特許第6882042号(P6882042)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882042
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】サーバシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 79/40 20200101AFI20210524BHJP
   B63B 49/00 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   B63B79/40
   B63B49/00 Z
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-75963(P2017-75963)
(22)【出願日】2017年4月6日
(65)【公開番号】特開2018-176871(P2018-176871A)
(43)【公開日】2018年11月15日
【審査請求日】2019年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100094145
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 由己男
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149102
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 習
(72)【発明者】
【氏名】阿久澤 修
(72)【発明者】
【氏名】木下 嘉理
(72)【発明者】
【氏名】玉城 俊
【審査官】 伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−101992(JP,A)
【文献】 特開2017−041071(JP,A)
【文献】 特開2002−324228(JP,A)
【文献】 特開平11−345397(JP,A)
【文献】 特開2001−043500(JP,A)
【文献】 特開2000−182199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 79/40
B63B 49/00
G08G 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信端末と通信するサーバシステムであって、
通信装置と、
記憶装置と、
コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記通信装置を介して、前記無線通信端末から、前記無線通信端末のユーザの船舶の位置情報と、前記船舶の推進機の種類を示す推進機情報とを受信し、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記船舶の位置情報に基づき、前記船舶の実際の航行軌跡を示す航跡情報を生成して前記記憶装置に保存し、
集積された複数の前記航跡情報から、前記船舶の航行軌跡が重なった位置での前記航行軌跡の重複回数をカウントし、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記重複回数に応じて、前記航行軌跡が重なった位置を視覚的に識別表示する航路情報を生成する、
サーバシステム。
【請求項2】
前記コントローラは、
地図座標をメッシュで複数の領域に区切り、
前記領域単位で前記航行軌跡の重複回数をカウントし、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記重複回数に応じて、前記領域を視覚的に識別表示することで、前記航路情報を生成する、
請求項1に記載のサーバシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記推進機情報に応じて前記メッシュの目の大きさを決定する、
請求項2に記載のサーバシステム。
【請求項4】
無線通信端末と通信するサーバシステムであって、
通信装置と、
記憶装置と、
コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記通信装置を介して、前記無線通信端末から、前記無線通信端末のユーザの船舶の位置情報と、前記船舶の推進機の種類を示す推進機情報とを受信し、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記船舶の位置情報に基づき、前記船舶の実際の航行軌跡を示す航跡情報を生成して前記記憶装置に保存し、
集積された複数の前記航跡情報から、前記船舶の航行軌跡が重なった位置での前記航行軌跡の重複回数をカウントし、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記重複回数に応じて、前記航行軌跡が重なった位置を視覚的に識別表示する航路情報を生成し
前記航跡情報は、前記航行軌跡が記録されたときの前記船舶の制御モードを示す制御情報を含み、
前記コントローラは、前記制御モードに対応させて、前記重複回数に応じて、前記航行軌跡が重なった位置を視覚的に識別表示することで、前記航路情報を生成する、
