特許第6882413号(P6882413)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6882413小型電子システム及び該システムを備えるデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882413
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】小型電子システム及び該システムを備えるデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/04 20060101AFI20210524BHJP
【FI】
   H01L23/04 D
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-183815(P2019-183815)
(22)【出願日】2019年10月4日
(62)【分割の表示】特願2018-521288(P2018-521288)の分割
【原出願日】2016年9月15日
(65)【公開番号】特開2020-17752(P2020-17752A)
(43)【公開日】2020年1月30日
【審査請求日】2019年11月1日
(31)【優先権主張番号】1558630
(32)【優先日】2015年9月15日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】506010150
【氏名又は名称】サフラン エレクトロニクス アンド ディフェンス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−クリストフ リウ
【審査官】 正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−094619(JP,A)
【文献】 特開昭63−147354(JP,A)
【文献】 特開平03−218088(JP,A)
【文献】 特開2005−317565(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0031618(US,A1)
【文献】 特表2009−514232(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101313641(CN,A)
【文献】 特開平06−089942(JP,A)
【文献】 特開平11−195722(JP,A)
【文献】 特開2004−039894(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0004280(US,A1)
【文献】 特開昭64−050551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電子部品(30)と、凹部(5)を画定するように底部(3)から突き出た周辺リム(4)を備える底部(3)を含む2つの同一のパッケージ(2)とを備える電子システムであって各パッケージの前記底部には、配列されておりかつ前記底部貫通する導電体(6)が設けられており、前記2つの同一のパッケージが、前記少なくとも1つの電子部品(30)を受け入れる密閉された空洞を画定するように、前記周辺リムによって互いに取り付けられている電子システムにおいて、
前記電子システムは、
前記2つの同一のパッケージ(2)の前記周辺リム(4)の間に延びる、少なくとも1つの第1の基板(10)であって、該少なくとも1つの第1の基板が前記少なくとも1つの電子部品(30)を支持し、前記少なくとも1つの第1の基板には、前記少なくとも1つの電子部品に接続された導電性トラック(12)が含まれる、少なくとも1つの第1の基板(10)と、
前記少なくとも1つの第1の基板(10)と前記2つの同一のパッケージ(2)のうちの1つの底部(3)との間に取り付けられている少なくとも1つの第2の基板(20)であって、前記少なくとも1つの第2の基板(20)は第2の部品(40)を支持し、前記電子システムには、前記少なくとも1つの第2の基板の導電性トラック(22)を、前記パッケージの導電体(6)と、前記少なくとも1つの第1の基板(10)の導電性トラック(12)に電気的に接続する手段が含まれる、少なくとも1つの第2の基板(20)とを有する、電子システム。
【請求項2】
前記第1の基板(10)が、前記パッケージ(2)の前記周辺リム(4)から側方に突き出た周縁部(11)を有し、前記導電性トラック(12)が、前記第1の基板の周縁部の一部に延びる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の基板(10)が前記凹部(5)を分離して、それぞれのパッケージの凹部が、密閉された空洞を形成し、前記少なくとも1つの電子部品(30)が、前記密閉された空洞のうちの1つに組み込まれる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の基板(10)と前記第2の基板(20)が、セラミック基板又は有機基板である、請求項1〜3の何れか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記パッケージの底部において前記パッケージのうちの少なくとも1つの凹部内に延びる導電性トラックと、該導電性トラックを前記少なくとも1つの電子部品に電気的に接続する手段と、を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
それぞれのパッケージの凹部が、密閉された空洞を形成し、前記少なくとも1つの電子部品が、前記密閉された空洞のうちの1つに組み込まれるように、前記凹部を分離する仕切りを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
