特許第6881885号(P6881885)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6881885
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】熱電発電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 35/32 20060101AFI20210524BHJP
   H01L 35/10 20060101ALI20210524BHJP
   H02N 11/00 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   H01L35/32 Z
   H01L35/32 A
   H01L35/10
   H02N11/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-50719(P2015-50719)
(22)【出願日】2015年3月13日
(65)【公開番号】特開2016-171230(P2016-171230A)
(43)【公開日】2016年9月23日
【審査請求日】2018年2月2日
【審判番号】不服2020-13105(P2020-13105/J1)
【審判請求日】2020年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】590000835
【氏名又は名称】株式会社KELK
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧野 一也
(72)【発明者】
【氏名】藤本 慎一
(72)【発明者】
【氏名】八馬 弘邦
【合議体】
【審判長】 辻本 泰隆
【審判官】 加藤 浩一
【審判官】 井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−270421(JP,A)
【文献】 特開2012−212839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L35/32
H01L35/10
H02N11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏の一方に冷却面が設けられ、他方に加熱面が設けられた熱電発電モジュールであって、
複数の熱電素子と、
前記熱電素子を挟持し前記冷却面および前記加熱面を形成する一対のフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板の互いの対向面に設けられて前記熱電素子を電気的に接続する複数の素子間電極と、
電気的な配列の端部に位置する熱電素子が接続される素子間電極に電気的に接続されたリード線と、
前記フレキシブル基板間に介装された補強部材と
前記フレキシブル基板の対向面に前記リード線と交差する方向に延び前記補強部材が固定される固定用ベースとを備え、
前記補強部材は、前記端部に位置する熱電素子よりも前記リード線が引き出される側に設けられており、
前記補強部材と前記リード線とは前記固定用ベースを介して連結されている
ことを特徴とする熱電発電モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の熱電発電モジュールにおいて、
前記補強部材は、前記熱電素子と略同一の熱物性および形状を有する
ことを特徴とする熱電発電モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の熱電発電モジュールにおいて、
前記補強部材は、前記熱電素子と同一の素子である
ことを特徴とする熱電発電モジュール。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の熱電発電モジュールにおいて、
記フレキシブル基板の対向面に前記リード線と交差する方向に延び前記補強部材とは独立した補強用パターンを備える
ことを特徴とする熱電発電モジュール。
【請求項5】
請求項4に記載の熱電発電モジュールにおいて、
前記固定用ベースおよび前記補強用パターンは、一つの導体から前記素子間電極とともに形成される
ことを特徴とする熱電発電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電発電モジュールに係り、特に互いに対向するフレキシブル基板間に複数の熱電素子を介装させた熱電発電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
熱電発電モジュールは、ゼーベック効果によって2つの物体の温度差を利用して発電するものである。従来の熱電発電モジュールとして、例えば特許文献1のものが知られている。
