(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【技術分野】
【0001】
本発明は、製剤、より具体的には医薬製剤に関する。
【0002】
文書、行為又は知識項目が言及又は議論されている本明細書において、この言及も議論も、文書、行為もしくは知識項目又はそれらの任意の組み合わせが優先日において公に入手可能であったこと、公衆に公知であったこと、一般的な知識の一部であったこと;又は本明細書が関連する課題を解決しようとする試みに関連していることが分かっていたことの自認ではない。
【0003】
薬物送達技術は、活性剤の生物学的利用能、安全性、持続時間、開始又は放出を改善するために開発されている。
【0004】
薬物送達技術を開発する場合、遭遇する可能性のある課題には、薬物送達システムと活性剤の適合性、十分かつ有効な持続時間の維持、副作用の可能性、ならびに患者の利便性及びコンプライアンスに応じることが含まれる。結果として、多くの薬物送達技術は、所望の改善及び必要条件に届かない。改善された又は代替の薬物技術が必要である。
【0005】
したがって、本発明の第1の態様は、主界面活性剤(primary surfactant)、トコールホスファート、水、活性剤、任意に油を含む製剤であって、活性剤及び/又は任意の油が疎水相を構成
し、主界面活性剤が製剤の総量の約1%w/w〜約30%w/wの範囲内の量で存在し、トコールホスファートがモノ−(トコフェリル)ホスファートならびにジ−(トコフェリル)ホスファートの混合物である、製剤を提供する。
【0006】
説明
本発明は、主界面活性剤と、トコールホスファートと、水と、活性剤と、任意に油とを含む製剤であって、活性剤及び/又は任意の油が疎水相を構成する製剤に関する。
【0007】
活性剤
「活性剤」という用語は、医学的、治療的、美容的及び獣医学的目的でヒト又は動物の中又は上に効果を有する化学物質を指し、薬物、医薬品、機能性化粧品、栄養補助食品及び栄養剤を包含する。活性剤のいくつかがこれらのクラスの2つ以上に分類され得ることが理解されるであろう。
【0008】
一定の実施形態では、活性剤が水に不溶性である、又は水に難溶性である。
【0009】
いくつかの実施形態では、活性剤がアンプレナビル、ベキサロテン、カルシトリオール、クロファジミン、シクロスポリン(cyclosporine)(又はcyclosporin)、ジゴキシン、ドキセルカルシフェロール、ドロナビノール、デュタステリド、エトポシド、イソトレチノイン、イトラコナゾール、ロピナビル、リトナビル、ロラタジン、ニフェジピン、ニモジピン、フェノバルビタール、プロゲステロン、リスペリドン、サキナビル、シロリムス、トレチノイン、バルプロ酸、アミオダロン塩酸塩、クロルジアゼポキシド塩酸塩、ジアゼパム、メシル酸ジヒドロエルゴタミン、フェノルドパム、オキシテトラサイクリン、パリカルシトロール、ペントバルビタールナトリウム、フェニトインナトリウム、フィトナジオン、プロポフォール、メシル酸ジプラシドン、ドセタキセル、エトポシド、フルベストラント、デカン酸ハロペリドール、酢酸リュープロリド、Viadur(登録商標)、ロラゼパム、パクリタキセル、タクロリムス、テニポシド、エナント酸テストステロン、シピオン酸テストステロン、シピオン酸エストラジオール及びバルルビシンからなる群から選択される。
【0010】
一実施形態では、活性剤がプロポフォールである。
【0011】
いくつかの実施形態では、製剤が油とみなされる活性剤に適している。他の実施形態では、製剤が油とみなされない活性剤に適している。
【0012】
いくつかの実施形態では、活性剤が製剤の総量の約1mg/mL〜約20mg/mLの範囲内の量で存在し得る。いくつかの実施形態では、活性剤が製剤の総量の約1mg/mL〜約10mg/mLの範囲内の量で存在し得る。さらに他の実施形態では、活性剤が製剤の総量の約5mg/mL〜約10mg/mLの範囲内の量で存在し得る。一実施形態では、活性剤が製剤の総量の約10mg/mLの量で存在する。別の実施形態では、活性剤が製剤の総量の約5mg/mLの量で存在する。さらに別の実施形態では、活性剤が製剤の総量の約2mg/mLの量で存在する。なお別の実施形態では、活性剤が製剤の総量の約1mg/mLの量で存在する。
【0013】
界面活性剤
