(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、電極が組織と接触しているかを簡単に検出する、少なくとも1つのセンサを有するアブレーションカテーテルを提供することが望ましい。同様に、簡単に読取り可能な接触の指示を施術者に提供することが望ましい。以下に記述されるように、本開示はこれら及び他の目的を満たす。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、カテーテルであって、細長い本体と、細長い本体の遠位端にある拡張可能な要素と、拡張可能な本体上に配設された少なくとも1つの電極と、拡張可能な要素上に、少なくとも1つの電極に隣接して配設された、少なくとも1つの接触センサと、を有する、カテーテルを対象とする。細長い本体は、接触センサに電気的に接続された少なくとも1つの発光素子と、少なくとも1つの発光素子から光信号を受信するように構成された光センサと、を更に備える。
【0008】
1つの態様では、少なくとも1つの接触センサは、可撓性基板上のスパッタコーティングによって形成された可撓性回路である。
【0009】
1つの態様では、発光素子は複数のRGB LEDであり、RGB LEDはそれぞれ複数の電極のうち1つに対応する。別の態様では、発光素子は白色発光LEDである。別の態様では、発光素子は赤外光を放射する。
【0010】
1つの態様では、接触センサは、閉位置にあるとき又は開位置にあるとき、光センサに対して光信号を放射する。
【0011】
1つの態様では、拡張可能な部材はバルーンであり、その場合、光センサはガイドワイヤ管腔に動作可能に接続される。
【0012】
1つの態様では、拡張可能な部材は、複数のスパインを有するバスケット構成であり、光センサは、細長い本体の中心軸に沿って動作可能に配設された牽引ワイヤに動作可能に接続される。
【0013】
1つの態様では、拡張可能な部材は螺旋状部材を備え、その場合、光センサは、細長い本体の中心軸に沿って動作可能に配設された並進部材に動作可能に接続される。螺旋部材は形状記憶材料で構成されてもよい。
【0014】
本開示はまた、オペレータによって患者の組織の一部分にアブレーションを施すための方法を対象とする。方法は、カテーテルを患者に挿入することを含み、カテーテルは、細長い本体と、細長い本体の遠位端に位置決めされた拡張可能な要素と、拡張可能な本体上に配設された少なくとも1つの電極と、拡張可能な要素上に、少なくとも1つの電極に隣接して配設された、少なくとも1つの接触センサと、を備える。細長い本体は、接触センサに電気的に接続された少なくとも1つの発光素子と、少なくとも1つの発光素子から光信号を受信するように構成された光センサと、を更に備える。方法は更に、カテーテルを、光センサから信号を受信すると共に電極に電力を送達することができるシステムコントローラに接続することと、光センサからの受信信号に基づいて画像を表示することと、組織にアブレーションを施すように電極に対する電力を制御することと、を含む。
【0015】
1つの態様では、方法は、受信した光信号に基づいた表示画像に基づいて、少なくとも1つの電極を位置決めすることを更に含む。
【0016】
1つの態様では、方法は、光センサからの信号を、複数のRGB LEDから受信することと、表示画像に基づいて拡張可能な部材を調節することと、を含む。方法はまた、表示画像に基づいて電極の接触度を推定することを含む。
【0017】
1つの態様では、光センサからの受信信号は、複数の白色発光LEDからの信号も含む。
【発明を実施するための形態】
【0019】
最初に、具体的に例示される材料、構成、手順、方法、又は構造は変動することがあるため、本開示はそれらに限定されないことを理解されたい。したがって、本明細書に記載されている選択肢と同様又は同等の多くの選択肢が本開示の実施又は実施形態において使用され得るが、好ましい材料及び方法が本明細書に記載されている。
【0020】
また、本明細書で使用される専門用語が、単に本開示の特定の実施形態を説明するためのものであり、限定するようには意図されていないことも理解されたい。
【0021】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、本開示の例示的実施形態を説明するよう意図されており、本開示が実施され得る限定的な例示的実施形態を表すようには意図されていない。本説明全体にわたって使用される用語「例示的」とは、「実施例、事例、又は実例としての機能を果たす」ことを意味し、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましい又は有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明には、本明細書の例示的な実施形態の徹底した理解を提供するために、具体的な詳細が含まれる。本明細書の例示的な実施形態が、これらの具体的な詳細なしで実施され得ることは、当業者には明白であろう。場合によっては、本明細書に提示される例示的な実施形態の新規性を明確にするために、周知の構造及びデバイスはブロック図の形態で示されるか、又は省略される。