特許文献1の熱電発電モジュールは、いわゆるΠ(パイ)型構造を有し、複数の熱電素子を平面状に配列し、それらを電極によって電気的に直列に接続した上で、対向して設けられたフレキシブル基板間に介装させた構造である。熱電素子と電極とを含んで構成された直列回路の端部には、リード線が接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−270421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の従来の熱電発電モジュールでは、一方のフレキシブル基板が低熱源と接触し、他方のフレキシブル基板が高熱源と接触するので、高熱源側のフレキシブル基板と低熱源側のフレキシブル基板とで熱膨張の度合いに差が生じやすく、熱電素子と電極との間の接合部分に外力が加わったり、応力が生じたりして当該熱電素子が電極から剥がれるおそれがある。特に電気的な配列の端部に位置する熱電素子は、周囲を囲う他の熱電素子の数が少ないことから、リード線を介して外力が加わったときに、その外力に影響されて同様な状況に陥る可能性が高く、問題である。
【0005】
本発明の目的は、熱電素子とこれが接合される電極との接合部分の接合強度を確実に維持できる熱電発電モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の熱電発電モジュールは、表裏の一方に冷却面が設けられ、他方に加熱面が設けられた熱電発電モジュールであって、複数の熱電素子と、前記熱電素子を挟持し前記冷却面および前記加熱面を形成する一対のフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板の互いの対向面に設けられて前記熱電素子を電気的に接続する複数の素子間電極と、電気的な配列の端部に位置する熱電素子が接続される素子間電極に電気的に接続されたリード線と、前記フレキシブル基板間に介装された補強部材とを備え、前記補強部材は、前記端部に位置する熱電素子よりも前記リード線が引き出される側に設けられていることを特徴とする。
【0007】
熱電発電モジュールは、電気的な配列において端部に位置する熱電素子よりもリード線が引き出される側に補強部材が設けられているので、リード線を介して外力が加わったときには、熱電素子と素子間電極との接合部分に生じるはずの応力が補強部材とフレキシブル基板との接合部分に分散される。このため、熱電素子と素子間電極との接合部分に作用する応力を抑制することができ、熱電素子とこれが接合される素子間電極との接合部分の接合強度を確実に維持できる。
【0008】
本発明の熱電発電モジュールにおいて、前記補強部材は、前記熱電素子と略同一の熱物性および形状を有することが好ましい。
【0009】
本発明の熱電発電モジュールにおいて、前記補強部材は、前記熱電素子と同一の素子であることが好ましい。
【0010】
本発明の熱電発電モジュールにおいて、前記フレキシブル基板の対向面に前記リード線と交差する方向に延び前記補強部材が固定される固定用ベース、および前記フレキシブル基板の対向面に前記リード線と交差する方向に延び前記補強部材とは独立した補強用パターンの少なくとも何れか一方を備えることが好ましい。
【0011】
本発明の熱電発電モジュールにおいて、前記固定用ベースおよび前記補強用パターンは、一つの導体から前記素子間電極とともに形成されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る熱電発電モジュールを示す側面図。
図2】熱電発電モジュールの平断面図。
図3】熱電発電モジュールの正面図。
図4】変形例1に係る熱電発電モジュールの要部を示す側面図。
図5】変形例1に係る熱電発電モジュールの要部の平断面。
図6】変形例1に係る熱電発電モジュールの要部の正面図。
図7】変形例2に係る熱電発電モジュールの要部を示す側面図。
図8】変形例2に係る熱電発電モジュールの要部の平断面図。
図9】変形例2に係る熱電発電モジュールの要部の正面図。
図10】変形例3に係る熱電発電モジュールの要部を示す側面図。
図11】変形例3に係る熱電発電モジュールの要部の平断面図。
図12】変形例3に係る熱電発電モジュールの要部の正面図。
図13】変形例4に係る熱電発電モジュールの要部を示す側面図。
図14】変形例4に係る熱電発電モジュールの要部の平断面図。
図15】変形例4に係る熱電発電モジュールの要部の正面図。
図16】変形例5に係る熱電発電モジュールの要部を示す側面図。
図17】変形例5に係る熱電発電モジュールの要部の平断面図。
図18】変形例5に係る熱電発電モジュールの要部の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図1図3に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る熱電発電モジュール1の側面図であり、図2は熱電発電モジュール1を図1中の矢印II方向から見た平断面図であり、図3は熱電発電モジュール1を図1中の右方から見た正面図である。
【0014】
熱電発電モジュール1は、複数の熱電素子4と、熱電素子4を挟持する一対のフレキシブル基板2と、フレキシブル基板2の互いの対向面に設けられて熱電素子4を電気的に接続する複数の素子間電極3Aと、電気的な配列の端部に位置する熱電素子4が接続される素子間電極3Aに電気的に接続されたリード線6と、フレキシブル基板2間に介装された補強部材としての補強用素子5と、補強用パターン8とを備える。