主界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性又は双性イオン性界面活性剤であり得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、主界面活性剤が非イオン性界面活性剤である。適切な非イオン性界面活性剤には、それだけに限らないが、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエトキシル化ヒマシ油(例えば、Cremophor(登録商標)EL)、硬化ヒマシ油(例えばCremophor(登録商標)RH60)、2−ヒドロキシエチル12−ヒドロキシオクタデカノエート(例えば、Solutol(登録商標)HS15)、ポリオキシエチレンモノオレエート(例えば、PEGモノオレエート)、ポリオキシエチレンモノステアレート(例えば、PEG400モノステアレート)、ポリオキシエチレンモノラウレート(例えば、PEG400モノラウレート)、ソルビタンモノラウレート(例えば、Span(登録商標)20)、トリエタノールアミンオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(例えば、Tween(登録商標)20、Tween21)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(例えば、Tween(登録商標)40)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(例えば、Tween(登録商標)60、Tween(登録商標)61)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(例えば、Tween(登録商標)65)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(例えば、Tween(登録商標)80、Tween(登録商標)81)及びポリオキシエチレンソルビタントリオレエート(例えば、Tween(登録商標)85)が含まれる。
【0015】
いくつかの実施形態では、主界面活性剤のHLB値が8〜18である。他の実施形態では、主界面活性剤のHLB値が8〜14である。この範囲内のHLB値を有する界面活性剤の例としては、それだけに限らないが、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエトキシル化ヒマシ油(例えば、Cremophor(登録商標)EL)、硬化ヒマシ油(例えばCremophor(登録商標)RH60)、2−ヒドロキシエチル12−ヒドロキシオクタデカノエート(例えば、Solutol(登録商標)HS15)、オレイン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンモノオレエート(例えば、PEGモノオレエート)、ポリオキシエチレンモノステアレート(例えば、PEG400モノステアレート)、ポリオキシエチレンモノラウレート(例えば、PEG400モノラウレート)、ソルビタンモノラウレート(例えば、Span(登録商標)20)、トリエタノールアミンオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(例えば、Tween(登録商標)20、Tween21)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(例えば、Tween(登録商標)40)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(例えば、Tween(登録商標)60、Tween(登録商標)61)、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(例えば、Tween(登録商標)65)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(例えば、Tween(登録商標)80、Tween(登録商標)81)及びポリオキシエチレンソルビタントリオレエート(例えば、Tween(登録商標)85)が挙げられる。
【0016】
いくつかの実施形態では、主界面活性剤がポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(例えば、Tween(登録商標)80)である。
【0017】
いくつかの実施形態では、ただ1つの主界面活性剤のみを使用する。しかしながら、他の実施形態では、主界面活性剤の組み合わせを使用してもよい。例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(例えば、Tween(登録商標)80)と別の主界面活性剤の組み合わせがある。
【0018】