2つの部品(40)を備え、該2つの部品が、別々の密閉された空洞内に取り付けられる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載のシステムを2つ含み、前記システム(1A、1B)が互いに重ね合わされ、それぞれのパッケージの導体の少なくとも1つの部分が、前記パッケージ(2)の底部(3)を通り、前記導体が、外側において前記パッケージの底部の上に通じている一端部と、前記パッケージの凹部に突き出て前記部品(30、40)に接続された一端部と、を有し、2つの前記システムが、下部システムの上部パッケージの導体、及び上部システムの下部パッケージの導体によって互いに電気的に接続される、電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
表面実装部品(従来から、SMC又はSOCと称される技術)は、プリント回路基板(又はPCB)の表面にはんだ付けされる。この部品は、概して、パッケージであって、部品の支持体(mountings)を構成し、そして、部品を基板のプリント回路に電気的に接続する導体を含んだパッケージ内に収容されている。
【0003】
パッケージは、通常、底部を備え、この底部から、部品の凹部を画定する周辺リムが突き出ている。底部には導電体が通っており、この導電体は、部品の導電性パッドに接している一端部と、プリント回路に嵌め込まれるようにされた対向端部と、を有している。これは、一般的に、システム・イン・パッケージ(System in Package)(SIP)と呼ばれている。
【0004】
特定の用途において、部品は、外殻によって画定された密閉外被内に封入されている必要がある。システム、すなわち、そのパッケージ内の部品は、その後、外被内に完全に配置され、導電体は、密封された状態により(tightly)外殻を通って、システムを基板のプリント回路に接続する。
【0005】
このように、アセンブリは比較的大きく、そして、接続は比較的複雑になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的の一つは、密閉され比較的コンパクトな電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するために、本発明は、少なくとも1つの部品と、凹部を画定する周辺リムが突き出た底部を含む2つの同一のパッケージと、それぞれのパッケージを通る導電体と、を備えた電子システムの提供に関する。パッケージは、これらの間に密閉された空洞を画定するように、リムによって互いに取り付けられる。
【0008】
本発明は、同様に、少なくとも2つの電子システムを含むデバイスであって、少なくとも2つの電子システムが、それぞれのパッケージの底部を通る導体を有し、導体が、外側においてパッケージの底部の上に通じている一端部と、パッケージの凹部に突き出て部品に接続された一端部と、を有し、2つのシステムが重ね合わされ、そして、下部システムの上部パッケージの導体、及び上部システムの下部パッケージの導体によって互いに電気的に接続されるデバイスに関する。
【0009】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明による特定の非限定的実施形態の次に示す説明を読み取ることによって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係るシステムの分解斜視図である。
図2】システムの部分断面正面図である。
図3】第1の実施形態の変形例に係るシステムの部分断面図である。
図4】第2の実施形態に係るシステムの部分断面図である。
図5】2つのシステムを備えたデバイスの分解斜視図である。
図6】システムの部分断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照すると、全体的に符号1として示される、本発明に係る電子システムは、2つの同一のパッケージ2(図面では、文字A及びBによって個々に識別される。)を備えている。
【0012】
パッケージ2にはそれぞれ、凹部5を画定する周辺リム4が突き出た底部3が含まれている。導電体6は、それぞれのパッケージ2を通っている。具体的には、導電体6は配列されており、それぞれのパッケージ2の底部3を通り、凹部5に通じている一端部と、凹部5とは反対側において底部3の外面に通じている対向端部と、を有している。ここで、導電体6はピンであり、パッケージ2はCPGA74パッケージである。または、導電体は、ボール(BGAパッケージ)、カラム(columns)(CGAパッケージ)、又はパッド(LGAパッケージ)であってもよい。
【0013】
パッケージ2A、2Bは、これらの間に密閉された空洞を画定するように、リム4によって互いに取り付けられている。
【0014】
具体的には図1及び2を参照すると、第1の実施形態によれば、システム1は、パッケージ2のリム4の間に延びるプレートの形態の基板10を備え、リム4は、基板10に(この場合は、はんだ付けによって)取り付けられ、パッケージ2を互いに堅く接続することができる。基板10は、パッケージ2のリム4から側方に突き出た周縁部11を有している。
【0015】
基板10は、電子部品30を支持する面を有し、基板には、導電性トラック12であって、電子部品30に電気的に接続されたコンタクトパッドと、基板10の周縁部11の一部に延びるコンタクトパッドとを有する導電性トラックが含まれている。基板10は、両面のある厚い層のセラミック基板である。
【0016】
