(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モーターが、吸気圧力から呼気圧力にサイクル動作するときに、前記送風機(4104)によって発生するエネルギーが前記エネルギー貯蔵ユニット(4510)に貯蔵される、請求項12に記載の方法。
前記ダイオード(4520)が存在する場合には、前記ダイオード(4520)が前記送風機(4104)への電力供給に使用され、前記制御システム(4230)が存在する場合には、前記制御システム(4230)が前記第1の電源(4210)から電力供給される、請求項12または13に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0048】
[81]本発明の技術をさらに詳しく説明する前に、技術が本明細書で説明されている特定の例に限定されず、異なることのあることを理解するべきである。また、本開示で使用されている用語は、本明細書で説明されている特定の例のみを説明することを目的としており、限定的であることを意図されていないことは理解されるであろう。
4.1 治療システム
[82]一形態において、本発明の技術は、呼吸器疾患を治療するための装置を含む。装置は、空気などの加圧呼吸ガスを、患者インターフェース3000に至る空気送達チューブ4170を介して患者1000に供給するための流動発生装置または送風機を備えることができる。
4.2 治療法
[83]一形態において、本発明の技術は、呼吸器疾患を治療するための方法を含み、この方法は陽圧を患者1000の気道の入口に印加するステップを含む。本発明の別の形態では、呼吸器疾患を治療するための方法を含み、この方法は陽圧を印加して侵襲的換気を挿管された患者に供給するステップを含む。別の形態では、本発明の技術は、呼吸器疾患を治療するための方法を提供し、この方法は従圧式または従量式の治療を行うステップを含む。
4.3 患者インターフェース3000
[84]本発明の技術の一態様による非侵襲的患者インターフェース3000は、機能態様として、シール形成構造物3100、プレナムチャンバー3200、位置決めおよび安定化構造物3300、および空気回路4170に接続するための接続ポート3600を備える。
【0049】
[85]本発明の技術の一形態において、シール形成構造物3100は、シール形成表面を構成し、それに加えて、緩衝機能を付与することができる。本発明の技術によるシール形成構造物3100は、シリコーンなどの軟質の柔軟性、弾力性を有する材料から製作することができる。
【0050】
[86]一形態において、非侵襲的患者インターフェース3000のシール形成部分は、一対の鼻パフ、または鼻ピローを備え、それぞれの鼻パフまたは鼻ピローは患者の鼻の各鼻孔とともにシールを形成するように作成され、配置構成される。
【0051】
[87]一形態において、非侵襲的患者インターフェース3000は、患者の顔面の上側の唇領域(つまり、上唇)で使用するシールを形成するシール形成部分を備える。
[88]一形態において、非侵襲的患者インターフェース3000は、患者の顔面の顎領域で使用するシールを形成するシール形成部分を備える。
【0052】
[89]いくつかの形態において、機能的態様は、1つまたは複数の物理的コンポーネントによって実現され得る。いくつかの形態では、1つは物理的コンポーネントが、1つまたは複数の機能的態様を備えることができる。使用時に、シール形成構造物3100は、陽圧の空気を気道に供給しやすくするために患者の気道の入口を囲むように配置構成される。好ましくは、プレナムチャンバー3200は、使用時にシールが形成される領域内で平均的な人の顔面の表面輪郭を補完する形状をとる周を有する。使用時に、プレナムチャンバー3200の限界端面は、顔の隣接する表面に近接近する位置に置かれる。顔面との実際の接触は、シール形成構造物3100によってもたらされる。好ましくは、シール形成構造物3100は、使用時に、プレナムチャンバー3200の全周に延在する。
【0053】
[90]好ましくは、本発明の技術の患者インターフェース3000のシール形成部分3100は、ヘッドギアなどの、位置決めおよび安定化構造物3300によって使用時に封止位置に保持される。
【0054】
[91]一形態において、患者インターフェース3000は、吐出される二酸化炭素の洗い流しを可能にするように製作され配置構成された排出口3400を備える。本発明の技術による排出口3400は、複数の穴、例えば、約20から約80個の穴、または約40から約60個の穴、または約45から約55個の穴を備える。好ましくは、排出口3400は、プレナムチャンバー3200内に配置される。一形態において、患者インターフェース3000は、少なくとも1つの減結合構造物3500、例えば、スイベルまたは球関節も備えることができる。排出口3400は、減結合構造物3500内に配置され得る。接続ポート3600は、空気回路4170への接続を可能にする。
【0055】
[92]患者インターフェース3000は、前額部支持体3700をさらに備えることができる。患者インターフェースは、窒息防止弁を備えることもできる。
[93]本発明の技術の一形態において、患者インターフェース3000は、プレナムチャンバー3200内の容積部へのアクセスを可能にする1つまたは複数のポートを備える。一形態において、これにより、臨床医は、補給酸素を供給することができる。一形態において、これにより、圧力などの、プレナムチャンバー3200内のガスの特性を直接測定することができる。
4.4 デバイス4000
[94]本発明の技術の一形態による換気デバイス4000は、
図4aから4eに示されている。換気装置4000は、ハウジング4012、呼息空気吸込ポート4014、および吸息吐出ポート4016を備える。ポート4014および4016は、患者の気管内に挿入され得るチューブ(図示せず)、患者の鼻もしくは口もしくは両方に被さる顔もしくは鼻マスクに接続可能であるか、または呼吸を補助するために患者に他の何らかの方法で取り付けられる。換気装置用のハウジングは、携帯型であってよく、換気装置を運ぶためのハンドル4018を備え得る。ハウジングは、上側ハウジングケース4020、シャシー4021、および下側ハウジングケース4022を有することができ、これらは結合されて1つになり換気装置の外部面を形成する。しかし、ハウジングは、上側および下側ケーシングとともに2つのコンポーネント部分だけを備えるなどの他の構成を有することができるか、または3つよりも多いコンポーネント部分を有することもできることは理解されるであろう。換気装置は、譲受人の本明細書に組み込まれている2012年9月21日に出願された同時係属米国特許出願第13/624,167号で説明されているような換気装置または換気装置のいくつかの態様を含み得る。
【0056】
[95]シャシー4021は、換気装置アセンブリ用の構造骨格を備えることができる。シャシー4021は、以下でさらに詳しくそれぞれ説明されている吸込口フィルターアセンブリ4036および吸込口シール4038を受け入れるように構造化され得る。吸込口シール4038も、空気圧ブロックモジュール4056の吸込口に結合するように構成されている。好ましくは、吸込口シール38は、シリコーンなどの可撓性材料から形成され、吸込口シールは空気圧ブロックモジュール4056の吸込口上にオーバー成形され得る。
【0057】
[96]シャシー4021は、空気圧ブロックモジュール4056が配置される空気圧ブロック座部も備え、これによりハウジング内での空気圧ブロックモジュール4056の位置合わせおよび組み立てをしやすくする。シャシー4021は、ハンドル4018の一部も含み得る。
【0058】
[97]シャシー4021の後部は、後部パネル上のさまざまな接続部およびスイッチ用の各種のインターフェースを備えることができる。例えば、電気コネクタ4049、スイッチ4051、データ接続部4047、および酸素接続部4046用のインターフェースである。
【0059】
[98]シャシー4021は、冷却ファン4068、PCB4086、および呼息空気吸込ポート4014に隣接する位置に配置された呼息部分4031のコンポーネントなどの換気装置4000のコンポーネントを配置し、保持するために多数のインターフェースも備えることができる(
図4e参照)。
【0060】
[99]換気装置4000の呼息部分4031は、呼息空気吸込ポート4014を介して、患者から呼気を受け入れるように呼気インターフェースモジュールの挿入を可能にするように構成される。異なる呼気インターフェースモジュールが、呼気用弁および呼気用アダプタを備えることができる。
【0061】
[100]
図4aから4eからわかるように、換気装置4000は、取り外し可能内部電池
4450を配置し、インターフェースするための電池区画を備えることができる。取り外し可能電池カバー4052は、電池を挿入するか、または取り出す際にアクセスできるように下側ハウジング4022の外側底面に設けられる。コンポーネントの熱を排出できるようにする取り外し可能呼気カバー4048、酸素センサーカバー4054、およびグリル4044も、
図4dに示されているように外側底面に設けられている。下側ハウジング4022は、換気装置4000が滑らかな表面から滑り落ちないように保護するため、外側底面に、熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)などのスリップ防止用の足もしくはグリ
ップ表面、または1つまたは複数のスリップ防止もしくはグリップ足4053も備えることができる。スリップ防止またはグリップ足4053は、こぼれた水が換気装置の底部に下にプールを作るのを防ぐために換気装置4000を持ち上げることもできる。ハンドル4018の一部も、下側ハウジングケース4022内に配置される。
【0062】
[101]
図4aからわかるように、上側ハウジングケース4020は、換気装置4000
の頂面を備え、ユーザーインターフェースディスプレイデバイス4024を受け入れるように構造化される。ハウジングは、コンピュータ用のタッチ入力を受け取るように適合された液晶ディスプレイ(LCD)などの、コンピュータまたはプロセッサ駆動ユーザーインターフェースディスプレイデバイス4024を備えることができる。ディスプレイデバイスは、換気装置が使用されている間ハウジングの頂面と容易に見えるように同一平面にあるものとしてよい。発光ダイオード(LED)ライトバーなどのアラームインジケータライトバー4026、および音響的または視覚的アラームを無効化するためのボタン4028は、ディスプレイに隣接しているものとしてよい。しかし、画面、ボタン、ダイヤル、キー、またはこれらの組み合わせなどの、他の知られているユーザーインターフェースシステムが使用されることは理解されるであろう。完全な換気装置ハウジング4012を組み立てるために、シャシー4021、下側ハウジングケース4022、および上側ハウジングケース4020は結合されて1つにされる。ネジなどの留め具を使用して、ハウジング4012を組み立てることができるけれども、他の知られている留め具も使用され得る。シャシー4021は、上側ハウジングケース4020と下側ハウジングケース4022との間に組み立てられる。
【0063】
[102]
図4cに示されているように、ハウジング4012の後部には、フィルターアセ
ンブリ4036を備えることができる。患者の肺にポンプで送り込まれる空気は、フィルターアセンブリに付随する空気吸込口内に引き込まれる。空気は、フィルターの透過性フィルター膜を通過し、空気通路に入り、空気が患者に流れる。
【0064】
[103]ハウジングの後部には、コンピュータネットワーク、アラームシステム、パルス
酸素濃度計(例えば、spO2)、およびデジタル記録媒体などのデジタルデバイスと通信するためのデータ接続部4047を備えることができる。電力接続部4049およびオンオフスイッチ4051も、ハウジングの後部に位置決めされ得る。入力グリル4044−Iは、コンポーネントを冷却するための空気の吸込口を備え、内部コンポーネント(例えば、送風機モーターおよびCPU)の動作によって発生する熱を放散させることができる。外部コンポーネント上の加熱された空気の移動は、加熱空気出力グリル4044−O(
図4dのハウジングの底部に示されている)の近くにあるものとしてよい、ハウジング内の冷却ファン4068によって駆動され得る。それに加えて、酸素(O
2)吸込ポート4046は、酸素供給源と結合することを可能にする、ハウジングの後部にあり得る。
【0065】
[104]
図4dは、換気装置4000の底部を示している。外部アクセスハッチとして使
用される、取り外し可能呼気カバー4048は、ハウジングの呼気部分またはセクションの区画へのアクセスおよび保護手段となる。呼気カバー4048を取り外すことで、挿入された呼気ガスルーティングモジュール、さらには呼息空気吸込ポート4014にアクセスすることができる。また、これにより、呼気用弁または呼気用アダプタなどの、呼気ガスルーティングモジュールを取り外し、交換することが簡単に行える。呼気カバー4048は、ハウジングに締め付けられ、指で回せる留め金4050による過剰な遊びを減らすことができる。適宜、いくつかの実施形態では、留め金は、留め金を外れないようロックする働きをし得ることもある。オプションの留め金外しボタン4050Rは、呼気カバーを係脱するように作動させることができる。外しボタン4050Rを押すことで、呼気カバー4048の留め金を外すことができる。当業者であれば、呼気カバー4048をハウジングに取り外し可能に固定し、結合する代替的方法も利用できることを理解するであろう。換気装置ハウジングの底部には、交換可能な内部電池の取り外し可能電池カバー4052および酸素センサー4047にアクセスするために取り外せる酸素センサーカバー4054があるものとしてよい。
【0066】
[105]
図4eは、本発明の技術の一態様による換気装置4000の内部コンポーネント
を示している。換気装置4000は、コンポーネントとして、吸込口フィルター4034、吸込口シール4038、吸込口マフラー4039、酸素供給経路4043、空気圧ブロックモジュール4056、吸息部分4033、安全弁4085、呼息部分4031、PCBおよび制御装置4086、冷却ファン4068、および内部バッテリ4450のうちのいくつかまたはすべてを含み得る。
【0067】
[106]空気圧ブロックモジュール4056は、空気通路が空気吸込口4034、吸息吐
出ポート4016、および酸素供給経路4043のところのフィルターアセンブリ4036と揃えられるように換気装置内に配置構成される。矢印は、換気装置4000をそれぞれ通る空気流4035および酸素流4045の経路を示す。空気流4035は、空気吸込口4034を介して入り、フィルターアセンブリ4036および吸込口シール4038を通過して、空気圧ブロックモジュール4056の吸込口マフラー4039内に入る。適宜、酸素供給源は、酸素吸込ポート4046のところに取り付けられるものとしてよく、酸素流4045は、酸素供給経路4043および酸素シールを通って空気圧ブロックモジュール4056内に入り、そこで、吸込口マフラー4039内の吸込口空気流4035と組み合わされる。空気圧ブロックモジュール4056内で、空気流4035が、主送風機4104(
図4fを参照)によって加圧される。加圧された空気/酸素流4035、4045は、空気圧ブロックモジュール4056から吐出口マフラー4084を介して送り出され、主シール4040を通って吸息部分4033内に入り、次いで吸息吐出ポート4016から出て空気送達導管(図示せず)を介して患者インターフェース(図示せず)に送達される。
【0068】
[107]吸息部分4033の酸素センサー区画内に配置され得る、酸素センサー4064