【0022】
単に便宜上かつ明確にするために、上、下、左、右、上方、下方、上側、下側、裏側、後側、背側、及び前側などの方向を示す用語が、添付図面に関して使用されることがある。これら及び同様の方向を示す用語は、いかなる形でも本開示の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0023】
別段の規定がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有する。
【0024】
最後に、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容が別段の明確な指示をしない限り、複数の指示対象を含む。
【0025】
図1に示されるように、本開示は、標的組織にアブレーションを施す医療用デバイス10について記載する。医療用デバイス10は、カテーテルなどの細長い本体12を含む。細長い本体12は、近位部分14及び遠位部分16を規定してもよく、更に、細長い本体12の近位部分と細長い本体12の遠位部分との間に機械的、電気的、及び/又は流体連通をもたらすため、細長い本体12内に配設された1つ又は2つ以上の管腔を含んでもよい。例えば、細長い本体12は、中を通る流体流路を画成する注射管腔を含んでもよい。それに加えて、細長い本体12は、ガイドワイヤ22を収容するガイドワイヤ管腔20を含んでもよい。ガイドワイヤ管腔20は、オーバー・ザ・ワイヤ式又は迅速交換の用途のため、細長い本体12の少なくとも一部分の中に、かつ/又は少なくとも一部分に沿って延在して配設されてもよい。一実施形態では、より詳細に後述するように、ガイドワイヤ管腔20は可動の管腔である。
【0026】
カテーテル10は、外側シース24を更に含んでもよい。医療用デバイス10の細長い本体12の少なくとも一部分を中心にして摺動可能に位置決めすることができる、外側シース24が提供されてもよい。別の実施形態では、外側シース24は固定であって、長手方向に移動可能なアブレーションデバイスを拘束してもよい。
【0027】
カテーテル本体12の近位側には制御ハンドル26があり、これによってオペレータが、操舵可能な実施形態が採用された場合に、遠位部分16を偏向させることを含めてカテーテルを操作することが可能になる。例えば、制御ハンドル26は、それぞれの方向に偏向させるために時計方向又は反時計方向に旋回される、偏向ノブ28を含んでもよい。他の実施形態では、例えば、米国特許第6,468,260号、同第6,500,167号、同第6,522,933号、及び同第8,617,087号に記載されているような、複数の制御ワイヤを操作するための制御ハンドルなど、他の操舵可能な設計を採用することができ、これらの開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0028】
細長い本体12は可撓性であり、即ち屈曲可能であるが、その長さに沿って実質的に非圧縮性であり、任意の好適な構造のものであって任意の好適な材料で作られてもよい。1つの態様では、ポリウレタン又はPEBAXで作られた外壁は、細長い本体12の捩り剛性を増大させるため、当該技術分野において一般に知られているように、ステンレス鋼などの埋込み式編組みメッシュを有してもよく、それにより、制御ハンドル26を回転させると遠位区画16がそれに対応する形で回転するようになる。意図される用途に応じて、細長い本体12の外径は約8フレンチであってもよく、いくつかの実施形態では7フレンチであってもよい。同様に、細長い本体12の外壁の厚さは、更に詳細に後述するように、中心管腔が任意の望ましいワイヤ、ケーブル、及び/又は管を収容可能なように十分に薄くてもよい。カテーテルの有用な長さ、即ち身体に挿入することができる部分は、所望に応じて変化させることができる。例示的な実施形態では、有用な長さは約110cm〜約120cmであってもよい。
【0029】
本発明の医療用デバイス10は、拡張可能な要素30を更に含む。拡張可能な要素30は、バルーン(
図2及び
図3)、又はバスケット状のデバイス(
図4)若しくは螺旋状デバイス(
図5)などの他の拡張可能な構造を含んでもよい。より詳細に後述するように、拡張可能な要素30のそれぞれは、複数のアブレーション電極、接触センサ、及び光エミッタを更に含む。
【0030】
カテーテル10の拡張可能な要素30の一実施形態に関する詳細が、
図2〜
図3に示されている。次に
