(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
加熱調理器は、加熱部を自動調理モードで制御している際に、自動調理が終了した時に、その加熱部に対応する照明部の照明態様を変化させる指示信号をレンジフードに送信する、請求項2の調理システム。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(実施例)
図1に示すように、本実施例の調理システム2は、加熱調理器3と、レンジフード4を備えている。加熱調理器3は、システムキッチンに組み込んで使用されるガス燃焼式のビルトインコンロである。レンジフード4は、加熱調理器3の上方に配置された換気装置である。
【0021】
図2に示すように、加熱調理器3は、前面5aがシステムキッチンの手前側に露出する本体5と、本体5の上部に配置されており、システムキッチンのカウンタトップに露出する天板6と、を備えている。天板6には、加熱対象物である鍋やフライパン等の調理容器C(
図1参照)を支持する3つの五徳8a、8b、8cと、それぞれの五徳8a、8b、8cに対応して設けられており、それぞれの五徳8a、8b、8cに支持された調理容器Cを加熱する3つのコンロバーナ10a、10b、10cと、それぞれのコンロバーナ10a、10b、10cに対応して設けられている温度センサ12a、12b、12cと、が設けられている。各コンロバーナ10a、10b、10cには、ガス供給路(図示省略)が対応して接続されている。ガス供給路には、コンロバーナ10a、10b、10cへのガスの供給量を調整するための流量調整弁(図示省略)が設けられている。コンロバーナ10a、10b、10cは、コンロバーナ10a、10b、10cにガスが供給されている状態でイグナイタ(図示省略)を動作させることで、点火する。コンロバーナ10a、10b、10cは、熱電対(図示省略)によって着火の有無を検出することができる。なお、コンロバーナ10a、10b、10cは、熱電対の代わりにフレームロッド(図示省略)によって着火の有無を検出してもよい。コンロバーナ10a、10b、10cへのガスの供給量を調整することで、コンロバーナ10a、10b、10cの加熱量を調整することができる。そして、コンロバーナ10a、10b、10cへのガスの供給が停止されることで、コンロバーナ10a、10b、10cは消火される。温度センサ12a、12b、12cは、五徳8a、8b、8cに調理容器Cが載置されているか否かを検知するとともに、五徳8a、8b、8cに載置された調理容器Cの温度を検出する。
【0022】
本体5は、本体5の内部に設けられて食材を収容するグリル庫20と、本体5の前面5aに配置されてグリル庫20を開閉するグリル扉22と、本体5の前面5aにおいてグリル扉22の右側に設けられたコンロ操作部24と、本体5の前面5aにおいてグリル扉22の左側に設けられたグリル操作部26と、を備えている。なお、グリル庫20の内部には、グリル庫20内に収容した食材を加熱するグリルバーナ20a(
図4参照)が設けられている。加熱調理器3では、本体5の前面5aと天板6の上面が、ユーザに対して露出する外面を構成する。
【0023】
コンロ操作部24は、加熱調理器3の主電源スイッチ40、コンロバーナ10a、10b、10cに対応する加熱量操作部42a、42b、42c、パネル操作部44を備える。加熱量操作部42a、42b、42cは、コンロバーナ10a、10b、10cの点火操作及び消火操作が可能であるとともに、コンロバーナ10a、10b、10cの加熱量の調整操作が可能である。パネル操作部44は、表示部46と、加熱温度操作部48a、48bと、自動調理選択操作部50a、50bと、炊飯操作部50cと、加熱時間操作部52a、52b、52cと、レシピ選択操作部54と、調理状態操作部56と、を備える。表示部46には、各コンロバーナ10a、10b、10cの動作状態などが表示される。加熱温度操作部48a、48bは、コンロバーナ10a、10bによって加熱される調理容器Cの温度(例えば、180℃)の設定が可能である。加熱時間操作部52a、52b、52cは、コンロバーナ10a、10b、10cの加熱時間(例えば、5分)の設定が可能である。