(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6881881
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】手術用照明および手術用照明の交換用電球
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20210524BHJP
F21K 9/00 20160101ALI20210524BHJP
F21K 9/238 20160101ALI20210524BHJP
F21K 9/237 20160101ALI20210524BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20210524BHJP
F21V 29/76 20150101ALI20210524BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20210524BHJP
【FI】
F21S2/00 610
F21K9/00 100
F21K9/238
F21K9/237
F21V29/503
F21V29/76
F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-545665(P2017-545665)
(86)(22)【出願日】2016年2月24日
(65)【公表番号】特表2018-506833(P2018-506833A)
(43)【公表日】2018年3月8日
(86)【国際出願番号】US2016019296
(87)【国際公開番号】WO2016138098
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2019年2月8日
(31)【優先権主張番号】62/120,668
(32)【優先日】2015年2月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517296880
【氏名又は名称】リン、ジャオフイ
(73)【特許権者】
【識別番号】514167293
【氏名又は名称】カオ、デンセン
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】リン、ジャオフイ
(72)【発明者】
【氏名】カオ、デンセン
【審査官】
當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−035372(JP,A)
【文献】
特表2010−518587(JP,A)
【文献】
特表2002−510134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21K 9/00
F21K 9/237
F21K 9/238
F21V 29/503
F21V 29/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用照明であって、
電球であって、
発光ダイオード(LED)モジュールと、
前記発光ダイオードモジュールに連結されたヒートシンクと、
第1の端部と第2の端部とを有する基部であって、第2の端部に、前記手術用照明のソケットに電気的に接続するための接続部を有するものであり、この基部は、さらに第1の端部に複数の脚部を有し、当該複数の脚部を介して前記ヒートシンクに連結されているものである、前記基部と、
前記ヒートシンクのキャビティ内に配置された制御回路と
を有する前記電球を有し、
前記ヒートシンク上の前記発光ダイオードモジュールは、光を前記基部に対して向けるように配向されており、前記電球が前記手術用照明のソケットに装着されて電力が供給されたときに、前記発光ダイオードから放射された光が前記手術用照明のレンズに対して直接放射されず、反射光のみが前記手術用照明のレンズを通過するようになっているものであり、
前記基部の前記接続部は前記複数の脚部に設けられた通路を通過して前記ヒートシンク内の前記制御回路に電気的に接続されており、当該制御回路は前記ヒートシンク上の前記発光ダイオードモジュールと電気的に接続されているものである
手術用照明。
【請求項2】
請求項1に記載の手術用照明において、前記ヒートシンクは、さらに、複数のフィンを有するものである手術用照明。
【請求項3】
電球であって、
発光ダイオード(LED)モジュールと、
前記発光ダイオードモジュールが配置されたヒートシンクと、
第1の端部と第2の端部とを有する基部であって、第2の端部に、手術用照明のソケットに電気的に接続するための接続部を有するものであり、この基部は、さらに第1の端部に複数の脚部を有し、当該複数の脚部を介して前記ヒートシンクに連結されているものである、前記基部と、
前記ヒートシンクのキャビティ内に配置された制御回路と
を有し、
前記ヒートシンク上の前記発光ダイオードモジュールは光を前記基部に対して向けるように配向されており、
前記基部の前記接続部は前記複数の脚部に設けられた通路を通過して前記ヒートシンク内の前記制御回路に電気的に接続されており、当該制御回路は前記ヒートシンク上の前記発光ダイオードモジュールと電気的に接続されているものである
電球。
【請求項4】
請求項3に記載の電球において、前記ヒートシンクは、さらに、複数のフィンを有するものである電球。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術用照明および手術用照明の交換用電球に関する。特に、発光ダイオード(LED)を含む電球を有する手術用照明に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年2月25日付で出願された米国仮特許出願第62/120,66
8号に対して利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許出願公開第2007/0102033号明細書
(特許文献2) 米国特許出願公開第2009/0290349号明細書
(特許文献3) 米国特許出願公開第2013/0154465号明細書
(特許文献4) 米国特許出願公開第2013/0027947号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
手術用照明は発光ダイオード(light emitting diode:LED)を含む電球を有し、当該電球は、手術用照明のソケットに装着されて電力が供給されたとき、LEDから放射された光のいずれも手術用照明のレンズを通して直接放射されることがなく、反射光のみが手術用照明のレンズを通過するように配置される。
【0004】
交換用電球は、ヒートシンク上に配置されたLEDを含むことができる。LEDは、交換用電球の基部に向かって光を向けるように配向されてもよく、交換用電球の基部は、手術用照明のソケットと連結するように構成される。
【0005】
本発明のさらなる特徴および利点は以下の説明で述べられ、一部は説明から明らかになるか、または本発明の実施によって習得され得る。本発明の特徴および利点は、特に添付の特許請求の範囲において指摘された機器および組み合わせによって実現および取得することができる。本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになる、または以下に述べる本発明の実施によって習得し得る。
【0006】
