(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
界面活性剤、油、乳化剤、真珠光沢ワックス、増稠剤、増粘剤、過脂肪剤、安定化剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、紫外線防御因子、湿潤剤、生物起源薬剤、酸化防止剤、消臭剤、制汗剤、フケ防止剤、フィルム形成剤、膨潤剤、防虫剤、セルフ・タンニング剤、チロシン阻害剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、防腐剤、香油および着色剤、ならびにそれらの混合物から成る群より選択される添加物(成分c)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
前記担体は水、2〜6個の炭素原子を有するアルコール、1〜10個の炭素原子および2〜4個のヒドロキシル基を有するポリオール、および油から成る群より選択されることを特徴とする、請求項5に記載の化粧品組成物。
界面活性剤、油、乳化剤、真珠光沢ワックス、増稠剤、増粘剤、過脂肪剤、安定化剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、紫外線防御因子、湿潤剤、生物起源薬剤、酸化防止剤、消臭剤、制汗剤、フケ防止剤、フィルム形成剤、膨潤剤、防虫剤、セルフ・タンニング剤、チロシン阻害剤、ヒドロトロープ、可溶化剤、防腐剤、香油および着色剤、ならびにそれらの混合物から成る群より選択される添加物(成分c)をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
前記担体は水、2〜6個の炭素原子を有するアルコール、1〜10個の炭素原子および2〜4個のヒドロキシル基を有するポリオール、および油から成る群より選択されることを特徴とする、請求項10に記載の化粧品組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
アミド
群(a)を形成するアミドは、有機化学の関連する方法により製造することができる既知物質である。それらの製造に関しては、本発明者らは国際公開第2012/061698号の内容の全てを参照し、そこに開示された内容を参照することにより本明細書に援用する。
【0010】
これに関連して、式(I)中の2つのアリールまたはヘテロアリール基A
1およびA
2は、好ましくは、互いに独立して、任意に置換されたフェニル、ピロリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾイル、ピリジル、ピリニジニルまたはトリアジニル基に対応する。これらの基はアルキル、ヘテロアルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシル、アミノ、N−ジアルキルアミノ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、アシル、カルボニル、カルボキシルエステルまたはアミド基で1回または2回置換されていてもよく、2つの置換基は任意に脂肪族環またはアリール基のヘテロ原子を有する芳香族環を形成してもよく、二環式化合物を生じうる。
【0011】
群[B]は、好ましくは−OCH
2−、−OCH(CH
3)−、−OCH(CH
2CH
2)
3−、−CH
2CH
2−または−CH=CH−基を含むかシクロプロパン、シクロブタンまたはシクロペンタンから誘導される。
【0012】
別の好ましい実施態様において、R
aは任意に置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基または任意に置換されたフェニル、ピロリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾイル、ピリジル、ピリニジニルまたはトリアジニル基を示し、置換パターンはA
1およびA
2の置換パターンに対応しうる。
【0013】
好ましくは、pが2を示すとき、R
b、R
c、R
d、R
eおよびR
fは全て水素を示す。不明瞭さを避けるために、個々の好ましい構造要素は別個に全て好ましいか、所望により互いに組み合わされ特に好ましい実施形態が形成されうることを明記する。以下において、構造式A1〜A214を用いて特に好ましい実施形態をより詳細に説明する。
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【0014】
以下の物質が特に好ましい。
・N−(1H−ピラゾール−5−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・N−エチル−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・2−(p−トリルオキシ)アセチルクロリド;
・N−(チオフェン−2−イルメチル)エタンアミン;
・2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イルオキシ)−N−(1H−ピラゾール−3−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アセトアミド;
・2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イルオキシ)−N−(4−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アセトアミド;
・2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イルオキシ)−N−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アセトアミド;
・N−(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(P−トリルオキシ)アセトアミド;
・4−(N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド)−1H−ピラゾール−2−イウムクロリド;
・N−(イソキサゾール−3−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルオキシ)−N−(3−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アセトアミド;
・2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルオキシ)−N−(1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アセトアミド;
・N−シクロプロピル−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・N−アリル−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・N−プロピル−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・2−(3−メトキシフェノキシ)−N−(1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アセトアミド;
・N−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルメチル)−N−(1H−ピラゾール−3−イル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・N−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルメチル)−N−(1H−ピラゾール−3−イル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・N−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルメチル)−3−フェニル−N−(1H−ピラゾール−3−イル)プロパンアミド;
・N−エチル−N−((5−メチルチオフェン−2−イル)メチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・N2−(4−エチルフェノキシ)−N−(ピリジン−3−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アセトアミド;
・N−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・N−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルメチル)−2−フェノキシ−N−(1H−ピラゾール−3−イル)アセトアミド;
・N−sec−ブチル−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・N−メチル−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・2−(3−メトキシフェノキシ)−N−(ピリジン−2−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アセトアミド;
・2−(2−イソプロピル−5−メチルフェノキシ)−N−(1H−ピラゾール−3−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アセトアミド;
・N−(ピリジン−2−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(m−トリルオキシ)アセトアミド;
・2−(4−エチルフェノキシ)−N−(ピリジン−2−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アセトアミド;
・N−エチル−N−(チアゾール−5−イルメチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・((R)−N−(1−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−イル)−N−イソプロピル−2−(m−トリルオキシ)アセトアミド;
・3,5−ジメチル−N−(ピリジン−2−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド;
・N−(ピラジン−2−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・N−ベンジル−N−エチル−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・2−(2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキシルオキシ)−N−(2−(ピリジン−4−イル)エチル)アセトアミド;
・N−(フラン−2−イルメチル)−N−(ピリジン−2−イル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・N−エチル−N−(チアゾール−2−イルメチル)−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・3,5,6−トリメチル−N−(ピリジン−2−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド;
・N−((5−エチルチオフェン−2−イル)メチル)−N−フェニル−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・2−フェノキシ−N−(ピリジン−3−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アセトアミド;
・2−(3−クロロフェノキシ)−N−(ピリジン−2−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アセトアミド;
・N−((3−メチルチオフェン−2−イル)メチル)−N−フェニル−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
・(E)−N−(S−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)−3−p−トリルアクリルアミド;
・(E)−N−(1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)−3−p−トリルアクリルアミド;
・(E)−3−p−トリルアクリロイルクロリド;
・(E)−3−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−N−(1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アクリルアミド;
・(E)−N−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)−3−p−トリルアクリルアミド;
・(E)−3−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−N−エチル−N−(チオフェン−2−イルメチル)アクリルアミド;
・(E)−3−(4−メトキシフェニル)−N−(1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アクリルアミド;
・N−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)シンナムアミド;
・N−(1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)シンナムアミド;
・(E)−3−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−N−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アクリルアミド;
・(+/−)
(E)−2−フェニル−N−(1H−ピラゾール−4−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)シクロプロパンカルボキサミド;
・(E)−3−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イル)−N−(1H−ピラゾール−5−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アクリルアミド;
・N−エチル−N−(チオフェン−2−イルメチル)シンナムアミド;
・2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イルオキシ)−N−エチル−N−(チアゾール−5−イルメチル)アセトアミド;
・2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イルオキシ)−N−エチル−N−(チアゾール−5−イルメチル)アセトアミド;
・(+/−)(E)−N−エチル−2−フェニル−N−(チオフェン−2−イルメチル)シクロプロパンカルボキサミド;
・N−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イルオキシ)−N−(1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
