いに異なる量でもよい。
さらに本実施形態における第1および第2の遊びの量は、上記第2の実施形態における第1および第2の遊びの量と同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0106】
回転装置1Dの組立状態の図示は省略するが、
図15に示すように、回転軸6の軸上に、支持板20の方から、減速ギヤ24、トーションバネ37、中間連結部材39、トーションバネ38、固定部材32、およびリール25の中心部25aがこの順に配置されている。
トーションバネ37は、第1端部37aが係合部24cに係合される。このため、トーションバネ27は、減速ギヤ24と周方向において係合されている。減速ギヤ24のガイド溝4a、4bには、中間連結部材39のストッパ39a、39bが貫入している。ストッパ39a、39bは、上記第2の実施形態のストッパ5a、5bと同様に、ガイド溝4a、4b内で、周方向においてスライド移動可能である。
トーションバネ37の第2端部37bは、中間連結部材39の係合部39jに係合される。このため、トーションバネ37は、中間連結部材39と周方向において係合されている。
【0107】
トーションバネ38は、第1端部38aが係合部39jに係合される。このため、トーションバネ38は、中間連結部材39と周方向において係合されている。中間連結部材39のガイド溝39c、39dには、固定部材32のストッパ22a、22bが貫入している。ストッパ22a、22bは、上記第2の実施形態のストッパ15a、15bと同様に、ガイド溝39c、39d内で、周方向においてスライド移動可能である。
トーションバネ38の第2端部38bは、固定部材32の係合部32eに係合される。このため、トーションバネ38は、固定部材32と周方向において係合されている。
【0108】
このような構成により、減速ギヤ24と中間連結部材39とは、トーションバネ37を介して、上記第2の実施形態における減速ギヤ4と中間連結部材19と同様に連結されている。中間連結部材39と、固定部材22を含むリール25とは、トーションバネ38を介して、上記第2の実施形態における中間連結部材19とリール15と同様に連結されている。リール25は減速ギヤ24と連動して回転可能である。
このため、本実施形態における減速ギヤ24とリール25とは、周方向においてトーションバネ37、38が直列状態に配置されて連結されていることに相当する。
【0109】
回転装置1Dにおいて、減速ギヤ24、リール25は、上記第3の実施形態と同様、それぞれ第1の回転体、第2の回転体と呼ばれることもある。
【0110】
減速ギヤ24とリール25との間には、周方向において、ガイド溝4a(4b)とストッパ39a(39b)との間の第1の遊びと、ガイド溝39c(39d)とストッパ22a(22b)との間の第2の遊びとが形成されている。
減速ギヤ24とリール25とは、ガイド溝4a、4bとストッパ39a、39bとによる相対回転変位の第1の規制と、ガイド溝39c、39dとストッパ22a、22bとによる相対回転変位の第2の規制との両方を受ける。
ガイド溝4a、4b、39c、39d、ストッパ39a、39b、22a、22bは、全体として相対回転変位規制部と呼ばれることもある。さらに、ガイド溝4a、4bとストッパ39a、39bは、第1の相対回転変位規制部、ガイド溝39c、39dとストッパ22a、22bとは、第2の相対回転変位規制部と呼ばれることもある。
【0111】
トーションバネ37、38、ガイド溝4a、4b、39c、39d、およびストッパ22a、22b、39a、39bは、連結部と呼ばれることもある。
本実施形態において、連結部は、上記第2の実施形態と同様、2自由度振動系によって構成されている。
【0112】
回転装置1Dによれば、上記第2の実施形態におけるコイルバネ17、18に代えてトーションバネ37、38が使用されることで、弾性変形部材の種類を変えた場合の例になっている。
このため、回転動作に関しては、コイルバネ17、18のバネ定数の大小関係が、トーションバネ37、38と反対である点を除けば、上記第2の実施形態と同様である。このため、当業者は、上記第2の実施形態の回転動作から本実施形態の回転動作を容易に理解することができるため、詳細な説明は省略する。
【0113】
本実施形態の回転装置1Dおよび回転装置1Dを備える回胴式遊技機50Dによれば、減速ギヤ24とリール25とが相対回転変位規制部を有する連結部によって連結されている。このため、回転装置1Dは、駆動機構の動作の安定性に影響することなくリール25の回転動作に変化をつけることができる。