【0015】
フレキシブル基板2は、柔軟性を有する絶縁体(例えばポリイミド)によって形成されており、図1中の下側に配置され放熱側と接触する冷却面2Cが設けられた低温側基板2Bと、図1中の上側に配置され熱源と接触する加熱面2Hが設けられた高温側基板2Aとから構成されている。
【0016】
熱電素子4は、N型熱電素子4AおよびP型熱電素子4Bから構成されている。これらのN型熱電素子4AおよびP型熱電素子4Bは、例えばビスマス・テルル系(Bi-Te系)の材料により、同一の大きさの断面正方形の直方体に形成されている。また、N型熱電素子4AとP型熱電素子4Bとは交互に配設され、図1および図2における左右方向に並設されるとともに、図2における上方に向かって折り返されながら、フレキシブル基板2の全面に縦横を揃えて敷設されている。図1中に矢印で示すように、N型熱電素子4Aにはゼーベック効果により高温側から低温側(上方向)に電流が流れ、P型熱電素子4Bには低温側から高温側(下方向)に電流が流れる。このように、熱電素子4で生じた電流をリード線6に流すことで、熱電発電モジュール1は発電を行う。
【0017】
フレキシブル基板2内における配列に関し、以下の説明において、横の並びを「行(Rと図示)」、縦の並びを「列(Cと図示)」と呼び、行列の1単位を1区画と呼び、図1中の右下隅を原点[第1行、第1列]とする(図2参照)。本実施形態では、フレキシブル基板2上に20行×21列の行列が形成されている。ただし、本実施形態において、熱電素子4が設けられているのは第2列目以降である。
【0018】
図1に示すように、熱電発電モジュール1は、Π(パイ)型構造を有し、隣接するN型熱電素子4AとP型熱電素子4Bとは、素子間電極3Aに上端および下端が交互に接続されており、N型熱電素子4A→素子間電極3A→P型熱電素子4Bの順の接続を繰り返し、全ての熱電素子4が電気的に直列に接続されている。この直列回路が熱電発電回路として機能する。
【0019】
発電回路の端部([第1行,第3列][第20行,第3列])に位置する熱電素子4は端部素子4Cであり、端部素子4Cとリード線6とを接続する素子間電極3Aは端部電極3Bである。また、本実施形態では、[第1行,第3列]に位置する端部素子4CがN型熱電素子4Aであり、[第20行,第3列]に位置する端部素子4CがP型熱電素子4Bである。端部電極3Bは、[第1行,第2〜3列][第20行,第2〜3列]の各2区画に亘って設けられている。リード線6は、端部電極3Bおよび後述する低温側固定用ベース7Bに半田付けされている。
【0020】
補強用素子5としては、熱電素子4(N型熱電素子4AおよびP型熱電素子4Bの何れでもよい)が用いられている。つまり、N型熱電素子4A、P型熱電素子4B、および補強用素子5の熱物性および形状は、互いに同じである。
図1に示すように、補強用素子5は、フレキシブル基板2における端部素子4Cよりもリード線6が引き出される側(図中の右側)の領域(具体的には第1〜2列)に含まれる区画である[第2〜3行,第1列][第18〜19行,第1列]に計4個設けられている。
【0021】
補強用素子5は、固定用ベース7を介して両フレキシブル基板2に接続されている。この固定用ベース7は、補強用素子5とフレキシブル基板2との接合を補助するためのものである。本来、補強用素子5とフレキシブル基板2との接合強度は比較的小さいが、間に固定用ベース7が設けられることで、接合強度が高くなっている。
【0022】
固定用ベース7は、低温側基板2Bの対向面に設けられる2つの低温側固定用ベース7Bと、高温側基板2Aの対向面に設けられる2つの高温側固定用ベース7Aとから構成されている。高温側固定用ベース7Aは、[第2〜3行,第1列][第18〜19行,第1列]の各2区画に亘って設けられ、低温側固定用ベース7Bは、[第1〜3行,第1列][第18〜20行,第1列]の各3区画に亘って設けられている。低温側固定用ベース7Bおよび高温側固定用ベース7Aは、リード線6と交差する方向に延びているので、リード線6を介して伝えられる外力の影響を受けやすい端部素子4C近傍の領域において、リード線6と交差する方向(図2中の上下方向)のフレキシブル基板2の曲がりを抑制することができる。
【0023】
低温側基板2Bにおいて、低温側固定用ベース7Bは素子間電極3Aと離間しており、高温側基板2Aにおいて、高温側固定用ベース7Aは素子間電極3Aと離間している。本実施形態の補強用素子5および固定用ベース7の構成では、補強用素子5に電流が流れない。
【0024】
補強用パターン8は、リード線6と交差する方向に延びており、フレキシブル基板2の両対向面に[第4〜17行,第1列]の14区画に亘って帯状に設けられている。各フレキシブル基板2において、素子間電極3Aと端部電極3Bと固定用ベース7と補強用パターン8とは、フレキシブル基板2の対向面に貼付された一枚の導体(例えば銅)からエッチング処理によって形成される。
図示しないが、エッチング処理の特性により、素子間電極3Aと端部電極3Bと固定用ベース7と補強用パターン8とは、基部に向かうほど断面積が大きくなっている。つまり、放熱面積および受熱面積が大きくなっている。従って、低温側基板2Bへの熱移動および高温側基板2Aからの熱移動が容易になっている
