特許第6881876号(P6881876)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6881876高いトルクと限定されたアングルを有する電磁気トルクモーター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6881876
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】高いトルクと限定されたアングルを有する電磁気トルクモーター
(51)【国際特許分類】
   H02N 11/00 20060101AFI20210524BHJP
   H02K 16/04 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   H02N11/00 Z
   H02K16/04
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-554038(P2017-554038)
(86)(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公表番号】特表2018-517383(P2018-517383A)
(43)【公表日】2018年6月28日
(86)【国際出願番号】EG2016000011
(87)【国際公開番号】WO2016169572
(87)【国際公開日】20161027
【審査請求日】2019年3月28日
(31)【優先権主張番号】2015040617
(32)【優先日】2015年4月21日
(33)【優先権主張国】EG
(73)【特許権者】
【識別番号】517343874
【氏名又は名称】エルガミル,モハメド アーメド
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100163544
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 緑
(72)【発明者】
【氏名】エルガミル,モハメド アーメド
【審査官】 小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04345174(US,A)
【文献】 中国特許出願公開第105186821(CN,A)
【文献】 中国実用新案第205004967(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 11/00
H02K 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制限された角方向変位(制限された角方向変位は、限定されたアングル転置ともいう)を有する電磁機トルクモーターであって、該電磁機トルクモーターは、回転部分と1つ以上の固定部分からなり、各固定部分は2つまたはそれ以上の端を持ち、該固定部分の各端は、回転部分における一つ以上の対応する表面に向かい合う表面を持っており、ここで、回転部分及び一つ以上の固定部分の向かい合う面は、ギャップで分離され、このギャップは、回転部分と一つ以上の固定部分の向かい合う面が最も近い位置にあるときゼロ値であり、そして、回転部分が移動されるとき、そこにギャップが生成されるものであって、ここで、該固定部分の一つ以上の表面は、回転部分の回転の中心と一致若しくはその近くの点(点はポイントともいう)から始まり、回転部分の一方の側に沿って角度をもって傾斜し、このような固定部分の角度をもった傾斜は回転部分の回転の中心と一直線になる点から回転部の端部に沿って延び、2つの向かい合う表面間のギャップ幅が、角度を持った傾斜の端部(端部は頂点ともいう)側で最小に、該端部の反対側に沿って最大になるように、固定部分と回転部分の向かい合う表面の間のギャップを可能にする、電磁機トルクモーター。
【請求項2】
その端で表面に向かい合っている固定部分は、回転部分の回転の中心と一致するポイント始まりそして、その発生した引っ張る電磁力が、一方向のトルクを生む方法で、回転の中心の片側に拡張する、請求項1に記載の限定されたアングル転置を持つ電磁気のトルクモーター。
【請求項3】
同方向にトルクを生成し、お互いに抵抗しない方法で、引っ張る力を生む2対の対表面を割り当てる、請求項1又は2に記載の限定されたアングル転置を持つ電磁気のトルクモーター。
【請求項4】
前記傾斜の端部付近における、固定部と回転部の対向表面間の近接性が利用される、請求項1〜3のいずれか一に記載の限定されたアングル転置を持つ電磁気のトルクモーター。
【請求項5】
2つの固定部の端で2つの向かい合う表面は、結果的な電磁気の引っ張る力がゼロで純粋なトルク対であるような方法で、回転部における2つの表面に向き合っている、請求項1〜4のいずれか一に記載の限定されたアングル転置を持つ電磁気のトルクモーター。
【請求項6】
2つ以上の向かい合う表面対と1つの電磁回路が利用される、請求項1〜5のいずれか一に記載の限定されたアングル転置を持つ電磁気のトルクモーター。
【請求項7】
トルク間の矛盾がなく、すべての力が均衡するように向かい合う表面対が配置されている、請求項6に記載の限定されたアングル転置を持つ電磁気のトルクモーター。
【請求項8】
1つの方向または2つの回転方向にトルクを発生させるために、2つ以上の電磁気グループを使用することができる、請求項に記載の限定されたアングル転置を持つ電磁気のトルクモーター。
【請求項9】
