(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、テーブルの使用態様は様々であり、特定のテーブルが(或いはテーブルのうちの特定の席が)特定の人の使用場所として固定されている場合もあるし、不特定の人が不特定の席を使用する場合もある。商談に使用するテーブルやミーティングに使用するテーブルの場合は、後者のように、常に、不特定の人が不特定の席を使用することになる。
【0007】
テーブルの使用者が固定されている場合は、プラグの抜き差しは頻繁に行われる訳ではないので、配線用穴に手を差し込んでプラグを抜き差しするタイプでも特段の問題はないが、不特定の人が使用するテーブルの場合は、コンセントは一時的に使用するに過ぎないため、配線用穴に手を差し込んでプラグをコンセントに抜き差しするのは面倒である。さりとて、テーブルタップを机上に載せたままにしておくのは体裁が良くない。
【0008】
また、天板に空けた穴にコンセントを嵌め入れて、コンセントの上面を机上面とほぼ揃えている場合もあるが、この場合はコンセントの取り外しはできないため、配線用穴の下方に設けたダクトにコネクタ類を出し入れするといったことはできず、融通性が悪いという問題がある。
【0009】
本願発明はこのような現状を改善すべく成されたものであり、機能的に優れた配線処理装置を提供することを主たる目的としている。本願は、様々な改良が施されたテーブルを開示している。このような改良されたテーブルを提供することも、発明の目的(課題)たり得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は多様な構成を含んでおり、その例を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は、
「天板の前後中間部に設けた角形の配線用穴に、その内周に沿って延びる角形の枠体が装着されており、前記枠体に、前記配線用穴を部分的に塞ぐ角形の本体カバーと、電源用コンセント又はUSBポート若しくは両方を上向きに設けた角形の接続器ユニットとが、前後に並べられた状態で取付けられており、
前記本体カバー及び接続器ユニットと枠体との間に、ケーブル類を引出しできる通線空間が空いている
構成であって、
前記本体カバーと接続器ユニットとは、左右長手の着脱自在なセンターカバーを挟んだ前後両側に配置されている一方、
前記天板の上方の机上空間に、当該机上空間を前後に仕切るセンターパネルが、平面視で前記センターカバーと重なるように配置可能であり、前記枠体に、前記センターパネルとセンターカバーとが選択的に取付けられる」
というものである。
【0011】
USBポートはLAN等のネットワークに使用するものでもよいし、スマートフォンや形態タブレット等の電源用(或いは充電用)として使用してもよい。
【0012】
請求項
2の発明は、
「天板に設けた角形の配線用穴に、その内周に沿って延びる角形の枠体が装着されており、前記枠体に、前記配線用穴を部分的に塞ぐ角形のカバーと、電源用コンセント又はUSBポート若しくは両方を上向きに設けた角形の接続器ユニットとが、並べられた状態で取付けられており、
前記カバー及び接続器ユニットと枠体との間に、ケーブル類を引出しできる通線空間が空いており、
かつ、前記カバーは、水平状の閉じ姿勢から起立状の開き姿勢まで段階的に又は無段階的に姿勢変更できるように枠体に取り付けられている」
という基本構成において、
「前記枠体の相対向した内側面に、円形の軸受けボス体が対向して水平方向に突設されている一方、
前記カバーには、前記軸受けボス体に嵌まる抱持部が形成されており、前記抱持部を、前記カバーを起こした姿勢のときに略下向きに開口した横向きU形に形成することにより、前記カバーが、前記軸受けボス体に対して嵌脱自在でかつ軸受けボス体の軸心回りに回動することが許容されており、
かつ、前記抱持部には円弧状外周面が形成されて、前記枠体には、前記抱持部の円弧状外周面に沿って延びるロックアームが形成されており、前記ロックアームは弾性変形可能であって、その先端には前記抱持部の円弧状外周面に向いた係合突起を形成して、前記円弧状外周面には、少なくとも前記カバーを全開姿勢にしたときに前記係合突起が嵌まる係合凹部を形成している。
