特許第6882170号(P6882170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6882170フッ素フリーの耐汚性、耐染色性コーティング、および材料上に適用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882170
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】フッ素フリーの耐汚性、耐染色性コーティング、および材料上に適用する方法
(51)【国際特許分類】
   D06M 13/513 20060101AFI20210524BHJP
   D06M 13/507 20060101ALI20210524BHJP
   D06M 15/643 20060101ALI20210524BHJP
   C09D 5/16 20060101ALI20210524BHJP
   C09D 183/02 20060101ALI20210524BHJP
   C09D 183/04 20060101ALI20210524BHJP
   C09D 185/00 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   D06M13/513ZAB
   D06M13/507
   D06M15/643
   C09D5/16
   C09D183/02
   C09D183/04
   C09D185/00
【請求項の数】35
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2017-525910(P2017-525910)
(86)(22)【出願日】2015年11月12日
(65)【公表番号】特表2017-535687(P2017-535687A)
(43)【公表日】2017年11月30日
(86)【国際出願番号】US2015060328
(87)【国際公開番号】WO2016077550
(87)【国際公開日】20160519
【審査請求日】2018年9月11日
(31)【優先権主張番号】62/078,564
(32)【優先日】2014年11月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511248249
【氏名又は名称】ユニバーシティー オブ ヒューストン システム
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100098590
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100173635
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 樹里
(72)【発明者】
【氏名】カラン,シェーマス
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,カン−シャン
(72)【発明者】
【氏名】アリー,ナイジェル
(72)【発明者】
【氏名】ハルダー,アムリタ
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,アレクサンダー
【審査官】 橋本 有佳
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−503989(JP,A)
【文献】 特開2006−183230(JP,A)
【文献】 特開2000−186250(JP,A)
【文献】 特開2004−035313(JP,A)
【文献】 特開2010−254734(JP,A)
【文献】 特開平09−157277(JP,A)
【文献】 特表2011−526835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06M13/00−15/715
A47G27/00−27/06
B05D1/00−7/26
C09D1/00−10/00
101/00−201/10
C09K3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テキスタイルまたは可撓性材料である、コーティングされるべき基材を選択するステップ;
水、酸、水を含まない第1の溶媒、ベース化学試薬、可塑剤および結合剤を少なくとも混合することによって、フッ素フリーの複合溶液を調製するステップ;
複合溶液を利用して、基材をコーティングするステップ;
基材を乾燥または硬化することで基材上に複合コーティングを形成させるステップであって、乾燥または硬化後の複合溶液の重合度が100以下であるステップ;ならびに
フッ素フリーである疎水性溶液で基材をコーティングして、耐汚性または耐染色性を改善するフッ素フリーの複合コーティングを得るステップ、ここで、疎水性溶液は、疎水性化学剤および第3の溶媒を含む;
を含む、耐汚性または耐染色性の改善のために基材を処理する方法であって、
ベース化学試薬が、M(OR)
[式中、M=Si、Ti、SnまたはZrであり、Rは、水素、置換または非置換アルキルを含む]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、
可塑剤が、M(OR)4−xR’
[M=Si、SnまたはTiであり、xは整数1、2または3である]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rが水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R’が置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含み、
結合剤が、M(OR)R’R’’
[M=Si、SnまたはTiであり、xは整数1、2または3であり、yは整数0、1または2であり、zは整数1、2または3であるが、x、yおよびzの和は4に等しい]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R’’は置換もしくは非置換エポキシまたはグリシドキシを含む、上記方法。
【請求項2】
複合溶液が、水3〜8vol.%、第1の溶媒20〜30vol.%、ベース化学試薬40〜60vol.%、可塑剤15〜20vol.%、および結合剤5〜10vol.%を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複合溶液をさらに第2の溶媒で5vol.%以上60vol.%以下の最終濃度に希釈するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
複合溶液が、pHが5以下である酸性条件下で調製される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
調製ステップが、50〜100℃の範囲の昇温で複合溶液を撹拌することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
昇温での撹拌が、1/2時間から12時間の間実施される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
基材上に形成された組成物コーティングが、コーティング前の基材の感触および質感を変化させない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1の溶媒が、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、グリセロールアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
複合溶液が、UV吸収または遮断、反射防止、抗摩耗、難燃、伝導、抗微生物、抗細菌、抗真菌または色素沈着の特性を提供する機能性添加剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
疎水性化学剤が、アルキルシラン[CH(CHSiRであり;式中、Xは、Cl、Br、Iまたは他の適当な有機脱離基を含み、Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含み、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
第3の溶媒が、トルエン、ベンゼン、キシレン、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、n−プロピルブロミド、ジエチルエーテル、アセトン、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、石油エーテルまたは石油炭化水素から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
アルキルシランが、クロロシラン、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、クロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジクロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェネチルシラン、ジクロロメチルフェネチルシラン、トリクロロフェネチルシラン、クロロジメチルオクチルシラン、ジクロロメチルオクチルシラン、トリクロロオクチルシラン、クロロジメチルドデシルシラン、ジクロロメチルドデシルシラン、トリクロロドデシルシラン、クロロデシルジメチルシラン、ジクロロデシルメチルシラン、トリクロロデシルシラン、クロロジメチルオクタデシルシラン、ジクロロメチルオクタデシルシラン、トリクロロオクタデシルシラン、クロロジメチルヘキシルシラン、ジクロロメチルヘキシルシラン、トリクロロヘキシルシラン、アリルジクロロメチルシラン、アリルクロロジメチルシラン、(シクロヘキシルメチル)クロロジメチルシラン、(シクロヘキシルメチル)ジクロロメチルシラン、または(シクロヘキシルメチル)トリクロロシランから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
疎水性化学剤が、アルコキシアルキルシラン[CH(CHSiR[アルコキシ]であり;式中、[アルコキシ]はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシまたはその組合せを含み;Rは置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含み、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第3の溶媒が、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラクロロエチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたは水から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
アルコキシアルキルシランが、トリメトキシイソブチルシラン、トリエトキシイソブチルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジエトキシジイソブチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、トリメトキシ(ヘキシル)シラン、トリエトキシ(ヘキシル)シラン、トリプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリメトキシ(オクチル)シラン、トリエトキシ(オクチル)シラン、トリプロポキシ(オクチル)シラン、トリイソプロポキシ(オクチル)シラン、トリメトキシ(デシル)シラン、トリエトキシ(デシル)シラン、トリプロポキシ(デシル)シラン、トリイソプロポキシ(デシル)シラン、トリメトキシ(ドデシル)シラン、トリエトキシ(ドデシル)シラン、トリプロポキシ(ドデシル)シラン、またはトリイソプロポキシ(ドデシル)シランから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
疎水性溶液が、疎水性化学剤および第3の溶媒を混合および加熱することによって調製される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
疎水性化学剤および第3の溶媒を混合および加熱することが、1以下のpHの酸性環境において起こる、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
疎水性化学剤および第3の溶媒を混合および加熱することが、50℃以上100℃以下の昇温で起こる、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
疎水性化学剤および第3の溶媒を混合および加熱することが、1時間以上7日間以下の間で起こる、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
フッ素フリーである第1段階溶液とフッ素フリーである疎水性溶液を含んでなる、基材の耐汚性または耐染色性を改善するための、フッ素フリーの2段階溶液であって、
第1段階溶液が、水、酸、水を含まない第1の溶媒、ベース化学試薬、可塑剤、および、結合剤を含み、第1段階溶液は、テキスタイルまたは可撓性材料である基材をコーティングするために利用されるものであり、乾燥または硬化後の第1段階溶液の重合度が100以下であり、
疎水性溶液が、疎水性化学剤、および、第2の溶媒を含み、疎水性溶液は、第1段階溶液を利用した後に基材上に被着するものであり、
乾燥または硬化後に、第1段階溶液および疎水性溶液から、耐汚性または耐染色性を改善するフッ素フリーの複合コーティングが形成され、
ベース化学試薬が、M(OR)
[式中、M=Si、Ti、SnまたはZrであり、Rは、水素、置換または非置換アルキルを含む]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、
可塑剤が、M(OR)4−xR’
[M=Si、SnまたはTiであり、xは1、2または3の整数である]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rが水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R’が置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含み、
結合剤が、M(OR)R’R’’
[M=Si、SnまたはTiであり、xは1、2または3の整数であり、yは0、1または2の整数であり、zは1、2または3の整数であるが、x、yおよびzの和は4に等しい]
の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R’’は置換もしくは非置換エポキシまたはグリシドキシを含む、上記溶液。