サーバシステム。
【請求項5】
前記記憶装置は、地図座標での水深を示す水深情報を記憶しており、
前記コントローラは、前記水深情報に基づいて、前記航路情報を生成する、
請求項1に記載のサーバシステム。
【請求項6】
無線通信端末と通信するサーバシステムであって、
通信装置と、
記憶装置と、
コントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記通信装置を介して、前記無線通信端末から、前記無線通信端末のユーザの船舶の位置情報と、前記船舶の推進機の種類を示す推進機情報とを受信し、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記船舶の位置情報に基づき、前記船舶の実際の航行軌跡を示す航跡情報を生成して前記記憶装置に保存し、
集積された複数の前記航跡情報から、前記船舶の航行軌跡が重なった位置での前記航行軌跡の重複回数をカウントし、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記重複回数に応じて、前記航行軌跡が重なった位置を視覚的に識別表示する航路情報を生成し、
前記通信装置を介して、前記無線通信端末から、前記無線通信端末のユーザの識別情報を受信し、
前記船舶の位置情報に基づき、前記ユーザの船舶の周囲の所定範囲内に位置する他の船舶のうち、前記ユーザが許可した他のユーザの船舶の位置情報を、前記通信装置を介して前記無線通信端末に送信する、
サーバシステム。
【請求項7】
無線通信端末及び記憶装置と通信するサーバシステムのコントローラによって実行される方法であって、
前記無線通信端末から、前記無線通信端末のユーザの船舶の位置情報と、前記船舶の推進機の種類を示す推進機情報とを受信することと、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記船舶の位置情報に基づき、前記船舶の実際の航行軌跡を示す航跡情報を生成して前記記憶装置に保存することと、
集積された複数の前記航跡情報から、前記船舶の航行軌跡が重なった位置での前記航行軌跡の重複回数をカウントすることと、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記重複回数に応じて、前記航行軌跡が重なった位置を視覚的に識別表示する航路情報を生成すること、を備える、
方法。
【請求項8】
地図座標をメッシュで複数の領域に区切ることと、
前記領域単位で前記航行軌跡の重複回数をカウントすること、をさらに備え、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記重複回数に応じて、前記領域を視覚的に識別表示することで、前記航路情報が生成される、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記推進機情報に応じて前記メッシュの目の大きさを決定することをさらに備える、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
無線通信端末及び記憶装置と通信するサーバシステムのコントローラによって実行される方法であって、
前記無線通信端末から、前記無線通信端末のユーザの船舶の位置情報と、前記船舶の推進機の種類を示す推進機情報とを受信することと、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記船舶の位置情報に基づき、前記船舶の実際の航行軌跡を示す航跡情報を生成して前記記憶装置に保存することと、
集積された複数の前記航跡情報から、前記船舶の航行軌跡が重なった位置での前記航行軌跡の重複回数をカウントすることと、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記重複回数に応じて、前記航行軌跡が重なった位置を視覚的に識別表示する航路情報を生成すること、を備え、
前記航跡情報は、前記航行軌跡が記録されたときの前記船舶の制御モードを示す制御情報を含み、
前記制御モードに対応させて、前記重複回数に応じて、前記航行軌跡が重なった位置を視覚的に識別表示することで、前記航路情報が生成される、
方法。
【請求項11】
前記記憶装置は、地図座標での水深を示す水深情報を記憶しており、
前記水深情報に基づいて、前記航路情報を生成することをさらに備える、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
無線通信端末及び記憶装置と通信するサーバシステムのコントローラによって実行される方法であって、
前記無線通信端末から、前記無線通信端末のユーザの船舶の位置情報と、前記船舶の推進機の種類を示す推進機情報とを受信することと、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記船舶の位置情報に基づき、前記船舶の実際の航行軌跡を示す航跡情報を生成して前記記憶装置に保存することと、
集積された複数の前記航跡情報から、前記船舶の航行軌跡が重なった位置での前記航行軌跡の重複回数をカウントすることと、