」
という構成になっている。
【0013】
請求項
2の好適な展開例として、請求項
3の発明では、
「前記軸受けボス体とロックアームとは、前記枠体とは別部材として製造されていて枠体に後付けされている樹脂製の軸受け部材に形成されている
」
という構成になっている。
【0014】
請求項4の発明では、
「
天板に設けた角形の配線用穴に、その内周に沿って延びる角形の枠体が装着されており、前記枠体に、前記配線用穴を部分的に塞ぐ角形のカバーと、電源用コンセント又はUSBポート若しくは両方を上向きに設けた角形の接続器ユニットとが、並べられた状態で着脱自在に取付けられており、
前記カバー及び接続器ユニットと枠体との間に、ケーブル類を引出しできる通線空間が空いている」
という構成において、
「前記接続器ユニットは、当該接続器ユニットと前記カバーとの並び方向に水平スライドさせて前記枠体に装着されており、前記カバーに近づけた取り付け状態では、枠体に上下動不能に保持されていると共に、枠体の内周と接続器ユニットとの間にはケーブル類を引き出すことができる通線空間が空いており、前記カバーから離れるように水平動させると枠体から取り外しできるようになっている
」
というものである。
【発明の効果】
【0015】
本願発明では、
カバーと接続器ユニットが1つの配線用穴に配置されているため、配線用穴の箇所を有効利用できる。しかも、各部材は蓋としての機能は有しているため、通線空間よりも大きい物であれば、配線用穴に落ち込むことは防止できる。また、物品を枠体に装着した状態でもケーブル類は通線空間から机上に引出せるため、しごく便利である。
【0017】
本願発明のように、配線用穴を塞ぐ物品としてカバーと接続器ユニットとを採用すると、電源用等プラグの抜き差しをごく簡単に行える。従って、一時的にテーブルを使用する人にとって、重宝である。接続器ユニットと枠体との間、及びカバーと枠体との間には通線空間が空いているため、机上に固定的に配置される機器に接続されたケーブル類は通線空間から引き出すようにしておくと、接続器ユニットに設けたコンセントの口数に限りがあっても、多数の機器に給電等を行える。また、ケーブル類の余長部分を通線空間から下方に垂らすことができるため、机上面をスッキリさせることもできる。
【0018】
そして、接続器ユニットは配線用穴に配置するものであるため、スペースを有効利用することができる。接続器ユニットに設けたコンセントやジャックに接続されているケーブル類は、配線用穴に垂れることになるため、美観を損なうこともない。カバーや接続器ユニットを外すと配線用穴を大きく開口できるため、大きなコネクタ類の設置や取り外しも容易に行える。
カバーと接続器ユニット
との取り付け位置を変更できる
ように構成すると、状況に応じた使い方を選択できる。従って、ユーザーフレンドリーである。
【0019】
請求項
2の構成を採用すると、カバーは少なくも全開状態に保持できるため、カバーを開いた状態で手を配線用穴の内部に差し入れて作業を行うにおいて、いちいちカバーが倒れないようにこれを手で持っている必要はなくて、作業者の負担を軽減できる。なお、カバーは、水平姿勢においても簡単には回動しない状態に固定しておくことが可能であり、この場合は、物や手が軽く触れてもカバーを水平姿勢に保持されるため、テーブルの振動によってガタついたり騒音が発生したりするといったことを防止できる。
【0020】
請求項
2の構成では、カバーは、起立状の姿勢にして軸受けボス体に向けて移動させたり引いたりすることにより、枠体に取り付けたり取り外したりすることができる。従って、着脱はごく簡単であり、配線用穴を大きく開口させる必要があるとき、その作業を迅速に行うことができる。
【0021】
しかも、弾性変形するロックアームを利用してカバーを固定するもので、カバーの回動はロックアームを弾性変形させた状態で行うことになるが、ロックアームは円弧状外周面に沿って長く延びていることから、単位長さ当たりの応力を小さくしつつ大きく弾性変形させることができるため、必要なばね力を確保しつつ耐久性も高い。なお、ロックアームは弾性復元力を利用してカバーの姿勢を保持するものであり、全く動かない状態に保持するものではない。