【請求項21】
第1段階溶液が、水3〜8vol.%、第1の溶媒20〜30vol.%、ベース化学試薬40〜60vol.%、可塑剤15〜20vol.%、および結合剤5〜10vol.%を含む、請求項20に記載の2段階溶液。
【請求項22】
第1段階溶液が、第3の溶媒で5vol.%以上60vol.%以下の最終濃度にさらに希釈される、請求項21に記載の2段階溶液。
【請求項23】
第1段階溶液が、昇温で1/2時間から12時間の間撹拌される、請求項22に記載の2段階溶液。
【請求項24】
第1段階溶液が、pHが5以下である酸性条件下で調製される、請求項23に記載の2段階溶液。
【請求項25】
第1段階溶液が、50〜100℃の範囲の昇温で撹拌しながら調製される、請求項24に記載の2段階溶液。
【請求項26】
2段階溶液で形成されたコーティングが、コーティング前の基材の感触および質感を変化させない、請求項20に記載の2段階溶液。
【請求項27】
第1の溶媒が、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、グリセロールアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはその混合物から選択される、請求項20に記載の2段階溶液。
【請求項28】
疎水性溶液が、疎水性化学剤および第2の溶媒を混合および加熱することによって調製される、請求項20に記載の2段階溶液。
【請求項29】
疎水性化学剤および第2の溶媒を混合および加熱することが、1以下のpHの酸性環境において起こる、請求項20に記載の2段階溶液。
【請求項30】
疎水性化学剤および第2の溶媒を混合および加熱することが、50℃以上100℃以下の昇温で起こる、請求項20に記載の2段階溶液。
【請求項31】
疎水性化学剤および第2の溶媒を混合および加熱することが、1時間以上7日間以下の間で起こる、請求項20に記載の2段階溶液。
【請求項32】
疎水性化学剤が、アルキルシラン[CH(CHSiRであり;式中、XはCl、Br、Iまたは他の適当な有機脱離基を含み、Rは置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含み、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする、請求項20に記載の2段階溶液。
【請求項33】
アルキルシランが、クロロシラン、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、クロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジクロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェネチルシラン、ジクロロメチルフェネチルシラン、トリクロロフェネチルシラン、クロロジメチルオクチルシラン、ジクロロメチルオクチルシラン、トリクロロオクチルシラン、クロロジメチルドデシルシラン、ジクロロメチルドデシルシラン、トリクロロドデシルシラン、クロロデシルジメチルシラン、ジクロロデシルメチルシラン、トリクロロデシルシラン、クロロジメチルオクタデシルシラン、ジクロロメチルオクタデシルシラン、トリクロロオクタデシルシラン、クロロジメチルヘキシルシラン、ジクロロメチルヘキシルシラン、トリクロロヘキシルシラン、アリルジクロロメチルシラン、アリルクロロジメチルシラン、(シクロヘキシルメチル)クロロジメチルシラン、(シクロヘキシルメチル)ジクロロメチルシラン、または(シクロヘキシルメチル)トリクロロシランから選択される、請求項32に記載の2段階溶液。
【請求項34】
疎水性化学剤が、アルコキシアルキルシラン[CH(CHSiR[アルコキシ]dであり;式中、[アルコキシ]は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシまたはその組合せを含み;Rは置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含み、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする、請求項20に記載の2段階溶液。
【請求項35】
アルコキシアルキルシランが、トリメトキシイソブチルシラン、トリエトキシイソブチルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジエトキシジイソブチルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、トリメトキシ(ヘキシル)シラン、トリエトキシ(ヘキシル)シラン、トリプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリメトキシ(オクチル)シラン、トリエトキシ(オクチル)シラン、トリプロポキシ(オクチル)シラン、トリイソプロポキシ(オクチル)シラン、トリメトキシ(デシル)シラン、トリエトキシ(デシル)シラン、トリプロポキシ(デシル)シラン、トリイソプロポキシ(デシル)シラン、トリメトキシ(ドデシル)シラン、トリエトキシ(ドデシル)シラン、トリプロポキシ(ドデシル)シラン、またはトリイソプロポキシ(ドデシル)シランから選択される、請求項34に記載の2段階溶液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[0001]この出願は、2014年11月12日に出願された米国仮特許出願第62/078,564号の利益を主張し、これを参照により本明細書に組み込む。
【0002】
[0001]本発明は、フッ素フリーの組成物コーティング、ならびに耐汚性、耐染色性、および微粒子を除去する簡便さを改善するために、こうしたコーティングでテキスタイル繊維または他の可撓性材料を処理することに関する。本発明は、撥水性、撥油性、染色低減および/または染色除去を付与するために、こうしたコーティングでテキスタイル材料を処理することにも関する。
【背景技術】
【0003】
[0002]耐染色性および耐汚性/撥性特性は、非常に望ましい。これは、カーペット、ラグ、カーマット、生地および内装材などのテキスタイル物品について殊に当てはまる。現在、合衆国で生産される全てのカーペットのおよそ75%およびヨーロッパで生産される全てのカーペットのおよそ50%は、ナイロン繊維から作製される。ナイロンならびに他のポリアミド繊維および生地は、天然および人工的染料および色素、例えば、コーヒー、マスタード、ワインおよびソフトドリンクに見出されるものによって簡単に染色または汚される。一般に、表面の疎水性および関連の耐染色特性、耐汚特性および耐水特性の増強は、フッ素原子の存在により付与される。これは典型的に、材料のC−H結合がC−F結合によって置換されているまたは置き換えられる場合に例証される。テキスタイルのコーティングの開発および設計は、関係した環境および健康リスクにより、フッ素原子を含有する化学組成物の組込みおよび使用から遠く推移している。これらのリスクは2倍である:第1に、適当なフルオロケミカルズを作製する際に関与される合成プロセスに関係するリスクがあり、ここで、使用される化学薬品およびこれらのプロセスの副生成物は、安全または「環境に優しい」と考えられず、第2に、完成製品上のこうした化学薬品の分解および浸出(以下に限定されないが、人造のペルフルオロオクタン酸[PFOA]、それらの同族体、前駆体および塩−ペルフルオロオクタンスルホン酸[PFOS]を含める)に関係するリスクがあり、これは、化学薬品が生体蓄積経路(給水の汚染、食物連鎖への侵入など)を介して一般住民へ入り込むのを可能にし得る。
【0004】
[0003]EPA−SAB−06−006(Draft Risk Assessment of Potential Human Health Effects Associated with PFOA and Its Salts)に詳述されている通り、米国科学諮問委員会パネルは、PFOAが発癌性である可能性が高いと判断した。2013年後半に、合衆国環境保護庁(EPA)は、Toxic Substances Control Act(TSCA)下で重要新規利用規則(SNUR)を発行して、カーペットまたはカーペット片における使用のための任意の長鎖ペルフルオロアルキルカルボン酸(LCPFAC)化学薬品を製造する(輸入含める)または加工するのを意図する者には誰でもEPAに通知することを求めている。この規則は広範囲の工業に影響することがあり、置き換え材料を見出す努力が継続している。そのため、既存のフッ素ベースの耐染色性および耐汚性の処理の置き換えについて開発することは、環境および経済的見地の両方のために非常に望ましくなる。フッ素原子を含有するより短い鎖長材料、例えばペルフルオロブタン酸(PFBA)または同様の化学物質を使用する傾向があったが、これらの代替物は、常に有効または価値があるというわけでない。これに照らして、フッ素フリーの代替物を開発することは有利である。
【0005】
[0004]「Waterproof Coating with Nanoscopic/Microscopic Features and Methods of Making Same」(米国非仮特許出願第14/277,325号)という表題の先行研究において、基材の湿潤または染色を防止する自浄および防水コーティングを製作するための溶液プロセスが利用された。結果として得られた表面は、水が基材を「湿潤(wetting)」するのを防止し(したがって、それは「防水」になる)、湿潤によって引き起こされる帰結(例えば染料/色素からの染色または水害)から基材を保護する。疎水性を超えるのは、他の機能性添加剤との組合せでこうした疎水性コーティングを使用することで染料/色素からの汚れおよび染色薬の選択的排除を可能にするための能力である。本明細書において考察されている系および方法において、非フッ素ベースの化学薬品を含有する改善された化学的複合コーティング、ならびにこうしたコーティングでテキスタイル材料を処理することで、耐汚性、耐染色性、微粒子を除去する簡便さ、および/または工業用途に適当な方法を改善することが本明細書において開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0005]一実施形態において、テキスタイルまたは可撓性物品上で耐汚特性および耐染色特性を呈する複合コーティングを製作するためのプロセスは、テキスタイルまたは可撓性基材を選択すること、および少なくともシラン、シラノール、金属酸化物前駆体またはその誘導体を含むゾル−ゲルを利用して、基材にコーティング、固着、結合することを含み得る。一部の実施形態において、該プロセスは、任意選択により、基材を疎水性化学剤および/または他の化学剤でコーティングすることで、ナノ視的またはミクロ視的特色を有する表面を創出することを含み得る。一部の実施形態において、上で注記されているコーティングは、噴霧または蒸気処理機序によって制御環境で被着させる(deposited)ことができる。他の態様において、上で注記されているコーティングは、オール溶液プロセス(all solution process)を利用して被着させることができる。
【0007】
[0006]一部の実施形態において、複合コーティングは、所望の表面上への適用、コーティングまたは被着などを補助するための複合溶液中に提供することができる。一部の実施形態において、材料の表面を処理するための複合溶液は、均質な溶液を形成するための全ての構成成分を分散するための溶媒(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合体は、それ自体水ベースの溶媒により感受性であり得る基材への複合体の送達を可能にするため、部分的親水性もしくは疎水性の溶媒を使用することができる。一部の実施形態において、複合溶液は、ベース複合体の本体を形成するためのベース化学試薬(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、材料の表面を処理するための複合溶液は、該溶液中で有機/無機材料(単数または複数)の均質性を増強するためのキレート化試薬(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、所望の表面への複合体の結合を補助するための結合剤(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、ベース複合体の弾力性を維持するための可塑剤(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、該溶液のための所望の粘度を達成するための粘度調整剤(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、疎水性化学剤(単数または複数)で処理された表面は、結果として得られた複合体の表面疎水性を増加させるために使用することができる。
【0008】
[0007]一部の実施形態において、1種または複数の機能性有機/無機材料添加剤が複合溶液中に添加することができるが、添加剤の機能は、材料の本来の機能を損なわないまたはそれに対する限定効果しか有さない。ここで、機能性添加剤は、以下に限定されないが、UV吸収/遮断、反射防止、抗摩耗、難燃、伝導、抗微生物、抗細菌、抗真菌特性もしくは色素沈着またはその組合せの特性を有することができる。
【0009】
[0008]一部の実施形態において、複合コーティングの本来の機能を損なわないまたはそれに対する軽度の効果しか有さない1種または複数の色素は、テキスタイル材料コーティングのための複合溶液中に添加することができる。こうした色素は、波長選択的吸収の結果として、反射光または透過光の色を変化させる材料を含み得る。非限定的な例としては、ヒトが知覚できるまたはできない波長の範囲、例えば、およそ390nmから700nmの波長を有する可視光;およそ100nmから390nmの波長を有する紫外光、ならびにおよそ700nmから1mmの波長を有する赤外およびより低いエネルギーの放射線が挙げられる。一部の実施形態において、色素は、紫外放射線への曝露によって引き起こされる分解からホスト複合体を保護する材料も含み得る。一部の実施形態において、色素は、蛍光、燐光および/または発光の他の形態などを介して色を発する材料を含み得る。
【0010】