自動調理選択操作部50a、50bは、コンロバーナ10a、10bを利用した自動調理モードによる調理を選択することが可能である。炊飯操作部50cは、コンロバーナ10cを利用した炊飯モードによる調理を選択することが可能である。コンロバーナ10cを利用した炊飯モードによる調理も、自動調理モードによる自動調理の一例ということができる。レシピ選択操作部54は、自動調理モードで調理するレシピを選択するための操作部である。調理状態操作部56は、自動調理モードで調理される食材の状態、例えば、焼き加減などを調整するための操作部である。
【0024】
グリル操作部26は、加熱量操作部60と、パネル操作部62と、を備える。加熱量操作部60は、グリルバーナ20aの点火操作及び消火操作が可能であるとともに、グリルバーナ20aの加熱量の調整操作が可能である。パネル操作部62は、表示部64と、自動調理選択操作部66と、レシピ選択操作部68と、調理状態操作部70と、を備える。表示部64には、グリルバーナ20aの動作状態などが表示される。自動調理選択操作部66、レシピ選択操作部68、調理状態操作部70の機能はグリルバーナ20aに対応する操作部である点を除いて、それぞれ、自動調理選択操作部50a、50b、レシピ選択操作部54、調理状態操作部56と同様の機能を有する。
【0025】
図3に示すように、レンジフード4は、フード部72と、換気部74を備えている。フード部72は、加熱調理器3の上面全体を覆う形状に形成されている。フード部72の下面には、開口72aが形成されており、開口72aには整流板76が配置されている。換気部74の内部には換気通路(図示省略)が形成されており、換気通路には換気ファン78が配置されている。換気ファン78が駆動すると、フード部72の開口72aから空気が吸入されて、換気部74の換気通路を介して排気ダクト(図示省略)へと空気が排出される。
【0026】
フード部72の下面の周縁部には、照明部80a、80b、80cが配置されている。照明部80a、80b、80cは、例えばLEDを備える照明装置である。照明部80aは、コンロバーナ10aに対応しており、五徳8aの近傍のみを照明するように配置されている。照明部80bは、コンロバーナ10bに対応しており、五徳8bの近傍のみを照明するように配置されている。照明部80cは、コンロバーナ10cに対応しており、五徳8cの近傍のみを照明するように配置されている。
【0027】
フード部72の前面には、操作部82が配置されている。操作部82には、レンジフード4の主電源スイッチ84、換気ファン78の動作を制御する換気制御スイッチ86、換気ファン78の動作時間を設定するタイマ制御スイッチ88、照明部80a、80b、80cの動作を制御する照明制御スイッチ90を備えている。ユーザは、換気制御スイッチ86を操作することで、換気ファン78の動作モードを通常動作モードと自動動作モードの間で切り換えることができる。換気ファン78の動作モードが通常動作モードの場合、ユーザは、換気制御スイッチ86を操作することで、換気ファン78の駆動および停止や、換気ファン78の駆動時の換気風量の調整を行うことができる。また、ユーザは、照明制御スイッチ90を操作することで、照明部80a、80b、80cの動作モードを通常動作モードと自動動作モードの間で切り換えることができる。照明部80a、80b、80cの動作モードが通常動作モードである場合、ユーザは、照明制御スイッチ90を操作することで、照明部80a、80b、80cの点灯および消灯を行うことができる。
【0028】
図4に示すように、加熱調理器3は、制御部92と、通信部94を備えている。制御部92は、加熱調理器3の各構成要素の動作を制御する。制御部92は、加熱制御部96と、指示生成部98と、を備える。加熱制御部96は、コンロバーナ10a、10b、10cおよびグリルバーナ20aの動作を制御する。指示生成部98は、加熱調理器3からレンジフード4へ指示を送信する際に、その指示内容を生成する。また、制御部92は、メモリ100を備えている。メモリ100は、揮発性メモリ、不揮発性メモリなどによって構成される。メモリ100には、複数個のレシピデータが格納されている。レシピデータは、自動調理を実行するためのデータである。レシピデータは、加熱調理器3の製造時にメモリ100に予め記憶されていてもよいし、外部サーバとの通信が可能な外部通信装置(図示省略)を介して、外部サーバからダウンロードしてメモリ100に記憶されていてもよい。
