(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のコンデンサ素子であって、それぞれが焼結多孔質アノード体、前記アノード体を覆う誘電体層、および前記誘電体層を覆う固体電解質を含み、それぞれのコンデンサ素子からアノードリードが伸長し、それぞれのコンデンサ素子が上側および下側主表面、第1の対向する副表面、ならびに第2の対向する副表面によって画定されており、前記上側および下側主表面がそれぞれ、対向する前記副表面のそれぞれの表面積よりも大きな表面積を有している、複数のコンデンサ素子と、
長さ、幅および高さを有するハウジングであって、長さ対高さの比が約2〜約80の範囲であり、前記ハウジングが密閉シールされ、前記複数のコンデンサ素子が内部に位置付けられている内部キャビティを画定しており、それぞれのコンデンサ素子の下側主表面が前記ハウジングの下壁と対面し、さらに前記下壁が前記ハウジングの長さおよび幅によって画定され、さらに、下壁から伸長する側壁を含み、蓋が配置された上側表面を確定する、ハウジングと、
それぞれのコンデンサ素子の前記アノードリードと電気的に接続されている外部アノード終端部と、
それぞれのコンデンサ素子の前記固体電解質と電気的に接続されている外部カソード終端部と
を含み
カプセル化材料が、前記複数のコンデンサ素子を完全にカプセル化し、前記下壁から前記上側表面まで前記ハウジングを満たしており、
前記コンデンサ素子が複数の平行した列に配列され、コンデンサ素子のそれぞれの列が前記ハウジングの長さに沿って長手方向に伸長しており、
前記カプセル化材料が約1W/m・K以上の熱伝導率を有し、
前記コンデンサ素子の前記下側主表面の全表面積対前記ハウジングの体積の比が約0.06mm-1〜約0.3mm-1の範囲である、コンデンサアセンブリ。
それぞれのコンデンサ素子の前記アノードリードと前記外部アノード終端部とを接続するアノードリードフレームをさらに含む、請求項1または2に記載のコンデンサアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書および図面において参照符号を繰り返して用いているのは、本発明の同一または同様の特徴または要素を表わすことを意図している。
本考察は例示的な実施形態の説明に過ぎず、本発明のより広い態様を限定することを意図していないこと、このより広い態様が例示的な構成において具体化されることは、当業者には理解されるべきである。
【0007】
概して言えば、本発明は、コンデンサアセンブリが100アンペアもの高いリップル電流に耐える必要があり得、100℃以上の温度を経験する可能性がありかつ高電圧環境で、たとえば約50V以上の定格電圧で使用され得る極限条件下において使用するための、複数のコンデンサ素子を収容するハウジングを含む薄型のコンデンサアセンブリを対象とする。コンデンサアセンブリはハウジングの長さ対ハウジングの高さの比が約2〜約80の範囲であるという点で薄型である。上述の条件下で良好な性能を達成させるために、本発明においては、コンデンサ素子の数、コンデンサ素子を配列してアセンブリに組み込む方法、およびコンデンサ素子を形成する方法を含むアセンブリの様々な態様を制御する。たとえば、全体のキャパシタンスを増大させる一方でアセンブリのESRを低減させ、それによりアセンブリの放熱能力を改善するために、コンデンサ素子を電気的に並列に接続することができる。アセンブリの放熱をさらに改善するために、複数のコンデンサ素子をハウジングの内部に配列して、コンデンサ素子とハウジングの間の接触表面積を、たとえば、ハウジングの長さと幅で画定されるハウジングの下壁等において、最大化にし、ハウジングと接触するコンデンサ素子の主表面の全表面積対ハウジングの体積の比を約0.06mm
-1〜約0.3mm
-1の範囲にすることができる。ハウジング内で一定の方法で接続および配列する、たとえば、特定の一実施形態において並列に接続する他に、コンデンサ素子をハウジング内部に封入して密閉シールし、コンデンサ素子の固体電解質に供給される酸素および水蒸気の量を制限する。固体電解質に供給される酸素および水蒸気の量を制限することによってコンデンサアセンブリのESRをさらに低減させ、放熱能力を増大させることができる。
【0008】
ここで本発明の種々の実施形態をより詳細に説明する。
1.
コンデンサ素子
A.
アノード
コンデンサ素子のそれぞれのアノードは一般にバルブ金属粉末から形成される。粉末は1グラムあたり約2,000μF
*V(「μF
*V/g」)〜約500,000μF
*V/gの比電荷を有し得る。当技術分野において公知のように、比電荷はキャパシタンスと用いた電解酸化電圧との積を電解酸化前の電極体の質量で割ることによって決定することができる。ある実施形態においては、粉末は高い比電荷、たとえば、約70,000μF
*V/g以上、いくつかの実施形態においては約80,000μF
*V/g以上、いくつかの実施形態においては約90,000μF
*V/g以上、いくつかの実施形態においては約100,000〜約400,000μF
*V/g、いくつかの実施形態においては約150,000〜約350,000μF
*V/gを有し得る。言うまでもなく、粉末は低い比電荷、たとえば、約70,000μF
*V/g以下、いくつかの実施形態においては約60,000μF
*V/g以下、いくつかの実施形態においては約50,000μF
*V/g以下、いくつかの実施形態においては約2,000〜約40,000μF
*V/g、いくつかの実施形態においては約5,000〜約35,000μF
*V/gも有し得る。
【0009】
粉末は個別の粒子および/またはそのような粒子の凝集体を含んでよい。粉末を形成するための化合物としては、バルブ金属(即ち、酸化が可能な金属)またはバルブ金属ベース化合物、たとえばタンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタン、それらの合金、それらの酸化物、それらの窒化物等が挙げられる。たとえば、バルブ金属組成物はニオブの導電性酸化物、たとえばニオブ対酸素の原子比が1:1.0±1.0、いくつかの実施形態においては1:1.0±0.3、いくつかの実施形態においては1:1.0±0.1、いくつかの実施形態においては1:1.0±0.05である酸化ニオブを含んでよい。たとえば、酸化ニオブはNbO
0.7、NbO
1.0、NbO
1.1およびNbO
2であってよい。そのようなバルブ金属酸化物の例は、
Fifeの米国特許第6322912号、
Fifeらの第6391275号、
Fifeらの第6416730号、
Fifeの6527937号、
Kimmelらの第6576099号、
Fifeらの第6592740号、および
Kimmelらの第6639787号、およびK
immelらの第7220397号、ならびに
Schnitterの米国特許出願公開第2005/0019581号、
Schnitterらの第2005/0103638号、
Thomasらの第2005/0013765号に記載されている。
【0010】
粉末は当業者には公知の手法を用いて形成することができる。たとえば前駆体のタンタル粉末は、タンタル塩(たとえばフルオタンタル酸カリウム(K
2TaF
7)、フルオタンタル酸ナトリウム(Na
2TaF
7)、五塩化タンタル(TaCl
5)等)を還元剤(たとえば水素、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等)によって還元することによって形成することができる。そのような粉末は種々の方法、たとえば約700℃〜約1400℃、いくつかの実施形態においては約750℃〜約1200℃、いくつかの実施形態においては約800℃〜約1100℃の温度での1回または複数回の熱処理ステップによって凝集させることができる。熱処理は不活性または還元性の雰囲気で行なうことができる。たとえば、熱処理を水素または水素放出性の化合物(たとえば塩化アンモニウム、水素化カルシウム、水素化マグネシウム等)を含む雰囲気で行ない、粉末を部分的に焼結させて不純物(たとえばフッ素)の含量を低減することができる。所望であれば、ゲッター材料、たとえばマグネシウムの存在下に凝集を行なってもよい。熱処理の後、空気を徐々に導入することによって、高反応性の粗凝集物を不動態化することができる。その他の好適な凝集手法は、
Raoの米国特許第6576038号、
Wolfらの第6238456号、
Pathareらの第5954856号、
Reratの第5082491号、
Getzの第4555268号、
Albrechtらの第4483819号、
Getzらの第4441927号、および
Batesらの第4017302号にも記載されている。
【0011】
アノード体の構築を促進するために、ある種の成分を粉末に含ませてもよい。たとえば、粉末をプレスしてアノード体を形成させる際に粒子が互いに適切に接着することを確実にするために、粉末をバインダーおよび/または潤滑剤と混合してもよい。好適なバインダーとしては、たとえばポリ(ビニルブチラール);ポリ(酢酸ビニル);ポリ(ビニルアルコール);ポリ(ビニルピロリドン);セルロース系ポリマー、たとえば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびメチルヒドロキシエチルセルロース;アタクチックポリプロピレン、ポリエチレン;ポリエチレングリコール(たとえばDow Chemical社のCarbowax);ポリスチレン、ポリ(ブタジエン/スチレン);ポリアミド、ポリイミド、およびポリアクリルアミド、高分子量ポリエーテル;エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー;フルオロポリマー、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、およびフルオロオレフィンコポリマー;アクリルポリマー、たとえば、ナトリウムポリアクリレート、ポリ(低級アルキルアクリレート)、ポリ(低級アルキルメタクリレート)および低級アルキルアクリレートと低級アルキルメタクリレートのコポリマー;ならびに脂肪酸およびワックス、たとえば、ステアリン酸およびその他の石鹸脂肪酸、植物ワックス、マイクロワックス(精製パラフィン)等が挙げられる。バインダーは溶媒に溶解し、分散してよい。例示的な溶媒としては、水、アルコール等が挙げられる。用いる場合には、バインダーおよび/または潤滑剤の割合は全体の量に対して約0.1質量%〜約8質量%で変動し得る。しかし、本発明においてはバインダーおよび/または潤滑剤は必ずしも必要ではないことを理解されたい。