[0009]前述では、次に続く詳細な記載がより良好に理解され得るために、本開示のかなり広く様々な特色を概説してきた。本開示の追加の特色および利点は、後文に記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0010]前述の一般的記載および以下の詳細な記載の両方は、例証的および説明的であるだけであり、請求されている通りの本発明を拘束しないことが理解されるべきである。本明細書において使用されている用語の大部分は、当業者に認識可能である一方で、明白に定義されていない場合に用語は当業者によって現在認容されている意味を採用すると解釈されるべきであると理解されるべきである。この明細書において、別段具体的に明記されていない限り、単数の使用は複数を含み、「a」または「an」という単語は「少なくとも1つ」を意味し、「または」の使用は「および/または」を意味する。さらに、「含めて」という用語、ならびに他の形態、例えば「含まれる」および「含まれている」の使用は限定しているものではない。その上、「要素」または「構成成分」などの用語は、別段具体的に明記されていない限り、1つの単位を含む要素または構成成分および1つより多い単位を含む要素または構成成分の両方を包含する。本明細書において考察されている任意の範囲は、こうした端部の値が除かれることが明らかに記されていない限り、範囲を定義する端部の値を含むと理解されるべきである。例えば、XがYよりも低い値を有する場合、「X〜Yの間(“between X−Y”)」、「X以上Y以下(“equal to or between” X to Y)」、または「およそXからY(“from approximately” X to Y)」などの用語は、X≦範囲≦Yであると示していると理解されるべきである。
【0012】
[0011]用語および定義。
[0012]「可撓」という用語は、弾性的に変形するとともに負荷応力が除去されるとそれの本来の形状に戻ることができる材料を指す。非限定的な例としては、テキスタイル、生地またはカーペットなどが挙げられ得る。本明細書において考察されている各種実施形態が、テキスタイル材料を具体的に考察し得る一方で、こうした実施形態は任意の可撓性材料に適用可能であることが理解されるべきである。
【0013】
[0013]「テキスタイル(textile)」という用語は、生地または布に作製することができる任意の単繊維、繊維または紡績糸を指し、該用語は、結果として得られた生地または布材料それ自体も含む。テキスタイルとしては、以下に限定されないが、以下の材料:天然繊維(タンパク質またはセルロース性)、例えば綿、亜麻布、羊毛、絹、皮革、合成繊維、例えばビスコース、アクリル、ナイロンおよびポリエステル、半合成繊維、合成皮革、鉱物ベースの繊維、例えば繊維ガラス、ならびにこれらの材料の任意の考えられる組合せまたは関連のマイクロ繊維が挙げられ得る。この発明の範囲に関して、「テキスタイル」は、以下に限定されないが、これらの前に記述の繊維構造材料を含有するまたはそれで部分的に構成される任意の材料、複合体または製品も含むべきである。
【0014】
[0014]「耐汚性(soil resistant)」という用語は、テキスタイルと接触した汚れ作用物質(soiling agents)からの汚れに抵抗するためのテキスタイルの能力を指す。一部の実施形態において、耐汚性材料は汚れを全体的に防止できるわけではないが、耐汚性材料は汚れを妨げ得る。
【0015】
[0015]「汚れ放出(soil−release)」という用語は、簡単に洗浄されるまたはそうでなければテキスタイルと接触した汚れおよび/または油性材料を除去するように処理されるためのテキスタイルの能力を指す。一部の実施形態において、汚れ放出材料は、テキスタイルへの汚れまたは油材料の付着を全体的に防止しできるわけではないが、汚れ放出材料は、こうした付着を妨げ、微粒子の除去の簡便さを改善し、および/またはテキスタイルの清浄性を改善し得る。
【0016】
[0016]「耐染色性(stain resistant)」という用語は、テキスタイルと接触した染色剤からの染色に抵抗するためのテキスタイルの能力を指す。一部の実施形態において、耐染色性材料は、染色を全体的に防止し得るわけではないが、耐染色性材料は染色を妨げることができる。
【0017】
[0017]「疎水性」という用語は、材料が水または水ベースの液体の湿潤および/または吸収を妨害するという材料の特性を指す。一般に、水に対する親和性を欠如する材料は、「疎水性」を呈示すると記載することができる。
【0018】
[0018]「親水性」という用語は、材料が水または水ベースの液体の湿潤および/または吸収を妨害しないという材料の特性を指す。一般に、水に対して強い親和性を有する材料は、「親水性」を呈示すると記載することができる。
【0019】
[0019]「疎油性」という用語は、材料が油または油ベースの液体の湿潤および/または吸収を妨害するという材料の特性を指す。
[0020]「親油性」という用語は、材料が油または油ベースの液体の湿潤および/または吸収を妨害しないという材料の特性を指す。
【0020】
[0021]「ウィッキング」という用語は、材料が毛管現象によって水もしくは水ベースの液体および/または油もしくは油ベースの液体を取り除くという材料の特性を指す。一部の実施形態において、本明細書において考察されている疎水性および疎油性材料は、ウィッキングを防止することができると理解されるべきである。
【0021】
[0022]テキスタイル材料の耐汚性および耐染色性を改善するための有機/無機複合コーティングの使用は、本明細書において考察されている。本明細書において考察されている有機/無機材料および/または製造するための方法の各種実施形態は、耐汚性および耐染色性ならびに/または他の所望の特性を改善するために有機/無機材料からフッ素フリーのコーティングを作製するための新たな組成物および方法を提供する。
【0022】
[0023]より詳細には、本発明の実施形態は、以下のステップ:ステップ1)テキスタイルまたは可撓性基材を選択すること、ステップ2)少なくともシラン、シラノール、金属酸化物前駆体またはその誘導体を含むゾル−ゲルを利用して、基材にコーティングすること、ならびにステップ3)疎水性化学剤および/または他の化学剤で基材を任意選択によりコーティングすることで、ナノ視的またはミクロ視的特色を有する表面を創出することを含む、テキスタイルまたは可撓性材料のための有機/無機複合コーティングを作製するための組成物および方法に関する。一部の実施形態において、上で注記されているコーティングは、噴霧または蒸気処理によって制御環境で被着させることができる。他の態様において、上で注記されているコーティングは、オール溶液プロセスを利用して被着させることができる。
【0023】
[0024]一部の実施形態において、複合コーティングは、所望の表面上への適用、コーティングまたは被着などを補助するための複合溶液として提供することができる。一部の実施形態において、材料の表面を処理するための複合溶液は、均質な実体を形成するために全ての構成成分を分散するための「湿式プロセス」、噴霧機序またはさらに蒸気処理方法を介するか否かにかかわらず、溶媒(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合体は、部分的親水性または疎水性溶媒を使用することで、水ベースの溶媒にそれ自体がより感受性であり得る基材への複合体の送達を可能にすることができる。一部の実施形態において、複合溶液は、ベース複合体の本体を形成するためにベース化学試薬(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、材料の表面を処理するための複合溶液は、溶液における有機/無機材料(単数または複数)の均質性を増強するためにキレート化試薬(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、所望の表面への複合体の結合を補助するために結合剤(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、ベース複合体の弾力性を維持するために可塑剤(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、溶液のための所望の粘度を達成するために粘度調整剤(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、疎水性化学剤(単数または複数)で処理された表面は、結果として得られた複合体の表面疎水性を増加させるために使用することができる。
【0024】
[0025]一部の実施形態において、均質な溶液を形成するために全ての構成成分を分散するのに使用された溶媒(単数または複数)としては、以下に限定されないが、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、グリセロールアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはその混合物が挙げられ得る。
【0025】
[0026]一部の実施形態において、ベース複合体の本体を形成するためのベース化学試薬(単数または複数)は、M(OR)(M=Si、Al、Ti、In、SnまたはZr)の一般式を有する少なくとも1種のアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せを含むことができ、式中、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含む。こうした化学薬品の非限定的な例としては、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、テトライソプロピルオルトシリケート、テトラ(tert−ブチル)オルトシリケート、テトラ(sec−ブチル)オルトシリケート、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムtert−ブトキシド、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンイソプロポキシド、チタンtert−ブトキシド、チタントリ−sec−ブトキシド、および同様の構造を保有する誘導体が挙げられる。
【0026】
[0027]一部の実施形態において、溶液中の有機材料(単数または複数)の均質性を増強するためのキレート化試薬(単数または複数)は、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有する少なくとも1種のアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せを含むことができ、ここで、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み;R’は、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R”は、3個から20個の炭素原子を含む置換または非置換のアルキル基またはアルケニル基を含む。こうした化学薬品の非限定的な例としては、トリメトキシフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、トリメトキシフェネチルシラン、ジメトキシメチルフェネチルシラン、メトキシジメチルフェネチルシラン、トリメトキシオクチルシラン、ジメトキシメチルオクチルシラン、メトキシジメチルオクチルシラン、トリメトキシドデシルシラン、ジメトキシメチルドデシルシラン、メトキシジメチルドデシルシラン、トリメトキシデシルシラン、ジメトキシメチルデシルシラン、メトキシジメチルデシルシラン、トリメトキシオクタデシルシラン、ジメトキシメチルオクタデシルシラン、メトキシジメチルオクタデシルシラン、トリメトキシヘキシルシラン、ジメトキシメチルヘキシルシラン、メトキシジメチルヘキシルシラン、トリメトキシ(シクロヘキシルメチル)シラン、ジメトキシメチル(シクロヘキシルメチル)シラン、メトキシジメチル(シクロヘキシルメチル)シラン、トリエトキシフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、トリエトキシフェネチルシラン、ジエトキシメチルフェネチルシラン、エトキシジメチルフェネチルシラン、トリエトキシオクチルシラン、ジエトキシメチルオクチルシラン、エトキシジメチルオクチルシラン、トリエトキシドデシルシラン、ジエトキシメチルドデシルシラン、エトキシジメチルドデシルシラン、トリエトキシデシルシラン、ジエトキシメチルデシルシラン、エトキシジメチルデシルシラン、トリエトキシオクタデシルシラン、ジエトキシメチルオクタデシルシラン、エトキシジメチルオクタデシルシラン、トリエトキシヘキシルシラン、ジエトキシメチルヘキシルシラン、エトキシジメチルヘキシルシラン、トリエトキシ(シクロヘキシルメチル)シラン、ジエトキシメチル(シクロヘキシルメチル)シラン、エトキシジメチル(シクロヘキシルメチル)シランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられる。
【0027】
[0028]一部の実施形態において、溶液において無機材料(単数または複数)の均質性を増強するためのキレート化試薬(単数または複数)は、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有する少なくとも1種のアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せを含むことができ、式中、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み;R’は、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R”は、置換または非置換アミン(第一級、第二級および第三級を含める)またはチオールを含む。こうした化学薬品の非限定的な例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、2−アミノエチルトリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリエトキシシラン 4−アミノブチルメチルジメトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルメトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジメチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N−ジエチルアミノメチルトリメトキシシラン、N,N−ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2’−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2’−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−オクチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−オクチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3’−トリメトキシシリルプロピル)−ピペラジン、N−(3’−トリエトキシシリルプロピル)−ピペラジン、N−(3’−トリメトキシシリルプロピル)モルホリン、N−(3’−トリエトキシシリルプロピル)モルホリン、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、N−メチル−N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−N−ブチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3’−アミノプロピル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3’−アミノプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられる。