・N−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−2−(シクロヘキシルオキシ)−N−(1H−ピラゾール−5−イル)アセトアミド;
・2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−イルオキシ)−N−エチル−N−((5−メチルチオフェン−2−イル)メチル)アセトアミド;
・(E)−N−フェニル−N−(チオフェン−2−イルメチル)−3−p−トリルアクリルアミド;
・(+/−)(E)−N,2−ジフェニル−N−(チオフェン−2−イルメチル)シクロプロパンカルボキサミド;
・3,5−ジメチル−N−(ピリジン−2−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド;
・(E)−N−アリル−3−(7−クロロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アクリルアミド;
・(E)−N−エチル−3−(4−(イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)アクリルアミド;
・N−(シクロヘキシルメチル)−N−エチル−2−(p−トリルオキシ)アセトアミド;
【0015】
メントールおよびメントール化合物
本発明の意味において使用できかつ群(b)を構成するメントール化合物は、−基本物質のメントール自体に加えて−、例えば、メントールメチルエーテル、メントングリセリルアセタール(FEMA GRAS1 3807)、メントングリセリルケタール(FEMA GRAS 3808)、乳酸メンチル(FEMA GRAS 3748)、メントールエチレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3805)、メントールプロピレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3806)、メンチル−N−エチルオキサメート、モノメチルサクシネート(FEMA GRAS 3810)、モノメンチルグルタマート(FEMA GRAS 4006)、メントキシ−1,2−プロパンジオール(FEMA GRAS 3784)、メントキシ−2−メチル−1,2−プロパンジオール(FEMA GRAS 3849)、メンタンカルボン酸エステルおよびアミドWS−3、WS−4、WS−5、WS−12、WS−14およびWS−30、ならびにそれらの混合物から成る群より選択されうる。
【0016】
成分(b)を構成する物質の最初の重要代表例はコハク酸モノメンチル(FEMA GRAS 3810)であり、Brown&Williamson Tobacco Corp.が1963年にすでに物質としての特許を取得し(米国特許第3,111,127号)、冷却剤として米国特許第5,725,865号および米国特許第5,843,466号(V. Mane Fils)の対象となっている。コハク酸塩と類似体グルタル酸モノメンチル(FEMA GRAS 4006)の両方が、ジ−およびポリカルボン酸に基づいたモノメンチルエステルの重要な代表例を構成する。
【化25】
【0017】
これらの物質の適用例は、例えば、国際公開第2003/043431号(Unilever)または欧州特許公開第1332772号(IFF)の文献中に見出すことができる。
【0018】
本発明の好ましいメントール化合物の次に重要な群には、メントールとポリオール、例えば、グリコール、グリセロールまたは炭水化物などとの炭酸エステル、例えば、メントールエチレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3805=Frescolat(登録商標) MGC)、メントールプロピレングリコールカーボネート(FEMA GRAS 3784 =Frescolat(登録商標) MPC)、メントール2−メチル−1,2−プロパンジオールカーボネート(FEMA GRAS 3849)など、または対応する糖誘導体が含まれる。
【化26】
1FEMAは「風味とエキス工業会(Flavor and Extracts Manufacturers Association)」の略で、GRASは「一般的に安全とみなされている(Generally Regarded As Safe)」と定義される。FEMA GRAS評価はそのように示された物質は標準的な方法に従って試験され、毒性学的に安全とみなされていることを意味する。
【0019】
タバコ用の冷却剤としてこのような物質を使用することは、例えば、1968年からの文献、米国特許第3,419,543号(Moldら)の主題であり、生理的冷却剤としての使用は独国特許出願公開第4226043号(H&R)の特許請求の範囲に開示されている。
【0020】
本発明によれば、好ましいメントール化合物は、乳酸メンチル(FEMA GRAS 3748=Frescolat(登録商標) ML)、特に好ましくはメントングリセリルアセタール(FEMA GRAS 3807)または、商品名Frescolat(登録商標) MGAで販売されている、メントングリセリルケタール(FEMA GRAS 3808)である。
【化27】
【0021】
先の構造体は、メントールと乳酸のエステル化によってえられ、後の構造体はグリセロールとメントンのアセタール化によりえられる(独国特許出願公開第2608226号、H&R参照)。化合物のこの群における別のメンバーは、冷却剤10(FEMA GRAS 3784、米国特許第6,328,982号、TIC参照)としても知られている、3−(1−メントキシ)−1,2−プロパンジオール、および追加のメチル基を有する、3−(1−メントキシ)−2−メチル−1,2,プロパンジオール(FEMA GRAS 3849)である。
【化28】
【0022】
3−(1−メントキシ)−1,2,プロパンジオールは、例えば、以下の図に従って、メントールから出発して製造される(米国特許第4,459,425号、Takagaso参照)。
【化29】
【0023】
メントールをエピクロロヒドリンと第1段階で反応させる、別のルートは、米国特許第6,407,293号および米国特許第6,515,188号(Takagaso)に記載されている。CO結合により特徴付けられる、好ましいメントール化合物の概要を以下に示す。
【化30】
【0024】
これらの物質の中で、メントングリセリルアセタール/ケタール、乳酸メンチルおよびメントールエチレングリコールカーボネートまたはメントールプロピレングリコールカーボネートは、本出願人によりFrescolat(登録商標) MGA、Frescolat(登録商標) ML、Frescolat(登録商標) MGCおよびFrescolat(登録商標) MPCの商品名で販売されており、とりわけ非常に有利であることが示されている。
【0025】
過去1世紀において、1970年代に3位にC−C結合を有するメントール化合物が初めて開発されており、このような化合物の大多数の代表例も本発明に従って使用することができる。これらの物質は一般にWS型と呼ばれる。基本物質は水酸基がカルボキシル基で置換されたメントール誘導体である(WS−1)。他の全てのWS型はこの構造体から誘導され、例えば、WS−3、WS−4、WS−5、WS−12、WS−14およびWS−30の、本発明の好ましい種でもある。以下の2つの図に合成経路を示す。
【化31】
【0026】
例えば、WS−1由来のエステルは、米国特許第4,157,384号に記載され、対応するN−置換アミドはJ.Soc.Cosmet.Chem.S.185−200(1978)に記載されている。
【0027】
芳香物質
成分(b2)を構成する芳香物質は、アネトール、アセトアニソール、アセトアルデヒド、アセチルメチルカルビノール、2−アセチルピラジン、2−アセチルピリジン、2−アセチルチアゾリン、2−アセチルチアゾール、カプロン酸アリル、アルファ−アミルシンナムアルデヒド、p−アニスアルデヒド、アニスアルコール、ジメチルイソプロピルジチアジン、ベンズアルデヒド、ベンジルアセテート、L−ボルネオール、酪酸、酢酸ブチル、3−ブチリデンフタリド、カプロン酸、カルバクロール、L−カルボン、d−カルボン、カルボメントン、cis−カルビルアセテート、カリオフィレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、酢酸シンナミル、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、酢酸シトロネリル、クミンアルデヒド、シクロペンタデカノリド、アルファ−ダマスコン、ベータ−ダマスコン、アルファ−ダマセノン、ベータ−ダマセノン、デルタ−デカラクトン、ガンマ−デカラクトン、デヒドロメントフルオロラクトン、ジヒドロメントフロラクトン、2,3−ジエチルピラジン、ジヒドロアネトール、ジヒドロカルボン、ジヒドロクマリン、ベータ−ジヒドロイオノン、ジメチルアンスラニレート、ジメチルスルフィド、ジメチルピラジン、ソトロン、ジフェニルオキシド、ジバニリン、2,4−デカジエナール、デルタ−ドデカラクトン、ガンマ−ドデカラクトン、酢酸、酢酸エチル、酪酸エチル、2−メチル酪酸エチル、カプロン酸エチル、カプリル酸エチル、桂皮酸エチル、イソ酪酸エチル、エチルバニリン、乳酸エチル、エチルマルトール、メチルチオプロピオン酸エチル、4−エチルフェノール、イソ吉草酸エチル、オイゲノール、フェンコール、フラネオール、フィルベルトン、フランビノン、フランビノンメチルエーテル、フルフリルチオール、ウンデカトリエン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルイソブチレート、グアヤコール、ヘリオトロピン、2−ヘプタノン、Z−4−ヘプテナール、ガンマ−ヘキサラクトン、ガンマ−ヘプタラクトン、Z−3−ヘキセノール、E−2−ヘキセノール、ヘキサノール、酢酸ヘキシル、Z−3−酢酸ヘキセニル、E−2−酢酸ヘキセニル、アルファ−ヘキシルシンナムアルデヒド、Z−3−カプロン酸ヘキセニル、ホトリエノール、インドール、アルファ−鉄、アルファ−イオノン、ベータ−イオノン、酢酸イソアミル、酪酸イソアミル、イソ吉草酸イソアミル、酢酸イソブチル、イソブチルチアゾール、イソブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、イソオイゲノール、イソメントン、イソプロピルメトキシピラジン、イソブチルメトキシピラジン、2,4−イソプロピルメチルピラジン、イソプレゴール、ジャスミンラクトン、cis−ジャスモン、樟脳、ケトイソホロン、クレゾール、d−リモネン、L−リナロール、D−リナロール、酢酸リナリル、リナロールオキシド、マルトール、メチルシクロペンテノロン、L−メントン、D−メントン、L−メントール、D−メントール、ネオメントール、L−酢酸メンチル、D−酢酸メンチル、マッソイアラクトン、メロナール、1,8−メンテンチオール、1,8−エピチオメンタン、8,3−チオメンタノン、メントフロラクトン、酢酸メンタジエニル、2,3−メトキシメチルピラジン、アントラニル酸メチル、サリチル酸メチル、チモール、酪酸メチル、酢酸2−メチルブチル、桂皮酸メチル、2,3−メチルフランチオール、2,3−メチルテトラヒドロフランチオール、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、チオ酪酸メチル、1,3−メチルチオヘキシルアセテート、1,3−メチルチオヘキサノール、メチオナール、ミルテナール、ナリンギン、ネラール、ネロール、酢酸ネリル、ガンマ−ノナラクトン、デルタ−ノナラクトン、E−2−ノネナール、Z−6−ノネナール、Z−6−ノネノール、ノートカトン、ジヒドロノートカトン、1,3−オクテノール、ガンマ−オクタラクトン、デルタ−オクタラクトン、ペリトリン、1,3−ペンテノン、酢酸ペンチル、フェニルアセトアルデヒド、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニルエチル、ピペリタナート(piperitanate)、プレニルチオール、チオ酢酸プレニル、ローズオキシド、ルーベンアミン、ルベセナミン(rubescenamin)、サビネン水和物、スカトール、酢酸スチロリル、テルピネオール、4−テルピネノール、1,3−チオヘキサノール、1,3−チオヘキシルアセテート、4,4,2−チオペンタノン、トリメチルピラジン、ガンマおよびデルタ−ウンデカラクトン、2,4−デカジエナール、2,4−ノナジエナール、2,6−ノナジエナール、2,4−ウンデカジエナール、バニリン、ビニルグアヤコール、ウイスキーラクトン、シンナムアルデヒド、桂皮アルコール、ジアリルジスルフィド、アリルイソチオシアネート、ヘキサナール、E−2−ヘキセナール、オクタナール、デカナール、トリデカトリエナール、12−メチルトリデカナール、アルファ−ピネン、ベータ−ピネンおよびピペリトン、およびそれらの混合物から成る群より選択される。
【0028】
本発明の別の好ましい実施形態において、前記調製物は成分(c)として、界面活性剤、油成分、乳化剤、真珠光沢ワックス、増稠剤、増粘剤、過脂肪剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、紫外線防御因子、湿潤剤、生物起源剤、酸化防止剤、脱臭剤、制汗剤、フケ防止剤、フィルム形成剤、膨潤剤、防虫剤、セルフ・タンニング剤、チロシン阻害剤(脱色剤)、ヒドロトロープ、可溶化剤、防腐剤、香油および着色剤、ならびにそれらの混合物から成る群より選択される化粧品添加剤を含みうる。このような調製物は、特にエマルジョンの形態である場合、向上した保存期間によって特徴付けられる。
【0029】
本発明の調製物は成分(a)および(b)を0.1:99〜99.9:1、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは25:75〜75:25、特に好ましくは40:60〜40:60の重量比で含みうる。成分(a+b)および(c)は0.01:99.9〜2:98、好ましくは0.5:99.5〜1.5:98.5、特に好ましくは約1:99の重量比で含まれうる。
【0030】
産業上の利用可能性
化粧品調製物および/または医薬品調製物
本発明のさらなる目的は化粧品調製物に関し、該調製物は、
(a)式(I)のアミド、
(b)メントールおよび/または式(II)、(III)および/または(IV)のメントール化合物、ならびに
(c)化粧品用途で承認された担体
を含む。
【0031】
化粧品製品は、好ましくは、スキンケア製品、ヘアケア製品、ボディケア製品、日焼け止め製品、ならびに口腔ケアおよびデンタルケア製品であろう。特に好ましいのは、エマルジョン、マイクロエマルジョンまたはPITエマルジョンの形態の化粧品調製物である。
【0032】
本発明のさらなる目的は医薬品調製物に関し、該調製物は
(a)式(I)のアミド、
(b)メントールおよび/または式(II)、(III)および/または(IV)のメントール化合物、ならびに
(c)医薬用途で承認された担体
を含み、風邪の治療用で、本発明の特徴は治療目的で使用されることである。
【0033】
医薬品製品は、好ましくはトローチ剤、キャンディー形態の風邪薬、風邪用シロップ、風邪用軟膏および風邪用スプレーであろう。
【0034】