【0022】
さて、請求項
2においては、軸受けボス体やロックアームを枠体に形成することも可能であるが、この場合は、枠体の構造が複雑化して製造用金型が複雑化してしまうおそれがある。これに対して請求項
3のように、枠体とは別の軸受け部材を製造して、これに軸受けボス体とロックアームとを形成すると、枠体の形状が複雑化することを防止してその製造用金型のコストを抑制できる。また、軸受け自在は枠体とは異なる素材で製造できるため、ばね性や耐久性に優れた材料を選択して製造することができる。このため、耐久性や強度の確保をより一層確実化できる。また、ロックアームが折損した場合、軸受け部材のみを交換したらよいため、経済的である。
【0023】
請求項
4の構成を採用すると、接続器ユニットの取り付けのためのスペースが通線空間になるため、スペースを有効利用して、接続器ユニットを取り付けることができる。また、コンセントやジャックは上向きに向いているため、プラグは上から差し込むことができる。従って、プラグの抜き差しはきわめて簡単である。また、接続器ユニット
は、カバーに近づけきった取り付け状態では上向き抜け不能に保持されているため、プラグを上向きに引っ張っても接続器ユニットが枠体から外れるような問題は
ない。従って、プラグの抜き差しの容易性を損なったり通線機能を損なったりすることなく、接続器ユニットを枠体に簡単に取り付けることができる。
【0024】
なお、枠体とは別部材の軸受け部材を使用することは、それ自体として独立した発明たり得る。また、請求項6で特定した構成も、独立した発明たり得る。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(1).概要
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、
図1〜3を参照して概要を説明する。本実施形態のテーブルは、平面視四角形(正方形)の天板1と、天板1をその四隅部において支持する4本の脚2とを有しており、脚2は、天板1の下面に固定されるブラケット3から棒状の支柱4を垂下した態様になっている。天板1の下面には、縦横の補強フレーム5が固定されている。
【0027】
天板1の中央部には、平面視四角形(正方形)の配線用穴6が開口しており、配線用穴6の下方にはケーブル等を受けるダクト7が配置されている。ダクト7は、天板1の下面にビスで固定されている。また、天板1の上面には、オプション品としてのセンターパネル8を配置することができる。センターパネル8は、配線用穴6を前後に分離するようにして、天板1の横長中心線の上に配置されている。
【0028】
テーブルは、4辺の箇所に人が1人ずつ又は2人ずつ腰掛けて使用することもできるし、前後に対向するように1人ずつ又は2人ずつ腰掛けて使用することができる。センターパネル8は、人が前後に対向して腰掛ける場合に使用される。
【0029】
図1(C)に示すように、配線用穴6には前後分離方式の枠体9が装着されている。枠体9を前後分離方式にしているのは、図示の天板1を横長中心線に沿って左右横長の形状にしたタイプに適用できるようにするためである。従って、枠体9はループ状の一体品であってもよい。
【0030】
枠体9には、前後中間部に位置したセンターカバー10と、センターカバー10を挟んで一方の側に配置されたメインカバー11、及び、センターカバー10を挟んで他方の側に配置された接続器ユニット(コンセントユニット)12が装着されている。
図3(A)のとおり、センターカバー10とメインカバー11、及び、センターカバー10と接続器ユニット12とは密接しているが、メインカバー11の後面とは枠体9との間、及び、接続器ユニット12の前面と枠体9との間には、ケーブル類(図示せず)を通すことができる通線空間13が空いている。従って、通線空間13は左右横長の溝状になっている。
【0031】