は、患者に送達されている酸素の量を測定する。酸素センサー4064は、容易に交換され、吸息吐出ポート4016に隣接するようにハウジング4012内に装着され得る。酸素センサーは、完全にポンプで送られている空気の酸素レベルを検出する。酸素センサーからのデータは、酸素濃度に関係するアラームをトリガーし、データをマイクロプロセッサに供給して酸素濃度をユーザーインターフェースに表示するために使用され得る。供給される酸素の量は、患者に供給される空気および酸素の知られている体積を調節することによって制御され得る。しかし、酸素センサーは、酸素吸込ポート4046を通して供給される補給酸素の量を調整するためにも適宜使用され得る。
【0069】
[108]ハウジングの底部にある酸素センサーカバー4054(
図4dに示されている)
は、ハウジングの酸素センサー区画内に収容されている酸素センサーにアクセスできるように取り外し可能である。酸素センサーは、ハウジング内の取付具内に嵌合し、吸息吐出ポート4016に隣接する。吸息吐出ポート4016を通って流れる空気の一部が、センサーによって感知される。センサーは、ガスの酸素レベルを示すデータ信号を生成する。データは、データをプロセッサに伝送するデータ接続部に伝送される。プロセッサは、データを解析して、完全にポンプで送られている空気に加えるべき補給酸素の量を決定する。
【0070】
[109]酸素供給源は、低圧酸素供給部または高圧酸素供給部とすることができる。高圧
酸素供給源からの供給のため、酸素レギュレータ(図示せず)が酸素供給経路4043内に配置され、これにより、酸素が吸込口マフラー4039内に入る前に高圧酸素供給源からの圧力を下げることができる。酸素吸込ポート4046は、さまざまな異なる酸素接続
アダプタに結合するように適合されるものとしてよく、これにより、限定はしないがオスまたはメス直径別安全システム(male or female diameter index safety system)(D
ISS)、スリーブインデキシングシステム(sleeve indexing system)(SIS)、米国国立標準技術研究所(NIST)、およびフランス規格協会(AFNOR)を含む異なる管轄区域で使用される異なる種類の酸素コネクタの接続を可能にする。
【0071】
[110]代替的配置構成(図示せず)では、高圧酸素供給源は、吐出口マフラー4084
などの中の主送風機4104の後に設けられ、そこで、圧縮空気源と混合される。いくつかの例において、高圧酸素は、ガス流の圧力源を患者に送るために使用され得る。いくつかの配置構成では、低圧酸素は、空気回路4170または患者インターフェース3000に適宜送られ得る。
【0072】
[111]空気圧ブロックモジュール4056は、矩形の形状であるものとして概略図に示
されているけれども、空気圧ブロックモジュール4056は、ハウジング内の座部に形状適合し、空気圧ブロックモジュール4056がハウジング内に不適切に挿入される可能性を最小限に抑える非対称形状を含む形状をとり得ることは理解されるであろう。
【0073】
[112]主プリント基板(PCB)4086は、組み立てられてシャシー4021に装着
され、シャシー4021と下側ハウジングケース4022との間に配置され得る。メインボードの電子コンポーネントは、プロセッサ、空気圧ブロックモジュール4056から電力などのデータ信号を伝送するための電気コネクタ、および加圧された空気を吸息吐出ポート4016に送る送風機のデータコネクタを含み得る。この点で、電気コネクタは、空気圧ブロックモジュール4056内のPCB上の電子コンポーネントとハウジング内の主PCB上の電子コンポーネントとの間の電力および信号経路を構成する。メインボードの電子コンポーネントは、酸素センサー4064などの、センサー用のデータおよび電力コネクタも備えることができる。ハウジング内の電子コンポーネントは、ディスプレイデバイスに対する画像、可聴音アラームなどを発するためのスピーカー4061に対する音声信号の生成を制御し、圧力および酸素センサーからの信号を検出し、送風機の回転速度を制御することができる。換気装置400は、PCB4086に接続されたクロックを適宜備えることができる。
【0074】
[113]シャシー4021は、空気圧ブロックモジュール4056の周に形状適合し得る
空気圧ブロック装着座部、吸込口フィルターアセンブリ4036用のフィルター座部および/または区画、および低圧酸素接続アセンブリ、冷却ファン4068、および変形可能なシール用の他の装着座部などの、換気装置4000の異なるコンポーネントを受け入れるように構成された複数の装着座部または区画を備えることができる。シャシー4021は、シャシーのセクションまたは区画の間に空気を運ぶなどのためにシャシー構造物内に成形され得る埋め込み型または一体型の空気通路およびポートも備えることができる。例えば、知られている圧力の空気は、シャシーの通路を通して空気圧ブロックモジュールからPEEP空気供給部に導かれ得る。
【0075】
[114]
図4fは、空気圧ブロックモジュール4056の内部コンポーネントの概略図で
ある。空気圧ブロックモジュール4056は、渦巻室アセンブリ4108、吸込口逆止め弁アセンブリ4114、オプションの酸素吸込ポート4144、呼気終末陽圧(PEEP)送風機4124、吐出口マフラー4084、安全弁4085、圧力センサー4128、流量センサー4130および流量検出器4132、ならびにPEEP圧力センサー4142を備える主送風機4104を具備する。渦巻室アセンブリ4108は、空気経路の大半を形成し、空気圧ブロックモジュール4056の重要機能の一部を実行する。
【0076】
[115]空気圧ブロック4056は、電磁弁4116および流量制御電磁弁4120を備
え、これらは逆止め弁アセンブリ4114と連通し、制御するように構成される。PEEP電磁弁4136は、PEEP送風機4124と連通して、PEEP送風機4124から呼息部分4031への圧力の供給を制御するように構成される。PEEP圧力チューブは、PEEP呼息弁と呼息部分4031内のPEEP供給ポートとの間で結合され、PEEP圧力源をもたらす。PEEP圧力センサー4142は、PEEP圧力を感知する。
【0077】
[116]
図4gは、デバイス4000の別の形態に対する概略配置構成図である。デバイ
ス4000の空気圧経路は、好ましくは、吸込口エアフィルター4034、吸込口マフラー4039、陽圧の空気を供給することができる制御可能供給源圧力デバイス4140(好ましくは主送風機4104)、および吐出口マフラー4084を備える。圧力センサー4128および流量センサー4130などの1つまたは複数のトランスデューサまたはセンサー4270が、空気圧経路内に備えられる。
【0078】
[117]好ましい空気圧ブロック4056は、外部ハウジング4012内に配置される空
気圧経路の一部を含む。
[118]デバイス4000は、好ましくは、電力供給装置4210、1つまたは複数の入
力デバイス4220、中央コントローラ4230、空気圧コントローラ4240、治療用デバイス4245、1つまたは複数の保護回路4250、メモリ4260、トランスデューサ4270、データ通信インターフェース4280、および1つまたは複数の出力デバイス4290を有する。電気コンポーネント4200は、単一プリント基板アセンブリ(PCBA)上に装着され得る。代替的形態において、デバイス4000は、複数のPCBAを備えることができる。
【0079】
[119]デバイス4000の中央コントローラ4230は、好ましくは前処理トランスデ
ューサ信号モジュール4310、治療エンジンモジュール4320、圧力制御モジュール4330、およびさらに好ましくは故障状態モジュール4340を含む使用している1つまたは複数のアルゴリズムモジュールのセット4300を実行するようにプログラムされる。
4.4.1 デバイス機械および空気圧コンポーネント
4.4.1.1 エアフィルター4110
[120]本発明の技術の一形態によるデバイスは、エアフィルター4110、または複数
のエアフィルター4110を備えることができる。
【0080】
[121]一形態において、吸込口エアフィルター4034は、送風機4104の上流の空
気圧経路の始めのところに配置される。
図4gを参照のこと。
[122]一形態において、吐出口エアフィルター4150、例えば、抗菌フィルターが、
空気圧ブロック4056の吐出口と患者インターフェース3000との間に配置される。
図4gを参照のこと。
4.4.1.2 マフラー4120
[123]本発明の技術の一形態において、吸込口マフラー4039は、送風機4104の
上流の空気圧経路内に配置される。
図4gを参照のこと。
【0081】
[124]本発明の技術の一形態において、吐出口マフラー4084は、送風機4104と
患者インターフェース3000との間の空気圧経路内に配置される。
図4gを参照のこと。
4.4.1.3 圧力デバイス4140
[125]本発明の技術の好ましい一形態において、陽圧の空気の流れを発生するための圧
力デバイス4140は、制御可能主送風機4104である。例えば、主送風機は、1つまたは複数のインペラーが渦巻室内に収納されたブラシレスDCモーター4404aを備える。送風機は、好ましくは、空気の供給を、例えば、約10リットル/分から約120リ
ットル/分の速さで、約3cmH
2Oから約40cmH
2O、または他の形態では約60cmH
2Oまでの範囲の陽圧により行うことができるものとしてよい。
【0082】
[126]圧力デバイス4140は、空気圧コントローラ4240の制御の下にある。
4.4.1.4 トランスデューサ4270
[127]本発明の技術の一形態において、1つまたは複数のトランスデューサまたはセン
サー4270が、圧力デバイス4140の上流に配置される。1つまたは複数のトランスデューサ4270は、空気圧経路内のその地点の空気の特性を測定するように製作され、配置構成される。
【0083】
[128]本発明の技術の一形態において、1つまたは複数のトランスデューサ4270は
、圧力デバイス4140の下流、および空気回路4170の上流に配置される。1つまたは複数のトランスデューサ4270は、空気圧経路内のその地点の空気の特性を測定するように製作され、配置構成される。
【0084】
[129]本発明の技術の一形態において、1つまたは複数のトランスデューサ4270は
、患者インターフェース3000の近くに配置される。1つまたは複数のトランスデューサ4270は、例えば、圧力、流量、速度、または酸素センサーを備えることができる。4.4.1.5 アンチスピルバック弁4160
[130]本発明の技術の一形態において、アンチスピルバック弁は、オプションの加湿器
5000とデバイス4000との間に配置される。アンチスピルバック弁は、水が加湿器5000から上流に、例えば、モーター4104に流れる危険性を低減するように製作され、配置構成される。
4.4.1.6 空気回路4170
[131]本発明の技術の一態様による空気回路4170は、吸息空気吐出ポート4016
などの、デバイス4000の吐出口と患者インターフェース3000との間で空気または呼吸可能ガスの流れを可能にするように製作され、配置構成される。空気送達回路4170は、シングルリム回路またはダブルリム回路を備えることができる。ダブルリム回路は、患者の呼気を換気装置に送り返し、排気ポートから出すための呼気導管を備える。排気ポートは、抗菌フィルターなどのフィルターを備えてもよい。
4.4.1.7 酸素送達4180
[132]本発明の技術の一形態において、補給酸素4180が、空気圧経路内のある地点
に送達される。
【0085】
[133]本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、空気圧ブロック4056
の上流に送達される。
[134]本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、空気回路4170に送達
される。
【0086】
[135]本発明の技術の一形態において、補給酸素4180は、患者インターフェース3
000に送達される。
4.4.2 デバイスの電気コンポーネント4200
4.4.2.1 電力供給装置4210
[136]電力供給装置4210は、電力を基本デバイス4000の他のコンポーネント、
つまり、入力デバイス4220、中央コントローラ4230、治療用デバイス4245、および出力デバイス4290に供給する。
【0087】
[137]本発明の技術の一形態において、電力供給装置4210は、デバイス4000の
外部ハウジング4012内に取り外し可能に配置することができる電池4450(
図4jを参照)などの内部電力供給装置を備えることができる。内部電池4450は、リチウム
イオン電池であってよく、4〜12時間の使用、例えば、4、5、6、7、または8時間の連続使用に対応できるように構成され得る。内部電池4450は、直流(DC)電力の10〜18ボルトの範囲の電圧、例えば、DC電力の12〜16.8ボルトの電圧を印加し、電池容量は、毎時約95ワットなど、90〜100ワット(W)/時(hr)であるものとしてよい。
【0088】
[138]本発明の技術の別の形態において、電力供給装置4210は、代替的にまたはそ
れに加えて、電気コードを介してデバイス4000の電源接続部に接続するように構成された、外部電池4410、4420などの、1つまたは複数の外部電力供給装置を備えることができる(
図4j〜4m参照)。複数の外部電池が、デバイスまたは換気装置4000に直列に接続され、例えば、2、3、4、またはそれ以上の外部電池がデバイス4000に直列に接続され得る。外部電池4410、4420は、DCケーブルまたは電源コード4462などの、電気ケーブルを介して、デバイスまたは換気装置4000および互いに接続され得る。
図4lから4mは、下流の外部電池4410および換気装置4000に直列に接続された上流の外部電池4420を示している。さらなる外部電池(図示せず)を下流の外部電池4410と上流の外部電池4420との間に直列に接続して、利用可能な外部電池電力を増大することができることは理解されるであろう。
【0089】
[139]それぞれの外部電池は、入力ポートおよび出力ポートを備え、これにより、電力
および信号の伝達のためのケーブルを直列の並びに沿って接続することができる。外部電池4410、4420のそれぞれは、同じであっても異なっていてもよい、すなわち、それぞれ同じ電力量または異なる電力量を供給することができる。外部電池は、4、5、6、7、または8時間の連続使用などの、2〜12時間の使用のために電力を供給することができる。外部電池4410、4420は、直流(DC)電力の10〜30ボルトの範囲の電圧、例えば、DC電力の24〜26ボルトの電圧を印加し、電池容量は、毎時約95、96、97ワットなど、90〜100ワット(W)/時(hr)であるものとしてよい。
【0090】
[140]別の配置構成では、電力供給装置4210は、AC電力供給ユニット(PSU)
4430を介して交流(AC)電源への接続を可能にする(
図4j参照)。AC PSU4430は、AC80〜270ボルトの範囲またはAC100〜240ボルトの範囲内のユニバーサル入力をもたらすことができるスイッチモード電力供給装置であるものとしてよい。AC PSU4430は、約90Wなどの60〜100ワット(W)の電力出力、および約24ボルトDC電力の電力供給を行うことができる。AC PSU4430は、航空機で使用するのに適しているものとしてよい。AC PSU4430は、換気装置またはデバイス4000の電源接続部に直接(すなわち、換気装置4000に外部電池が接続されない、図示せず)、または
図4jに示されているように換気装置4000に電気的に接続されている外部電池4410、4420の一つから上流に直列に電気的に接続され得る。
【0091】
[141]
図4mに示されているさらなる配置構成において、電力供給装置4210は、D
C主電源コード4462を介してDC主電力供給装置4460に接続することを可能にし得る。DC主電力供給装置は、約12〜24ボルトの電力を供給することができる。DC主電源コード4462は、換気装置またはデバイス4000の電源接続部とDC主電力供給装置4460との間を、介在する外部電池(図示せず)なしで電気的に接続することができる。あるいは、