前記船舶の推進機の種類に対応させて、前記重複回数に応じて、前記航行軌跡が重なった位置を視覚的に識別表示する航路情報を生成することと、
前記通信装置を介して、前記無線通信端末から、前記無線通信端末のユーザの識別情報を受信することと、
前記船舶の位置情報に基づき、前記ユーザの船舶の周囲の所定範囲内に位置する他の船舶のうち、前記ユーザが許可した他のユーザの船舶の位置情報を前記無線通信端末に送信すること、を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶の航行を支援するためのサーバシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型船舶に搭載された携帯端末から船舶の位置情報をサーバに集積し、船舶の航行が可能な航路をユーザに提供するサーバシステムが提案されている。例えば、特許文献1のサーバシステムは、船舶の位置情報と共に、船舶の大きさ(排水量)の情報を受信する。そして、サーバシステムは、船舶の大きさごとに航行可能な航路情報を作成し更新する。それにより、過去に実績のある航路情報(海路地図)を提供することができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−177382号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、船舶が航行可能であるかどうかは、船舶の大きさに限らず、他の要因の影響を受ける。船舶の大きさが同じであっても、船舶の推進機の種類によっては、航行の可否に違いが生じる。例えば、ジェット推進器を備える船舶では、船外機を備える船舶と比べて、船底から下方に突出する部分が小さい。そのため、大きさが同じであっても、ジェット推進器を備える船舶は、船外機を備える船舶と比べて、浅い航路を航行することができる。或いは、ヨットでは、船外機を備える船舶と比べて、船底から大きなキールが下方に突出している。そのため、船外機を備える船舶と比べて、大きさが同じであっても、ヨットは、浅い航路を航行することができない。
【0005】
従って、特許文献1のサーバシステムのように、船舶の大きさごとに航行可能な航路情報を作成することでは、精度の高い航路情報を作成することは困難である。本発明は、上記の課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様に係るサーバシステムは、無線通信端末と通信するサーバシステムであって、通信装置と、記憶装置と、コントローラとを備える。コントローラは、以下の処理を実行するようにプログラムされている。コントローラは、通信装置を介して、無線通信端末から、無線通信端末のユーザの船舶の位置情報と推進機情報とを受信する。推進機情報は、船舶の推進機の種類を示す。コントローラは、船舶の推進機の種類に対応させて、船舶の位置情報に基づき、航跡情報を生成して記憶装置に保存する。航跡情報は、船舶の実際の航行軌跡を示す。コントローラは、集積された航跡情報から、船舶の航行軌跡が重なった位置での航行軌跡の重複回数をカウントする。コントローラは、船舶の推進機の種類に対応させて、航路情報を生成する。航路情報は、重複回数に応じて、航行軌跡が重なった位置を視覚的に識別表示する。
【0007】
他の態様に係る方法は。無線通信端末及び記憶装置と通信するサーバシステムのコントローラによって実行される方法であって、以下の処理を備える。第1の処理は、無線通信端末から、無線通信端末のユーザの船舶の位置情報と推進機情報とを受信することである。推進機情報は、船舶の推進機の種類を示す。第2の処理は、船舶の推進機の種類に対応させて、船舶の位置情報に基づき、航跡情報を生成して記憶装置に保存することである。航跡情報は、船舶の実際の航行軌跡を示す。第3の処理は、集積された航跡情報から、船舶の航行軌跡が重なった位置での航行軌跡の重複回数をカウントすることである。第4の処理は、船舶の推進機の種類に対応させて、航路情報を生成することである。航路情報は、重複回数に応じて、航行軌跡が重なった位置を視覚的に識別表示する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、船舶の推進機の種類に対応させて、航路情報が生成される。それにより、推進機の種類を考慮した精度の高い航路情報を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る航行支援システムの構成を模式的に示す図である。
図2】無線通信端末の構成を模式的に示す図である。
図3】無線通信端末のコントローラによって実行される処理を示すフローチャートである。
図4】ナビゲーション画面の一例を示す図である。
図5】航跡データの構成を示す模式図である。
図6】サーバシステムのコントローラによって実行される処理を示すフローチャートである。
図7】航路情報の一例を示す図である。
図8図7に示す航路情報と異なる推進機に対応する航路情報を示す図である。
図9】異なる推進機に対応したメッシュを示す図である。
図10】推進機の種類ごとの複数の航路情報の一例を示す図である。
図11】コメント登録機能のナビゲーション画面の一例を示す図である。
図12】コメント登録機能のリストの一例を示す図である。
図13】潮位情報の一例を示す図である。
