(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882013
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】船外機
(51)【国際特許分類】
B63H 20/00 20060101AFI20210524BHJP
B63H 20/32 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
B63H20/00 100
B63H20/32 510
【請求項の数】17
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-39360(P2017-39360)
(22)【出願日】2017年3月2日
(65)【公開番号】特開2018-144540(P2018-144540A)
(43)【公開日】2018年9月20日
【審査請求日】2019年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100094145
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 由己男
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149102
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 習
(72)【発明者】
【氏名】中村 隆文
(72)【発明者】
【氏名】山口 裕生
【審査官】
伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−037023(JP,A)
【文献】
特開平10−030493(JP,A)
【文献】
特開2008−044411(JP,A)
【文献】
特表2003−523862(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0212740(US,A1)
【文献】
特開平07−193978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 20/00
B63H 20/32
B63J 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源と、
前記動力源を収容するカウルと、
前記動力源によって駆動され、前記動力源から下方に延びる駆動軸と、
前記駆動軸に接続され、前記駆動軸の軸線と交差する方向に延びるプロペラ軸と、
電源と、
前記動力源を駆動する動力源補機と、
前記電源と前記動力源補機とを電気的に接続する電気回路と、
前記電気回路を介して前記電源と電気的に接続され、接続されるアクセサリ機器に対して電力を供給する給電ポートと、
前記電気回路において前記電源と前記給電ポートとの間に配置され、電流を通すオン状態と、電流を遮断するオフ状態とに切り換え可能であり、過電流によって前記オン状態から前記オフ状態に切り換えられ、前記オフ状態から前記オン状態に復帰可能な開閉器と、
を備え、
前記開閉器は、ブレーカであり、前記オフ状態から前記オン状態に手動で切り換えるための操作部材を含み、
前記カウルは、
ボトムカウルと、
前記ボトムカウルの上方に配置され、前記ボトムカウルに対して着脱可能に取り付けられるトップカウルと、
を含み、
前記操作部材は、前記カウルの外部からアクセス可能に、前記ボトムカウルに取り付けられている、
船外機。
【請求項2】
前記操作部材は、前記ボトムカウルの前部に取り付けられている、
請求項1に記載の船外機。
【請求項3】
前記給電ポートは、前記ボトムカウルに取り付けられる、
請求項1又は2に記載の船外機。
【請求項4】
前記給電ポートは、前記ボトムカウルの前部に取り付けられる、
請求項3に記載の船外機。
【請求項5】
動力源と、
前記動力源を収容するカウルと、
前記動力源によって駆動され、前記動力源から下方に延びる駆動軸と、
前記駆動軸に接続され、前記駆動軸の軸線と交差する方向に延びるプロペラ軸と、
電源と、
前記動力源を駆動する動力源補機と、
前記電源と前記動力源補機とを電気的に接続する電気回路と、
前記電気回路を介して前記電源と電気的に接続され、接続されるアクセサリ機器に対して電力を供給する給電ポートと、
前記電気回路において前記電源と前記給電ポートとの間に配置され、電流を通すオン状態と、電流を遮断するオフ状態とに切り換え可能であり、過電流によって前記オン状態から前記オフ状態に切り換えられ、前記オフ状態から前記オン状態に復帰可能な開閉器と、
を備え、
前記開閉器は、ブレーカであり、前記オフ状態から前記オン状態に手動で切り換えるための操作部材を含み、
前記操作部材は、前記カウルの外部からアクセス可能に、前記カウルの外面に取り付けられている、
船外機。
【請求項6】
前記カウルは、
ボトムカウルと、
前記ボトムカウルの上方に配置され、前記ボトムカウルに対して着脱可能に取り付けられるトップカウルと、