図4mに示されているように、上流外部電池4420および下流外部電池4410のうちの1つまたは複数も、換気装置4000とDC主電源との間に直列に接続され得る。一配置構成において、外部電池4410、4420は、接続された場合に、デバイスが使用中であればDC電力供給装置によって充電されない。しかし、あるいは、DC主電源は、デバイス4000の電力使用要件およびDC主電源4460によって供
給されている利用可能な電力に応じて外部電池4410、4420を充電するために使用され得る。内部電池4450は、また、換気装置4000内に存在していてもよく、適宜、DC主電源4460によって充電され得る。
【0092】
[142]上記の電力容量範囲は、例示的なものにすぎず、AC PSU4430、外部電
池4450、および外部電池4410、4420は、異なる電力容量を有することができ、上で説明されているものに出力することは理解されるであろう。デバイス4000の電力管理について、以下でさらに詳しく説明する。
4.4.2.1.1 入力デバイス4220
[143]入力デバイス4220は、人がデバイス4000をインタラクティブに操作でき
るようにするボタン、スイッチ、またはダイヤルを備える。これらのボタン、スイッチ、またはダイヤルは、物理的デバイスであるか、またはタッチスクリーンを介してアクセス可能なソフトウェアデバイスであるものとしてよい。これらのボタン、スイッチ、またはダイヤルは、一形態では、外部ハウジング4012に物理的に接続されるか、または別の形態では、中央コントローラ4230に電気的に接続されている受信機とワイヤレス方式で通信するものとしてよい。
【0093】
[144]一形態において、入力デバイス4220は、人が値および/またはメニューオプ
ションを選択できるように製作され、配置構成され得る。
4.4.2.1.2 中央コントローラ4230
[145]本発明の技術の一形態において、中央コントローラまたはプロセッサ4230は
、入力デバイス4220から入力信号を受信し、出力信号を出力デバイス4290および/または治療用デバイスコントローラ4245に送るように構成された専用電子回路である。
【0094】
[146]一形態において、中央コントローラ4230は、特定用途向け集積回路である。
別の形態では、中央コントローラ4230は、ディスクリート電子コンポーネントを備える。
【0095】
[147]プロセッサ4230は、1つまたは複数のトランスデューサ4270、および1
つまたは複数の入力デバイス4220から入力信号を受信するように構成される。
[148]プロセッサ4230は、出力信号を出力デバイス4290、空気圧コントローラ
4240、データ通信インターフェース4280、および加湿器コントローラ5250のうちの1つまたは複数に送るように構成される。
【0096】
[149]本発明の技術のいくつかの形態において、プロセッサ4230、または複数のそ
のようなプロセッサは、メモリ4260などの非一時的な(non-transitory)コンピュータ可読記憶媒体に格納されるコンピュータプログラムとして表される1つまたは複数のアルゴリズム4300などの、本明細書で説明されている1つまたは複数の方法を実装するように構成される。いくつかの場合において、すでに説明されているように、そのようなプロセッサは、デバイス4000に一体化することができる。しかし、本発明の技術のいくつかの形態において、プロセッサは、呼吸器治療の実施を直接的に制御することなく本明細書で説明されている方法のどれかを実行することなどを目的として、デバイス4000の圧力発生コンポーネントから別々に実装され得る。例えば、そのようなプロセッサは、本明細書で説明されているセンサーのどれかなどからの格納されているデータの解析によって換気装置に対する制御設定または他の呼吸器関連事象を決定することを目的として本明細書で説明されている方法のうちのどれかを実行することができる。
4.4.2.1.3 治療用デバイス4245
[150]本発明の技術の一形態において、治療用デバイス4245は、中央コントローラ
4230の制御の下で患者1000に治療を施すように構成される。
4.4.2.1.4 出力デバイス4290
[151]本発明の技術による出力デバイス4290は、視覚的出力、聴覚的出力、および
触覚的出力のうちの1つまたは複数の形態を取り得る。視覚的出力は、液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)ディスプレイであってよい。聴覚的出力は、スピーカーまたは音声放射体とすることができる。
4.4.2.1.5 クロック4232
[152]好ましくは、デバイス4000は、プロセッサ4230に接続されているクロッ
ク4232を備える。
4.4.2.1.6 空気圧コントローラ4240
[153]本発明の技術の一形態において、空気圧コントローラ4240は、プロセッサ4
230によって実行されるアルゴリズム4300の一部を形成する圧力制御モジュール4330である。
【0097】
[154]本発明の技術の一形態において、空気圧コントローラ4240は、専用モーター
制御集積回路である。
[155]本発明の技術の一形態において、空気圧コントローラ4240は、空気圧ブロッ
クプロセッサ4630である。
4.4.2.1.7 保護回路4250
[156]好ましくは、本発明の技術によるデバイス4000は、1つまたは複数の保護回
路4250を備える。
【0098】
[157]本発明の技術による保護回路4250の一形態は、空気圧ブロック安全回路46
32である。
[158]本発明の技術による保護回路4250の一形態は、電気保護回路である。
【0099】
[159]本発明の技術による保護回路4250の一形態は、温度または圧力安全回路であ
る。
[160]本発明の技術による保護回路4250の一形態は、アラームコントローラである
。アラームコントローラは、以下でさらに詳しく説明されているようなハードウェアアラームコントローラ4610であってもよい。
4.4.2.1.8 メモリ4260
[161]本発明の技術の一形態によれば、デバイス4000は、メモリ4260、好まし
くは不揮発性メモリを備える。いくつかの形態では、メモリ4260は、電池式スタティックRAMを含み得る。いくつかの形態では、メモリ4260は、揮発性RAMを含み得る。
【0100】
[162]好ましくは、メモリ4260は、PCBA上に配置される。メモリ4260は、
EEPROMまたはNANDフラッシュの形態であってよい。
[163]それに加えて、または代替的に、デバイス4000は、取り外し可能な形態のメ
モリ4260、例えば、セキュアデジタル(SD)規格に従って作製されたメモリカードを含む。
【0101】
[164]本発明の技術の一形態において、メモリ4260は、非一時的なコンピュータ可
読記憶媒体として動作し、この媒体に、1つまたは複数のアルゴリズム4300などの、本明細書で説明されている1つまたは複数の方法を表現するコンピュータプログラム命令が格納される。
4.4.2.1.9 トランスデューサ4270
[165]トランスデューサは、デバイスの内部にあるか、デバイスの外部にあるものとし
てよい。外部トランスデューサは、例えば、空気送達回路、例えば、患者インターフェース上に配置されるか、またはその一部を形成し得る。外部トランスデューサは、データを
デバイスに送信または転送するドップラーレーダー移動センサーなどの非接触センサーの形態のものであってよい。
4.4.2.1.9.1 流れ4272
[166]本発明の技術による流量トランスデューサ4272は、差圧トランスデューサ、
例えば、SENSIRION社のSDP600シリーズ差圧トランスデューサまたはHONEYWELL社のZephyr(商標)流量センサーに基づくものとすることができる。差圧トランスデューサは、空気圧回路と流体的に連通し、圧力トランスデューサのそれぞれの1つは流れ制限要素内の各第1および第2の地点に接続される。
【0102】
[167]使用時に、流量トランスデューサ4272からの全流量Qtを表す信号が、プロ
セッサ4230によって受信される。
4.4.2.1.9.2 圧力4274
[168]本発明の技術による圧力トランスデューサ4274は、空気圧回路と流体的に連
通するように配置される。好適な圧力トランスデューサの一例は、HONEYWELL ASDXシリーズのセンサーである。代替的な好適な圧力トランスデューサは、GENERAL ELECTRIC社のNPAシリーズのセンサーである。さらなる代替的な好適な圧力トランスデューサは、HONEYWELL社のTruStability(商標)圧力センサーのシリーズのセンサーである。
【0103】
[169]使用時に、圧力トランスデューサ4274からの信号は、プロセッサ4230に
よって受信される。一形態において、圧力トランスデューサ4274からの信号は、プロセッサ4230によって受信される前にフィルター処理される。
4.4.2.1.9.3 モーター速度4276
[170]本発明の技術の一形態において、モーター速度信号4276が生成される。モー
ター速度信号4276は、好ましくは、空気圧コントローラ4240によって送られる。モーター速度信号は、例えば、ホール効果センサーなどの、速度センサーによって生成され得る。
4.4.2.1.10 データ通信システム4280
[171]本発明の技術の好ましい一形態において、データ通信インターフェース4280
が備えられ、プロセッサ4230に接続される。データ通信インターフェース4280は、好ましくは、リモート外部通信ネットワーク4282に接続可能である。データ通信インターフェース4280は、好ましくは、ローカル外部通信ネットワーク4284に接続可能である。好ましくは、リモート通信ネットワーク4282は、リモート外部デバイス4286に接続可能である。好ましくは、ローカル通信ネットワーク4284は、ローカル外部デバイス4288に接続可能である。
【0104】
[172]一形態において、データ通信インターフェース4280は、プロセッサ4230
の一部である。別の形態では、データ通信インターフェース4280は、プロセッサ4230から分離している集積回路である。
【0105】
[173]一形態において、リモート外部通信ネットワーク4282はインターネットであ
る。データ通信インターフェース4280は、有線通信(例えば、イーサネット(登録商標)、または光ファイバーを介する)またはワイヤレスプロトコルを使用してインターネットに接続することができる。
【0106】
[174]一形態において、ローカル外部通信ネットワーク4284は、Bluetoot
h(登録商標)などの1つまたは複数の通信規格、または消費者向けの赤外線プロトコルを利用する。
[175]一形態において、リモート外部デバイス4286は、1つまたは複数のコンピュ
ータ、例えば、ネットワークコンピュータのクラスタである。一形態において、リモート
外部デバイス4286は、物理的コンピュータではなく、仮想コンピュータであってもよい。いずれの場合も、そのようなリモート外部デバイス4286は、臨床医などの適切な権限を有する人物によるアクセスが可能であるものとしてよい。
【0107】
[176]好ましくは、ローカル外部デバイス4288は、パーソナルコンピュータ、携帯
電話、タブレット、またはリモートコントロールである。
4.4.2.1.11 オプションのディスプレイ、アラームを備える出力デバイス4290
[177]本発明の技術による出力デバイス4290は、視覚的ユニット、聴覚的ユニット
、および触覚的ユニットのうちの1つまたは複数の形態を取り得る。視覚的ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)または発光ダイオード(LED)4298ディスプレイであってよい。聴覚的ディスプレイは、ブザー4296であってよい。
4.4.2.1.11.1 ディスプレイドライバ4292
[178]ディスプレイドライバ4292は、入力として、ディスプレイ4294上に表示
することを意図されている文字、記号、または画像を受け取り、それらをディスプレイ4294にそれらの文字、記号、または画像を表示させるコマンドに変換する。
4.4.2.1.11.2 ディスプレイ4294
[179]ディスプレイ4294は、ディスプレイドライバ4292から受信されたコマン
ドに応答して文字、記号、または画像を視覚的に表示するように構成される。
4.4.3 デバイスのアルゴリズム4300
4.4.3.1 前処理モジュール4310
[180]
図4iに示されているように、本発明の技術による前処理モジュール4310は
、入力として、トランスデューサ、例えば、流量または圧力トランスデューサからの生データを受け取り、好ましくは、別のモジュール、例えば、治療エンジンモジュール4320への入力として使用される1つまたは複数の出力値を計算するために1つまたは複数のプロセスステップを実行する。
【0108】
[181]本発明の技術の一形態において、出力値は、インターフェースまたはマスクは圧
力Pm、呼吸流量Qr、および漏れ流量Qlを含む。
[182]本発明の技術のさまざまな形態において、前記前処理モジュール4310は、ア
ルゴリズムとして、圧力補償4312、排出流量4314、漏れ流量4316、呼吸流量4318、およびジャミング検出4319のうちの1つまたは複数を含む。
4.4.3.1.1 圧力補償4312
[183]本発明の技術の一形態において、圧力補償アルゴリズム4312は、入力として
、空気圧ブロックの吐出口の近位にある圧力経路内の圧力を示す信号を受け取る。圧力補償アルゴリズム4312は、空気回路4170内の圧力低下を推定し、出力として、患者インターフェース3000内の推定される圧力Pmを与える。
4.4.3.1.2 排出流量4314
[184]本発明の技術の一形態において、排出流量計算アルゴリズム4314は、入力と
して、患者インターフェース3000内の推定される圧力Pmを受け取り、患者インターフェース3000内の排出口3400からの空気の排出流量Qvを推定する。
4.4.3.1.3 漏れ流量4316
[185]本発明の技術の一形態において、漏れ流量アルゴリズム4316は、入力として
、全流量Qtおよび排出流量Qvを受け取り、出力として、漏れ流量Qlを、数サイクルの呼吸周期を含む十分な長さの期間、例えば、約10秒間についてQt−Qvの平均を計算することによって与える。
【0109】
[186]一形態において、漏れ流量アルゴリズム4316は、入力として、全流量Qt、
排出流量Qv、および患者インターフェース3000内の推定される圧力Pmを受け取り、出力として、漏れ流量Qlを、漏れ伝導度を計算し、漏れ流量Qlを漏れ伝導度および
圧力Pmの関数であると決定することによって与える。好ましくは、漏れ伝導度は、ローパスフィルター処理された非排出流量Qt−Qvとローパスフィルター処理された圧力Pmの平方根との商として計算され、ローパスフィルター時定数は、数呼吸周期、例えば、約10秒を含む十分な長さの値を有する。
4.4.3.1.4 呼吸流量4318
[187]本発明の技術の一形態において、呼吸流量アルゴリズム4318は、入力として
、全流量Qt、排出流量Qv、および漏れ流量Qlを受け取り、患者への空気の呼吸流量Qrを、排出流量Qvと漏れ流量Qlとを全流量Qtから差し引くことによって推定する。
4.4.3.2 治療エンジンモジュール4320
[188]本発明の技術の一形態において、治療エンジンモジュール4320は、入力とし
て、患者インターフェース3000内の圧力Pm、患者への空気の呼吸流量Qrのうちの1つまたは複数を受け取り、出力として、1つまたは複数の治療パラメータを与える。
【0110】
[189]本発明の技術の一形態において、治療パラメータは、治療圧力Ptである。
[190]本発明の技術の一形態において、治療パラメータは、圧力の支持レベルおよび目
標換気量のうちの1つまたは複数である。
4.4.3.2.1 期相(phase)決定4321