図2を参照すると、拡張可能な要素30は膨張可能なバルーン32を備える。バルーン32は、柔軟性又は非柔軟性のバルーンであってもよい。一実施形態では、バルーン32は、図示されるように全体的に球状の形状を有してもよく、あるいはディスク形状若しくはドーナツ形状などの他の形状、又は肺静脈口及びそこから延在する組織を模倣した他のプロファイルを有してもよい。一実施形態では、バルーン32は、その近位端では内側カテーテル36の遠位端に、その遠位端ではガイドワイヤ管腔20の遠位部分に取り付けられる。バルーン32は、その外表面上に装着されるか又は外表面に埋め込まれた複数の電極34を更に含む。電極34は、高周波(RF)電極又は電気信号マッピング電極であってもよい。電極34は、パラジウム、白金、金、イリジウム、並びに、Pd/Pt(例えば、パラジウム80%/白金20%)及びPt/Ir(例えば、白金90%/イリジウム10%)を含むこれらの組み合わせ及び合金など、任意の好適な導電性材料で作られてもよい。
【0031】
拡張可能な要素30は複数の接触センサ38を更に含む。一実施形態では、電極34のそれぞれは、対応する接触センサ38を有する。接触センサ38は、電極が治療部位の組織42と接触していることを、施術者に対して指示する。一実施形態では、接触センサ38は可撓性回路である。一実施形態では、可撓性回路は薄膜回路であり、それぞれは、例えばスパッタコーティング、浸漬、又は電気蒸着など、当該技術分野で知られている任意の方法によって、バルーン32の表面に蒸着又は結合される。一実施形態では、可撓性回路接触センサ38を製造する方法は、ポリイミド層上に銅及び金の薄層がスパッタコーティング若しくは電気めっきされたポリイミド材料を含む。別の実施形態では、可撓性接触センサは、ニチノール層上に金を蒸着したニチノール材料を含む。別の実施形態では、可撓性接触センサは、基板上に金が直接蒸着された薄膜ポリマー基板で構成される。本発明では、可撓性回路は開放構成及び閉止構成を有する。
図2は開放構成を示し、
図3は閉止構成を示している。この実施形態では、各接触センサ38は発光素子40を更に含む。一実施形態では、発光素子40は発光ダイオード(LED)である。処置の間、電極38が組織42と接触していないとき、接触センサは開放構成のままである。しかしながら、電極38が組織42と接触すると(
図3)、回路が閉じて、電気が閉止回路を流れて発光素子40に通電することが可能になる。波線44(
図3)によって示される、LEDから発している光は、拡張可能な要素30の内側部材上に配設された光センサ46によって検出される。一実施形態では、光センサ46はガイドワイヤ管腔20の外表面上に配設される。光センサ46は、適切なワイヤを通してセンサモジュール224(
図7)に電気的に接続される。
【0032】
光センサ46は、複数の光源からの光を同時に検出することができる。一実施形態では、各電極は対応する接触センサ38及びLED 40を有する。各電極が標的組織と接触していると、各LEDが明るくなる。一実施形態では、肺口を治療するように構成されたバルーン32など、デバイスは、円周方向パターンで組織にアブレーションを施すための10〜20個の電極を有してもよい。この実施形態では、センサに向かって光を放射する10〜20個のLEDがある。センサモジュール224は、どのLEDが光って接触を示しており、どれが光っていなくて接触が存在しないことを示しているかを、施術者に対して表示してもよい。一実施形態では、LEDは、赤色、緑色、又は青色いずれかの光を放射するRGB LEDである。この実施形態では、検出され施術者に対して表示される(218)(
図6を参照)色は、接触度を提供するように構成されてもよい。一実施形態では、「赤色」の表示は接触なしを示し、「青色」の表示は全体的な接触を示す。「緑色」の表示は、完全ではなく部分的な接触を示す。更に別の実施形態では、接触センサ38は、最初は閉止構成の状態にあって、発光素子40がセンサ46に向かって光を放射している。電極34が接触すると、接触センサは開放構成に切り替わり、光が放射されなくなる。この実施形態では、施術者に対して表示される光がないことは、治療される組織と全体的に接触していることを示す。
【0033】
次に
図4を参照すると、バスケット状の拡張可能な部材130を有する医療用デバイス100の別の実施形態が示されている。この実施形態では、拡張可能な部材130は複数のスパイン132を有し、スパインはそれぞれ、その近位端で細長い本体112の遠位端116に、その遠位端で牽引部材150の遠位部分に接続される。一実施形態では、各スパイン132は、非導電性コーティングを有する金属ワイヤで構成される。一例では、スパイン132は、ポリアミドで被覆されたニチノール(商標)のワイヤコアを含む。別の例では、スパイン132は、PEBAXチューブで被覆されたニチノールワイヤコアで構成される。別の例では、スパイン132は、配備したときにバスケット形状を保持するのに十分なジュロメータを有する、PEBAX又はペレタン(Pellethane)などの編組みポリマーチューブで構成される。別の例では、スパイン132は、上述した非導電性被覆のいずれかを備えたステンレス鋼コアで構成される。