【0028】
[0029]一部の実施形態において、所望の表面への有機/無機複合体の結合を補助するための結合剤(単数または複数)は、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有する少なくとも1種のアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せを含むことができ、式中、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み;R’は、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R”は、置換もしくは非置換エポキシまたはグリシドキシを含む。こうした化学薬品の非限定的な例としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリエトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリメトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、4−グリシドキシブチルトリエトキシシランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられる。
【0029】
[0030]一部の実施形態において、ベース複合体の弾力性を維持するための可塑剤(単数または複数)は、M(OR)4−xR’(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3である)の一般式を有する少なくとも1種のアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せを含むことができ、式中、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R’は、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含む。こうした化学薬品の非限定的な例としては、トリメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、メトキシトリメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、メトキシトリエチルシラン、トリメトキシプロピルシラン、ジメトキシジプロピルシラン、メトキシトリプロピルシラン、トリメトキシイソブチルシラン、トリエトキシイソブチルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジエトキシジイソブチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、メトキシトリフェニルシラン、トリメトキシフェネチルシラン、ジメトキシジフェネチルシラン、メトキシトリフェネチルシラン、トリエトキシメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、エトキシトリメチルシラン、トリエトキシエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、エトキシトリエチルシラン、トリエトキシプロピルシラン、ジエトキシジプロピルシラン、エトキシトリプロピルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、エトキシトリフェニルシラン、トリエトキシフェネチルシラン、ジエトキシジフェネチルシラン、エトキシトリフェネチルシランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられる。
【0030】
[0031]一部の実施形態において、溶液のための所望の粘度を達成するための粘度調整剤(単数または複数)は、
【0031】
【化1】
【0032】
の一般式、および100Daから100,000Daに等しいまたはその間の平均分子量を有するオリゴマー/コオリゴマー形態、ポリマー/コポリマー形態またはその組合せにおける少なくとも1つのアルキルシロキサンを含むことができ、式中、RおよびR’は、同じであっても異なっていてもよく、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含む。こうした化学薬品の非限定的な例としては、3−アミノプロピル末端ポリ(ジメチルシロキサン)、塩素末端ポリ(ジメチルシロキサン)、グリシジルエーテル末端ポリ(ジメチルシロキサン)、水素化物末端ポリ(ジメチルシロキサン)、ヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン)、ヒドロキシアルキル末端ポリ(ジメチルシロキサン)、ビニル末端ポリ(ジメチルシロキサン)、トリメチルシリル末端ポリ(ジメチルシロキサン)、および同様の構造を保有する誘導体が挙げられる。
【0033】
[0032]一部の実施形態において、1種または複数の機能性無機材料添加剤は、コーティングの本来の機能を損なわないまたは限定された効果しか有さない複合コーティングのための複合溶液中に添加することができる。本発明では、機能性添加剤は、以下に限定されないが、UV吸収または遮断、反射防止、抗摩耗、難燃、伝導、抗微生物、抗細菌、抗真菌的利益または色素沈着の特性を有することができる。添加剤は、以下に限定されないが、最大約100,000Daまでの分子量を有する有機/無機分子/ポリマー、約2nm以上500μm以下の大きさを有する天然または合成形態(例えば粒子、ナノチューブおよびナノシート)における有機マイクロ/ナノ材料;約2nm以上500μm以下の大きさを有する天然または合成形態(例えば粒子、ナノチューブおよびナノシート)における金属/金属酸化物マイクロ/ナノ材料(例えば銀、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化セレン、酸化テルル、およびクレイ(ここでクレイは、カオリナイト、モンモリロナイト、イライトまたはクロライトで構成されていてよい));およびその組合せから構成することができる。
【0034】
[0033]一部の実施形態において、材料積層材の本来の機能を損なわないまたは限定された効果しか有さない1種または複数の色素は、複合コーティングのための複合溶液中に添加することができる。こうした色素は、波長選択的吸収の結果として反射光または透過光の色を変化させる材料を含み得る。非限定的な例としては、ヒトが知覚することができるまたはできない波長の範囲、例えば、およそ390nmから700nmの波長を有する可視光;およそ100nmから390nmの波長を有する紫外光、ならびにおよそ700nmから1mmの波長を有する赤外放射線が挙げられる。色素としては、以下に限定されないが、カドミウム、クロム、コバルト、銅、酸化鉄、鉛、マンガン、水銀、チタン、テルル、セレンおよび亜鉛などの金属元素を含有する金属ベースの無機色素;炭素、クレイアース(Clay earth)およびウルトラマリンなどの他の無機色素;アリザリン、アリザリンクリムソン、ガンボジ、カルミン、プルプリン、インディゴ、インディアンイエロー、チリアンパープル、キナクリドン、マゼンタ、フタログリーン、フタロブルー、ジアリライドイエロー、ピグメントレッド、ピグメントイエロー、ピグメントグリーン、ピグメントブルーなどの有機色素、ならびに他のその無機または有機誘導体が挙げられ得る。一部の実施形態において、色素には、紫外光吸収体、例えば2−ヒドロキシフェニル−ベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾールおよび2−ヒドロキシフェニル−s−トリアジン誘導体;ヒンダード−アミン光安定剤、例えばテトラメチルピペリジン誘導体および抗酸化剤、例えば立体障害フェノール、ホスファイトおよびチオエーテルなど、紫外放射線への曝露によって引き起こされる分解に対してホスト複合体を保護する材料も含まれる。一部の実施形態において、色素には、蛍光、燐光および/または発光の他の形態などを介して色を発する材料も含まれる。こうした色素としては、以下に限定されないがフルオロフォア、例えばフルオレセイン、ローダミン、クマリン、シアニンおよびその誘導体;燐光染料、例えば硫化亜鉛、アルミン酸ストロンチウムおよびその誘導体が挙げられ得る。
【0035】
[0034]一部の実施形態において、ベース複合溶液は、酸性条件(pH≦5)において溶媒(単数または複数)、ベース化学試薬(単数または複数)、キレート化試薬(単数または複数)、結合剤(単数または複数)、可塑剤(単数または複数)、粘度調整剤(単数または複数)、機能性添加剤(単数または複数)および色素(単数または複数)の少なくとも1つを混合することによって調製される。一部の実施形態において、複合溶液の基礎的形態は、少なくとも溶媒(単数または複数)、ベース化学試薬(単数または複数)、キレート化試薬(単数または複数)、結合剤(単数または複数)および可塑剤(単数または複数)を含むことができる。一部の実施形態において、複合溶液は、任意選択により、粘度調整剤(単数または複数)、機能性添加剤(単数または複数)および色素(単数または複数)を含み得る。一部の実施形態において、複合溶液は、水1〜10vol.%、少なくとも1種の溶媒(単数または複数)10〜40vol.%、少なくとも1種のベース化学試薬(単数または複数)30〜70vol.%、少なくとも1種の可塑剤(単数または複数)10〜20vol.%、少なくとも1種の結合剤(単数または複数)1〜10vol.%を含むことができ、体積の残りは、キレート化試薬(単数または複数)、粘度調整剤(単数または複数)、機能性添加剤(単数または複数)および色素(単数または複数)の少なくとも1つを含むことができる。一部の実施形態において、複合溶液は、水3〜8vol.%、少なくとも1種の溶媒(単数または複数)20〜30vol.%、少なくとも1種のベース化学試薬(単数または複数)40〜60vol.%、少なくとも1種の可塑剤(単数または複数)15〜20vol.%、少なくとも1種の結合剤(単数または複数)5〜10vol.%を含むことができ、残りの体積は、いずれかの任意選択の添加剤を含むことができる。一部の実施形態において、複合溶液は、上記の実施形態と同様であるが、可塑剤(単数または複数)の濃度は、15vol.%超、またはより好ましくは20vol.%超である。一部の実施形態において、複合溶液は、上記の実施形態と同様であるが、結合剤(単数または複数)の濃度は、5vol.%超、またはより好ましくは10vol.%超である。前に記述の化学剤の混合物は、50℃以上100℃以下の昇温で、約1/2時間から10日の間、または好ましくは50℃以上70℃以下の昇温で、約1/2時間から12時間の間撹拌することができる。一部の実施形態において、ベース複合溶液は、より多くの溶媒(単数または複数)で5vol.%以上60vol.%以下の最終濃度にさらに希釈されることで、材料コーティングのための最終複合溶液を形成する。一部の実施形態において、ベース複合溶液は、より多くの溶媒(単数または複数)で5vol.%以上40vol.%以下、またはより好ましくは5%以上20%以下の最終濃度にさらに希釈される。コーティングされたテキスタイルおよび生地材料を用いて、コーティングプロセス前と同じ感触および質感を維持することが好ましい。したがって、ベース複合溶液には低い最終濃度が好ましい。一部の実施形態において、有機/無機複合溶液は、少なくとも部分加水分解または完全に加水分解される。
【0036】
[0035]テキスタイル材料のための他の従来のコーティング溶液と対照的に、キレート化剤および可撓性のための可塑剤の高濃度により、本明細書において考察されているベース複合溶液はコーティングプロセス前のテキスタイルまたは生地の本来の感触および質感を維持またはほぼ維持する。さらに、コーティングされたテキスタイルまたは生地材料は、耐しわ性である(即ち、生地の折り目を最小化または防止する)。一部の実施形態において、ゾル−ゲル構成成分の重合度は、100以下、10以下または5以下である。最終ゾル−ゲル組成物の重合度は、共通のリンカー分子(例えば水)の量によって制御することができる。追加として、ベース複合溶液は、テキスタイル材料に共通して存在される極性部分(例えば、セルロースおよびポリエステルにおけるヒドロキシ基;ナイロンにおけるアミン基およびアミド基、など)に対する親和性により、テキスタイル材料に容易に結合し、それによって、形成されたコーティングをテキスタイル材料に固定させる。さらに、ベース複合溶液から形成されたコーティングは、テキスタイルに簡単に結合するための第2の段階処理(例えば疎水性溶液処理)を可能にするが、他の疎水性溶液はテキスタイルにあまり結合しない。したがって、複合溶液は、疎水性溶液を用いる第2の段階処理に対するプライマーとして役立つことができる。
【0037】
[0036]さらに、下記でさらに考察される複合溶液および/または疎水性溶液は、フッ素フリーであり、それによって、有害な化学薬品の使用を回避する。フッ素を用いるポリマーは、疎水性を補助する非常に低い表面エネルギーを有することができる一方で、フッ素フリーのポリマーは、一般に、フッ素を有するポリマーよりも高い表面エネルギーを有し、疎水性コーティングを達成するのを困難にする。しかしながら、下記でさらに考察される疎水性溶液のためのプライマーとして作用する複合溶液の使用は、フッ素フリーの疎水性/超疎水性コーティングが達成されるのを可能にする。
【0038】
