(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882261
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】分離装置
(51)【国際特許分類】
B01D 45/12 20060101AFI20210524BHJP
B01D 50/00 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
B01D45/12
B01D50/00 501H
B01D50/00 501B
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-511001(P2018-511001)
(86)(22)【出願日】2016年8月10日
(65)【公表番号】特表2018-526206(P2018-526206A)
(43)【公表日】2018年9月13日
(86)【国際出願番号】EP2016001377
(87)【国際公開番号】WO2017032447
(87)【国際公開日】20170302
【審査請求日】2019年6月4日
(31)【優先権主張番号】102015011225.2
(32)【優先日】2015年8月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513144501
【氏名又は名称】エルテー−フィルターテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】フランク オーベルリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス シュタイヒェ
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ケッセル
【審査官】
宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第02828831(US,A)
【文献】
英国特許出願公告第00517206(GB,A)
【文献】
特開平05−092115(JP,A)
【文献】
特開2011−032984(JP,A)
【文献】
特表2005−513385(JP,A)
【文献】
特開平05−317630(JP,A)
【文献】
米国特許第00970477(US,A)
【文献】
米国特許第02998100(US,A)
【文献】
カナダ国特許出願公開第00891035(CA,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 45/12
B01D 50/00
B01D 46/00−46/54
B03C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気相媒体流から固体状の不純物を分離する分離装置であって、
螺旋状に形成された案内装置(42)を有するスパイラルセパレータ(10)と、円筒形状の内壁を有するハウジング(30)内に配置された中空円筒形状のフィルタエレメント(14)と、を備え、
媒体流は前記案内装置(42)に供給可能であり、そうすることによって前記媒体流からそれぞれの不純物を少なくとも一部分離させ、
前記案内装置(42)は複数のスパイラルアーム(44)を有しており、該スパイラルアーム(44)は、対状をなして隣接して配置され、前記媒体流を、半径方向外方に案内し、前記ハウジング(30)の内壁に向かって螺旋状に動くように、互いに対向して半径方向に延びる流動室(46)を規制し、
前記分離装置は、前記媒体流が、螺旋経路(40)によって加速され、前記ハウジング(30)の内壁に沿って媒体出口(24)の方向に更に運ばれ、前記固体状の不純物が前記ハウジング(30)の内壁における摩擦によって制動され、続いて前記ハウジング(30)から排出され、残っている残留空気がフィルタエレメント(14)によって浄化されるように、設けられ、
前記フィルタエレメント(14)は、半径方向で、前記ハウジング(30)に対して所定の間隔を開けるように設けられている、分離装置において、
個々のスパイラルアーム(44)は、前記スパイラルセパレータ(10)が前記フィルタエレメント(14)の方を向く側で備える深鍋状受容部(34)の端面側表面に着設され、該深鍋状受容部(34)の中へ前記フィルタエレメント(14)が挿入され、前記スパイラルセパレータ(10)は、半径方向で、前記ハウジング(30)に対して所定の間隔を開けて配置されている、ことを特徴とする分離装置。
【請求項2】
前記媒体流は、前記分離装置のハウジング(30)の媒体入口(38)を通して軸方向に、個々のスパイラルアーム(44)が集合する前記案内装置(42)の中央領域(48)に供給されることを特徴とする、請求項1に記載の分離装置。
【請求項3】