【0012】
得られた粉末を、任意の従来の粉末プレス装置を用いて圧縮して、ペレットを形成することができる。たとえば、プレス金型、即ち、ダイおよび1つまたは複数のパンチを含むシングルステーション圧縮プレスを用いることができる。あるいは、ダイおよび単一の下部パンチのみを用いるアンビル型圧縮プレス金型を用いてもよい。シングルステーション圧縮プレス金型は、シングルアクション、ダブルアクション、フローティングダイ、可動プラテン、対向ラム、スクリュー、インパクト、ホットプレス、コイニングまたはサイジング等の種々の能力を有するカム、トグル/ナックル、および偏心/クランクプレス等のいくつかの基本タイプが入手可能である。粉末はアノードリード(たとえばタンタルワイヤ)の周りに圧縮してよい。あるいは、アノード体をプレスおよび/または焼結した後でアノードリードをアノード体に取り付け(たとえば溶接し)てもよいことをさらに認識されたい。
【0013】
圧縮の後、あらゆるバインダー/潤滑剤を、ペレットを真空下、一定の温度(たとえば約150℃〜約500℃)で数分間加熱することによって除去してもよい。あるいは、
Bishopらの米国特許第6197252号に記載されているように、ペレットを水溶液と接触させることによって、バインダー/潤滑剤を除去してもよい。その後、ペレットを焼結し、多孔質の一体化された塊を形成させる。たとえば、一実施形態においては約1200℃〜約2000℃、いくつかの実施形態においては約1500℃〜約1800℃の温度で、真空下または不活性雰囲気中でペレットを焼結してよい。焼結に際して、ペレットは粒子間の結合の成長によって収縮する。焼結後のペレットのプレス密度は様々であるが、典型的には1立方cmあたり約2.0〜約7.0g、いくつかの実施形態においては約2.5〜約6.5、いくつかの実施形態においては1立方cmあたり約3.0〜約6.0gである。プレス密度は材料の量をプレスされたペレットの体積で割ることによって決定される。
【0014】
必要ではないが、アノード体の厚みを選択してコンデンサの電気性能を改善することができる。たとえば、アノードの厚みは約4mm以下、いくつかの実施形態においては約0.05〜約2mm、いくつかの実施形態においては約0.1〜約1mmであってよい。得られるコンデンサの電気特性を改善するためにアノードの形状を選択することもできる。たとえば、アノードは湾曲、正弦曲線、長方形、U字形、V字形等の形状を有し得る。アノードはまた、表面対体積の比を増加させてESRを最小化し、キャパシタンスの周波数応答を拡大するために、1つまたは複数のしわ、溝、窪み、または凹みを含むという意味の「フルーティッド(fluted)」形を有してもよい。そのような「フルーティッド」アノードは、たとえば
Webberらの米国特許第6191936号、
Maedaらの第5949639号、および
Bourgaultらの第3345545号、ならびに
Hahnらの米国特許出願公開第2005/0270725号に記載されている。
【0015】
アノードリードをアノード体に接続して、アノード体から長手方向に伸長させてもよい。アノードリードは、ワイヤ、シート等の形態であってよく、バルブ金属化合物、たとえば、タンタル、ニオブ、酸化ニオブから形成し得る。リードの接続は公知の手法を用いて、たとえば、リードをアノード体に溶接することによってまたは形成中(たとえば圧縮および/または焼結前)にリードをアノード体の中に埋め込むことによって、達成することができる。
【0016】
B.
誘電体
誘電体も、コンデンサアセンブリ中のコンデンサ素子のそれぞれのアノード体を覆うまたは被覆する。焼結されたアノードをアノード酸化(「電解酸化」)することによって誘電体が形成され、それにより、誘電体層がアノード体の上および/または中に形成される。たとえば、タンタル(Ta)アノード体が五酸化タンタル(Ta
2O
5)に電解酸化される。典型的には、アノード体を電解質に浸漬するなどして最初に溶液をアノード体に適用することによって電解酸化が実施される。溶媒、たとえば水(たとえば脱イオン水)が一般に用いられる。イオン伝導率を増大させるために、溶媒中で解離してイオンを形成することができる化合物を用い得る。そのような化合物の例としては、たとえば、酸、たとえば、電解質に関連して下に記すような酸が挙げられる。たとえば、酸(たとえばリン酸)は電解酸化溶液の約0.01質量%〜約5質量%、いくつかの実施形態においては約0.05質量%〜約0.8質量%、いくつかの実施形態においては約0.1質量%〜約0.5質量%を構成し得る。所望であれば、酸のブレンドを用いてもよい。
【0017】
電解酸化溶液に電流を流すことによって誘電体層が形成される。化成電圧の値によって誘電体層の厚みが調整される。たとえば、必要な電圧に達するまで、電力供給を最初に定電流モードに設定してよい。その後、アノード体の全表面にわたって所望の厚みの誘電体が形成されることを確実にするために、電力供給を定電圧モードに切り換えてよい。言うまでもなく、他の公知の方法、たとえば、パルス定電圧法またはステップ定電圧法を用いてもよい。アノード酸化が起こる電圧は、典型的には約4〜約400V、いくつかの実施形態においては約9〜約200V、いくつかの実施形態においては約20〜約150Vの範囲である。酸化の間、電解酸化溶液は約30℃以上、いくつかの実施形態においては約40℃〜約200℃、いくつかの実施形態においては約50℃〜約100℃の高温に保ってよい。アノード酸化は周囲温度またはそれ以下で行なってもよい。得られる誘電体層は、アノード体の表面上およびその空孔の内部に形成され得る。
【0018】
C.
固体電解質
上記のように、固体電解質は、一般にコンデンサのカソードとして機能する誘電体を覆う。いくつかの実施形態においては、固体電解質は二酸化マンガンを含んでよい。固体電解質が二酸化マンガンを含む場合には、二酸化マンガン固体電解質は、たとえば硝酸マンガン(Mn(NO
3)
2)の熱分解によって形成し得る。そのような手法は、たとえば
Sturmerらの米国特許第4945452号に記載されており、この文献は全ての目的のため、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
他の実施形態においては、固体電解質は導電性ポリマーを含み、これは典型的にはπ共役しており、酸化または還元の後に導電率、たとえば少なくとも約1μS/cmの導電率を有している。そのようなπ共役導電性ポリマーの例としては、たとえばポリ複素環化合物(たとえばポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等)、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリフェノレート等が挙げられる。一実施形態においては、たとえば、ポリマーは、置換ポリチオフェン、たとえば、以下の一般構造を:
【0019】
【化1】
[式中、
TはOまたはSであり、
Dは置換されていてもよいC
1−C
5アルキレン基(たとえばメチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、n−ペンチレン等)であり、
R
7は直鎖状または分枝状の、置換されていてもよいC
1−C
18アルキル基(たとえばメチル、エチル、n−またはイソ−プロピル、n−、イソ−、sec−またはtert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル等);置換されていてもよいC
5−C
12シクロアルキル基(たとえばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等);置換されていてもよいC
6−C
14アリール基(たとえばフェニル、ナフチル等);置換されていてもよいC
7−C
18アラルキル基(たとえばベンジル、o−、m−、p−トリル、2,3−、2,4−、2,5−、2−6、3−4−、3,5−キシリル、メシチル等);置換されていてもよいC
1−C
4ヒドロキシアルキル基、またはヒドロキシル基であり、
qは0〜8、いくつかの実施形態においては0〜2の整数、一実施形態においては0であり、
nは2〜5,000、いくつかの実施形態においては4〜2,000、いくつかの実施形態においては5〜1,000である]
有するものである。「D」基または「R
7」基の置換基の例としては、たとえばアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロゲン、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、スルホキシド、スルホン、スルホネート、アミノ、アルデヒド、ケト、カルボン酸エステル、カルボン酸、カーボネート、カルボキシレート、シアノ、アルキルシランおよびアルコキシシラン基、カルボキシルアミド基等が挙げられる。
【0020】
特に好適なチオフェンポリマーは、「D」が置換されていてもよいC
2−C
3アルキレン基であるポリマーである。たとえば、ポリマーは以下の一般構造:
【0021】
【化2】
を有する置換されていてもよいポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であってよい。