図14】警告箇所情報の一例を示す図である。
図15】ロケーションシェア機能のナビゲーション画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態にかかるサーバシステムについて説明する。図1は、実施形態に係る航行支援システムの構成を模式的に示す図である。図1に示すように、航行支援システムは、サーバシステム1と、複数の無線通信端末2a,2b,2cと、を含む。なお、図1では3つの無線通信端末2a,2b,2cが示されているが、航行支援システムのサービスに加入している多数のユーザの端末の一部のみが示されているものとする。
【0011】
無線通信端末2a,2b,2cは、船舶3a,3b,3cに乗船しているユーザによって携行される。無線通信端末2a,2b,2cは、例えばスマートフォン、タブレット、PDA、ノートパソコン、携帯電話などの移動体通信機器である。無線通信端末2a,2b,2cには、アプリケーションソフトウェアのインストールが可能となっている。
【0012】
無線通信端末2a,2b,2cは、船舶3a,3b,3cに搭載された機器4a,4b,4cと通信を行い、機器4a,4b,4cから船舶3a,3b,3cに関する情報を取得する。機器4a,4b,4cは、例えば水深センサ及び船速センサを含む。或いは、船舶3a,3b,3cがエンジンを搭載している場合には、機器は、ECU、或いはエンジン回転速度センサを含んでもよい。無線通信端末2a,2b,2cは、通信網5を介してサーバシステム1と通信を行う。通信網5は、例えば3G、或いはLTE等の移動体通信網、及び、インターネットなどの公衆通信網を含んでもよい。
【0013】
図2は、無線通信端末2aの構成を模式的に示す図である。他の無線通信端末2b,2cも無線通信端末2aと同様の構成であるため、以下の説明では無線通信端末2aのみを例として説明する。
【0014】
図2に示すように、無線通信端末2aは、記憶装置21と、第1通信装置22と、第2通信装置23と、ディスプレイ24と、入力装置25と、位置センサ26と、コントローラ27と、を備える。記憶装置21は、半導体メモリ、磁気記録媒体、或いは光学記録媒体などの電子情報媒体を含む。記憶装置21は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。記憶装置21には、各種のプログラム、及び、データが保存される。
【0015】
第1通信装置22は、上述した通信網5を介した無線通信に対応したモバイル通信モジュールである。第1通信装置22は、通信網5を介してサーバシステム1と無線通信を行う。第2通信装置23は、ブルートゥース(登録商標)、或いはWi-Fiなどの近距離通信用の通信モジュールである。第2通信装置23は、船舶3aに搭載された機器4aと無線通信を行う。或いは、第2通信装置23は、有線により機器4aと通信を行ってもよい。
【0016】
ディスプレイ24は、例えば、液晶ディスプレイ、或いは有機ELディスプレイなどの表示装置である。ディスプレイ24は、コントローラ27からの信号により、画像を表示する。入力装置25は、タッチパネル、或いはハードウェアキーを含む。ユーザによる入力装置25への入力を示す信号は、入力装置25からコントローラ27に入力される。位置センサ26は、GPSなどのGNSS(Global Navigation Satellite System)センサ、及びIMU(Inertial Measurement Unit)などのセンサを含む。位置センサ26は、例えばGPSセンサによりGPS衛星信号を受信し、無線通信端末2aの現在位置(緯度及び経度)を示す位置情報を検出する。
【0017】
コントローラ27は、CPUなどのプロセッサと、RAM及びROMなどのメモリとを含む。コントローラ27は、記憶装置21と、第1通信装置22と、第2通信装置23と、ディスプレイ24と、入力装置25と、位置センサ26と通信を行い、無線通信端末2aを制御する。
【0018】
図1に示すサーバシステム1は、複数の無線通信端末2a,2b,2cと通信を行う。サーバシステム1は、無線通信端末2a,2b,2cからの要求に応じて、データを無線通信端末2a,2b,2cに送信する。サーバシステム1は、無線通信端末2a,2b,2cからの要求に応じて、無線通信端末2a,2b,2cからデータを受信する。サーバシステム1は、記憶装置11と、通信装置12と、コントローラ13とを含む。
【0019】
記憶装置11は、半導体メモリ、磁気記録媒体、或いは光学記録媒体などの電子情報媒体を含む。記憶装置11は、非一時的な(non-transitory)コンピュータで読み取り可能な記録媒体の一例である。記憶装置11には、各種のプログラム、及び、データが保存される。通信装置12は、上述した通信網5を介して無線通信端末2a,2b,2cと通信を行う。コントローラ13は、CPUなどのプロセッサと、RAM及びROMなどのメモリとを含む。コントローラ13は、記憶装置11と通信装置12と通信を行い、サーバシステム1を制御する。
【0020】
記憶装置11には、航路のナビゲーション機能(以下、「マリンナビゲーション機能」と呼ぶ)を無線通信端末2a,2b,2cに提供するためのプログラムが記憶されている。コントローラ13は、当該プログラムを実行することで、マリンナビゲーション機能を無線通信端末2a,2b,2cに提供する。
