【実施例】
【0156】
本発明は特定の実施例によりさらに詳細に説明されるであろう。以下の実施例は例示の目的で提供され、いかなる方法においても本発明を限定するものではない。当業者は、本質的に同じ結果を得るように変更又は修飾することができる様々な重要でないパラメータを容易に認識するであろう。
【0157】
例
例1
中間体1kの合成
【化6】
【0158】
工程1:
1a (100 g, 0.62 mol)のDMF (1.2 L)中の溶液にN-ブロモスクシンイミド(110 g, 0.62 mol)を0℃にて添加した。混合物を室温にて4時間撹拌し、その後、水(800 mL)を添加し、そして得られた混合物をEtOAc (3 × 500 mL)で抽出した。合わせた有機層を無水 Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物を石油エーテルで研和し、1b (133.7 g, 89%収率)を褐色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ= 7.30 (d, 1 H), 6.59 (d, 1 H), 4.22 (br, 2 H)。 LC-MS: 241 [M+1]
+。
【0159】
工程2:
1b (133.7 g, 0.55 mol)の乾燥CH
2Cl
2 (1.5 L)中の溶液に、無水酢酸(110 g, 0.62 mol)を滴下して、20分の時間にわたって室温にて添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、その後、CH
2Cl
2 (300 mL)で希釈し、そして水(150 mL)及びブライン(200 mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物を石油エーテル(300 mL)で研和し、化合物1c (143.0 g, 91%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.26 (d, 1 H), 7.63 (br, 1 H), 7.54 (d, 1 H), 2.26 (s, 3 H)。 LC-MS: 280 [M-1]
-。
【0160】
工程3:
化合物1c (50.0 g, 0.18 mol)、ブチルビニルエーテル(1d, 89.0 g, 0.89 mol)、ビス (1,3-ジフェニルホスフィノ)プロパン (DPPP, 22.0 g, 0.053 mol)、TEA (100 mL, 0.71 mol)及びPd(OAc)
2 (6.4 g, 0.027 mol)のDMSO (1.2 L)中の混合物を130℃でN
2 下に一晩加熱した。反応が完了した後に、混合物を0℃に冷却し、そして2N HCl (480 mL)を滴下して30分の時間にわたって添加した。その後、混合物をEtOAc (3 × 100 mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc: PE=1:10)により精製し、1e (19.5 g, 45% 収率)を黄色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.46 (d, 1 H), 7.82 (br, 1 H), 7.51 (d, 1 H), 2.63 (s, 3 H), 2.29 (s, 3 H)。 LC-MS: 244 [M-1]
-。
【0161】
工程4:
1e (21.9 g, 89.4 mmol)のMeOH (350 mL)中の溶液に、2N NaOH溶液(350 mL)を室温にて添加した。混合物を50℃で一晩加熱し、その後、冷却し、そして減圧下に濃縮した。得られた固形分を水(100 mL)で30分間研和し、そしてろ過し、1f (18.0 g, 98%収率)を褐色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 7.48 (d, 1 H), 6.68 (d, 1 H), 4.56 (br, 2 H), 2.62 (s, 3 H)。 LC-MS: 202[M-1]
-。
【0162】
工程5:
化合物1f (18.0 g, 89.2 mmol)及び氷(360 g)の濃HCl (180 mL)中の混合物に、NaNO
2 (9.2 g, 133.7 mmol)の水(20 mL)中の溶液を滴下して、 30分の時間にわたって添加し、そして得られた混合物をアイスバス中で30分間撹拌した。KI (74.0 g, 446 mmol)の水(360 mL)中の溶液を滴下して45分にわたって0℃で添加した。混合物を30分間撹拌し、その後、EtOAc (3 × 100 mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc: PE=1:40)により精製し、1g (23.9 g, 86%収率)を黄色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 7.6 (d, 1 H), 7.06 (d, 1 H), 2.62 (s, 3 H)。
【0163】
工程6:
1g (23.9 g, 76.1 mmol)のMeOH (100 mL)/THF (100 mL)中の溶液に、NaBH
4 (2.9 g, 76.1 mmol)を0℃にてゆっくりと添加した。混合物を室温にて5分間撹拌し、その後、水(100 mL)でクエンチした。混合物をEtOAc (3 × 100 mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc: PE=1:10)により精製し、1h (22.4 g, 93%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 7.81 (d, 1 H), 7.26 (d, 1 H), 5.23 (q, 1 H), 2.17 (br, 1 H), 1.47 (d, 3 H)。
【0164】
工程7:
1h (22.4 g, 70.9 mmol)、フタルイミド(12.5 g, 85.0 mmol)及びPPh
3 (22.3 g, 85.0 mmol)の乾燥THF (450 mL)中の混合物に、DIAD (21.5 g, 106.3 mmol)を室温にてN
2 保護下に添加した。混合物を室温にて一晩撹拌し、その後、減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc: PE=1:15)により精製し、1i (18.5 g, 58% 収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 7.78-7.84 (m, 3 H), 7.70-7.73 (m, 2 H), 7.41-7.43 (d, 1 H), 5.76-5.81 (q, 1 H), 1.84 (d, 3 H)。
【0165】
工程8:
1i (7.2 g, 16.2 mmol)及びヒドラジン水和物(98%, 4.0 g, 80.9 mmol)のMeOH (150 mL)中の溶液を還流下に2時間加熱し、その後、冷却しそして減圧下に濃縮した。残留物を水(100 mL)で希釈し、そしてCH
2Cl
2 (3 × 100 mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮し、1j (3.8 g, 75%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 7.81 (d, 1 H), 7.25 (d, 1 H), 4.55 (q, 1 H), 1.36-1.38 (d, 3 H)。 LC-MS: 316 [M+1]
+。
【0166】
工程9:
1j (41.0g, 0.13 mol)のメチルtert-ブチルエーテル(750 mL)中の溶液に、D-マンデル酸(7.8 g, 0.052 mol)のメチルtert-ブチルエーテル(110 mL)中の溶液をゆっくりと、45℃にて添加した。混合物をこの温度で30分間撹拌し、その後、冷却しそしてろ過した。得られた白色固形分を5% NaOH 溶液(300 mL)と、メチルtert-ブチルエーテル(300 mL)との間で分割した。二相を分離し、そして水性相をメチルtert-ブチルエーテル(300 mL)で抽出した。合わせた有機層を濃縮して、中間体1k(12 g, 58.5%収率)を白色固形分として提供した。(ee%=98.0%, Chiralpak AD-H, 5 μm, 4.6*250mm, 移動相: Hex: EtOH : DEA=80 : 20 : 0.2), 保持時間= 6.408 min)。
【0167】
例2
化合物2bの合成
【化7】
【0168】
N-メチル-4-ピぺリドン 2a (13.3 g, 58.6 mmol)、NH
2Me (30%、MeOH中、 100 mL)及びPd/C (0.66 g)のMeOH (200 mL)中の懸濁液を60℃でH
2 雰囲気下(50 psi)に一晩加熱し、その後、冷却しそしてろ過した。ろ液を減圧下に濃縮し、そして残留物をジオキサン中のHCl (3N, 100 mL)に溶解し、そして30分間撹拌した。沈殿物をろ過し、そしてEtOAc (50 mL)で洗浄し、2b (7.7g, 54%収率)を白色粉末として提供した。
1H-NMR (DMSO, 400 MHz): δ= 9.50 (br, 2 H), 3.48 (d, 2 H), 3.15-3.16 (m, 1 H), 2.96-3.01 (m, 2 H), 2.70 (s, 3 H), 2.51 (s, 3 H), 2.22-2.28 (m, 2 H), 1.94-2.02 (m, 2 H), LC-MS: 129 [M+1]
+ 。
【0169】
例3
化合物H0603の合成
【化8】
【0170】
工程1:
1k (1.83 g, 5.8 mmol)のCH
2Cl
2 (70 mL)中の溶液に、TEA (5.6 mL, 40.6 mmol)及びトリホスゲン(1.29 g, 4.4 mmol)を0℃にて添加した。混合物を20分間撹拌し、その後、2b (1.14 g, 6.97 mmol)を添加した。アイスバスを取り外し、混合物を30分間撹拌し、その後、減圧下に濃縮した。残留物をCH
2Cl
2 (50 mL)と飽和NaHCO
3 溶液(50 mL)との間で分割した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4 で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物を、EtOAc (1 mL)及び石油エーテル(20 mL)の混合物で研和し、化合物3a (2.31 g, 85%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 7.74 (d, 1 H), 6.94 (d, 1 H), 5.19-5.21 (m, 1 H), 4.95 (d, 1 H), 4.48-4.51 (m, 1 H), 3.54-3.57 (m, 2 H), 2.72-2.84 (m, 8 H), 2.20-2.27 (m, 2 H), 1.70-1.77 (m, 2 H), 1.45 (d, 3 H)。LC-MS: 470 [M+1]
+。
【0171】
工程2:
3a (3 g, 6.38 mmol)、トリメチルシリルアセチレン(3.1 g, 31.9 mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2 (210 mg, 0.3 mmol)及びCuI (85 mg, 0.45 mmol)のTEA (60 mL)中の混合物を80℃にてN
2 下に一晩加熱し、その後、冷却し、CH
2Cl
2 (40 mL)で希釈しそしてろ過した。ろ液を減圧下に濃縮し、そして残留物をEtOAc (40 mL)及び水(40 mL)の間で分割した。有機相を分離し、無水Na
2SO
4 で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール: ジクロロメタン1:30, 1% NH
4OH)により精製し、2.4 gの淡黄色固形分を提供し、それをK
2CO
3 (0.75 g, 5.45 mmol)のMeOH (40 mL)中の懸濁液中に溶解し、そして室温にて30分間撹拌した。混合物をろ過し、減圧下に濃縮し、そして残留物をEtOAc (40 mL)と水(40 mL)との間で分割した。有機相を分離し、無水Na
2SO