を含み、
前記給電ポートは、前記ボトムカウルに取り付けられる、
請求項5に記載の船外機。
【請求項7】
前記給電ポートは、前記ボトムカウルの前部に取り付けられる、
請求項6に記載の船外機。
【請求項8】
前記給電ポートは、前記カウルに取り付けられる、
請求項1又は5に記載の船外機。
【請求項9】
前記給電ポートは、前記カウルの外面に取り付けられる、
請求項8に記載の船外機。
【請求項10】
前記駆動軸及び前記プロペラ軸を収容するハウジングと、
前記電気回路に接続されたケーブルと、
をさらに備え、
前記給電ポートは、前記カウル及び前記ハウジングの外部に配置され、前記ケーブルを介して前記電気回路に接続される、
請求項1又は5に記載の船外機。
【請求項11】
動力源と、
前記動力源によって駆動され、前記動力源から下方に延びる駆動軸と、
前記駆動軸に接続され、前記駆動軸の軸線と交差する方向に延びるプロペラ軸と、
電源と、
前記動力源を駆動する動力源補機と、
前記電源と前記動力源補機とを電気的に接続する電気回路と、
前記電気回路を介して前記電源と電気的に接続され、接続されるアクセサリ機器に対して電力を供給する給電ポートと、
前記電気回路において前記電源と前記給電ポートとの間に配置され、電流を通すオン状態と、電流を遮断するオフ状態とに切り換え可能であり、過電流によって前記オン状態から前記オフ状態に切り換えられ、前記オフ状態から前記オン状態に復帰可能な開閉器と、
前記電気回路の電流値を検出するセンサと、
を備え、
前記開閉器は、前記センサからの信号に応じて前記オン状態と前記オフ状態とに切り換えられる、
船外機。
【請求項12】
前記動力源を収容するカウルをさらに備え、
前記給電ポートは、前記カウルに取り付けられる、
請求項11に記載の船外機。
【請求項13】
前記カウルは、
ボトムカウルと、
前記ボトムカウルの上方に配置され、前記ボトムカウルに対して着脱可能に取り付けられるトップカウルと、
を含み、
前記給電ポートは、前記ボトムカウルに取り付けられる、
請求項12に記載の船外機。
【請求項14】
前記給電ポートは、前記ボトムカウルの前部に取り付けられる、
請求項13に記載の船外機。
【請求項15】
前記給電ポートは、前記カウルの外面に取り付けられる、
請求項12に記載の船外機。
【請求項16】
前記動力源を収容するカウルと、
前記駆動軸及び前記プロペラ軸を収容するハウジングと、
前記電気回路に接続されたケーブルと、
をさらに備え、
前記給電ポートは、前記カウル及び前記ハウジングの外部に配置され、前記ケーブルを介して前記電気回路に接続される、
請求項11に記載の船外機。
【請求項17】
前記給電ポートに着脱可能に取り付けられる防水キャップをさらに備える、
請求項1から16のいずれかに記載の船外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船外機に関する。
【背景技術】
【0002】
船外機は、動力源と、動力源を駆動するための動力源補機とを備えている。例えば、特許文献1の船外機は、エンジンと、エンジンを駆動するためのエンジン補機とを備えている。エンジン補機は、例えばECU(Engine Control Unit)、燃料噴射装置、及び点火装置などの装置である。ECUは、CPUなどの演算装置を有するコンピュータである。ECUは、燃料噴射装置、及び点火装置を制御することで、エンジンの出力を制御する。
【0003】
ECU、燃料噴射装置、及び点火装置などのエンジン補機は、船外機に設けられた電源に接続されており、電源から電力を供給される。電源は、例えば船外機に設けられたバッテリである。船外機は、動力源によって駆動される発電機を備えており、バッテリは、発電機によって生成された電力を蓄える。或いは、バッテリを備えていない船外機では、発電機が電源となり、発電機によって生成された電力が、エンジン補機に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−245560号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
船舶においてアクセサリ機器への電力供給が求められることがある。例えば、船舶において携帯電話等のモバイル機器の充電ができれば便利である。そのため、船外機の電源からの電力をアクセサリ機器に供給することが考えられる。
【0006】
しかし、動力源を駆動するための動力源補機への電力を確保する必要があるため、アクセサリ機器に供給する電力を制限する必要がある。その手段として、ヒューズを用いることが考えられる。すなわち、アクセサリ機器への電力が過大となったときには、ヒューズが溶断することで、アクセサリ機器への電力供給が遮断される。それにより、アクセサリ機器への過剰な電力供給を抑えることができ、動力源補機への電力を確保することができる。
【0007】