前記案内装置(42)のために使用されている少なくとも一部のスパイラルアーム(44)は、対状をなして互いに隣り合って流動室(46)を相互に規制しており、該流動室(46)の経路は前記案内装置(42)の中央領域(48)を起点として外方に拡散し、収束し、又は互いに平行に延びるスパイラルアーム(44)によって一定であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の分離装置。
【請求項4】
個々のスパイラルアーム(44)は内方に向かって中央領域(48)で集合し、媒体入口(38)を通して軸方向に供給された未処理空気及び/又は周囲空気は、中央領域(48)を形成している円筒板に衝突した後、一様に配分されて更に前記流動室(46)内に送られて半径方向外方に移動することを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の分離装置。
【請求項5】
前記案内装置(42)の前記スパイラルアーム(44)を用いた媒体流の螺旋経路(40)によって、固形物はハウジング(30)の内部で分離されることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の分離装置。
【請求項6】
前記案内装置(42)のそれぞれのスパイラルアーム(44)は、少なくともそれらの共通結合領域(48)の外部でフィボナッチ螺旋の曲線経路に追従することを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の分離装置。
【請求項7】
前記案内装置(42)のすべてのスパイラルアーム(44)は同じに形成されており、同じ長さ及びまた同じ高さで形成されていることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の分離装置。
【請求項8】
前記案内装置(42)はプレセパレータ(10)の方式で構成されており、少なくとも前記媒体流の方向に見てプレセパレータ(10)の後段にエアフィルタシステム(12)が続いていることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の分離装置。
【請求項9】
前記媒体流の方向に見て濾過精度の高いメインフィルタエレメント(14)の後段に濾過精度の低い安全フィルタエレメント(16)が接続されていることを特徴とする、請求項1〜8の何れか一項に記載の分離装置。
【請求項10】
前記媒体流はエアフィルタシステム(12)の後で万一ある固形物が除去された後で、ハウジング(30)内で媒体入口(38)と同軸に配置されている媒体出口(24)を通ってハウジング(30)から出ることを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載の分離装置。
【請求項11】
ハウジング(30)は、それぞれ分離された固形物が流出するための少なくとも1つの別の開口部(26)を有していることを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載の分離装置。
【請求項12】
ハウジング(30)は複数部分から構成されており、一方ではエアフィルタシステム(12)のために、及び他方では前記案内装置(42)のために互いから再び取り外すことができるハウジング部分(18、28)を有していることを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の分離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、螺旋状に形成された案内装置に供給可能である気相媒体流から固形物を分離するための特にスパイラルセパレータの方式による分離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1により、気体流から液体及び/又は個体粒子を分離するためのサイクロンセパレータが知られている。このサイクロンセパレータは、少なくとも1つの実質的に円筒形に形成されたセルパイプを備えた第1のサイクロン部分を有しており、セルパイプは粒子を分離するために気体流を回転させることができる案内装置を有している。更にこの公知の解決は、分離された粒子装置から導出するための粒子排出口と、気体流の流動方向で後続の、少なくとも1つの浸漬管を備えた第2のサイクロン部分とを有しており、浸漬管はセルパイプ内に受容されて、その気体流の流動方向で後続の下流側端部で、セルパイプの気体流の流動方向で後続の端部と少なくとも部分領域で接続されており、更に浄化された気体流を排出するための中央排出口とを有している。
【0003】
有利には、この公知のサイクロンセパレータはいわゆるマルチセルサイクロンとして形成されており、第1のサイクロン部材は多数のセルパイプを有し、第2のサイクロン部材は多数の浸漬パイプを有している。この公知の解決によりマルチセルサイクロン構造に基づいてそれぞれの固形物が媒体気体流から良好な効率で分離される。しかしこのような構造は実現に手間がかかり、したがって高コストである。
【0004】