この場合、化粧品または医薬品担体は、好ましくは水、2〜6個の炭素原子を有するアルコール、1〜10個の炭素原子および2〜4個のヒドロキシル基を有するポリオール、および油成分から成る群より選択されるであろう。水に加えて、特に好ましい担体は、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、および直鎖または分岐のエステル、6〜22個、好ましくは8〜18個の炭素原子を有する飽和および特に不飽和脂肪酸、および1〜6個の炭素原子を有するアルコールである。
【0035】
本発明に従った化粧品調製物および/または医薬品調製物は、成分(a)および(b)を0.1:99〜99.9:1、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは25:75〜75:25、特に好ましくは40:60〜60:40の重量比で含みうる。成分(a +b)および(c)は、0.01:99.9〜2:98、好ましくは0.5:99.5〜1.5:98.5、特に好ましくは約1:99の重量比で含まれうる。最終生成物における成分(a+b)の合計含有量は、1〜5,000ppm、好ましく10〜4,000ppm、特に好ましくは100〜1,000ppmの間としうる。
【0036】
前記化粧品調製物および/または医薬品調製物は、一般的な助剤および添加剤、例えば、緩和な界面活性剤、油成分、乳化剤、真珠光沢ワックス、増稠剤、増粘剤、過脂肪剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、紫外線防御因子、湿潤剤、生物起源剤、酸化防止剤、消臭剤、制汗剤、フケ防止剤、フィルム形成剤、膨潤剤、防虫剤、セルフ・タンニング剤、チロシン阻害剤(脱色剤)、ヒドロトロープ、可溶化剤、防腐剤、香油、着色剤なども含みうる。
【0037】
界面活性剤
前記組成物は界面活性物質、例えば、アニオン性、非イオン性、カチオン性および/または両性もしくは双性イオン性の界面活性剤を含んでもよく、これらの含有量は通常平均すると約1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。アニオン性界面活性剤の典型的な例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α−メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混成エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノ−およびジアルキルスルホサクシネート、モノ−およびジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびそれらの塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N−アシルアミノ酸、例えば、アシルラクチレート、アシルタルタラート、アシルグルタマートなど、およびアシルアスパルテート、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に、小麦に基づく植物生成物)およびアルキル(エーテル)ホスファートである。アニオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、これらは従来型を示しうるが、好ましくは狭い同族体分布を示しうる。非イオン性界面活性剤の代表例は、脂肪族アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混成エーテルまたは混成ホルマール、任意に部分的に酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドまたはグルクロン酸誘導体、脂肪酸N−アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、小麦に基づく植物生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート、およびアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含む場合、これらは従来型を示しうるが、好ましくは狭い同族体分布を示しうる。カチオン性界面活性剤の代表例としては、第四級アンモニウム化合物、例えば、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリドおよびエステル化第四級アンモニウム化合物、とりわけ第四級化脂肪酸トリアルカノアミンエステル塩などである。両性または双性イオン性界面活性剤の典型的な例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリウムベタインおよびスルホベタインである。前述の界面活性剤の全ては既知化合物である。特に好適な緩和な、即ち、特に皮膚に適合する界面活性剤の典型的な例は、脂肪族アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノ−および/またはジアルキルスルホサクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタマート、α−オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、両性アセタールおよび/またはタンパク質脂肪酸縮合物、後者は好ましくは小麦タンパク質に基づくタンパク質脂肪酸縮合物である。
【0038】
油成分
油成分の適当な例には、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪族アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖または分岐のC
6〜C
22の脂肪族アルコールとの直鎖のC
6−C
22の脂肪酸のエステル、または直鎖または分岐のC
6〜C
22の脂肪族アルコールとの分岐のC
6〜C
13のカルボン酸のエステル、例えば、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、イソステアリン酸ミリスチル、オレイン酸ミリスチル、ベヘン酸ミリスチル、ドコセン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、イソステアリン酸セチル、オレイン酸セチル、ベヘン酸セチル、ドコセン酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリル、イソステアリン酸ステアリル、オレイン酸ステアリル、ベヘン酸ステアリル、ドコセン酸ステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ベヘン酸イソステアリル、オレイン酸イソステアリル、ミリスチン酸オレイル、パルミチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル、イソステアリン酸オレイル、オレイン酸オレイル、ベヘン酸オレイル、ドコセン酸オレイル、ミリスチン酸ベヘニル、パルミチン酸ベヘニル、ステアリン酸ベヘニル、イソステアリン酸ベヘニル、オレイン酸ベヘニル、ベヘン酸ベヘニル、ドコセン酸ベヘニル、ミリスチン酸エルシル、パルミチン酸エルシル、ステアリン酸エルシル、イソステアリン酸エルシル、オレイン酸エルシル、ベヘン酸エルシル、およびドコセン酸エルシルなどが含まれる。他の適した物質には、分枝アルコール、特に2−エチルヘキサノールとの直鎖のC
6〜C
22の脂肪酸のエステル、直鎖または分岐のC
6〜C
22の脂肪族アルコール、特にマレイン酸ジオクチルとのC
18〜C
38のアルキルヒドロキシカルボン酸のエステル、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオールなど)および/またはゲルベアルコールとの直鎖および/または分岐の脂肪酸のエステル、C
6〜C
10の脂肪酸に基づくトリグリセリド、C
6〜C
18の脂肪酸に基づく液状モノ−/ジ−/トリグリセリド混合物、芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのC
6〜C
22の脂肪族アルコールおよび/またはゲルベアルコールのエステル、直鎖または分岐の1〜22個の炭素原子を有するアルコールまたは2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を有するポリオールとのC
2〜C
12のジカルボン酸のエステル、植物油、分岐した第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分枝のC
6〜C
22の脂肪族アルコールカーボネート、例えば、炭酸ジカプリリル(Cetiol(登録商標) CC)など、6〜18個、好ましくは8〜10個のC原子を有する脂肪族アルコールに基づくゲルベカーボネート、直鎖および/または分岐のC
6〜C
22のアルコールとの安息香酸のエステル(例えば、Finsolv(登録商標) TN)、アルキル基当たり6〜22個の炭素原子を有する直鎖または分枝の、対称または非対称のジアルキルエーテル、例えば、ジカプリリルエーテル等(Cetiol(登録商標) OE)など、ポリオールとのエポキシド化された脂肪酸エステルの開環生成物、シリコーン油(シクロメチコーン、シリコーン・メチコーン生成物など)および/または脂肪族またはナフテン系炭化水素、例えば、スクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサンなどが含まれる。
【0039】
乳化剤
適した乳化剤の例には、以下の群のうちの少なくとも1つに由来する非イオン性界面活性剤が含まれる:
・8〜22個のC原子を有する直鎖脂肪族アルコール、12〜22個のC原子を有する脂肪酸、アルキル基中に8〜15個のC原子を有するアルキルフェノール、およびアルキル基中に8〜22個のC原子を有するアルキルアミンへの2〜30モルのエチレンオキシドおよび/または0〜5モルのプロピレンオキシドの付加生成物;
・アルキル(アルケニル)基中に8〜22個の炭素原子を有するアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドおよびそれらのエトキシル化類似体;
・ヒマシ油および/または硬化ヒマシ油への1〜15モルのエチレンオキシドの付加生成物;
・ヒマシ油および/または硬化ヒマシ油への15〜60モルのエチレンオキシドの付加生成物;
・12〜22個の炭素原子を有する不飽和の、直鎖状または飽和の、分岐した脂肪酸および/または3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸とのグリセロールおよび/またはソルビタンの部分エステル、ならびに1〜30モルのエチレンオキシドとのそれらの付加物;
・飽和および/または不飽和の、12〜22個の炭素原子を有する直鎖状または分岐の脂肪酸および/または3〜18個の炭素原子を有するヒドロキシカルボン酸とのポリグリセロール(2〜8の平均自己縮合度)、ポリエチレングリコール(分子量400〜5000)、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、およびポリグルコシド(例えば、セルロース)の部分エステル、ならびに1〜30モルのエチレンオキシドとのそれらの付加物;
・ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪族アルコールの混成エステルおよび/または6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール、好ましくはグリセロールまたはポリグリセロールの混成エステル。
・モノ−、ジ−およびトリアルキルホスフェート、およびモノ−、ジ−および/またはトリPEG−アルキルホスフェートおよびそれらの塩;
・ラノリンアルコール;
・ポリシロキサン−ポリアルキル−ポリエーテル・コポリマーおよび対応する誘導体;
・ブロックコポリマー、例えば、ポリエチレングリコール−30ジポリヒドロキシステアレート;
・ポリマー乳化剤、例えば、Goodrich製のPemulenタイプ(TR−1、TR−2)またはCognis製のCosmedia(登録商標)
SP;
・ポリアルキレングリコール、ならびに
・グリセロールカーボネート。
【0040】
以下に、特に好適な乳化剤についてさらに詳細に説明する。
(a)アルコキシレート
脂肪族アルコール、脂肪酸、アルキルフェノールまたはヒマシ油へのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物は既知で、市販の製品を構成する。これらは同族混合物であり、その平均アルコキシル化度はエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと付加反応が行われる物質との量の間の比率に対応する。グリセロールへのエチレンオキシドの付加生成物のC
12/18脂肪酸モノ−およびジエステルは、化粧品調製物のための加脂剤として知られている。
【0041】
(a)アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド
アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、それらの製造およびそれらの応用は従来技術から知られている。特に、それらの製造は8〜18個の炭素原子を有する第一級アルコールとグルコースまたはオリゴ糖を反応させることによって行われる。グリコシド基に関しては、環状糖基が脂肪族アルコールとグリコシド結合した、モノグリコシド、および好ましくは約8までのオリゴマー化度を有するオリゴマーグリコシドの両方が適している。本明細書において、オリゴマー化度はこのような技術製品に関して一般的な同族体分布に基づいた統計的平均値である。
【0042】
(b)部分グリセリド
適した部分グリセリドの典型的な例は、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、およびそれらの工業用混合物であり、これらは生産工程で二次的に生じる少量のトリグリセリドも含みうる。また、前記の部分グリセリドへの1〜30モル、好ましくは5〜10モルのエチレンオキシドの付加生成物も好適である。
【0043】
(c)ソルビタンエステル
適したソルビタンエステルの例には、モノイソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ソルビタン、トリイソステアリン酸ソルビタン、ソルビタンモノオレート、セスキオレイン酸ソルビタン、ソルビタンジオレート、ソルビタントリオレート、モノエルカ酸ソルビタン、セスキエルカ酸ソルビタン、ジエルカ酸ソルビタン、トリエルカ酸ソルビタン、ソルビタンモノリシノレート、ソルビタンセスキリシノレート、ソルビタンジリシノレート、ソルビタントリリシノレート、モノヒドロキシステアリン酸ソルビタン、セスキヒドロキシステアリン酸ソルビタン、ジヒドロキシステアリン酸ソルビタン、トリヒドロキシステアリン酸ソルビタン、モノ酒石酸ソルビタン、セスキ酒石酸ソルビタン、ジ酒石酸ソルビタン、トリ酒石酸ソルビタン、モノクエン酸ソルビタン、セスキクエン酸ソルビタン、ジクエン酸ソルビタン、トリクエン酸ソルビタン、モノマレイン酸ソルビタン、セスキマレイン酸ソルビタン、ジマレイン酸ソルビタン、トリマレイン酸ソルビタン、およびそれらの工業用混合物が含まれる。また、前記のソルビタンエステルへの1〜30モル、好ましくは5〜10モルのエチレンオキシドの付加生成物も好適である。
【0044】
(d)ポリグリセロールエステル