しかし、上記のように、ヒューズの溶断によってアクセサリ機器への電力供給が遮断される場合、再度、アクセサリ機器に電力を供給するためには、ヒューズを交換する必要がある。しかし、水上で船外機のカウルを開けてヒューズを交換する作業を行うのは容易ではない。そのため、船舶が帰港するまでは、アクセサリ機器に電力を供給することができないという問題がある。
【0008】
本発明の課題は、船外機において、動力源を駆動するための動力源補機への電力を確保すると共に、船上において容易且つ安定的にアクセサリ機器に電力を供給することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様に係る船外機は、動力源と、駆動軸と、プロペラ軸と、電源と、動力源補機と、電気回路と、給電ポートと、開閉器と、を備える。駆動軸は、動力源によって駆動され、動力源から下方に延びる。プロペラ軸は、駆動軸に接続され、駆動軸の軸線と交差する方向に延びる。動力源補機は、動力源を駆動する。電気回路は、電源と動力源補機とを電気的に接続する。給電ポートは、電気回路を介して電源と電気的に接続され、接続されるアクセサリ機器に対して電力を供給する。開閉器は、電気回路において電源と給電ポートとの間に配置される。開閉器は、電流を通すオン状態と、電流を遮断するオフ状態とに切り換え可能である。開閉器は、過電流によってオン状態からオフ状態に切り換えられる。開閉器は、オフ状態からオン状態に復帰可能である。
【0010】
本態様に係る船外機によれば、給電ポートにアクセサリ機器を接続することで、アクセサリ機器に電力を供給することができる。また、アクセサリ機器への電力が過大となったときには、開閉器がオン状態からオフ状態に切り換えられることで、アクセサリ機器への電力供給が遮断される。それにより、動力源補機への電力を確保することができる。さらに、開閉器は、オフ状態からオン状態に復帰可能である。そのため、開閉器を交換することなく、開閉器をオフ状態からオン状態に切り換えることで、再びアクセサリ機器に電力を供給することができる。それにより、船上において容易且つ安定的にアクセサリ機器に電力を供給することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、船外機において、動力源を駆動するための動力源補機への電力を確保すると共に、船上において容易且つ安定的にアクセサリ機器に電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】アクセサリ機器の接続プラグの一例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る船外機の電気系を示す模式図である
【
図5】第2実施形態に係る船外機の電気系を示す模式図である。
【
図6】第3実施形態に係る船外機の電気系を示す図である。
【
図7】第4実施形態に係る船外機、及び、船舶の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る船外機1の側面図である。船外機1は、動力源2と、駆動軸3と、プロペラ軸4と、シフト機構5とを含む。
【0014】
動力源2は、船舶を推進させる推進力を発生させる。本実施形態において、動力源2は、エンジンである。動力源2は、クランク軸6を含む。クランク軸6は、鉛直方向に延びている。駆動軸3は、クランク軸6に接続されている。駆動軸3は、鉛直方向に延びている。駆動軸3は、動力源2から下方へ延びている。なお、駆動軸3は、クランク軸6に対して同軸、並行、或いは直交して配置されてもよい。
【0015】
プロペラ軸4は、前後方向に延びている。プロペラ軸4は、シフト機構5を介して、駆動軸3に接続されている。プロペラ軸4には、プロペラ7が接続される。シフト機構5は、駆動軸3からプロペラ軸4へ伝達される動力の回転方向を切り換える。シフト機構5は、例えば、複数のギアと、ギアの噛み合いを変更するクラッチと、を含む。
【0016】
船外機1は、カウル8とハウジング9とを含む。カウル8は、動力源2を収容している。カウル8は、ボトムカウル11とトップカウル12とを含む。トップカウル12は、ボトムカウル11の上方に配置されている。トップカウル12は、ボトムカウル11に対して着脱可能に取り付けられている。
【0017】
ハウジング9は、カウル8の下方に配置されている。ハウジング9は、駆動軸3及びプロペラ軸4を収容している。船外機1は、ブラケット13を含む。船外機1は、ブラケット13を介して、船舶に取り付けられる。
【0018】
船外機1は、給電ポート14を含む。給電ポート14は、ボトムカウル11の外面に取り付けられている。詳細には、給電ポート14は、ボトムカウル11の前面に取り付けられている。
【0019】
図2は、ボトムカウル11の前面を示す図である。
図2に示すように、給電ポート14には、防水キャップ15が取り付けられている。防水キャップ15は、着脱可能に給電ポート14に取り付けられている。
【0020】
なお、
図2では、ボトムカウル11の前面には、もう一つの給電ポート16が配置されている。しかし、給電ポートの数は2つに限らず、1つ、或いは、3つ以上であってもよい。
【0021】
給電ポート14は、接続されるアクセサリ機器100(