4 で乾燥し、そして減圧下に濃縮し、H0603 (1.9 g, 82%収率)を白色粉末として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 7.43 (d, 1 H), 7.21 (d, 1 H), 5.27-5.31 (m, 1 H), 4.81 (d, 1 H), 4.09-4.17 (m, 1 H), 3.38 (s, 1 H), 2.86-2.91 (m, 2 H), 2.80 (s, 3 H), 2.27 (s, 3 H), 1.98-2.09 (m, 2 H), 1.61-1.65 (m, 2 H), 1.48-1.52 (m, 2 H), 1.46 (d, 3 H)。LC-MS: 368 [M+1]
+。
【0172】
例4
化合物H0700の合成
【化9】
【0173】
3a (3.0 g, 6.38 mmol)、3b (3.54 g, 9.57 mmol)、CuI (243 mg, 1.27 mmol)及びPd(PPh
3)
4 (1.47 g, 1.27 mmol)の1,2-ジメトキシエタン(60 mL)中の混合物を100℃にてN
2 下に一晩加熱し、その後、CH
2Cl
2 (100 mL)で希釈しそしてろ過した。ろ液をブライン(100 mL)で洗浄した。有機相を分離し、無水Na
2SO
4 で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH: CH
2Cl
2 1:30, 1% NH
4OH)により精製し、H0700 (1.3 g, 48%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.90 (d, 1 H), 8.66-8.67 (m, 1 H), 8.58 (d, 1 H), 7.45 (d, 1 H), 7.38 (d, 1 H), 5.35-5.39 (m, 1 H), 4.87 (d, 1 H), 4.13-4.14 (m, 1 H), 2.85-2.90 (m, 2 H), 2.81 (s, 3 H), 2.26 (s, 3 H), 1.98-2.05 (m, 2 H), 1.69-1.77 (m, 2 H), 1.54-1.64 (m, 2 H), 1.51 (d, 3 H)。LC-MS: 422 [M+1]
+。
【0174】
例5
化合物H0722の合成
【化10】
【0175】
化合物4a (1.39 g, 4.08 mmol)、2b (1.0 g, 6.1 mmol)、DPPA (1.23 g, 4.5 mmol)及びTEA (3 mL)の乾燥トルエン(100 mL)中の混合物を還流下に一晩加熱し、その後、冷却しそして減圧下に濃縮した。残留物をEtOAc (50 mL)と飽和Na
2CO
3 溶液(50 mL)との間で分割した。有機相を分離し、ブライン(50 mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4 で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール: ジクロロメタン1:40, 1% NH
4OH)により精製し、H0722 (1.03 g, 55%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.89 (d, 1 H), 8.66-8.67 (m, 1 H), 8.58 (d, 1 H), 7.43 (d, 1 H), 7.37 (d, 1 H), 5.35-5.38 (m, 1 H), 5.21 (d, 1 H), 4.15-4.17 (m, 1 H), 2.85-2.90 (m, 2 H), 2.83 (s, 3 H), 2.26 (s, 3 H), 1.97-2.05 (m, 2 H), 1.66-1.80 (m, 6 H), 0.68-0.70 (m, 1 H), 0.50-0.54 (m, 2 H), 0.14-0.15 (m, 2 H) LC-MS: 462 [M+1]
+。
【0176】
例6
化合物H0751の合成
【化11】
【0177】
工程1:
5a (5 g, 30.5 mmol)、トリメチルシリルアセチレン(3.6 g, 36.6 mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2 (210 mg, 0.3 mmol)及びCuI (85 mg, 0.45 mmol)のTEA (150 mL)中の混合物を80℃にて3時間、N
2下に加熱し、その後、冷却し、Et
2O (100 mL)で希釈し、そしてブライン(100 mL)で洗浄した。有機相を分離し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc/石油エーテル1:15)で精製し、5b (4.3 g, 79%収率)を黄色オイルとして提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.74 (d, 1H), 7.53 (d, 1H), 0.26 (s, 9H)。
【0178】
工程2:
化合物5b (4.1g, 22.5 mmol)のTBME (100 mL)中の溶液に、室温にてBu
4NF (THF中1 M) (22.5 ml, 22.5 mmol)を添加した。混合物を室温にて30分間撹拌し、その後、水(100 mL)でクエンチした。有機相を分離し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そしてろ過して、粗製化合物7c をTBME (80 mL)中で提供し、それを更なる精製なしに次の工程において直接使用した。
【0179】
工程3:
粗製化合物5cのTBME中の溶液を、3a (3 g, 6.3 mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2 (660 mg, 0.95 mmol)、CuI (180 mg, 0.95 mmol)のDMF (50 ml)及びTEA(10 mL)中の混合物に添加した。混合物を110℃にてN
2 下に一晩、シールされたチューブ中で加熱し、その後、冷却し、CH
2Cl
2 (100 mL)で希釈しそしてろ過した。ろ液をブライン(100 mL)で洗浄し、そして有機相を分離し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール: ジクロロメタン1:30, 1% NH
4OH)により精製し、H0751 (1.18 g, 40% 収率)を黄色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.76 (d, 1 H), 7.59 (d, 1 H), 7.42 (d, 1 H), 7.16 (d, 1 H), 5.22-5.26 (m, 1 H), 4.73-4.74 (d, 1 H), 4.03-4.09 (m, 1 H), 2.81 (br, 2 H), 2.73 (s, 3 H), 2.19 (s, 3 H), 1.91-1.99 (m, 2 H), 1.63-1.69 (m, 2 H), 1.52-1.62 (m, 2 H), 1.41 (d, 3 H)。 LC-MS: 451 [M+1]
+。
【0180】
例7
化合物H0754の合成
【化12】
【0181】
H0603 (2.2 g, 6 mmol)、6a (2.97 g, 18 mmol)、Pd(PPh
3)
2Cl
2 (0.66 g, 0.9 mmol)及びCuI (264 mg, 1.38 mmol)のTEA (50 mL)中の混合物を65℃にてN
2 下に一晩加熱し、その後、冷却し、CH
2Cl
2 (100 mL)で希釈しそしてろ過した。ろ液を減圧下に濃縮し、そして残留物をEtOAc (50 mL)と水(50 mL)との間で分割した。有機相を分離し、無水Na
2SO
4 で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール: ジクロロメタン、1:30, 1% NH
4OH)により精製し、H0754 (990 mg, 37%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ= 7.91 (d, 1 H), 7.54 (d, 1 H), 7.46 (d, 1 H), 7.22 (d, 1 H), 5.32-5.26 (m, 1 H), 4.99 (d, 1 H), 4.47-4.60 (m, 1 H), 3.40-3.62 (m, 2 H) , 2.88 (s, 3 H), 2.76-2.91 (m, 2 H), 2.82 (s, 3 H), 1.70-1.90 (m, 4 H), 1.51 (d, 3 H)。 LC-MS: 451 [M+1]
+。
【0182】
例8
化合物H0761の合成
【化13】
【0183】
化合物4a (2.3 g, 6.78 mmol)、DPPA (1.86 g, 6.78 mmol)及びTEA (10.2 mL)の乾燥トルエン(200 mL)中の混合物を110℃で2時間撹拌し、その後、室温に冷却し、そして化合物7a (1.75 g, 13.56 mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、その後、減圧下に濃縮した。残留物をEtOAc (100 mL)と飽和Na
2CO
3 溶液(100 mL)との間で分割した。有機相を分離し、ブライン(100 mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール: ジクロロメタン、1:30, 1% NH
4OH)により精製し、H0761 (1.4 g, 48.3%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 10.11 (s, 1 H), 8.91 (d, 1 H), 8.66 (m, 1 H), 8.57 (d, 1 H), 7.46 (d, 1 H), 7.36 (d, 1 H), 6.84 (d, 1 H), 5.35 (m, 1 H), 3.97-4.04 (m, 1 H), 2.86-2.93 (m, 2 H), 2.25 (s, 3 H), 1.93-2.13 (m, 4 H), 1.79-1.86 (m, 1 H), 1.64-1.72 (m, 2 H), 1.55-1.58 (d, 1 H), 0.65-0.70 (m, 1 H), 0.46-0.50 (m, 2 H), 0.11-0.14 (m, 2 H)。 LC-MS: 464 [M+1]
+。
【0184】
例9
化合物H0764の合成
【化14】
【0185】
3a (2.0 g, 4.26 mmol)及び8b (1.4 g, 21.2 mmol)の乾燥THF (10 mL)及びTEA (1.8 g, 17 mmol)中の溶液に、Pd(PPh
3)
2Cl
2(597 mg, 0.85 mmol)及びCuI (220 mg, 1.16 mmol)を室温にてN
2下に添加した。混合物を80℃にてシールされたチューブ中で一晩加熱し、その後に冷却し、CH
2Cl
2 (50 mL)で希釈しそしてろ過した。ろ液をブライン(50 mL)で洗浄し、そして有機相を分離し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール: ジクロロメタン、1:30, 1% NH
4OH)により精製し、H0764 (990 mg, 37%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 7.27 (d, 1 H), 7.12 (d, 1 H), 5.24-5.29 (m, 1 H), 4.78 (d, 1 H), 4.07-4.14 (m, 1 H), 2.74-2.88 (m, 2 H), 2.76 (s, 3 H), 2.24 (s, 3 H), 1.96-2.04 (m, 2 H), 1.40-1.73 (m, 5 H), 1.38 (d, 3 H), 0.70-0.90 (m, 4 H)。 LC-MS: 408 [M+1]
+。
【0186】
例10:
化合物H0795の合成
【化15】
【0187】
工程1:
-78℃にN
2 保護下に冷却した、n-ブチルリチウム(40 mL, 0.1 mol)の無水THF (250 mL)中の2.5Mの溶液に、 TMP (2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、15 g, 0.106 mol)を滴下して20分にわたって添加した。乾燥ドライアイス/アセトンバスをアイスバスで置き換えることにより、混合物を0℃に温め、そして1.5時間撹拌した。混合物を冷却して-78℃に戻し、そして9a (3 g, 0.03 mol)及びトリブチルスズクロリド(10 g, 0.03 mol)の50 mLの乾燥THF中の溶液を10分間にわたって添加した。混合物を-78℃にて6時間撹拌し、その後、ドライアイス/アセトンバスをドライアイス/アセトニトリルバスで置き換えることにより-40℃に温めた。35% HCl、エタノール及びTHF (1:4:5)の溶液を添加した。混合物を室温に温め、そして飽和NaHCO