センターパネル8を取り付けるときは、センターカバー10は使用されな
い。請求項に記載したカバーは、本実施形態ではメインカバー11が該当する。枠体9とカバー10,11と接続器ユニット12とは、それぞれ樹脂の成形品である。
【0032】
枠体9のうち前後中間点を挟んだ前後両側の部位に軸受け部材14が装着されており、メインカバー11は、左右一対の軸受け部材14により、回動自在に支持されている。他方、接続器ユニット12は、左右横長の本体ケース15と、本体ケース15に左右スライド可能に装着したコンセントボックス16とを有しており、コンセントボックス16を左右スライドさせずに固定式とする場合は、穴に蓋板17が装着される。従って、蓋板17は、本体ケース15に対して着脱自在である。蓋体17には、USBポート17aを設けている。このUSBポート17aは、LANなどのネットワーク
として使用することもできるし、電源用・充電用として使用することもできる。接続器ユニット12に、通信用のモジュラージャックを設けることも可能である。
【0033】
(2).枠体と軸受け部材
次に、
図3以下の図面も参照して各部材の詳細を説明する。まず、枠体9と軸受け部材14とを説明する。枠体9は例えばアルミダイキャスト品であり(樹脂製でもよい)、例えば
図2に示すように、その四周の外面には、天板1に固定するための外向き突起19を一体に設けている。外向き突起19は枠体9の下半部に設けており、天板1の下面には、外向き突起19が嵌まり込む凹所20(
図9参照)を形成している。また、各外向き突起19には、位置決め突起21を上向きに突設している一方、天板1における各凹所20の上底面には、位置決め突起21が嵌まる位置決め穴22を形成している。
【0034】
枠体9における前後中間部の内側面には、前後一対のセンターリブ23を横向きに突設している。例えば
図7に示すように、センターリブ23は略板状になっており、前後に対向した面でない前後外面の下部に、センターリブ23を薄肉化することによって係合段部25を形成している。
【0035】
他方、同じく
図7(A)に示すように、センターカバー10の左右側部には、前後対のセンターリブ23を前後から挟む下向き爪24が前後一対ずつ形成されており、下向き爪24が、センターリブ23の係合段部25に係合している。センターリブ23の下面には、箱状の補強枠26を形成している。センターパネル8を使用する場合は、前後のセンターリブ23に装着したホルダーを介してロッドを立設し、このロッドにセンターパネル8を嵌め入れる。
【0036】
図2に示すように、枠体9の左右内側面には、センターリブ23に近い順に、軸受け部材14を取り付けるための角柱状の第1突起27と、接続器ユニット12を取り付けるための第2突起28及び第3突起29が形成されている。第2突起28は、第1突起27に近い部位の突出寸法が大きくなって平面視L形になっており、かつ、側面視では、第1突起27に近い部位が下向きに突出した逆L形になっている。他方、第3突起29は板状であり、枠体9の前後面に近く寄せて配置されている。
【0037】
例えば
図7(B)(C)に示すように、軸受け部材14は、枠体9の内側面に重なる基部30と、基部30から内向きに突出した軸受けボス体31と、軸受けボス体31を下斜め方向から部分的に囲う円弧状姿勢のロックアーム32とを有しており、基部30の下端に、外向きの二股状の係合爪33を形成し、係合爪33を、枠体9に設けた外向き突起19の中空部に形成した係合段部34に係合させている。従って、軸受け部材14は、天板1に固定するための外向き突起19の箇所に設けている。
【0038】
図7に明示するように、枠体9のうち、第1突起27を設けている部分(軸受け部材14の基部30が重なる部分)は、若干凹ませた凹所35になっている。また、凹所35の下部は、係合爪33の
入り込みを許容するために切欠かれている。
図7(C)から理解できるように、軸受け部材14には、第1突起27が嵌まる角形穴36が空いている。従って、軸受け部材14は、第1突起27によって上下左右にずれ不能でかつ回転不能に保持されて、係合爪33によって抜け不能に保持されている。