[0037]一部の実施形態において、基材がゾルゲル法で処理された後、結果として得られた表面は、疎水性化学剤および/または他の化学剤で処理することもでき、表面を疎水性/超疎水性にするとともにナノ視的またはミクロ視的トポグラフィーを発生させることもできる。ステップ3においてコーティングとして使用される疎水性化学剤の非限定的な例としては、結果として得られた表面に共有結合された少なくとも1つの型のアルキルシランが挙げられ、アルキルシランは、表面を疎水性/超疎水性にするとともにナノ視的またはミクロ視的トポグラフィーも発生させる。一部の実施形態において、疎水性化学剤および/または他の化学剤は、蒸気処理を利用して被着させることができる。化学剤は疎水性であってよく、アルキルシラン[CH(CHSiRの一般式を有することができ;式中、Xは、Cl、Br、Iまたは他の適当な有機脱離基を含み、Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含み、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする。好ましいアルキルシラン種としては、以下に限定されないが、クロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、クロロフェニルシラン、ジクロロフェニルシラン、トリクロロフェニルシラン、クロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジクロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェネチルシラン、ジクロロメチルフェネチルシラン、トリクロロフェネチルシラン、クロロジメチルオクチルシラン、ジクロロメチルオクチルシラン トリクロロオクチルシラン、クロロジメチルドデシルシラン、ジクロロメチルドデシルシラン、トリクロロドデシルシラン、クロロデシルジメチルシラン、ジクロロデシルメチルシラン、トリクロロデシルシラン、クロロジメチルオクタデシルシラン、ジクロロメチルオクタデシルシラン、トリクロロオクタデシルシラン、クロロジメチルヘキシルシラン、ジクロロメチルヘキシルシラン、トリクロロヘキシルシラン、アリルジクロロメチルシラン、アリルクロロジメチルシラン、アリルトリクロロシラン、(シクロヘキシルメチル)クロロジメチルシラン、(シクロヘキシルメチル)ジクロロメチルシラン、(シクロヘキシルメチル)トリクロロシランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられ得る。一部の実施形態において、疎水性化学剤(単数または複数)は、1種または複数の有機溶媒中に溶解または分散することができる。典型的に、有機溶媒(単数または複数)中の疎水性化学剤(単数または複数)の濃度は、0.1vol.%以上15vol.%以下である。好ましい有機溶媒としては、以下に限定されないが、トルエン、ベンゼン、キシレン、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、n−プロピルブロミド、ジエチルエーテル、アセトン、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、石油エーテルおよび石油炭化水素が挙げられ得る。他の化学剤も、単独でまたはアルキルシランと併せて使用することで、表面を疎水性にするおよび/またはナノ視的トポグラフィーを発生させるのと同様のタスクを実施することができる。
【0039】
[0038]一部の実施形態において、ステップ3においてコーティングとして使用される疎水性化学剤の例としては、結果として得られた表面に共有結合された少なくとも1つの型のアルコキシアルキルシランが挙げられ、アルコキシアルキルシランは、表面を疎水性/超疎水性にし、ナノ視的トポグラフィーも発生させる。使用される疎水性化学剤は、アルコキシアルキルシラン[CH(CHSiR[アルコキシ]の一般式を有することができ;式中、[アルコキシ]は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシまたはその組合せを含み;Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含み、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする。一部の実施形態において、疎水性化学剤は、有機溶媒または有機溶媒の混合物中に溶解または分散することができる。典型的に、有機溶媒(単数または複数)中の疎水性化学剤(単数または複数)の濃度は、0.1vol.%以上15vol.%以下である。好ましいアルコキシアルキルシラン種としては、以下に限定されないが、トリメトキシイソブチルシラン、トリエトキシイソブチルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジエトキシジイソブチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、トリメトキシ(ヘキシル)シラン、トリエトキシ(ヘキシル)シラン、トリプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリメトキシ(オクチル)シラン、トリエトキシ(オクチル)シラン、トリプロポキシ(オクチル)シラン、トリイソプロポキシ(オクチル)シラン、トリメトキシ(デシル)シラン、トリエトキシ(デシル)シラン、トリプロポキシ(デシル)シラン、トリイソプロポキシ(デシル)シラン、トリメトキシ(ドデシル)シラン、トリエトキシ(ドデシル)シラン、トリプロポキシ(ドデシル)シラン、トリイソプロポキシ(ドデシル)シランおよび同様の構造を保有する誘導体が挙げられ得る。好ましい有機溶媒としては、以下に限定されないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラクロロエチレン、n−プロピルブロミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよび水が挙げられ得る。他の化学剤も、単独でまたはアルコキシアルキルシランと併せて使用することで、表面を疎水性にするおよび/またはナノ視的トポグラフィーを発生させるのと同様のタスクを実施することができる。
【0040】
[0039]一部の実施形態において、アルコキシアルキルシラン[CH(CHSiR[アルコキシ]は、アルキルシラン[CH(CHSiRから、対応の溶媒(単数または複数)(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよび水)中でフルオロアルキルシランを混合および加熱することによって化学的に変換される。化学剤の混合物は、50℃以上100℃以下の昇温で約1時間から7日の間、酸性環境(pH≦1)で撹拌されるのが好ましく、溶液は、pHレベルが6以上8以下になるまで、KOHで中和された(水を最大15%(w/w)まで含有することができる)。疎水性溶液は直接使用されたか、または適切な溶媒(単数または複数)(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、変性エタノール、水など)中にさらに希釈された。
【0041】
[0040]とりわけ、様々な添加剤を含めて、本明細書において考察されている複合コーティングの構成成分はフッ素フリーであり、任意のフッ素を含まない。フッ素フリーである化学組成物の使用は、フッ素含有材料の関係した環境および健康リスクを回避する。
【0042】
[0041]一部の実施形態において、材料の目標表面は、有機/無機複合溶液の被着前に、活性化することができる。表面活性化は、オゾン、酸素、過酸化水素、ハロゲン、他の反応性酸化種、またはその組合せとの反応によって達成することができる。目的は、エネルギー反応性表面を創出すること、遊離ラジカルの濃度を増加させること、および表面上の分子を共有結合的に固着することである。一部の実施形態において、表面活性化は、強烈なUV光によって発生されるオゾンプラズマによって達成することができる。他の態様において、表面活性化は、プラズマ処理によって達成することができる。なお別の実施形態において、表面活性化は、コロナ放電、炎またはプラズマを使用するオゾン発生によって達成することができる。
【0043】
[0042]一部の実施形態において、非限定的な例として、有機/無機複合溶液は、以下に限定されないが、スプレーすること、ミストすること、ドクターブレードすること、パディングすること、フォーミングすること、ローリングすることまたはインクジェット印刷することを含めた方法によって、テキスタイル材料の表面上に被着させることができる。別の非限定的な例として、材料は、約1秒以上24時間以下の設定時間期間の間、溶液中にディップすることができる。次いで、溶媒は材料から除去することができ、材料は、約25℃以上200℃以下の設定温度で乾燥または硬化することができる。本明細書で使用される場合、「硬化する」、「硬化された」という用語または同様の用語は、硬化組成物または硬化性組成物に関連して使用される場合、硬化性組成物を形成する重合性および/または架橋性構成成分の少なくとも一部が、少なくとも部分的に重合および/または架橋されていることを意味すると意図される。ある特定の実施形態において、複合溶液および/または疎水性溶液の架橋性構成成分の架橋密度、例えば架橋度は、完全架橋の1%から100%を範囲とすることができる。
【0044】
[0043]一部の実施形態において、非限定的な例として、結果として得られたコーティングは、疎水性化学剤(単数または複数)で処理することで、結果として得られた有機/無機ナノ複合体の表面疎水性を増加させることができる。コーティングされた材料は最初に、疎水性化学剤(単数または複数)が、25℃以上200℃以下の温度で加熱することによって物品上に蒸発される閉鎖環境に置かれる。
【0045】
[0044]一部の実施形態において、非限定的な例として、疎水性化学溶液は、以下に限定されないが、スプレーすること、ミストすること、ドクターブレードすること、パディングすること、フォーミングすること、ローリングすることまたはインクジェット印刷することを含めた方法によって、テキスタイル材料の表面上に被着させることができる。別の非限定的な例として、材料は、約1秒以上24時間以下の設定時間期間の間、溶液中にディップすることができる。次いで、溶媒は材料から除去することができ、材料は、約25℃以上200℃以下の設定温度で乾燥または硬化することができる。ある特定の実施形態において、架橋性構成成分の架橋密度、例えば架橋度は、完全架橋の1%から100%を範囲とすることができる。
【0046】
[0045]一部の実施形態において、硬化した後のテキスタイル材料の表面上に被着した有機/無機複合溶液(任意選択の疎水性化学薬品または他の添加剤を含める)は、テキスタイル材料で保護相互浸透層(protective interpenetrating layer)を生成する。保護層は、テキスタイル材料の強度を増加させ、それらを、延伸、屈曲、圧縮、貫通および衝撃などの物理的応力に対して、より弾力的にすることができる。相互浸透ポリマーネットワークは、並置に合成されるネットワーク形態における2つ以上のポリマーの組合せである。したがって、微細分割相の、ある型の相互浸透形態がある。2つ以上のポリマーは、ポリマースケール上で少なくとも部分的に織り交ぜられているが、互いに共有結合されていない。該ネットワークは、化学結合が分断されない限り、分離され得ない。2つ以上のネットワークは、それらが連結されているとともに引き離され得ないが任意の化学結合によって互いに結合されていないようなやり方で絡み合わされていると想起され得る。相互浸透ポリマーネットワークは二重相連続性を呈することができ、このことは、該系における2つ/3つ以上のポリマー/オリゴマー/二量体が、巨視的スケールで連続的である相を形成することを意味する。
【0047】
[0046]一部の実施形態において、結果として得られた処理テキスタイル材料は、清浄するのにより簡便であり、ここで、微粒子および他の染色剤は、より簡単に除去される。一部の実施形態において、天然および再生可能な供給源材料またはテキスタイルの改善は分解(例えば風化、カビおよび腐敗)に抵抗することができ、標準的プラスチックベースの対応物の置き換えに至ることができ、したがって、それらの製造において使用される有限の化石燃料ベースの供給源への需要を低減することは明白である。
【0048】
[0047]一部の実施形態において、結果として得られた処理テキスタイル材料は撥水特性を呈し、即ち、処理テキスタイル材料の水性液体撥性(aqueous liquid repellency)グレード(標準的AATCC試験方法193−2012に従う)は、少なくとも1、通常2以上8以下である。一部の実施形態において、結果として得られた処理テキスタイル材料は耐汚特性および耐染色特性を呈し、即ち、処理テキスタイル材料の耐染色性(標準的AATCC試験方法175−2003に従う)は、少なくとも1よりも高く、通常2以上10以下である。一部の実施形態において、結果として得られた処理テキスタイル材料は、清浄するのにより簡便である。例えば、処理テキスタイル材料は、染色を除去するための洗浄サイクルをあまり必要とせず、このことは清浄時間を低減し;清浄するための水および洗剤をあまり必要とせず、このことは利用される供給源を低減し;または清浄するための機械洗浄の動力および時間(例えば、正常サイクルよりもむしろ穏やかなサイクル)をあまり必要とせず、このことは消費されるエネルギーを低減することができる。一部の実施形態において、結果として得られた処理テキスタイル材料は乾燥させるのがより簡便であり、即ち、それらは、乾燥するための乾燥器において、より少ない時間またはより低い温度を必要とし、このことは時間およびエネルギーを節約する。一部の実施形態において、結果として得られた処理テキスタイル材料は、真空清浄剤などを使用して清浄するのがより簡便であり、それによって、清浄プロセスに費やされる、より低い動力の器具またはより少ない時間の使用を可能にし、このことはエネルギーを節約し、器具寿命を増加させる。
【実施例】
【0049】
[0048]実験手順および試験結果
[0049]下記は、水性液体撥性および耐染色性に関する処理試料の効力を評価するために使用される標準化試験方法の詳細な記載である。処理は、特定のデニール繊維上で行われたが、単繊維の数およびデニールの大きさに依存して変動することがあり、そのためAATCCおよびFord試験結果は変動し得る。カーペットまたは他の三次元単繊維を試験する場合、長さおよび密度もAATCC結果を変え得る。
【0050】
[0050]AATCC試験方法193−2012(水性液体撥性:水/アルコール溶液耐性試験):この試験方法の目的は、特定の系列の水/イソプロパノール溶液によって、湿潤に抵抗するための処理表面の能力に関して、任意の生地/カーペット材料の有効な表面エネルギーを低減することができるコーティングの効力を決定することである。この試験方法は、異なる表面エネルギーに対応する変動する体積比1から8(1=最も大きい水:i−PrOH体積比および8=最も小さい水:i−PrOH体積比)と番号付けられている8つのイソプロパノール水溶液を実施する。該試験は、最も低い番号が付けられている試験溶液で始まるとともに平らな試験標本の表面より上約0.60cmの高さで保持されているアプリケーターチップと互いから約4.0cmの間隔を空けて、最低3つの0.050mL滴の溶液を置くことによって行われる。合格グレードを受けるために、試験溶液は、試験標本の繊維を暗くすること、湿潤すること、またはそれにウィッキングすることなく10±2.0秒間、試験標本の表面上にとどまらなければならない。それに応じて、試験標本の水性液体撥性グレードは、合格グレードを受ける最も高い番号が付けられている試験溶液である。
【0051】