特に本実施形態によれば、弾性変形部材としてねじりコイルバネであるトーションバネ37、38を用いるため、上記第2の実施形態における減速ギヤ4よりも減速ギヤ24が小径であっても、装置構成が容易である。さらに、回転装置1Dの組み立ては、減速ギヤ24、トーションバネ37、中間連結部材39、トーションバネ38、固定部材32を軸方向に順次配置して行うことができるため、組立性が良好になる。
【0114】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態の回転装置および遊技機について説明する。
図17は、本発明の第5の実施形態の回転装置の構成を示す模式的な正面図である。
【0115】
図2に示すように、本実施形態の回胴式遊技機50E(遊技機)は、上記第1の実施形態の回転装置1Aに代えて、回転装置1Eを備える。
図17に示すように、本実施形態の回転装置1Eは、上記第1の実施形態の回転装置1Aの減速ギヤ4、コイルバネ7に代えて、減速ギヤ44、第1シリンダーダンパー47、第2シリンダーダンパー48を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0116】
減速ギヤ44は、係合部44cが追加された点を除けば、上記第1の実施形態における減速ギヤ4と同様の構成を有する。ただし、本実施形態における係合部4cは、後述する第1シリンダーダンパー47の第1端部47aを係合する。
係合部44cは、後述する第2シリンダーダンパー48の第1端部48aを係合する。
係合部4c、44cの形状は、それぞれ第1端部47a、48aの形状に応じて係合可能な適宜の形状が用いられる。例えば、係合部4c、44cは、上記第1の実施形態における係合部4cと同様、例えば、穴、突起などで構成されてもよい。
【0117】
第1シリンダーダンパー47は、第1端部47aと、第2端部47bと、第1端部47aと第2端部47bとの間に形成されたダンパー部47cとを備える。
第1端部47aは、減速ギヤ4の係合部4cに係合される。第2端部47bは、ストッパ5aに設けられた図示略の係合部と係合される。第1端部47a、第2端部47bの形状は、それぞれ係合相手の係合部と係合できれば特に限定されない。
【0118】
ダンパー部47cは、第1端部47aが接続され、オイルなどの粘性流体が封入されたシリンダー部と、第2端部47bが接続され、シリンダー部の内部に進退する作動ロッドとを備える。ダンパー部47cは、シリンダー部に対する作動ロッドの移動方向に応じて作動ロッドに粘性抵抗を付与するように構成されている。
本実施形態で、作動ロッドがシリンダー部から外側に延出する動作では、粘性流体による粘性抵抗はほとんど発生しない。これに対して、作動ロッドがシリンダー部の内部に向かって導入される動作では、挿入速度に応じて粘性流体による粘性抵抗が発生する。
【0119】
このような構成により、第1シリンダーダンパー47は、第1端部47aと第2端部47bとの距離を軸方向に増大させる引っ張りの外力に対しては、略無抵抗である。しかし、第1シリンダーダンパー47は、第1端部47aと第2端部47bとの距離が増大した状態から軸方向に減少させる圧縮の外力に対しては、引っ張りの外力の場合に比べて格段に大きい粘性抵抗を発生する。
【0120】
第2シリンダーダンパー48は、第1端部48aと、第2端部48bと、第1端部48aと第2端部48bとの間に形成されたダンパー部48cとを備える。
第1端部48aは、減速ギヤ44の係合部44cに係合される。第2端部48bは、ストッパ5aに設けられた図示略の係合部と係合される。第1端部48a、第2端部48bの形状は、それぞれ係合相手の係合部と係合できれば特に限定されない。
【0121】
ダンパー部48cは、上述したダンパー部47cと同様の構成を備える。ダンパー部48cにおいて発生する粘性抵抗は、同条件でダンパー部47cに発生する粘性抵抗と同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0122】
以下では、第1端部47a(48a)と第2端部47b(48b)との距離が軸方向に増大することを第1シリンダーダンパー47(第2シリンダーダンパー48)が伸長すると称する。反対に、第1端部47a(48a)と第2端部47b(48b)との距離が軸方向に減少することを第1シリンダーダンパー47(第2シリンダーダンパー48)が短縮すると称する。
【0123】
図17に示すように、第1シリンダーダンパー47は、ストッパ5aがガイド溝4aの正転方向における端部に当接しているとき、逆転方向に伸長可能な状態で係合部4cおよびストッパ5aに係合されている。