3 溶液(100 mL)で洗浄し、そしてEtOAc (3 × 100 mL)で抽出した。合わせた有機層を無水 Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc: 石油エーテル=1:15)により精製し、9b (3.4 g, 29%収率)を淡黄色オイルとして提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ= 8.41 (d, 1 H), 8.17 (d, 1 H), 1.8-0.53 (m, 27 H)。
【0188】
工程2:
3a (2.0 g, 4.4 mmol)及び9b (3.4 g, 9.35 mmol)の1,2-ジメトキシエタン(200 mL)中の溶液に、Pd(PPh
3)
4 (800 mg, 0.69 mmol)及びCuI (40 mg, 0.21 mmol)を室温にてN
2下に添加した。その後、混合物を90℃にて一晩加熱し、その後、冷却し、CH
2Cl
2 (100 mL)で希釈しそしてろ過した。ろ液をブライン(100 mL)で洗浄し、そして有機相を分離し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH:CH
2Cl
2, 1:30, 1% NH
4OH)により精製し、化合物H0795 (1.0 g, 51% 収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.83 (d, 1 H), 8.44 (d, 1 H), 7.46 (d, 1 H), 7.22 (d, 1 H), 5.26-5.30 (m, 1 H), 4.99 (d, 1 H), 4.47-4.60 (m, 1 H), 2.90-2.95 (m, 2 H), 2.83 (s, 3 H), 2.32 (s, 3 H), 2.10-2.17 (m, 2 H), 1.78-1.83 (m, 2 H), 1.59-1.64 (m, 2 H), 1.51 (d, 3 H)。 LC-MS: 440 [M+1]
+。
【0189】
例11
H0816の合成
【化16】
【0190】
工程1:
1k (12.0 g, 38.1 mmol)、飽和NaHCO
3 溶液(120 mL)のTHF (480 mL)中の溶液に、(Boc)
2O (16.6g, 76.2 mmol)を室温にて添加した。その後、混合物を室温にて一晩撹拌した。酢酸エチル(500 mL)及び水(500 mL)を混合物に添加した。有機層を分離し、ブライン(500 mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EA:PE=1:5)により精製し、10b (15.4 g, 97.5%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 7.76 (d, 1H), 6.99 (d, 1H), 5.05 (s, 1H), 4.97 (s, 1H), 1.27 (s, 12H)。
【0191】
工程2:
10b (5.0 g, 12.0 mmol)及び3b (5.3 g, 14.4 mmol)の1,2-ジメトキシエタン(150 mL)中の溶液に、Pd(PPh
3)
4 (1.39 g, 2.4 mmol)、CuI (228 mg, 2.4 mmol)及びLiCl (50.4 mg, 2.1 mmol)を室温にてN
2下に添加した。混合物を、その後、105℃にて一晩加熱し、その後、冷却し、そして減圧下に濃縮した。酢酸エチル(200 mL)及び水(200 mL)を上記混合物に添加し、その後、それをろ過した。有機相を分離し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EA: PE=1:10)により精製し、化合物10c (3.47 g, 78.5%収率)を黄色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 300 MHz): δ= 8.93 (d, 1H), 8.69-8.70 (m, 1H), 8.60 (d, 1H), 7.48-7.51 (m, 1H), 7.42-7.45 (m, 1H), 5.19-5.23 (m, 1H), 5.06 (s, 1H), 1.45 (s,12 H)。
【0192】
工程3:
0℃に冷却した、10c (3.47g, 9.5 mmol)のDCM (100 mL)中の溶液に、TFA (35 mL)を滴下して添加した。混合物を室温にて1時間撹拌し、その後、減圧下に濃縮した。DCM (100 mL)を上記残留物に添加し、そして0℃に冷却した。飽和Na
2CO
3 溶液を滴下してpH=8となるまで上記混合物に0℃にて添加した。有機層を分離し、ブライン(200 mL)で洗浄し、その後、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH : DCM =1:100)により精製し、10d (1.7 g, 68.0%収率)を黄色固形分として提供した。LC-MS: 268 [M+1]
+。
【0193】
工程4:
10d (1.7 g, 6.4 mmol)及びTEA (17 mL)のDCM (340 mL)中の溶液に、トリホスゲン (1.42 g, 4.8 mmol)を小分けして0℃で添加した。その後、溶液を室温に温め、そして0.5時間撹拌した。2b (1.57 g, 9.6 mmol)を上記混合物に室温にて添加した。その後、混合物をさらに0.5時間撹拌し、そして最終的に減圧下に蒸発させた。EtOAc (150 mL)を 残留物に添加し、そして水(100 mL)及びブライン(100 mL)で洗浄した。分離された有機相を無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH: DCM =1:10)により精製し、H0816 (2.04 g, 75.8%収率)を黄色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.82 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 8.51 (d, 1H), 7.36-7.38 (m, 1H), 7.29-7.31 (m, 1H),5.28-5.31 (m, 1H), 4.79 (d, 1H), 4.04-4.10 (m, 1H), 2.78-2.83 (m, 1H), 2.74 (s, 2H), 2.19 (s, 3H), 1.91-1.99 (m, 2H), 1.61-1.70 (m, 2H), 1.47-1.57 (m, 2H), 1.44 (d, 3H)。 LC-MS: 422 [M+1]
+。
【0194】
例12
H0824の合成
【化17】
【0195】
工程1:
1j (2 g, 6.36 mmol)及びジ-tert-ブチルジカーボネート(2.75 g, 12.72 mmol)のTHF (30 mL)中の溶液に、飽和Na
2CO
3 水溶液(5 mL)を0℃にて添加した。混合物を、その後、室温にて1時間撹拌し、最終的に酢酸エチル (40 mL)で希釈した。得られた混合物をブライン(10 mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物を石油エーテル(40 mL)で研和し、11b (1.86 g, 70%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ=7.76 (d, 1 H), 7.00 (d, 1 H), 4.96-5.06 (m, 2 H), 1.41-1.43 (m, 12 H)。LC-MS: 416 [M+1]
+。
【0196】
工程2:
1b (1.8 g, 4.5 mmol)及び3b (2.4 g, 6.5 mmol)の1,2-ジメトキシエタン(160 mL) 中の溶液に、Pd(PPh
3)
4 (780 mg, 0.67 mmol)及びCuI (90 mg, 0.45 mmol)を室温にてN
2の保護下に添加した。その後、混合物を90℃に加熱し、この温度で一晩撹拌した。次いで、冷却し、そして減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル: 石油エーテル1:10)により精製し、11c (1.2 g, 73%収率)を白色固形分として提供した。LC-MS: 368 [M+1]
+。
【0197】
工程3:
11c (600 mg, 1.63 mmol)のジクロロメタン(15 mL)中の溶液に、トリフルオロ酢酸(5 mL)を0℃にて添加した。添加後に、混合物を室温にて2時間撹拌し、その後、減圧下に濃縮した。残留物を飽和NaHCO
3 水溶液(15 mL)とジクロロメタン(20 mL)との間で分割した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮し、11d (350 mg, 80%収率)を無色オイルとして提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.92 (d, 1 H), 8.69 (dd, 1 H), 8.59 (d, 1 H), 7.69 (d, 1 H), 7.49 (d, 1 H), 4.67-4.69 (m, 1 H), 1.43 (d, 3 H)。LC-MS: 268 [M+1]
+。
【0198】
工程4:
化合物11d (60 mg, 0.225 mmol)及びTEA (0.5 mL)のジクロロメタン(10 mL)中の溶液に、トリホスゲン (46 mg, 0.158 mmol)を0℃にて添加した。その後、混合物を室温にて15分間撹拌し、その後、11e (53 mg, 0.337 mmol)を添加した。その後、さらに30分撹拌し、ジクロロメタン(10 mL)で希釈し、ブライン(10 mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール: ジクロロメタン、1:40, 1% NH
4OH)により精製し、H0824 (60 mg, 57%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.84 (dd, 1 H), 8.61 (d, 1 H), 8.51 (d, 1 H), 7.37 (dd, 1 H), 7.30 (dd, 1 H), 5.23-5.27 (m, 1 H), 4.82 (dd, 1 H), 4.02 (d, 1 H), 2.86 (d, 2 H), 2.80 (s, 3 H), 2.23 (d, 3 H), 1.90-2.01 (m, 2 H), 1.76 (d, 1 H), 1.45 (d, 3 H), 1.40 (d, 1 H), 1.05 (s, 3 H), 0.70 (s, 3 H)。 LC-MS: 450 [M+1]
+。
【0199】
例13
H0890 (H0824のエナンチオマー)の合成
【化18】
【0200】
工程1〜4:
化合物H0890 をH0824 と同様に合成した(1kから全体収率31%)。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.91 (dd, 1 H), 8.68 (d, 1 H), 8.58 (d, 1 H), 7.46 (dd, 1 H), 7.40 (dd, 1 H), 5.30-5.34 (m, 1 H), 4.86 (d, 1 H), 4.09 (d, 1 H), 2.95 (d, 2 H), 2.87 (s, 3 H), 2.40 (d, 3 H), 2.46-2.51 (m, 2 H), 2.22 (s, 3 H), 2.01-2.09 (m, 2 H), 1.84 (d, 1 H), 1.51 (d, 3 H), 1.47 (d, 1 H), 1.08 (s, 3 H), 0.76 (s, 3 H)。 LC-MS: 450 [M+1]。
【0201】
例14
H0826の合成
【化19】
【0202】
工程1:
13a (3g, 26.5 mmol)、EtNH
2.HCl (11.2 g, 132.7 mmol)、 TEA (5 ml)及びPd/C (300 mg)のMeOH (50 mL)中の混合物を60℃にてH