[0051]AATCC試験方法175−2003(耐染色性:パイル床カバー):この試験方法の目的は、酸性染料による生地材料の耐染色性を決定することである。該試験方法は、抗染色剤で処理されている生地材料/カーペットの効力を決定するために使用することもできる。該試験方法は、アルラレッド(FD&C Red 40)の希釈水溶液20mLを、平らな試験標本の上に置かれた染色用リングの中心に適用することによって行われる。染色を促進するための上下運動の5つのサイクルを用いてカーペットの房に染色溶液を押し入れるために、染色用リングの内側に合う染色カップが使用される。規定の水性アルラレッド溶液を使用することよりもむしろ、赤色(フルーツパンチ)Gatoradeを、認容されている代替物である染色剤として使用した。湿潤させた試験標本を、24±4.0時間の間動かさずに放置する。染色を除去するため、試験標本を、濯ぎ水に染色剤がなくなるまで染色部位をこすりながら流水下で濯ぐ。評価の前に、試験標本を100±5℃で90分間オーブン乾燥させる。結果として得られた染色試験標本を、AATCC Red 40染色スケールに従って評価する。各試験標本は、1.0〜10(1.0=過酷に染色された、および10=無染色)のAATCC Red 40染色スケールグレードを受けることができる。
【0052】
[0052]Ford実験室試験方法BN 112−08(内装材についての汚れ&清浄試験):この試験方法の目的は、カーペットおよび生地を含めた自動内装材の清浄性を評価することである。この試験方法において使用される染色溶液は、沸騰水100mL中にNescafe Original/Classicインスタントコーヒー2.00gを溶媒和することによって調製される。該試験方法は、コーヒー染色溶液2.00mLを65℃の温度で平らな試験標本上に置くこと、およびそれが1時間の間室内条件にて動かないでとどまるのを可能にすることによって行われる。1時間後、白色吸い取り紙を使用して、コーヒー溶液を標本から可能な限り多く除去する。このプロセスは、コーヒー溶液が試験標本からもう除去され得なくなるまで反復される。引き続いて、清浄剤(Resolve Triple Action Spot Carpet Cleaner)を染色部位の半分に適用し、3分から5分の間そこにとどまらせておく。3分から5分後、白色吸い取り紙を再び使用して、カーペット清浄剤によって除去された任意の染色を1分間、1秒当たり1サイクルから2サイクルでこすり落とす。染色除去の程度は、AATCC評価手順2/ISO 105−A03に従って評価される。1.00〜5.00のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードが、試験標本に割り当てられ得る(1.00=染色はほぼ完全に除去され得る、および5.00=染色は除去され得ない)。
【0053】
[0053]以下は、カーペットに疎水性、耐染色性および耐汚性の特性を付与するためのフッ素フリーの2段階処理プロセスを記載する。
[0054]実施例I:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(glicydyloxypropyltrimethoxysilane))、および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線(local vertical)に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップ(a target %−weight pick−up)に達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(トリクロロ(オクチル)シラン)をメタノール水溶液中に分散して2.0%(v./v.)のトリメトキシ(オクチル)シラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH≦1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが6から8の間に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット−空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、4.0のALRグレード、6.0のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.5のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。参考のため、未処理試料は、0のALRグレード、1.5のAATCC Red 40染色スケールグレード、および5.0のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0054】
[0055]実施例II:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(トリクロロ(オクチル)シラン)をメタノール水溶液中に分散して3.0%(v./v.)のトリメトキシ(オクチル)シラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが6から8の間に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、5.0のALRグレード、6.0のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.5のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0055】
[0056]実施例III:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(トリクロロ(オクチル)シラン)をメタノール水溶液中に分散して4.0%(v./v.)のトリメトキシ(オクチル)シラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが6から8の間に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、4.0のALRグレード、6.0のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.5のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0056】
[0057]実施例IV:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。第2の段階溶液の被着前に、カーペット試料を次いで、室内条件にて風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(トリクロロオクチルシラン)をメタノール水溶液中に分散して5.0%(v./v.)トリメトキシオクチルシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが6から8の間に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、4.0のALRグレード、6.0のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.5のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0057】
[0058]実施例V:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(トリクロロオクチルシラン)を、0.0279のモル比i−PrOH:MeOHでのメタノール(MeOH)およびイソプロパノール(i−PrOH)の水性混合物中に分散して2.0%(v./v.)のトリメトキシオクチルシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが6から8の間に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、5.0のALRグレード、7.0のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.0のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0058】
[0059]実施例VI:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(トリクロロオクチルシラン)を、0.0589のモル比i−PrOH:MeOHでのメタノール(MeOH)およびイソプロパノール(i−PrOH)の水性混合物中に分散して2.0%(v./v.)のトリメトキシオクチルシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが6から8の間に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、4.0のALRグレード、7.25のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.0のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0059】
[0060]実施例VII:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(トリクロロ(オクチル)シラン)を、0.177のモル比i−PrOH:MeOHでのメタノール(MeOH)およびイソプロパノール(i−PrOH)の水性混合物中に分散して2.0%(v./v.)のトリメトキシ(オクチル)シラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが6から8の間に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、5.0のALRグレード、7.5のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.0のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0060】
[0061]実施例VIII:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(トリクロロオクチルシラン)を、0.529のモル比i−PrOH:MeOHでのメタノール(MeOH)およびイソプロパノール(i−PrOH)の水性混合物中に分散して2.0%(v./v.)のトリメトキシオクチルシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが6から8の間に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、5.0のALRグレード、7.75のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.0のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0061】
[0062]実施例IX:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(トリクロロ(オクチル)シラン)を、0.529のモル比i−PrOH:MeOHでのメタノール(MeOH)およびイソプロパノール(i−PrOH)の水性混合物中に分散して2.0%(v./v.)のトリメトキシ(オクチル)シラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが2に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、3.0のALRグレード、2.5のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.0のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0062】
[0063]実施例X:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(トリクロロオクチルシラン)を、0.529のモル比i−PrOH:MeOHでのメタノール(MeOH)およびイソプロパノール(i−PrOH)の水性混合物中に分散して2.0%(v./v.)のトリメトキシオクチルシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが3.5に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、3.0のALRグレード、2.75のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.0のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0063】
[0064]実施例XI:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(トリクロロオクチルシラン)を、0.529のモル比i−PrOH:MeOHでのメタノール(MeOH)およびイソプロパノール(i−PrOH)の水性混合物中に分散して2.0%(v./v.)のトリメトキシオクチルシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが5に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、3.0のALRグレード、2.5のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.0のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0064】
[0065]実施例XII:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(トリクロロオクチルシラン)を、メタノール(MeOH)およびイソプロパノール(i−PrOH)の水性混合物中に、0.529のモル比i−PrOH:MeOHで分散して2.0%(v./v.)のトリメトキシオクチルシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが9.5に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、3.0のALRグレード、5.75のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.0のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0065】