前記電磁気グループが、1つのプレインに沿う1つのレベルまたは複数のプレインに沿う複数のレベルで設計される、請求項に記載の限定されたアングル転置を持つ電磁気のトルクモーター。
【請求項10】
さらに、フラックスアイソレータを、フラックス漏れまたは電磁気トルクモータにおける妨害を防止するために含む、請求項に記載の限定されたアングル転置を持つ電磁気のトルクモーター。
【請求項11】
永久磁石が、電磁気トルクモータの性能を向上させるために使用される、請求項のいずれか一に記載の限定されたアングル転置を持つ電磁気のトルクモーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は限定されたアングル転置を有するトルクモーターに関する。
【背景技術】
【0002】
トルクモーターは、荷あるいはコントロールタイプに依存する値のアングル転置を産み出すようなターニングトルクを供給するモーターである。特に、回転アングルが小さいとき、電磁気装置は使用済みのモーターである。セラミックスタックの圧電性のモーターは、同じく限定された小さいアングル転置で高回転するトルクを生成するために使用できる。
電磁気トルクモーターは、さまざまなそれらのコイルの場所、コイルの接続方法そしてこれらのモーターが永久磁石を持っているかどうかによって、異なる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
圧電性のアクチュエーターのトルクモーターは高いトルクを生成ことができるが、それらの限定された短すぎるストロークでは、必要とされる回転アングルを提供することは難しい。電磁気トルクモーターは、圧電性のものと比較して高いトルクを作成はしないが、それらは重要な回転アングルを生み出すことができるので、より一般的である。電磁気トルクモーターのパフォーマンスは、それらの生成された限定トルクによって制限されないだけでなく、同じくそれらの動いている部分の慣性が、生成されたトルクの主要な値を消費する。したがって、それらの慣性は高い応答速度を必要とするアプリケーションで応答速度を制限する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明では、小さいアングルで傾斜する固定部分表面に対して回転部分表面の緊密さ、特にアングルボルテックス付近の緊密さを、2つの表面と結果的に生じるトルクの間の電磁気の引き出す力を増大するために、トルクモーターを利用する。そのために、固定部分表面は、ギャップが出来る限り最も小さい幅にあるところの回転部分の中心と一致するポイントで始まる。アングル増加によってこの出発点から離れる際、この幅は増加する。固定部分表面のスタートは、回転部分の中心と一致する、あるいはそれに近いポイントであるべきで、さらにそれらの間のアングルがゼロであるとき、2つの対表面がギャップなしに完全にお互いに接するように、回転部分、固定部分と回転の中心は位置する。1対以上の対表面の利用、結果的な力を消失するようなこれらの対を供給するようなさまざまな設定において、デザインは異なり、純粋な回転トルク対のみを生成する。1つ以上のレベルでの2つのグループ、二方向回転のうちの一つにおけるそれぞれのグループの仕事を利用することも同じく可能である。表面のフォームと次元は、必要とされる操作指示に反するトルクを生み出すような、どんな妨害の手がかりも避けるべく可能な方法で選択されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、特に慣性縮小が重要であるとき、部分(1)が回転部分で、トルクモーターのシャフト、あるいは、外部のアクチュエーターと接続する必要なく回転するようにする機器のシャフトにもなり得る、発明に用いられたトルクモーターの主力アイテムの例を示す。回転部分(1)は回転の中心(2)について回転する。その2つの終わりの表面が回転部分の2つの対応する表面に近くなるとき、固定部分(3)は電磁気の巡回を完了する。そしてそこで電気のコイル(4)は電磁気のフラックスジェネレーターになる。電磁気のコイルに電流が流れるとき、電磁気フラックスが生じ、そして固定部分の2つの端の表面と回転部分の対応表面との間のギャップを埋めようとする。回転の中心へ、1つのサイドに位置している表面が向かい合っているため、結果的に生み出される引っ張る力は、回転の中心からその脇へシフトし、トルクの回転部分の回転をもたらす。図1に示される例で、固定部分の端の両方に生成される2つの力は、反時計回りにその方向を変えるために回転部分に対応する2つの表面を引くように働く。
【0006】
図2は、図1で説明した回転の中心(2)と固定部分の2つの端(3)の例の回転部分(1)のズームを示す。固定部分の端は、回転の中心、あるいはその近くで一致するポイント(5)から始まり、そして、対抗するトルクを生成しないように、回転の中心(2)の片側に向かってその表面(7)を拡張する。 固定部分表面(7)と対応する回転部分表面(6)はお互いの方に傾いている。そしてポイント(5)からの距離がより短くなるとき、それらはより近くなり、ギャップ幅は縮小する。
電磁気フラックスから生成された力は逆にギャップ幅の2乗に比例しており、そして傾斜角の減少とギャップ幅の関連づけられた減少にともなって、それは増加する。