【0022】
上述のような、導電性ポリマーを形成する方法は、当技術分野において周知である。たとえば、
Merkerらの米国特許第6987663号には、モノマー前駆体から置換ポリチオフェンを形成する種々の手法が記載されている。モノマー前駆体は、たとえば以下の構造を有してよい。
【0023】
【化3】
式中、
T、D、R
7、およびqは上で定義している。特に好適なチオフェンモノマーは、「D」が置換されていてもよいC
2−C
3アルキレン基であるモノマーである。たとえば、一般構造:
【0024】
【化4】
(式中、R
7およびqは上で定義した通りである)
を有する、置換されていてもよい3,4−アルキレンジオキシチオフェンを用いてよい。特定の一実施形態においては、「q」は0である。3,4−エチレンジオキシチオフェンの1つの市販の好適な例はClevios(商標)Mの表示のもとにHeraeus Cleviosから入手可能である。その他の好適なモノマーは、
Blohmらの米国特許第5111327号、および
Groenendaalらの第6635729号にも記載されている。たとえば上記のモノマーのダイマーまたはトリマーである、これらのモノマーの誘導体も用いることができる。モノマーのより高分子量の誘導体、即ちテトラマー、ペンタマー等は本発明における使用に好適である。誘導体は同一の、または異なったモノマー単位から作成することができ、純粋な形態および相互の、および/またはモノマーとの混合物として用いられる。これらの前駆体の酸化形または還元形も用いることができる。
【0025】
導電性ポリマー層を形成するために種々の方法を用いることができる。たとえば、酸化触媒の存在下にモノマーを化学的に重合することによって、インサイチュ重合層を形成することができる。酸化触媒として、典型的には、遷移金属カチオン、たとえば、鉄(III)、銅(II)、クロム(VI)、セリウム(IV)、マンガン(IV)、マンガン(VII)、またはルテニウム(III)カチオン等が挙げられる。導電性ポリマーに過剰の電荷を与え、ポリマーの導電性を安定化させるために、ドーパントを用いてもよい。ドーパントとしては、典型的には、無機または有機アニオン、たとえば、スルホン酸のイオンが挙げられる。ある実施形態においては、酸化触媒は、カチオン(たとえば遷移金属)およびアニオン(たとえばスルホン酸)を含むという点で、触媒とドーピングの両方の機能性を有している。たとえば、酸化触媒は、鉄(III)カチオン、たとえば、鉄(III)ハロゲン化物(たとえばFeCl
3)または他の無機酸の鉄(III)塩、たとえば、Fe(ClO
4)
3もしくはFe
2(SO
4)
3ならびに有機酸および有機基を含む無機酸の鉄(III)塩を含む遷移金属塩であってよい。有機基を有する無機酸の鉄(III)塩の例としては、たとえばC
1−C
20アルカノールの硫酸モノエステルの鉄(III)塩(たとえばラウリル硫酸の鉄(III)塩)が挙げられる。同様に、有機酸の鉄(III)塩の例としては、たとえばC
1−C
20アルカンスルホン酸(たとえばメタン、エタン、プロパン、ブタン、またはドデカンスルホン酸)の鉄(III)塩;脂肪族ペルフルオロスルホン酸(たとえばトリフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸、またはペルフルオロオクタンスルホン酸)の鉄(III)塩;脂肪族C
1−C
20カルボン酸(たとえば2−エチルヘキシルカルボン酸)の鉄(III)塩;脂肪族ペルフルオロカルボン酸(たとえばトリフルオロ酢酸またはペルフルオロオクタン酸)の鉄(III)塩;C
1−C
20アルキル基によって置換されていてもよい芳香族スルホン酸(たとえばベンゼンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、またはドデシルベンゼンスルホン酸)の鉄(III)塩;シクロアルカンスルホン酸(たとえばカンファースルホン酸)の鉄(III)塩などが挙げられる。これらの上述の鉄(III)塩の混合物も用いることができる。鉄(III)−p−トルエンスルホネート、鉄(III)−o−トルエンスルホネート、およびそれらの混合物が特に好適である。鉄(III)−p−トルエンスルホネートの1つの市販の好適な例はClevios(商標)Cの表示のもとにHeraeus Cleviosから入手可能である。
【0026】
重合反応を開始させるために、酸化触媒とモノマーを連続的に、または共に適用してよい。これらの成分を適用するための好適な適用手法としては、スクリーン印刷、浸漬、電着塗装、および噴霧が挙げられる。例として、最初にモノマーを酸化触媒と混合して前駆体溶液を形成させることができる。混合物が形成されたら、これをアノード部分に適用して、次に重合させ、それにより導電性コーティングを表面上に形成させることができる。あるいは、酸化触媒とモノマーを連続的に適用してもよい。たとえば一実施形態においては、酸化触媒を有機溶媒(たとえばブタノール)に溶解し、次いで浸漬溶液として適用する。次いでアノード部分を乾燥して、それから溶媒を除去することができる。その後、その部分を、モノマーを含む溶液に浸漬することができる。それとは関わりなく、重合は用いる酸化剤および所望の反応時間に応じて、典型的には約−10℃〜約250℃、いくつかの実施形態においては約0℃〜約200℃の温度で実施される。上述のような好適な重合手法は、
Bilerの米国特許第7515396号により詳細に記載されているものであり得る。そのような導電性コーティングを適用するさらに他の方法は、
Sakataらの米国特許第5457862号、
Sakataらの第5473503号、
Sakataらの第5729428号、および
Kudohらの第5812367号に記載されているものであり得る。
【0027】
インサイチュでの適用に加えて、導電性ポリマー固体電解質は、導電性ポリマー粒子の分散液の形態でも適用できる。分散液を用いることの1つの利点は、インサイチュ重合の間に生成され、高電場においてイオン移動によって絶縁破壊を引き起こす可能性があるイオン種(たとえばFe
2+またはFe
3+)の存在をこれによって最小化できることである。したがって、インサイチュ重合よりもむしろ分散液として導電性ポリマーを適用することにより、得られるコンデンサは比較的高い「破壊電圧」を示し得る。アノードの含浸を良好にするため、分散液中で用いる粒子は、典型的には小さい寸法、たとえば、約1〜約150nm、いくつかの実施形態においては約2〜約50nm、いくつかの実施形態においては約5〜約40nmの平均寸法(たとえば直径)を有する。粒子の直径は公知の手法を用いて、たとえば、超遠心、レーザー回折等によって決定できる。粒子の形状も同様に様々であってよい。たとえば特定の一実施形態においては、粒子の形状は球状である。しかし、プレート、ロッド、ディスク、バー、チューブ、不定形等の他の形状も本発明によって企図されることを理解されたい。分散液中の粒子の濃度は、分散液の所望の粘度および分散液をコンデンサに適用する個々の方法によって異なり得る。しかし典型的には、粒子は分散液の約0.1〜約10質量%、いくつかの実施形態においては約0.4〜約5質量%、いくつかの実施形態においては約0.5〜約4質量%を構成する。
【0028】
分散液はまた一般に、粒子の安定性を増大させる対イオンを含む。即ち、導電性ポリマー(たとえばポリチオフェンまたはその誘導体)は、典型的には中性または陽性(カチオン性)である電荷を主ポリマー鎖上に有する。たとえばポリチオフェン誘導体は、典型的には主ポリマー鎖上に陽電荷を有する。いくつかの場合には、ポリマーは構造単位内に陽電荷および陰電荷を有し、陽電荷が主鎖上に存在し、陰電荷がスルホネート基またはカルボキシレート基等の「R」基の置換基上に存在していてもよい。主鎖の陽電荷は、「R」基の上に存在してもよいアニオン性基によって部分的にまたは全体が飽和されていてもよい。全体としてみれば、これらの場合においてポリチオフェンはカチオン性、中性、またはさらにはアニオン性であってもよい。それでも、ポリチオフェンの主鎖は陽電荷を有しているので、これらは全てカチオン性ポリチオフェンとみなされる。
【0029】
対イオンは、導電性ポリマーの電荷を相殺するモノマー性またはポリマー性のアニオンであってよい。ポリマー性アニオンは、たとえばポリマー性カルボン酸(たとえばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸等)、ポリマー性スルホン酸(たとえばポリスチレンスルホン酸(「PSS」)、ポリビニルスルホン酸等)などのアニオンであってよい。酸は、ビニルカルボン酸およびビニルスルホン酸と、アクリル酸エステルおよびスチレン等の他の重合性モノマーとのコポリマー等のコポリマーであってもよい。同様に、好適なモノマー性アニオンとしては、たとえばC
1−C
20アルカンスルホン酸(たとえばドデカンスルホン酸)、脂肪族ペルフルオロスルホン酸(たとえばトリフルオロメタンスルホン酸、ペルフルオロブタンスルホン酸またはペルフルオロオクタンスルホン酸)、脂肪族C
1−C
20カルボン酸(たとえば2−エチル−ヘキシルカルボン酸)、脂肪族ペルフルオロカルボン酸(たとえばトリフルオロ酢酸またはペルフルオロオクタン酸)、C
1−C
20アルキル基によって置換されていてもよい芳香族スルホン酸(たとえばベンゼンスルホン酸、o−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸またはドデシルベンゼンスルホン酸)、シクロアルカンスルホン酸(たとえばカンファースルホン酸)またはテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、パークロレート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルシネートもしくはヘキサクロロアンチモネートなどのアニオンが挙げられる。特に好適な対アニオンは、ポリマー性アニオン、たとえば、ポリマー性カルボン酸またはスルホン酸(たとえばポリスチレンスルホン酸(「PSS」))である。そのようなポリマー性アニオンの分子量は、典型的には約1,000〜約2,000,000、いくつかの実施形態においては約2,000〜約500,000の範囲である。