2 (50 psi)下に一晩加熱し、その後、冷却しそしてろ過した。ろ液を減圧下に濃縮し、そして残留物をHCl/ジオキサン(4 N, 100 mL)中に溶解し、そして30分間撹拌した。沈殿物をろ過し、そして酢酸エチル (50 mL)で洗浄し、13b (4.1 g, 87%収率)を白色粉末として提供した。
1H-NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ= 9.12 (br, 2 H), 3.72 (d, 2 H), 3.25-3.29 (m, 1 H), 3.04 (q, 2 H), 2.84-2.90 (m, 2 H), 2.70 (s, 3 H), 2.22-2.28 (m, 2 H), 1.94-2.02 (m, 2 H), 1.26 (t, 3 H), LC-MS: 129 [M+1]
+ 。
【0203】
工程2:
11d (60 mg, 0.225 mmol)及びTEA (0.5 mL)のジクロロメタン(5 mL)中の溶液に、トリホスゲン (46 mg, 0.158 mmol)を0℃にて添加した。添加後に、混合物を室温にて15 分間撹拌し、その後、13b (60 mg, 0.337 mmol)を添加した。得られた混合物をさらに30分間室温にて撹拌し、その後、ジクロロメタン(10 mL)で希釈し、ブライン(10 mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール: ジクロロメタン、1:40, 1% NH
4OH)により精製し、H0826 (44 mg, 45%収率)を提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ=8.89 (d, 1 H), 8.66 (dd, 1 H), 8.57 (d, 1 H), 7.45 (d, 1 H), 7.36 (d, 1 H), 5.36-5.39 (m, 1 H), 4.85 (d, 1 H), 4.13-4.18 (m, 1 H), 3.22 (q, 2 H), 2.84-2.88 (m, 2 H), 2.25 (s, 3 H), 1.95-2.03 (m, 2 H), 1.55-1.73 (m, 4 H), 1.53 (d, 3 H), 1.24 (t, 3 H)。 LC-MS: 436 [M+1]
+。
【0204】
例15
H0889 (H0826のエナンチオマー)の合成
【化20】
【0205】
H0889 (49 mg. 30%収率)の合成をH0826 の合成と同様に行った。1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.90 (d, 1 H), 8.67 (dd, 1 H), 8.57 (d, 1 H), 7.45 (d, 1 H), 7.37 (d, 1 H), 5.35-5.39 (m, 1 H), 4.85 (d, 1 H), 4.11-4.17 (m, 1 H), 3.22 (q, 2 H), 2.85-2.88 (m, 2 H), 2.25 (s, 3 H), 1.97-2.04 (m, 2 H), 1.54-1.73 (m, 4 H), 1.52 (d, 3 H), 1.23 (t, 3 H)。 LC-MS: 436 [M+1]
+。
【0206】
例16
H0830の合成
【化21】
【0207】
工程1:
14a (3.1 g, 7.88 mol)のジクロロメタン(60 mL)中の溶液に、デスマーチンペルヨージナン(5.0 g, 11.83 mmol)を室温にて添加した。混合物を室温にて2時間撹拌し、その後、真空下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル: 石油エーテル=1:15)により精製し、14b (3.05 g, 99% 収率)を淡黄色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 10.40 (s, 1 H), 7.97 (d, 1 H), 7.52 (d, 1 H)。
【0208】
工程2:
14b (1.5 g, 3.8 mmol)及び3b (2.12 g, 5.7 mmol)の1,2-ジメトキシエタン(40 mL)中の溶液に、Pd(PPh
3)
4 (887 mg, 0.76 mmol)及びCuI (147 mg, 0.76 mmol)を室温にてN
2の保護下に添加した。混合物を90℃にて一晩撹拌し、その後、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル: 石油エーテル=1:10)により精製し、14c (826 mg, 86%収率)を淡黄色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 10.55 (s, 1 H), 8.97 (d, 1 H), 8.74 (dd, 1 H), 8.66 (d, 1 H), 7.98 (d, 1 H), 7.64 (d, 1 H)。LC-MS: 253 [M+1]
+。
【0209】
工程3:
14c (980 mg, 3.5 mmol)及び(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(1.1 g, 7.8 mmol)のTHF (20 mL)中の溶液に、ゆっくりとTBAF (THF中1 M溶液、5.8 mL, 5.8 mmol,)を0℃にて添加した。混合物を室温にて一晩加熱した後に、水(30 mL)を添加した。得られた混合物を酢酸エチル (30 mL x 3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル: 石油エーテル=1:5)により精製し、14d (640 mg, 52 %収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.92 (s, 1 H), 8.72 (s, 1 H), 8.66 (s, 1 H), 7.75 (d, 1 H), 7.53 (d, 1 H), 5.70 (q, 1 H), 3.68(br, 1 H)。 LC-MS: 323 [M+1]
+。
【0210】
工程4:
14d (750 mg, 2.33 mmol)及びTEA (709 mg, 7.02 mmol)のジクロロメタン (20 mL)中の溶液に、メタンスルホニルクロリド(320 mg, 2.8 mmol)を0℃にて添加した。添加の終了後に、混合物を室温にて20分間撹拌し、その後、ジクロロメタン (50 mL)で希釈した。混合物を飽和NaHCO
3 水溶液(40 mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして真空下に濃縮し、粗製14e (910 mg, 97% 収率)を無色オイルとして提供し、更なる精製なしに次の工程で使用した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.96 (d, 1 H), 8.73 (dd, 1 H), 8.67 (d, 1 H), 7.74 (d, 1 H), 7.64 (d, 1 H), 6.54 (q, 1 H), 3.15(s, 3 H)。
【0211】
工程5:
化合物14e (910 mg, 2.27 mmol)のDMSO (20 mL)中の溶液に、NaN
3 (296 mg, 4.55 mmol)を室温にて添加した。混合物を100℃にて一晩撹拌し、その後、冷却し、そして水添加した(100 mL)。得られた混合物を酢酸エチル(50 mL x 3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして真空下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル: 石油エーテル=1:5, v:v)により精製し、14f (340 mg, 44%収率)を黄色オイルとして提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.89 (d, 1 H), 8.78 (dd, 1 H), 8.62 (d, 1 H), 7.74 (d, 1 H), 7.60 (d, 1 H), 6.02 (q, 1 H)。 LC-MS: 348 [M+1]
+。
【0212】
工程6:
14f (34.7 mg, 0.1 mmol)、HCOOH (46 mg, 1.0 mmol)及びN
2H
4.H
2O (50 mg, 1.0 mmol)のEtOH (10 mL)中の溶液に、ラネー-Ni (50 mg)を添加した。混合物を室温にて1時間撹拌し、その後、ろ過しそして真空下に濃縮した。残留物をジクロロメタン (20 mL)で希釈し、水(15 mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして真空下に濃縮し、14g (30 mg, 93%収率)を無色オイルとして提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.92 (d, 1 H), 8.67 (dd, 1 H), 8.61 (d, 1 H), 7.67 (d, 1 H), 7.55 (d, 1 H), 5.17 (q, 1 H), 1.86 (br, 2 H)。LC-MS: 322 [M+1]
+。
【0213】
工程7:
14g (24 mg, 0.07 mmol)、2b (14.7 mg, 0.09 mmol)及びTEA (0.5 mL)のジクロロメタン (10 mL)中の溶液に、トリホスゲン (46 mg, 0.158 mmol)を室温にて添加した。得られた混合物を35℃でN
2 の保護下に2時間撹拌し、その後、ジクロロメタン (10 mL)で希釈した。混合物を飽和Na
2CO
3 水溶液(10 mL)及びブライン(10 mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして真空下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール: ジクロロメタン 1:40, 1% NH
4OH)により精製し、H0830 (10 mg, 28%収率)を白色固形分として提供した。1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.85 (d, 1H), 8.62 (dd, 1H), 8.55 (d, 1H), 7.48 (d, 1H), 7.40 (d, 1H), 6.22-6.26 (m, 1H), 5.21 (d, 1H), 4.38-4.45 (m, 1H), 3.30-3.12 (m, 2H), 2.84 (s, 3H), 2.59-2.71 (m, 5H), 1.61-1.66 (m, 2H), 1.01-1.05 (m, 2H)。 LC-MS: 476 [M+1]
+。
【0214】
例17
H0847の合成
【化22】
【0215】
工程1:
12b (10.4 g, 25 mmol)及び9b (19.4 g, 50 mmol)の1,2-ジメトキシエタン(1.2 L)中の溶液に、Pd(PPh
3)
4 (4.54 g, 3.92 mmol)及びCuI (227 mg, 1.19 mmol)を室温にてN
2下に添加した。混合物を90℃にて一晩加熱し、 その後、冷却し、CH
2Cl
2 (800 mL)で希釈しそしてろ過した。ろ液をブライン(600 mL)で洗浄し、そして有機相を分離し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EtOAc: 石油, 1:3)により精製し、粗製化合物15a (10.3 g, 約100%収率)を黄色固形分として提供した。LC-MS: 386 [M+1]
+。
【0216】
工程2:
0℃に冷却した、15a (10.3 g, 26 mmol)のDCM (500 mL)中の溶液に、TFA (100 mL)を滴下して加えた。添加が完了した後に、混合物を3時間撹拌し、その後、飽和Na
2CO
3 溶液(400 mL)で塩基性化し、そしてDCM (3×100 mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH : CH
2Cl
2 : NH
4OH, 1:20:0.01)により精製し、15b (4.1 g, 57%収率)を赤色固形分として提供した。LC-MS: 440 [M+1]
+1。
【0217】
工程3:
15b (2.0 g, 7.1 mmol)及びTEA (80 mL)のCH
2Cl
2 (220 mL)中の溶液に、トリホスゲン (1.52 g, 5.1 mmol)を小分けして0℃にて添加した。添加が完了した後に、溶液を45分間撹拌した。2b (2.7 g, 7.1 mmol)を、その後、上記混合物に添加した。得られた溶液を2時間撹拌し、その後、CH