適したポリグリセロールエステルの典型的な例は、ポリグリセリル−2ジポリヒドロキシステアレート(Dehymuls(登録商標) PGPH)、ポリグリセロール−3−ジイソステアレート(Lameform(登録商標) TGI)、ポリグリセリル−4イソステアレート(Isolan(登録商標) GI 34)、ポリグリセリル−3オレエート、ジイソステアロイル・ポリグリセリル−3ジイソステアレート(Isolan(登録商標) PDI)、ポリグリセリル−3メチルグルコースジステアレート(TegoCare(登録商標) 450)、ポリグリセリル−3蜜蝋(Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル−4カプレート(カプリン酸ポリグリセロール T2010/90)、ポリグリセリル−3セチルエーテル(Chimexane(登録商標) NL)、ポリグリセリル−3ジステアレート(Cremophor(登録商標) GS 32)およびポリグリセリルポリリシノレート(Admul(登録商標) WOL 1403)、ポリグリセリルジメレ−トイソステアレート、およびそれらの混合物である。さらに適当なポリオールエステルの例は、ラウリン酸、ヤシ油脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとのトリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールの、1〜30モルのエチレンオキシドと任意に反応した、モノ−、ジ−およびトリエステルである。
【0045】
(e)アニオン性乳化剤
典型的なアニオン性乳化剤は、12〜22個の炭素原子を有する脂肪族脂肪酸、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸など、および12〜22個の炭素原子を有するジカルボン酸、例えば、アゼライン酸またはセバシン酸などである。
【0046】
(f)両性およびカチオン性乳化剤
双性イオン性界面活性剤は乳化剤としても使用できる。双性イオン性界面活性剤という用語は、分子中に1つ以上の第四級アンモニウム基および1つ以上のカルボキシレートおよび1つのスルホネート基を有する表面活性化合物をいう。特に適した双性イオン性界面活性剤はベタインと呼ばれる双性イオン性界面活性剤であり、具体的には、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシナート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシナート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシナート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシナート、およびアルキル基またはアシル基にそれぞれ8〜18個のC原子を有する2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシナートなどである。特に好ましいのは、CTFAの名称コカミドプロピルベタインで知られている脂肪酸アミド誘導体である。同様に、両性界面活性剤も適当な乳化剤である。両性界面活性剤という用語は、C
8/18のアルキル基またはアシル基に加えて分子中に1つ以上の遊離のアミノ基および1つ以上の−COOHまたは−S0
3H基を含み、内部塩を形成することができるこれらの表面活性化合物をいうことが理解される。適当な両性界面活性剤の例は、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキル基中にそれぞれ約8〜18のC原子を有するアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート、およびC
12/18アシルサルコシンである。最後に、カチオン性界面活性剤も乳化剤として好適であり、加えて、エステルクアト型のものが好ましく、メチル基が四級化されたジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が特に好ましい。
【0047】
脂肪およびワックス
脂肪の代表例はグリセリドであり、即ち、高級脂肪酸の混合グリセロールエステルから本質的になる、固体または液体の植物または動物産物であり、適当なワックスには、具体的には、天然ワックス、例えば、キャンデリラ蝋、カルナバワックス、和蝋、エスパルトワックス、コルクワックス、グアルマワックス、コメ胚芽油ワックス、サトウキビワックス、オウリキュリーワックス、モンタンワックス、蜜蝋、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛蝋)、尾脂、セレシン、オゾケライト(地蝋)、ワセリン、パラフィンワックス、マイクロワックスなど;化学的に修飾されたワックス(ハードワックス)、例えば、モンタンエステルワックス、サソールワックス(sasol waxes)など、水素化ホホバワックス、具体的には、合成ワックス、例えば、ポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスなどが含まれる。脂肪に加えて、脂肪様物質も添加剤として好適であり、例えば、レシチンおよびリン脂質などである。レシチンという用語は、脂肪酸、グリセロール、リン酸およびコリンからエステル化によって形成されるグリセロリン脂質として、当業者により理解される。従って、レシチンはしばしば専門家の間でホスファチジルコリン(PC)とも呼ばれる。天然レシチンの例としては、ホスファチジン酸とも呼ばれ、1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−リン酸の誘導体を構成するケファリンが含まれる。一方、一般的に脂肪として分類されるグリセロール(グリセロールホスフェート)とのリン酸のモノ−および好ましくはジエステルを意味すると通常理解される。さらに、スフィンゴシンまたはスフィンゴ脂質も適している。
【0048】
真珠光沢ワックス
真珠光沢ワックスの例には、アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多価の、任意にヒドロキシ置換したカルボン酸の6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪性物質、例えば、脂肪族アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族アルデヒド、脂肪族エーテルおよび脂肪族カーボネート(合計24以上の炭素原子数を有する)など、特にラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸、12〜22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの、12〜22個の炭素原子を有する脂肪族アルコールおよび/または2〜15個の炭素原子を有し2〜10個のヒドロキシル基を有するポリオールとの開環生成物;ならびにそれらの混合物が含まれる。
【0049】
増稠剤および増粘剤
増稠剤として最初に適当なものは、12〜22個、好ましくは16〜18個の炭素原子を有する脂肪族アルコールまたはヒドロキシ脂肪族アルコールであり、部分グリセリド、脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸も適している。これらの物質の、アルキルオリゴグルコシドおよび/または同一鎖長の脂肪酸N−メチルグルカミドおよび/またはポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレートとの組合せが好ましい。適当な増粘剤は、例えば、アエロジル(親水性ケイ酸)、多糖類、特にキサンタンゴム、グアーグアー、寒天、アルギネートおよびチロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルセルロース、ならびに脂肪酸のより高分子量のポリエチレングリコールモノ−およびジエステル、ポリアクリレート(例えば、Goodrich製のCarbopole(登録商標)およびPemulen製品ライン;Sigma製のSynthalene(登録商標);Kelco製のKeltrol製品ライン;Seppic製のSepigel製品ライン;Allied Colloids製のSalcare製品ライン)、ポリアクリルアミド、ポリマー、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンである。ベントナイト、例えば、シクロペンタシロキサン、ジステアルジモニウムヘクトライトおよびプロピレンカーボネートの混合物であるBentone(登録商標)Gel VS−5PC(Rheox)なども、特に有効であることがわかっている。また、界面活性剤、例えば、エトキシ化脂肪酸グリセリド、ポリオール、例えば、ペンタエリスリトールまたはトリメチロールプロパンとの脂肪酸のエステル、狭い同族体分布を有する脂肪族アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシド、ならびに、電解質、例えば、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムなども適している。
【0050】
過脂肪剤
使用に適した過脂肪剤は、物質、例えば、ラノリンおよびレシチン、ならびにポリエトキシ化またはアシル化ラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、および脂肪酸アルカノールアミドなどであり、脂肪酸アルカノールアミドは泡安定化剤としても機能する。
【0051】
安定剤
安定剤として、脂肪酸の金属塩、例えば、ステアリン酸マグネシウム、リシノール酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、リシノール酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛および/またはリシノール酸亜鉛などを使用しうる。
【0052】
ポリマー
適当なカチオン性ポリマーは、具体的には、カチオン性セルロース誘導体、例えば、JR 400(登録商標)の商品名でAmercholより入手可能な第四級化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー、第四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えば Luviquat(登録商標)(BASF)など、ポリグリコールおよびアミンの縮合生成物、第四級化コラーゲンポリペプチド、例えば、ラウリルジモニウム・ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Gruenau)など、第四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えば、アモジメチコンなど、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(Cartaretine(登録商標)/Sandoz)、アクリル酸のジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(Merquat(登録商標)550/Chemviron)、ポリアミノポリアミドおよびその架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば、第四級化キトサン(任意に、微結晶分散した形態)など、ジハロゲンアルキレン、例えば、ジブロモブタンのビス−ジアルキルアミン(例えば、ビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパンなど)との縮合生成物、カチオン性グアーガム、例えば、Celanese製のJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17またはJaguar(登録商標)C−16など、第四級化アンモニウム塩ポリマー、例えば、Miranol製のMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ−1などである。
【0053】
適当なアニオン性、双性イオン性、両性および非イオン性ポリマーの例には、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそれらのエステル、未架橋ポリアクリル酸およびポリオールとの架橋ポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリルレート/tert−ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマー、ならびに任意に誘導体化したセルロースエーテルおよびシリコーンが含まれる。
【0054】
シリコーン化合物
好適なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、ならびに室温で液状または樹脂状のいずれかであってもよい、アミノ、脂肪(fatty)−酸、アルコール、ポリエーテル、エポキシ、フッ素、グリコシドおよび/またはアルキル修飾シリコーン化合物である。また、200〜300のジメチルシロキサン単位の平均鎖長と水素化シリケートを有するジメチコーンの混合物であるシメチコーンも適している。
【0055】
紫外線防御因子
紫外線防御因子という用語は、例えば、紫外線を吸収でき次いでより長い波長の放射の形で吸収したエネルギー、例えば、熱を放出できる、室温で液体または結晶である有機物質(光保護フィルター)をいうと理解される。一般的に、紫外線防御因子は0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜1重量%の量で含まれる。UVBフィルターは油溶性または水溶性であってもよい。油溶性物質の例として、例えば、以下のように具体的に示すことができる。
・3−ベンジリデンカンファまたは3−ベンジリデンノルカンファおよびそれらの誘導体、例えば、3−(4−メチルベンジリデン)カンファ;
・4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4−(ジメチルアミノ)安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸−2−オクチルエステル、および4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル;
・桂皮酸のエステル、好ましくは4−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル、4−メトキシ桂皮酸プロピルエステル、4−メトキシ桂皮酸イソアミルエステル、および2−シアノ−3,3−フェニル桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル(オクトクリレン);
・サリチル酸のエステル、好ましくはサリチル酸−2−エチルヘキシルエステル、サリチル酸−4−イソプロピルベンジルエステル、およびサリチル酸ホモメンチルエステル;
・ベンゾフェノン誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、および2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;
・ベンザルマロン酸のエステル、好ましくは4−メトキシベンザルマロン酸ジ−2−エチルヘキシルエステル;