【0034】
この実施形態では、各スパイン132は複数の電極134を含み、各電極は対応する接触センサ138及び発光素子140と関連付けられる。この実施形態では、各電極は、アブレーション電極、又は上述したようなマッピング電極であってもよい。一実施形態では、デバイス100は、アブレーション電極及びマッピング電極の混合を含む。
図2及び
図3に関して上述した実施形態と同様に、各接触センサは、開放構成及び閉止構成を有する可撓性回路である。この実施形態では、接触センサ138は、上述のスパッタコーティング、浸漬、又は電気蒸着方法を使用して製造された、可撓性回路を備える。別の実施形態では、接触センサ138は、薄膜又は蒸着プロセスによって形成される可撓性回路ではなく、当該技術分野で知られているような、より従来的な方法を使用して形成される。例えば、今日のEP診断用及び治療用カテーテルアセンブリにおいて典型的に行われるような、手による接触センサへの直接配線。他の全ての態様では、
図4に示される実施形態は、
図2及び
図3に示されるものと同様である。一実施形態では、発光素子140は、接触センサが閉位置にあるとき、牽引部材150上に位置するセンサ146に向かって光を放射する。別の実施形態では、発光素子140は、開放構成にあるときに光センサ146に向かって光を放射する。各実施形態では、発光素子は、白色光を放射するLED、又はRGB光を放射するLEDであってもよい。
【0035】
次に
図5を参照すると、組織にアブレーションを施す医療用デバイス100’の別の実施形態が示される。この実施形態では、医療用デバイス100’は、螺旋状の拡張可能な部材130’を含む。拡張可能な部材130’は、
図4において上述したものと同様であり、同様の電極134、接触センサ138、及び発光素子140を有する。しかしながら、この実施形態では、拡張可能な部材130’は、スパイン132’の長さに沿って螺旋パターンに配設された電極及びそれに関連する接触センサを有する、螺旋状のスパイン132’を備える。この実施形態では、牽引部材150’の長手方向移動によって、拡張可能な部材130が閉止構成から螺旋状の開放構成へと移動する。別の実施形態では、長手方向に後退するシース124’によって拡張可能な部材130’が露出し、この部材は露出すると螺旋形状を形成する。この実施形態では、スパイン132は、例えばニチノール(商標)合金、及びポリアミドなどの非導電性カバーなどの形状記憶材料で構成される。上述の実施形態と同様、接触センサ138及び発光素子140は、電極が標的組織と接触しているとき、それを施術者に示す。上述のように、発光素子は、白色発光LED又はRGB発光LEDであってもよい。使用の際、このスパイン132’が標的組織に螺旋の損傷パターンを形成する。一例では、標的組織は肺静脈である。別の例では、標的組織は腎動脈である。両方の例において、施術者は、血管の閉塞を回避するには、損傷の同心円パターンよりも損傷の螺旋パターンの方が好ましいことを見出した。
【0036】
上述の実施形態それぞれにおいて、医療用デバイス10、100、若しくは100’は、患者の解剖学的構造内及び/又は力若しくは接触感知システム内におけるカテーテル10の遠位端の配置を視覚化するのを支援するのに、マッピングシステムと併せて使用されてもよい、電磁位置センサを収容する構造及び導管を含んでもよい。かかる態様に関する詳細は、両方ともその全体を参照により本明細書に組み込む、米国特許第8,357,152号及び同第9,050,105号に見出すことができる。
【0037】
従来のRFアブレーションカテーテルに比べて、本開示の技法は顕著な利点をもたらす。接触力カテーテルは、先端でのみ組織との接触を実証することができるが、電極と組織がどの程度接触しているかについては示されない。ここで、接触センサは、どの電極が接触しているかの情報を提供し、適切な発光素子を使用して、電極がどの程度接触しているかに関して示してもよい。
【0038】
アブレーション処置におけるカテーテル10の使用は、当業者に知られている技法に従うことができる。
図6は、本発明の一実施形態による、腎臓及び/又は心臓のカテーテル法及びアブレーションのためのシステム200を示す概略絵図である。システム200は、例えば、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar,Calif.)製造のCARTO(商標)マッピングシステム、及び/又はSmartAblate若しくはnMarq RF発生器に基づいてもよい。このシステムは、カテーテル10、100、若しくは100’の形態の侵襲性プローブと、制御及び/又はアブレーションコンソール202とを備える。心臓病専門医、電気生理学技師、又は介入放射線医などのオペレータ204は、大腿アクセスアプローチ又は橈骨アクセスアプローチなどを介して、患者206の体内にアブレーションカテーテル10、100、若しくは100’を挿入し、これによって、カテーテル10、100、若しくは100’の遠位端、特に拡張可能部材30、130、若しくは130’が、患者206の心臓209の心腔又は腎動脈などの所望の位置で組織を係合する。カテーテル10、100、若しくは100’は、典型的に、その近位端にある好適なコネクタによってコンソール202に接続される。コンソール202は、電極34又は134が係合した位置で、カテーテルを介して組織210にアブレーションを施すための高周波電気エネルギーを供給する、RF発生器208を備える。