【0029】
加熱制御部96は、コンロバーナ10a、10b、10cおよびグリルバーナ20aについて、ユーザによる加熱量操作部42a、42b、42c、60の操作に従った通常調理を実行する通常調理モードと、メモリ100に記憶されたレシピデータに従った自動調理を実行する自動調理モードと、のいずれかの動作モードで制御を行う。
【0030】
レンジフード4は、制御部102と、通信部104を備えている。制御部102は、レンジフード4の各構成要素の動作を制御する。制御部102は、換気制御部106と、照明制御部108を備えている。換気制御部106は、換気ファン78の動作を制御する。照明制御部108は、照明部80a、80b、80cの動作を制御する。
【0031】
加熱調理器3の通信部94と、レンジフード4の通信部104は、赤外線通信や無線通信を介して、双方向に通信可能である。無線通信としては、例えば、Bluetooth(登録商標)LowEnergy等を用いることができる。
【0032】
換気制御部106は、換気ファン78について、ユーザによる換気制御スイッチ86の操作に従う通常動作を実行する通常動作モードと、加熱調理器3からの指示に従った自動動作を実行する自動動作モードと、のいずれかの動作モードで制御を行う。照明制御部108は、照明部80a、80b、80cについて、ユーザによる照明制御スイッチ90の操作に従う通常動作を実行する通常動作モードと、加熱調理器3からの指示に従った自動動作を実行する自動動作モードと、のいずれかの動作モードで制御を行う。
【0033】
制御部102は、加熱調理器3に電源が投入されていない場合や、操作部82において換気ファン78の自動動作モードが設定されていない場合には、換気制御部106を通常動作モードで動作させる。制御部102は、加熱調理器3に電源が投入されており、かつ操作部82において換気ファン78の自動動作モードが設定されている場合には、換気制御部106を自動動作モードで動作させる。
【0034】
制御部102は、加熱調理器3に電源が投入されていない場合や、操作部82において照明部80a、80b、80cの自動動作モードが設定されていない場合には、照明制御部108を通常動作モードで動作させる。制御部102は、加熱調理器3に電源が投入されており、かつ操作部82において照明部80a、80b、80cの自動動作モードが設定されている場合には、照明制御部108を自動動作モードで動作させる。
【0035】
(加熱調理器3による換気制御)
以下では
図5を参照しながら、加熱調理器3の制御部92によるレンジフード4の換気制御処理について説明する。
図5に示す換気制御処理は、加熱制御部96が通常調理モードで動作している場合と、自動調理モードで動作している場合の、両方の場合について行われる。
【0036】
ステップS2では、制御部92は、コンロバーナ10a、10b、10cおよびグリルバーナ20aの何れかが燃焼を開始するまで待機する。コンロバーナ10a、10b、10cおよびグリルバーナ20aの何れかが燃焼を開始すると(YESとなると)、処理はステップS4へ進む。
【0037】
ステップS4では、制御部92は、指示生成部98において、換気ファン78を駆動する指示を生成し、通信部94を介してレンジフード4に指示を送信する。これによって、レンジフード4の換気ファン78が駆動して、換気が行われる。
【0038】
ステップS6では、制御部92は、コンロバーナ10a、10b、10cおよびグリルバーナ20aのうち、ステップS2で燃焼を開始したものの燃焼が終了するまで待機する。燃焼が終了すると(YESとなると)、処理はステップS8へ進む。
【0039】
ステップS8では、制御部92は、燃焼が終了してからの経過時間が所定時間に達するまで待機する。燃焼が終了してからの経過時間が所定時間に達すると(YESとなると)、処理はステップS10へ進む。