【0039】
例えば
図9に明示するように、ロックアーム32は、枠体9の側面視において、センターリブ23から遠ざかるに従って高くなるように、下から上方に向けて円弧状に延びており、上端部は自由端になっている。そして、軸受けボス体31の周囲のうち概ね1/4程度を囲っている。
【0040】
(3).接続器ユニット
接続器ユニット12は、既述のとおり本体ケース15とコンセントボックス16とを有しており、本体ケース15が枠体9に取り付けられている。例えば
図5に示すように、本体ケース15は、天板と前後一対ずつの前後の外側板38と内側板39、及び左右のサイド側板40とを有しており、例えば
図4(A)に示すように、天板に左右横長の窓穴41を形成して、窓穴41の箇所にコンセントボックス16を左右スライド可能に装着している。コンセントボックス16には、複数の(4つの)接続口42を設けている。
【0041】
そして、例えば
図5に示すように、本体ケース15の前後の内側板39に、ガイドリブ43を左右方向に沿って飛び飛びで多数形成している一方、コンセントボックス16の前後側部には、ガイドリブ43にスライド自在に載る下向き片44を設けている。蓋板17には、ガイドリブ43に係合する下向きの爪45を設けている。
【0042】
更に、
図2に示すように、本体ケース15の左右側面には、軸受け部材14の軸受けボス体31に前後方向から嵌まる第1ストッパー46と、枠体9の第2突起28に下方から当接して上向き動を阻止する第2ストッパー47と、枠体9の第3突起29に下方から当接して上向き動を阻止する第3ストッパー48とを形成している。本体ケース15における天板の左右側縁49は、枠体9の第2突起28及び第3突起29に上から載っている。
【0043】
そして、枠体9の突起28,29及び軸受けボス体31と、本体ケース15のストッパー46〜48との関係を、本体ケース15を枠体9の手前の内面に当てた状態では、第3ストッパー48が第3突起29の手前に位置して、第2ストッパー47が第2突起28の手前に位置して、第1ストッパー46が軸受けボス体31の手前に位置するように設定している。
【0044】
従って、本体ケース15を枠体9の手前の内面に当てた状態で下向きにずらして、本体ケース15の左右側縁49を第2突起28及び第3突起29に載せた状態で後ろにずらすと、第1ストッパー46が軸受けボス体31に嵌合すると共に、第2ストッパー47及び第3ストッパー48とは第2突起28及び突起29の下面部に位置して、これにより、本体ケース15は(接続器ユニット12は)、上向きに離脱不能に保持される。
【0045】
プラグは接続口42に上下方向に抜き差しするため、プラグを抜き外すに際して接続器ユニット12が枠体9から外れることはない。また、本体ケース15を水平スライドさせ切ると、本体ケース15の前縁と枠体9の前縁との間には、ケーブル類を引出しできる通線空間13が空く。接続器ユニット12を枠体9の後ろ側に配置する場合は、上記の操作方向は逆になる。
【0046】
なお、
図2では本体ケース15に第1ストッパー46を表示しているが、
図3〜5では第1ストッパー46は表示していない。従って、
図2に表示した本体ケース15と
図3〜5に表示した
本体ケース15は、少し形状が相違している。第1ストッパー46は必ずしも必要はないものである。但し、第1ストッパー46を設けると、本体ケース15を枠体9にしっかりと取り付けできる利点がある。本体ケース15の取り付け手段としては、第1ストッパー46と第3ストッパー48との2種類だけを採用することも可能である。
【0047】
(4).メインカバー
次に、メインカバー11を説明する。
図6(A)に明示するように、メインカバー11は、配線用穴6を塞ぐ平らな基板と、その下面に設けた前後外側板51及び左右サイド側板52を有しており、全体としてトレー状の形態を成している。内部には、左右横長の仕切り板53を前後に2枚ずつ設けている。従って、メインカバー11の内部は複数の溝に区画されている。メインカバー11は、枠体9から外して上向き開口姿勢で机上に載置して、小物入れとして使用できる。その場合、溝を利用してスマートフォンのような薄型機器を立て掛けることができる。