また、補強用パターン8が、端部素子4Cよりもリード線6が引き出される側の領域の中央に設けられていることにより、変形量が大きくなりがちな当該領域において、リード線6と交差する方向のフレキシブル基板2の曲がりを抑制することができる。なお、補強用パターン8は、他の電極および熱電素子4と電気的に離間して設けられているので、補強用パターン8に電気は流れない。
【0025】
[実施形態の効果]
以上の本実施形態によれば、熱電発電モジュール1は、端部素子4Cよりもリード線6が引き出される側に補強用素子5が設けられているので、リード線6を介して外力が加わったときには、熱電素子4と素子間電極3Aとの接合部分に生じるはずの応力が補強用素子5と固定用ベース7との接合部分に分散される。このため、熱電素子4と素子間電極3Aとの接合部分に作用する応力(特に端部素子4Cと端部電極3Bとの接合部分に作用する応力)を抑制することができ、熱電素子4とこれが接合される素子間電極3Aとの接合部分の接合強度を確実に維持できる。
【0026】
なお、補強用素子5の配置および数量、それに伴う構成は、前記実施形態のものに限られない。例えば、以下に示す変形例1〜5のようなパターンが考えられる。
【0027】
[変形例1の説明]
変形例1に係る熱電発電モジュール101を、図4図6に基づいて説明する。ただし、前記実施形態の熱電発電モジュール1と同じ構成については、その説明を省略する(変形例2〜5についても同じ)。
図4は熱電発電モジュール101の要部の側面図であり、図5は熱電発電モジュール101の要部を図4中の矢印V方向から見た平断面図であり、図6は熱電発電モジュール101の要部を図4中の右方から見た正面図である。
変形例1に係る熱電発電モジュール101は、補強用素子5の配置、およびそれに付随する構成の配置が、前記実施形態の熱電発電モジュール1と異なる。
【0028】
熱電発電モジュール101の端部素子4Cは、[第1行,第3列][第20行,第3列]に設けられ、補強用素子5は、端部素子4Cよりもリード線6が引き出される側の区画である[第2〜3行,第2列][第18〜19行,第2列]に計4個設けられている。
【0029】
高温側固定用ベース7Aは、3区画に亘ってL字状に設けられており、低温側固定用ベース7Bは、2区画に亘って帯状に設けられている。
端部電極3Bは、2区画に亘って帯状に設けられており、リード線6は、[第1行,第1〜2列][第20行,第1〜2列]において、端部電極3Bおよび低温側固定用ベース7Bにはんだ付けされている。
補強用パターン8は、フレキシブル基板2の両対向面に[第3〜18行,第1列]の16区画に亘って帯状に設けられている。
【0030】
[変形例2の説明]
変形例2に係る熱電発電モジュール201を、図7図9に基づいて説明する。
図7は熱電発電モジュール201の要部の側面図であり、図8は熱電発電モジュール201の要部を図7中の矢印VIII方向から見た平断面図であり、図9は熱電発電モジュール201の要部を図7中の右方から見た正面図である。
【0031】
熱電発電モジュール201の端部素子4Cは、[第1行,第4列][第20行,第4列]に設けられ、補強用素子5は、端部素子4Cよりもリード線6が引き出される側の区画である[第1行,第2〜3列][第2行,第2列][第20行,第2〜3列][第19行,第2列]に計6個設けられている。
【0032】
高温側固定用ベース7Aは、2区画に亘って帯状に設けられている。一方、変形例2において、端部電極3Bが延びており、低温側固定用ベース7Bは存在しない。各端部電極3Bには、1個の端部素子4Cと3個の補強用素子5とが接続されている。各端部電極3Bは、それらを結ぶように略T字状に形成されている。
【0033】
リード線6は、[第1行,第1列][第20行,第1列]において、端部電極3Bにはんだ付けされている。このため、図8に示すように、リード線6のはんだ付け部と端部素子4Cとの間に補強用素子5が配置される。
補強用パターン8は、フレキシブル基板2の両対向面に[第3〜18行,第1列]の16区画に亘って帯状に設けられている。
【0034】
[変形例3の説明]
変形例3に係る熱電発電モジュール301を、図10図12に基づいて説明する。
図10は熱電発電モジュール301の要部の側面図であり、図11は熱電発電モジュール301の要部を図10中の矢印XI方向から見た平断面図であり、図12は熱電発電モジュール301の要部を図10中の右方から見た正面図である。
【0035】
熱電発電モジュール301の端部素子4Cは、[第1行,第4列][第20行,第4列]に設けられ、補強用素子5は、端部素子4Cよりもリード線6が引き出される側の区画である[第1行,第2〜3列][第3行,第2列][第20行,第2〜3列][第18行,第2列]に計6個設けられている。
【0036】
高温側固定用ベース7Aは、3区画に亘って帯状に設けられている。変形例3においても、低温側固定用ベース7Bは端部電極3Bと一体になっている。各端部電極3Bには、1個の端部素子4Cと3個の補強用素子5とが接続されている。各端部電極3Bは、それらを結ぶようにL字状に形成されている。
【0037】