主界面活性剤は、製剤の総量の約1%w/w〜約30%w/wの範囲内の量で存在し得る。いくつかの実施形態では、主界面活性剤が、製剤の総量の約1%w/w〜約20%w/wの範囲内の量で存在し得る。他の実施形態では、主界面活性剤が、製剤の総量の約1%w/w〜約10%w/wの範囲内の量で存在し得る。さらなる実施形態では、主界面活性剤が、製剤の総量の約10%w/w〜約20%w/wの範囲内の量で存在し得る。一実施形態では、主界面活性剤が、製剤の総量の約20%w/wの量で存在し得る。別の実施形態では、主界面活性剤が、製剤の総量の約10%w/wの量で存在し得る。
【0019】
一実施形態では、界面活性剤と活性剤の比が10:1より大きい。これらの実施形態では、このような比が透明な溶液をもたらすことが分かった。
【0020】
トコールホスファート
トコールホスファートは、トコフェリルホスファート及び/又はトコトリエノールホスファート(それらの塩を含む)からなる群から選択され得る。本発明の製剤において、トコールホスファートは、マイクロエマルジョンを形成するために一般的に必要とされる共界面活性剤として作用し得る。
【0021】
トコールホスファートの例としては、それだけに限らないが、モノ−(トコフェリル)ホスファート、モノ−(トコフェリル)ホスファート一ナトリウム塩、モノ−(トコフェリル)ホスファート二ナトリウム塩、ジ−(トコフェリル)ホスファート、ジ−(トコフェリル)ホスファート一ナトリウム塩、モノ−(トコトリエノール)ホスファート、モノ−(トコトリエノール)ホスファート一ナトリウム塩、モノ−(トコトリエノール)ホスファート二ナトリウム塩、ジ−(トコトリエノール)ホスファート、ジ−(トコトリエノール)ホスファート一ナトリウム塩が挙げられる。トコールホスファートは、トコフェリルホスファート及び/又はトコトリエノールホスファートの混合物であってもよい。例えば、モノ−(トコフェリル)ホスファートとジ−(トコフェリル)ホスファートの混合物(「TPM」)がある。
【0022】
「塩」には、アルカリ又はアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、マグネシウム、カリウム及びカルシウム塩などの金属塩が含まれ得る。ナトリウム及びカリウム塩が好ましい。
【0023】
トコールホスファートは中和されていてもされていなくてもよい。トコールホスファートは、中和される場合、中性付近のpH、より好ましくは5〜7のpH範囲内に中和される。
【0024】
トコールホスファートは、製剤に含める前に溶液として調製することができる。適切な溶媒には、任意の水混和性溶媒、例えば、アルコール溶媒が含まれる。好適なアルコール溶媒には、C1〜C6アルコール、好ましくはエタノール又はイソプロパノールが含まれる。いくつかの実施形態では、トコールホスファート溶液が、最大2.5%のアルコール溶媒を用いて調製され得る。
【0025】
製剤は、製剤の総量の約0.01%w/w〜約5%w/wの範囲内の量のトコールホスファートを含み得る。いくつかの実施形態では、製剤が、製剤の総量の約0.03%w/w〜約0.15%w/wの範囲内の量のトコールホスファートを含み得る。一実施形態では、製剤が、製剤の総量の約0.03%w/wの量のトコールホスファートを含み得る。別の実施形態では、製剤が、製剤の総量の約0.125%w/wの量のトコールホスファートを含み得る。
【0026】
任意の油
本発明の製剤は、任意の油を含んでもよい。油は、医薬品に適した任意の油であり得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、油が、例えばキャノーラ油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、ベニバナ油及びダイズ油などの植物又は植物性油である。
【0028】
油はまた、鉱油又は合成油、例えば脂肪酸のモノグリセリド又はジグリセリド及び中鎖トリグリセリドからも選択され得る。
【0029】
賦形剤
本発明の製剤は、任意に1種又は複数の賦形剤をさらに含むことができる。本発明の当業者であれば、本発明の製剤に含めることができる適切な賦形剤、例えば1種又は複数の安定剤を認識するだろう。賦形剤の選択及び量は、製剤の意図する用途、投与様式及び/又は剤形に依存する。
【0030】
調製
製剤は、種々の技術によって調製され得る。例えば、製剤は、Remington J.P.、The Science and Practice of Pharmacy、編者A.R.Gennaro、第20版、Lippincott、Williams and Wilkins Baltimore、Md.(2000)に記載されるような薬学分野で周知の任意の方法によって調製することができるだろう。
【0031】