・トリアジン誘導体、例えば、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジンおよびオクチルトリアゾンまたはジオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)HEB)など;
・プロパン−1,3−ジオン、例えば、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン;
・ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体。
【0056】
適切な水溶性物質には、以下の物質が含まれる:
・2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそのアルカリ、アルカリ土類、アンモニウム、アルカリアンモニウム、アルカノールアンモニウム、およびグルコアンモニウム(glucammonium)塩;
・1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス−二ナトリウム塩(Neo Heliopan
(登録商標) AP)
・ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩;
・3−ベンジリデンカンファのスルホン酸誘導体、例えば、4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)スルホン酸およびそれらの塩など。
【0057】
典型的なUV−Aフィルターの中で、特に適しているのはベンゾイルメタンの誘導体、具体的には、1−(4’−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)、2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標) A Plus)、1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1,3−ジオン、およびエナミン化合物などである。UV−AおよびUV−Bフィルターはもちろん混合物中でも使用しうる。特に好ましい組合せはベンゾイルメタンの誘導体、例えば、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol(登録商標)1789)および2−シアノ−3,3−フェニル桂皮酸−2−エチル−ヘキシルエステル(オクトクリレン)と、桂皮酸のエステル、好ましくは4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルエステルおよび/または4−メトキシ桂皮酸プロピルエステルおよび/または4−メトキシ桂皮酸イソアミルエステルとの組み合わせから成る。有利には、これらの組合せは水溶性フィルタ、例えば、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそのアルカリ、アルカリ金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよびグルコアンモニウム塩などと組み合わされる。
【0058】
前述の可溶性物質に加えて、不溶性光防御顔料、すなわち微細分散した金属酸化物またはそれらの塩もこの目的に適している。特に適した金属酸化物の例には、酸化亜鉛および二酸化チタン、および鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの酸化物、ならびにそれらの混合物が含まれる。ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムまたはステアリン酸亜鉛は塩として使用しうる。酸化物および塩は、スキンケアの形態におけるスキンケアおよび皮膚保護エマルジョンならびに美容化粧品のための顔料の形態で使用される。この場合、粒子は100nm未満、好ましくは5〜50nmの間、特に好ましくは15〜30nmの間の平均粒径を有する。これらの粒子は球形の形態を有しうるが、楕円形または他のいかなる様式で球形の形態から外れた粒子も使用しうる。顔料は表面処理されていてもよく、すなわち親水化または疎水化されていてもよい。典型的な例は、被覆された二酸化チタン、例えば、二酸化チタン T 805(Degussa)またはEusolex (登録商標) T2000、Eusolex (登録商標) T、Eusolex (登録商標) T−ECO、Eusolex (登録商標) T−S、Eusolex (登録商標) T−Aqua、Eusolex (登録商標) T−45D(すべてMerck)、Uvinul Ti02(BASF)などである。疎水性コーティング材料としては、シリコーンが好ましく、トリアルコキシオクチルシランまたはシメチコンが特に好ましい。日焼け止め剤において、ミクロまたはナノ顔料と呼ばれる物質が好適に使用される。微粉化した酸化亜鉛、例えば、Z−COTE(登録商標)またはZ−COTE HP1(登録商標)などが最も好適に使用される。
【0059】
湿潤剤
湿潤剤は、前記組成物の官能特性をさらに最適化するために使用され、皮膚の水分を調節するために使用される。同時に、本発明による調製物の冷却安定性は、特にエマルジョンの場合に、増加する。湿潤剤は通常0.1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは5〜10重量%の量で含まれる。
【0060】
本発明による好適な物質の例は、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸およびその塩、ラクチトール、尿素および尿素誘導体、尿酸、グルコサミン、クレアチニン、コラーゲン分解産物、キトサンまたはキトサン塩/誘導体、および特にポリオールおよびポリオール誘導体(例えば、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エリスリトール、1,2,6−ヘキサントリオール、ポリエチレングリコール、例えば、PEG−4、PEG−6、PEG−7、PEG−8、PEG−9、PEG−10、PEG−12、PEG−14、PEG−16、PEG−18、PEG−20など)、糖および糖誘導体(フルクトース、グルコース、マルトース、マルチトール、マンニトール、イノシトール、ソルビトール、ソルビチルシランジオール、スクロース、トレハロース、キシロース、キシリトール、グルクロン酸、およびそれらの塩を含む)、エトキシ化ソルビトール(Sorbeth−6、Sorbeth−20、Sorbeth−30、Sorbeth−40)、蜂蜜および水素化蜂蜜、水素化デンプン加水分解物、ならびに水素化小麦タンパク質とPEG−20アセテートコポリマーの混合物である。本発明に従い湿潤剤として好ましいのは、グリセロール、ジグリセロール、トリグリセロールおよびブチレングリコールである。
【0061】
生物起源剤および酸化防止剤
生物起源剤とは、例えば、トコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸およびその断片化生成物、β−グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、擬似セラミド、精油、植物抽出物、例えば、サクラ属抽出物およびバンバラナッツ抽出物など、ならびにビタミン複合体を意味すると理解される。
【0062】
酸化防止剤は、UV放射が皮膚を貫通すると引き起こされる光化学反応連鎖を分断する。これらの物質の代表的な例としては、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えば、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えば、アンセリン)、カロチノイド、カロチン(例えば、α−カロチン、β−カロチン、リコピン)およびそれらの誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)ならびにそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに非常に低い耐容可能用量(例えば、pmol〜μmol/kg)でのスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシイミン)、さらに(金属)キレート剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体(例えば、γ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)、ならびにベンゾイン由来のコニフェリルベンゾアート、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnS0
4)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベンおよびそれらの誘導体(例えば、スチルベンオキシド、trans−スチルベンオキシド)ならびに前記活性成分の本発明に従った適当な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)が挙げられる。
【0063】
消臭剤と抗菌剤
化粧品消臭剤(脱臭剤)は体臭を中和し、マスキングしまたは除去する。体臭はアポクリン発汗に対する皮膚細菌の作用によって生じ、不快な臭いの分解生成物が形成されることによって生じる。従って、消臭剤は細菌発育阻止剤、酵素阻害剤、臭気吸収剤または臭気マスキング剤として作用する活性成分を含む。
(a)細菌発育阻止剤
適当な細菌発育阻止剤は、基本的に、グラム陽性菌に対して活性なすべての物質、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸ならびにその塩およびエステル、N−(4−クロロフェニル)−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル(トリクロサン)、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、クロロヘキシジン、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(TTC)、抗菌性香料、チモール、タイム油、オイゲノール、丁子油、メントール、ミント油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプリネート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプリネート(DMC)、およびサリチル酸−N−アルキルアミド、例えば、サリチル酸−n−オクチルアミドまたはサリチル酸−n−デシルアミドなどである。
【0064】
(b)酵素阻害剤
例えば、エステラーゼ阻害剤は適当な酵素阻害剤である。これらは、好ましくは、トリアルキルシトレート、例えば、トリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレートおよびトリブチルシトレートなど、特に好ましくはクエン酸トリエチル(Hydagen(登録商標)CAT)である。これらの物質は酵素活性を阻害し、従って、臭気の形成を減少させる。エステラーゼ阻害剤として適当な別の物質は、ステロールスルフェートまたはホスフェート、例えば、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール、およびシトステロールスルフェートまたはホスフェートなど、ジカルボン酸およびそれらのエステル、例えば、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸およびマロン酸ジエチルエステルなど、ヒドロキシカルボン酸およびそれらのエステル、例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチルエステル、ならびにグリシン酸亜鉛などである。
【0065】
(c)臭気吸収剤
適当な臭気吸収剤は臭気形成化合物を吸収し、それらの大部分を保持できる物質である。それらは個々の成分の分圧を低下させ、それらの拡散速度も低下させる。この場合、香水は影響を受けずそのままであることが重要である。臭気吸収剤は細菌に対して効果を示さない。臭気吸収剤には、例えば、主成分として、リシノール酸の複合亜鉛塩または当業者に「固定剤」として知られている特定の、大部分の臭気を中和する芳香剤、例えば、ラブダナムまたはエゴノキ属の抽出物または特定のアビエチン酸の誘導体などが含まれる。臭気マスキング剤は香料または香油として機能し、それらの機能に加えて、臭気マスキング剤としてそれぞれの香りと共に消臭効果をもたらす。香油の例には、例えば、天然および合成香料の混合物が含まれる。天然香料は花、茎および葉、果実、果物の皮、根、樹木、ハーブおよび草、針状物および枝、ならびに樹脂およびバルサムの抽出物である。さらに適当な天然香料は動物性原料、例えば、ジャコウネコおよびカストリウムなどである。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素類型の生成物である。エステル型の香料化合物は、例えば、ベンジルアセテート、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホーメート、アリルシクロヘキシルプロピオナート、スチラリルプロピオナートおよびサリチル酸ベンジルである。エーテルの例には、ベンジルエチルエーテルが含まれ、アルデヒドの例には、8〜18個の炭素原子を有する直鎖状のアルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリル・オキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアールおよびブルゲオナールが含まれ、ケトンの例はイオノンおよびメチルセドリルケトンであり、アルコールの例はアネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールであり、炭化水素の例は、主としてテルペンおよびバルサムである。しかしながら、好ましいのは異なる香料の混合物を使用することであり、これらは一緒になって快い香りを生じる。芳香成分として通常使用される低揮発性の精油は、香油、例えば、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、シナモンリーフ油、リンデンフラワー油、ジュニパーベリー油、ベチバー油、オリバナム油、ガルバナム油、ラダナム油およびラバンジン油などとして適している。好ましくは、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシル桂皮アルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレン・フォルテ(boisambrene forte)、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリカ(sandelice)、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロバータル、ラバンジン油、オニサルビア油、β−ダマスコン、ゼラニウム油ブルボン、シクロヘキシルサリシレート、ベルトフィックスクール(Vertofix coeur)、イソ−E−スーパー、フィキソライドNP(Fixolide NP)、エベルニル、イラルデイン・ガンマ(iraldein gamma)、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミラット(romilat)、イロチル(irotyl)およびフロラマット(floramat)を、個別にまたは混合物として使用する。