[191]本発明の技術の一形態において、期相決定アルゴリズム4321は、入力として
、呼吸流量Qrを示す信号を受け取り、出力として、患者1000の呼吸周期の期相を与える。
【0111】
[192]一形態において、期相出力は、吸息または呼息のいずれかの値を持つ離散変数で
ある。
[193]一形態において、期相出力は、吸息、中間吸気休止、および呼息のうちの1つの
値を持つ離散変数である。
【0112】
[194]一形態において、期相出力は、連続変数、例えば、0から1、または0から2P
iまで変化する。
[195]一形態において、期相出力は、呼吸流量Qrが正の閾値を超える正値を有すると
きに吸息の離散値を有するものと判定される。一形態において、期相は、呼吸流量Qrが負の閾値よりも負である負の値を有するときに呼息の離散値を有するものと判定される。4.4.3.2.2 波形決定4322
[196]本発明の技術の一形態において、制御モジュール4330は、治療用デバイス4
245を制御して、患者の呼吸サイクル全体を通してほぼ一定の陽性気道圧を達成する。
【0113】
[197]本発明の技術の一形態において、制御モジュール4330は、治療用デバイス4
245を制御して、圧力対期相の所定の波形に従って陽性気道圧を達成する。一形態において、波形は、期相のすべての値についてほぼ一定のレベルに維持される。一形態において、波形は方形波であり、期相のいくつかの値についてはより高い値、期相の他の値についてはより低いレベルを有する。
【0114】
[198]本発明の技術の一形態において、波形決定アルゴリズム4322は、入力として
、現在の患者換気量Ventを示す信号を受け取り、出力として、圧力対期相の波形を与える。
4.4.3.2.3 換気量決定4323
[199]本発明の技術の一形態において、換気量決定アルゴリズム4323は、入力とし
て、呼吸流量Qrを受け取り、患者換気量Ventを示す尺度を決定する。
【0115】
[200]一形態において、換気量決定アルゴリズム4323は、患者換気量Ventの現
在の値を、呼吸流量Qrのローパスフィルター処理された絶対値の半分として決定する。4.4.3.2.4 吸気流量制限判定4324
[201]本発明の技術の一形態において、プロセッサは、吸気流量制限の検出のために1
つまたは複数のアルゴリズムを実行する。
【0116】
[202]一形態において、アルゴリズム4324は、入力として、呼吸流量信号Qrを受
け取り、出力として、息の吸気部分が吸気流量制限を示す程度の計量を与える。
[203]本発明の技術の一形態において、それぞれの息の吸気部分は、ゼロ交差検出器に
よって識別される。時点を表す、多数の均等な間隔で並ぶ点(例えば、65個)は、それぞれの息に対する吸気流量−時間曲線に沿って補間器によって補間される。次いで、変化する呼吸数および深さの効果を取り除くために、これらの点で示される曲線を、単位長(持続時間/周期)と単位面積を持つようにスケーラーによってスケーリングする。次いで、スケーリングされた息を比較器で、
図6aに示されている息の吸気部分に似ている、通常の妨げられていない息を表す事前に格納されているテンプレートと比較する。試験要素によって判定されるような、咳、ため息、嚥下、しゃっくりによるものなどの、このテンプレートから吸気時の任意の時点における指定された閾値(典型的にはスケーリングされた1単位)より大きい値だけ逸脱する息が破棄される。非破棄データについては、第1のそのようなスケーリングされた点の移動平均が、穿孔するいくつかの吸気事象についてプロセッサ4230によって計算される。これは、第2のそのような点について同じ吸気事象にわたって繰り返され、これ以降同様に繰り返される。したがって、例えば、65個のスケーリングされたデータ点が、プロセッサ4230によって生成され、先行するいくつかの吸気事象、例えば、3つの事象の移動平均を表す。(例えば、65個の)点の連続的に更新される値の移動平均は、これ以降、「スケーリングされた流量」と称し、Qs(t)で表す。あるいは、移動平均の代わりに単一吸気事象を利用することもできる。
【0117】
[204]スケーリングされた流量から、部分的閉塞判定に関係する2つの形状因子が計算
され得る。
[205]形状因子1は、中間の(例えば、32個の)スケーリングされた流量点の平均と
総(例えば、65個の)スケーリングされた流量点の平均との比である。この比が1より超えている場合、息は正常であるとみなされる。この比が1以下である場合、息は妨げられているとみなされる。約1.17の比は、部分的に妨げられている息と妨げられていない息との間の閾値とみなされ、典型的な使用者における適切な酸素化の維持を可能にする妨げられる程度に等しい。
【0118】
[206]形状因子2は、中間の(例えば、32個の)点にわたって取った、単位スケーリ
ング流量からのRMS偏差として計算される。約0.2単位のRMS偏差は、正常とみなされる。ゼロのRMS偏差は、完全に流量制限された息であるとみなされる。RMS偏差がゼロに近ければ近いほど、息は、流量制限がよりきつくなされているとみなされる。
【0119】
[207]形状因子1および2は、代替的に、または組み合わせて使用され得る。本発明の
技術の別の形態では、サンプリングされる点、息、および中間の点の数は、上で説明されている数と異なることがある。さらに、閾値は、説明されているもの以外であり得る。
【0120】
[208]上記の方法は、例示的であり、吸気流量制限を判定する他の方法も使用され得る
ことは理解されるであろう。
4.4.3.2.5 無呼吸および呼吸低下判定4325
[209]本発明の技術の一形態において、プロセッサ4230は、無呼吸および/または
呼吸低下の存在を判定するために1つまたは複数のアルゴリズムを実行する。
【0121】
[210]好ましくは、1つまたは複数のアルゴリズムは、入力として、呼吸流量信号Qr
を受け取り、出力として、無呼吸または呼吸低下がそれぞれ検出されたことを示すフラグを与える。
【0122】
[211]一形態において、無呼吸は、呼吸流量Qrの関数が所定の期間の間に流量閾値を
下回るときに検出されたと言われる。この関数は、ピーク流量、比較的短期間の平均流量、または比較的短期間の平均流量とピーク流量との中間の流量、例えば、RMS流量を決定することができる。流量閾値は、比較的長期間の流量尺度であるものとしてよい。
【0123】
[212]一形態において、呼吸低下は、呼吸流量Qrの関数が所定の期間の間に第2の流
量閾値を下回るときに検出されたと言われる。この関数は、ピーク流量、比較的短期間の平均流量、または比較的短期間の平均流量とピーク流量との中間の流量、例えば、RMS流量を決定することができる。第2の流量閾値は、比較的長期間の流量尺度であるものとしてよい。第2の流量閾値は、無呼吸を検出するために使用される流量閾値より高い。
【0124】
[213]上記の方法は、例示的であり、無呼吸および/または呼吸低下の発生を判定する
他の方法も使用され得ることは理解されるであろう。
4.4.3.2.6 いびき判定4326
[214]本発明の技術の一形態において、プロセッサ4230は、いびきの検出のために
1つまたは複数のいびきアルゴリズムを実行する。
【0125】
[215]一形態において、いびきアルゴリズム4326は、入力として、呼吸流量信号Q
rを受け取り、出力として、存在しているいびきの程度の計量を与える。
[216]好ましくは、アルゴリズム4326は、30〜300Hzの範囲内の流量信号の
強度を判定するステップを含む。さらに好ましくは、アルゴリズム4326は、暗騒音、例えば、送風機からシステム内の空気流の音を低減するために呼吸流量信号Qrをフィルター処理するステップを含む。
【0126】
[217]上記の方法は、例示的であり、いびきを判定する他の方法も使用され得ることは
理解されるであろう。
4.4.3.2.7 気道開存性判定4327
[218]本発明の技術の一形態において、プロセッサ4230は、気道開存性判定のため
に1つまたは複数のアルゴリズムを実行する。
【0127】
[219]一形態において、気道開存性アルゴリズム4327は、入力として、呼吸流量信
号Qrを受け取り、約0.75Hzから約3Hzの周波数範囲内の信号のパワーを判定する。この周波数範囲内のピークの存在は、開放気道であることを示すと解釈される。ピークが存在しない場合、これは閉鎖気道であることを示していると解釈される。
【0128】
[220]一形態において、ピークを探す周波数範囲は、治療圧力Ptにおける小さな強制
振動の周波数である。一実装において、強制振動は、振幅が約1cmH
2Oである周波数2Hzのものである。
【0129】
[221]一形態において、気道開存性アルゴリズム4327は、入力として、呼吸流量信
号Qrを受け取り、心臓発生信号の有無を判定する。心臓発生信号が存在しない場合、これは閉鎖気道であることを示していると解釈される。
4.4.3.2.8 治療圧力判定4328
[222]本発明の技術の一形態において、プロセッサ4230は、目標治療圧力Ptの決
定のために1つまたは複数のアルゴリズム4328を実行する。
【0130】
[223]好ましくは、アルゴリズム4328は、入力として、以下の1つまたは複数を受
け取る。
i.呼吸期の尺度
ii.波形
iii.換気量の尺度
iv.吸気流量制限の尺度
v.無呼吸および/または呼吸低下の存在の尺度
vi.いびきの存在の尺度
vii.気道の開存性の尺度
[224]Pi=期(時間)、期相は離散または連続であり得る。
【0131】
[225]Phi=波形関数(Pi)、この波形は方形波、正弦波、または他の波形状を含
み得る。
[226]積分コントローラ振幅、A=G*Int(Vent−Vtgt)dt。P、PI
、PIDなどの他の形態のコントローラも使用され得る。
【0132】
[227]Pt(t)=A*Φ(Pi)+P0。
[228]P0=「DC」成分、これは定数であってよく、流量制限、無呼吸、呼吸低下、
開存性、およびいびきのうちの1つまたは複数の指数または尺度の関数であってよい。
【0133】
[229](注記:基本CPAPモードでは、Aはゼロであってよく、その場合、全体的圧
力方程式は簡約される)
[230]アルゴリズム4328は、治療圧力Ptを、流量制限、無呼吸、呼吸低下、開存
性、およびいびきのうちの1つまたは複数の指数または尺度の関数として決定する。一実装において、これらの尺度は、いくつかの前の息の集計ではなく、単一の息に基づいて決定される。
4.4.3.3 制御モジュール4330
[231]本発明の技術の一態様による制御モジュール4330は、入力として、目標治療
圧力Ptを受け取り、その圧力を送達するように治療用デバイス4245を制御する。
【0134】
[232]本発明の技術の一態様による制御モジュール4330は、入力として、EPAP
圧力およびIPAP圧力を受け取り、それらの各圧力を送達するように治療用デバイス4245を制御する。
4.4.3.4 故障状態検出4340
[233]本発明の技術の一形態において、プロセッサは、故障状態の検出のために1つま
たは複数の方法を実行する。好ましくは、1つまたは複数の方法によって検出される故障状態は、以下のうちの少なくとも1つを含む。
【0135】
・ 停電(電力が来ていない、または電力が不十分)
・ トランスデューサ故障検出
・ コンポーネントの存在を検出できない
・ 動作パラメータが水晶範囲外である(例えば、圧力、流量、温度、PaO
2)
・ 試験アラームが検出可能なアラーム信号を発生できない。
【0136】
[234]故障状態の検出後に、対応するアルゴリズムが、以下のうちの1つまたは複数に
よる故障の存在を信号で通知する。
・ 聴覚的、視覚的、および/または運動的(例えば、振動の)アラームの始動
・ メッセージを外部デバイスに送信する。
【0137】
・ 出来事をログに記録する。
4.4.3.5 治療用デバイス4245
[235]本発明の技術の好ましい一形態において、治療用デバイス4245は、制御モジ
ュール4330の制御の下で患者1000に治療を施す。
4.5 加湿器5000
4.5.1 加湿器
[236]適宜、本発明の技術の一形態において、水槽5110および加熱プレート512
0を備える加湿器5000が実現される。水槽は、水5140などの、液体の供給部を収容する構造を有する。ヒータープレートは、液体5140の供給部の少なくとも一部を加熱して水蒸気を発生させ、これを加湿器5000内を通過する空気流に取り込むように配置構成される。加湿器5000は、ヒータープレートの温度を監視するための温度センサー5130および適宜、温度、相対湿度、および/または絶対湿度センサーなどの追加のセンサー5160を備えることができる。
【0138】
[237]加熱空気送達導管4172は、適宜、加湿器5000と患者インターフェース3
000との間の空気送達導管内のレインアウト効果を低減するために使用され得る。加熱空気送達導管4172は、シングルリム回路またはダブルリム回路とすることができ、リムの一方または両方が加熱され得る。加熱コイル4174が加熱導管4174内に設けられ、これにより、空気流を、空気送達導管4172内を移動するときに加熱することができる。空気送達導管4172は、適宜、温度、流量、湿度、または圧力センサーなどの、1つまたは複数のセンサー4176も備えることができる。
【0139】
[238]加湿器は、
図5に示されているようにデバイス4000と患者インターフェース
3000との間に結合され得る。あるいは、加湿器5000は、デバイス4000(図示せず)の上流に取り付けられ得る。加湿器5000は、デバイス4000への分離可能なコンポーネントであってよく、空気送達導管4170を介して結合されるか、またはデバイス4000に直接接続するように配置構成され得る。代替的配置構成では、加湿器5000は、デバイス4000(図示せず)と一体化され得る。加湿器5000は、ガスを患者1000に送達する前に加湿するように構成される。
【0140】
[239]加湿器は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,975,68
7号で説明されているCounterStream(商標)システムなどの代替的加湿システムを使用することができる。
4.6 電力管理
4.6.1 電力使用および充電配置構成
[240]上で述べているように、デバイスまたは換気装置4000は、さまざまな異なる
電源に接続するように構成されている電源接続部を備え、これら電源は交流(AC)電源コード4432を使用するAC電力供給ユニット(PSU)4430を介したAC電源4434、1つまたは複数の外部電池4410、4420、および直流(DC)電源コード4462を使用するDC主電源4460である。システムは、一度に換気装置4000に結合されるこれらの異なる電源のうちの1つまたは複数を備えることができる。電源は、電源接続部を介してデバイス4000に直列に結合され得る。デバイス4000は、一般的に、常にAC PSU4430またはDC主電源4460にのみ接続され得る。換気装置またはデバイス400は、電源として使用され得る上で説明されているようなデバイス内に配置されている内部電池4450も備えることができる。使用時に、一般的に、電力をデバイス4000に供給するために、一度に、接続されている電源の1つを使用することができる。
【0141】
[241]いくつかの配置構成において、内部電池4450は、別の電源が換気装置に結合
され、主電源として使用されているとしても、デバイスによって換気治療を行うためにデバイス4000内に存在していなければならない。デバイス4000は、内部電池4450が存在していないと、オンにすることはできるが、治療を開始することができない場合
がある。内部電池4450がない場合にはアラームが鳴ってそのことを知らせることができる。内部電池4450が存在する必要があることで、主または外部電力供給装置が何らかの理由で、例えば、停電になったときに、遮断された場合に治療を確実に続けることができる。内部電池4450の存在は、デバイス4000のセーフティバックアップとなっている。