第2シリンダーダンパー48は、同様にストッパ5aがガイド溝4aの正転方向における端部に当接しているとき、逆転方向に短縮可能な状態で係合部4cおよびストッパ5aに係合されている。
特に図示しないが、ストッパ5aがガイド溝4aの逆転方向における端部に当接している場合には、上述において、正転方向および逆転方向と、伸長および短縮が、それぞれ反対の関係にある。
【0124】
このような構成によれば、減速ギヤ44とリール5とが、第1シリンダーダンパー47および第2シリンダーダンパー48によって互いに相対回転変位可能に連結されている。
回転装置1Eにおいて、減速ギヤ44は、第1の回転体と呼ばれることもある。
第1シリンダーダンパー47、第2シリンダーダンパー48は、ダンパー部47c(48c)を有するため、減衰部材と呼ばれることもある。
第1シリンダーダンパー47、第2シリンダーダンパー48、ガイド溝4a、4b、およびストッパ5a、5bは、連結部と呼ばれることもある。
本実施形態は、連結部が、正転方向および逆転方向に作用する減衰部材を備える場合の例になっている。
【0125】
回胴式遊技機50Eの動作について、回胴式遊技機50Eに含まれる回転装置1Eの動作を中心にして説明する。
ただし、以下では、上記第1の実施形態と異なる動作を中心にして説明する。さらに、簡単のため、ストッパ5a、ガイド溝4aと同様に動作するストッパ5b、ガイド溝4bに関連する動作の説明は省略する。
図18(a)、(b)、(c)は、本発明の第5の回転装置の第6動作例の動作説明図である。
図19(a)、(b)、(c)、(d)は、同じく第7動作例の動作説明図である。
図20(a)、(b)、(c)、(d)は、同じく第8動作例の動作説明図である。
図21(a)、(b)、(c)は、同じく第9動作例の動作説明図である。
【0126】
(第6動作例)
図18(a)、(b)、(c)に示す第6動作例は、正転後の停止状態(
図18(a))から正転し(
図18(b))、正転が停止される(
図18(c))動作を表す。
図18(a)に示すように、減速ギヤ44の正転後に減速ギヤ44を停止すると、リール5の回転慣性によって、第2シリンダーダンパー48が伸長され、第1シリンダーダンパー47が短縮された状態で停止する。ストッパ5aは、ガイド溝4aにおける正転方向における端部に当接している。
この状態から制御ユニット70が駆動モータ2を正転方向に回転すると、リール5は静止慣性によって、減速ギヤ44に対して逆転方向に相対回転しようとする。このとき、ストッパ5aに係合された第1シリンダーダンパー47は、ストッパ5aに引っ張られて伸長する方向に引っ張られるため、略無抵抗である。しかし、ストッパ5aに係合された第2シリンダーダンパー48は、ストッパ5aから押されて短縮する方向であるため、粘性抵抗による抗力が発生する。
このため、
図18(b)に示すように、ストッパ5aは、第2シリンダーダンパー48によって正転方向に付勢される。リール5は、ほとんど逆転することなく、減速ギヤ44とともに正転する。
【0127】
制御ユニット70が駆動モータ2を停止すると、上述したように、ストッパ5aがガイド溝4aの正転方向における端部からほとんど移動していないことと、リール5が回転慣性によって正転し続けようとすることとが相俟って、
図18(c)に示すように
図18(a)と同様な状態で停止する。
【0128】
このように、回転装置1Eによれば、正転後の停止状態から正転し、正転を停止する動作においては、上記第1の実施形態と同様、リール5は揺動なしに停止する。
【0129】
(第7動作例)
図19(a)、(b)、(c)、(d)に示す第7動作例は、正転後の停止状態(
図19(a))から逆転し(
図19(b))、逆転が停止される(
図19(c)、(d))動作を表す。
図19(a)に示す正転後の停止状態から制御ユニット70が駆動モータ2を逆転方向に回転すると、ストッパ5aは、ガイド溝4aに当接して正転方向に相対移動できない。このため、リール5は減速ギヤ44と連動して同速で逆転する(
図19(b))。
この逆転状態から駆動モータ2がステップ的に停止すると、減速ギヤ44は、駆動モータ2の回転停止とともに、逆転を停止する。
図19(c)に示すように、リール5は、減速ギヤ44に比べて大きな回転慣性を有するため、図示白抜き矢印で示すように、さらに逆転を続けようとする。このとき、ガイド溝4aの逆転方向における端部とストッパ5aとの間には周方向に遊びがある。このため、ストッパ5aは、この遊びの範囲で、逆転方向にスライド移動可能である。