リード線6は、[第2行,第1列][第19行,第1列]において、端部電極3Bにはんだ付けされている。つまり、リード線6は、端部素子4Cの隣の行において、端部電極3Bにはんだ付けされている。このため、図11に示すように、リード線6のはんだ付け部と端部素子4Cとの間に補強用素子5が配置される。
補強用パターン8は、フレキシブル基板2の両対向面に[第4〜17行,第2列]の14区画に亘って帯状に設けられている。
【0038】
[変形例4の説明]
変形例4に係る熱電発電モジュール401を、図13図15に基づいて説明する。
図13は熱電発電モジュール401の要部の側面図であり、図14は熱電発電モジュール401の要部を図13中の矢印XIV方向から見た平断面図であり、図15は熱電発電モジュール401の要部を図13中の右方から見た正面図である。
【0039】
熱電発電モジュール401の端部素子4Cは、[第1行,第4列][第20行,第4列]に設けられ、補強用素子5は、端部素子4Cよりもリード線6が引き出される側の区画である[第1行,第3列][第1〜4および6行,第2列][第20行,第3列][第15および17〜20行,第2列]に計12個設けられている。
【0040】
高温側固定用ベース7Aは、6区画に亘って帯状に設けられている。変形例4においても、低温側固定用ベース7Bは端部電極3Bと一体になっている。各端部電極3Bには、1個の端部素子4Cと6個の補強用素子5とが接続されている。各端部電極3Bは、それらを結ぶようにL字型に形成されている。
【0041】
リード線6は、[第5行,第1列][第16行,第1列]において、端部電極3Bにはんだ付けされている。つまり、リード線6は、端部素子4Cの4行隣において、端部電極3Bにはんだ付けされている。このため、図14に示すように、リード線6のはんだ付け部と端部素子4Cとの間に補強用素子5が配置されるとともに、リード線6のはんだ付け部を挟むように補強用素子5が配置される。
補強用パターン8は、フレキシブル基板2の両対向面に[第7〜14行,第2列]の8区画に亘って帯状に設けられている。
【0042】
[変形例5の説明]
変形例5に係る熱電発電モジュール501を、図16図18に基づいて説明する。
図16は熱電発電モジュール501の要部の側面図であり、図17は熱電発電モジュール501の要部を図16中の矢印XVII方向から見た平断面図であり、図18は熱電発電モジュール501の要部を図16中の右方から見た正面図である。
【0043】
熱電発電モジュール501の端部素子4Cは、[第1行,第4列][第20行,第4列]に設けられ、補強用素子5は、端部素子4Cよりもリード線6が引き出される側の区画である[第1行,第3列][第4および6行,第2列][第20行,第3列][第15および17行,第2列]に計6個設けられている。
【0044】
高温側固定用ベース7Aは、6区画に亘って帯状に設けられている。変形例5においても、低温側固定用ベース7Bは端部電極3Bと一体になっている。各端部電極3Bには、1個の端部素子4Cと6個の補強用素子5とが接続されている。各端部電極3Bは、それらを結ぶようにL字型に形成されている。
【0045】
リード線6は、[第5行,第1列][第16行,第1列]において、端部電極3Bにはんだ付けされている。つまり、リード線6は、端部素子4Cの4行隣において、端部電極3Bにはんだ付けされている。このため、図17に示すように、リード線6のはんだ付け部と端部素子4Cとの間に補強用素子5が配置されるとともに、リード線6のはんだ付け部を挟むように補強用素子5が配置される。
補強用パターン8は、フレキシブル基板2の両対向面に[第7〜14行,第2列]の8区画に亘って帯状に設けられている。
【0046】
[変形例の効果]
以上の変形例1〜5では、前記実施形態とは補強用素子5の配置およびリード線の接続位置が異なるが、前記実施形態と同様に、熱電素子4と素子間電極3Aとの接合部分に作用する応力を抑制することができ、熱電素子4とこれが接合される素子間電極3Aとの接合部分の接合強度を確実に維持できる。
【0047】
なお、本発明は前述の実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態および変形例では、補強用素子5として熱電素子4を用いたが、熱電素子4と略同一の熱物性および形状を有する代替部材を用いてもよい。
【0048】
前記実施形態および変形例では、補強用素子5が発電を行わない構成としたが、補強用素子5が固定用ベース7から剥がれた場合でも熱電素子4による発電が行われる構成であればよく、補強用素子5が発電を補助する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、廃熱を電気エネルギーとして再生する再生装置に利用できる。
【符号の説明】
【0050】
1,101,201,301,401,501…熱電発電モジュール、2…フレキシブル基板、2C…冷却面、2H…加熱面、3A…素子間電極、4…熱電素子、5…補強用素子(補強部材)、6…リード線、7…固定用ベース、8…補強用パターン。
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