【0030】
用いる場合には、分散液中および得られる層におけるそのような対イオン対導電性ポリマーの質量比は、典型的には約0.5:1〜約50:1、いくつかの実施形態においては約1:1〜約30:1、いくつかの実施形態においては約2:1〜約20:1である。導電性ポリマーの質量は、重合中に完全な転化が起こると仮定して、上記の質量比を参照し、用いたモノマーの計量に対応する。導電性ポリマーおよび対イオンに加えて、分散液は1つまたは複数のバインダー、分散剤、充填剤、接着剤、架橋剤等を含んでもよい。
【0031】
ポリマー性分散液は、公知の種々の手法を用いて、たとえば、スピンコート、含浸、流し込み、滴下適用、注入、噴霧、ドクターブレード塗布、はけ塗、印刷(たとえばインクジェット、スクリーン、またはパッド印刷)、または浸漬によって適用することができる。分散液の粘度は用いる適用手法によって異なり得るが、典型的には約0.1〜約100,000mPa・秒(ずり速度100秒
-1で測定)、いくつかの実施形態においては約1〜約10,000mPa・秒、いくつかの実施形態においては約10〜約1,500mPa・秒、いくつかの実施形態においては約100〜約1000mPa・秒である。いったん適用すれば、層を乾燥し、および/または洗浄することができる。所望の厚みを得るため、1つまたは複数の追加の層をこのようにして形成してもよい。典型的には、この粒子分散液によって形成される層の全厚みは約1〜約50μm、いくつかの実施形態においては約5〜約20μmである。対イオン対導電性ポリマーの質量比は同様に約0.5:1〜約50:1、いくつかの実施形態においては約1:1〜約30:1、いくつかの実施形態においては約2:1〜約20:1である。
【0032】
所望であれば、固体電解質中にヒドロキシル官能性ノニオン性ポリマーを含ませてもよい。「ヒドロキシ官能性」という用語は一般に、化合物が少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含むか、溶媒の存在下でそのような官能基を有することができることを意味する。理論に限定されることを意図するものではないが、ヒドロキシ官能性ノニオン性ポリマーは、導電性ポリマーと、高い化成電圧の結果としての典型的には本来比較的平滑な内部誘電体の表面との接触の程度を改善することができると考えられる。これにより、得られるコンデンサの破壊電圧および湿潤−乾燥キャパシタンスが予想外に増大する。さらに、ある分子量を有するヒドロキシ官能性ポリマーの使用により、高電圧における化学的分解の可能性を最小化することもできると考えられる。たとえば、ヒドロキシ官能性ポリマーの分子量はモルあたり約100〜10,000g、いくつかの実施形態においては約200〜2,000、いくつかの実施形態においては約300〜約1,200、いくつかの実施形態においては約400〜約800であってよい。
【0033】
種々のヒドロキシ官能性ノニオン性ポリマーのいずれも、一般にこの目的のために用いることができる。たとえば一実施形態においては、ヒドロキシ官能性ポリマーはポリアルキレンエーテルである。ポリアルキレンエーテルとしては、ポリアルキレングリコール(たとえばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエピクロロヒドリン等)、ポリオキセタン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン等が挙げられる。ポリアルキレンエーテルは典型的には主として末端ヒドロキシ基を有する直鎖状のノニオン性ポリマーである。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコール(ポリテトラヒドロフラン)が特に好適であり、これらはエチレンオキシド、プロピレンオキシドまたはテトラヒドロフランの水への重付加によって生成される。ポリアルキレンエーテルは、ジオールまたはポリオールの重縮合反応によって調製し得る。ジオール成分は特に、5〜36個の炭素原子を含む飽和または不飽和、分枝または非分枝の脂肪族ジヒドロキシ化合物または芳香族ジヒドロキシ化合物、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ネオペンチルグリコール、ビス−(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、ビスフェノールA、ダイマージオール、水素化ダイマージオールまたさらには上述のジオールの混合物等から選択され得る。さらに、重合反応においてたとえばグリセロール、ジ−およびポリグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールまたはソルビトールを含む多価アルコールを用いてもよい。
【0034】
上述のものに加えて、本発明において他のヒドロキシ官能性ノニオン性ポリマーも用い得る。そのようなポリマーのいくつかの例としては、たとえばエトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化またはプロポキシル化C
6−C
24脂肪族アルコール、一般式:CH
3−(CH
2)
10-16−(O−C
2H
4)
1-25−OHを有するポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル(たとえばオクタエチレングリコールモノドデシルエーテルおよびペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル)、一般式:CH
3−(CH
2)
10-16−(O−C
3H
6)
1-25−OHを有するポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、以下の一般式:C
8H
17−(C
6H
4)−(O−C
2H
4)
1-25−OHを有するポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル(たとえばTriton(商標)X−100)、以下の一般式:C
9H
19−(C
6H
4)−(O−C
2H
4)
1-25−OHを有するポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル(たとえばノノキシノール−9)、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル等のC
8−C
24脂肪酸のポリオキシエチレングリコールエステル(たとえばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、PEG−20メチルグルコースジステアレート、PEG−20メチルグルコースセスキステアレート、PEG−80カスターオイルおよびPEG−20カスターオイル、PEG−3カスターオイル、PEG600ジオレエート、およびPEG400ジオレエート)およびポリエチレングリセロールアルキルエステル(たとえばポリオキシエチレン−23グリセロールラウレートおよびポリオキシエチレン−20グリセロールステアレート)、C
8−C
24脂肪酸のポリオキシエチレングリコールエーテル(たとえばポリオキシエチレン−10セチルエーテル、ポリオキシエチレン−10ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン−20セチルエーテル、ポリオキシエチレン−10オレイルエーテル、ポリオキシエチレン−20オレイルエーテル、ポリオキシエチレン−20イソヘキサデシルエーテル、ポリオキシエチレン−15トリデシルエーテル、およびポリオキシエチレン−6トリデシルエーテル)、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー(たとえばPoloxamer)等、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0035】
ヒドロキシ官能性ノニオン性ポリマーは、種々の異なった方法で固体電解質中に組み込むことができる。たとえばある実施形態においては、ノニオン性ポリマーは上述の方法(たとえばインサイチュ重合または予め重合した粒子分散液)によって形成された任意の導電性ポリマー層に単純に組み込むことができる。しかし他の実施形態においては、最初のポリマー層を形成した後にノニオン性ポリマーを適用してもよい。
【0036】
D.
外部ポリマーコーティング
必要ではないが、アノード体に外部ポリマーコーティングを適用して、コンデンサアセンブリ中のコンデンサ素子のそれぞれの固体電解質を覆ってもよい。外部ポリマーコーティングは一般に、より詳細に上述したような予め重合した導電性粒子の分散液から形成された1つまたは複数の層を含む。外部コーティングはコンデンサ本体の周縁領域にさらに浸透し、誘電体への接着を高め、機械的により強固な部分をもたらすことができ、それにより等価直列抵抗および漏洩電流を低減することができる。所望であれば、固体電解質への接着程度を増大させるために、外部ポリマーコーティングに架橋剤を用いることもできる。典型的には、架橋剤は外部コーティングに用いる分散液を適用する前に適用される。好適な架橋剤はたとえば
Merkerらの米国特許公開第2007/0064376号に記載されており、たとえばアミン(たとえばジアミン、トリアミン、オリゴマーアミン、ポリアミン等)、Mg、Al、Ca、Fe、Cr、Mn、Ba、Ti、Co、Ni、Cu、Ru、CeまたはZnの塩または化合物等の多価金属カチオン、ホスホニウム化合物、スルホニウム化合物等を含む。
【0037】
E.