【0021】
無線通信端末2a,2b,2cには、マリンナビゲーション機能を実行するためのアプリケーションソフトウェアがインストールされている。なお、マリンナビゲーション機能のアプリケーションソフトウェアは、無線通信端末2a,2b,2cに予めインストールされていてもよい。或いは、アプリケーションソフトウェアは、サーバシステム1との通信時にダウンロードされてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェアは、ブラウザ上で動作するWebアプリケーションであってもよい。
【0022】
以下、マリンナビゲーション機能について詳細に説明する。図3は、マリンナビゲーション機能において、無線通信端末2aのコントローラ27によって実行される処理を示すフローチャートである。
【0023】
無線通信端末2aにおいて、アプリケーションソフトウェアが起動されると、ステップS101において、コントローラ27は、ナビゲーション画面30をディスプレイ24に表示する。図4は、ナビゲーション画面30の一例を示す図である。
【0024】
図4に示すように、ナビゲーション画面30は、ユーザが乗船している船舶3aの周囲の地図と、船舶3aの現在位置と方位とを示すアイコン31を含む。ナビゲーション画面30は、マリンナビゲーション機能の操作を行うためのソフトウェアキー32−35を含む。なお、無線通信端末2aは、ソフトウェアキー32−35に代えてハードキーを含んでもよい。
【0025】
ナビゲーション画面30は、船速、及び、エンジン回転速度などの情報表示36,37を含んでもよい。地図を示すデータは、サーバシステム1から無線通信端末2aに予めダウンロードされ、記憶装置21に保存されていてもよい。或いは、地図を示すデータは、ナビゲーション画面30を表示するときに、サーバシステム1から無線通信端末2aに適宜ダウンロードされてもよい。
【0026】
ステップS102では、コントローラ27は、位置情報の記録を開始するかを判定する。例えば、ユーザが位置情報の記録を開始する操作を無線通信端末2aに行ったときに、コントローラ27は、位置情報の記録の開始を決定する。或いは、コントローラ27は、アプリケーションソフトウェアが起動されたときに自動的に位置情報の記録の開始を決定してもよい。コントローラ27が、位置情報の記録の開始を決定すると、処理はステップS103に進む。
【0027】
ステップS103では、コントローラ27は、船舶3aの位置情報を記録する。コントローラ27は、無線通信端末2aの位置情報をユーザが乗船している船舶3aの位置情報として記憶装置21に記録する。船舶3aの位置情報は、船舶3aの現在位置の座標、方位、および時刻を含む。船舶3aの位置情報は、機器4aによって計測された水深を含んでもよい。コントローラ27は、所定のサンプリング時間ごとに位置情報を記録する。
【0028】
コントローラ27は、位置情報の記録の開始位置を示すマーク66をナビゲーション画面30の地図上に表示する。また、コントローラ27は、船舶3aの航跡を示すライン67をナビゲーション画面30の地図上に表示する。
【0029】
ステップS104では、コントローラ27は、位置情報の記録を終了するかを判定する。例えば、ユーザが位置情報の記録を終了する操作を無線通信端末2aに行ったときに、コントローラ27は、位置情報の記録の終了を決定する。或いは、コントローラ27は、アプリケーションソフトウェアが終了されたときに自動的に位置情報の記録の終了を決定してもよい。コントローラ27が、位置情報の記録の終了を決定すると、処理はステップS105に進む。
【0030】
ステップS105では、コントローラ27は、航跡データをサーバシステム1に送信する。図5は、航跡データの構成を示す模式図である。図5示すように、航跡データは、位置情報41と、ユーザ識別情報42と、推進機情報43と、を含む。位置情報41は、ステップS103で記録された船舶3aの位置情報である。
【0031】
ユーザ識別情報42は、ユーザを識別するためのユーザID及びパスワードを含む。ユーザID及びパスワードは、アプリケーションソフトウェアに登録され、記憶装置21に保存されていてもよい。或いは、ユーザID及びパスワードは、ユーザが入力装置25を用いて入力してもよい。
【0032】
推進機情報43は、船舶3aの推進機の種類を示す。推進機情報43は、例えば、PWC(Personal Water Craft)、ジェットボート、船外機艇、ヨットなどの種類を示す。推進機情報43は、ユーザが予め入力装置25を用いて入力して、アプリケーションソフトウェアに登録されることで、記憶装置21に保存されていてもよい。
【0033】
推進機情報43は、推進機の種類を直接的に示す情報に限らず、推進機の種類を特定できる情報であればよい。例えば、推進機情報43は、船体固有番号であってもよい。サーバシステム1が、船体固有番号に対応する推進機情報43を示すデータベースを保有し、当該データベースを参照することで、ユーザの船舶3aの推進機情報43が決定されてもよい。或いは、推進機情報43は、複数の喫水グループから選択された1のグループであってもよい。複数の喫水グループは、推進機の種類に対応する喫水の大きさに応じて区分される。