特許文献2により知られている、液体を気体から分離するための別の装置は、気体入口と気体出口、並びに気体入口と気体出口との間の流動路に配置された、特に空気脱油エレメントの形式による分離エレメントを備えた装置容器を有している。この公知の解決においては、螺旋状に延びる流動ハウジングの形式による唯一のスパイラルアームを備えたスパイラルセパレータが気体入口と分離エレメントとの間に配置されており、このようなスパイラルセパレータが容器を上部チャンバーと下部チャンバーに区分する。
【0005】
公知の装置は、運転時に流動媒体内部に渦流が発生するのを回避し、コンパクトな構造を許す。しかし気体媒体流から不純物として排出すべき液体の分離性能に関しては、公知の解決はまだ十分とは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】独国特許出願第102010014278A1号明細書
【特許文献2】欧州特許出願第2471588A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、この先行技術から出発して、設置スペースを節約し、廉価に実現でき、高い分離性能を発揮しながら運転時に確実に機能する分離装置が提供されるように、公知の技術を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は請求項1の特徴をその全体において有する装置によって解決される。
【0009】
請求項1の特徴部分に従い、媒体流のための螺旋状に形成された案内装置は、複数の個々のスパイラルアームを有しており、これらのスパイラルアームは対状に互いに隣接して対向配置され、半径方向に延びる流動室を媒体流が半径方向外方に案内されるように規制することによって、スパイラルセパレータの多数の固定された螺旋状の案内羽根に基づいて気相媒体流からの不純物の高い分離性能が安定した機能で達成されており、更にスパイラルセパレータは廉価に、かつ少ない設置スペースで実現できる。これに相当するものは先行技術にはない。
【0010】
本発明による分離装置の好適な実施形態において、特にダストなどの粒子状固形物である不純物を含んだ周囲空気からなる気体流の形式による媒体流が、装置のハウジングの媒体入口を通して軸方向に、個々のスパイラルアームが集合する案内装置の中央領域に供給されているようになっている。特に媒体流入口が案内装置の方向で目に見えて狭くなっているので、媒体流はスパイラルアームによって規制されたスパイラルセパレータの分配チャンバー内に均一に分配される前に既に最初から加速されており、このことは案内装置の螺旋状羽根により半径方向外方に見て更に加速するのを助ける。
【0011】
本発明による分離装置は特に好適な実施形態において、案内装置のために使用されている少なくとも一部のスパイラルアームは、しかし好ましくは全部のスパイラルアームは、互いに隣り合って対状に流動室を相互に規制しており、これらの流動室の経路は案内装置の中央領域を起点として外方に拡散し、収束し、又は互いに平行に延びるスパイラルアームによって実質的に一定である。このように個々のスパイラルアームを拡散し、収束し、又は平行に配置することにより、案内装置を用いて流速を遅くすることができ、又は実質的に一様に保つことができる。これに相当するものは先行技術にはない。
【0012】
本発明による分離装置の別の好適な実施形態において、ハウジングは設定可能な半径方向間隔でスパイラルセパレータを取り囲んでおり、案内装置のスパイラルアームによって媒体流を螺旋状に案内することにより媒体流から分離された固形物などの不純物は、このハウジングの内部で隔離できる。上記の固体不純物の他に、凝水などの液滴もこのようにして気体流から分離できる。
【0013】
本発明による分離装置の別の特に好適な実施形態において、案内装置のそれぞれのスパイラルアームは、少なくともそれらの共通内部結合領域の少なくとも外部で、いわゆるフィボナッチ螺旋(Fibonacci-Spirale)の曲線経路に追従するようになっている。このようにしてそれぞれのスパイラルアームの螺旋形に対して一種の黄金分割が達成され、このことは媒体流のエネルギー論的流動案内に著しく有利に作用する。
【0014】
分離装置別の好ましい構成において、案内装置のすべてのスパイラルアームは同じに形成されており、特に同じ長さ及びまた同じ高さで形成されており、このようにして回転対称形に構成されたスパイラルセパレータは長手方向で見て分離装置のハウジングの内部の任意の取付け位置に受容できる。更に、案内装置の案内羽根として、例えばプラスチック射出成形品からなる固定されたスパイラルアームを有するこのようなスパイラルセパレータは廉価に得ることができる。スパイラルセパレータの対称的構成に基づき、スパイラルセパレータの各方向で搬送率排出並びに所望の分離率が達成される。
【0015】
更に本発明による分離装置の別の特に好適な実施形態において、螺旋状に形成された案内装置はプレセパレータの方式で構成されており、少なくとも媒体流の方向に見てその後段にエアフィルタシステムが続くようになっている。このようにして万一まだ媒体流から分離されていない固体不純物、特に粒子状不純物は、それぞれ使用されるフィルタ媒体によって更に確実に除去でき、その後で分離装置から導出された空気気体流は、本発明による分離装置が空気濾過を引き受ける内燃機関のそれぞれの燃焼室に送られる。