製剤を調製する1つの方法は、活性剤及び/又は任意の油を主界面活性剤及びトコールホスファート又はトコールホスファートのアルコール溶媒中溶液と合わせ、次いで、水を添加するステップを含む。
【0032】
製剤は、任意に、当技術分野において公知の1種又は複数の賦形剤(例えば、安定剤)をさらに含んでもよい。
【0033】
製剤のpHは、任意に適切な酸もしくは塩基で、又は水相での緩衝液の使用によって調整することができる。pHを調整するのに適した塩基の例はNaOHである。適切な緩衝液の例としては、リン酸緩衝液及びクエン酸緩衝液が挙げられる。一実施形態では、水相の添加直後に製剤のpHを調整する。
【0034】
いくつかの実施形態では、製剤のpHが4〜10の範囲内である、又は4〜10の範囲内に調整される。
【0035】
次いで、成分を混合すると、エマルジョンを形成する可能性がある。いくつかの実施形態では、成分を標準的な混合装置を用いて混合する。他の実施形態では、成分を高せん断混合を用いて混合する。
【0036】
活性剤が油とみなされる場合、これが疎水相を構成し得る又は疎水相であり得る。これらの実施形態では、疎水相が任意の油を含まなくてもよい。活性剤が油とみなされない場合、製剤が油を含んでもよい。任意の油が疎水相を構成し得る又は疎水相であり得る。このような実施形態では、疎水相が活性剤を含んでもよい。あるいは、又はさらに、活性剤が水相中に存在してもよい。
【0037】
油と水とを含む組成物は、通常、エマルジョンを生じる。したがって、本発明の製剤はエマルジョンであってもよい。しかしながら、トコールホスファートの存在が油−水をマイクロエマルジョン又はナノエマルジョンに改質し得ることが分かった。したがって、いくつかの実施形態では、エマルジョンがマイクロエマルジョン又はナノエマルジョンであり得る。
【0038】
一般に、「マイクロエマルジョン」は熱力学的に安定である。本発明のマイクロエマルジョンは透明であるので、粒径が可視範囲より下になるだろう。当技術分野の文献によると、非可視粒径は5〜50nmの範囲内にあり、可視粒径は50〜200nmの範囲内にある。透明な製剤は、曇った製剤に比べて審美的に優れていると考えられ得る。さらに、マイクロエマルジョンとして、本発明の製剤は安定剤の存在を必要としそうにない。しかしながら、いくつかの実施形態では、製剤が安定剤を含んでもよい。
【0039】
投与経路
投与経路は、効果によって3つのカテゴリー、すなわち、所望の効果が局所的であるので、物質をその作用が望まれるところに直接施用する「局所」、所望の効果が全身性(非局所的)であるので、物質を消化管を介して与える「経腸」、及び所望の効果が全身性であるので、物質を消化管以外の経路によって与える「非経口」に広く分けることができる。
【0040】
本発明の製剤は、局所、経腸又は非経口投与に適している。
製剤は、非経口投与に、より具体的には注射用製剤として最も適しているだろう。
局所的効果を有する局所投与経路の例としては、皮膚上(皮膚の上)が挙げられる。
全身性(非局所的)効果を有する経腸投与経路の例としては、経口(口の中)、鼻腔内(鼻の中)、直腸内(直腸の中)及び膣内(膣の中)などの消化管の任意の部分を含む投与の形態が挙げられる。経口投与には、頬側投与(歯肉線の近くの頬を介して吸収される)及び舌下投与(舌の下)が含まれる。
【0041】
全身性効果を有する注射、注入又は拡散による非経口投与経路の例としては、静脈内(静脈の中)、動脈内(動脈の中)、筋肉内(筋肉の中)、心臓内(心臓の中)、皮下(皮膚の下)、経皮的(皮膚中への針穿刺を介した)、皮内(皮膚自体の中)、髄腔内(脊柱管の中)、腹腔内(腹腔中への注入又は注射)、膀胱内注入(膀胱中への注入)、硬膜外(硬膜外腔中への注射又は注入)、経真皮又は経皮膚(無傷の皮膚を通した拡散)、経粘膜(粘膜を通した拡散)、吹送(鼻を通した拡散)、吸入(口を通した拡散)及び乳腺内(乳腺組織の中)が挙げられる。
【0042】
本明細書では、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」という単語は、それぞれ「含む(include)」、「含む(includes)」及び「含んでいる(including)」を意味する、すなわち、本発明を指定される特徴を含むものとして記載又は定義する場合、同発明の種々の実施形態が追加の特徴も含んでもよい。
【0043】
例
本発明の種々の実施形態/態様を、ここで以下の非限定的な例を参照して説明する。
例1
【0044】
以下のマイクロエマルジョンを、トコールホスファートを活性剤に添加し、次いで、主界面活性剤を添加し、次いで、水を添加し、引き続いて殆ど又は全く振盪せずに5〜10分間撹拌することによって調製した。