【0040】
ステップS10では、制御部92は、指示生成部98において、換気ファン78を停止する指示を生成し、通信部94を介してレンジフード4に指示を送信する。これによって、レンジフード4の換気ファン78が停止して、換気が終了する。
【0041】
上記のように、本実施例の調理システム2によれば、レンジフード4から加熱調理器3の状態を監視することなく、加熱調理器3の動作態様に応じて、換気ファン78を動作させることができる。
【0042】
(加熱調理器3による通常調理モードでの照明制御)
以下では
図6を参照しながら、加熱調理器3の加熱制御部96が通常調理モードで動作する場合の、加熱調理器3の制御部92によるレンジフード4の照明制御処理について説明する。
図6では例として、コンロバーナ10aについて、加熱制御部96が通常調理モードで動作する場合の処理を説明する。
【0043】
ステップS12では、制御部92は、温度センサ12aを用いて、調理容器Cが五徳8aに載置されるまで待機する。調理容器Cが五徳8aに載置されると(YESとなると)、処理はステップS14へ進む。
【0044】
ステップS14では、制御部92は、指示生成部98において、コンロバーナ10aに対応する照明部80aを点灯させる指示を生成し、通信部94を介してレンジフード4に指示を送信する。これによって、天板6において、コンロバーナ10aに対応する五徳8aの近傍が照明される。ユーザが調理の下準備を行う際の視認性を高めることができる。
【0045】
ステップS16では、制御部92は、コンロバーナ10aが燃焼を開始するまで待機する。コンロバーナ10aが燃焼を開始すると(YESとなると)、処理はステップS18へ進む。
【0046】
ステップS18では、制御部92は、加熱制御部96において、コンロバーナ10aを通常調理モードで制御する。これによって、コンロバーナ10aについて、ユーザによる加熱量操作部42aの操作に従った通常調理が実行される。この際、照明部80aは点灯しているので、調理中のユーザの視認性を高めることができる。
【0047】
ステップS20では、制御部92は、コンロバーナ10aの燃焼が終了するまで待機する。燃焼が終了すると(YESとなると)、処理はステップS22へ進む。
【0048】
ステップS22では、制御部92は、コンロバーナ10aの燃焼が終了してからの経過時間が所定時間に達するまで待機する。この際、照明部80aは点灯しているので、ユーザは、調理容器Cが照明された状態で、通常調理が終了した調理物の盛り付けを行うことができる。燃焼が終了してからの経過時間が所定時間に達すると(YESとなると)、処理はステップS24へ進む。
【0049】
ステップS24では、制御部92は、指示生成部98において、照明部80aを消灯させる指示を生成し、通信部94を介してレンジフード4に指示を送信する。これによって、天板6において、コンロバーナ10aに対応する五徳8aの近傍が消灯される。
【0050】
上記ではコンロバーナ10aについて加熱制御部96が通常調理モードで制御する場合の処理を説明したが、コンロバーナ10b、10cについて加熱制御部96が通常調理モードで制御する場合の処理についても同様である。
【0051】
上記のように、本実施例の調理システム2によれば、レンジフード4から加熱調理器3の状態を監視することなく、加熱調理器3の動作態様に応じて、照明部80a、80b、80cの照明態様を変化させることができる。
【0052】
(加熱調理器3による自動調理モードでの照明制御)
以下では
図7を参照しながら、加熱調理器3の加熱制御部96が自動調理モードで動作する場合の、加熱調理器3の制御部92によるレンジフード4の照明制御処理について説明する。
図7では例として、コンロバーナ10aについて、加熱制御部96が自動調理モードで動作する場合の処理を説明する。
【0053】
ステップS32では、制御部92は、指示生成部98において、コンロバーナ10aに対応する照明部80aを点灯させる指示を生成し、通信部94を介してレンジフード4に指示を送信する。これによって、天板6において、コンロバーナ10aに対応する五徳8aの近傍が照明される。ユーザに、調理容器Cを五徳8aに載置するように促すことができる。また、ユーザが、調理容器Cを他の五徳8b、8cに誤って載置してしまうことを防止することができる。