コンデンサ素子の他の構成部分
所望であれば、コンデンサ素子は当技術分野において公知の他の層を含んでもよい。たとえば、誘電体と固体電解質との間に、保護コーティング、たとえば、比較的絶縁性のレジン材料(天然または合成)、たとえばシェラック樹脂から作られるものを形成してもよい。これらのおよびその他の保護コーティング材料は、
Fifeらの米国特許第6674635号により詳細に記載されている。所望であれば、部品にはそれぞれ炭素層(たとえばグラファイト)および銀層を適用してもよい。銀コーティングは、たとえばコンデンサのはんだ付け可能な導電体、接触層、および/または集電体として作用し、炭素コーティングは銀コーティングの固体電解質との接触を制限することができる。そのようなコーティングは固体電解質の一部または全部を覆ってよい。
【0038】
図3に示すような複数のコンデンサ素子のそれぞれを形成するために用いられる種々の構成部分に関わらず、それぞれのコンデンサ素子20は、x方向の長さL
2が約3mm〜約6mm、たとえば約3.5mm〜約5.5mm、たとえば約4mm〜約5mmの範囲であり、y方向の幅W
2が約2mm〜約10mm、たとえば、約2.5mm〜約8mm、たとえば約3mm〜約6mmの範囲であり、z方向の高さH
2が約0.5mm〜約5mm、たとえば、約1.25mm〜約4mm、たとえば約1.5mm〜約3mmの範囲であってよい。さらに、それぞれのコンデンサ素子20は、対向する主表面23aおよび23b、第1の対向する副表面25aおよび25b、および第2の対向する副表面27aおよび27bを含み得る。主表面という用語は、コンデンサ素子の他の表面(即ち副表面)よりも大きな表面積を有するコンデンサ素子20の表面を意味すると意図される。示したように、アノードリード6は第2の対向する副表面の1つ27bから伸長することができるが、アノードリード6は他の対向する副表面27aまたは第1の対向する副表面25aおよび25bの1つから伸長してもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態において、また本発明のコンデンサアセンブリにおいて用いるコンデンサ素子20の特定の配列および寸法に応じて、それぞれのコンデンサ素子20の対向する主表面23aまたは23b(たとえば上側主表面23aまたは下側主表面23b)の1つの表面積は、約10mm
2〜約45mm
2、たとえば、約12.5mm
2〜約40mm
2、たとえば約15mm
2〜約30mm
2の範囲であってよい。一方、
図3〜
図6を参照すると、いくつかの実施形態において、ケーシングの下壁123と接するコンデンサ素子20(1)〜20(40)の全ての下側対向主表面23bの全表面積は、約600mm
2〜約1200mm
2、たとえば、約700mm
2〜約1100mm
2、たとえば約800mm
2〜約1000mm
2の範囲であってよい。
【0039】
II.
ハウジング
上記のように、複数のコンデンサ素子はハウジング内に密閉シールされ、本発明のコンデンサアセンブリを形成している。ハウジング内に密閉シールされたコンデンサ素子の数は約2〜約200、たとえば、約10〜約100、たとえば約20〜約50の範囲であってよい。いくつかの実施形態においては、密閉シールは使用中の固体電解質の酸化を阻止するために、少なくとも1種の不活性ガスを含むガス雰囲気の存在下に存在してもよい。不活性ガスとしては、たとえば窒素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、ネオン、クリプトン、ラドン等、ならびにそれらの混合物が挙げられる。典型的には、不活性ガスはハウジング内の雰囲気の大部分、たとえば約50質量%〜100質量%、いくつかの実施形態においては約75質量%〜100質量%、いくつかの実施形態においては雰囲気の約90質量%〜約95質量%を構成してもよい。所望であれば、比較的少量の非不活性ガス、たとえば二酸化炭素、酸素、水蒸気等を用いてもよい。しかしその場合には、非不活性ガスは典型的にはハウジング内の雰囲気の15質量%以下、いくつかの実施形態においては10質量%以下、いくつかの実施形態においては約5質量%以下、いくつかの実施形態においては約1質量%以下、いくつかの実施形態においては約0.01質量%〜約1質量%を構成する。たとえば、水分含量(相対湿度として表現される)は約10%以下、いくつかの実施形態においては約5%以下、いくつかの実施形態においては約1%以下、いくつかの実施形態においては約0.01〜約5%であってよい。
【0040】
任意の種々の異なった材料、たとえば、金属、プラスチック、セラミックを、ハウジングを形成するために用いることができる。たとえば一実施形態においては、ハウジングは、金属、たとえば、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ハフニウム、チタン、銅、銀、鉄鋼(たとえばステンレス)、それらの合金(たとえば導電性酸化物)、それらの複合材料(たとえば導電性酸化物で被覆された金属)等の1つまたは複数の層を含む。別の実施形態においては、ハウジングは、セラミック材料、たとえば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ガラス等、ならびにそれらの組み合わせの1つまたは複数の層を含んでよい。ハウジングの厚みまたは高さは一般に、薄型コンデンサアセンブリの厚みまたは高さを最小化するように選択される。たとえば、
図1を参照すると、z方向におけるハウジングの高さH
1は約1mm〜約20mm、たとえば、約2mm〜約10mm、たとえば約3mm〜約6mmの範囲であってよい。一方、x方向におけるハウジングの長さL
1は約20mm〜約100mm、たとえば、約40mm〜70mm、たとえば約45mm〜約65mmの範囲であってよく、y方向におけるハウジングの幅W
1は約10mm〜約60mm、たとえば、約20mm〜約50mm、たとえば約25mm〜約45mmの範囲であってよい。さらに、いくつかの実施形態においては、ハウジングは約7000mm
3〜約12,000mm
3、たとえば、約7,500mm
3〜約11,500mm
3、たとえば約8000mm
3〜約11,000mm
3の範囲の体積を有してよい。さらに、ハウジングはx方向におけるハウジングの長さL
1対z方向におけるハウジングの高さH
1の比が少なくとも約2であるような薄型であってよい。たとえば、長さL
1対高さH
1の比は約2〜約80、たとえば、約4〜約60、たとえば約10〜約40の範囲であってよい。
【0041】
複数のコンデンサ素子は、種々の異なった手法のいずれを用いてもハウジングに取り付けることができる。決して必要ではないが、コンデンサ素子は、引き続いて回路に一体化するためにアノード終端部およびカソード終端部がハウジングの外部に形成されるような方法でハウジングに取り付けることができる。終端部の個々の構成は、意図した用途によって決まり得る。たとえば一実施形態においては、コンデンサアセンブリは表面実装可能で、しかも機械的に強固であるように形成し得る。たとえば、コンデンサ素子のアノードリードおよびカソードは、外部の表面実装可能な終端部(たとえばパッド、シート、プレート、フレーム等)と電気的に接続することができ、これらはハウジングを通って伸長して、以下により詳細に考察するように、アノードリードフレーム、たとえば、導電部材、めっき層、はんだパッド等を通ってコンデンサ素子のアノードと接続することができ、またハウジングを通って伸長して、めっき層を通ってカソードと接続することができる。別の実施形態においては、コンデンサ素子のアノードリードおよびカソードは外部の表面実装可能な終端部(たとえばパッド、シート、プレート、フレーム等)と電気的に直接接続することができ、これらはハウジングを通って伸長して、カソードおよびアノードリードと接続することができる。
【0042】
外部終端部の厚みまたは高さは一般に、コンデンサアセンブリの厚みを最小化するように選択される。たとえば、終端部の厚みは約0.05mm〜約1mm、たとえば、約0.05mm〜約0.5mm、たとえば約0.1mm〜約0.2mmの範囲であってよい。所望であれば、終端部の表面は、最終部品を回路板に実装できることを確実にするために、ニッケル、銀、金、スズ、コバルト等または当技術分野において公知のそれらの合金で電気めっきしてもよい。特定の一実施形態においては、終端部にそれぞれニッケルおよび銀のフラッシュを沈着させ、実装表面もスズのはんだ層でめっきしてもよい。別の実施形態においては、導電性をさらに高めるために、終端部のベース金属層(たとえば銅合金)の上に薄い外側金属層(たとえば金)を沈着させる。
【0043】
図1〜2および
図4を参照すると、たとえばハウジングの内部に配置され、複数の平行した列(たとえば列1〜4)に配列された40個のコンデンサ素子を含むコンデンサアセンブリ100の特定の一実施形態を示す。ここで10個のコンデンサ素子のそれぞれの列は、ハウジングの長さL
1に沿って長手方向L
Gに伸長している。しかし、コンデンサアセンブリの個々の要件に応じて任意の数のコンデンサ素子がそれぞれの列に存在してよく、任意の数の列を用いてよいことを理解されたい。示されるように、コンデンサアセンブリ100のハウジングは下壁123と対向する側壁124および125を含み、その間に空間526が形成され、その中に40個のコンデンサ素子20(1)〜20(40)が含まれている。下壁123ならびに側壁124および125は、上述のように金属、プラスチック、またはセラミック材料の1つまたは複数の層から形成されてよい。コンデンサ素子20(1)〜20(40)は、ハウジングの空間526の中で平行して配列されており、そのような平行配列によってコンデンサ素子20のESRの低減が助けられ、ESRの低減がコンデンサアセンブリ100の効率的に熱を放散する能力に寄与している。
【0044】
図4〜