それを距離(x)と呼ぶポイント(5)からの距離の増加で、ギャップ幅は増加し、ギャップ幅の値は(x)と傾斜角(ラジアン)の積に近く。したがって、ギャップ幅の2乗に比例している距離(x)において力を引き出すことは、逆に距離(x)の2乗に比例する。距離(x)におけるローカルな力に帰せられるトルクは、力とその腕(距離(x))の積に匹敵する。2つの関係を結合して、ローカルなトルクが逆に距離(x)に比例していると結論づけられる。換言すれば、その生成される力がポイント(5)により近くなるとき、トルクは同じく増加し、そして逆の釣り合いは2乗ではなく、距離(x)による。そして完全なトルクは、ポイント(5)から2つの対応する対表面の端までローカルなトルクを統合することによって、計算される。この分析は、単なる実際の計算ではなく、考えを説明するためのものである。
【0007】
図3は幾何学的な関係の前の近似がどれぐらい正確であるかを示し、必要な場合に、より正確な関係の決定において役立つ、ギャップのさらなるクローズアップである。回転部分(8)が固定部分と2つの向かい合った表面(6)に完全に触れ、そして(7)がギャップなしで他に完全に接していることを示す。図は、2つの表面が完全にお互いに触れていないかぎり、ギャップ幅がポイント(5)でさえゼロに匹敵しないことを示す。
この例におけるポジション(8)に到達するとき、表面(6)が完全に表面(7)を覆わないことも記されている。
【0008】
固定部分(9)とその電気のコイル(10)は、時計回りにトルクを生成できるように、図4の例のように加えられ、モーターは両方向に機能することができる。
【0009】
図5での例は、どのように数対の向き合った表面と示された4対以上と3回路を利用するいくつかの電磁気回路の利用法を示す。より多くのトルクを得ることに加えて、力はバランスがとれ、そしてそれにより結果的な横の力もない。たとえ、図1に示されるように、2つの対のみが利用されるとしても、それらは横の力なしで純粋な対を得るために調整される。回転部分は、図3に示されるケースに反して向きを変えるとき、すべての固定されている表面積をカバーするためにゾーン(11)で拡張する。回転部分表面は、フラックス漏れに抵抗するトルクを作る可能性を減らすためにゾーン(12)で調整される。フラックスを加えるとアイソレーターの機能をより改善することができる。
【0010】
図6は、2つの固定部分が2方向で働くとき利用する3番目の例を示す。それぞれが横の力なしで純粋な対を生み出すために調整される。もし両方ともが同水準、またはお互いに近ければ、(13)そして(14)のようなフラックスアイソレータを漏れの減少に使用できる。
【0011】
その2つの端が回転部分の2つの異なった表面に向かいあっている固定部分(3)について記述される特徴が使用できる唯一の可能な形状というわけではない。例えば、固定部分は、1つ以上の端を持っていることができ、そしてそれらのすべてが回転部分の同じ表面に向かい合う。図7は、2つの固定されている部分(3)と(9)を示しており、それらのそれぞれが可動の部分(2)の同じ表面に向き合っている3つの端を持つ。固定部分の両方ともが、この場合同方向に回転部分を回転させる。上と正面からの様子が、より分かりやすく説明する。向き合った表面とそれゆえ作成されるトルクを増やすために、固定部分(9)の中央に面している部分(15)は、(T)の字型である。フラックスアイソレータ(13)と(14)は、同じく固定部分と回転部分間の異なったギャップでの望まない漏れを防ぐために使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1 発明アイディアに用いられている電磁気トルクモーター例の主要部分を示す。
図2図1に示した例の回転部分のクローズアップを、固定されている部分の両端と対表面とともに示す。
図3図1の対表面とそのストロークエンドでの回転部分の位置のクローズアップを示す。
図4】トルクモーターがどのように2方向の回転を行うかの例を示す。
図5】トルクの増加と同様に2対以上の向き合った表面と電磁気の巡回の使用法を示す。力の均衡と同じく向かいあった表面積縮小を避け、電磁気フラックスの漏れの減少改善の例を示す。
図6】2方向で電磁気のトルクモーターを回すための2つのバランスのとれた力のグループの使用と、交差点での漏れと妨害を減らすフラックスアイソレータの使用の例を示す。
図7】固定部分と回転部分の調整の他の例を示す。
【産業上の利用可能性】
【0013】
固定部分と回転部分の対応する表面間での角傾斜の減少をトルクが増強する小さいストロークアングルにおいて、トルクモーターは高いトルクを生成する。これらのモーターは、ワイヤ成形機のような機械に適する。最新の機械は、特定の製品または減速機付き電気サーボモーター、プログラム可能な多目的機械用空気圧および油圧アクチュエーター用のカムを使用する。強力なトルクモーターを使用すると、単純、低コストで制御が容易なプログラム可能な多目的機械も設計できる。
他の重要な応用はサーボバルブのトルクモーターである。一般的なモーターは、中間のアンプなしで直接それらを操作することができません。このモーターはこのようなアプリケーションの多くに必要とされる操作トルクを提供できる。さらに、慣性を減らし、応答速度を増やすために機器の統合された部分の設計も可能にする。
【符号の説明】
【0014】
1:回転部分
2:回転の中心
3:固定部分
4:電気のコイル
5:ポイント
6:回転部分表面
7:固定部分表面
8:ポジション
9:固定部分
10:電気のコイル
11:ゾーン
12:ゾーン
13,14:フラックスアイソレータ
15:中央に面している部分


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7