【0016】
エアフィルタシステムは、好適には濾過精度の高いメインフィルタエレメントと、その内部に同心的に配置された又はその後段に配置された濾過精度の低い安全フィルタエレメントを有することができる。上記のメインフィルタエレメントとして形成された空気フィルタエレメントはフィルタ媒体に粒子状不純物が相応に詰まったら新しいエレメントと交換されるので、交換を意図した際にうっかりしてメインフィルタエレメントを抜かした場合でも、分離装置の運転時に安全フィルタエレメントが更に粒子状残留不純物を十分除去することになり、それによって内燃機関が損傷を被ることはない。
【0017】
媒体流はエアフィルタシステムを通過した後で万一ある固形物が除去された後で、同じハウジング内に媒体入口と同軸に配置されている媒体出口を通って装置ハウジングから出るが、その際に分離装置に接続された内燃機関は媒体流又は気体流を軸方向に吸入することによって空気入口から空気出口まで軸方向で装置ハウジングを加速して通過させることにより、このような軸方向流動案内にスパイラルプレセパレータの半径方向空気案内が重なり、その結果全体としてスパイラルプレセパレータを起点として装置ハウジングの内部に、特にその内壁に沿って理想的に一様に螺旋状の媒体流経路が生じて、分離装置全体の貫流が特にエネルギー論的に好都合に達成されている。上記の螺旋状の媒体流経路は、装置ハウジングの内部で軸方向に延びるメインフィルタエレメントの周囲を同様に均一に螺旋状に流動し、その結果として媒体流から一様にまだ残っている粒子状固体不純物がメインフィルタエレメントのフィルタ媒体によって除去されるという理由からも好都合である。このようにしてメインフィルタエレメントにも一様に粒子状不純物が溜まり、そのために長い使用期間が提供される。総じて装置には媒体入口を通って多かれ少なかれ不純物を含んだ媒体流が装入され、この媒体流はスパイラルプレセパレータとフィルタシステムによって相応に浄化されて媒体出口に送られ、これに内燃機関の燃焼室が吸入側で接続されている。
【0018】
装置ハウジングは媒体入口と媒体出口と並んで、それぞれ分離された固形物が流出するための少なくとも1つの別の開口部を有していることにより、固体不純物は的確に分離装置から周囲に排出される。そのような排出口には閉鎖可能な分離弁を装備して、分離装置からそれぞれの不純物非連続的な間隔で又は準連続的に排出することができる。上記の内燃機関のための空気濾過の枠内で、粒子状固体不純物は規則的に、内燃機関が例えば作業機械を駆動するためにそれぞれ使用される周囲空気中に存在するダストである。
【0019】
ハウジングは好適には複数部分から構成されており、好ましくは互いから再び取り外すことができるハウジング部分を有しており、一方のハウジング部分は好適には螺旋状に形成された案内装置を有し、他方のハウジング部分は上述したフィルタシステムを有することができる。このようにして個々のハウジング部分は時間的に近接して互いに分離でき、その際に一方のハウジング部分は、特にエアフィルタ用メインエレメントとして形成されたフィルタエレメントを新しいエレメントと交換するために、フィルタシステムと共に内燃機関に留まることができる。
【0020】
以下に本発明による分離装置を図面に従い実施例に基づいて詳細に説明する。図面は原理図であり、縮尺通りに表現されていない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】
図1に示すスパイラルセパレータの端面の斜視図である。
【
図3】時計と反対方向に向けて拡散するスパイラルアームを有する、
図2に示すスパイラルセパレータの端面図である。
【
図4】時計方向に向けて拡散するスパイラルアームを有する、
図2に示すスパイラルセパレータの端面図である。
【
図5】
図3及び
図4に示すスパイラルセパレータのためのいわゆるフィボナッチ螺旋からなるスパイラルアームの構成図である。
【
図6】収束するように若しくは互いに平行に配置されたスパイラルアームを有する、
図4に対応する図である。
【
図7】収束するように若しくは互いに平行に配置されたスパイラルアームを有する、