図6の実施形態においては、コンデンサ素子20(1)〜20(40)は、1つのコンデンサ素子(たとえばコンデンサ素子20(1))の副表面25bが、その隣のコンデンサ素子(たとえばコンデンサ素子20(2))の副表面25aに隣接して位置付けられ、これと対面するように位置合わせされている。一方、コンデンサ素子20(1)〜20(40)のそれぞれの下側主表面23b(
図3参照)は、ハウジングの下壁123と対面し、以下により詳細に考察するようにめっき層を介するなどして下壁123と接しており、コンデンサ素子の対向する副表面25a、25b、27a、および27b(
図3参照)よりもむしろ下側主表面23bが下壁123と接するようにコンデンサ素子20(1)〜(40)を配列することによって、ケーシングに接するコンデンサ素子20(1)〜20(40)の表面積が増大し、これがコンデンサアセンブリ100の効率的に熱を放散する能力にさらに寄与している。本発明のコンデンサアセンブリの熱を放散する能力は、(めっき層を介してケーシングに接するコンデンサ素子の下側主表面の全表面積)対(ハウジングの体積)の比として表わすことができ、約0.05mm
-1を超える比は、コンデンサアセンブリの熱を放散する能力の増大に関連付けることができる。たとえば、(めっき層を介してケーシングに接するコンデンサ素子の下側主表面の全表面積)対(ハウジングの体積)の比は約0.06mm
-1を超えてよく、いくつかの実施形態においては約0.06mm
-1〜約0.3mm
-1、たとえば、約0.065mm
-1〜約0.25mm
-1、たとえば約0.07mm
-1〜約0.20mm
-1、たとえば約0.075mm
-1〜約0.15mm
-1の範囲であってよい。
【0045】
上述し、
図1〜
図2に示すように、コンデンサアセンブリ100は、外部アノード終端部135および外部カソード終端部137を含んでもよく、これらにコンデンサ素子20(1)〜20(40)のそれぞれの下側主表面23b上のアノードリード6および固体電解質/カソードが並列に電気的に接続している。さらに、外部終端部135および137の機械的に安定な方法での形成を促進にするために、ハウジングの内部キャビティの中でリードフレームおよびめっき層を用いてもよい。たとえば
図4を参照すると、コンデンサアセンブリ100は、第1の平面部分65と、それぞれのコンデンサ素子20(1)〜20(40)のアノードリード6が伸長する方向に概して直角な平面に設けられるという意味で「直立する」第2の部分67とを有するアノードリードフレームを含んでよい。このようにして、第2の部分67によってリード6の動きを制限し、使用中の表面接触および機械的安定性を強化することができる。さらに所望であれば、リード6の周囲に絶縁材料7(たとえばTeflon(商標)ワッシャ)を用いてもよい。第2の部分67は、アノードリード6に接続される実装領域(図示せず)を有してもよい。この領域は、リード6の表面接触および機械的安定性をさらに強化するために「U字形」を有してもよい。さらに、アノードリード6は、レーザー溶接、抵抗溶接、導電性接着剤、またはその他の任意の好適な方法によってアノードリードフレームの第2の部分67に接続することができる。
【0046】
たとえば、コンデンサ素子のそれぞれの列についての第1の部分65a、65b、65c、および65dならびに40個のコンデンサ素子のそれぞれに対応する40個の第2の部分67(1)〜67(40)(簡単にするために67と表示した)を含み得るアノードリードフレームを用いて、10個のコンデンサ素子の4個の列を接続してもよい(たとえば、第2の部分67(1)〜(10)においてそれらのアノードリード6を介してアノードリードフレームに接続されているコンデンサ素子20(1)〜20(10)を含む列1;第2の部分67(11)〜67(20)においてそれらのアノードリード6を介してアノードリードフレームに接続されているコンデンサ素子20(11)〜20(20)を含む列2;第2の部分67(21)〜67(30)においてそれらのアノードリード6を介してアノードリードフレーム構成部分65cに接続されているコンデンサ素子20(21)〜20(30)を含む列3;ならびに第2の部分67(31)〜(40)においてそれらのアノードリード6を介してアノードリードフレームに接続されているコンデンサ素子20(31)〜20(40)を含む列4)。さらに、図示していないが所望であれば、コンデンサ素子20(11)〜20(20)および20(21)〜20(30)がそれらのアノードリード6が互いに対面するように位置付けられているので、列2および列3に付随するアノードリードフレームの第1の部分65bおよび65cを結合させてアノードリードフレームの単一の第1の部分としてもよい。上で考察したように、特定の一実施形態においては、それぞれのアノードリード6は、アノードリードフレームのそれぞれの第2の部分67にレーザー溶接される。しかし、これらの構成部分は抵抗溶接、導電性接着剤等によって接続できることも理解されたい。一方、特定の一実施形態においては、アノードリードフレームの第1の部分65a〜65dは、抵抗溶接によってハウジングの下壁123に接続することができる。しかし、任意の他の好適な方法、たとえば、導電性接着剤による第1の部分65a〜65dの、ハウジングの下壁123への接続を用いることもできることを理解されたい。
【0047】
さらに、アノードリードフレームの第1の部分65a〜65dおよび第2の部分67(1)〜67(40)の表面は、アノードリード6を介してコンデンサ素子20(1)〜20(40)へ、およびハウジングの下壁123への適切な接続を確実にするために、当技術分野において公知のようにニッケル、銀、金、スズ、コバルト等またはそれらの合金を電気めっきしてもよい。特定の一実施形態においては、アノードリードフレームにそれぞれニッケルおよび銀のフラッシュによって沈着させ、実装表面もスズのはんだ層をめっきしてもよい。別の実施形態においては、導電性をさらに高めるために、アノードリードフレームのベース金属層(たとえば銅合金)の上に薄い外側金属層(たとえば金)を沈着させることができる。さらに別の実施形態においては、ニッケル−鉄合金のストリップ(たとえばNILO(登録商標)ストリップ)または任意の他の好適な金属材料(図示せず)のストリップを、アノードリードフレームの第1の部分65a〜65bの下方でハウジングの下壁123の上にはんだ付けすることができる。
【0048】
さらに、10個のコンデンサ素子の4つの列をハウジングの下壁123に接続するために、種々の構成部分を用いてもよい(たとえば、それらの下側主表面23bにおいて下壁123に接続されているコンデンサ素子20(1)〜20(10)を含む列1;それらの下側主表面23bにおいて下壁123に接続されているコンデンサ素子20(11)〜20(20)を含む列2;それらの下側主表面23bにおいて下壁123に接続されているコンデンサ素子20(21)〜20(30)を含む列3;それらの下側主表面23bにおいて下壁123に接続されているコンデンサ素子20(31)〜20(40)を含む列4)。たとえば一実施形態においては、コンデンサ素子20(1)〜20(40)の下側主表面23bを、導電性接着剤(図示せず)を介してハウジングの下壁123に接続することができ、ここで下壁123は金属めっき層29a、29b、29c、および29dの4つの列を含む。金属めっき層29a、29b、29c、および29dは任意の好適な金属から形成することができ、特定の一実施形態においてはニッケルめっき層であってよい。
【0049】
上述のように、コンデンサ素子の接着は、アノード側であろうと、カソード側であろうと、一般に、任意の種々の公知の手法、たとえば、溶接、レーザー溶接、導電性接着剤等を用いて達成できることを理解されたい。用いる場合には、導電性接着剤は樹脂組成物とともに含まれる導電性金属粒子から形成される。金属粒子は銀、銅、金、白金、ニッケル、亜鉛、ビスマス等であってよい。樹脂組成物は熱硬化性樹脂(たとえばエポキシ樹脂)、硬化剤(たとえば酸無水物)、およびカップリング剤(たとえばシランカップリング剤)を含んでよい。好適な導電性接着剤は、
Osakoらの米国特許出願公開第2006/0038304号に記載されている。
【0050】
さらに
図5に示すように、コンデンサアセンブリの熱を放散する能力をさらに高めるために、コンデンサアセンブリは他の構成部分を含んでよい。たとえば、コンデンサ素子20は、いくつかのコンデンサ素子20の上側主表面23aと接するy方向の金属ストリップ133およびx方向の金属ストリップ131を含む。金属材料は銅または任意の他の放熱材料であってよく、熱の放散に利用できる表面積をさらに増大させるために作用する。
【0051】
ここで
図6を見ると、
図4〜
図5に示した配列に代わる配列を有するコンデンサアセンブリ300を示す。ここでは上で定義した列1のコンデンサ素子20(1)〜20(10)および列2の20(11)〜20(20)に付随するアノードリード6は互いに対面しており、所望であれば列1および列2のアノードリードフレームの第1の部分65aおよび65bの組み合わせを結合させて単一の構成部分とすることが可能である。同様に、上で定義した列3のコンデンサ素子20(21)〜20(30)および列4の20(31)〜20(40)に付随するアノードリード6は互いに対面しており、所望であれば列3および列4のアノードリードフレームの第1の部分65cおよび65dの組み合わせを結合させて単一の構成部分とすることが可能である。さらに、上で定義した列2および列3のコンデンサ素子の上側主表面23aは互いに隣接しており、所望であればめっき層29bおよび29cの組み合わせを単一の構成部分とすることが可能である。
【0052】
上で考察したように、コンデンサアセンブリはアノード終端部135およびカソード終端部137を含み、これらはハウジングの外部にあり、個別のプレート、シート等から形成されている。さらに、これらの終端部は、ハウジングの下壁123を通って伸長する導電性配線を介してアノードリードフレームおよびカソードめっき層/金属ストリップ(たとえばNILO(登録商標)ストリップ)構成部分に接続することができる。