【0034】
図6は、サーバシステム1のコントローラ13によって実行される処理を示すフローチャートである。図6に示すように、ステップS201では、コントローラ13は、無線通信端末2aから航跡データのアップロード要求の有無を判定する。無線通信端末2aから航跡データのアップロード要求があったときには、処理はステップS202に進む。
【0035】
ステップS202では、コントローラ13は、無線通信端末2aから航跡データを受信する。ステップS203において、コントローラ13は、受信した航跡データを記憶装置11に保存する。コントローラ13は、航跡データから、船舶3aの推進機情報43と位置情報41とを取得する。コントローラ13は、船舶3aの推進機の種類に対応させて、船舶3aの位置情報41に基づき、航跡情報を生成して記憶装置11に保存する。航跡情報は、船舶3aの実際の航行軌跡を示す。
【0036】
なお、コントローラ13は、無線通信端末2aだけではなく、他の無線通信端末2b,2cからも航跡データを受信し、航跡データから生成した航跡情報を記憶装置11に集積する。また、コントローラ13は、同一の無線通信端末2aから複数回、航跡データを受信し、航跡データから生成した航跡情報を記憶装置11に集積する。
【0037】
ステップS204では、コントローラ13は、無線通信端末2aから航路情報のダウンロード要求の有無を判定する。後述するように、無線通信端末2aにおいて航路情報の表示要求があったときに、コントローラ13は、無線通信端末2aから航路情報のダウンロード要求があると決定する。無線通信端末2aから航路情報のダウンロード要求があったときには、処理はステップS205に進む。
【0038】
ステップS205では、コントローラ13は、航路情報を生成する。コントローラ13は、記憶装置11に集積された複数の航跡情報を解析することで、航路情報を生成する。詳細には、コントローラ13は、集積された航跡情報から、船舶3a,3b,3cの航行軌跡が重なった位置での航行軌跡の重複回数をカウントする。そして、コントローラ13は、船舶3aの推進機の種類に対応させて、重複回数に応じて、航行軌跡が重なった位置を視覚的に識別表示する航路情報を生成する。
【0039】
図7は、航路情報の一例を示す図である。図7に示すように、コントローラ13は、地図座標をメッシュで複数の領域に区切り、領域単位で航行軌跡の重複回数をカウントする。そして、コントローラ13は、船舶3aの推進機の種類に対応させて、重複回数に応じて、領域を視覚的に識別表示することで、航路情報を生成する。
【0040】
例えば、コントローラ13は、重複回数に応じて、色の濃淡、或いは色分けによって、領域を識別表示する。コントローラ13は、重複回数を複数のレベルに分け、レベルごとに領域を識別表示する。例えば、コントローラ13は、重複回数を「高」、「中」、「小」のレベルに分け、レベルごとに領域を識別表示する。図7においては、レベル高の領域51、レベル中の領域52、及びレベル小の領域53を、ハッチングの種類によって示している。なお、レベルの数は、3段階に限らず、3より少ない、或いは3より多くてもよい。
【0041】
航路情報は、船舶3aの推進機の種類に対応させて生成される。例えば、船舶3aが船外機艇であるときには、コントローラ13は、記憶装置11に保存された船外機艇に関する複数の航跡情報から、航路情報を生成する。或いは、船舶3aがPWCであるときには、コントローラ13は、記憶装置11に保存されたPWCに関する複数の航跡情報から、航路情報を生成する。ステップS206では、コントローラ13は、航路情報を無線通信端末2aに送信する。
【0042】
図3に示すように、無線通信端末2aのコントローラ27は、ステップS106において、航路情報の表示要求の有無を判定する。例えば、ユーザが航路情報を表示させる操作を無線通信端末2aに行ったときに、コントローラ27は、航路情報の表示要求ありと決定する。航路情報の表示要求があったときには、処理はステップS107に進む。
【0043】
ステップS107では、コントローラ27は、航路情報を受信する。ここでは、上述したように、コントローラ27は、サーバシステム1に航路情報のダウンロード要求を送信し、サーバシステム1が生成した航路情報を受信する。そして、ステップS108において、コントローラ27は、航路情報を表示する。図7に示すように、コントローラ27は、航行軌跡の重複回数に応じて識別表示された航路情報を、ナビゲーション画面30の地図上に重ね合わせて表示する。
【0044】
以上説明した本実施形態に係るサーバシステム1では、航行軌跡の重複回数に応じて識別表示された航路情報がナビゲーション画面30の地図上に表示される。それにより、航行可能な水上の仮想道路としてナビゲーション画面30に表示することができる。また、複数の船舶3a,3b,3cの航跡データがサーバシステム1に集積されることにより、より精度の高い航路情報を生成することができる。
【0045】