【0066】
(d)制汗剤
制汗剤(発汗抑制剤)はエクリン汗腺の活動に影響を与えることにより汗の生成を減少させ、これにより腋下の湿気および体臭を減じる。典型的に、制汗剤の水性または無水の製剤には、以下の成分を含む:
・収れん剤、
・油成分、
・非イオン性乳化剤、
・補助乳化剤、
・増稠剤、
・賦形剤、例えば、増粘剤または錯化剤など、および/または
・非水性溶媒、例えば、エタノール、プロピレングリコールおよび/またはグリセロールなど。
【0067】
収れん性制汗剤として、主に、アルミニウム、ジルコニウムまたは亜鉛の塩が適している。このような適当な抗水分活性剤は、例えば、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレートおよびそれらの錯化合物、例えば、プロピレングリコール−1,2−アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロライドタルトラート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコンテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコンペンタクロロハイドレートとの錯化合物、およびそれらの錯化合物、具体的には、アミノ酸、例えば、グリシンなどとの錯化合物である。さらに、制汗剤は少量の一般的な油溶性および水溶性助剤も含有しうる。このような油溶性助剤の例には、以下の物質を含みうる:
・抗炎症性、皮膚保護性、または芳香性精油、
・合成皮膚保護剤および/または
・油溶性香油。
【0068】
一般的な水溶性添加剤には、例えば、保存剤、水溶性香料、pH調整剤、例えば、緩衝性混合物、水溶性増粘剤、具体的には、水溶性天然および合成ポリマー、例えば、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたは高分子量ポリエチレンオキサイドなどがある。
【0069】
フィルム形成剤
一般的なフィルム形成剤は、例えば、キトサン、微結晶キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系ポリマー、第四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸またはそれらの塩、ならびに類似化合物である。
【0070】
フケ防止剤
適当なフケ防止剤には、ピロクトンオラミン(1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−(1H)−ピリジノンモノエタノールアミン塩)、Baypival(登録商標)(クリンバゾール)、Ketoconazol(登録商標)、(4−アセチル−1−{−4−[2−(2,4−ジクロロフェニル)r−2−(1H−イミダゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキシラン−c−4−イルメトキシフェニル}ピペラジン、ケトコナゾール、エルビオール、二硫化セレン、コロイド硫黄、サルファポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、サルファリジノールポリエトキシレート、サルファ−タール蒸留物、サリチル酸(またはヘキサクロロフェンとの組み合わせ)、ウンデシレン酸モノエタノールアミドスルホコハク酸Na塩、Lamepon(登録商標)UD(タンパク質ウンデシレン酸縮合物)、ジンクピリチオン、アルミニウムピリチオンおよびマグネシウムピリチオン/ジピリチオン硫酸マグネシウムサルフェートが含まれる。
【0071】
膨潤剤
水相のための膨潤剤はモンモリロナイト、粘土鉱物、ペミュレン、およびアルキル修飾カルボポール(Goodrich)であってもよい。他の適当なポリマーまたは膨潤剤はCosm.Toil.108,95(1993)のR.Lochheadの概説に見出しうる。
【0072】
防虫剤
適当な防虫剤はN,N−ジエチル−m−トルアミド、1,2−ペンタンジオールまたはエチルブチルアセチルアミノプロピオネートである。セルフ・タンニング剤としてはジヒドロキシアセトンが適している。メラニンの生成を防止し、脱色素剤に使用される、適当なチロシン阻害剤の例には、アルブチン、フェルラ酸、コウジ酸、クマル酸、アスコルビン酸(ビタミンC)が含まれる。
【0073】
口腔ケアおよびデンタルケア製品のための成分
アルブチン練り歯磨きまたは歯科用クリームは水、増粘剤、湿潤剤、光沢または研磨粒子、界面活性剤、甘味料、芳香物質、脱臭剤および口腔または歯科疾患に対する薬剤のゲル状またはペースト状の調製物をいうと一般的に理解される。本発明の練り歯磨きにおいて、全ての通常の研磨粒子、例えば、チョーク、リン酸二カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、ピロリン酸カルシウム、微粒子人工樹脂、ケイ酸、酸化アルミニウムおよび酸化アルミニウム三水和物などを使用しうる。
【0074】
本発明の練り歯磨きに適した好ましい研磨粒子は、主に、微粒子キセロゲルシリカ、シリカヒドロゲル、沈殿シリカ、酸化アルミニウム三水和物、微粒子α−酸化アルミニウムまたはこれらの研磨粒子の混合物であり前記練り歯磨きの15〜40重量%の量で含まれる。湿潤剤としては、主に、低分子量ポリエチレングリコール、グリセロール、ソルビトールまたはこれらの生成物の混合物が50重量%までの量で含まれることが適している。既知の増粘剤の中でも、増粘、微粒子シリカゲルおよび親水コロイド、例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルグアー、ヒドロキシエチルデンプン、ポリビニルピロリドン、高分子量ポリエチレングリコールなど、植物ゴム、例えば、トラガント、寒天、カラギーナンコケ、アラビアガム、キサンタンガムおよびカルボキシビニルポリマー(例えば、Carbopol(登録商標)製品)などが適している。メントフランおよびメントール化合物の混合物に加えて、口腔およびデンタルケア製品は特に界面活性剤、好ましくはアニオン性および非イオン性の高発泡性界面活性剤、例えば、前記した物質など、しかしながら、特には、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルポリグルコシド、およびそれらの混合物を含みうる。
【0075】
他の一般的な練り歯磨きの添加剤は、以下のとおりである:
・防腐性および抗菌性物質、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、エチルまたはプロピルエステル、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ブロモクロロフェン、フェニルサリチル酸エステル、チモールなど;
・抗歯石剤、具体的には、有機リン酸エステル、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ホスホノプロパン−1,2,3−トリカルボン酸など、その他の、例えば、米国特許第3,488,419号、独国特許出願公開第2224430号および独国特許出願公開第2343196号から知られる既知抗歯石剤など;
・他の虫歯予防物質、例えば、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズなど;
・甘味料、例えば、サッカリンナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、スクロース、ラクトース、マルトース、フルクトースまたはAspartame(登録商標)(L−アスパルチル−L−フェニルアラニン−メチルエステル)、ステビア抽出物、またはそれらの甘味成分、特に、レバウジオシドなど;
・追加の芳香剤、例えば、ユーカリ油、アニス油、ウイキョウ油、キャラウェイ油、酢酸メチル、桂皮アルデヒド、アネトール、バニリン、チモール、ならびにこれらと他の天然および合成芳香剤との混合物など;
・顔料、例えば、二酸化チタンなど;
・着色剤;
・緩衝物質、例えば、第一、第二または第三のアルカリ金属のリン酸塩またはクエン酸/クエン酸ナトリウムなど;
・創傷治癒および抗炎症性物質、例えば、アラントイン、尿素、アズレン、カモミール活性成分およびアセチルサリチル酸誘導体など。
【0076】
化粧品調製物の好ましい実施形態において、練り歯磨きは水溶性、ペースト状分散液の形態で、0.5〜2重量%の量のメントフランおよびメントール化合物の混合物と共に、研磨剤、湿潤剤、粘度調節剤および任意に他の通常の構成成分を含有する。
【0077】
マウスウォッシュにおいて、種々の濃度の精油を含む水性アルコール溶液、乳化剤、収れん剤と強壮性薬物抽出物、抗歯石剤、抗菌性添加剤および風味調整剤との組み合わせが充分可能である。本発明のさらに好ましい実施形態は、0.5〜2重量%の量のメントフランおよびメントール化合物の混合物を含有する水溶液または水性アルコール溶液の形態のマウスウォッシュである。使用前に希釈されたマウスウォッシュにおいて、対象となる希釈率に依存し、より高い濃度で満足のいく効果を得ることができる。
【0078】
ヒドロトロープ
さらに、流動性を改善するために、ヒドロトロープ、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、またはポリオールを用いてもよく;これらの物質は概して最初に記載した担体に対応する。この目的に適したポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子および2個以上のヒドロキシル基を有するであろう。また、前記ポリオールは他の官能基、特にはアミノ基を含みうるか、窒素で修飾されうる。典型的な例を以下に示す:
・グリセロール;
・アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および平均分子量100〜1,000ダルトンのポリエチレングリコールなど;
・自己縮合度1.5〜10の工業用オリゴグリセロール混合物、例えば、ジグリセロール含量40〜50重量%の工業用ジグリセロール混合物など;
・メチロール化合物、例えば、特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトールなど;
・低級アルキルグルコシド、特に、アルキル基において1〜8個の炭素を有するもの、例えば、メチルおよびブチルグルコシドなど;
・5〜12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えば、ソルビトールまたはマンニトールなど;
・5〜12個の炭素原子を有する糖、例えば、グルコースまたはスクロースなど;
・アミノ糖、例えば、グルカミンなど;
・ジアルコールアミン、例えば、ジエタノールアミンまたは2−アミノ−1,3−プロパンジオールなど。
【0079】
防腐剤
適切な防腐剤の例には、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸、ならびにSurfacine(登録商標)という商品名で販売されている銀複合体および化粧品規制の付録6、セクションAおよびBに記載された他の化合物クラスが含まれる。
【0080】
香油およびアロマ剤
香油としては、天然および合成香料の混合物を挙げることができる。天然香料は、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イラン−イラン)、茎および葉(ゲラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウエイシード、ジュニパーベリー)、果実の皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(メース、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスツス、アイリス、ショウブ)、樹木(パイン、サンダル、グアヤク、シーダー、ローズウッド)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針状物および枝(トウヒ、モミ、マツ、マウンテンパイン)、樹脂およびバルサム(ガルバナム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナクス)の抽出物である。さらに、動物原材料、例えば、ジャコウおよびカストリウムなどが適している。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型の香料化合物は、例えば、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p−tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルミエート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネートおよびベンジルサリシレートである。エーテルの例は、例えば、ベンジルエチルエーテルであり、アルデヒドの例は、例えば、8〜18個の炭素原子を有する直鎖状アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアールおよびブルゲオナールであり、ケトンの例は、例えば、イオノン、α−イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンであり、アルコールの例は、例えば、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールであり、炭化水素の例は、主としてテルペンおよびバルサムである。しかしながら、相違する香料の混合物を使用することが好適であり、これらは一緒になって心地よい香りを生じる。アロマ成分として主に使用される、低揮発性の精油は香油としても適しており、例えば、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、シナモンリーフ油、リンデンフラワー油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバナム油、ラボラナム油およびラバンジン油である。好ましくは、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアル、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシナモンアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレン・フォルテ(boisambrene forte)、アムブロキサン、インドール、ゲジオン(gedione)、サンデリカ(sandelice)、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロバータル、ラバンジン油、オニサルビア油、β−ダマスコン、ゼラニウム油ブルボン、シクロヘキシルサリシレート、ベルトフィックスクール(Vertofix coeur)、イソ−E−スーパー、フィキソライド(Fixolide) NP、エベルニル、イラルデイン・ガンマ(iraldein gamma)、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミラット(romilat)、イロチル(irotyl)およびフロラマット(floramat)を、個別にまたは混合物として使用する。