2Cl
2 (100 mL)で希釈し、そしてNa
2CO
3 水溶液(100 mL)及びブライン(100 mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ: CH
2Cl
2 : CH
3OH=10/1)により精製し、H0847 (2.0 g, 65%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.77 (d, 1H), 8.38 (d, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.31 (d, 1H), 5.26-5.30 (m, 1H), 4.78 (d, 1H), 4.10-4.00 (m, 1H), 2.79-2.84 (m, 2H), 2.75 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 1.94-2.05 (m, 2H), 1.57-1.69 (m, 2H), 1.47-1.64 (m, 2H), 1.41 (d, 3H)。 LC-MS: 440 [M+1]
+。 ee%=98.5% (Chiralpak, 5 μm, 4.6*250mm, 相: Hex: EtOH: DEA = 90: 10: 0.2), 保持時間=12.829 min)。
【0218】
例18
H0829及びH0860の合成
【化23】
【0219】
工程1:
16a (100 g, 0.54 mol)のDMF (1400 mL)中の溶液に、N-クロロスクシンイミド(73 g, 0.54 mol)をゆっくりと0℃にて添加した。得られた混合物を40℃で12時間加熱し、その後、水(1600 mL)中に注いだ。沈殿物をろ過により回収し、酢酸エチル(1000 mL)中に溶解し、そしてブライン(1000 mL)で洗浄した。溶媒の蒸発により、残留物を提供し、それをエタノール中で再結晶化し、粗製物 16b (80 g)を提供し、そしてそれを次の工程で直接的に使用した。
【0220】
工程2:
16b (80 g, 0.365 mol)の乾燥THF (4 L)中のよく撹拌された溶液に、LiAlH
4 (27.6 g, 0.73 mol)をゆっくりと0℃で添加した。混合物を0℃で2時間撹拌した。その後、氷水 (600 mL)をゆっくりと0℃で添加し、そして混合物をろ過した。ろ液を濃縮し、そして残留物を酢酸エチル/石油エーテル (1:2)中の再結晶化により精製し、16c (39 g, 2つの工程で56%の全体収率)を淡黄色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 7.15 (d, 1H), 6.68 (d, 1H), 4.68 (d, 2H), 4.12 (br, 2H), 2.03 (br, 1H) LC-MS: 192 [M+1]
+。
【0221】
工程3:
16c (39 g, 0.2 mol)及び氷(450 g)の濃HCl (200 mL)中の混合物に、NaNO
2 (21.2 g, 0.3 mol)の水(30 mL)中の溶液を滴下して0℃で添加した。混合物を0℃で30分間撹拌し、その後、KI (169.4 g, 1.02 mol)の水(400 mL)中の溶液を滴下して0℃で添加した。混合物を0℃で40分間撹拌し、その後、酢酸エチル(1000 mL)を添加し、そして有機相を水(500 mL)、NaHSO
3 溶液(500 mL)及びブライン(500 mL)で順次に洗浄した。有機相を分離し、無水Na
2SO
4 で乾燥し、そして濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EA: PE=1:15)により精製し、16d (50 g, 収率:81%)を提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 7.81 (d, 1H), 7.17 (d, 1H), 4.75 (d, 2H), 2.02 (br, 1H)。
【0222】
工程4:
16d (50 g, 166 mmol)及びTEA (50 g, 497.0 mmol)の乾燥CH
2Cl
2 (900 mL)中の混合物に、メタンスルホニルクロリド(22.8 g, 199.0 mmol)を滴下して0℃で添加した。混合物を0℃でさらに90分間撹拌し、その後、酢酸エチル (800 mL)で希釈し、そしてブライン(600 mL)で洗浄した。有機相を分離し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして濃縮して、粗製物16e (59 g)を提供し、それを更なる精製なしに次の工程で直接的に使用した。
【0223】
工程5:
粗製物16e (59 g, 160 mmol)のEtOH (1200 mL)中の溶液に、NaCN (11.4 g, 230.0 mmol)のH
2O (250 mL)中の溶液を添加した。得られた混合物を還流下に一晩加熱し、その後、冷却し、そして濃縮した。残留物を酢酸エチル(500 mL)と水(500 mL)の間で分割した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして濃縮し、粗製物16f (40 g)を褐色固形分として提供し、それを更なる精製なしに次の工程で直接的に使用した。
【0224】
工程6:
16f (40 g, 129 mmol)のMeOH (360 mL)中の溶液に、濃H
2SO
4 (114 mL)を滴下して0℃にて添加した。その後、混合物を還流下に一晩加熱し、その後、冷却しそして濃縮した。Na
2CO
3 水溶液(50 mL)を残留物に0℃にて添加し、そして混合物をNa
2CO
3 粉末の添加によりpH=9〜10に調節した。混合物を酢酸エチル(3 x 300 mL)で抽出し、そして合わせた有機層を無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、EA: PE =1:20)により精製し、16g (22 g, 収率:70.5%)を黄色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 7.75 (d, 1H), 6.93 (d, 1H), 3.78 (s, 2H), 3.72 (s, 3H)。
【0225】
工程7:
16g (22 g, 32 mmol)のDMF (150 mL)中の溶液に、ゆっくりと、NaH (60%, 2.8 g, 2.2 mmol)を0℃にて添加した。混合物を室温にて30分間撹拌し、その後、EtI (10 g, 64 mmol)を添加した。混合物を室温にてさらに1.5時間撹拌し、その後、氷水(600 mL)中に注いだ。得られた混合物を酢酸エチル (3 x 400 mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして真空下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル: 石油エーテル=1:50)により精製し、16h (20 g, 84%収率)を提供した。
1H NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ=7.76 (d, 1H), 7.00 (d, 1H), 4.06 (t, 1H), 3.67 (s, 3H), 2.05-2.12 (m, 1H), 1.75-1.82 (m, 1H), 0.91 (t, 3H)。
【0226】
工程8:
16h (22 g, 53.7 mmol)及び3b (25.9 g, 69.9 mmol)の1,2-ジメトキシエタン(660 mL)中の溶液に、Pd(PPh
3)
4 (15.5 g, 13.4 mmol)、LiCl (0.46 g, 13.4 mmol)及びCuI (2.06 g, 10.8 mmol)を室温にてN
2 の保護下に添加した。混合物を、その後、105℃で一晩加熱し、冷却しそして真空下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル: 石油エーテル=1:8)により精製し、16i (12 mg, 69 %収率)を黄色固形分として提供した。
【0227】
工程9:
16i (12 g, 37.0 mmol)及びLiOH
.H
2O (9.3 g, 22.2 mmol)のMeOH (480 mL)及びH
2O (120 mL)中の混合物を室温にて一晩撹拌し、その後、真空下に濃縮した。残留物を1N HClによりpH=2に酸性化し、それをジクロロメタン (3 x 200 mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして濃縮し、16j (10.8 g, 94%収率)を白色固形分として提供した。LC-MS: 310 [M-1]
-。
【0228】
工程10:
16j (10.8 g, 34.8 mmol)、2b (8.6 g, 52 mmol)、DPPA (11.5 mg, 41.8 mmol)及びTEA (48 mL)のトルエン(400 mL)中の混合物を125℃にて一晩撹拌し、その後、冷却しそして真空下に濃縮した。残留物を飽和Na
2CO
3 水溶液(150 mL)とジクロロメタン (300 mL)との間で分割した。有機相を分離し、ブライン(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして真空下に濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、MeOH: ジクロロメタン 1:50, 1% NH
4OH)により精製し、H0829 (6 g, 41%収率)を白色固形分として提供した。1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 8.91 (d, 1H), 8.68 (d, 1H), 8.59 (d, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.34 (d, 1H), 5.17-5.22 (m, 1H), 4.93 (d, 1H), 4.11-4.17 (m, 1H), 2.85-2.92 (m, 2H), 2.82 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 1.58-2.05 (m, 8 H), 1.00 (t, 3H)。 LC-MS: 436 [M+1]+。
【0229】
工程11:
H0860 (2.0, 66.7%)をH0829 のキラル分離(Chiralpak, 5μm, 4.6* 250 mm, Hex:EtOH:DEA=80:20:0.2, 保持時間: 10.76 min)により得た。1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ= 8.89 (d, 1H), 8.66 (d, 1H), 8.57 (d, 1H), 7.43 (d, 1H), 7.32 (d, 1H), 5.16-5.21 (m, 1H), 4.92 (d, 1H), 4.11-4.17 (m, 1H), 2.87-2.90 (m, 2H), 2.81 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 1.48-2.01 (m, 8 H), 0.97 (t, 3H)。 LC-MS: 436 [M+1]+。
【0230】
例19
H0837及びH0862の合成
【化24】
【0231】
工程1:
17a (5g, 27.0 mmol)、30%のメチルアミン(メタノール中)(50 mL)及び5% Pd/C (500 mg)(メタノール中)(50 mL)の混合物を60℃にてH
2 (50 psi)下に一晩加熱し、冷却し、そしてろ過した。ろ液を真空下に濃縮し、そして残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール:ジクロロメタン =1:40)により精製し、17b (2.8 g, 52 %収率)を提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 9.99 (s, 1 H), 3.79 -3.83 (m, 1 H), 3.61-3.72 (m, 3 H), 3.40 (d, 1 H), 2.71 (s, 3 H), 2.33-2.36 (m, 2 H), 1.75 (s, 9 H), LC-MS: 201 [M+1]