さらに、航路情報は、船舶3a,3b,3cの推進機の種類に対応させて生成される。従って、例えば、船外機艇が航行可能な航路と、PWCが航行可能な航路とが区別されて航路情報として生成される。図8は、図7に示す航路情報と異なる推進機に対応する航路情報を示す図である。例えば、図7は、船外機艇に対応した航路情報を示し、図8は、PWCに対応した航路情報を示す。図7及び図8に示すように、同じ水域であっても、推進機の種類に応じて、異なる航路情報がナビゲーション画面30上に表示される。それにより、船舶3aの推進機の種類に適した航路情報を生成することができる。
【0046】
なお、マリンナビゲーション機能は、上述した機能以外にも様々な機能を有してもよい。例えば、サーバシステム1のコントローラ13は、船舶3aの推進機の種類に応じてメッシュの目の大きさを決定してもよい。例えば、PWCの場合、メッシュの目の大きさは、PWC1艇身程度以内であることが好ましい。図9A図9Bとは、異なる推進機に対応したメッシュを示す図である。例えば、図9Aは、船舶3aが船外機艇であるときのメッシュを示す図であり、図9Bは、船舶3aがPWCであるときのメッシュを示す図である。図9A及び図9Bに示されているように、船舶3aがPWCであるときのメッシュは、船舶3aが船外機艇であるときのメッシュよりも小さい。
【0047】
或いは、図10に示すように、同じナビゲーション画面30上に、推進機の種類ごとの複数の航路情報が識別表示されてもよい。例えば、図10では、船外機艇の航路情報54とPWCの航路情報55とが異なる色で示されている。
【0048】
或いは、ナビゲーション画面30上に表示させる航路情報をユーザが選択可能であってもよい。例えば、全ての航路情報の表示、自らの船舶3aの推進機に合った航路情報の表示、及び、推進機の種類ごとに識別表示して全ての航路情報を表示するなどの複数の表示態様から選択可能であってもよい。
【0049】
マリンナビゲーション機能は、ユーザのコメント登録機能を含んでもよい。ユーザは、ナビゲーション画面30の地図上の所望の地点を指定して登録することができる。例えば、入力装置25がタッチパネルである場合には、ユーザは、ナビゲーション画面30の地図上の地点をタッチすることで、当該地点を指定して登録することができる。或いは、ユーザは、ナビゲーション画面30の地図上の位置にカーソルを合わせることで、当該位置を指定してもよい。図11に示すように、登録された地点は、ナビゲーション画面30の地図上においてマーク38で表示される。なお、登録された地点を示すマーク38の種類をユーザが選択可能であってもよい。
【0050】
また、ユーザは、各マーク38の地点に対してコメントを入力して登録することができる。例えば、浅瀬、暗礁、漁の仕掛け等の障害物がある地点をコメントを付して登録することができる。ユーザがコメントを登録すると、無線通信端末2aのコントローラ27は、当該地点の座標と時刻とコメントとを含むユーザコメント情報を記憶装置21に保存する。
【0051】
図12に示すように、ナビゲーション画面30は、コメントのリスト39を表示することができる。また、ユーザは、リスト39からコメントを検索することができる。さらに、ユーザがリスト39から選択したコメントにリンクして、コメントに対応する地点をナビゲーション画面30の地図上に表示させることができる。
【0052】
なお、図5に示すように、無線通信端末2aのコントローラ27は、ユーザコメント情報44を航跡データに含めてサーバシステム1に送信してもよい。それにより、サーバシステム1のコントローラ13は、複数のユーザがお互いのユーザコメント情報44を共有できるようにしてもよい。
【0053】
マリンナビゲーション機能は、水深と推進機の種類とに応じて航行可能な航路を判定する機能を含んでもよい。この場合、サーバシステム1の記憶装置11は、地図座標での水深を示す水深情報を記憶している。水深情報は、無線通信端末2aからの位置情報41に含まれる水深のデータによって更新されてもよい。サーバシステム1のコントローラ13は、水深情報に基づいて、航路情報を生成する。コントローラ27は、水深と推進機の種類とに応じて航行可能な航路をナビゲーション画面30上で識別表示する。コントローラ27は、水深を所定の閾値と比較し、水深が所定の閾値より小さい航路を、航行不可能な航路として表示する。所定の閾値は、推進機の種類に応じて決定される。
【0054】
サーバシステム1のコントローラ13は、水深情報に基づいて航路情報を生成する場合、潮位情報をさらに考慮して航路情報を生成してもよい。図13は、潮位情報45の一例を示す図である。潮位情報45は、干潮時及び満潮時の潮位と日時とを含む。コントローラ27は、潮位情報45から演算される潮位の変位量によって水深を補正する。コントローラ27は、補正した水深を閾値と比較することで、航行可能な航路を判定する。これにより、航行する時刻ごとに航行可能な航路を判定することができる。
【0055】
或いは、サーバシステム1のコントローラ13は、水深情報と推進機情報43とに基づいて警告箇所情報を生成し、警告箇所情報を航路情報に含ませて無線通信端末2aに送信してもよい。警告箇所情報は、航行不可能と判定された地点の座標を含む。図14に示すように、無線通信端末2aのコントローラ27は、警告箇所情報に基づいて、警告箇所を示すマーク61をナビゲーション画面30の地図上に表示させてもよい。また、無線通信端末2aのコントローラ27は、船舶3aの現在位置が警告箇所に近づいたときには、警告を出力してもよい。警告は、例えば、音、表示、或いは点滅であってもよい。