【0081】
適当な芳香剤には、ペパーミント油、スペアミント油、アニス油、スターアニス油、キャラウェイシード油、ユーカリ油、ウイキョウ油、レモン油、ウィンターグリーン油、丁子油、メントールなどが含まれる。
【0082】
着色剤
化粧品の目的に適し承認されている物質は、例えば、ドイツ学術協会の着色剤委員会(the Dye Commission of the German Research Association)の刊行物「Cosmetic Dyes」、Verlag Chemie,Weinheim,1984,pp.81−106に例えば列挙されている物質などを使用することができる。例としては、コチニール赤A(C.l.16255)、パテントブルーV(C.l.42051)インジゴチン(C.l.73015)、クロロフィリン(C.l.75810)、キノリンイエロー(C.l.47005)、二酸化チタン(C.l.77891)、インダスレンブルーRS(C.l.69800)およびアカネ(C.l.58000)である。発光着色剤としてルミノールも含まれうる。これらの着色剤は通常混合物全体に対して、0.001〜0.1重量%の濃度で使用される。
【0083】
助剤および添加剤の合計量は対象の薬剤に対して1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%としうる。前記製剤は標準的なコールド法またはホット法によって製造することができ、好ましくは相反転温度法が使用される。
【0084】
食品調製物
本発明の別の目的は、以下を含む、食品調製物に関する。
(a)式(I)のアミド、
(b)メントールおよび/または式(II)、(III)および/または(IV)のメントール化合物、ならびに
(c)食品目的で承認された担体。
前記担体は水、エタノールおよびグリセロールから成る群より選択しる。
前記食品調製物は、好ましくは飲料、乳製品、焼き菓子、特にチューインガムおよびキャンディーであろう。
【0085】
本発明の前記調製物は、成分(a)および(b)を0.1:99〜99.9:1、好ましく10:90〜90:10、より好ましくは25:75〜75:25、特に好ましくは40:60〜60:40の重量比で含みうる。成分(a+b)および(c)は、0.01:99.9〜2:98、好ましくは0.5:99.5〜1.5:98.5、特に好ましくは約1:99の重量比で含まれうる。最終製品中の成分(a+b)の合計含有量は、1〜5,000ppm、好ましくは10〜4,000ppm、特に好ましくは100〜1,000ppmの間の範囲にありうる。
【0086】
チューインガム
前記アミドとメントールまたは前記メントール化合物との混合物を香味物質として含む、好ましい食品調製物はチューインガムである。これらの製品は典型的には水不溶性成分および水溶性成分を含む。
【0087】
水不溶性基材
「ガム基材」とも呼ばれる水不溶性基材は、一般的に天然または合成のエラストマー、樹脂、油脂、軟化剤、充填剤、着色剤、および任意にワックスを含む。組成物全体に対する前記基材の量は、通常5〜95重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは20〜35重量%である。本発明の典型的な実施形態において、前記基材は20〜60重量%の合成エラストマー、0〜30重量%の天然エラストマー、5〜55重量%の軟化剤、4〜35重量%の充填剤から成り、増分量において添加物、例えば、着色剤、酸化防止剤などを含む(ただし、該当する場合これらは水に少量溶解する)。
【0088】
適当な合成エラストマーの例には、平均分子量(GPCによる)10,000〜100,000、好ましくは50,000〜80,000のポリイソブチレン、イソブチレン−イソプレンコポリマー(「ブチルエラストマー」)、スチレン−ブタジエンコポリマー(スチレン:ブタジエン比が例えば1:3〜3:1)、平均分子量(GPCによる)2,000〜90,000、好ましくは10,000〜65,000のポリ酢酸ビニル、ポリイソプレン、ポリエチレン、酢酸ビニル−ラウリン酸ビニルコポリマー、およびそれらの混合物が含まれる。適当な天然エラストマーの例は、ゴム、例えば、スモークされたまたは液状のラテックスまたはグアユールゴムなど、および天然ゴム、例えば、ジェルトン、レチカスピ(lechi caspi)、ペリロ、ソルバ、マッサランドババラタ、マッサランドバチョコレート、ニスペロ、ロジンジンバ、チクル、グッタハンカンなど、ならびにそれらの混合物である。合成および天然エラストマーならびにそれらの混合比の選択は、本質的には、チューインガムにより風船を作れるよう(「風船ガム」)にするか否かによる。好ましくは、ジェルトン、チクル、ソルバ、およびマッサランドバを含有するエラストマー混合物が用いられる。
【0089】
多くの場合において、エラストマーは、加工中に固すぎるか展性が不充分であることが判明するので、特別な軟化剤を含ませることが有利であることがわかっているが、当然、該軟化剤は食品添加物として承認に関する具体的な条件も全て満たしていなければならない。この点において、前記軟化剤は、主に、樹脂酸のエステルが好ましく、例えば、完全または部分的に水素化されたモノマーまたはオリゴマー樹脂酸と低級脂肪族アルコールまたはポリオールとのエステルである。特にメチル、グリセロまたはペンタエリトリトールエステル、およびそれらの混合物がこの目的のために使用される。あるいは、アルファ−ピネン、ベータ−ピネン、デルタ−リモネンまたはそれらの混合物から誘導されうるテルペン樹脂も適している。
【0090】
充填剤または調質剤として、炭酸マグネシウムまたは炭酸カルシウム、軽石粉、シリケート、特に、マグネシウムシリケートまたはアルミニウムシリケート、粘土、酸化アルミニウム、タルク、二酸化チタン、モノ−、ジ−およびトリリン酸カルシウム、およびセルロースポリマーが好適である。
【0091】
適当な乳化剤は獣脂、硬化獣脂、硬化または部分的硬化植物油、カカオ脂、部分グリセリド、レシチン、トリアセチンおよび6〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸、およびそれらの混合物である。
【0092】
例えば、適当な着色剤および漂白剤はFDおよびC型で、食品着色剤として使用が承認された植物および果物の抽出物、および二酸化チタンである。
【0093】
基材組成物はワックスを含んでいてもよいしワックスを含まなくてもよく、ワックスを含まない組成物の例としては、とりわけ米国特許第5,286,500号明細書に見出すことができ、前記明細書の内容は参照され本明細書に援用される。
【0094】
水溶性成分
前記水不溶性ガム基材に加えて、チューインガム調製物は、通常、例えば、軟化剤、甘味料、充填剤、香味物質、風味増強剤、乳化剤、着色剤、酸性化剤、抗酸化剤などから成る水溶性成分を含有するが、この場合、該成分は少なくとも充分な水溶解性を示す。従って、特定の成分の水溶解性に依存して、個々の成分は水不溶性相か水溶性相のいずれかの部分に存在しうる。しかしながら、例えば、水溶性および水不溶性の乳化剤の組合せを用いてもよく、その場合、個々の成分は異なる相に存在する。水不溶性部分は、通常、組成物の5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%を構成する。
【0095】
水溶性軟化剤または可塑剤がチューインガム組成物に添加され、咀嚼性および咀嚼感覚が改善され、典型的には0.5〜15重量%の量で混合物中に存在する。典型的な例としては、グリセロール、レシチン、およびソルビトール水溶液、水素化デンプン加水分解物またはコーンシロップである。
【0096】
甘味料として、糖含有化合物および糖を含まない化合物のいずれも好適であり、これをチューインガム組成物に対して5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは30〜60重量%の量で使用する。典型的な糖類甘味料は、スクロース、デキストロース、マルトース、デキストリン、乾燥転化糖、フルクトース、果糖、ガラクトース、コーンシロップならびにそれらの混合物である。適当な代替糖はソルビトール、マンニトール、キシリトール、水素化デンプン加水分解物、マルチトールならびにそれらの混合物である。さらに、添加剤として、いわゆるHIAS(「高甘味度人工甘味料」)と呼ばれる甘味料、例えば、個別にまたは混合物中での、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファム塩、アリタム(alitam)、サッカリンおよびサッカリン塩、シクラミン酸およびその塩、グリチルリシン、ジヒドロカルコン、タウマチン、モネリンなどが好適である。国際公開第2002/091849号(Wrigleys)の主題である、疎水性HIAS、ならびにステビア抽出物およびその活性成分、特にレバウジオシドAが特に効果的である。これらの物質が用いられる量は主にその甘味度に依存し、通常は0.02〜8重量%の範囲である。
【0097】
低カロリーチューインガムの製造に特に適しているのは充填剤、例えば、ポリデキストロース、ラフチロース(raftilose)、ラフチリン(raftilin)、フルクトオリゴ糖(NutraFlora)、パラチノースオリゴ糖、グアールガム加水分解物(Sun Fiber)およびデキストリンなどである。
【0098】
追加的な香味物質の選択は、実質的には制限されず、本発明の本質に関わる重大なことではない。通常、全香味物質の総量はチューインガム組成物に対して0.1〜15重量%、好ましくは0.2〜5重量%である。他の適当な香味物質の例には、エッセンシャルオイル、合成香味物質など、例えば、口腔ケア製品およびデンタルケア製品において使用されるような、例えば、アニス油、スターアニス油、キャラウェーシード油、ユーカリ油、ウイキョウ油、レモン油、ウィンターグリーン油、丁子油などが含まれる。
【0099】
さらに、チューインガムは例えばデンタルケア用、特にはプラークおよび歯肉炎と闘うのに適した助剤および添加剤、例えば、クロルヘキシジン、CPCまたはトリクロサンなどを含みうる。pH調整剤(例えば、緩衝液または尿素)、抗虫歯剤(例えば、リン酸塩またはフッ化物)および生物起源剤(抗体、酵素、カフェイン、植物抽出物)も含まれうるが、これらの物質は食品用途において承認され、不都合に相互作用を互いに生じないことを条件とする。
【0100】
カプセル
特定のアミドおよびメントールまたはメントール化合物の前記調製物は、個別にまたは完成し、製造された化粧品、医薬品および食品調製物において、カプセル形態で調製しうる。ゼラチンに基づく通常のマクロカプセルに加え、マイクロカプセルまたはナノカプセルと呼ばれる類型が適している。これらは少なくとも1つの連続した外殻中に囲まれた少なくとも1つの固体または液体核を含む、約0.0001〜約5mm、好ましくは0.005〜0.5mmの範囲の直径を有する球状凝集体を含むと当業者には理解される。より正確には、これらはフィルム形成ポリマーで囲まれ微細分散された液相または固相であり、前記ポリマーは、その製造中、乳化および液滴形成または界面重合後に囲む物質上に堆積する。別の方法によれば、溶融ワックスをマトリクス(「マイクロスポンジ」)中に吸収させ、これらのワックスをマイクロ粒子としてフィルム形成ポリマー中にさらに囲みうる。第3の方法によれば、可変電荷を有する高分子電解質で粒子を交互に被覆する(レイヤバイレイヤ(layer−by−layer)法)。微視的に小さいカプセルを粉体として乾燥することができる。シングルコアマイクロカプセルに加えて、マイクロスフェアとも呼ばれる、マルチコア凝集体が知られており、これは連続した外殻物質内に分散する2つ以上の核を含む。シングルコアまたはマルチコアマイクロカプセルも追加的に第2、第3などの外殻で囲まれていてもよい。外殻は天然、半合成または合成物質からなっていてもよい。天然の外殻物質の例は、アラビアガム、寒天、アガロース、マルトデキストリン、アルギン酸またはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムまたはアルギン酸カルシウム、脂肪および脂肪酸、セチルアルコール、コラーゲン、キトサン、レシチン、ゼラチン、アルブミン、シェラック、多糖類、例えば、デンプンまたはデキストランなど、ポリペプチド、タンパク質加水分解物、スクロースおよびワックスである。半合成の外殻物質には、化学修飾したセルロース、特にはセルロースエステルおよびエーテル、例えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース、およびデンプン誘導体、特にはデンプンエーテルおよびエステルが含まれる。合成の外殻物質は、具体的には、ポリマー、例えば、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリビニルアルコールまたはポリビニルピロリドンなどである。既知のマイクロカプセルの例は、以下の市販製品である(各外殻物質を括弧内に示す):Hallcrest Microcapsules(ゼラチン、アラビアガム)、Coletica Thalaspheres(海洋性コラーゲン)、Lipotec Millicapseln(アルギン酸、寒天)、Induchem Unispheres(ラクトース、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース);Unicerin C30(ラクトース、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、Kobo Glycospheres(変性デンプン、脂肪酸エステル、リン脂質)、Softspheres(変性寒天)およびKuhs Probiol Nanospheres(リン脂質)、ならびにPrimaspheresおよびPrimasponges(キトサン、アルギネート)およびPrimasys(リン脂質)。化粧品用途の調製物のカプセル化に関して特に興味深いものは、アニオン性ポリマー、特にアルギネートとの、カチオン性ポリマー、特にキトサンのコアセルベートである。対応する製造方法は、例えば、以下の文献、国際公開第2001/001926号、国際公開第2001/001927号、国際公開第2001/001928号および国際公開第2001/001929号(Cognis)に記載されている。
【0101】
ゲル形成剤
マイクロカプセルはしばしばゲル相に溶解されるか分散される薬剤である。ゲル形成剤として好ましいのは、40℃より高い温度で水溶液中においてゲルを形成する特性を示す物質である。これらゲル形成剤の典型的な例は、ヘテロ多糖類およびタンパク質である。好ましい熱ゲル化ヘテロ多糖類はアガロースであり、アガロースは紅藻類からえられる寒天の形態で30重量%までの非ゲル形成アガロペクチンと共に存在しうる。アガロースの主成分はD−ガラクトースおよび3,6−アンヒドロ−L−ガラクトースの直鎖状多糖類であり、これらガラクトースはβ−1,3およびβ−1,4で交互に結合する。前記ヘテロ多糖類は、好ましくは110,000〜160,000の範囲の分子量を有し、無味かつ無臭である。適当な代替物はペクチン、キサンタン(キサンタンガムを含む)およびそれらの混合物である。さらに、好ましい類型は、1重量%の水溶液でもゲルを形成するものであり、80℃未満で溶解せず40℃より高温では再凝固しない。熱ゲル化タンパク質の群の例は種々の型のゼラチンである。