図4参照)に対して電力を供給する。給電ポート14は、いわゆるアクセサリソケットである。アクセサリ機器100は、例えば
図3に示すような、接続プラグ101を介して、給電ポート14に接続される(例えば、ISO 4165、JIS D 5807-91、SAE J563等を参照)。アクセサリ機器100は、例えば、携帯電話、スマートフォンなどのモバイル機器、或いはその充電器であってもよい。アクセサリ機器100は、テレビ、DVDプレーヤーなどの、音響・映像機器であってもよい。或いは、アクセサリ機器100は、電力によって駆動される他の機器であってもよい。
【0022】
図4は、第1実施形態に係る船外機1の電気系を示す模式図である。
図4に示すように、船外機1は、発電機17を含む。発電機17は、動力源2に接続されている。発電機17は、動力源2によって駆動されることで、発電を行う。
【0023】
船外機1は、電気回路18と、動力源補機19と、ECU20とを含む。動力源補機19は、動力源2を駆動するための装置である。動力源補機19は、例えば、燃料噴射装置、及び点火装置などを含む。
【0024】
ECU20は、動力源2を制御する。ECU20は、例えばCPU等の演算装置と、RAM,ROM等の記憶装置とを備えている。ECU20は、例えば動力源2の出力回転速度が所望の目標値となるように、動力源2を制御する。ECU20は、燃料噴射装置による燃料の噴射を制御する。ECU20は、点火装置による点火タイミングを制御する。
【0025】
電気回路18は、発電機17を、動力源補機19とECU20とに電気的に接続している。電気回路18は、レクチファイヤ/レギュレータ21を含む。発電機17によって生成された電力は、電気回路18を介して、動力源補機19とECU20とに供給される。電気回路18は、発電機17と給電ポート14とを電気的に接続している。発電機17によって生成された電力は、電気回路18を介して、給電ポート14に供給される。
【0026】
本実施形態に係る船外機1は、バッテリを有さないバッテリレス型の船外機である。従って、発電機17は、動力源補機19、ECU20、及び給電ポート14に電力を供給する電源として機能する。
【0027】
船外機1は、開閉器22を含む。開閉器22は、電気回路18において発電機17と給電ポート14との間に配置されている。開閉器22は、電流を通すオン状態と、電流を遮断するオフ状態とに切り換え可能である。開閉器22は、過電流によってオン状態からオフ状態に切り換えられる。すなわち、所定値以上の電流が開閉器22に流れたときに、開閉器22はオフ状態となる。
【0028】
本実施形態において、開閉器22はブレーカである。例えば、開閉器22は、電磁石と一対の接点とを含む。電磁石に流れる電流が所定値を越えると、電磁石の電磁力によって接点が乖離する。それにより、開閉器22はオフ状態となる。
【0029】
図2に示すように、開閉器22は、操作部材23を含む。操作部材23は、開閉器22をオフ状態からオン状態に手動で切り換えるための部材である。使用者は、操作部材23をオフ位置からオン位置に手動で移動させることで、開閉器22をオフ状態からオン状態に復帰させることができる。
【0030】
操作部材23は、ボトムカウル11の前面に取り付けられている。すなわち、操作部材23は、カウル8の外部からアクセス可能に、カウル8に取り付けられている。操作部材23は、給電ポート14と共にボトムカウル11の前面に取り付けられている。ただし、操作部材23は、給電ポート14と異なる場所に配置されてもよい。
【0031】
以上説明した本実施形態に係る船外機1では、給電ポート14にアクセサリ機器100を接続することで、アクセサリ機器100に電力を供給することができる。また、アクセサリ機器100への電力が過大となったときには、開閉器22がオン状態からオフ状態に切り換えられることで、アクセサリ機器100への電力供給が遮断される。それにより、アクセサリ機器100に供給される電力量を制限することができ、動力源補機19への電力を確保することができる。
【0032】
開閉器22は、オフ状態からオン状態に復帰可能である。そのため、カウル8を外して開閉器22を交換することなく、開閉器22をオフ状態からオン状態に切り換えることで、再びアクセサリ機器100に電力を供給することができる。それにより、船上において容易且つ安定的にアクセサリ機器100に電力を供給することができる。
【0033】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0034】
動力源2は、エンジンに限らず、電気モータ等の他の装置であってもよい。給電ポート14は、ボトムカウル11に限らず、トップカウル12或いはハウジング9等、他の場所に取り付けられてもよい。開閉器22の操作部材23は、ボトムカウル11に限らず、トップカウル12、ハウジング9、ティラーハンドル等、他の場所に取り付けられてもよい。
【0035】
給電ポート14は、アクセサリソケットに限らず、USB(Universal Serial Bus)など他の接続ポートであってもよい。