図4に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に示された分離装置は、プレセパレータとしてスパイラルセパレータ10を有しており、これに特に気体流若しくは空気流の形式による媒体の流動方向で、メインフィルタエレメント14と安全フィルタエレメント16を備えたエアフィルタシステム12が接続している。メインフィルタエレメント14は中空円筒形に形成されており、濾過精度の高いフィルタ媒体を有する。メインフィルタエレメント14内には同心的構造で安全フィルタエレメント16を受容可能であり、安全フィルタエレメント16もまた中空円筒形に形成されていて、そのフィルタ媒体に関してメインフィルタエレメント14に比べて濾過精度が低い。両フィルタエレメント14、16は、深鍋状のハウジング下部18内に受容可能である。このためにハウジング下部18は、メインフィルタエレメント14を端面側で受容するための一体化された受容スリーブ20と、安全フィルタエレメント16の端部を受容するための別の一体化されたスリーブ22を有しており、これらのフィルタエレメントはスリーブ状受容部20、22にそれぞれハウジング下部18内に密封されて動かないように保持されている。深鍋状のハウジング下部18の底部にはスリーブ状の媒体出口24があり、これは分離装置によって生成された清浄空気を作業機械又はその他の車両の図示されない通常の内燃機関に供給する。内燃機関の代わりにコンプレッサ用空気も分離装置によって相応に浄化して生成できる。
【0023】
図1の視線方向に見て、媒体出口24に隣接して下端部に斜めに延びて更に別の流出口26がある。これは固体不純物を分離装置から排出することを可能にし、特に流出口26を通して空気からダストの周囲への流出が達成されている。スリーブ状の流出口26を通してハウジング下部18からの有効なダスト分離を達成するために、このような流出口26は内燃機関のための詳細に図示されない排気システムに接続されてよく、内燃機関の運転時に排気システム内で負圧が形成されて、流出口26からのダスト流出を容易にするのを助ける。周囲からハウジング下部18の内部に好ましくない汚れや水分を取り込むのを避ける一助として、流出口26内に詳細に図示されないダスト分離弁を特にばね負荷された逆止め弁の方式で設けることができる。弁は装置及び内燃機関の運転時に排気システムの吸入作用下で流出口26の空いている開口断面に向かって開き、例えば内燃機関の運転を停止するとハウジング下部18の内部に向かって閉鎖位置に入る。
【0024】
既述したスパイラルセパレータ10は蓋状のハウジング上部28内に受容可能であり、その内側は設定可能な半径方向の間隔でスパイラルセパレータ10の外周を包囲している。ハウジング下部18はハウジング上部28と共に、分離装置の全ハウジング30を構成している。更にハウジング上部28は通常のようにドローラッチ32(
図1には1個のドローラッチのみ示す)によりハウジング下部18に再び取り外せるように保持される。分離装置を全吸気システム又は全排気システムに有効に取り付けるために、ハウジング下部18は詳細に図示されない内燃機関の領域で内燃機関の近傍に動かないように配置されており、フィルタエレメントの交換過程では同所に留まることが期待される。
【0025】
全ハウジング30は特に、メインフィルタエレメント14が不純物で詰まって新しいエレメントと交換する際に開かれる。上記の安全フィルタエレメント16はその際にハウジング下部18のスリーブ状受容部22に留まっており、メインフィルタエレメント14のための新しいエレメントをうっかりして入れなかった場合でも装置による分離運転は可能であるが、それは新しいメインフィルタエレメント14を入れ忘れた場合でも、まさに安全フィルタエレメント16が引き続き粒子状不純物を媒体気体流から分離するからである。したがって残っている安全フィルタエレメント16によって、万一汚染した空気によって分離装置に接続された内燃機関が損傷することはいかなる場合も回避される。
【0026】
スパイラルセパレータ10は、メインフィルタエレメント14に向けられた側に同様に鍋状の受容部34を有しており、その中にメインフィルタエレメント14をスパイラルセパレータ10と対向する端部側で密封して挿入可能である。更にスパイラルセパレータ10は、拘束されていない端面からハウジング上部28を貫入する3本の係合雄ねじ36によってハウジング上部28に保持されている。それぞれの可能なねじ止め箇所が
図1に破線で暗示されている。更にハウジング上部28はその外方に向いた拘束されていない端面に中空スリーブの形式による媒体入口38を有している。
【0027】
これに従って媒体流入若しくは空気流入はハウジング上部28の媒体入口38を通して行われ、空気流入は矢印に従い軸方向で全分離装置の長手方向軸に沿って行われる。このような軸方向空気流入はスパイラルセパレータ10によって外方に向かって回転運動にもたらされ、この空気の回転運動に媒体入口38を通して空気の軸方向流入が重ねられて、媒体流若しくは空気流は螺旋軌道経路40に沿って螺旋状に全ハウジング30の内壁に向かって動く。空気流のための円滑な螺旋軌道経路40を確保できるようにするために、スパイラルセパレータ10もメインフィルタエレメント14も半径方向に見てハウジング上部28若しくはハウジング下部18に対して設定可能な間隔を有している。上記の空気流がダストなどの粒子状固体不純物を含んでいる場合は、ダストで汚染された空気は図示された螺旋起動経路(案内経路)40によって加速され、空気は全ハウジング30の内壁沿いに媒体出口24の方向に更に運ばれ、その際に上記のダストからなる固体不純物は全ハウジング30の内壁における摩擦によって制動され、次に流出口26に設けた詳細に図示されないダスト流出弁を通って全ハウジング30から、好ましくは車両の排気システム内へと分離される。残っている残留空気は更にメインフィルタエレメント14によって浄化され、そのようにして清浄空気として媒体出口24を通ってそれぞれ接続された内燃機関の燃焼室に到達する。