図4〜
図5のコンデンサ素子配列に関する
図7、および
図6のコンデンサ素子配列に関する
図8を参照すると、アノードリードフレームの第1の部分65a〜65dおよび金属めっき層29a〜29dはコンデンサアセンブリ100のケーシングの長さL
1および幅W
1に伸長しているので、アノードリードフレームの第1の部分65a〜65dを外部アノード終端部135に接続する導電性配線139は、外部アノード終端部135の直上かつアノードリードフレーム構成部分の第1の部分65a〜65dの直下に配置されたケーシングの下壁123の部分を通してのみ形成され、一方金属めっき層29a〜29dを外部カソード終端部137に接続する導電性配線141は、外部カソード終端部137の直上かつ金属めっき層65a〜65dの直下のケーシングの下壁123の部分を通してのみ形成されている。言うまでもなく、本発明は所望の終端部を形成するための導電性配線の使用に決して限定されず、任意の他の好適な接続手段を用いることができる。たとえば、いくつかの実施形態においては(図示せず)、アノードリードフレームおよびカソードめっき層の部分がケーシングを通って伸長して、外部アノード終端部および外部カソード終端部を形成してもよいと理解される。
【0053】
上で考察したようにコンデンサ素子20を下壁123に接続した後、コンデンサ素子20を樹脂またはカプセル化材料で被覆してもよい。特定の一実施形態においては、カプセル化材料は熱伝導性材料であってよい。
図9を参照すると、コンデンサ素子を所望の方法でコンデンサアセンブリ100のベース123に接続した後、カプセル化材料143をコンデンサ素子の周囲に配置して(図示せず)、コンデンサ素子をカプセル化材料143によって少なくとも部分的にカプセル化し、その後でカプセル化材料143を硬化させてもよい。さらに、いくつかの実施形態においては、コンデンサ素子をカプセル化材料143で完全にカプセル化してもよい。そのようにしてコンデンサ素子をカプセル化材料143でカプセル化することによって、本発明のコンデンサアセンブリの熱を放散する能力をさらに促進することができる。
【0054】
上記のように、カプセル化材料は熱伝導性材料であってよい。熱伝導性材料は、たとえば典型的にはISO 22007−2:2014に従って決定される約1W/m・K以上、いくつかの実施形態においては約2W/m・K〜約20W/m・K、いくつかの実施形態においては約2.5W/m・K〜約10W/m・Kの熱伝導率を有する。熱伝導性であるにも関わらず、材料は一般には導電性でなく、したがってASTM D257−14に従って決定される約1×10
12Ω・cm以上、いくつかの実施形態においては約1×10
13Ω・cm以上、いくつかの実施形態においては約1×10
14Ω・cm〜約1×10
20Ω・cmの比較的高い体積抵抗を有する。高い熱伝導率と低い導電率の組み合わせにより、本発明者らは、カプセル化材料がコンデンサアセンブリのハウジングに用いた場合に種々の異なった利点を提供できることを見出した。たとえば、コンデンサアセンブリを高いリップル電流に曝露した場合、熱伝導性カプセル化材料は伝熱シンクとして作用してハウジングの表面に熱を放散し、それにより冷却効率を増大し、コンデンサアセンブリの寿命を延長させることができる。カプセル化材料はまた、ASTM D570−98(2010)e−1に従って決定されるような、約1%以下、いくつかの実施形態においては約0.5%以下、いくつかの実施形態においては約0.1%以下等の低い吸湿度を示すことができる。このようにして、カプセル化材料は、ハウジング内に侵入するかもしれない水による望ましくない劣化反応を阻止することができる。
【0055】
所望の特性を得ることを助けるため、カプセル化材料はポリマーマトリックス中に分散した1つまたは複数の熱伝導性フィラーを含む。好適な熱伝導性フィラー材料としては、金属フィラー、たとえば、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、鉄、コバルト等およびそれらの組み合わせ(たとえば銀で被覆した銅または銀で被覆したニッケル);金属酸化物、たとえば、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等およびそれらの組み合わせ;窒化物、たとえば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素等およびそれらの組み合わせ;ならびに炭素フィラー、たとえば、炭化ケイ素、カーボンブラック、炭素フラーレン、グラファイトフレーク、炭素ナノチューブ、炭素ナノファイバー等およびそれらの組み合わせが挙げられる。本発明における使用には、アルミニウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、および/または炭化ケイ素粉末が特に好適であり得る。所望であれば、フィラーとポリマーマトリックスとの間の親和性を改善するために、機能性コーティングでフィラーを被覆してもよい。たとえば、そのようなコーティングとしては、不飽和または飽和脂肪酸、たとえば、アルカン酸、アルケン酸、プロピオン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等;有機シラン、有機チタネート、有機ジルコネート、イソシアネート、ヒドロキシル末端アルケンまたはアルカン等が挙げることができる。
【0056】
本発明においては熱伝導性フィラーの寸法は、所望の特性を達成することを助けるために選択的に制御し得る。一般論で言えば、そのようなフィラーは約10nm〜約75μm、いくつかの実施形態においては約15nm〜約50μm、いくつかの実施形態においては約20nm〜約40μmの平均寸法(たとえば直径)を有する。いくつかの実施形態においては、フィラーはナノスケール寸法、たとえば、約10nm〜約500nm、いくつかの実施形態においては約20nm〜約350nm、いくつかの実施形態においては約50nm〜約200nmを有し得る。一方他の実施形態においては、フィラーは約1μm〜約50μm、いくつかの実施形態においては、フィラーは、ミクロンスケール寸法、たとえば、約2μm〜約30μm、いくつかの実施形態においては約5μm〜約15μmを有し得る。カプセル化材料にも、ナノスケールおよびミクロンスケールの両方の熱伝導性フィラーの組み合わせを用いてよい。そのような実施形態においては、ミクロンスケールのフィラー対ナノスケールのフィラーの寸法を有する粒子の比は、高充填密度を確実にするために、約50:1以上、いくつかの実施形態においては約70:1〜約150:1と、比較的大きくてよい。
【0057】
カプセル化材料のマトリックスにおいては種々の異なったポリマー樹脂を用い得るが、本発明における使用には硬化可能な熱硬化性樹脂が特に好適であることが見出された。そのような樹脂の例としては、たとえばシリコーンポリマー、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのポリマー、アクリレートポリマー、ウレタンポリマー等が挙げられる。たとえばある実施形態においては、カプセル化材料として1つまたは複数のポリオルガノシロキサンを用い得る。これらのポリマーにおいて用いられるケイ素結合有機基には、1価の炭化水素および/または1価のハロゲン化炭化水素基が含まれ得る。そのような1価の基は、典型的には1〜約20個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、これだけに限らないがアルキル(たとえばメチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、ウンデシル、およびオクタデシル);シクロアルキル(たとえばシクロヘキシル);アルケニル(たとえばビニル、アリル、ブテニル、およびヘキセニル);アリール(たとえばフェニル、トリル、キシリル、ベンジル、および2−フェニルエチル);およびハロゲン化炭化水素基(たとえば3,3,3−トリフルオロプロピル、3−クロロプロピル、およびジクロロフェニル)が例示される。典型的には、有機基の少なくとも50%、より望ましくは少なくとも80%がメチルである。そのようなメチルポリシロキサンの例としては、たとえばポリジメチルシロキサン(「PDMS」)、ポリメチルハイドロジェンシロキサン等が挙げることができる。さらに他の好適なメチルポリシロキサンとしては、ジメチルジフェニルポリシロキサン、ジメチル/メチルフェニルポリシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、メチルフェニル/ジメチルシロキサン、ビニルジメチル末端ポリジメチルシロキサン、ビニルメチル/ジメチルポリシロキサン、ビニルジメチル末端ビニルメチル/ジメチルポリシロキサン、ジビニルメチル末端ポリジメチルシロキサン、ビニルフェニルメチル末端ポリジメチルシロキサン、ジメチルヒドロ末端ポリジメチルシロキサン、メチルヒドロ/ジメチルポリシロキサン、メチルヒドロ末端メチルオクチルポリシロキサン、メチルヒドロ/フェニルメチルポリシロキサン等が挙げることができる。
【0058】
オルガノポリシロキサンは、ある程度の親水性をポリマーに付与する1つまたは複数のペンダントおよび/または末端の極性官能基、たとえば、ヒドロキシル、エポキシ、カルボキシル、アミノ、アルコキシ、メタクリル、またはメルカプト基を含んでいてもよい。たとえば、オルガノポリシロキサンは分子あたり少なくとも1つのヒドロキシ基を含み、平均して少なくとも2つのケイ素結合ヒドロキシ基(シラノール基)を含んでもよい。そのようなオルガノポリシロキサンの例としては、たとえばジヒドロキシポリジメチルシロキサン、ヒドロキシトリメチルシロキシポリジメチルシロキサン等が挙げられる。アルコキシ改質オルガノポリシロキサン、たとえば、ジメトキシポリジメチルシロキサン、メトキシトリメチルシロキシポリジメチルシロキサン、ジエトキシポリジメチルシロキサン、エトキシトリメチルシロキシポリジメチルシロキサン等も用い得る。さらに他の好適なオルガノポリシロキサンは、少なくとも1つのアミノ官能基で改質したものである。そのようなアミノ官能性ポリシロキサンの例としては、たとえばジアミノ官能性ポリジメチルシロキサンが挙げられる。