+。
【0232】
工程2:
12c (300 mg, 1.12 mmol)及びTEA (3.6 g, 40.3 mmol)のジクロロメタン (20 mL)中の溶液に、トリホスゲン (283 mg, 0.95 mmol)を0℃にて添加した。添加が完了した後に、混合物を室温にて30分間撹拌し、その後、17b (270 mg, 1.35 mmol)を添加した。得られた混合物を室温にて1時間撹拌し、その後、真空下に濃縮した。残留物をジクロロメタン (50 mL)と飽和NaHCO
3 溶液(50 mL)との間で分割した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、無水 Na
2SO
4 で乾燥し、そして真空下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール: ジクロロメタン 1:40, 1% NH
4OH)により精製し、17c (330 mg, 60%収率)を黄色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.82 (s, 1 H), 8.63 (d, 1 H), 8.51 (dd, 1 H), 7.38 (d, 1 H), 7.33 (d, 1 H), 5.23-5.26 (m, 1 H), 4.99 (d, 1 H), 4.80-4.83 (m, 1 H), 3.31-3.32 (m, 2 H), 3.03-3.23 (m, 2 H), 2.80 (s, 3 H), 1.97-2.03 (m, 1 H), 1.76 -1.84 (m, 1 H), 1.64 (s, 9 H), 1.45 (d, 3 H)。 LC-MS: 494 [M+1]
+。
【0233】
工程3:
17c (330 mg, 0.67 mmol)のジクロロメタン (15 mL)中の溶液に、トリフルオロ酢酸(5 mL)を滴下して0℃で添加した。混合物を室温にて1時間撹拌し、その後、真空下に濃縮した。残留物をNaHCO
3 水溶液とジクロロメタンとの間で分割した。有機層を無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして濃縮して、17d (252 mg, 96%収率)を黄色固形分として提供した。LC-MS: 394 [M+1]
+。
【0234】
工程4:
17d (252 mg, 0.64 mmol)及び37% HCHO 水溶液(250 mg, 3.1 mmol)のMeOH (15 mL)中の溶液に、NaOAc (600 mg, 7.3 mmol)、AcOH (1 mL, 50 mmol)及びNaBH
3CN (121 mg, 1.9 mmol)を室温にて添加した。混合物を室温にて一晩撹拌し、その後、減圧下に濃縮した。残留物をジクロロメタン (50 mL)と飽和NaHCO
3 溶液(50 mL)との間で分割した。有機相を分離し、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4 で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ、メタノール: ジクロロメタン 1:50、1% NH
4OH)により精製し、H0837 (200 mg, 77%収率)を白色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.82 (d, 1 H), 8.60 (dd, 1 H), 8.50 (d, 1 H), 7.97 (br, 1 H), 7.38 (d, 1 H), 7.28-7.31 (m, 1 H), 5.26-5.31 (m, 1 H), 4.08-4.10 (m, 1 H), 3.03-3.06 (m, 1 H), 2.95-2.99 (m, 2 H), 2.90 (s, 3H), 2.19-2.35 (m, 5 H), 1.94-1.98 (m, 2H), 1.37-1.40 (m, 3 H)。 LC-MS: 408 [M+1]
+。
【0235】
工程5:
H0862 をH0837 のキラル分離(Chiralcel OJ-H, 5μm, 4.6 x 250 mm, Hex:EtOH:DEA=90:10:0.3, 保持時間: 11.34 min)により得た。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.82 (d, 1 H), 8.60 (dd, 1 H), 8.51 (d, 1 H), 7.98 (br, 1 H), 7.37 (d, 1 H), 7.30 (d, 1 H), 5.28-5.31 (m, 1 H), 4.07-4.10 (m, 1 H), 3.06-3.10 (m, 1 H), 2.99-3.06 (m, 1 H), 2.90 (s, 3H), 2.20-2.35 (m, 5 H), 1.96-2.05 (m, 2H), 1.38 (d, 3 H)。 LC-MS: 408 [M+1]
+。
【0236】
例20
H0900の合成
【化25】
【0237】
工程1:
16d (32 g, 120 mmol)の乾燥CH
2Cl
2 (800 mL)中の混合物に、デスマーチンペルオキシド試薬(76 g, 180 mmol)を小分けして0℃で添加した。混合物を室温にて1時間撹拌し、その後、DCM (800 mL)で希釈し、NaHCO
3 水溶液(300 mL)及びブライン(300 mL)で洗浄した。有機相を分離し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮し、粗製18a (31.4 g)を提供し、それを更なる精製なしに次の工程で直接的に使用した。
【0238】
工程2:
18a (12 g, 40 mmol)及び3b (22.2 g, 60 mmol)のDME (560 mL)中の溶液に、Pd(PPh
3)
4 (9.25 g, 8 mmol)及びCuI (1.52 g, 8 mmol)を室温にて添加した。混合物を90℃で一晩撹拌し、その後、減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ、EA : PE = 1:5)により精製し、18b (8.0 g, 79.3%)を白色固形分として提供した。LC-MS: 253 [M+1]
+。
【0239】
工程3:
18b (7 g, 27.7 mmol)及び (S)-tert-ブチルスルフィンアミド(7.27 g, 30.56 mmol)の乾燥THF (200 mL)中の溶液に、Ti(i-OPr)
4 (15.7 g, 55.4 mmol)を滴下して室温にて添加した。混合物を80℃で一晩撹拌し、その後、冷却した。酢酸エチル (40 mL)を添加し、得られた混合物をろ過しそしてろ液を減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ、EA:PE =1:5)により精製し、18c (6.8 g, 69%)を黄色固形分として提供した。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 9.10 (s, 1H), 8.97 (s, 1H), 8.72 (s, 1H), 8.64 (d, 1H),8.12 (d, 1H), 7.59 (d, 1H), 1.30 (s, 9H)。LC-MS: 356 [M+1]
+。
【0240】
工程4:
18c (6.8 g, 19 mmol)及びテトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリケート(15.8 g, 29 mmol)の乾燥THF (250 mL)中の撹拌されている溶液に、TMSCF
3 (11 g, 77 mmol)の無水THF (50 mL)中の溶液を-65℃で添加した。その後、混合物を-65℃で2時間撹拌し、そしてその時点で、NH
4Cl水溶液(250 mL)を添加した。混合物を酢酸エチル (250 mL)で希釈し、ブライン(250 mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして減圧下に濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ、EA : PE=1:2)により精製し、18d (4.3 g, 52%)を黄色固形分として提供した。LC-MS: 426 [M+1]
+。
【0241】
工程5:
18d (4.3 g, 10.1 mmol)のMeOH (40 mL)中の撹拌されている溶液に、HCl/MeOH (4N, 40 mL)の溶液を室温にて添加した。混合物を1時間撹拌し、その後、減圧下に濃縮した。残留物を酢酸エチル (40 mL)で研和し、粗製18e (4.3g)を提供し、それを更なる精製なしに次の工程で直接的に使用した。LC-MS: 322 [M+1]
+。
【0242】
工程6:
18e (2.7 g, 7.1 mmol)、2b (3.4 g, 21.3 mmol)及びTEA (80 mL)のDCM (220 mL)中の溶液に、DCM (40 mL)中のトリホスゲン(3.15 g, 10.6 mmol)を滴下して0℃にて添加した。溶液を周囲温度に温め、そして1時間撹拌し、その後、DCM (100 mL)で希釈し、そしてNa
2CO
3 水溶液(100 mL)及びブライン(100 mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4 上で乾燥し、そして濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ、DCM : CH
3OH=10 : 1)により精製し、粗製 H0900 (2.13 g, ee%=92.5%)を提供し、それをキラル分離によりさらに精製し、H0900 (1.6 g, 49%収率)を白色固形分として提供した(ee%=98.5%, Chiralpak IC 5um, 4.6*250mm, 相: Hex: EtOH: DEA=90:10:0.2)。保持時間=12.829分。
1H-NMR (CDCl
3, 400 MHz): δ= 8.86 (d, 1H), 8.63 (dd, 1H), 8.55 (d, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.40 (d, 1H), 6.28 (m, 1H), 5.18 (d, 1H), 4.12 (m, 1H), 2.88 (t, 2H), 2.77 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 2.05 (m, 2H), 2.48 (m, 2H), 1.52 (m, 2H), 1.73-1.49 (m, 4H)。 LC-MS: 476 [M+1]
+。
【0243】
例A
カルシウムFLIPRアッセイ
384ウェルフォーマットFLIPR(商標)(Molecular Device)HEK293/GHSR1a細胞株において細胞内カルシウムアッセイを実施した。実験の24時間前に、ウェルごとに最適な密度で細胞を播種した。選定カルシウム染色によるプレインキュベーションを、30〜60分間、室温又は37℃で持続させた。DMSO中に溶解させた試験化合物を適切な時刻で添加し、そして15分間インキュベートし、次いで、Flexstation又はFLIPRとともにグレリンを添加した。FLIPR(商標)モレキュラーデバイスにより相対蛍光をモニターした。GraphPad Prismソフトウェアを用いてEC
50及びIC
50値を用量応答データから評価した。GHSR-1aアゴニズムをチェックするために化合物をt=20秒で添加し、そしてカルシウム応答を2分間追跡した。GHSR-1aアンタゴニズムをチェックするために化合物及びグレリン(10nM)をt=20秒で細胞に添加し、そしてカルシウム応答を2分間測定した。グレリン応答を減少させる能力によってアンタゴニストの効力を算出した。関連のアンタゴニストの用量応答曲線を作成した。
【0244】
例B
マウスの食物摂取試験におけるGHSR1aアンタゴニストの評価
18〜22gの体重の雄C57BL/6Jマウスを、一晩絶食させ(化合物投与前16時間)、そして規則的な明暗サイクル(6:00〜18:00 明/18:00〜6:00暗)に置いた。1週間の順化後に、体重に基づいて動物を2群に分けた(各々n=6、ケージごとに2匹)。群1の動物をビヒクルで処理し、そして群2の動物を試験試薬で処理した(各群でn=6)。累積食物摂取量を薬剤又はビヒクル処理後1、2、4、8及び24時間で評価した。当初の事前測定した食物から未摂取食物を減算することによって食物摂取量を測定した。