【0142】
[242]換気装置4000のコントローラは、通信信号による異なる電圧範囲の検出結果
に基づき異なる電源が接続されていることを検出することができる。異なる電源に対する電圧範囲は、重ならない。AC PSU4430は、第1の電圧範囲、例えば、1.3から1.8ボルトを供給することができ、DC主電力供給装置4460は、異なる第2の電圧範囲、例えば、0.05ボルトから1.2ボルトを供給することができ、外部電池は、第3の電圧範囲、例えば、2.2から3ボルトを供給することができる。これらの電圧範囲は、例示的な範囲にすぎず、他の電圧範囲も、重ならない限り使用できることは理解されるであろう。
【0143】
[243]デバイスは、優先順位付けされた様式で異なる電源からの電力を確実に使用でき
るようにする電力使用優先度方式を用いる。AC PSU4430は、最高電力優先度を有し、したがって、取り付けられた場合に主電源で常に使用される。したがって、AC PSU4430が、主AC電力供給装置とデバイス4000との間に結合された場合、AC PSU4430は、他のどのような形態の電源がデバイス4000に結合されようと、電力供給をデバイス4000に対して行う電力優先度を有する。
図4jに示されているように、1つまたは複数の外部電池および内部電池4450も直列に接続されている場合、AC PSU4430を通して供給される電力は、換気装置4000を動作させるための電力を供給する一方、必要に応じて1つまたは複数の外部電池4410、4420および/または内部電池4450を充電するためにも使用され得る。しかし、常に、換気装置4000の動作は、供給される電力の使用に関して優先し、電池の充電は、換気装置4000がより多くの電力を必要とするときには抑えられる。いくつかの配置構成では、AC
PSU4430は、換気装置によって必要とされる出力電力が閾値より低いときに電池を充電するために電力を供給することができる。閾値は、AC PSU4430が供給できる最大電力またはそれに近い電力、例えば90ワットであってよい。そこで、電池の充電を制御するために、動的電力管理システムが使用される。
【0144】
[244]充電方式に対する優先度があり得、それにより、AC主電源が充電に使用される
場合、内部電池4450は最高優先度を有し、好ましくは最初に充電される。内部電池4450が実質的に満充電になっているときに1つまたは複数の外部電池を充電することができる。1つまたは複数の外部電池の充電も順次に行うことができ、最も下流の外部電池4410、すなわち、換気装置4000に最も近い外部電池が充電され、その後、次の外部電池が直列の並びで充電される。このような一配置構成では、それぞれの外部電池が直列の並びに沿って充電されて、最後または最も上流の外部電池4420が最後に充電される。
【0145】
[245]
図4kは、AC PSU4430がデバイスまたは換気装置4000に結合され
ていないが、外部電池4410、4420を充電するために使用される配置構成を示している。この配置構成において、AC PSU4430は、主AC電力供給装置4434に接続され、1つまたは複数の外部電池を充電するが、図には2つの外部電池、すなわち、上流外部電池4420および下流外部電池4410を充電するように示されている。しかし、さらなる外部電池が、上流外部電池4420と下流外部電池4410との間に直列に接続され得る。この構成において、下流外部電池4410は、デバイスまたは換気装置4000には接続されない。本発明の技術によるいくつかの配置構成において、外部電池は、直列の並びに沿って連続して充電され、例えば、最も遠い下流外部電池4410、すなわち、接続されたときにデバイス4000に最も近くなる、またはAC PSU4430から最も遠くなる外部電池が最初に充電され、次いで、直列の次の外部電池が充電され得る。この充電方式は、直列の並びに沿って、直列の並びで接続されているすべての外部電池が充電されるまで続けられ、最後または最も上流の外部電池4420が最後に充電される。充電は、異なる順序で行うこともでき、例えば、上流外部電池4420が最初に充電され、下流外部電池4410が最後に充電されることも理解されるであろう。別の配置構成では、すべての外部電池は、同時に充電できる。
【0146】
[246]DC主電力供給装置4460が、内部電池が存在していようと、1つまたは複数
の外部電池が直列に接続されていようと関係なく、換気装置4000に結合されている場合(
図4mを参照)、DC主電力供給装置4460は、デバイス4000に電力供給を行う電力優先度を有する。このような一配置構成では、内部電池4450は、デバイス4000を充電し、動作させるために十分な電力が利用可能である場合にDC主電力供給装置4460によっても充電され得る。デバイス4000を動作させるための電力要件は、内部電池4450の充電に優先する。いくつかの配置構成では、1つまたは複数の外部電池4410、4420は、存在する場合に、利用可能なDC電力のレベルに関係なく、DC主電力供給装置4460によって充電され得ない。他の配置構成では、十分なDC電力が利用可能である場合に、外部電池4410、4420は、DC電力で充電され得る。1つまたは複数の外部電池4410、4420は、換気装置がDC主電力供給装置4460に接続されるときに換気装置に接続されている必要はないことは理解されるであろう。好ましくは、内部電池4450は、上で説明されているように電力バックアップのために換気装置4000がDC主電力供給装置4460によって給電されているときに換気装置内に存在している。
【0147】
[247]
図4lは、換気装置またはデバイス4000を動作させるために1つまたは複数
の外部電池が使用される配置構成を示している。外部電池は、DC電源コード4462などの電気ケーブルを使用して換気装置に接続されるものとしてよく、それぞれの外部電池は、DC電源コードなどの電気ケーブルを使用して隣接する外部電池に接続される。それぞれの外部電池は、隣接する外部電池の間に電気ケーブルを受け入れる構造を有する入力ポートおよび出力ポートを備えることができる。デバイス4000に最も近い外部電池(例えば、下流外部電池4410)は、電気ケーブル、例えば、DC電源コード4462を介して、デバイス4000の電源接続部に接続される。複数の外部電池が換気装置4000に直列に接続されている場合、外部電池の電力使用優先度を使用して、どの外部電池から電力を供給するかを決定する。使用中の換気装置に電源を供給するために使用されている外部電池は、電力供給外部電池とみなされ得る。
【0148】
[248]一配置構成では、直列の並びで換気装置4000から最も遠い位置にある外部電
池、例えば、
図4lに示されているような上流外部電池4420からの電力が換気装置4000を動作させるために最初に使用されるので、初期電力供給外部電池となる。上流外部電池4420からの電力が実質的に尽きた後、直列の並びの次の外部電池からの電力が使用され、換気装置4000を動作させるためにこの外部電池が電力供給外部電池、例えば、
図4lの下流外部電池4410となる。2つより多い外部電池が換気装置4000に直列に接続されている場合、それぞれの外部電池からの電力は最も遠い、または最も上流の外部電池から直列の並びに沿って直列の並びの最も近い、または最も下流の外部電池まで直列に使用される。すべての外部電池からのすべての電力が実質的に尽きた場合、内部電池4450の電力が、換気装置4000を動作させるために使用されることになる。このような一配置構成では、内部電池4450の電力は、特にAC主電力供給装置4434またはDC主電力供給装置4460に接続されたときに電力問題が生じた場合のために電力安全バックアップを行えるように最後に使用される。
【0149】
[249]代替的配置構成では、外部電池電力使用優先度では、換気装置4000に最も近
い位置に配置されている外部電池、すなわち、下流外部電池4410からの電力を最初に使用し、次いで、直列の並びの隣接する外部電池の電力を次に使用し、次いで、換気装置4000から最も遠い外部電池、すなわち、上流電池4420が最後に使用されるように直列の並びに沿って続く。
【0150】
[250]本発明の技術の好ましい一態様において、電力使用および充電は、内部電池44
50が最後に使用され、最初に充電されるように構成される。
4.6.2 通信
[251]本発明の技術の一態様において、デバイスまたは換気装置4000は、すべての
結合されている電池電源、すなわち、内部電池4450および/または1つまたは複数の外部電池4410、4420から利用可能な、全残存容量または充電状態の推定値を与えるように構成される。デバイス4000は、換気装置による現在の電力使用率に基づき残りの全動作時間の推定値として利用可能な全容量の推定値を与えることができる。
【0151】
[252]それぞれの外部電池は、換気装置4000のコントローラとの間で連鎖に沿って
通信信号または情報を中継するための入力ポートおよび出力ポートを有する。通信信号は、上流外部電池4410から下流外部電池4410に向かい換気装置4000に戻る直列の並びに沿って中継され、また換気装置4000から逆方向に直列の並びに沿って最も上流の外部電池4420に中継される。内部電池4450が存在する場合、通信信号は、内部電池4450も通って送られるか、あるいは、内部電池4450が換気装置のコントローラと独立して通信することができる。
【0152】
[253]現在使用中の、すなわち、デバイスを動作させるために使用されている電池は、
電池の現在の充電レベル(ミリアンペア(mA))および換気装置によって使用されている現在の使用率(mA/hr)の関数として使用するのに利用可能な残存動作時間(時)を決定するように構成される。他の外部電池および/または内部電池などの他の電池も、それぞれ、それ自体の残存容量を判定し、この情報を、システムに電力を現在供給している電池に送信することができる。現在の電力使用率を判定するのは、システムに現在電力を供給している電池である。時間および率は、時間の代わりに分もしくは秒、または時間、分、および秒の組み合わせなどの異なる時間単位で示すことができることは理解されるであろう。
【0153】
[254]例えば、
図41に示されているようにシステムが最も上流の外部電池4420か
ら動作しているときに、換気装置4000のコントローラ4230は、最も上流の電池4420に残存動作時間の要求を送信することができる。コントローラ4230は、電池容量情報の要求を、換気装置に結合されている最も下流の電池として内部電池4450に送信することができる。次いで、内部電池4450は、下流の外部電池4410、すなわち、換気装置4000に近い位置の接続されている外部電池に要求を送信することができる。次いで、下流外部電池4410は、電池容量情報の要求を隣接する外部電池に送信することができ、これは、直列の外部電池に沿って、電力を供給しているか、または電力を供給することができる最も上流の外部電池4420まで続く。上流外部電池4420は、この上流外部電池4420からの換気装置による現在の電力使用率に基づく残存容量(RC)情報および残存動作時間(RRT)情報を提供する。残存容量(RC)情報および残存動作時間(RRT)情報は、直列の並びに沿って下流外部電池4410に戻される。下流外部電池4410も、(
図41には図示しないが)上流外部電池4410と下流外部電池4410との間に直列の並びで接続されている他の外部電池がもし存在すれば、この外部電池に残存容量(RC)情報を要求し、全外部電池残存容量を提示する。一配置構成において、最も下流の外部電池4410は、次いで、その情報を内部電池4450に送信することができ、内部電池はまたそれ自体の残存容量に関する情報を提供する。内部電池4450は、全残存動作時間(TRRT)の推定値を決定するか、または、全残存動作時間(TRRT)の推定値を決定するようにRC情報をコントローラ4230に送信することができる。この配置構成において、外部電池4450またはコントローラ4230は、以下を使用して全残存動作時間(TRRT)を推定する。
【0156】
[256]直列中にn個の電池があり、電池nは、電力がAC主電源またはDC主電源によ
って供給されているときなどに、換気装置4000を動作させる電力を供給することができる最も上流の電池(例えば、
図4jから4mの上流外部電池4420)であるか、または、換気装置4000を動作させるための電力を供給するために使用されている電池である。TRRTは、直列の並びのn個の電池の全てに対する全残存動作時間であり、Bat(n)_RCは、利用可能な電力を有する最も上流の電池(例えば、
図4mの上流外部電池4420)の残存容量であり、Bat(n−1)_RCは、最も上流の電池に隣接する電池(例えば、
図4mの下流外部電池4410)の残存容量であり、Bat(1)_RCは、最も下流の電池(例えば、
図4mの内部電池4450)の残存容量であり、BatnRRTは、時(および/または分および/または秒)単位の電池nの残存動作時間である。最も下流の外部電池nと最も上流の外部電池との間に電池がある場合、計算は、追加の外部電池のそれぞれの残存容量も含むことは理解されるであろう。
【0157】
[257]上記の計算[1]における残存容量は、好ましくは、充電状態のパーセンテージ
ではなくmA/hr単位または他の何らかの絶対単位の実際の電池残存容量である。これは、充電状態のパーセンテージが、電池同士の間で、及び電池の寿命にわたって変化し、充電状態(SOC)のパーセンテージが使用されると誤差が入り込む可能性があるからである。例えば、1つの電池の100%のSOCは、%SOCが、充放電サイクルとともに低下するパックの最大の現在利用可能な容量に関しての相対的な値であるため、実際にはmAhrの異なる量であり得、例えば、400回充放電した後に、全容量は、新しいパックの容量の80%程度にすぎなくなる。
【0158】
[258]代替的配置構成では、内部電池4450および外部電池4410、4420は、
互いに直接的な通信を行わない。換気装置のコントローラは、直列の外部電池に対して外部電池残存容量および/または残存動作時間を要求する信号を下流外部電池4410に送信する。外部電池の全残存動作時間の決定は、内部電池4450の全残存動作時間の計算と独立して決定される。この配置構成において、下流外部電池4410は、上記の計算[1]を実行して、直列の並びの上流外部電池のすべてから受け取った残存容量情報に基づきすべての外部電池の全外部電池残存動作時間を決定することができる。あるいは、上流外部電池4420は、全外部電池残存動作時間の計算[1]を、直列の並びの下流外部電池のすべてから受け取った容量情報に基づき実行することができる。
【0159】
[259]上流外部電池nが実質的に放電して、直列の並びの下流にある次の外部電池n−
1から電力が供給されている場合、下流外部電池4410に送信される上流外部電池nか
らの充電に関する信号はない。この場合、直列の並びの次の外部電池n−1がn電池となり、したがって、電力を現在供給しているか、または電力を供給することができる、外部電池n、およびこの外部電池から下流の他の外部電池からの残りの充電のみが、全残存動作時間の計算で使用される。
【0160】
[260]換気装置のコントローラは、内部電池残存容量および/または残存動作時間に対
する独立した要求信号を内部電池4450に送信することができる。内部電池4450は、内部電池4450の残存容量を判定し、この情報をコントローラに送信するように構成され得る。
【0161】
[261]いくつかの配置構成において、換気装置4000のコントローラは、上で説明さ
れているように、すべての電池電源、すなわち、内部電池およびすべての外部電池から判定された全残存動作時間情報を受信するように構成され得る。
【0162】
[262]他の配置構成において、コントローラは、内部電池4450および直列の外部電