【0102】
カチオン性ポリマー
適当なカチオン性ポリマーには、カチオン性セルロース誘導体、例えば、AmercholよりPolymer JR 400(登録商標)の商品名で入手できる第四級化ヒドロキシエチルセルロースなど、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドとのコポリマー、第四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えば、Luviquat(登録商標)(BASF)など、ポリグリコールとアミンとの縮合生成物、第四級化コラーゲンポリペプチド、例えば、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標)L/Gruenau)など、第四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えば、アモジメチコンなど、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンとのコポリマー(Cartaretine(登録商標)/Sandoz)、アクリル酸のジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー(Merquat(登録商標)550/Chemviron)、ポリアミノポリアミド、およびその架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば、任意に微結晶分散形態の、第四級化キトサンなど、ジハロゲンアルキレン、例えば、ジブロモブタンなどのビスジアルキルアミン、例えば、ビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパンなどとの縮合生成物、カチオン性グアーガム、例えば、Celanese製のJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17、Jaguar(登録商標)C−16など、および第四級化アンモニウム塩ポリマー、例えば、Miranol製のMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ−1などが含まれる。好ましくは、キトサンをカプセル化物質として使用する。キトサンはバイオポリマーを構成し親水コロイドの群に属する。化学的には、これらキトサンは以下の理想的なモノマー単位を含む異なる分子量の部分脱アセチル化キチンである。
【化32】
【0103】
生物学的pH値の範囲で負に帯電する、多くの親水コロイドとは対照的に、キトサンはこれらの条件下でカチオン性バイオポリマーである。正に帯電したキトサンは相対する電荷に帯電している表面と相互作用しうるので、化粧用ヘアケア製品およびボディケア製品、および医薬品調製物において使用される。キトサン製造の出発物質はキチン、好ましくは、安価な原材料として大量に入手可能な、甲殻類の残った殻に由来するキチンである。この場合、Hackmannらによって初めて開示された方法において、通常、まずキチンに塩基を添加して除タンパク化し、次いで鉱酸を添加して脱塩化し、最後に強塩基を添加して脱アシル化し、分子量は広範囲に広がりうる。使用する類型は好ましくは10,000〜500,000ダルトンまたは800,000〜1,200,000ダルトンの平均分子量および/または5,000mPas未満のブルックフィールド粘度(1重量%中のグリコール酸)、80〜88%の脱アセチル化度および0.3重量%未満の灰分を有するであろう。通常、水溶性を向上させるために、キトサンはその塩の形態、好ましくはグリコール酸塩の形態で使用される。
【0104】
アニオン性ポリマー
アニオン性ポリマーの用途は、カチオン性ポリマーと膜を形成することである。この用途には、アルギン酸の塩が特に適している。アルギン酸は以下の理想的なモノマー単位を有するカルボキシル基含有多糖類の混合物である。
【化33】
【0105】
アルギン酸またはアルギン酸塩の平均分子量は150,000〜250,000の範囲内にある。この場合、アルギン酸の塩はその完全および部分的中和生成物の両方、特にアルカリ塩として理解され、これらの中で、好ましいのはアルギン酸ナトリウム(「アルギン」)、ならびにアンモニウム塩およびアルカリ土類塩である。特に好ましいのは混合アルギン酸塩、例えば、アルギン酸ナトリウム/マグネシウムまたはアルギン酸ナトリウム/カルシウムなどである。しかしながら、本発明の別の実施態様において、アニオン性キトサン誘導体、例えば、カルボキシル化生成物など、特にサクシニル化生成物もこの用途に適している。あるいは、5,000〜50,000ダルトンの範囲の平均分子量を有するポリ(メタ)アクリレート、および種々のカルボキシメチルセルロースも適している。アニオン性ポリマーに代えて、アニオン性界面活性剤または低分子量無機塩、例えば、ピロリン酸塩などを外殻膜の形成に使用してもよい。
【0106】
カプセル化
マイクロカプセルを製造するために、ゲル形成剤、好ましくは寒天の1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%の水溶液を通常選択し、還流下で加熱する。前記溶液を、好ましくは80〜100℃で、沸騰させ、0.1〜2重量%、好ましくは0.25〜0.5重量%の量のカチオン性ポリマー、好ましくはキトサンと0.1〜25重量%、好ましくは0.25〜10重量%の量の活性成分を含む第2の水溶液を添加する;この混合物をマトリクスと呼ぶ。マイクロカプセルの活性物質負荷量はカプセルの重量に対して0.1〜25重量%であってもよい。所望すれば、水不溶性成分、例えば、無機顔料などをこの段階で添加して粘度を調整してもよく、通常、水性または水性/アルコール性分散液の形態で添加してもよい。さらに、活性物質を乳化または分散するために、乳化剤および/または可溶化剤をマトリクスに添加することが有利でありうる。マトリスクをゲル形成剤、カチオン性ポリマーおよび活性成分から製造した後、その後のカプセル化工程において最小粒子を製造するために、任意に、強剪断によりマトリクスを油相中に非常に微細に分散させうる。この場合、マトリクスを40〜60℃の範囲の温度に加熱し、一方で油相を10〜20℃に冷却することが特に有利であることがわかっている。必須の、最終工程において、実際のカプセル化、すなわちマトリクス中のカチオン性ポリマーをアニオン性ポリマーと接触させることによって外殻膜の形成が行われる。このために、任意に油相中に分散させた、マトリクスを、40〜100℃、好ましくは50〜60℃の範囲の温度で、約1〜50重量%、好ましくは10〜15重量%のアニオン性ポリマー水溶液で処理し、この工程において、要すれば、同時または後に前記油相を除去することが推奨される。通常、この工程からえられた水性調製物は、1〜10重量%の範囲のマイクロカプセル含量を示す。多くの場合、ポリマー溶液が他の成分、例えば、乳化剤または防腐剤を含んでいれば有利でありうる。ろ過後、好ましくは約0.01〜1mmの範囲の平均径を示すマイクロカプセルがえられる。確実に粒径分布を可能な限り均一にするためにカプセルを篩過することが推奨される。このような方法でえられたマイクロカプセルは、製造に関する制限の範囲内で、所望のいかなる形態も示しうるが、ほぼ球状が好ましい。あるいは、アニオン性ポリマーをマトリクスの製造に使用してもよく、カプセル化をカチオン性ポリマー、特にキトサンを用いて行ってもよい。
【0107】
別法として、カプセル化をカチオン性ポリマーのみを用いて行ってもよく、その場合、pKs値を超えるpH値で凝固するこれらのポリマーの特性が利用される。
【0108】
本発明のマイクロカプセルを製造するための、第2の別工程において、油成分、水および活性成分に加え、有効量の乳化剤も含有するO/Wエマルジョンを最初に製造する。マトリクスを製造するために、この組成物を対応する量のアニオン性ポリマー水溶液と激しく撹拌しながら混合する。膜形成はキトサン溶液の添加により行われる。全体の工程は好ましくはpH=3〜4の弱酸性範囲で行われる。要すれば、鉱酸を添加することによりpHを調整できる。膜形成後、例えば、トリエタノールアミンまたは他の塩基を添加することによりpH値を5〜6に上げる。これにより粘度上昇が起こり、これは、追加の増粘剤、例えば、多糖類など、特にはキサンタンガム、グアーグアー、寒天、アルギン酸塩およびチロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、脂肪酸の高分子量ポリエチレングリコールモノ−およびジエステル、ポリアクリレートおよびポリアクリルアミドなどを添加することによりさらに補うことができる。最後に、例えば、デカンテーション、ろ過または遠心分離によって、水相からマイクロカプセルを分離する。
【0109】
第3の別工程において、マイクロカプセルの形成は、好ましくは固体、例えば、結晶質の核の周囲で、逆帯電した高分子電解質によりレイヤバイレイヤで囲まれた核を用いて行われる。これに関して、欧州特許第1064088号(Max−Planck Gesellschaft)が参照される。
【0110】
調製物の適用
最後に、本発明は化粧品調製物、医薬品調製物、および食品調製物の製造のための、混合物の適用にも関し、該混合物は
(a)式(I)のアミド、 および
(b)メントールおよび/または式(II)、(III)および/または(IV)のメントール化合物
を含み、
最終製品中の前記成分(a+b)の合計含有量は好ましくは1〜5,000ppm、より好ましくは10〜4,000ppm、特に好ましくは100〜1,000ppmである。
【実施例】
【0111】
実施例1〜7、比較例V1〜V4
20重量%のポリイソブチレン(MW60,000)、51重量%のソルビトール、5重量%のマンニトール、8重量%のグリセロール、8.2重量%のリカシン(Lycasin)とグリセロールの1:1の混合物、0.2重量%のレシチン(水添加99.5重量%)から成るチューインガム組成物を調製し、様々な冷却剤の各々0.5重量%と混合した。次いで、前記チューインガム組成物について、5人の訓練された人から成るパネルにより1(ほとんど気付かない)から10(顕著)までの尺度で官能評価を行った。冷却剤の組成物を、個々の味覚と香りの格付けの評価(各々の場合における評価の平均値が示される)と共に表1に要約する。実施例1〜7は本発明に従い、例V1〜V4は比較のために共に示す。
【表1】
【0112】
官能評価では、本発明の全ての調製品は、比較品よりも明確に優れた結果を示し、特に、前記調製品は苦味よりも甘味を感じ、タール風味はほぼ完全にマスキングされ、不快な辛い刺激臭は明確に減少した。
【0113】
実施例8〜14、比較例V5〜V8
様々な透明O/W日焼け止め乳液を表2に記載した成分を混合することにより、PIT法に従って調製した。
【0114】
【表2】
【0115】
日焼け止めローションは冷却剤に関してのみ異なり、ある場合は独立して様々なメンチル化合物と2−(2−イソプロピル−5−メチルフェノキシ)−N−(1H−ピラゾール−3−イル)−N−(チオフェン−2−イル)−メチルアセトアミド(構造A86)との(1:1の)混合物であった。
【0116】
調製後、前記ローションを透明なPETボトルに入れ30℃で保存した。その後、前記ローションについて、12、24および48時間後の外観を評価した。この例において、(+)=変化なし、(#)=小さな液滴の形成、(−)=わずかに黄色がかった変色を伴った、表面上の油滴の析出を意味する。結果を表3に要約する。実施例8〜14は本発明に従い、例V5〜V8は再度比較のために共に示す。本発明の調製物は明確に改善された安定性を示す。
【0117】
【表3】
【0118】
以下の表に化粧品調製物、医薬品調製物および食品調製物に関する多数の調製例を示す。
【0119】
【表4】
(1−4)ヘアリンス、(5−6)ヘアトリートメント剤、(7−8)シャワー入浴剤、(9)シャワーゲル、(10)洗浄ローション
【0120】
【表5】
(11−14)シャワー浴「2イン1」、(15−20)シャンプー
【0121】
【表6】
(21−25)フォーム浴、(26)柔軟クリーム、(27、28)保湿乳液、(29、30)ナイトクリーム
【0122】
【表7】
(31)W/O日焼け止めクリーム、(32−34)W/O日焼け止めローション、(35、38、40)O/W日焼け止めローション、(36、37、39)O/W日焼け止めクリーム
【0123】
実施例15〜19、比較例V9〜V11
アパタイト安定性における低下を解明するために、盲検試験を最初に行った。このために、300mlの脱塩水の入った反応容器の温度を37℃に制御し、0.5gのヒドロキシアパタイト粉末(規格 表面積60m
2/g、Merck)を前記容器中で懸濁した。懸濁液のpH値は乳酸を添加するために用いられる自動ビュレットを利用して一定値の5に維持した。pHを安定化させるために消費された0.1モルの乳酸の量は記録装置を用いて記録した。2時間後に記録した乳酸の消費は処理していないヒドロキシアパタイト粉末の溶解度(L
u)と同等であった。
【0124】
次いで、50mgまたは150mgの試験を行う活性成分混合物を添加して試験を続けた。2時間後に記録した乳酸の消費は処理したヒドロキシアパタイト粉末の溶解度(L
b)と同等であった。前記活性成分によってもたらされたアパタイト溶解度における低下(%中のALR)を以下のように算出した。
ALR(%)=(L
u−L
b)
*100/L
u(%)
測定の結果を表8に要約する。
【0125】
ヒドロキシアパタイトによる結晶成長の抑制(%中のKWI)を解明するために、さらに盲検試験を最初に行った。このために、400mlの0.0008モルのKH
2P0
4溶液および45mlの0.012モルのCaCl
2溶液の入った反応容器を準備した。この溶液を0.05モルのKOH溶液で滴定することによりpHを7.4に調整した。安定なpH値を30分以上維持した後、100mgのヒドロキシアパタイト粉末(規格 表面積60m
2/g、Merck)を添加した。懸濁液のpH値は0.05モルのKOH溶液を添加するために用いることができる自動ビュレットを利用して一定値の7.4で維持した。pHを安定化させるために消費された0.05モルのKOH溶液の量は記録装置を用いて記録した。2時間後に記録したKOH溶液の消費(K
u)はヒドロキシアパタイトの形成(懸濁液中の結晶の成長)と同等であった。
【0126】
次いで、6mgまたは30mgの試験を行う活性成分を添加して試験を続けた。2時間後に記録した0.05モルのKOH溶液の消費(K
b)は前記活性成分の影響下でヒドロキシアパタイトの形成(懸濁液中の結晶の成長)と同等であった。前記活性成分による結晶成長の抑制を以下のように算出した。
KWI(%)=(K
u−K
b)
*100/K
u(%)
測定の結果を表8に要約する。
【0127】
【表8】
【0128】
実施例15〜19により、本発明に従った調製物は個々の成分と比較してより高いアパタイト溶解度およびより強力なアパタイト結晶成長抑制を明確に示したことが示される。このような混合物を含有する口腔ケア製品および歯磨きは歯石形成に対する優れた有効性により特徴付けられる。
【0129】
以下の表9および10に歯磨きおよびマウスウォッシュ用の多数の製剤例を示す。
【表9】
【表10】
構造A124:N−フェニル−N−(チオフェン−2−イルメチル)−2−(m−トリルオキシ)アセトアミド
【0130】
最後に、表11に歯磨き組成物の多数の例示的製剤を要約する。
【0131】
【表11】
構造A157:N−(ピリジン−2−イル)−N−(チオフェン−2−イルメチル)−3−p−トリルプロパンアミド