本発明の上記および他の利点ならびに特徴を得る方法を説明するために、上記で簡単に述べた本発明のより具体的な説明を、添付の図面で図示される特定の実施例を参照して表現する。これらの図面は、本発明の一般的な実施形態のみを示すものであり、したがって、その範囲を限定するものではないことを理解し、本発明は、添付の図面を使用して、さらなる特異性および詳細を用いて記述および説明される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、従来の電球を用いた手術用照明の概略図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による電球を用いた手術用照明の概略図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態による別の電球の分解図を示す。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態による別の電球の分解図を示す。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態による別の電球の分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示すように、手術用照明10は、一般に電球12、反射体14、およびレンズ16を含むことができる。電球12のような従来の電球は、実質的に全方向に光を放射する白熱電球であってもよい。電球12が手術用照明10のソケット18に取り付けられて電力が供給されると、光ビーム20によって示すように、電球12は反射体14に向かって光を直接放射する。電球12はまた、光ビーム22によって示されるように、レンズ16に向かって光を直接放射する。
【0009】
本発明の実施形態では、
図2に示すように、手術用照明30は、発光ダイオード(light emitting diode:LED)34を含む電球32を含む。手術用照明30(
図1)は、従来の電球12とは異なる電球32を含むことを除き、手術用照明10(
図1)と同一であってもよい。再び
図2を参照すると、手術用照明30は、反射体36、レンズ38、およびソケット40を含むことができる。電球32がソケット40に取り付けられて電力が供給されると、電球32のLED34は、光ビーム42および44によって示すように、反射体36に向かって光を直接放射する。しかしながら、LED34からの光はいずれもレンズ38に直接放射されず、レンズ38を通過する光の全ては反射光である。これは、電球32がソケット40に取り付けられるときに、LED34が手術用照明30のソケット40および反射体36の方に向くように配置されるためである。
【0010】
電球32について、
図3〜
図5を参照してより詳細に説明する。
図3は、電球32の分解図を示す。示すように、電球32は、基部42、カバー44、LEDモジュール46、ヒートシンク48、制御回路50、およびキャップ52を含むことができる。
【0011】
図4に示すように、LEDモジュール46はLED34を含み、LED34は、金属プリント回路基板(metal printed circuit board:MPCB)54のような熱伝導性材料上に実装された単一パッケージLEDチップまたはパッケージ内の複数のLEDチップであってもよい。示すように、LEDモジュール46のLEDチップを覆うカプセルはレンズとして機能する。
【0012】
ラミネート層により、形状記憶、靱性、および摩耗/穿刺耐性などの物理的特性の最良の組み合わせがマウスガード(mouth guard)に組み込まれてもよい。いくつかの実施形態では、マウスガードは、以下の物理的特徴の1若しくはそれ以上を含み、有効性を改善できる。
【0013】
制御回路50は、ヒートシンク48のキャビティ内に配置され、LEDモジュールは、ヒートシンク48の開口部または管を通って延在するワイヤ(図示せず)によって制御回路50に電気的に接続される。キャップ52がヒートシンク48に取り付けられることで、制御回路50がヒートシンク48の内部に封入される。
【0014】
ヒートシンク48およびキャップ52の両方は、金属または熱伝導性ポリマーなどの熱伝導性材料から形成されてもよく、LEDモジュール46のLED34によって発生する熱を取り除き放散するように機能する。さらに、ヒートシンク48およびキャップ52は、制御回路50によって発生する熱を取り除き放散することができる。また、ヒートシンク48は、ヒートシンク48の表面積を増加させ、熱放散を改善するフィン56などの特徴を有することができる。
【0015】
カバー44は、ヒートシンク48の表面上に配置してもよく、LEDモジュール46の一部を覆ってもよい。LEDモジュール46のLED34が覆われず、LED34から放射される光がカバー44を通過できるようにカバー44内に開口部を配置してもよい。
【0016】
基部42は、第1の端部で複数の脚部58によってカバー44および/またはヒートシンク48に連結してもよい。基部42は、第2の端部に、手術用照明30のソケット40への電気的接続のためのピン60を含むことができる。ピン60は、1若しくはそれ以上の脚部58内の通路62(
図5参照)を通過し、さらにカバー44およびヒートシンク48内の1若しくはそれ以上の開口部を通過するワイヤ(図示せず)によって、制御回路50に電気的に結合してもよい。
【0017】
図6〜8は、本発明の別の実施形態による電球64を示す。電球64は、電球32のLEDモジュール46と実質的に同一であり得るLEDモジュール76を含むことができる。電球64は、別の手術用照明のソケットに取り付けるように構成された基部66をさらに含むことができる。電球64は同様に、カバー68、ヒートシンク70、制御回路72およびキャップ74を含むことができる。
【0018】
図9〜
図11は、本発明の別の実施形態による電球164を示す。電球164は、電球32のLEDモジュール46と実質的に同一であり得るLEDモジュール176を含むことができる。電球164は、別の手術用照明のソケットに取り付けるように構成された基部166をさらに含むことができる。電球164は、同様に、カバー168、ヒートシンク170、制御回路172およびキャップ174を含むことができる。
【0019】
図12〜
図14は、本発明の別の実施形態による電球264を示す。電球264は、電球32のLEDモジュール46と実質的に同一であり得るLEDモジュール276を含むことができる。電球264は、別の手術用照明のソケットに取り付けるように構成された基部266をさらに含むことができる。電球264はまた、ヒートシンク270、制御回路272、およびキャップ274を含むことができる。電球264は、ヒートシンク270ではなく、制御回路を含む基部266内にキャビティを有することができる。カバー268は、基部266内のキャビティを覆うように基部266に取り付けることができる。したがって、制御回路は、基部266の1若しくはそれ以上の脚部258を通って延在するワイヤ(図示せず)によって、LEDモジュール276に連結できる。
【0020】
本発明は、他の特定の形態で具体化することができる。記述した実施形態は、あらゆる点において、単に例示的であって限定的なものではないとみなすべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲と均等の意味および範囲内に入る全ての変更は、その範囲内に含まれる。