【0054】
ステップS34では、制御部92は、温度センサ12aを用いて、調理容器Cが五徳8aに載置されるまで待機する。調理容器Cが五徳8aに載置されると(YESとなると)、処理はステップS36へ進む。
【0055】
ステップS36では、制御部92は、コンロバーナ10aが燃焼を開始するまで待機する。この際、照明部80aは点灯しているので、ユーザが調理の下準備を行う際の視認性を高めることができる。コンロバーナ10aが燃焼を開始すると(YESとなると)、処理はステップS38へ進む。
【0056】
ステップS38では、制御部92は、加熱制御部96において、コンロバーナ10aを自動調理モードで制御する。これによって、コンロバーナ10aについて、レシピデータに従った自動調理が実行される。
【0057】
ステップS40では、制御部92は、指示生成部98において、照明部80aを消灯させる指示を生成し、通信部94を介してレンジフード4に指示を送信する。これによって、コンロバーナ10aに対応する五徳8aの近傍が消灯される。
【0058】
ステップS42では、制御部92は、コンロバーナ10aでの自動調理においてユーザ作業手順が到来するまで待機する。ユーザ作業手順とは、例えば、材料の投入や、調理物の撹拌、調理物の裏返し、調味料の投入など、ユーザによって行われる調理作業の手順である。ユーザ作業手順は、レシピデータに組み込まれている。コンロバーナ10aでの自動調理においてユーザ作業手順が到来すると(YESとなると)、処理はステップS44へ進む。
【0059】
ステップS44では、制御部92は、指示生成部98において、照明部80aを点灯させる指示を生成し、通信部94を介してレンジフード4に指示を送信する。これによって、天板6において、コンロバーナ10aに対応する五徳8aの近傍が照明される。ユーザに、五徳8aに載置された調理容器Cについて調理作業を行うように促すことができる。また、ユーザが、誤って他の五徳8b、8cに載置された調理容器Cに調理作業を行ってしまうことを防止することができる。
【0060】
ステップS46では、制御部92は、ユーザ作業手順が到来してからの経過時間が所定時間に達するまで待機する。この際、照明部80aは点灯しているので、ユーザは、調理容器Cが照明された状態で、調理作業を行うことができる。ユーザ作業時間が到来してからの経過時間が所定時間に達すると(YESとなると)、処理はステップS48へ進む。
【0061】
ステップS48では、制御部92は、指示生成部98において、照明部80aを消灯させる指示を生成し、通信部94を介してレンジフード4に指示を送信する。これによって、天板6において、コンロバーナ10aに対応する五徳8aの近傍が消灯される。
【0062】
ステップS50では、制御部92は、加熱制御部96に、ユーザ作業手順が終了した後の自動調理を実行させる。
【0063】
ステップS52では、制御部92は、コンロバーナ10aでの自動調理において、自動調理が終了する前にさらにユーザ作業手順が発生するか否かを判別する。自動調理が終了する前にさらにユーザ作業手順が発生する場合(YESの場合)、処理はステップS42へ戻る。自動調理が終了する前にさらにユーザ作業手順が発生しない場合(NOの場合)、処理はステップS54へ進む。
【0064】
ステップS54では、制御部92は、コンロバーナ10aでの自動調理が終了するまで待機する。コンロバーナ10aでの自動調理が終了すると(YESとなると)、処理はステップS56へ進む。
【0065】
ステップS56では、制御部92は、指示生成部98において、照明部80aを点灯させる指示を生成し、通信部94を介してレンジフード4に指示を送信する。これによって、天板6において、コンロバーナ10aに対応する五徳8aの近傍が照明される。ユーザに、五徳8aに載置された調理容器Cについて自動調理が終了したことを報知することができる。
【0066】