【0036】
上記の実施形態では、船外機1はバッテリレス型の船外機1であるが、バッテリを備えていてもよい。
図5は、第2実施形態に係る船外機1の電気系を示す模式図である。
図5に示すように、第2実施形態に係る船外機1は、バッテリ24を含む。バッテリ24は、電気回路18を介して発電機17に接続されている。バッテリ24は、発電機17からの電力によって充電される。バッテリ24は、給電ポート14、ECU20、動力源補機19に電力を供給する電源として機能する。
【0037】
第2実施形態に係る船外機1では、電気回路18は、メインスイッチ25を含む。メインスイッチ25がオン状態となることで、バッテリ24からECU20に電力が供給される。船外機1は、スタータモータ26を含む。スタータモータ26は、バッテリ24から電力を供給されることで駆動される。スタータモータ26は動力源2を始動する。
【0038】
電気回路18は、スタータスイッチ27と、スタータリレー28とを含む。メインスイッチ25とスタータスイッチ27とがオン状態となることで、スタータリレー28が接続状態となり、バッテリ24からスタータモータ26に電力が供給される。それにより、動力源2が始動される。
【0039】
電気回路18は、メインリレー29を含む。メインスイッチ25がオン状態となることで、メインリレー29が接続状態となる。メインリレー29が接続状態となることで、バッテリ24から、動力源補機19と給電ポート14とに電力が供給される。
【0040】
以上説明した第2実施形態に係る船外機1においても、第1実施形態に係る船外機1と同様の効果を奏することができる。
【0041】
上記の実施形態では、開閉器22は、手動でオフ状態からオン状態に復帰するブレーカであるが、他の種類の開閉器であってもよい。例えば、開閉器22は、電流値に応じて自動的にオン状態とオフ状態とに切り換えられてもよい。
図6は、第3実施形態に係る船外機1の電気系を示す図である。
【0042】
図6に示すように、第3実施形態に係る船外機1は、電流センサ31を含む。電流センサ31は、アクセサリ機器100に供給される電気回路18の電流値を検出する。電流センサ31は、検出した電流値に応じて信号を開閉器22に入力する。開閉器22は、電流センサ31からの信号に応じて自動的にオン状態とオフ状態とに切り換えられる。開閉器22は、例えば入力される信号に応じてオン状態とオフ状態とに切り換えられる半導体スイッチであってもよい。
【0043】
以上説明した第3実施形態に係る船外機1においても、第1実施形態或いは、第2実施形態に係る船外機1と同様の効果を奏することができる。また、第3実施形態に係る船外機1では、開閉器22がオフ状態となって給電ポート14への電力の供給が遮断されても、その後に、電流値が下がると、開閉器22は、自動的にオフ状態からオン状態に復帰する。それにより、再びアクセサリ機器100に電力を供給することができる。従って、開閉器22が、カウル8の内部など、外部からのアクセスが容易ではない場所に配置されても、船上において容易且つ安定的にアクセサリ機器100に電力を供給することができる。
【0044】
上記の実施形態では、給電ポート14は船外機1のカウル8に配置されている。しかし、給電ポート14は船外機1のカウル8或いはハウジング9の外部に配置されてもよい。
図7は、第4実施形態に係る船外機1、及び、船舶200の斜視図である。船外機1は、船舶200に取り付けられている。船舶200は、操船席201を備える。操船席201には、船外機1の出力を操作するためのリモコン装置202が配置されている。操船席201には、船舶200を操舵するためのステアリング装置203が配置されている。
【0045】
船外機1は、ケーブル32を備えている。給電ポート14は、船外機1から離れた船舶200内の場所に配置されている。ケーブル32は、船外機1から船舶200内に延びており、給電ポート14は、ケーブル32を介して電気回路18に接続されている。給電ポート14は、例えば操船席201に配置される。或いは、給電ポート14は、船舶200内の他の場所に配置されてもよい。
【0046】
以上説明した第4実施形態に係る船外機1では、船舶200内の所望の場所、或いは、船外機1に取り付けられたティラーハンドルなど、カウル8及びハウジング9の外部に、給電ポート14を配置することができる。そのため、給電ポート14の配置の自由度を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、船外機において、動力源を駆動するための動力源補機への電力を確保すると共に、船上において容易且つ安定的にアクセサリ機器に電力を供給することができる。
【符号の説明】
【0048】
2 動力源
3 駆動軸
4 プロペラ軸
17 発電機(電源)
24 バッテリ(電源)
19 動力源補機
18 電気回路
14 給電ポート
22 開閉器
8 カウル
11 ボトムカウル
12 トップカウル
15 防水キャップ
9 ハウジング
32 ケーブル
23 操作部材
31 電流センサ