【0048】
メインカバー11のサイド側板52は、基板の端縁からある程度の寸法(軸受けボス体31の突出寸法と同じ程度)だけ左右内側にずれている。そして、
図6(A)や
図9のとおり、基板の下面の左右側部に、軸受けボス体31を囲う側面視Uの抱持部54を一体に形成している。抱持部54は、メインカバー11の長手一側縁11aの方向に開口している。
【0049】
そして、抱持部54の外周のうち下面部と後ろに立ち上がる部分とを、円弧状外周面54aと成しており、円弧状外周面54aのうち抱持部54の開口端の側に第1係合凹部55を形成して、円弧状外周面54aのうち抱持部54の開口端と反対側の端部には第2係合凹部56を形成している。他方、ロックアーム32の先端に、係合凹部55,56に嵌まる係合突起57を設けている。
【0050】
図9に示すように、メインカバー11を、起こした姿勢にして下向きに移動させつつ、
図9の状態で時計回り方向に少し回転させながら押し込むと、メインカバー11を軸受けボス体31に嵌め込むことができる。つまり、ロックアーム32の弾性に抗して、抱持部54を軸受けボス体31に嵌め込むことができる。
【0051】
抱持部54を嵌め込んでから下向きに回動させて水平姿勢にすると、ロックアーム32の係合突起57と抱持部54の第2係合凹部56とが嵌まり合って、メインカバー11は水平姿勢に保持される。従って、テーブルが振動しても、ガタガタと音が出るようなことはない。なお、メインカバー11の左右側縁は枠体9の第2突起28と第3突起29に載っている。従って、第2突起28と第3突起29は、メインカバー11を水平姿勢に保持する機能も持っている。
【0052】
メインカバー11の自由端部に指先を当てて、ロックアーム32の弾性にして上向きに押すと(或いは引くと)、メインカバー11を起こすことができ、起こしきると、係合突起57が第1係合凹部55に嵌合して、メインカバー11は起きた状態に保持される。実施形態では、メインカバー11は鉛直姿勢までは起きずに、鉛直姿勢から少し前倒れした姿勢まで回動させることができる。もとより、鉛直姿勢まで或いはそれ以上の鈍角姿勢まで起こすことは可能である。
【0053】
メインカバー11を起こした姿勢に保持できるので、例えば、手先を配線用穴6の内部に差し入れて作業を行う場合、一々メインカバー11を取り外したり、片手でメインカバー11を起こした状態に保持していたりする必要はない。従って、作業を迅速に行える。なお、メインカバー11はロックアームの弾性に抗して回動させると、抱持部54がロックアーム32で弾性的に押されているため、摩擦を利用してメインカバー11を任意の開き姿勢に保持することも可能である。第1係合凹部55と第2係合凹部56との間に1つ又は複数の係合凹部を形成しておくと、メインカバー11を、全開姿勢と全閉姿勢との間の中間開き状態にしっかりと保持できる。
【0054】
枠体9は、既述のようにアルミダイキャスト品とする
こともできるし、例えばポリプロピレンのような安価な汎用樹脂で製造できる。他方、軸受け部材14は、ポリ
カーボネートやナイロン樹脂のような強度と耐久性に優れた樹脂で製造するのが好ましい。枠体9をアルミ製として金属色を強調しつつ、軸受け部材14を樹脂製としてメインカバー11の姿勢保持機能を確保できる。
【0055】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、配線用穴を1つの天板1に複数形成してもよい。配線用穴は長方形であってもよい。用途が異なる複数の部材を左右に並べて配置することも可能である。カバーを挟んだ両側に2つの接続器ユニットを配置するというように、3つ以上の部材を配置することも可能である。カバーを回動式にしたときの姿勢保持手段としては、カバーにロックアームを設けて、軸受けボス体31に円弧状外周面を形成することも可能である。更に、他の係合手段を採用することも可能である。配線用穴は四周を有する閉じた形態である必要はないのであり、天板の一側縁に開口した形態であってもよい。