しかし、ストッパ5aは、第2シリンダーダンパー48に係合されているため、リール5の回転の運動エネルギーは、第2シリンダーダンパー48を短縮する仕事に費やされる。
このため、リール5は、逆転を続けるものの、回転速度は漸次減速する。リール5の運動エネルギーがすべて減衰すると、
図19(d)に示すように、ストッパ5aを逆転方向に移動した状態で停止する。
【0130】
このとき、第2シリンダーダンパー48の減衰係数が適切に設定されていれば、リール5の運動エネルギーは充分に減衰するため、ストッパ5aがガイド溝4aの逆転方向における端部に当接してもリール5が正転方向に反発力を受けて正転することはない。
ただし、第2シリンダーダンパー48の粘性抵抗が小さい場合には、リール5の運動エネルギーが充分減衰する前に、ストッパ5aがガイド溝4aの逆転方向における端部に衝突する可能性もある。この場合でも、反発力による正転運動は、第1シリンダーダンパー47からの抵抗力を受けて減衰する。このため、リール5が反発力を受けて正転したとしても間もなく停止する。このため、第1シリンダーダンパー47、第2シリンダーダンパー48の減衰係数を適切に設定することによって、遊技者の目に見えるような揺動を抑制できる。
【0131】
このように、回転装置1Eによれば、正転後の停止状態から逆転し、逆転を停止する動作においては、リール5は、第2シリンダーダンパー48、場合によっては第2シリンダーダンパー48および第1シリンダーダンパー47の作用によって、減速ギヤ44よりも遅れて緩やかに静止する。
【0132】
(第8動作例)
図20(a)、(b)、(c)、(d)に示す第8動作例は、逆転後の停止状態(
図20(a))から正転し(
図20(b))、正転が停止される(
図20(c)、(d))動作を表す。
図20(a)に示す逆転後の停止状態から制御ユニット70が駆動モータ2を正転方向に回転すると、ストッパ5aがガイド溝4aに当接して逆転方向に相対移動できないため、リール5は減速ギヤ44と連動して同速で正転する(
図20(b))。
この正転状態から駆動モータ2がステップ的に停止すると、減速ギヤ44は、駆動モータ2の回転停止とともに、正転を停止する。
図20(c)に示すように、リール5は、その回転慣性により、図示白抜き矢印で示すように、さらに正転を続けようとする。このとき、ガイド溝4aの正転方向における端部とストッパ5aとの間には周方向に遊びがある。このため、ストッパ5aは、この遊びの範囲で、正転方向にスライド移動可能である。
しかし、ストッパ5aは、第1シリンダーダンパー47に係合されているため、リール5の回転の運動エネルギーは、第1シリンダーダンパー47を短縮する仕事に費やされる。
このため、リール5は、正転を続けるものの、回転速度は漸次減速する。リール5の運動エネルギーがすべて減衰すると、
図20(d)に示すように、ストッパ5aを正転方向に移動した状態で停止する。
【0133】
このとき、第1シリンダーダンパー47の減衰係数が適切に設定されていれば、リール5の運動エネルギーは充分に減衰するため、ストッパ5aがガイド溝4aの正転方向における端部に当接してもリール5が逆転方向に反発力を受けて逆転することはない。
ただし、第1シリンダーダンパー47の粘性抵抗が小さい場合には、リール5の運動エネルギーが充分減衰する前に、ストッパ5aがガイド溝4aの正転方向における端部に衝突する可能性もある。この場合でも、反発力による逆転運動は、第2シリンダーダンパー48からの抵抗力を受けて減衰する。このため、リール5が反発力を受けて逆転したとしても間もなく停止する。このため、第1シリンダーダンパー47、第2シリンダーダンパー48の減衰係数を適切に設定することによって、遊技者の目に見えるような揺動を抑制できる。
【0134】
このように、回転装置1Eによれば、逆転後の停止状態から正転し、正転を停止する動作においては、リール5は、第1シリンダーダンパー47、場合によっては第1シリンダーダンパー47および第2シリンダーダンパー48の作用によって、減速ギヤ44よりも遅れて緩やかに静止する。
【0135】
(第9動作例)
図21(a)、(b)、(c)に示す第9動作例は、逆転後の停止状態(
図21(a))から逆転し(
図21(b))、逆転が停止される(
図21(c))動作を表す。
図21(a)に示すように、減速ギヤ44の逆転後に減速ギヤ44を停止すると、リール5の回転慣性によって、第2シリンダーダンパー48が短縮された状態で停止する。このため、ストッパ5aは、ガイド溝4aにおける逆転方向における端部に当接している。