【0039】
コンソール202はまた、磁気位置感知を使用して、患者206の体内におけるカテーテル10、100、若しくは100’の遠位端の位置座標を判定してもよい。この目的のため、コンソール202内の駆動回路は、磁場発生器を駆動して患者206の身体内に磁場を発生させる。典型的には、磁場発生器は、患者の体外の既知の位置で患者の胴体の下に配置される、コイルを備える。これらのコイルは、関心領域を包含する既定の作業体積内に磁界を発生させる。カテーテル10、100、若しくは100’の遠位端内の磁場センサは、これらの磁場に反応して電気信号を発生させる。コンソール202の信号プロセッサは、典型的には場所及び向き両方の座標を含む、遠位端の位置座標を判定するために、これらの信号を処理してもよい。この位置感知の方法は、上述のCARTOシステムに実装され、米国特許第5,391,199号、同第6,239,724号、同第6,332,089号、同第6,484,118号、同第6,618,612号、同第6,690,963号、及び同第7,729,742号、並びにPCT特許出願公開WO96/05768号、並びに米国特許出願公開第2004/0068178(A1)号に詳細に記載されており、それらの開示を全て参照により本明細書に組み込む。
【0040】
コンソール202は、システム200の操作のためのソフトウェアが格納されているメモリ214と通信する処理装置216を備える、システムコントローラ212を含んでもよい。コントローラ212は、汎用コンピュータ処理装置を含む業界標準のパーソナルコンピュータであってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、コントローラの機能の少なくとも一部は、カスタム設計の特定用途向け集積回路(ASIC)又は現場プログラム可能ゲートアレイ(FPGA)を使用して実施される。コントローラ212は、典型的に、オペレータがシステム200のパラメータを設定することを可能にする、好適な入力周辺装置及びグラフィカルユーザインターフェース(GUI)218を使用して、オペレータ204によって操作される。GUI 218はまた、典型的に、処置の結果をオペレータに対して表示する。メモリ214内のソフトウェアは、例えばネットワークを通じて、電子的形態でコントローラにダウンロードされてもよい。別の方法として、又はそれに加えて、ソフトウェアは、光学的、磁気的、又は電子的記憶媒体など、非一時的な有形の媒体上に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上の位置センサは、コンソール202に信号を送って、拡張可能な要素30、130、若しくは130’の電極34、134それぞれに対する圧力を示してもよい。ワイヤからの信号がシステムコントローラ212に提供されて、センサから測定値が得られてもよい。かかる信号は、センサに対応する場所におけるインピーダンス及び/又はECG読取り値を提供するのに使用されてもよい。同様に、光センサ46、146からの信号は、システムコントローラ212のセンサモジュール224に送信されてもよい。メモリ214内のソフトウェアは、次に、光センサ46、146からの信号を翻訳し、表示をGUI 218に送信して、電極34、134それぞれに関する接触度をオペレータ204に対して示してもよい。
【0041】
典型的に、アブレーションの間、RFエネルギーによって患者の組織で熱が発生してアブレーションが引き起こされ、この熱の一部は電極34、134に反射されて、電極及びその周囲に凝固が生じる。システム200は、灌注アパーチャを通してこの領域を灌注し、灌注の流れの速度は灌注モジュール220によって制御され、電極34、134に送られる電力(RFエネルギー)はアブレーションモジュール222によって制御される。更にまた、様々なセンサ(図示なし)からの情報を使用して、損傷の大きさと深さを判定してもよい。この態様に関する詳細は、米国特許出願第13/113,159号、名称「Monitoring Tissue Temperature Using an Irrigated Catheter」に見出すことができ、その教示の全体を参照により本明細書に組み込む。更に別の一例として、様々なセンサ(図示なし)はまた、心内心電図をシステムコントローラ212に提供してもよく、これを用いて、アブレーションが施されている組織部位がもはや催不整脈性の電流を伝導していないときを判定するために使用することができる。