ステップS58では、制御部92は、自動調理が終了してからの経過時間が所定時間に達するまで待機する。この際、照明部80aは点灯しているので、ユーザは、調理容器Cが照明された状態で、自動調理が終了した調理物の盛り付けを行うことができる。自動調理が終了してからの経過時間が所定時間に達すると(YESとなると)、処理はステップS60へ進む。
【0067】
ステップS60では、制御部92は、指示生成部98において、照明部80aを消灯させる指示を生成し、通信部94を介してレンジフード4に指示を送信する。これによって、天板6において、コンロバーナ10aに対応する五徳8aの近傍が消灯される。
【0068】
上記ではコンロバーナ10aについて加熱制御部96が自動調理モードで制御する場合の処理を説明したが、コンロバーナ10b、10cについて加熱制御部96が自動調理モードで制御する場合の処理についても同様である。
【0069】
上記のように、本実施例の調理システム2によれば、レンジフード4から加熱調理器3の状態を監視することなく、加熱調理器3の動作態様に応じて、照明部80a、80b、80cの照明態様を変化させることができる。
【0070】
上記の実施例において、加熱調理器3の制御部92が、コンロバーナ10a、10b、10cの何れかにおいて異常の発生を検知した場合に、指示生成部98において、コンロバーナ10a、10b、10cのうち異常が発生したものに対応する照明部80a、80b、80cを点滅させる指示を生成し、通信部94を介してレンジフード4に指示を送信してもよい。これによって、天板6において、コンロバーナ10a、10b、10cのうち異常が発生したものに対応する五徳8a、8b、8cの近傍の照明が点滅される。ユーザに、どのコンロバーナ10a、10b、10cで異常が発生したかを知らせることができる。
【0071】
上記の実施例において、レンジフード4の照明部80a、80b、80cとして、調光機能を有するLEDを備える照明装置を用いてもよい。この場合、
図6や
図7の照明制御処理において、加熱調理器3の制御部92がレンジフード4に、照明部80a、80b、80cの点灯および消灯を指示する代わりに、照明部80a、80b、80cの光量の増大および低減を指示してもよい。なお、この場合の照明部80a、80b、80cの光量の増減パターンについては、加熱調理器3のコンロ操作部24や、レンジフード4の操作部82や、加熱調理器3またはレンジフード4と通信可能な外部端末機器(例えばスマートフォン)を介して、ユーザが設定可能としてもよい。
【0072】
上記の実施例において、レンジフード4の照明部80a、80b、80cとして、発光色が異なる複数のLED、または多色発光するLEDを備える照明装置を用いてもよい。この場合、
図6や
図7の照明制御処理において、加熱調理器3の制御部92がレンジフード4に、照明部80a、80b、80cの点灯および消灯を指示する代わりに、照明部80a、80b、80cの発光色の切り換えを指示してもよい。なお、この場合の照明部80a、80b、80cの発光色の切り換えパターンについては、加熱調理器3のコンロ操作部24や、レンジフード4の操作部82や、加熱調理器3またはレンジフード4と通信可能な外部端末機器(例えばスマートフォン)を介して、ユーザが設定可能としてもよい。
【0073】
上記の実施例において、加熱調理器3が、ユーザに音声案内を行うスピーカを
備えていてもよい。この構成では、加熱調理器3は、自動調理においてユーザ作業手順が発生した場合に、ユーザが行うべき調理作業の内容と、自動調理の対象となっているコンロバーナ10a、10b、10cを、音声によりユーザに案内することができる。この場合、仮にユーザが音声による案内を聞き逃した場合でも、照明部80a、80b、80cが自動調理の対象となっているコンロバーナ10a、10b、10cの近傍を照明することで、対象のコンロバーナ10a、10b、10cにユーザを注目させることができる。
【0074】
以上、各実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0075】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。