[0066]実施例XIII:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(ジクロロジメチルシラン)を、メタノール(MeOH)の水性混合物中に分散して3.0%(v./v.)のジメチルジメトキシシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが4に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、4.0のALRグレード、7.0のAATCC Red 40染色スケールグレード、および3.0のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0066】
[0067]実施例XIV:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な2種の疎水性化学試薬(ジクロロジメチルシランおよびイソブチルトリエトキシシラン)を、4のモル比イソブチルトリエトキシシラン:ジクロロジメチルシランで、メタノールの水性混合物中に分散して、0.37%(v./v.)のジクロロジメチルシランおよび3.00%(v./v.)のイソブチルトリエトキシシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。イソブチルトリエトキシシランの塩素化類似体(イソブチルトリクロロシラン)を使用する場合に存在する酸性条件を一致させるため、第2の段階溶液のpHを12NのHClで調整した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが4に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、3.0のALRグレード、5.25のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.5のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0067】
[0068]実施例XV:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な2種の疎水性化学試薬(ジクロロジメチルシランおよびイソブチルトリエトキシシラン)を、1.33のモル比イソブチルトリエトキシシラン:ジクロロジメチルシランで、メタノールの水性混合物中に分散して1.12%(v./v.)のジクロロジメチルシランおよび3.00%(v./v.)のイソブチルトリエトキシシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。イソブチルトリエトキシシランの塩素化類似体(イソブチルトリクロロシラン)を使用する場合に存在する酸性条件を一致させるため、第2の段階溶液のpHを12NのHClで調整した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが4に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、4.0のALRグレード、6.75のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.5のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0068】
[0069]実施例XVI:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(イソブチルトリエトキシシラン)を、メタノール(MeOH)の水性混合物宙に分散して3.00%(v./v.)のイソブチルトリエトキシシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。イソブチルトリエトキシシランの塩素化類似体(イソブチルトリクロロシラン)を使用する場合に存在するプロトン条件を一致させるため、第2の段階溶液のpHを12NのHClで調整した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが4に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、3.0のALRグレード、2.75のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.5のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0069】
[0070]実施例XVII:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な2種の疎水性試薬(ジクロロジメチルシランおよびトリクロロオクチルシラン)を、4のモル比トリクロロオクチルシラン:ジクロロジメチルシランで、メタノールの水性混合物中に分散して0.26%(v./v.)のジクロロジメチルシランおよび2.00%(v./v.)のトリクロロオクチルシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが5に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、4.0のALRグレード、6.50のAATCC Red 40染色スケールグレード、および3.25のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0070】
[0071]実施例XVIII:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル複合溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、試料を溶液浴中に浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な2種の疎水性試薬(ジクロロジメチルシランおよびトリクロロ(オクチル)シラン)を、1.33のモル比トリクロロ(オクチル)シラン:ジクロロジメチルシランで、メタノールの水性混合物中に分散して0.76%(v./v.)のジクロロジメチルシランおよび2.00%(v./v.)のトリクロロオクチルシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが5に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012、AATCC試験方法175−2003およびFord実験室試験方法BN 112−08。それに応じて、処理試料は、4.0のALRグレード、7.0のAATCC Red 40染色スケールグレード、および4.0のAATCC評価手順2/ISO 105−A03グレードを受けた。
【0071】
[0072]実施例XIX:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、ゾル−ゲル溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な2種の疎水性化学試薬(ジクロロジメチルシランおよびトリクロロフェニルシラン)を、4のモル比ジクロロジメチルシラン:トリクロロフェニルシランで、メタノールの水性混合物中に分散して2.00%(v./v.)のジメチルジメトキシシランおよび0.664%(v./v.)のトリメトキシフェニルシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが5.5に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012およびAATCC試験方法175−2003。それに応じて、処理試料は、3.0のALRグレードおよび7.0のAATCC Red 40染色スケールグレードを受けた。
【0072】
[0073]実施例XX:第1の段階溶液のため、構造ベース試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(メタノールおよび水)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、酸性条件下(pH=5、HClで調整された)で、前に記述の化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液をメタノールで希釈した。次いで、この溶液を使用して、寸法10.16cm×10.16cm(4”×4”)のナイロン6,6ベースのカーペット試料を、ゾル−ゲル溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、第2の段階溶液の被着前に風乾/硬化させておいた。十分な疎水性化学試薬(トリクロロフェニルシラン)を分散して3.00%(v./v.)のトリメトキシフェニルシラン溶液を得ることによって、第2の段階溶液を調製した。第2の段階溶液を酸性条件下(pH<1)で混合させておいた。加熱混合した後、溶液を、pHが5.5に到達するまでKOHで中和した(水を最大15%(wt./wt.)まで含有することができる)。第2の段階溶液を沈降させておいた後に、濾過することで、過剰の不溶性塩を除去した。次いで、上に記述されている第2の段階溶液を使用して、第1の段階溶液で前に処理されたナイロン6,6ベースの試料を、第2の段階溶液浴中に試料を浸漬することによって処理した。局所鉛直線に直角に向けられたカーペットの房を用いて宙に飽和試料をつるすことによって、過剰の溶液を除去した。十分な溶液を試料から排出することで、150%(wt./wt.)〜200%(wt./wt.)の間を範囲とする標的重量%ピックアップに達した。カーペット試料を次いで、効力評価の前に風乾/硬化させておいた。以下の試験方法を行うことで、カーペット空気界面での処理試料の表面エネルギー、および耐染色特性を評価した:AATCC試験方法193−2012およびAATCC試験方法175−2003。それに応じて、処理試料は、3.0のALRグレードおよび6.0のAATCC Red 40染色スケールグレードを受けた。
【0073】
[0074]実施例XXI:以下は、高い物理的強度を呈する複合体コーティングテキスタイル材料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する。酸性環境(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。結果として得られた溶液を使用して、ジオテクスタイルポリエステル織生地(およそ30.48cm×30.48cm(12”×12”))を、溶液中に生地を浸漬することによって処理した。過剰の溶液を、ピックアップが50%から100%の間になるまで生地から排出した。生地を完全に硬化するまで乾燥させた。結果として得られたテキスタイルは、本来の未処理テキスタイルと比較して、ずっと高い負荷の衝撃または穿孔に耐えることができる高い物理的強度を呈した。
【0074】
[0075]実施例XXII:以下は、高い物理的強度および耐UV性を呈する複合体コーティングテキスタイル材料のための溶液調製およびコーティング手順を記載する。酸性環境(pH=5、HClで調整された)においてベース化学試薬(テトラエチルオルトシリケート)、可塑剤(トリメトキシプロピルシラン)、結合剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)および溶媒(水およびメタノール)の混合物を含むゾル−ゲル溶液を、上記化学薬品を混合することによって調製した。酸化チタン粉末(大きさ約325メッシュ)を溶液中に添加し、完全に混合するまで撹拌した。結果として得られた溶液を使用して、ジオテクスタイルポリエステル織生地(およそ30.48cm×30.48cm(12”×12”))を、溶液中に生地を浸漬することによって処理した。過剰の溶液を、ピックアップが50%から100%の間になるまで生地から排出した。生地を完全に硬化するまで乾燥させた。結果として得られたテキスタイルは、本来の未処理テキスタイルと比較して、ずっと高い負荷の衝撃または穿孔および耐UV性に耐えることができる高い物理的強度を呈した。
【0075】
[0076] 本明細書に記載されている実施形態は、本開示の特別な態様を実証するために挙げられている。本明細書に記載されている実施形態が、本開示の例証的な実施形態を単に表すことは、当業者によって理解されるはずである。当業者は、本開示に照らして、多くの変化が、記載されている特定の実施形態においてなされ、また、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく類似または同様の結果を得ることができることを理解するはずである。前述の説明から、当業者は、この開示の基本的特徴を簡単に確かめることができ、その趣旨および範囲から逸脱することなく様々な変化および修飾することで本開示を様々な使用法および条件に適応させることができる。上文において記載されている実施形態は、例示的だけであると意味され、本開示の範囲を限定すると受け止められるべきでない。
[1] 耐汚性または耐染色性の改善のために基材を処理するための方法であって、
コーティングされるべき基材を選択するステップ;
複合溶液を調製するステップ、ここで、複合溶液は、少なくとも水、酸、第1の溶媒、ベース化学試薬、可塑剤および結合剤を混合することによって調製される;
複合溶液を利用して、基材をコーティングするステップ;
基材を乾燥または硬化することで、複合コーティングが基材上に形成するのを可能にするステップ;ならびに
フッ素フリーである疎水性溶液で基材をコーティングするステップ、ここで、疎水性溶液は、疎水性化学剤および第3の溶媒を含む;
を含む、上記方法。
[2] 複合溶液が、水3〜8vol.%、第1の溶媒20〜30vol.%、ベース化学試薬40〜60vol.%、可塑剤15〜20vol.%、および結合剤5〜10vol.%を含む、[1]に記載の方法。
[3] 複合溶液をさらに第2の溶媒で5vol.%以上60vol.%以下の最終濃度に希釈するステップをさらに含む、[3]に記載の方法。
[4] 複合溶液が、pHが5以下である酸性条件下で調製される、[1]に記載の方法。
[5] 調製ステップが、50〜100℃の範囲の昇温で複合溶液を撹拌することをさらに含む、[1]に記載の方法。
[6] 昇温での撹拌が、1/2時間から12時間の間実施される、[4]に記載の方法。
[7] 基材上に形成された組成物コーティングが、コーティング前の基材の感触および質感を変化させない、[1]に記載の方法。
[8] 複合溶液の重合度が100以下である、[1]に記載の方法。
[9] 第1の溶媒が、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、グリセロールアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはそれらの混合物から選択される、[1]に記載の方法。
[10] ベース化学試薬が、M(OR)(式中、M=Si、Al、Ti、In、SnまたはZrであり、Rは、水素、置換または非置換アルキルを含む)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択される、[1]に記載の方法。