この状態から制御ユニット70が駆動モータ2を逆転方向に回転すると、リール5は静止慣性によって、減速ギヤ44に対して正転方向に相対回転しようとする。このとき、ストッパ5aに係合された第2シリンダーダンパー48は、ストッパ5aに引っ張られて伸長する方向であるため、略無抵抗である。しかし、ストッパ5aに係合された第1シリンダーダンパー47は、ストッパ5aから押されて短縮する方向であるため、粘性抵抗による抗力が発生する。
このため、
図21(b)に示すように、ストッパ5aは、第1シリンダーダンパー47によって逆転方向に付勢される。リール5は、ほとんど正転することなく、減速ギヤ44とともに逆転する。
【0136】
このように、回転装置1Eによれば、逆転後の停止状態から逆転し、逆転を停止する動作においては、上記第1の実施形態と同様、リール5は揺動なしに停止する。
【0137】
上述したように、本実施形態の回転装置1Eおよび回転装置1Eを備える回胴式遊技機50Eによれば、減速ギヤ44とリール5とが相対回転変位規制部を有する連結部によって連結されている。本実施形態では、連結部において、正転方向および逆転方向に抗する粘性抵抗を発生する減衰部材を備えるため、回転の停止動作において、回転開始時の停止状態と、回転方向との組み合わせに応じて動作に変化をつけることができる。例えば、リール5が減速ギヤ44とともに直ちに停止する動作(第6動作例、第9動作例)と、リール5が減速ギヤ44の停止に遅れて緩やかに停止する動作(第7動作例、第8動作例)とが可能である。
このため、回転装置1Eは、駆動機構の動作の安定性に影響することなくリール5の回転動作に変化をつけることができる。
【0138】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態の回転装置および遊技機について説明する。
図22は、本発明の第6の実施形態の回転装置の構成を示す模式的な正面図である。
【0139】
図2に示すように、本実施形態の回胴式遊技機50F(遊技機)は、上記第1の実施形態の回転装置1Aに代えて、回転装置1Fを備える。
図22に示すように、本実施形態の回転装置1Fは、上記第5の実施形態の回転装置1Eの減速ギヤ44に代えて、上記第1の実施形態と同様の減速ギヤ4を備え、第2シリンダーダンパー48を削除して構成される。
以下、上記第5の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0140】
本実施形態の減速ギヤ4は、係合部4cに第1シリンダーダンパー47の第1端部47aが係合されている。
第1シリンダーダンパー47は、ストッパ5aがガイド溝4aの正転方向における端部に当接しているとき、逆転方向に伸長可能な状態で係合部4cおよびストッパ5aに係合されている。
【0141】
このような構成によれば、減速ギヤ4とリール5とが、第1シリンダーダンパー47によって互いに相対回転変位可能に連結されている。
回転装置1Fにおいて、減速ギヤ4は、第1の回転体と呼ばれることもある。
第1シリンダーダンパー47は、ダンパー部47cを有するため、減衰部材と呼ばれることもある。
第1シリンダーダンパー47、ガイド溝4a、4b、およびストッパ5a、5bは、連結部と呼ばれることもある。
本実施形態は、連結部が、正転方向に作用する減衰部材を備える場合の例になっている。
【0142】
回胴式遊技機50Fの動作について、回胴式遊技機50Fに含まれる回転装置1Fの動作を中心にして説明する。
ただし、以下では、上記第5の実施形態と異なる動作を中心にして説明する。さらに、簡単のため、ストッパ5a、ガイド溝4aと同様に動作するストッパ5b、ガイド溝4bに関連する動作の説明は省略する。
図23(a)、(b)、(c)、(d)は、本発明の第6の回転装置の第10動作例の動作説明図である。
図24(a)、(b)、(c)、(d)は、同じく第11動作例の動作説明図である。
図25(a)、(b)、(c)、(d)は、同じく第12動作例の動作説明図である。
図26(a)、(b)、(c)、(d)は、同じく第13動作例の動作説明図である。
【0143】
(第10動作例)
図23(a)、(b)、(c)、(d)に示す第10動作例は、正転後の停止状態(
図23(a))から正転し(
図23(b))、正転が停止される(
図23(c)、(d))動作を表す。
図23(a)に示すように、減速ギヤ4の正転後に減速ギヤ4を停止すると、リール5の回転慣性によって、第1シリンダーダンパー47が短縮された状態で停止する。このため、ストッパ5aは、ガイド溝4aにおける正転方向における端部に当接している。
この停止状態から制御ユニット70が駆動モータ2を正転方向に回転すると、リール5は静止慣性によって停止している間に、減速ギヤ4のみが正転する。このとき、ストッパ5aに係合された第1シリンダーダンパー47は、ストッパ5aによって伸長する方向に引っ張られるため、略無抵抗である。