【0042】
本明細書の記述は、特定の代表的な実施形態である。ただし、提示された実施形態に関わる当業者には、本開示の原理が他の適用に対して適切に改変することにより容易に拡張可能であることが理解されよう。
【0043】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルであって、
細長い本体と、
前記細長い本体の遠位端にある拡張可能な要素と、
前記拡張可能な本体上に配設された少なくとも1つの電極と、
前記拡張可能な要素上に、前記少なくとも1つの電極に隣接して配設された、少なくとも1つの接触センサと、
前記接触センサに電気的に接続された少なくとも1つの発光素子と、
前記少なくとも1つの発光素子から光信号を受信するように構成された光センサと、
を備える、カテーテル。
(2) 前記少なくとも1つの接触センサが可撓性回路を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記可撓性回路がスパッタコーティングによって形成されている、実施態様2に記載のカテーテル。
(4) 前記少なくとも1つの発光素子が複数のRGB LEDを含み、前記RGB LEDのそれぞれが複数の電極のうち1つに対応する、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記少なくとも1つの発光素子が少なくとも1つの白色発光LEDを含む、実施態様1に記載のカテーテル。
【0044】
(6) 前記接触センサが、閉位置にあるときに前記光センサに対して光信号を放射する、実施態様1に記載のカテーテル。
(7) 前記接触センサが、開位置にあるときに前記光センサに対して光信号を放射する、実施態様1に記載のカテーテル。
(8) 前記拡張可能な部材がバルーンを含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(9) 前記光センサがガイドワイヤ管腔に動作可能に接続されている、実施態様8に記載のカテーテル。
(10) 前記拡張可能な部材が、複数のスパインを有するバスケット構成を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
【0045】
(11) 前記光センサが、前記細長い本体の中心軸に沿って動作可能に配設された牽引ワイヤに動作可能に接続されている、実施態様10に記載のカテーテル。
(12) 前記拡張可能な部材が螺旋状部材を含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(13) 前記光センサが、前記細長い本体の中心軸に沿って動作可能に配設された並進部材に動作可能に接続されている、実施態様12に記載のカテーテル。
(14) 前記螺旋状部材が形状記憶材料を含む、実施態様12に記載のカテーテル。
(15) オペレータによって患者の組織の一部分にアブレーションを施すための方法であって、
カテーテルを前記患者に挿入することであって、前記カテーテルが、
細長い本体と、
前記細長い本体の遠位端に位置決めされた拡張可能な要素と、
前記拡張可能な本体上に配設された少なくとも1つの電極と、
前記拡張可能な要素上に、前記少なくとも1つの電極に隣接して配設された、少なくとも1つの接触センサと、
前記接触センサに電気的に接続された少なくとも1つの発光素子と、
前記少なくとも1つの発光素子から光信号を受信するように構成された光センサと、を備える、ことと、
前記カテーテルを、前記光センサから信号を受信すると共に前記電極に電力を送達することができるシステムコントローラに接続することと、
前記光センサから受信した前記信号に基づいて画像を表示することと、
組織にアブレーションを施すように前記電極に対する前記電力を制御することと、
を含む、方法。
【0046】
(16) 前記受信した光信号に基づいた前記表示画像に基づいて、前記少なくとも1つの電極を位置決めすることを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記光センサからの前記受信信号が、複数のRGB LEDからの信号を含む、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記拡張可能な部材が前記表示画像に基づいて調節されている、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記表示画像に基づいて前記電極の接触度を推定することを更に含む、実施態様17に記載の方法。
(20) 前記光センサからの前記受信信号が、複数の白色発光LEDからの信号を含む、実施態様15に記載の方法。