【0245】
結果
以下の表はインビトロでのグレリンアンタゴニスト/アゴニスト活性を含む生物学的データ(例A)及びマウス食物摂取結果(例B)と共に代表的な式Iの化合物を示す。データは、式Iの化合物がグレリン受容体モジュレーターであり、そしてグレリン受容体に関連する疾患、例えば肥満を予防及び/又は治療するのに有用であることを明確に実証している。
【0246】
【表43】
【0247】
【表44】
【0248】
【表45】
【0249】
【表46】
【0250】
【表47】
【0251】
【表48】
【0252】
【表49】
【0253】
【表50】
【0254】
【表51】
【0255】
【表52】
【0256】
【表53】
【0257】
【表54】
【0258】
【表55】
【0259】
【表56】
【0260】
【表57】
【0261】
【表58】
【0262】
【表59】
【0263】
【表60】
【0264】
【表61】
【0265】
【表62】
【0266】
【表63】
【0267】
【表64】
【0268】
【表65】
【0269】
【表66】
【0270】
【表67】
【0271】
【表68】
【0272】
【表69】
【0273】
【表70】
【0274】
【表71】
【0275】
【表72】
【0276】
【表73】
【0277】
【表74】
【0278】
【表75】
【0279】
【表76】
【0280】
【表77】
【0281】
【表78】
【0282】
【表79】
【0283】
【表80】
【0284】
【表81】
【0285】
【表82】
【0286】
【表83】
【0287】
【表84】
【0288】
【表85】
【0289】
【表86】
【0290】
例C
非発情雌ラットのむちゃ食いに対する式Iのグレリンアンタゴニストの効果
本例において、化合物の治療潜在力を、むちゃ食いを阻害するその能力について試験した。使用した動物モデルは食物制限とストレスの組み合わせを調査するために開発されたものであった。下記に開示の結果は、食物制限すること、及び、高美味食(HPF)へ試験日までアクセスせずにHPFへ15分間暴露させることのサイクルに供された雌ラットは顕著でかつ統計的に有意なHPF摂取の増加を示したことを示している。このモデルの信頼性及び健全性を考慮して、本発明の化合物を試験するためにそれを採用した。参照化合物として使用されるトピラメート(Topiramate)はこの手順でのその阻害効果を確認した。さらに、結果は、急性投与後に、H0900, H0816及びH0847はむちゃ食い事象の減少をR + S群で示した。想定される用量でのH0860は同手順に暴露された動物においてHPF摂取を有意に低減しなかった。
【0291】
動物及びハウジング
合計でN = 117である、52日齢の雌のSprague-Dawley系ラット(175〜200 g)を使用した。ラットを金属壁;金属グリッドから作られたフロア及びフロント壁を有する個々のケージに順応化させた。ケージフロアの寸法は30 cm×30 cmであり、ケージは30 cm高さである。金属グリッドから作られたフロントドア(30 cm×20 cm)はケージの前方壁に配置されており、ケージの内側へのアクセスがなされ、フロント壁の残りの部分は飲料ビュレットを備えていた。
【0292】
ラットを、12-h明/暗サイクル(08:00 amに照明を付ける)下に、一定の温度(20〜22℃)及び湿度(45〜55%)で室内に維持し、自由に固形飼料及び水を取らせた。すべての手順を実験動物の管理と使用に関する欧州共同体指令(European Community Directive for Care and Use of Laboratory Animals)に従って行った。
【0293】
食事:ラットに食物ペレット4RF18, Mucedola, Settimo Milanese, Italy (2.6 kcal/g)を与えた。
【0294】
高美味食(HPF):
a) Nutella Ferreroチョコレートクリーム(5.33 kcal/g; 炭水化物、脂肪及びタンパク質をそれぞれ56%, 31%及び7%): 52 %
b)細砕食物ペレット4RF18, Mucedola, Settimo Milanese, Italy: 33 %
c)水: 15 %
を混合することにより調製した。
【0295】
実験設計:
ラットを2つの群のうちの1つに体重適合させて、それらの群の間に平均体重の有意な差異がないようにした。
群 1: 制限せず、ストレスにさらしていない(NR + NS): N = 9
群2:制限し、ストレスにさらした(R + S): N = 108。
【0296】
これらの群のうちの1つに割り当てられると、ラットはその研究全体でその群に属したままとした。ストレスにさらされたラットはストレスにさらされていない群とは異なる部屋で順応化された。
【0297】
ラットを3つの連続した8日サイクルにさらし、次いで、最終試験を第25日に行った。
a) 対照群(NR + NS)は、4日間自由に固形飼料をとり、第5〜6は日に、固形飼料+HPFを2時間受け、第7〜8日に、自由に固形飼料をとり、第25日に、ストレスを受けなかった。
b) 第二の群(R + S)は、4日間、通常摂食量の66%への固形飼料制限を受け、第5〜6日に、固形飼料及びHPF (2 h)を受け、第7〜8日に、固形飼料のみを受け、第25日、ストレスを受けなかった。
【0298】
8日のサイクルを3回繰り返したが、三回目のサイクルでは、動物はHPFにアクセスしなかった。
【0299】
再フィーディングの最後の日まで、制限されたラットの体重及び食物摂取量は制限されていないラットのものとは統計的に異ならず、そのため、空腹又はエネルギー欠乏の潜在的複合効果はなかった。
【0300】
体重及び食物摂取量を毎日記録した。食物摂取量は平均キロカロリー/kg摂取± SEMで表現した。
【0301】
試験の日(第25日)には、動物を、表2に示す通りの以下の群に分割した。
【0302】
【表87】
【0303】
卵巣周期の非発情相では、雌ラットは採用したモデルでBEを示さず、一方、卵巣周期の他の3つの相では、強さに有意な差異なしにBEを示すことが、出願人(Micioni Di Bら、2010)により報告されている。それゆえ、第25日の試験直後に、膣スミアを回収し、顕微鏡下に分析し、卵巣周期を評価し、発情相のラットのデータは統計的な分析に含めなかった。膣スミアは処理条件を知らされていない経験のある実験者により分析された。
【0304】
ストレス手順:
15分間、HPFを含む容器(磁器コーヒーカップ)をケージの外側に置き、容器ハンドルを、食物ペレットが通常に与えられる中空部分にあるケージの上部ワイヤ壁に引っ掛ける。これらの条件において、動物は最初の2サイクルの第5、6、13及び14日に、HPFを受け入れたカップを見ることができ、HPF自体を部分的に見ることができ、そしてその匂いをかぐことができる。この15分の時間に、ラットはHPFを得ようとして、前足、頭及び胴体を繰り返し動かすが、それに到達できない。ラットは10.00〜12.00 amにストレス手順を経験する。15分後に、ストレス群(R + S)のラットのケージの内側にカップを置き、それにより、HPFはラットにアクセス可能になった。
【0305】
化合物調製
100 mgの各化合物(HO816, H0860, H0847及びH0900)を正確に計量し、そして13.33 ml の0.5% カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC, Sigma-Aldrich Cat. C4888, lot 120M0216V)溶液中に懸濁させた。低用量溶液を0.5% CMC溶液での30 mg/ml懸濁液の希釈により調製した。懸濁液は試験の日に新鮮に調製した。ビヒクルは0.5% カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の溶液により構成され、1 gのCMCを200 mlの蒸留水中に溶解させることにより調製した。180 mgのトピラメート(Topiramate)を正確に計量し、そして12 mlの0.5% CMC溶液中に懸濁させた。化合物(ビヒクル及び有効成分)を、HPFへのアクセスの1時間前に4 ml/kg体重で経管栄養法により投与した。
【0306】
データ分析:
すべてのデータは平均± s.e.m.として表現し、各値はレジェンドに記載のとおりの平均動物数/群を反映している。データ評価では、分散分析(ANOVA)を使用し、次いで、適切なときに、ポストホック(ボンフェローニ)試験を使用した。統計的有意性はP < 0.05で設定した。グラフ用に使用されるソフトウエアはOrigin 7.0であった。統計分析用ソフトウエアはSYSTAT 13.0であった。
【0307】
むちゃ食いモデル:
ANOVAはビヒクル投与後の2つのラット群における2−hHPF摂取量に非常に有意な差異を示した[F(1,12) = 18.9; P < 0.01]。
図1に示すように、R + S群のビヒクル投与後のHPF摂取量は対照(NR + NS)群のものよりも顕著に高かった。R + S ラットのHPF摂取量はHPFへのアクセスの最初の15分で非常に顕著であった。これらの動物は決して競争的振る舞いをしないが、HPFを含むカップ上に継続的に残り、そして摂取に注意を集中した。R + S群の累積的なHPF摂取量はHPSにアクセスした120分後までは対照より有意に高かった。
【0308】
むちゃ食いに対するトピラメート(Topiramate)の効果:
ANOVAは60 mg/kgの用量でトピラメートにより処理されたR + Sラットにおける2−hHPF摂取量に有意な差異を示した [F(1,11) = 16.2; P < 0.01]。
図2に示すように、ポストホック比較はトピラメートの効果がBEを示した全期間の全時点で統計的に有意であることを示した。
【0309】
むちゃ食いに対するH0816の効果:
ANOVAは3及び30 mg/kgの用量でH0816により処理したR + Sラットにおける2−hHPF摂取量に有意な差異を示した [F(2,19) = 3.9; P < 0.05]。
図3に示されるように、ポストホック比較は、15分時点で、H0816 (30 mg/kg)の効果が統計的に有意であることを示した(P < 0.05)。H0816処理(両方の用量)は2−h試験の間に動物の全体挙動に影響を及ぼさなかった。
【0310】
むちゃ食いに対するH0860の効果:
図4に示されるように、3及び30 mg/kgの用量でのH0860はR + S群におけるHPF摂取量に影響を及ぼさなかった[F(2,19) = 0.6; P > 0.05]。
【0311】
むちゃ食いに対するH0847の効果:
ANOVAは3及び30 mg/kgの用量でH0847により処理したR + Sラットにおける2−hHPF摂取量に有意な差異を示した[F(2,19) = 8.7; P < 0.01]。
図5に示されるように、ポストホック比較は、HPFアクセス後の15、30及び60分時点で、H0847 (3 mg/kg)の効果が統計的に有意であることを示した。30 mg/kgの用量で、H0847はBEを示した全期間のすべての時点でHPF摂取量を有意に低減させた(P < 0.01)。H0847 (3 mg/kg)で処理した2つの動物は及び30 mg/kgの用量で処理した1つの動物は2−h試験の間に緩やかな鎮静作用を示した。
【0312】
むちゃ食いに対するH0900の効果:
ANOVAは3及び30 mg/kgの用量でH0900により処理したR + Sラットにおける2−hHPF摂取量に有意な差異を示した[F(2,18) = 12.2; P < 0.01]。
図6に示されるように、ポストホック比較はH0900 (30 mg/kg)の効果がBEを示した全期間のすべての時点で統計的に有意であることを示した(P < 0.01)。H0900処理(両方の用量)は2−h試験の間に動物の全体挙動に影響を及ぼさなかった。
【0313】
めちゃ食い試験の間のトピラメート(Topiramate)、H0816、H0860、H0847、H0900及びビヒクルの2-h 固形飼料摂取量に対する効果:
統計分析は、トピラメート[F(1,11) = 0.9; P > 0.05]又はH0816 [F(2,19) = 0.3; P > 0.05]又はH0900 [F(2,18) = 2.2; P > 0.05]の急性投与が2−h固形飼料摂取量を変化させないことを示した。
図7Aに示されるように、H0860 [F(2,19) = 22.9; P < 0.01]及びH0847 [F(2,19) = 3.9; P < 0.05]の急性投与は2−h固形飼料摂取量を有意に増加した。