プロポフォール 10mg/mL
Tween(登録商標)80 10%w/w
モノ−(トコフェリル)ホスファートとジ−(トコフェリル)ホスファートの混合物 0.03%w/w
水 残り
プロポフォール 10mg/mL
Tween(登録商標)80 20%w/w
モノ−(トコフェリル)ホスファートとジ−(トコフェリル)ホスファートの混合物 0.03%w/w
水 残り
プロポフォール 10mg/mL
Tween(登録商標)80 30%w/w
モノ−(トコフェリル)ホスファートとジ−(トコフェリル)ホスファートの混合物 0.03%w/w
水 残り
プロポフォール 10mg/mL
Tween(登録商標)80 10%w/w
モノ−(トコフェリル)ホスファートとジ−(トコフェリル)ホスファートの混合物 0.05%w/w
水 残り
プロポフォール 10mg/mL
Tween(登録商標)80 20%w/w
モノ−(トコフェリル)ホスファートとジ−(トコフェリル)ホスファートの混合物 0.05%w/w
水 残り
プロポフォール 10mg/mL
Tween(登録商標)80 30%w/w
モノ−(トコフェリル)ホスファートとジ−(トコフェリル)ホスファートの混合物 0.05%w/w
水 残り
プロポフォール 10mg/mL
Tween(登録商標)80 10%w/w
モノ−(トコフェリル)ホスファートとジ−(トコフェリル)ホスファートの混合物 0.1%w/w
水 残り
プロポフォール 10mg/mL
Tween(登録商標)80 20%w/w
モノ−(トコフェリル)ホスファートとジ−(トコフェリル)ホスファートの混合物 0.1%w/w
水 残り
プロポフォール 10mg/mL
Tween(登録商標)80 30%w/w
モノ−(トコフェリル)ホスファートとジ−(トコフェリル)ホスファートの混合物 0.1%w/w
水 残り
【0045】
上記製剤の各々において、トコールホスファート(すなわち、モノ−(トコフェリル)ホスファートとジ−(トコフェリル)ホスファートの混合物)は、2.5%最終濃度の量でエタノール又はイソプロパノール中で提供した。
【0046】
例2
モノ−(トコフェリル)ホスファートとジ−(トコフェリル)ホスファートの混合物(TPM)をエタノール(EtOH)に溶解し、Tween(登録商標)80(T−80)を添加し、混合することによって以下のマイクロエマルジョンを調製した。次いで、水を添加し、必要に応じてpHを調整した。製剤を24時間混合した。
【0047】
【0048】
最初は、pHを7に調整すると製剤が清澄化されると考えられていた(したがって、上記の測定値)。しかしながら、天然のpHを維持することが、透明な製剤を維持するのに有効であることが認められた。
製剤B1、E1及びH1を、大規模(100g)の調製のために選択した。
【0049】
例3
以下のマイクロエマルジョンを、EtOH中ストック濃度のTPMを調製し、次いで、Tween(登録商標)80(T−80)を添加し、引き続いてプロポフォールを添加し、均質になるまで撹拌し、次いで、水を添加することによって調製した。
EtOH中ストック濃度のTPMは、TPM2.5gを20mLガラスシンチレーションバイアル中EtOH10gで溶解することによって調製した。TPM/EtOHストック濃度溶液を、40℃の磁気ホットプレート上で一晩撹拌することによって溶解させた。
以下の方法論を表1(以下参照)に指定される量に従って適用した。
TPM/EtOHストック溶液(上で調製したもの)「x」gを100mLガラスジャーにピペットで入れ、引き続いてT−80「x」gを添加する。
次いで、プロポフォール「x」gをTPM/EtOH/T−80調製物に添加し、均質になるまで40℃のホットプレート上で撹拌する。
最終製剤が100gになるように十分な量のMilliQ水を添加する。
磁気プレートを撹拌して一晩放置する。
【0050】
表1:製剤成分
【表1】
【0051】
結果
100mLガラスジャーで製剤化した後、それぞれ20mLを小型バイアルに分注した。
裸眼によると、製剤B1が最大の透明度を示し、製剤H1が最小を示した。結果を以下の表に示す。
【0052】
結論
不透明度の課題を考慮し、TPMの作用によって対処した、すなわち、TMPよりプロポフォールを懸濁液に保ち、最も重要なことには、油滴が製剤中に形成するのを防いだ。これは製剤が外見上透明であるという事実から、製剤B1の場合と解釈された。
【0053】
本発明を例によって、及びその可能な実施形態を参照して説明してきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、修正又は改良がなされ得ることが理解されるべきである。