池4410、4420から残存容量情報を受け取り、上記の計算[1]を実行して全電池残存動作時間を判定するように構成され得る。換気装置のコントローラ4230は、換気装置のユーザーインターフェースまたはディスプレイ4294上にすべての電池電源の全残存動作時間推定値を時間および/または分および/または秒の単位で表示するように構成され得る。換気装置4000は、それぞれの個別の電池電源またはすべての外部電池および内部電池の全残存動作時間を時間および/または分および/または秒の単位でディスプレイ4292に表示するように構成され得る。
【0163】
[263]本発明の技術のさらなる態様において、換気装置のコントローラは、結合されて
いる電池から、外部電池および内部電池からまとめて、または、内部電池および外部電池のそれぞれから独立して、全残存容量の推定値を要求することができる。換気装置は、全電池電源、外部電池および/または内部電池の残存容量を、ミリアンペア/時(mA/hr)で、および/または電池電源が供給することができる電力の全レベルに基づき残存電力のパーセンテージとして、示すことができる。
【0164】
[264]本発明の技術の一態様の一形態において、電圧供給は、第1の電圧レールおよび
第2の電圧レールを主電圧レール、例えば、30Vレールから供給するように分割される。第1の電圧レールは、コア換気システムに対する電力を供給する、すなわち、デバイス4000を動作させるために必要な本質的なロジックを実行するように構成され得る。第2の電圧レールは、周辺回路用に電力を供給するように構成され得る。周辺回路は、LCDまたはタッチスクリーンなどのユーザーインターフェース、USBなどのデータ入出力デバイス、またはイーサネット(登録商標)もしくはリモートインターフェースを動作させるための電源を備えることができる。この配置構成において、周辺回路が故障またはシャットダウンしても、コア換気システムに影響を及ぼす可能性は低く、したがって、コア換気は動作し続けることができる。一例において、第1の電圧レールと第2の電圧レールは、5Vレールであってよい。あるいは、第1の電圧レールと第2の電圧レールは、異なる電圧供給レベルを与えることもできる。
4.6.3 電力効率
[265]本発明の技術のさらなる態様において、デバイスまたは換気装置4000は、主
送風機4104に結合されたエネルギー再生システムを備えることができる。この配置構成において、
図4nを参照すると、主送風機が減速したとき、例えば、吸息設定圧力から呼息設定圧力にサイクル動作するときに、送風機の慣性に蓄えられたエネルギーは、エネルギー貯蔵ユニット4510内に貯蔵され得ることがわかる。エネルギー貯蔵ユニット4510は、少なくとも1つのキャパシタ、キャパシタもしくはスーパーキャパシタのグループ、または電池を含み得る。エネルギー貯蔵ユニット4510は、入力電力供給装置4210と並列に位置決めされる。エネルギーはエネルギー貯蔵ユニット4510で再生または貯蔵され、エネルギー貯蔵ユニット内のエネルギーが設定点まで減少するまでそれぞれの呼吸周期で短時間の間デバイスまたはデバイス4000のコンポーネントを動作させるために使用される。例えば、短時間とは、約200から500ミリ秒(ms)、例えば、300msとすることができる。しかし、持続時間は、主送風機の慣性およびシステム動作電流から回収されるエネルギー、すなわち、エネルギー再生の時点におけるデバイスの設定に依存する。波線で示されているようなオプションのダイオード4520は、入力電力供給装置4210がエネルギー貯蔵ユニット4510からの電圧の偏移に耐えられるかどうかに応じてエネルギー貯蔵ユニット4510と入力電力供給装置4210との間に配置され得る。この配置構成において、エネルギー貯蔵ユニット4510は電力を主送風機に供給するためにのみ使用され、制御システム4230は、入力電力供給装置から給電される。
【0165】
[266]本発明の技術の一態様において、エネルギー貯蔵ユニット4510が、換気装置
4000を動作させるための電力を供給しているときに、レギュレータのスイッチは、入力電力供給装置4210からの電力をオフに切り替える。デバイスがエネルギー貯蔵ユニットから動作させられているときに入力電力供給装置をオフに切り替えると、システムの電力効率が増大する。
【0166】
[267]
図4oに示されているように、電圧ブーストレギュレータ4530は、入力電力
供給装置から給電され、これは外部入力供給装置4540および/または内部電池4450を備えることができる。スイッチは、電力が外部入力供給装置4540または内部電池4450から供給されるかどうかを制御する。外部入力供給装置4540は、AC主電力供給装置4434、DC主電力供給装置4460、または外部電池4420、4410のうちのどれか1つを含み得る。この切り替えの制御は、充電器内部回路によって実行され、外部入力供給装置が約10.5Vなどの第1の所定の電圧より低い電圧に低下したときに、システムは内部電池4450に切り替わり、外部入力供給装置4540が回復し、電圧が第1の所定の電圧より高くなるか、または約11Vなどの第2の所定の電圧に達したときに、システムは外部供給装置入力4540に切り替わって戻る。
【0167】
[268]モーターの減速時に、モーター駆動装置4105は、ソフトウェア制御を使用し
て主送風機4104を駆動し続け、モーターの整流を維持するが、ただし駆動レベルは低く、例えば、10%の駆動である。主送風機4104が減速すると、主送風機の角運動量および慣性に蓄えられたエネルギーは、送風機およびモーター制御FET内で少量の熱に転換され、エネルギー貯蔵ユニット4510、例えば、2×2700μFのモーター用キャパシタ内に貯蔵される。その結果、モーター用キャパシタの電圧は、第1の所定の電圧限度、例えば、30Vから、最高電圧、例えば、45Vまで上昇する。電圧ブーストレギュレータの出力が、第2の所定の電圧限度、例えば、31Vを超えると、電圧ブーストレギュレータ4530の過電圧保護回路が作動し、電圧ブーストレギュレータ4530をオフにし、入力電力供給装置4540、4450をオフにする。次いで、システムは、エネルギー貯蔵ユニット4510、例えば、モーター用キャパシタに貯蔵されているエネルギーから動作し、電圧が第1の所定の電圧限度より低い電圧に低下し、電圧ブーストレギュレータ4530が再始動されるまで続けられる。
【0168】
[269]有利には、送風機の慣性から回収されるエネルギーは、瞬時に熱に変換されるこ
とはなく、したがって、放熱は少なくて済む。それに加えて、回収されるエネルギーは、電圧ブーストレギュレータ内の損失が、システムがエネルギー貯蔵ユニットから動作している間中、オフにされていることを意味する。したがって、高駆動のときに電圧ブーストレギュレータからの発熱は低くなる。そのため、本発明の技術のいくつかの態様において、主送風機の減速時に発生する熱は、エネルギー貯蔵ユニット4510にエネルギーが貯蔵されることで減少させることができる。
【0169】
[270]減速時に主送風機のエネルギーを回収し、電力入力供給装置4210をオフにす
ることで得られる電力効率の増大により、本発明の電源として使用されている内部電池4450およびもし存在すれば外部電池4410、4420の効率が高まる。
4.7 アラームシステム
[271]デバイスまたは換気装置4000は、注意を必要とする何らかの状態を警告する
ために視覚的および/または聴覚的信号を発するアラームシステムを備えることができる。換気装置4000は、ブザー4296などのまたは複数の聴覚的アラームおよび/またはLED4298などの1つまたは複数の視覚的アラームの形態の出力デバイス4290を備え、これにより、アラーム状態に関する警告指示を行うことができる。複数のブザー4296が存在する場合、それぞれのブザーが4296は、異なる警告音または異なる音量を発生し、異なる種類のアラーム状態を指示するために使用され得る。複数のLED4298が存在する場合、それぞれのLED4298は、異なる種類のアラーム状態を指示するために異なる色または異なる輝度レベルを有することができる。
【0170】
[272]アラーム状態は、デバイスまたは治療に影響を及ぼすさまざまな異なる状態を含
むものとしてよく、電力供給装置の問題(例えば、内部電池の未装着、外部電力供給装置の喪失、電池容量の低下、電池故障など)、圧力供給装置の問題(例えば、高い圧力、高い呼気圧、低いPEEP、高いPEEP、低い最大吸気圧など)、換気パラメータの問題(例えば、吸息または呼息時の低い、または高い1回換気量、吸息または呼息における低い、または高い分時換気量、低い、または高い呼吸数、無呼吸の発生など)、酸素測定の問題(例えば、低い、または高いSpO
2レベル、低い、または高い脈拍数など)、酸素供給の問題(酸素センサーが接続され、低い、または高いFiO
2を監視し得るときのみ提示される)、呼吸回路の問題(例えば、高い漏れ、不正確な回路、圧力管路の切断など)、および送風機、センサー、電池の連通、ソフトウェア、動作状態などの不具合を含むシステムの故障を含み得る。
【0171】
[273]視覚的アラームは、換気装置4000のアラームバー4026の点灯または点滅
および/または換気装置4000の聴覚的アラームの発音を含み得る。アラームメッセージがユーザーインターフェース上に表示され得る。高、中、および低アラームなどのアラームの優先度があり得、アラーム警告は、異なる優先度アラームについて異なっていてもよい。例えば、高優先度アラームは、アラームバー4026上で赤色点滅光を示し、第1の所定の周波数で聴覚的アラームの第1の所定の回数のビープ音を鳴らすことができる。中優先度アラームは、アラームバー4026上で黄色点滅光を示し、第2の所定の周波数で聴覚的アラームの第2の所定の回数のビープ音を鳴らすことができる。低優先度アラームは、アラームバー4026上で非点滅光を示し、第3の所定の周波数で聴覚的アラームの第3の所定の回数のビープ音を鳴らすことができる。第1の所定の回数のビープ音は、第2の所定の回数のビープ音より高く、第2の所定の回数のビープ音は、第3の所定の回数のビープ音より高いものとしてよい。また、第1の所定の周波数は、第2の所定の周波数より短く第2の所定の周波数は、第3の所定の周波数より短いものとしてよい。しかし、他のアラーム優先度配置構成も使用できることは理解されるであろう。
[274]聴覚的アラームの音量は、デバイス上のユーザーインターフェースを介して利用可
能な制御設定を使用して調節され得る。聴覚的アラームは、ユーザーインターフェース上の消音ボタンを押すことによって、1、2、3、4、または5分などの、所定の時間の間、一時的に消音にすることができる。消音された所定の時間が経過した後もアラーム状態がまだ存在している場合、聴覚的アラームが再度鳴る。
【0172】
[275]低優先度および命にかかわる状態に関係しないアラームなどのある種のアラーム
は、使用者側で手動によりリセットすることができ、これにより視覚的および/または聴
覚的アラームをオフにすることができる。その一方で他のアラームは、アラーム状態が是正されない限りリセットできない。そのような重要アラームは、アラーム状態の是正後に換気装置によって自動的にリセットされるか、またはアラームを引き起こした状態の是正後にのみリセットされ有効化され得る。
【0173】
[276]一態様では、システムは、アラームを換気装置4000とは別の場所に、例えば
、別の部屋に配置できるようにリモートアラーム4660を取り付けるように構成され得る。リモートアラーム4660は、アラーム事象を介護人に警告するように構成される。リモートアラームは、電池から電力を供給され、ケーブルを介してデバイス4000に接続され得る。適宜、第2のリモートアラームを第1のリモートアラームに接続することができ、これによりリモートアラームを2つの別々の場所に置くことができるようにする。
【0174】
[277]一態様では、システムは、使用者がリモートコントロール4650上に配置され
ているボタンを押すことによってアラームを看護師または介護人を呼び出すアラームとして作動させることを可能にするリモートコントロール4650を取り付けるように構成され得る。リモートコントロールは、ケーブルを介してデバイス4000に結合することができる。
【0175】
[278]本発明の技術の一態様において、アラームシステムは、ハードウェアアラームコ
ントローラ(HAC)4610を備える。HAC4610は、アラームブザー4292および/またはLED4294を駆動して、所定のアラームパターンを上で説明されているような異なるアラーム優先度で送出することができる。
図4pは、HAC制御システムの概略を示している。HACは、メインボードプロセッサ4620および空気圧ブロックプロセッサ4630を監視する。メインボードプロセッサおよび空気圧ブロックプロセッサ4630は、
図4pでは2つの異なるブロックとして示されているけれども、これらは単一のPCBまたは別のPCB上に存在し得ることは理解されるであろう。空気圧ブロックプロセッサ4630およびメインボードプロセッサ4620は、互いに通信して、デバイスおよび治療の正しい実行を可能にすることができる。
【0176】
[279]空気圧ブロックプロセッサ4630は、圧力、電流、または温度誤差、およびソ
フトウェアエラーなどの、換気装置送達システム内のハードウェアエラーの発生を監視する空気圧ブロック安全回路4632も備えることができる。
【0177】
[280]アラームウォッチドッグシステムは、メインボードプロセッサ4620および空
気圧ブロックプロセッサ4630を監視し、定期的信号(2)、(5)、4622、4634をHACに送信して、メインボードプロセッサ4620および空気圧ブロックプロセッサ4630が正常に機能していることを知らせる。空気圧ブロック安全回路4632は、空気圧ブロックウォッチドッグ信号4634を生成することができる。HAC4610が、定時にウォッチドッグ信号4622、4634のいずれかを受信しない場合、HACはアラームを発生し、安全アサート状態信号(6)を空気圧ブロックプロセッサ4630に送信する。安全アサート状態信号(6)は、システムを安全な状態に置く。安全な状態は、主送風機4104およびPEEP送風機4124をオフにするステップ、酸素弁駆動部4640をもし存在すればオフにするステップ、PEEP電磁弁4136を非アクティブ化するステップ、逆止め弁4114および安全弁4085(
図4fを参照)をアクティブ化(通電)するステップを含み得る。
【0178】
[281]HAC4610は、信号4670、例えば、VCORE_Good信号を介して
、換気装置4000に対する電力供給装置も監視することができ、換気装置4000の動作中に停電になった場合にアラームを発生する。
【0179】
[282]HACは、コア換気システムを動作させるように構成されている上で説明されて
いるような第1の電圧レールから動作する充電器から電力を供給されるHACスーパーキャパシタ(図示せず)に結合され得る。したがって、HACおよびHACスーパーキャパシタは、コア換気システムの一部と考えられる、すなわち、デバイス4000を動作させるために必要な本質的なロジックである。HACスーパーキャパシタは、システムが給電中である間、完全充電状態に継続的に維持され得る。HACスーパーキャパシタは、停電が生じた場合アラーム4290の1つまたは複数に電力を供給して、全面停電アラームを発生させるように構成される。好ましくは、全面停電アラームは、聴覚的アラームであり、HACスーパーキャパシタは、ブザー4292の1つまたは複数に電力を供給するように構成される。適宜、視覚的アラームはHACスーパーキャパシタの電力によってアクティブ化され得ず、聴覚的アラームに対する全面停電時に動作時間を延長する。
【0180】
[283]HAC4610は、メインボードプロセッサ4620ソフトウェアがそれぞれの