このため、
図23(b)に示すように、ストッパ5aがガイド溝4aの逆転方向における端部に当接するまで、リール5が逆転方向に相対移動する。ストッパ5aがガイド溝4aの逆転方向における端部に当接すると、リール5は減速ギヤ4とともに正転を開始する。このように、リール5は、減速ギヤ4の正転から遅れて正転を開始する。
このとき、ストッパ5aは正転方向において第1シリンダーダンパー47に係合されているため、リール5は、ストッパ5aがガイド溝4aの逆転方向における端部と当接した状態で減速ギヤ4と同速で正転する。
【0144】
図23(c)に示すように、制御ユニット70が駆動モータ2をステップ的に停止すると、減速ギヤ4は、駆動モータ2の回転停止とともに、正転を停止する。
リール5は、減速ギヤ4に比べて大きな回転慣性を有するため、図示白抜き矢印で示すように、さらに正転を続けようとする。このとき、ガイド溝4aの正転方向における端部とストッパ5aとの間には周方向に遊びがある。このため、ストッパ5aは、この遊びの範囲で、正転方向にスライド移動可能である。
しかし、ストッパ5aは、第1シリンダーダンパー47に係合されているため、リール5の回転の運動エネルギーは、第1シリンダーダンパー47を短縮する仕事に費やされる。
このため、リール5の回転速度は、正転するにつれて減速する。リール5の運動エネルギーがすべて減衰すると、
図23(d)に示すように、ストッパ5aを正転方向に移動した状態で停止する。
【0145】
このように、回転装置1Fによれば、正転後の停止状態から正転し、正転を停止する動作においては、リール5は、減速ギヤ4の正転に遅れて正転を開始する。さらにリール5は、第1シリンダーダンパー47の作用によって、減速ギヤ4よりも遅れて緩やかに静止する。
【0146】
(第11動作例)
図24(a)、(b)、(c)、(d)に示す第11動作例は、正転後の停止状態(
図24(a))から逆転し(
図24(b))、逆転が停止される(
図24(c)、(d))動作を表す。
図24(a)に示す正転後の停止状態から制御ユニット70が駆動モータ2を逆転方向に回転すると、ストッパ5aがガイド溝4aの正転方向における端部に当接しているため、リール5は減速ギヤ4と連動して同速で逆転する(
図24(b))。
この逆転状態から駆動モータ2がステップ的に停止すると、減速ギヤ4は、駆動モータ2の回転停止とともに、逆転を停止する。
図24(c)に示すように、リール5は、上記第10動作例における正転からの停止時と同様、回転慣性により、図示白抜き矢印で示すように、さらに逆転を続ける。このとき、本動作例では第1シリンダーダンパー47が逆転方向において略無抵抗であるため、ストッパ5aは、ガイド溝4aの逆転方向における端部に衝突する。リール5はその際の反発力(図示上向き矢印参照)によって正転を開始する。
図24(d)に示すように、この反発力と正転を抑制する第1シリンダーダンパー47からの抵抗力とが釣り合うと、リール5の正転が停止する。
【0147】
このように、回転装置1Fによれば、正転後の停止状態から逆転し、逆転を停止する動作においては、リール5は、減速ギヤ4と同時に逆転を開始する。さらにリール5は、減速ギヤ4の停止後、さらに逆転を続けた後、正転して、緩やかに静止する。このため、リール5は回転方向を1回だけ変えてバウンドストップする。
【0148】
(第12動作例)
図25(a)、(b)、(c)、(d)に示す第12動作例は、逆転後の停止状態(
図25(a))から逆転し(
図25(b))、逆転が停止される(
図25(c)、(d))動作を表す。
図25(a)に示す逆転後の停止状態から制御ユニット70が駆動モータ2を正転方向に回転すると、ストッパ5aがガイド溝4aの逆転方向における端部に当接しているため、リール5は減速ギヤ4と連動して同速で正転する(
図25(b))。
この正転状態から駆動モータ2がステップ的に停止すると、減速ギヤ4は、駆動モータ2の回転停止とともに、正転を停止する。
このときのリール5の停止動作は、上記第10動作例において、
図23(c)、(d)を用いて説明した動作と同様である。
このため、リール5の回転速度は、正転するにつれて減速する。リール5の運動エネルギーがすべて減衰すると、
図25(d)に示すように、ストッパ5aを正転方向に移動した状態で停止する。
【0149】
このように、回転装置1Fによれば、逆転後の停止状態から正転し、正転を停止する動作においては、リール5は、減速ギヤ4の正転と同時に正転を開始する。さらにリール5は、第1シリンダーダンパー47の作用によって、減速ギヤ4よりも遅れて緩やかに静止する。