【0056】
マリンナビゲーション機能は、船舶3aの制御モードに応じて航路情報を生成する機能を含んでもよい。この場合、航跡情報は、航行軌跡が記録されたときの船舶3aの制御モードを示す制御情報を含む。制御モードは、例えばフィッシングモードとトーイングモードとを含む。フィッシングモードとトーイングモードとは、設定された一定速度で船舶3aが移動するように船舶3aの推進機を制御するモードである。フィッシングモードにおける速度は、トーイングモードにおける速度よりも低い。
【0057】
サーバシステム1のコントローラ13は、制御モードに対応させて、航路情報を生成する。従って、コントローラ13は、フィッシングモードでの航路情報と、トーイングモードでの航路情報とを生成する。ユーザは、フィッシングモードでの航路情報を選択して表示させることができる。また、ユーザは、トーイングモードでの航路情報を選択して表示させることができる。或いは、無線通信端末2aのコントローラ27は、フィッシングモードでの航路情報とトーイングモードでの航路情報とを同一のナビゲーション画面30上に表示させてもよい。なお、制御モードは、フィッシングモードとトーイングモードとに限らず、他のモードを含んでもよい。
【0058】
マリンナビゲーション機能は、複数の船舶の現在位置を仲間同士でシェアできるロケーションシェア機能を含んでもよい。ロケーションシェア機能では、サーバシステム1のコントローラ13は、船舶3aの位置情報41に基づき、船舶3aの周囲の所定範囲内に位置する他の船舶の位置情報41を、無線通信端末2aに送信する。無線通信端末2aのコントローラ27は、例えば、図4に示すように、他の船舶の位置を示すマーク62をナビゲーション画面30上に表示する。
【0059】
ロケーションシェア機能では、船舶3aの現在位置をシェアする仲間を選択可能であってもよい。この場合、ユーザは、シェアを許可する仲間のユーザIDを予め登録する。無線通信端末2aのコントローラ27は、登録された仲間のユーザIDをサーバシステム1に送信する。サーバシステム1は、仲間のユーザIDを記憶装置21に保存し、登録されたユーザIDのグループ内で、位置情報41の共有を許可する。
【0060】
或いは、シェアする現在位置の情報を複数のレベルに区分し、仲間のユーザIDのグループごとにレベルを設定可能であってもよい。この場合、ユーザは、グループごとに、シェアする現在位置の情報のレベルを登録する。サーバシステム1のコントローラ13は、シェアレベルが「低」のグループ内では、各ユーザの位置情報41のシェアを許可するが、ユーザ識別情報42のシェアを許可しない。従って、図4に示すように、無線通信端末2aのコントローラ27は、ユーザの識別情報を表示せず、他の船舶の位置を示すマーク62のみをナビゲーション画面30上に表示する。
【0061】
一方、サーバシステム1のコントローラ13は、シェアレベルが「高」のグループ内では、各ユーザの位置情報41とユーザ識別情報42とのシェアを許可する。従って、図15に示すように、無線通信端末2aのコントローラ27は、他の船舶3b,3cの位置を示すマーク63b,63cと共に、ユーザIDなどのユーザ識別情報42を示すマーク64b,64cをナビゲーション画面30上に表示する。また、他の船舶3b,3cの推進機の種類を示すマーク65b,65cがユーザ識別情報42を示すマークとして表示されてもよい。
【0062】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0063】
サーバシステム1は、1つのサーバに限らず、複数のサーバによって構成されてもよい。
【0064】
無線通信端末2aは、船舶3aに搭載された航海機器に含まれてもよい。すなわち、マリンナビゲーション機能は、専用の航海機器に組み込まれたプログラムによって実行されてもよい。航海機器は、サーバシステム1と通信する機能を含んでもよい。或いは、航海機器は、スマートフォン、或いは携帯電話などの移動体通信装置と接続され、移動体通信装置を介してサーバシステム1と通信してもよい。
【0065】
マリンナビゲーション機能は、航路の検索機能を含んでもよい。例えば、ユーザが目的地を指定することで、船舶3aの現在位置から目的地までの航路をサーバシステム1のコントローラ13、又は、無線通信端末2aのコントローラ27が決定して、ナビゲーション画面30上に表示させてもよい。その場合、上述した航路情報を参照することで、航路が決定されてもよい。例えば、重複回数が「高」の領域を通るように、航路が決定されてもよい。航路を決定する際の重複回数のレベルをユーザが選択可能であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明によれば、船舶の推進機の種類に対応させて、航路情報が生成される。それにより、推進機の種類を考慮した精度の高い航路情報を生成することができる。
【符号の説明】
【0067】
2a 無線通信端末
1 サーバシステム
12 通信装置
11 記憶装置
13 コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15