【0059】
望ましくは、硬化前のカプセル化材料の粘度および流動特性を改善するため、オルガノポリシロキサンは比較的低い分子量を有する。たとえば一実施形態においては、オルガノポリシロキサン(たとえばポリジメチルシロキサン)は、約100,000g/モル以下、いくつかの実施形態においては約60,000g/モル以下、いくつかの実施形態においては約5,000〜約30,000g/モルの分子量を有する。その結果、ギャップ0.5mmに設定された20mmの平行プレートを備えたARES R550PS応力制御レオメーターを用いて温度25℃で決定されるようなカプセル化材料の粘度(硬化前)は、たとえば約500Pa・秒以下、いくつかの実施形態においては約100Pa・秒以下、いくつかの実施形態においては約1〜約50Pa・秒であり得る。
【0060】
熱伝導性フィラーとポリマーマトリックスの相対量は、所望の特性が達成されるように選択的に制御し得る。たとえば、カプセル化材料は典型的には約25体積%〜約95体積%、いくつかの実施形態においては約40体積%〜約90体積%、いくつかの実施形態においては約50体積%〜約85体積%を含む。同様に、ポリマーマトリックスは材料の約5体積%〜約75体積%、いくつかの実施形態においては約10体積%〜約50体積%、いくつかの実施形態においては約15体積%〜約40体積%を構成する。所望であれば、他の添加剤、たとえば、相溶化剤、硬化剤、光開始剤、粘度調整剤、顔料、カップリング剤(たとえばシランカップリング剤)、安定剤等をカプセル化材料中に用いてもよい。
【0061】
所望の方法によっていったん組み立てて接続すれば、得られるパッケージを上述のように密閉シールする。再び
図1を参照し、たとえばコンデンサ素子をハウジング内に位置付けた後、ハウジングには側壁124および125の上面に設けた蓋127を含めてもよい。蓋はセラミック、金属(たとえば鉄、銅、ニッケル、コバルト等、ならびにそれらの合金)、プラスチック等から形成してよい。所望であれば、シールを良好にするために閉鎖部材(図示せず)を蓋と側壁124および125との間に配置してもよい。たとえば一実施形態においては、閉鎖部材としてはガラス−金属のシール、Kovar(登録商標)リング(Goodfellow Camridge,Ltd.)等が挙げられる。側壁の高さは一般に、蓋がコンデンサ素子のいずれの表面にも接触せず、それゆえそれらが汚染されないような高さである。所望の位置に設置した場合、公知の手法、たとえば、溶接(たとえば抵抗溶接、レーザー溶接等)、はんだ付け等を用いて、蓋を側壁124および125に密閉シールする。いくつかの実施形態においては、密閉シールは上述のように不活性ガスの存在下に行なわれ、したがって得られるアセンブリには、反応性ガス、たとえば、酸素または水蒸気が実質的に存在しない。
図4〜
図6に示す実施形態においては、コンデンサアセンブリは40個のコンデンサ素子を含む。しかし上記のように、本発明においては一般に、約2〜約200、いくつかの実施形態においては約10〜約100、いくつかの実施形態においては約20〜約50の、任意の数のコンデンサ素子が用いられる。
【0062】
その個々の構成に関わらず、本発明のコンデンサアセンブリは、高電圧環境および高温に曝露された場合においても、優れた電気特性を示し得る。たとえば、本発明のコンデンサアセンブリの熱を放散する能力により、コンデンサアセンブリを損傷することなく、比較的高いリップル電流を達成し得る。たとえば、最大リップル電流は約25アンペア以上、いくつかの実施形態においては約50アンペア以上、いくつかの実施形態においては約75アンペア以上であり得る。さらに、コンデンサアセンブリの等価直列抵抗(ESR)は約50mΩ未満、いくつかの実施形態においては約25mΩ未満、いくつかの実施形態においては約10mΩ未満であり得る。たとえば、ESRは約0.5mΩ〜約10mΩ、たとえば、約1mΩ〜約8mΩ、たとえば約2mΩ〜約6mΩの範囲であり得る。
【0063】
本発明は以下の例を参照することによって、より良く理解できる。
試験手順
等価直列抵抗(ESR)
等価直列抵抗は、ケルビンリードを備えたAgilent E4980A Precision LCR Meterを用いて、DCバイアスを2.2V、ピークツーピーク正弦波信号を0.5Vとして測定することができる。動作周波数は100kHz、温度は23℃±2℃であった。
【0064】
キャパシタンス(CAP)
キャパシタンスは、ケルビンリードを備えたAgilent E4980A Precision LCR Meterを用いて、DCバイアスを2.2V、ピークツーピーク正弦波信号を0.5Vとして測定した。動作周波数は120Hzであった。
漏洩電流(DCL)
漏洩電流は、漏洩電流を測定するKeithley 2410 Source Meterを用いて、最小60秒後に適切な電圧(25℃〜85℃についてはUr、125℃についてはUrの60%、および150℃についてはUrの50%)で用いて測定した。
【0065】
リップル電流
リップル電流は、GoldStar GP505電源、Agilent 33210A信号発生器、Pt100熱電対を備えたAlmemo 2590−9データロガー、およびFluke 80iオシロスコープを用いて測定した。適切な値のリップル電流がコンデンサを通過する場合、AC信号および10VのDCバイアスに関して動作周波数は20kHzであった。リップル電流の増大とともに温度も上昇した。温度はサーモカメラでモニターした。
【実施例】
【0066】
9,000μFV/gのタンタル粉末を用いてアノード試料を形成した。それぞれのアノード試料をタンタルワイヤに埋め込み、1800℃で焼結し、密度5.3g/cm
3にプレスした。得られたペレットの寸法は4.6mm×5.25mm×2.6mmであった。温度85℃で、導電率8.6mSの水/リン酸電解質中でペレットを260Vに電解酸化して誘電体層を形成した。次いでアノードを、固体含量が1.1%、粘度が20mPa・秒のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(Clevios(商標)K、H.C.Starck)の分散液に浸漬することによって、導電性ポリマーコーティングを形成した。コーティングに際して、部品を125℃で20分乾燥した。このプロセスを10回繰り返した。その後、部品を固体含量2%、粘度20mPa・秒のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(Clevios(商標)K、H.C.Starck)の分散液に浸漬した。コーティングに際して、部品を125℃で20分乾燥した。このプロセスは繰り返さなかった。次に、部品を固体含量2%、粘度160mPa・秒のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(Clevios(商標)K、H.C.Starck)の分散液に浸漬した。コーティングに際して、部品を125℃で20分乾燥した。このプロセスを8回繰り返した。次いで部品をグラファイト分散液に浸漬して、乾燥した。最後に、部品を銀の分散液に浸漬して、乾燥した。このようにして、100Vコンデンサの複数の部品を作成した。
銅ベースリードフレーム材料を用いてアセンブリプロセスを完了し、コンデンサ素子をセラミックハウジング内に設置した。コンデンサアセンブリは並列に接続した4列(1列あたりコンデンサ素子9個)、36個のコンデンサ素子を含んでいた。次いでカソード接続部材をニッケルのカソード終端部に接着し、長さ58.0mm、幅35.0mm、厚さ5.45mmのセラミックハウジングの下壁でアノードリードフレームをニッケルアノード終端部に溶接した。ハウジングは、セラミックハウジングの下壁の内表面にはんだ付けしたニッケルめっきNILO(登録商標)はんだパッドを有していた。
【0067】
全ての接続に用いた接着剤は銀ペーストであった。次いでアセンブリを対流オーブンに装入してペーストをはんだ付けした。その後、アノード接続のために用いた溶接は、リードフレーム部分とセラミックハウジングのニッケルめっきはんだパッドとの間に100ミリ秒印加した300Wのエネルギーを用いた抵抗溶接であった。次いで、コンデンサ素子のアノードおよびカソード部分の上部に熱伝導性シリコーンカプセル化剤(Thermoset SC−320)を塗布し、150℃で24時間乾燥した。次に、ハウジングの上部に、セラミックのシールリングにしっかりと、Kovar(登録商標)蓋を取り付けた。得られたアセンブリを溶接チャンバーに入れ、窒素ガスをパージして、シールリングと蓋との間のシーム溶接を行なった。
【0068】
試験の後、キャパシタンスが340.1μF、ESRが4.3mΩと決定した。漏洩電流およびリップル電流の試験結果の概要を以下に示す。
【0069】
【表1】
示したように、実施例に従って作成したコンデンサアセンブリは、25アンペアのリップル電流に耐えることができ、到達した温度は103.6℃に過ぎなかった。
当業者であれば、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明のこれらのおよびその他の変更および変形を実施することができよう。さらに、種々の実施形態の態様は、全体としてまたは部分的に、相互変換可能であり得ることを理解されたい。さらに、当業者であれば、上記の説明は例としてのみであって、添付した特許請求の範囲にさらに記載した発明を限定する意図はないことが理解されよう。