【0150】
(第13動作例)
図26(a)、(b)、(c)、(d)に示す第11動作例は、逆転後の停止状態(
図26(a))から逆転し(
図26(b))、逆転が停止される(
図26(c)、(d))動作を表す。
図26(a)に示す逆転後の停止状態から制御ユニット70が駆動モータ2を逆転方向に回転すると、ストッパ5aがガイド溝4aの逆転方向における端部に当接している。リール5はその静止慣性によって減速ギヤ4に対して相対的に正転方向に移動しようとするが、第1シリンダーダンパー47が正転方向への抵抗となるため、リール5は減速ギヤ4とともに逆転する(
図26(b)参照)。
この正転状態から駆動モータ2がステップ的に停止すると、減速ギヤ4は、駆動モータ2の回転停止とともに、正転を停止する。
このときのリール5の停止動作は、上記第11動作例において、
図24(c)、(d)を用いて説明した動作と同様である。
このため、リール5は、ガイド溝4aの逆転方向における端部から反発力を受ける。
図26(d)に示すように、この反発力と正転を抑制する第1シリンダーダンパー47からの抵抗力とが釣り合うと、リール5の正転が停止する。
【0151】
このように、回転装置1Fによれば、逆転後の停止状態から逆転し、逆転を停止する動作においては、リール5は、減速ギヤ4の逆転と同時に逆転を開始する。さらにリール5は、減速ギヤ4の停止後、さらに逆転を続けた後、正転して、緩やかに静止する。このため、リール5は回転方向を1回だけ変えてバウンドストップする。
【0152】
上述したように、本実施形態の回転装置1Fおよび回転装置1Fを備える回胴式遊技機50Fによれば、減速ギヤ4とリール5とが相対回転変位規制部を有する連結部によって連結されている。本実施形態では、連結部において、正転方向に抗する粘性抵抗を発生する減衰部材を備える。このため、回転の停止動作において、回転開始時の停止状態と、回転方向との組み合わせに応じて動作に変化をつけることができる。例えば、リール5が減速ギヤ4に遅れて緩やかに停止する動作(第10動作例、第12動作例)と、リール5が減速ギヤ4の停止後に1回バウンドするバウンドストップ動作(第11動作例、第13動作例)とが可能である。
このため、回転装置1Fは、駆動機構の動作の安定性に影響することなくリール5の回転動作に変化をつけることができる。
【0153】
(第7の実施形態)
本発明の第7の実施形態の回転装置および遊技機について説明する。
図27は、本発明の第7の実施形態の回転装置の分解斜視図である。
図28は、本発明の第7の実施形態の回転装置の主要部の正面視の部分拡大図である。
【0154】
図2に示すように、本実施形態の回胴式遊技機50G(遊技機)は、上記第1の実施形態の回転装置1Aに代えて、回転装置1Gを備える。
図27に示すように、本実施形態の回転装置1Gは、上記第3の実施形態の回転装置1Cの減速ギヤ24、トーションバネ27、固定部材22に代えて、減速ギヤ74、ロータリーダンパー77、固定部材72を備える。
回転装置1Gは、上記第5、6の実施形態における連結部に減衰部材を有する構成を、ロータリーダンパー77を使用して実現する場合の例になっている。
以下、上記第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0155】
減速ギヤ74は、上記第3の実施形態における減速ギヤ24の係合部24cを削除し、後述するロータリーダンパー77を固定するために図示略の固定部が追加されている。
図示略の固定部は、ロータリーダンパー77をねじ止めする雌ねじ部で構成されてもよい。
【0156】
ロータリーダンパー77は、ダンパー本体77aと、ダンパー本体77aの回転軸に固定されたギヤ77bとを備える。
ダンパー本体77aは、回転軸が正転しても逆転しても粘性抵抗が発生する両方向負荷タイプでもよい。この場合、回転装置1Gは、上記第5の実施形態の回転装置1Eと同様の動作が可能である。
ダンパー本体77aは、回転軸が一方向に回転する場合のみ粘性抵抗が発生する一方向負荷タイプでもよい。この場合、回転装置1Gは、上記第6の実施形態の回転装置1Fと同様の動作が可能である。
ギヤ77bは、後述するロータリーダンパー77のギヤ部72aと噛み合う。
ロータリーダンパー77は、ギヤ77bが、後述するギヤ部72aと適正に噛み合う位置に形成された減速ギヤ74の図示略の固定部に固定されている。ロータリーダンパー77の固定方法は限定されない。例えば、ロータリーダンパー77は、ネジなどの固定部材(図示略)によって、減速ギヤ74に固定されてもよい。