[11] 複合溶液がキレート化試薬をさらに含み、
キレート化試薬が、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R”は、3個から20個の炭素原子を含む置換または非置換アルキル基またはアルケニル基を含む、あるいは
キレート化試薬が、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R”は置換または非置換アミン(第一級、第二級および第三級を含める)またはチオールを含む、[1]に記載の方法。
[12] 結合剤が、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rが水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み;R’が水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を構含み、R”が置換もしくは非置換エポキシまたはグリシドキシを含む、[1]に記載の方法。
[13] 可塑剤が、M(OR)4−xR’(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3である)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rが水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R’が置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含む、[1]に記載の方法。
[14] 複合溶液が、
【化1】
(式中、RおよびR’は、同じであっても異なっていてもよく、水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含む)
の一般式を有する、オリゴマー/コオリゴマー形態、ポリマー/コポリマー形態またはその組合せにおけるアルキルシロキサンから選択される粘度調整剤をさらに含む、[1]に記載の方法。
[15] 複合溶液が、UV吸収または遮断、反射防止、抗摩耗、難燃、伝導、抗微生物、抗細菌、抗真菌または色素沈着の特性を提供する機能性添加剤をさらに含む、[1]に記載の方法。
[16] 疎水性化学剤が、アルキルシラン[CH(CHSiRであり;式中、Xは、Cl、Br、Iまたは他の適当な有機脱離基を含み、Rは、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含み、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする、[1]に記載の方法。
[17] 第3の溶媒が、トルエン、ベンゼン、キシレン、トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、n−プロピルブロミド、ジエチルエーテル、アセトン、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、石油エーテルまたは石油炭化水素から選択される、[1]に記載の方法。
[18] アルキルシランが、クロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、クロロフェニルシラン、ジクロロフェニルシラン、トリクロロフェニルシラン、クロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジクロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェネチルシラン、ジクロロメチルフェネチルシラン、トリクロロフェネチルシラン、クロロジメチルオクチルシラン、ジクロロメチルオクチルシラン トリクロロオクチルシラン、クロロジメチルドデシルシラン、ジクロロメチルドデシルシラン、トリクロロドデシルシラン、クロロデシルジメチルシラン、ジクロロデシルメチルシラン、トリクロロデシルシラン、クロロジメチルオクタデシルシラン、ジクロロメチルオクタデシルシラン、トリクロロオクタデシルシラン、クロロジメチルヘキシルシラン、ジクロロメチルヘキシルシラン、トリクロロヘキシルシラン、アリルジクロロメチルシラン、アリルクロロジメチルシラン、アリルトリクロロシラン、(シクロヘキシルメチル)クロロジメチルシラン、(シクロヘキシルメチル)ジクロロメチルシラン、または(シクロヘキシルメチル)トリクロロシランから選択される、[16]に記載の方法。
[19] 疎水性化学剤が、アルコキシアルキルシラン[CH(CHSiR[アルコキシ]であり;式中、[アルコキシ]はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシまたはその組合せを含み;Rは置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含み、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする、[1]に記載の方法。
[20] 第3の溶媒が、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラクロロエチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたは水から選択される、[1]に記載の方法。
[21] アルコキシアルキルシランが、トリメトキシイソブチルシラン、トリエトキシイソブチルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジエトキシジイソブチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、トリメトキシ(ヘキシル)シラン、トリエトキシ(ヘキシル)シラン、トリプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリメトキシ(オクチル)シラン、トリエトキシ(オクチル)シラン、トリプロポキシ(オクチル)シラン、トリイソプロポキシ(オクチル)シラン、トリメトキシ(デシル)シラン、トリエトキシ(デシル)シラン、トリプロポキシ(デシル)シラン、トリイソプロポキシ(デシル)シラン、トリメトキシ(ドデシル)シラン、トリエトキシ(ドデシル)シラン、トリプロポキシ(ドデシル)シラン、またはトリイソプロポキシ(ドデシル)シランから選択される、[19]に記載の方法。
[22] 疎水性化学剤が、疎水剤および第3の溶媒を混合および加熱することによって調製される、[19]に記載の方法。
[23] 疎水剤および第3の溶媒を混合および加熱することが、1以下のpHの酸性環境において起こる、[20]に記載の方法。
[24] 疎水剤および第3の溶媒を混合および加熱することが、50℃以上100℃以下の昇温で起こる、[22]に記載の方法。
[25] 疎水剤および第3の溶媒を混合および加熱することが、1時間以上7日間以下の間で起こる、[22]に記載の方法。
[26] 耐汚性または耐染色性を改善するための、基材のためのフッ素フリーの2段階溶液であって、
第1の段階溶液:ここで、第1の段階溶液は、水、酸、第1の溶媒、ベース化学試薬、可塑剤、および結合剤を含み、複合溶液が基材をコーティングするために利用される;ならびに
フッ素フリーである疎水性溶液:ここで、疎水性溶液は、疎水性化学剤、および第2の溶媒を含み、第1の段階溶液後に基材上に被着する;
を含む、上記2段階溶液。
[27] 第1の段階溶液が、水3〜8vol.%、第1の溶媒20〜30vol.%、ベース化学試薬40〜60vol.%、可塑剤15〜20vol.%、および結合剤5〜10vol.%を含む、[26]に記載の2段階溶液。
[28] 第1の段階溶液が、第3の溶媒で5vol.%以上60vol.%以下の最終濃度にさらに希釈される、[26]に記載の2段階溶液。
[29] 第1の段階溶液が、昇温で1/2時間から12時間の間撹拌される、[26]に記載の2段階溶液。
[30] 複合溶液が、pHが5以下である酸性条件下で調製される、[26]に記載の2段階溶液。
[31] 第1の段階溶液が、50〜100℃の範囲の昇温で撹拌しながら調製される、[26]に記載の2段階溶液。
[32] 2段階溶液で形成されたコーティングが、コーティング前の基材の感触および質感を変化させない、[26]に記載の2段階溶液。
[33] 複合溶液の重合度が100以下である、[26]に記載の2段階溶液。
[34] 第1の溶媒が、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、グリセロールアセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはその混合物から選択される、[26]に記載の2段階溶液。
[35] ベース化学試薬が、M(OR)(式中、M=Si、Al、Ti、In、SnまたはZrであり、Rは、水素、置換または非置換アルキルを含む)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択される、[26]に記載の2段階溶液。
[36] 複合溶液がキレート化試薬をさらに含み、
キレート化試薬が、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R”は、3個から20個の炭素原子を含む置換または非置換アルキル基またはアルケニル基を含む、あるいは
キレート化試薬が、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R”は置換または非置換アミン(第一級、第二級および第三級を含める)またはチオールを含む、[26]に記載の2段階溶液。
[37] 結合剤が、M(OR)R’R”(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3であり;yは整数0、1または2であり;zは整数1、2または3であるが、ただし、x、yおよびzの和は4に等しいことを条件とする)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み;R’は水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R”は置換もしくは非置換エポキシまたはグリシドキシを含む、[26]に記載の2段階溶液。
[38] 可塑剤が、M(OR)4−xR’(M=Si、Al、In、SnまたはTiであり;xは整数1、2または3である)の一般式を有するアルコキシシラン、金属酸化物前駆体またはその組合せから選択され、式中、Rは水素、置換もしくは非置換アルキルまたはその誘導体を含み、R’は置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含む、[26]に記載の2段階溶液。
[39] 疎水性化学剤が、疎水剤および第2の溶媒を混合および加熱することによって調製される、[26]に記載の2段階溶液。
[40] 疎水剤および第2の溶媒を混合および加熱することが、1以下のpHの酸性環境において起こる、[26]に記載の2段階溶液。
[41] 疎水剤および第2の溶媒を混合および加熱することが、50℃以上100℃以下の昇温で起こる、[26]に記載の2段階溶液。
[42] 疎水剤および第2の溶媒を混合および加熱することが、1時間以上7日間以下の間で起こる、[26]に記載の2段階溶液。
[43] 疎水性化学剤が、アルキルシラン[CH(CHSiRであり;式中、XはCl、Br、Iまたは他の適当な有機脱離基を含み、Rは置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含み、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする、[26]に記載の2段階溶液。
[44] アルキルシランが、クロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、クロロトリメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、トリクロロメチルシラン、クロロフェニルシラン、ジクロロフェニルシラン、トリクロロフェニルシラン、クロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェニルシラン、ジクロロメチルフェニルシラン、クロロジメチルフェネチルシラン、ジクロロメチルフェネチルシラン、トリクロロフェネチルシラン、クロロジメチルオクチルシラン、ジクロロメチルオクチルシラン トリクロロオクチルシラン、クロロジメチルドデシルシラン、ジクロロメチルドデシルシラン、トリクロロドデシルシラン、クロロデシルジメチルシラン、ジクロロデシルメチルシラン、トリクロロデシルシラン、クロロジメチルオクタデシルシラン、ジクロロメチルオクタデシルシラン、トリクロロオクタデシルシラン、クロロジメチルヘキシルシラン、ジクロロメチルヘキシルシラン、トリクロロヘキシルシラン、アリルジクロロメチルシラン、アリルクロロジメチルシラン、アリルトリクロロシラン、(シクロヘキシルメチル)クロロジメチルシラン、(シクロヘキシルメチル)ジクロロメチルシラン、または(シクロヘキシルメチル)トリクロロシランから選択される、[43]に記載の2段階溶液。
[45] 疎水性化学剤が、アルコキシアルキルシラン[CH(CHSiR[アルコキシ]であり;式中、[アルコキシ]は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシまたはその組合せを含み;Rは置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリールまたはその誘導体を含み、aは整数0、1、2、3…から20であり、bは整数1、2または3であり、cは整数0、1、2、3であり、dは整数1、2または3であるが、ただし、b、cおよびdの和は4に等しいことを条件とする、[26]に記載の2段階溶液。
[46] アルコキシアルキルシランが、トリメトキシイソブチルシラン、トリエトキシイソブチルシラン、ジメトキシジイソブチルシラン、ジエトキシジイソブチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、メトキシジメチルフェニルシラン、エトキシジメチルフェニルシラン、トリメトキシ(ヘキシル)シラン、トリエトキシ(ヘキシル)シラン、トリプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリイソプロポキシ(ヘキシル)シラン、トリメトキシ(オクチル)シラン、トリエトキシ(オクチル)シラン、トリプロポキシ(オクチル)シラン、トリイソプロポキシ(オクチル)シラン、トリメトキシ(デシル)シラン、トリエトキシ(デシル)シラン、トリプロポキシ(デシル)シラン、トリイソプロポキシ(デシル)シラン、トリメトキシ(ドデシル)シラン、トリエトキシ(ドデシル)シラン、トリプロポキシ(ドデシル)シラン、またはトリイソプロポキシ(ドデシル)シランから選択される、[45]に記載の2段階溶液。