種類のアラーム状態に合わせて設計されている定義済みアラームアルゴリズムに基づきアラームのアクティブ化および非アクティブ化を行う役割を有しているので、メインボードプロセッサ4620と双方向通信することができる。メインボードプロセッサ4620は、次いで、HAC4610に、ブザー4292および/またはLED4294をアクティブ化するように信号を送信することができる。それぞれのアラームアルゴリズムは、アラーム状態をアクティブ化するために合致する閾値またはパラメータなどの入力設定を含む。アラームアクティブ化パラメータは、空気圧ブロックプロセッサ4630またはメインボードプロセッサ4620から導出することができる。いくつかの配置構成では、換気装置4000は、アラームの種類および優先度レベルに応じてオーディオ一時停止ボタン4610を押すことによっていくつかのアラームを消音することを可能にし得るオーディオ一時停止ボタン4610を備えることができる。オーディオ一時停止ボタン4610が押されると、出力デバイス4290、すなわち、ブザー4292および/またはLED4294をオフにする信号が、HAC4610に送信される。また、一時停止されたアラームを通知し、一時停止されたアラームに対するタイマーを起動する信号もメインボードプロセッサ4620に送信される。アラームは、所定の時間が経過した後に再起動され、アラーム状態は解消されていない。オーディオ一時停止LEDが存在し、アラームが一時停止されたときにアクティブ化され得る。
【0181】
[284]リモートアラーム4650は、メインボードプロセッサ4620と通信して、ア
ラーム、すなわち、介護人アラームのアクティブ化を信号で通知する。メインボードプロセッサ4620は、次いで、アラーム警告を発するために必要に応じて、HAC4610に、ブザー4292および/またはLED4294をアクティブ化するように信号を送信することができる。
リモートアラーム4610は、HAC4660によって引き起こされるアラームがリモートアラーム4660に送信されるようにHAC4610に接続される。
4.8 用語
[285]本発明の技術を開示することを目的として、本発明技術のいくつかの形態におい
て、以下の定義のうちの1つまたは複数が適用され得る。本発明の技術の別の形態では、代替的定義が適用可能である。
4.8.1 概要
[286]空気:本発明の技術のいくつかの形態では、患者に供給される空気は、大気であ
るものとしてよく、本発明の技術の他の形態では、大気に、酸素を補うことができる。
【0182】
[287]持続的気道陽圧法(CPAP):CPAP治療は、大気に関して連続的に陽であ
り、好ましくは患者の呼吸サイクルを通してほぼ一定である圧力で空気または呼吸可能ガスを気道の入口に供給することを意味すると解釈される。いくつかの形態では、気道の入口の圧力は、例えば吸息時に高く、呼息時に低い単一の呼吸サイクル内で水数センチメー
トルだけ変化する。いくつかの形態では、気道の入口の圧力は、呼息時にわずかに高く、吸息時にわずかに低い。いくつかの形態では、圧力は、患者の異なる呼吸サイクルの間で変化し、例えば、部分的上気道閉塞の指示の検出に応答して増大し、部分的上気道閉塞の指示がない場合に減少する。
4.8.2 デバイスの態様
[288]空気回路:使用時にデバイスと患者インターフェースとの間で空気または呼吸可
能ガスの供給を行うように製作され配置構成された導管またはチューブ。特に、空気回路は、空気圧ブロックの吐出口および患者インターフェースと流体的に接続し得る。空気回路は、空気送達チューブとも称され得る。いくつかの場合において、吸息および呼息用に回路の別々のリムがあってよい。他の場合には、シングルリムが使用される。
【0183】
[289]送風機または流動発生装置:周囲圧力より高い圧力で空気の流れを送達するデバ
イス。
[290]コントローラ:入力に基づき出力を調節するデバイス、またはデバイスの一部。
例えば、コントローラの一形態は、デバイスへの入力を構成する制御下にある変数−制御変数−を有する。デバイスの出力は、制御変数の現在値、および変数に対する設定点の関数である。サーボ換気装置は、入力として換気量、設定点として目標換気量、および出力として圧力支持レベルを有するコントローラを備えることができる。入力の他の形態は、酸素飽和(SaO
2)、二酸化炭素の分圧(PCO
2)、移動、光電式指尖容積脈波信号、およびピーク流量のうちの1つまたは複数とすることができる。コントローラの設定点は、固定、可変、または学習のうちの1つまたは複数であるものとしてよい。例えば、換気装置内の設定点は、患者の測定された換気量の長期平均であってよい。別の換気装置は、時間とともに変化する換気量設定点を有することができる。圧力コントローラは、送風機またはポンプを制御して空気を特定の圧力で送達するように構成され得る。
【0184】
[291]治療:本発明の文脈における治療は、陽圧治療、酸素治療、二酸化炭素治療、死
腔の制御、および薬物の投与のうちの1つまたは複数とすることができる。
[292]モーター:電気的エネルギーを部材の回転運動に変換するためのデバイス。本発
明の文脈において、回転部材は、インペラーであり、これは固定軸の周りの適所で回転し、圧力増大を回転軸に沿って移動する空気に伝える。
【0185】
[293]陽性気道圧(PAP)デバイス:気道に陽圧の空気を供給するためのデバイス。
[294]トランスデューサ:エネルギーまたは信号の一形態を別の形態に変換するための
デバイス。トランスデューサは、機械的エネルギー(移動など)を電気信号に変換するためのセンサーまたは検出器であってよい。トランスデューサの例として、圧力センサー、流量センサー、二酸化炭素(CO
2)センサー、酸素(O
2)センサー、努力センサー(effort sensors)、移動センサー、ノイズセンサー、プレチスモグラフ、およびカメラが挙げられる。
【0186】
[295]渦巻室:インペラーによるポンプ動作で送られる空気を受け入れ、空気の流れの
速度を遅くし、圧力を高める、遠心力ポンプのケーシング。渦巻室の断面は、放出ポートに向かうにつれ面積が増える。
4.8.3 呼吸サイクルの態様
[296]無呼吸:好ましくは、無呼吸は、流れが一定の持続時間、例えば、10秒間、所
定の閾値を下回るときに生じたと言われる。閉塞性無呼吸は、患者の努力にも関わらず、何らかの気道閉塞により空気の流れが許されないときに生じたと言われる。中枢性無呼吸は、呼吸努力が低下する、または呼吸努力がなくなることによる無呼吸が検出されたときに生じたと言われる。
【0187】
[297]呼吸数:通常は1分当たりの呼吸回数で測定される、患者の自発呼吸数。
[298]デューティサイクル:吸息時間Tiと全呼吸時間Ttotとの比。
[299]努力(呼吸):好ましくは、呼吸努力は、自発呼吸する人が呼吸を試みることに
よってなされる仕事であると言われる。
【0188】
[300]呼吸周期の呼息部分:呼気流の開始から吸気流の開始までの期間。
[301]流量制限:好ましくは、流量制限は、患者による努力の増大が流量の対応する増
大を引き起こさない患者の呼吸における状況であると解釈される。流量制限が、呼吸周期の吸息部分で生じる場合、吸息流量制限と称することができる。流量制限が、呼吸周期の呼息部分で生じる場合、呼息流量制限と称することができる。
【0189】
[302]流量制限吸息波形の種類:
(i)平坦:上昇の後に比較的平坦な部分が続き、その後降下する。
(ii)M形:2つの局所的ピークを有し、1つは前縁部、もう1つは後縁部にあり、比較的平坦な部分が2つのピークの間にある。
(iii)イス形:単一の局所的ピークを有し、ピークは前縁部にあり、その後比較的平坦な部分が続く。
(iv)逆イス形:比較的平坦な部分とその後に続く単一の局所的ピークを有し、ピークは後縁部にある。
【0190】
[303]呼吸低下:好ましくは、呼吸低下は流量の減少と解釈されるが、ただし流動停止
ではない。一形態において、呼吸低下は、一定持続時間において流量が閾値以下に低下したときに生じたと言われる。一形態において、成人では、以下のうちのいずれかが呼吸低下とみなされ得る。
(i)少なくとも10秒間に患者呼吸の30%低下とそれに加えて関連する4%の脱飽和、または
(ii)少なくとも10秒間に患者呼吸の(ただし50%未満)低下、関連する少なくとも3%の脱飽和、または喚起。
【0191】
[304]呼吸周期の吸息部分:好ましくは、吸気流の開始から呼気流の開始までの期間は
、呼吸周期の吸息部分と解釈される。
[305]開存性(気道):気道が開いている程度、または気道が開く範囲。開放気道は開
いている。気道開存性は、例えば、値1で開、値0で閉となるように定量化され得る。
【0192】
[306]呼気終末陽圧(PEEP):呼息の終わりに存在する肺の中の大気より高い圧力
。
[307]ピーク流量(Qpeak):呼吸流量波形の吸息部分における流量の最大値。
【0193】
[308]呼吸流量、空気流、患者空気流、呼吸気流量(Qr):これらの同義語は、通常
1分当たりのリットル数として表される、患者が経験する実際の呼吸流量である、「真の呼吸流量」または「真の呼吸気流量」とは反対の、呼吸気流量のデバイスの推定値を指すものと理解され得る。
【0194】
[309]1回換気量(Vt):余分な努力がなされないときに、正常な呼吸において吸入
または吐出される空気の量。
[310](吸息)時間(Ti):呼吸流量波形の吸息部分の持続時間。
【0195】
[311](呼息)時間(Te):呼吸流量波形の呼息部分の持続時間。
[312]全時間(Ttot):1つの呼吸流量波形の吸息部分の開始と続く呼吸流量波形の
吸息部分の開始との間の全持続時間。
【0196】
[313]典型的な最近の換気:いくつかの所定のタイムスケールにわたる最近の値がクラ
スタになる傾向を有する換気量の値、つまり、換気量の最近の値の中心傾向の尺度。
[314]上気道閉塞(UAO):部分上気道閉塞と全上気道閉塞の両方を含む。これは、
流量制限の状態に関連するものとしてよく、流量レベルがわずかにしか増大しないか、または上気道にかかる圧力差が増大するときに減少することすらあり得る(スターリングレジスタの挙動)。
【0197】
[315]換気量(Vent):単位時間当たりの、吸気流と呼気流の両方を含む、患者の
呼吸器系によって交換されるガスの総量の尺度。1分当たりの体積として表される場合、この量は、「分時換気量」と称されることが多い。分時換気量は、ときには、単純に体積として与えられ、1分当たりの体積と理解される。
4.8.4 デバイスパラメータ
[316]流量:単位時間当たりの送達される空気の瞬間体積(または質量)。流量および
換気量は、単位時間当たりの体積または質量と同じ次元を有するが、流量は、かなり短い期間にわたって測定される。流量は、患者の呼吸周期の吸息部分については公称的に正であり、したがって、患者の呼吸周期の呼息部分については負である。いくつかの場合において、流量への参照は、スカラー量、つまり、大きさのみを持つ量への参照となる。他の場合には、流量への参照は、ベクトル量、つまり、大きさと方向の両方を持つ量への参照となる。流量には、記号Qが与えられる。全流量Qtは、デバイスを出る空気の流量である。排出流量Qvは、吐出されたガスの洗い流しを可能にする排出口を出る空気の流量である。
漏れ流量Qlは、患者インターフェースシステムからの意図しない漏れの流量である。呼吸流量Qrは、患者の呼吸器系内に受け入れられる空気の流量である。
【0198】
[317]漏れ:好ましくは、漏れという語は、周囲への空気の流れであると解釈される。
漏れは意図的なものであってよく、例えば、吐出されたCO
2の洗い流しを可能にする。漏れは、意図的でない場合があり、例えば、マスクと患者の顔との間の封止が不完全である結果生じ得る。
【0199】
[318]圧力:単位面積当たりの力。圧力は、cmH
2O、g−f/cm
2、ヘクトパス
カルを含む、さまざまな単位で測定され得る。1cmH
2Oは、1g−f/cm
2に等しく、約0.98ヘクトパスカルである。本明細書では、断りのない限り、圧力は、cmH
2Oの単位で与えられる。OSAの鼻CPAP治療では、治療圧力への参照は、約4〜20cmH
2O、または約4〜30cmH
2Oの範囲内の圧力への参照である。患者インターフェース内の圧力は、記号Pmで与えられる。
【0200】
[319]音響パワー:音波が伝える単位時間当たりのエネルギー。音響パワーは、音圧の
平方に波面の面積を掛けた値に比例する。音響パワーは、通常、デシベルSWL、すなわち、基準パワーに関するデシベルで与えられ、これは通常は10
−12ワットとしてみなされる。
【0201】
[320]音圧:音波が媒質中を進行する結果として生じる、与えられた時点における周囲
圧力からの局所的偏差。音響パワーは、通常、デシベルSPL、すなわち、基準パワーに関するデシベルで与えられ、これは通常は20×10
−6パスカル(Pa)としてみなされ、これは人間の聴力の閾値と考えられる。
4.8.5 換気装置に対する用語
[321]適応型サーボ換気装置:固定された目標換気量ではなく、変更可能な換気量を有
する換気装置。変更可能な目標換気量は、患者の何らかの特性、例えば、患者の呼吸特性から学習することができる。
【0202】
[322]バックアップ率:もし他の何らかの方法でトリガーされない場合に換気装置が患
者に送達する最小呼吸数(典型的には1分当たりの呼吸回数の)を確立する換気装置のパラメータ。
【0203】
[323]サイクル動作:換気装置の吸息相の終了は、呼息の開始を示す呼気トリガーとも
称され得る。換気装置が自発呼吸患者に息を吹き込むときに、呼吸周期の吸息部分の終わりに、換気装置は、サイクル動作して息の吹き込みを停止すると言われる。
【0204】
[324]EPAP(またはEEP):呼気気道陽圧(EPAP)は、呼息時に患者に送達
される圧力または基本圧力であり、これに息の中で変化する圧力が加えられ、呼息時に換気装置が達成しようとする所望のマスク圧力を発生する。
【0205】
[325]IPAP:呼吸の吸息部分において換気装置が達成しようとする望ましいマスク
圧力。
[326]圧力支持:換気装置呼息時を超える換気装置吸息時の圧力の増大を示す数であり
、一般に、吸息時の最大値と呼息時の最小値との圧力の差(例えば、PS=IPAP−EPAP)を意味する。文脈によっては、圧力支持は、換気装置が実際に達成するものではなく、換気装置が達成することを目指す差を意味する。
【0206】
[327]サーボ換気装置:患者換気量を測定し、目標換気量を有し、患者換気量を目標換
気量に向かわせるように圧力支持のレベルを調節する換気装置。
[328]自発/時限(S/T)−自発呼吸患者の呼吸の開始を検出することを試みる換気
装置または他のデバイスのモード。ただし、デバイスが所定の期間内に呼吸を検出できない場合、デバイスは、息の吹き込みを自動的に開始する。
【0207】
[329]スイング:圧力支持の等価語。
[330]トリガーされる:換気装置が自発呼吸患者に空気を1息分吹き込むときに、これ
は患者の努力による呼吸周期の吸息部分の開始時にそうするようにトリガーされると言われる。
【0208】
[331]換気装置:呼吸の仕事の一部または全部を実行するために患者に圧力支持を行う
機械的デバイス。
4.8.6 呼吸器系の解剖学的構造
[332]横隔膜:胸郭の底部に広がる筋層。横隔膜は、心臓、肺、および肋骨を含む胸腔
を腹腔から分離する。横隔膜が収縮すると、胸腔の容積が増大し、空気が肺の中に引き込まれる。
【0209】
[333]喉頭:喉頭、すなわち発生器は、真声帯を収納し、咽頭(下咽頭)の下部を気管
に連結する。
[334]肺:人間の呼吸器。肺の伝導帯は、気管、気管支、細気管支、および終末細気管
支を含む。呼吸域は、呼吸細気管支、肺胞管、および肺胞を含む。
【0210】
[335]鼻腔:鼻腔(または鼻窩)は、顔の中央にある鼻の上および後ろの空気で満たさ
れた広い空間である。鼻腔は、鼻中隔と呼ばれる垂直のフィンによって2つに分けられる。鼻腔の側部に、鼻甲介(nasal conchae、単数形は「concha」)または鼻甲骨と呼ばれる3つの水平伸出物がある。鼻腔の前に鼻があり、背後部は後鼻孔を介して鼻咽頭に入って一体になる。
【0211】
[336]咽頭:鼻腔の直下(下)に位置し、食道および喉頭の上にある喉の一部。咽頭は