【0157】
図28に示すように、固定部材72は、上記第5の実施形態における固定部材22の側面の一部が切り欠かれて、ロータリーダンパー77のギヤ77bが噛み合うギヤ部72aが形成されている点が固定部材22と異なる。
ギヤ部72aのピッチ円中心は、挿通孔22cの中心軸線と同軸に形成されている。ギヤ部72aの周方向における長さは、ストッパ22a(22b)とガイド溝4a(4b)との間の遊びの長さに相当する回転角以上、ギヤ部72aが回転できる長さである。
【0158】
このような構成により、減速ギヤ74および固定部材72は、上記第5の実施形態における減速ギヤ24および固定部材22と同様にして、回転軸6回りに互いに相対回転変位可能に係合される。
ロータリーダンパー77は、ギヤ77bが固定部材72のギヤ部72aと噛み合うため、ギヤ部72aの回転量に応じて、回転軸が回転する。このため、ロータリーダンパー77は、回転軸の回転速度および回転方向に応じて、粘性抵抗に基づく抗力を発生する。
【0159】
回転装置1Gにおいて、減速ギヤ74、リール25は、それぞれ第1の回転体、第2の回転体と呼ばれることもある。
ロータリーダンパー77は、減衰部材と呼ばれることもある。
ロータリーダンパー77、ガイド溝4a、4b、およびストッパ22a、22bは、連結部と呼ばれることもある。
【0160】
回転装置1Gによれば、上記第5(6)の実施形態における第1シリンダーダンパー47および第2シリンダーダンパー48(第1シリンダーダンパー47)に代えて、ロータリーダンパー77が使用されることで、減衰部材の種類を変えた場合の例になっている。
このため、回転動作に関しては、上記第5(6)の実施形態と同様である。このため、当業者は、上記第5(6)の実施形態の回転動作から本実施形態の回転動作を容易に理解することができるため、詳細な説明は省略する。
【0161】
本実施形態の回転装置1Gおよび回転装置1Gを備える回胴式遊技機50Gによれば、減速ギヤ74とリール25とが上記第5の実施形態と同様の相対回転変位規制部を有する連結部によって連結されている。このため、回転装置1Gは、駆動機構の動作の安定性に影響することなくリール25の回転動作に変化をつけることができる。
特に本実施形態によれば、減衰部材としてロータリーダンパー77を用いるため、上記第5(6)の実施形態における減速ギヤ4よりも減速ギヤ74が小径であっても、装置構成が容易である。さらに、回転装置1Gの組み立ては、ロータリーダンパー77が固定された減速ギヤ74および固定部材72を軸方向に順次配置して行うことができるため、組立性が良好になる。
【0162】
なお、上記各実施形態では、駆動機構が、減速機構を備える場合の例で説明した。このため、減速ギヤが第1の回転体になっていた。しかし、駆動機構は、第1の回転体を直接的に駆動する構成でもよい。この場合、第1の回転体は、駆動モータに直結される。第1の回転体は、上記各実施形態における減速ギヤのギヤ部を削除した構成が用いられてもよい。
【0163】
上記各実施形態では、相対回転変位規制部として、第1の回転体にガイド溝を構成する凹部が、第2の回転体にストッパを構成する凸部が設けられた場合の例で説明した。しかし、相対回転変位規制部は、第1の回転体にストッパなどの凸部が、第2の回転体にガイド溝などの凹部が設けられていてもよい。あるいは、相対回転変域生部は、第1の回転体に凹凸部が設けられ、第2の回転体にこれと係合する凹凸部が設けられていてもよい。
【0164】
上記各実施形態では、相対回転変位規制部が、2つのガイド溝と、2つのストッパからなる場合の例で説明した。しかし、相対回転変位規制部は、1個で形成されてもよいし、3個以上設けられてもよい。
【0165】
上記第1〜第4の実施形態では、それぞれ、弾性変形部材が1または2個の場合の例で説明した。しかし、弾性変形部材は、3個以上用いられてもよい。
【0166】
上記第5〜7の実施形態では、それぞれ、減衰部材が1または2個の場合の例で説明した。しかし、減衰部材は、3個以上用いられてもよい。
【0167】
上記実施形態の説明では、回転装置が回胴式遊技機に用いられる場合を例で説明した。しかし、本発明の回転装置は、単体として用いられてもよいし、回胴式遊技機以外の遊技機、例えば、パチンコ遊技機、メダルゲームやプライズゲームといったアーケードゲーム機器などに用いられてもよい。
【0168】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更がなされてもよい。
例えば、連結部は、弾性変形部材と、減衰部材との両方を有していてもよい。