基板10は、それぞれのパッケージ2の凹部5が、密閉された空洞を形成するように、凹部5を分離する。電子部品30は、密閉された空洞のうちの1つに組み込まれている。基板10は、それぞれの電子部品30が、密閉された空洞のうちの1つに組み込まれるように、その2つの面に電子部品30を支持することができる。
【0017】
図2に示されているように、システムは、導電体6(表面実装型又はSOC)に導電性トラック101が接続されたプリント回路基板100(又はPCB)上に搭載される。図示されていないデバイスに接続されたコネクタ110は、周縁部11に嵌め込まれ、導電性トラック12のコンタクトパッドを介してデバイスを電子部品30に接続する。
【0018】
ここで、ピストンコネクタ7は、パッケージ2の導電体6を、基板10の導電性トラック12に接続する。
【0019】
図3の変形例において、システムは、第2の基板20であって、電子部品40を支持する面を有し、そして導電性トラック22を含む第2の基板を備えている。基板20は、厚い層のセラミック基板である。
【0020】
基板20は、パッケージ2Aの凹部5内に取り付けられ、基板10及び底部3に平行に延びるように、パッケージ2Aのリム4の肩部8に載置された周辺リム21を有する。
【0021】
システム1は、基板20の導電性トラック22をパッケージ2Aの導電体6に接続する第1の接続手段と、基板20の導電性トラック22を基板10の導電性トラック12に接続する第2の接続手段と、を備えている。第1の接続手段は、パッケージ2Aの底部3に延びる導電性トラック50と、ジャンパー線51であって、それぞれ、導電性トラック50を導電性トラック22に接続するように、導電性トラック50のうちの1つに取り付けられた一端部、及び、ボール52によってトラック22のうちの1つに接続された対向端部を有するジャンパー線と、を備える。
【0022】
接続手段は、同様に、導電体6を導電性トラック22及び/又は導電性トラック12に接続するように、底部3からリム4に沿って又はリムの内部に延びる導電性トラックを備え得る。
【0023】
具体的には図4を参照すると、第2の実施形態によれば、システム1は、上述した2つのパッケージ2を備えるが、中央基板10を備えていない。パッケージ2のリム4は、互いに直接はんだ付けされる。
【0024】
第2の実施形態に係るシステムは、2つの基板20であって、パッケージ2の底部3から分離されたパッケージ2のうちの1つの凹部5にそれぞれ取り付けられた、2つの基板を備え、これらはそれぞれ、底部3に平行に延びるように、パッケージ2のリム4の肩部7に載置された周辺リム21を有する。
【0025】
基板20はそれぞれ、電子部品40を有し、電子部品40に接続された導電性トラック22を備えている。
【0026】
ここで、システムは、第1の接続手段であって、それぞれの基板20の導電性トラック22を、第1の接続手段が取り付けられるパッケージ2の導電体6に接続する第1の接続手段と、基板20のうちの1つの導電性トラック22を他の基板20の導電性トラック22に接続する第2の接続手段と、を備えている。
【0027】
第1の接続手段は、導電体6と当該導電性トラック22との間に延びる電線51を備えている。
【0028】
第2の接続手段は、ピストンコネクタ57であって、パッケージ2Aの基板20の導電性トラック22を、パッケージ2Bの基板20の導電性トラック22に接続するピストンコネクタを備えている。
【0029】
図5及び6は、先述した種類の2つのシステム1A、1Bを含む電子デバイスを示している。
【0030】
システム1Bのパッケージ2Bの導電体は、プリント回路基板100の導電性トラック上にはんだ付けされる。システム1Aのパッケージ2Bの導電体は、システム1Bのパッケージ2Aの導電体上にはんだ付けされ、システム1Aと1Bが重ね合わされ、互いに電気的に接続される。
【0031】
システム1Aには、例えば、センサが含まれ、システム1Bには、例えば、センサを制御する電子回路が含まれる。
【0032】
デバイスの上方に通じているシステム1Aの導電体は、例えば、デバイスの動作を試験するのに、又はアンテナを接続するのに用いてもよい。
【0033】
このようにして、システムは、機械的かつ電気的に重ね合わせることができる。システムの空洞を、同一又は異なる媒体(気体、液体若しくは真空)にさらすことが可能である。このような重ね合わせによって、例えば、デバイスの電子機能を拡張するか、又は少なくとも1つの第2の機能に対して少なくとも1つの第1の機能を除く(offset)ことが可能である。
【0034】
当然のことながら、本発明は、説明されている実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に規定されている発明の範囲内において、いかなる代替解決策も包含する。
【0035】
具体的には、システムは、単純に、それぞれのパッケージの凹部が、密閉された空洞を形成し、1つ以上の電子部品が、密閉された空洞のうちの少なくとも1つに組み込まれるように、凹部5を分離する仕切りを備え得る。システムは2つの部品を備え、これらの部品は、別々の密閉された空洞内に取り付けられることが好ましい。
【0036】
または、基板は、パッケージ2のリム4の片側から突き出た周縁部を有していてもよい。
【0037】
基板は、セラミック基板又は有機基板である。
【0038】
凹部5にガス吸収体を設けることが可能である。
【0039】
凹部は、場合により、センサに関連して複数の電子機能を受けてもよく、全体として、凹部内に機械的かつ電気的に配置され、種々の高さ又は基板間において垂直方向(3D)及び水平方向の情報を伝達できることに留意すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6