、慣習的に、鼻咽頭(上咽頭)(咽頭の鼻部)、咽頭口腔部(中咽頭)(咽頭の口部)、咽喉頭(
下咽頭)の3つのセクションに分けられる。
4.8.7 患者インターフェースの態様
[337]窒息防止弁(AAV):フェールセーフ方式で大気中に開放することによって患
者による過剰なCO
2再呼吸を低減するマスクシステムのコンポーネントまたはサブアセンブリ。
【0212】
[338]ヘッドギア:ヘッドギアは、頭部に使用するように設計されている位置決めおよ
び安定化構造物の一形態を意味すると解釈される。好ましくは、ヘッドギアは、呼吸治療を行うため患者の顔の適所に患者インターフェースを配置し保持するように構成された1つまたは複数の突っ張り部、締結部、および補強材の集合体を備える。いくつかの締結部は、発泡体および布の積層複合材などの軟質の、柔軟性、弾性を有する材料から形成される。
【0213】
[339]プレナムチャンバー:マスクプレナムチャンバーは、空間の容積部を囲む壁を有
する患者インターフェースの一部を意味すると解釈され、容積部は使用時に大気圧以上に加圧された空気を有する。外殻は、マスクプレナムチャンバーの壁の一部を形成し得る。一形態において、患者の顔の一領域がプレナムチャンバーの壁の1つを形成する。
【0214】
[340]シール:名詞形(「シール」)は、2つの表面の接触を通じて空気の流れに意図
的に抵抗する構造物または障壁を意味すると解釈される。動詞形(「封止する」)は、空気の流れに抵抗することを意味すると解釈される。
【0215】
[341]スイベル:(名詞)共通軸の周りで、好ましくは独立して、好ましくは低トルク
の下で回転するように構成されたコンポーネントのサブアセンブリ。一形態において、スイベルは、少なくとも360度の角度まで回転するように製作され得る。別の形態では、スイベルは、360度未満の角度まで回転するように製作され得る。空気送達導管の文脈で使用される場合、コンポーネントのサブアセンブリは、好ましくは、一致する一対の円筒形導管を備える。好ましくは、使用時にスイベルから漏れる空気の流れがほとんどないか、または全くない。
【0216】
[342]排出口:(名詞)マスクの下部から、または導管から周囲空気への空気の意図的
な制御された割合の漏れを許容する構造物であり、吐出された二酸化炭素(CO
2)および酸素供給(O
2)の洗い流しを可能にする。
4.9 他の備考
[343]本特許明細書の開示の一部は、著作権保護の対象となる資料を含む。著作権所有
者は、特許商標庁特許ファイルまたは記録に記載されているとおりであれば誰が行おうと特許文書または特許開示の複製に対し異存はないが、そうでない場合には何であれすべての著作権を留保する。
【0217】
[344]文脈上他の意味を示す場合を除き、値の範囲が与えられた場合、その範囲および
その規定されている範囲内の他の規定されている、または間に入る値の上限と下限との間の、下限の1/10までの、それぞれの間に入る値は、本発明に包含されることは理解される。これらの間に入る範囲の上限および下限は、間に入る範囲に独立して含まれることもあり得るが、規定されている範囲内の特に除外されている限界を条件として、本発明の技術の範囲内にも含まれる。規定されている範囲が、これらの限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外する範囲も、本発明の技術に含まれる。
【0218】
[345]さらに、1つまたは複数の値が技術の一部として実装されていると本明細書にお
いて記載されている場合、そのような値は、断りのない限り、近似的であり、そのような
値は、実用的な技術的実装がそれを許すか、または必要とする範囲で適当な有効桁まで使用され得ることは理解される。
【0219】
[346]断りのない限り、本明細書で使用されるすべての技術および科学用語は、この技
術が属している技術分野の当業者に通常理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で説明されているものと類似のまたは同等の多数の方法および材料はどれも、本発明の技術を実施または試験する際にも使用することができるけれども、本明細書では、限られた数の例示的な方法および材料が説明されている。
【0220】
[347]特定の材料が、コンポーネントを製作するために使用されるのが好ましいものと
して明記されている場合、類似の特性を持つ明白な代替的材料も、代用物として使用され得る。さらに、反対のことが指定されていない限り、本明細書で説明されているあらゆるコンポーネントは、製造することができると理解され、そのようなものとして、まとめて、または別々に製造され得る。
【0221】
[348]本明細書および付属の請求項で使用されているように、単数形(原文において「
a」、「an」、「the」の冠詞)は、文脈上明らかに他の方法を示していない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。
【0222】
[349]本明細書で言及されているすべての刊行物は、それらの刊行物の主題である方法
および/または材料を開示し、説明するために参照によって組み込まれる。本明細書で説明されている刊行物は、本出願の出願日以前に開示のために単独で提供されている。本明細書にいかなることが記載されていようと、本発明の技術が従来の発明を理由にそのような刊行物に先行する資格を有しないことを認めたものとして解釈されるべきでない。さらに、与えられている刊行日は、実際の刊行日と異なることがあり、独立して確認される必要がある場合がある。
【0223】
[350]さらに、本開示を解釈する際に、すべての用語は、文脈と一致する最も広い範囲
の妥当な方法で解釈されるべきである。特に、「含む」および「備える」という言い回しは、非排他的な様式で要素、コンポーネント、またはステップを参照し、参照されている要素、コンポーネント、またはステップが存在するか、または利用されるか、または明示的に参照されていない他の要素、コンポーネント、またはステップと組み合わせることができることを示す、ものとして解釈されるべきである。
【0224】
[351]詳細な説明で使用されている見出しは、読者による参照の便宜のためにのみ含ま
れており、本開示または請求項全体を通して記載されている発明対象を制限するために使用されるべきでない。見出しは、請求項の範囲または請求制限を解釈する際に使用されるべきでない。
【0225】
[352]本明細書の技術は、特定の実施形態を参照しつつ説明されているけれども、これ
らの実施形態は、技術の原理および応用を単に示すだけであることは理解されるであろう。いくつかの場合において、用語および記号は、技術を実施するために必要でない特定の詳細を意味し得る。例えば、「第1の」および「第2の」という言い回しは、断りのない限り、順を示すことは意図されていないが、明確に異なる要素を区別するために利用され得る。さらに、方法におけるプロセスステップは、ある順序で説明されるか、または例示され得るけれども、そのような順序は必須ではない。当業者であれば、そのような順序は、修正され得ること、および/またはその態様は、同時に、またはさらには同期して実施され得ることを理解するであろう。
【0226】
[353]したがって、例示的な実施形態に対して多数の修正がなされ得ること、また他の
配置構成が技術の精神および範囲から逸脱することなく考案され得ることは理解されるであろう。
5 態様
以下に、本発明の追加および/または代替的態様を列挙する。
1.呼吸器疾患を治療するための装置であって、
ハウジングと、
ユーザーインターフェースディスプレイと、
加圧ガスの供給を行うための圧力供給源と、
圧力供給源を制御するように構成されているコントローラと、
電源の電気的接続部を受け入れて、装置に電力供給を行うように構成されている電源接続部と、
電源接続部に電気的に直列接続されている複数の外部電池とを備える装置。
【0227】
2.コントローラは、複数の外部電池の接続を検出し、装置への電力供給を制御するように構成される態様1に記載の装置。
3.使用時、複数の外部電池のうち、装置に電力供給を行うために使用されている外部電池は、電力供給外部電池であり、複数の外部電池の各々は、順次、電源として使用され、電源接続部に最も近い外部電池が電源として使用される最後の外部電池である、態様1から2のいずれか一つに記載の装置。
【0228】
4.複数の外部電池の各々の外部電池は、電気ケーブルを使用して隣接する外部電池に接続される態様1から3のいずれか一つに記載の装置。
5.ハウジング内に受け入れられるように構成された内部電池をさらに備え、使用時に、内部電池は、外部電池からのすべての電力が使い果たされた後に電源として使用される態様1から4のいずれか一つに記載の装置。
【0229】
6.交流(AC)電力供給装置が、複数の外部電池に直列接続可能であり、使用時に、AC電力供給装置が接続されると、AC電力供給装置が電源として使用される態様1から5のいずれか一つに記載の装置。
【0230】
7.直流(DC)電力供給装置が、複数の外部電池に直列接続可能であり、使用時に、DC電力供給装置が接続されると、DC電力供給装置が電源として使用される態様1から5のいずれか一つに記載の装置。
【0231】
8.コントローラからの電力容量要求を受け取ると、複数の外部電池の各々は、それ自体の残存容量の推定値を決定することができる態様1から7のいずれか一つに記載の装置。
【0232】
9.複数の外部電池の各々の残存容量は、全外部電池残存動作時間の推定値を決定するために使用される態様8に記載の装置。
10.全外部電池残存動作時間は、各外部電池の残存容量および電力供給外部電池の残存動作時間の関数として決定される態様9に記載の装置。
【0233】
11.複数の外部電池は、上流側外部電池および下流側外部電池を含み、下流側外部電池は、電源接続部に電気的に接続され、上流側外部電池は、下流側外部電池に電気的に直列接続される態様8から10のいずれか一つに記載の装置。
【0234】
12.下流側外部電池は、電気ケーブルを使用して電源接続部に接続される態様11に記載の装置。
13.1つまたは複数のさらなる外部電池が、下流側外部電池と上流側外部電池との間
に電気的に接続される態様10または態様11に記載の装置。
【0235】
14.上流側外部電池は、上流側外部電池の残存容量の決定された推定値を下流側外部電池に送信するように構成される態様11から13のいずれか一つに記載の装置。
15.1つまたは複数のさらなる外部電池の各々は、外部電池の残存容量の決定された推定値を直列に下流側外部電池に送信するように構成される態様14に記載の装置。
【0236】
16.下流側外部電池は、電気的に直列接続されている外部電池のすべてから全外部電池残存容量を決定するように構成される態様14または15に記載の装置。
17.下流側外部電池は、電気的に直列接続されている外部電池のすべてから全外部電池残存動作時間を電力供給外部電池の残存動作時間の関数として決定するように構成される態様14から16のいずれか一つに記載の装置。
【0237】
18.コントローラから残存容量要求を受け取ると、内部電池は、内部電池の残存容量の推定値を決定することができる、態様5、および態様5に従属する場合の態様6から17のいずれか一つに記載の装置。
【0238】
19.内部電池の残存容量は、内部電池残存動作時間の推定値を決定するために使用される態様18に記載の装置。
20.内部電池残存動作時間は、内部電池が装置を動作させる電力を供給するために使用されているときには内部電池の残存動作時間の関数として決定され、複数の外部電池のうちの1つが装置を動作させるために使用されているときには電力供給外部電池の残存動作時間の関数として決定される態様19に記載の装置。
【0239】
21.コントローラは、複数の外部電池および内部電池の全電池残存容量の推定値を計算するように構成される、態様8から17のいずれか一つに従属している場合の態様18から20のいずれか一つに記載の装置。
【0240】
22.コントローラは、複数の外部電池および内部電池の全電池残存動作時間の推定値を計算するように構成される、態様8から17のいずれか一つに従属する場合の態様18から21のいずれか一つに記載の装置。
【0241】
23.ユーザーインターフェースディスプレイは、全電池残存容量の推定値および/または全電池残存動作時間の推定値を表示するように構成される態様21または22に記載の装置。
【0242】
24.装置は、換気装置である態様1から23のいずれか一つに記載の装置。
25.呼吸器デバイスに電気的に接続された2つ以上の電池電源から利用可能な全電池容量の推定値を決定する方法であって、呼吸デバイスは
第1の電池容量を提供するために第1の電池電源から利用可能な容量の推定値を要求し、
第2の電池容量を提供するために第2の電池電源から利用可能な容量の推定値を要求し、
利用可能な全電池容量の推定値を決定するように第1の電池容量と第2の電池容量とを組み合わせる方法を実行するように構成されたコントローラを備える方法。
【0243】
26.利用可能な全電池容量は、第1の電池電源および第2の電池電源からの全充電状態の推定値である態様25に記載の方法。
27.第1の電池電源は、呼吸デバイスに電気的に接続されている少なくとも1つの外部電池であり、第2の電池電源は、呼吸デバイス内に配置されている内部電池である態様
25または26に記載の方法。
【0244】
28.第1の電池電源は、直列接続された複数の外部電池を備え、複数の外部電池の各々は電気ケーブルを複数の外部電池間に受け入れるように構成されている入力ポートおよび出力ポートを備える態様27に記載の方法。
【0245】
29.複数の外部電池は、下流側外部電池を含み、下流側外部電池の出力ポートは、電気ケーブルを介して呼吸デバイスに電気的に結合され、下流側外部電池の入力ポートは、電気ケーブルを介して複数の外部電池のうちの第2の外部電池の出力ポートに電気的に結合される態様28に記載の方法。
【0246】
30.複数の外部電池の各々は、複数の外部電池のうちの1つの外部電池の入力ポートと、隣接する外部電池の出力ポートと、の間に接続された電気ケーブルを介して隣接する外部電池に電気的に結合される態様29に記載の方法。
【0247】
31.各外部電池は、利用可能な容量の推定値を与え、利用可能な容量を電気ケーブルを介して直列に下流側外部電池に送信する態様30に記載の方法。
32.第1の電池電源が、呼吸デバイスに電力を供給するために使用されている電池である場合、全残存動作時間は、第1の電池の残存動作時間および利用可能な全電池容量の関数として計算される態様25から31のいずれか一つに記載の方法。
【0248】
33.呼吸デバイスのユーザーインターフェースディスプレイ上に利用可能な全電池容量を表示することをさらに含む態様25から32のいずれか一つに記載の方法。
34.連続サイクルで呼吸している患者に呼吸可能ガスを供給するための呼吸デバイスであって、それぞれのサイクルは吸息期と呼息期とを含み、呼吸デバイスは、
吸息期に供給される吸気圧力に達するように加速し、呼息期に供給される呼気圧力に達するように減速するように構成されたモーターを備える送風機と、
送風機のモーターを動作させる電力供給を行うように構成された第1の電源と、
モーターが減速するときにモーターによって発生するエネルギーを貯蔵するように構成されたエネルギー貯蔵ユニットとを備え、
エネルギー貯蔵ユニット内に存在する電圧が第1の閾値を超えたときに、第1の電源からモーターへの電力供給はオフにされ、モーターはエネルギー貯蔵ユニット内のエネルギーによって通電され、エネルギー貯蔵ユニット内の電圧が第2の閾値を下回ったときに、第1の電源からモーターへの電力供給はオンにされる呼吸デバイス。
【0249】
35.エネルギー貯蔵ユニットは、少なくとも1つのキャパシタまたはスーパーキャパシタを備える態様34に記載の呼吸デバイス。
36.エネルギー貯蔵ユニットの電圧を監視し、第1の電源からのモーターへの電力供給をオン、オフするレギュレータスイッチをさらに備える態様34または35に記載の呼吸デバイス。