統計分析は、トピラメート [F(1,11) = 0.00; P > 0.05]又はH0816 [F(2,19) = 1.2; P > 0.05]又はH0900 [F(2,18) = 2.7; P > 0.05]の急性投与が24−h固形飼料摂取量を変化させないことを示した。
図7に示されるように、H0860 [F(2,19) = 14.2; P < 0.01]及びH0847 [F(2,19) = 24.3; P < 0.01]の急性投与は24−h固形飼料摂取量を有意に増加した。
【0314】
むちゃ食いに対するH0816の効果(第二の試験):
BEに対するH0816の効果を確認するために、第二の試験を10日後に行った。この研究で使用した117匹の動物のうち、53匹(8匹の同一のラットNR+NS及び45匹のラットR+S)を第二の試験に用いた。第一の試験の終了の1日後に、ラットのこれらの群は追加の8日サイクルを受け、NR +NS群は8日の固形飼料自由摂取を行い、一方、R + S群は通常摂食の66%に制限した4日の固形飼料摂取、次いで、4日の固形飼料自由摂取を行った。この追加のサイクルでは、すべての群はHPFにアクセスしなかった。次の日に、R + S群はストレスにさらされ、一方、NR +NS群はさらされなかった。この日に、H0816 (3, 10及び30 mg/kg)及びトピラメート(60 mg/kg)又はビヒクルを、HPFへのアクセスの1−h前に経管栄養法で投与した。ANOVAはビヒクル投与の後のラットの2つの群に非常に有意な差異を示した[F(1,12) = 28.1; P < 0.01]。R + S 群における累積的なHPF 摂取はHPFへのアクセス後の120分まで対照物よりも有意に高かった(データを示していない)。統計的な分析は60 mg/kgの用量でトピラメートにより処理したR + S ラットにおける2−hHPF摂取に有意な差異を示した[F(1,12) = 47.1; P < 0.01]。ポストホック比較は、トピラメートの効果が、BEを示したすべての時点、すなわち、全期間で統計的に有意であることを示した。
【0315】
ANOVAは3、10及び30 mg/kgの用量でH0816により処理されたR + Sラットにおける2−hHPF摂取量の有意な差異を示した[F(3,25) = 3.3; P < 0.05]。
図8に示されるように、ポストホック比較は、H0816 (10 mg/kg)の効果が、15分時点で統計的に有意であり(P < 0.05) 、そして30 mg/kgの用量が15分でBE事象を完全にブロックした(P < 0.01)。H0816処理(両方の用量)は2−h試験の間に動物の全体挙動に影響を及ぼさなかった。統計分析はトピラメート[F(1,12) = 2.3; P > 0.05]又はH0816 [F(3,25) = 0.2; P > 0.05] の急性投与が2−h及び24−h([F(1,12) = 0.03; P > 0.05]; [F(3,25) = 0.5; P > 0.05])固形飼料摂取量を変化させないことを示した(データを示さず)。
【0316】
ポジティブコントロールとして実験設計に含まれたトピラメートは60 mg/kg の用量でBE事象を完全になくした。同実験で、H0900, H0816及びH0847は急性投与後のR + S群におけるBE挙動を有意に低減し、むちゃ食い障害患者における選択的なGHS−R1a アンタゴニズムの治療的可能性を確認した。
【0317】
2つの実験において、H0816は生理学的食物供与に対して効果なしに、BEに対して選択的阻害効果を用量依存的に確認した。驚くべきことに、H0847及びH0860は同一の動物における2−h及び24−h固形飼料摂取量を有意に増加した。そのことはGHS−R1aアンタゴニストとしてクリーンプロファイルを示さない。
【0318】
例D
マーチジアンサルジニアンアルコール嗜好(Marchigian Sardinian alcohol-preferring (msP))ラットにおけるオペラントエタノール自己投与に対する式(I)の化合物の効果の特徴化
この実験では、msP-ラット(N=24)を、各応答が0.1mLの流体のデリバリーをもたらす強化の固定比率1スケジュール下に30分の一日セッションにおいて10% (v/v)エタノール溶液を自己投与するように訓練した。アルコール応答の安定なベースラインが得られるまで訓練を継続した。この時点で、処理の開始前に、ラットが薬物ビヒクルを受ける間に3日連続で(事前処理段階)の経管栄養法投与手順にラットを訓練した。この時点で、10% (v/v) エタノール自己投与に対するグレリンアンタゴニストの効果に関して動物を試験した。対象内ラテン方格法(within-subject Latin square design)を用いて、msP ラットの第一群(N=12)を、H0847 (0.0, 1.0及び3.0 mg/kg)の効果に関して試験し、一方、第二の群(N=12)をH0816 (0.0, 3.0及び10.0 mg/kg)で処理した。
【0319】
一旦、実験が完了すると、薬物を洗い流すために動物を数日間ホームケージに残しておいた。その後、同ラットを用いて残りのアンタゴニスト化合物H0900 (0.0, 3.0及び30.0 mg/kg)及びH0860 (0.0, 3.0及び30.0 mg/kg)を試験した。一旦、安定した自己投与ベースラインに達したら、試験された以前の薬物について説明したのと同一の実験手順により処理を開始した。
すべての薬物(又はビヒクル)を、オペラントセッションを開始する1時間前に経口的に投与した。レバーでの応答はデリバリー機構を活性化したが、アルコールのデリバリーをもたらさなかった。
【0320】
動物及びハウジング:
雄の遺伝的に選択されたアルコール嗜好マーチジアンサルジニアン(msP)ラットを用いた(N=24)。実験時に、それらの体重は350〜400gの範囲であった。室内で4匹/ケージで入れて、逆12:12h 明/暗サイクル(9:30 a.m.に消灯)、温度20〜22℃及び湿度45〜55%とした。ラットは水道水及び食物ペレット(4RF18, Mucedola, Settimo Milanese, Italy)に自由にアクセスが与えられた。すべての手順を、実験動物の管理と使用に関する欧州共同体理事会指令(European Community Council Directive for Care and Use of Laboratory Animals)及び実験動物の管理と使用に関する健康ガイドの国立研究所(the National Institutes of Health Guide for the Care and Use of Laboratory Animals)に従って行った。
【0321】
化合物調製:
75 mgの各H0900及びH0860を正確に計量し、10 mlの0.5% カルボキシメチルセルロースナトリウム塩溶液(CMC, Sigma-Aldrich Cat. C4888, lot 120M0216V)中に懸濁させた。低用量溶液を30 mg/ml懸濁液を0.5% CMC溶液を用いて希釈することにより調製した。
37.5 mgのH0816を正確に計量し、15 mlの0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩溶液(CMC, Sigma-Aldrich Cat. C4888, lot 120M0216V)中に懸濁させた。低用量溶液をmg/ml懸濁液を0.5% CMC溶液を用いて希釈することにより調製した。
11.25 mgのH0847を正確に計量し、15 mlの0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩溶液(CMC, Sigma-Aldrich Cat. C4888, lot 120M0216V)中に懸濁させた。低用量溶液をmg/ml懸濁液を0.5% CMC溶液を用いて希釈することにより調製した。
懸濁液を試験の日に新鮮に調製した。ビヒクルは0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウム塩の溶液から構成され、1gのCMCを200mlの蒸留水中に溶解することにより調製した。ビヒクル及び薬物を10%アルコール溶液へのアクセスの1時間前に、4 ml/kg体重の体積で経管栄養法により投与した。10% (v/v)エタノール溶液は一日置きに、95% (v/v)エタノール溶液(F.L. CARSETTI s.n.c - CAMERINO)を飲料水中に希釈することにより調製した。
【0322】
装置:
自己投与ステーションは音減衰性換気環境キュービクル中に包囲されたオペラントコンディショニングチャンバー(Med Associate, Inc)からなった。各チャンバーは、チャンバーのフロントパネルの中央でグリッドフロアの上方4cmにある飲料リザーバ(体積容量:0.2)、飲料容器の3cmのところにある2つのリトラクタブルレバー(一方が右、他方が左)、及び、レバーの上方6cmにある白色きっかけ表示灯を備えていた。輸液ポンプは右の、すなわち、活性レバーに応答して作動し、一方、左の、すなわち、不活性レバーに対する応答は記録したが、ポンプの作動をもたらさなかった。ポンプの作動により、0.1mlの流体のデリバリーをもたらした。もし小休止がプログラムされている場合には、この間のレバー押しは計数されたが、更なる輸液をもたらさなかった。IBM-コンパチブルコンピュータは流体のデリバリー(シリンジポンプの作動)、視覚刺激の表示及び挙動データの記録を制御した。
【0323】
実験手順:
オペラント自己投与チャンバー(Med Associates)を用いて、msPラットは応答の安定なベースラインが得られるまで10%アルコール(v/v)のためにレバー押しする訓練をされた。16回の自己投与訓練セッションを行って、動物を訓練した。オペラントセッションを30分間続け、そして明暗サイクルの暗段階の間に一日一回行った。活性及び不活性(対照)レバー応答をモニターした。
【0324】
アルコール自己投与の安定なベースラインが確立した後に、msPラットにビヒクル又は本発明の化合物を2つの異なる用量で対象内法を用いて投与した。活性及び不活性レバー応答をモニターした: 指示に従って、自己投与セッションの開始前に薬物を注入した。
強化プログラムはFR1-LITO (固定比率-1 ライトタイムアウト)であった。5秒間の小休止の間に(強化RRに従う)、ハウスライトのスイッチを入れた。試験を対象内法により行い、ここで、薬物処理(投与)は繰り返し要因として処理した。活性及び不活性レバー応答の合計数を統計的評価に付した。薬物試験を4日毎に行った。各薬物試験前の2日間は、ラットをアルコール自己投与セッションに受けさせなかった。
【0325】
統計分析:
繰り返し測定の1ファクター(処理)ANOVAの手段によりデータを分析した。分散分析に次いで、適切な場合にはニューマン-コイルス(Newman-Keuls)試験を行った。統計有意性はp<0.05に設定した。
図9に示すように、H0847はアルコールのオペラント応答に効果がなかった[F(2,11) = 0.53; p>0.05]。不活性対照レバーでの応答は変化されなかった[F(2,11) = 0.53; p>0.05]。
図10に示すように、H0860はアルコールのオペラント応答を有意に低減した[F(2,11) = 4.19; p<0.05]。ポストホック分析は高用量(30 mg/kg)での処理後にアルコール自己投与の有意な低減を示した (*p<0.05)。不活性対照レバーでの応答は変化されなかった[F(2,11) = 0.15; p>0.05]。
図11に示すように、H0816はアルコールのオペラント応答に効果がなかった[F(2,11) = 0.75; p>0.05]。不活性対照レバーでの応答は変化されなかった[F(2,11) = 0.30; p>0.05]。
図12に示すように、H0900はアルコールのオペラント応答を有意に低減した[F(2,11) = 8.62; p<0.01]。ポストホック分析は3 mg/kg (*p<0.05)及び30 mg/kg(**p<0.01)での処理後にアルコール自己投与の有意な低減を示した。不活性対照レバーでの応答は変化されなかった[F(2,11) = 1.03; p>0.05]。
【0326】
要約すると、データは、msPラットでは、H0900及びH0860の両方の急性経口投与がエタノール自己投与の統計的に有意な低減を誘発したことを示す。H0900では、効果は試験した両方の用量(3 及び30 mg/kg)で見られた。H0860では、高用量(30 mg/kg)のみがエタノール自己投与を低減した。逆に、同一の実験条件で、H0847 (1又は3 mg/kg)及びH0816 (3又は10 mg/kg)はエタノール応答に対して 効果がなかった。