【0028】
図2は、スパイラルセパレータ10の端面側を斜視図で示している。スパイラルセパレータ10は個々のスパイラルアーム44の形式による螺旋案内装置42を有しており、スパイラルアーム44はその下に位置するメインフィルタエレメント14のための深鍋状受容部34の端面側表面に着座している。このような構成は一体的であってよく、特に円筒形に受容部34はプラスチック射出成形品により個々のスパイラルアーム44を有する螺旋案内装置42と一体的な構成部材として作製できる。個々のスパイラルアーム44は、特に
図3及び
図4に示す端面図からも明らかなように、対状に互いに隣接して対向配置されて半径方向外方に拡大する流動室46を規制して、媒体流若しくは空気流を半径方向外方に案内する。このような空気案内は、半径方向に拡大する流動室46を通って内側から外方へ加速して行うことができる。
【0029】
個々のスパイラルアーム44は、内方に向かって共通領域48で集合しており、媒体入口38を通して軸方向に供給された−多かれ少なかれダストを含有した−未処理空気又は周囲空気が上記の共通領域48を形成している円筒板に衝突した後、一様に配分されて更に流動室内に送られて半径方向外方に移動する。更に
図2に示すように、割り当て可能なスパイラルアーム44はそれぞれ割り当て可能な係合雄ねじ36と係合するために互いに等間隔に配置された係合雌ねじ50を備えており、このようにして螺旋案内装置42を蓋状のハウジング上部28と結合してスパイラルセパレータ10を構成する。
【0030】
特に
図3及び
図4に示すように、スパイラルアーム44は深鍋状受容部34上に左回り若しくは右回りに配置されることができる。更にすべてのスパイラルアーム44はそれらのそれぞれ拘束されていない端部が深鍋状受容部34の円筒形外周と共通の同一平面で終了している。媒体入口38が例えばスパイラルセパレータ10に向かって円錐状に細くなっている加速セクションを有している場合、内燃機関により媒体出口24を通して加速されて吸入される空気は、相応に加速されてスパイラルセパレータ10の共通結合領域48に入口側で衝突し、このようにして初期加速が得られる。このことは媒体流から粒子状不純物を分離する特性に好都合に働く。スパイラルセパレータ10によって加速される気体流若しくは空気流の容積量は吸入開口部の大きさ、即ち媒体入口38によって調整可能であり、同様に螺旋案内装置42の羽根状に形成されたスパイラルアーム44の軸方向高さによっても可能である。媒体流若しくは気体流の速度もスパイラルアーム44の数によって設定され、並びに
図5の表現に従いいわゆる黄金分割が設計上実現されるようにそれぞれのスパイラルアーム44をフィボナッチ螺旋の方式で構成することによって生じる長さ52によって設定される。スパイラルアーム44はそれらの互いに向き合わされた端部で共通領域48に開口しているので、内部に向かって全フィボナッチ螺旋が実現しているわけではない。
【0031】
図2〜
図4に示すように、個々のスパイラルアーム44は拡散的に配置されている。即ち、それぞれ対をなすスパイラルアーム44によって内方から外方に向かって規制された個々の流動室46は中央結合領域48を起点として拡大している。このようにして応用事例において例えば粒子状不純物に応じて設定される場合に、この方向における流動は減速され得る。他方、スパイラルアーム44の収束的配置において、流動室46は
図5に示すように、やはり中央領域48を起点として、外方に細くなっており、その結果として流速は内方から外方に向かって高くなる。これに対し
図6に示す実施形態では個々のスパイラルアーム44は対をなして実質的に互いに平行に推移するように配置されており、内方から外方に向かって見て一定であり、その限りで流速も一定の流動室46が得られている。
【0032】
スパイラルセパレータ10の円筒形延長部は、個々のスパイラルアーム44若しくは螺旋羽根と接続した深鍋状受容部34として、固形物で汚染された気体流若しくは空気流を全ハウジング30の円筒形ハウジング内壁の長手方向で半径方向に案内する働きをする。ここから生じる容積差により固形物は規則的にダストとして気体・空気流から落下する。次に固形物は内燃機関の吸入操作によってハウジング壁の内側沿いに、ハウジング30内の流出口26として形成された沈殿箇所まで搬送されて、そこで周囲に排出される。本発明によるスパイラルセパレータ10は上述したエアフィルタシステム12においてプレセパレータとして使用でき、これに半径方向又は軸方向に密封する、特にメインフィルタエレメント14として形成されたフィルタエレメントが続いており、ハウジング30内でフィルタエレメントの周囲をダストなどの汚染粒子が流れ、若しくはフィルタエレメントは空気によって貫流される。その際に粒子/気体混合物と清浄空気は、ハウジング30の媒体出口24を通って内燃機関の燃焼室に供給され得る。