特許第6882457号(P6882457)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴァレオ システム デシュヤージュの特許一覧

特許6882457ワイパーを自動車両のワイパーシステムの駆動アームに接続するためのアダプタ
<>
  • 特許6882457-ワイパーを自動車両のワイパーシステムの駆動アームに接続するためのアダプタ 図000002
  • 特許6882457-ワイパーを自動車両のワイパーシステムの駆動アームに接続するためのアダプタ 図000003
  • 特許6882457-ワイパーを自動車両のワイパーシステムの駆動アームに接続するためのアダプタ 図000004
  • 特許6882457-ワイパーを自動車両のワイパーシステムの駆動アームに接続するためのアダプタ 図000005
  • 特許6882457-ワイパーを自動車両のワイパーシステムの駆動アームに接続するためのアダプタ 図000006
  • 特許6882457-ワイパーを自動車両のワイパーシステムの駆動アームに接続するためのアダプタ 図000007
  • 特許6882457-ワイパーを自動車両のワイパーシステムの駆動アームに接続するためのアダプタ 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882457
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】ワイパーを自動車両のワイパーシステムの駆動アームに接続するためのアダプタ
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/40 20060101AFI20210524BHJP
【FI】
   B60S1/40 300B
   B60S1/40 100F
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2019-514116(P2019-514116)
(86)(22)【出願日】2017年7月19日
(65)【公表番号】特表2019-529220(P2019-529220A)
(43)【公表日】2019年10月17日
(86)【国際出願番号】EP2017068179
(87)【国際公開番号】WO2018050325
(87)【国際公開日】20180322
【審査請求日】2019年5月13日
(31)【優先権主張番号】1658577
(32)【優先日】2016年9月14日
(33)【優先権主張国】FR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217836
【弁理士】
【氏名又は名称】合田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、ゴシェ
(72)【発明者】
【氏名】ステファヌ、ウサ
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ、ジョマール
【審査官】 森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0151718(US,A1)
【文献】 国際公開第02/040328(WO,A1)
【文献】 特開2015−054610(JP,A)
【文献】 特開2015−214181(JP,A)
【文献】 特表2005−521594(JP,A)
【文献】 特表2013−545666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00−1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパーブレード(7)を自動車両の駆動アーム(5)に接続するように設計されるアダプタ(100)であって、
前記アダプタ(100)は、当該アダプタ(100)の長手方向(Ox)において連続して配置された頭部(1)と本体部(2)とを備え、
前記アダプタ(100)は、前記ワイパー(7)に堅固に接続されたコネクタ(8)に接続するための回転連結手段(6、61)を備え、
前記アダプタ(100)は、少なくとも1つの頂壁(10、20)を有し、前記頂壁(10、20)から、少なくとも2つの側部フランク(11a、11b、21a、21b)が延在して内側容積部(101)が画定され、前記コネクタ(8)は前記内側容積部(101)内に延在可能である、アダプタ(100)において、
前記アダプタ(100)は、これを前記頂壁(10、20)に垂直な方向(Oz)において前記駆動アーム(5)に対してセンタリングするための少なくとも1つのセンタリング手段(3)を備え、
前記頭部(1)及び前記本体部(2)はそれぞれ、頂壁(10,20)を有し、2つの側方フランク(11a、11b、21a、21b)は、前記頂壁(10,20)からそれぞれ垂直な方向に延在し、
前記センタリング手段(3)は、前記アダプタ(100)の前記側部フランク(11a、11b)のうちの少なくとも一方によって支持され、
前記センタリング手段(3)は、本体部(2)に向かって、当該センタリング手段を支持する前記側部フランク(11a、11b)から、前記頭部(1)と前記本体部(2)とのインターフェースにおいて形成されたショルダ(14)を超えて長手方向に配置され、
前記センタリング手段(3)は、前記ショルダ(14)を超えて且つ前記本体部(2)に向かって、当該センタリング手段を支持する前記側部フランク(11a、11b)の長手方向延長部を形成し、
前記センタリング手段(3)は、これが出現する前記頭部(1)の前記側部フランク(11a、11b)に隣接する前記本体部(2)の前記側部フランク(21a、21b)から横手方向に延在し、
前記センタリング手段(3)は長手方向において湾曲した形状を有し、前記湾曲の先端が前記アダプタ(100)の前記本体部(2)に向かって配向され、
前記センタリング手段(3)は、ディスク部の形状を有し、
前記センタリング手段(3)は、ハーフディスクであり、その中心(D)が前記ショルダ(14)を含む平面を通過する、
ことを特徴とするアダプタ(100)。
【請求項2】
前記頭部(1)の各側部フランク(11a、11b)が1つのセンタリング手段(3)を支持する、
ことを特徴とする請求項に記載のアダプタ(100)。
【請求項3】
前記頭部(1)から出現するとともに前記本体部(2)に沿って長手方向に且つ当該本体部から距離を置いて横手方向に延在する少なくとも1つのチーク部(102)を有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアダプタ(100)。
【請求項4】
前記センタリング手段(3)は、前記アダプタ(100)を、前記駆動アーム(5)内で、前記アダプタ(100)の前記頂壁(10、20)に垂直な方向(Oz)においてブロックするための手段を形成する、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のアダプタ(100)。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか一項に記載のアダプタ(100)と、ワイパーブレード(7)に堅固に接続されるように設計されるコネクタ(8)と、を有する接続装置において、
前記アダプタ(100)と前記コネクタ(8)とは、回転連結手段(6、61)によって連結される、
ことを特徴とする接続装置。
【請求項6】
前記アダプタ(100)と前記コネクタ(8)との間の前記回転連結手段(6、61)は、前記本体部(2)の前記側部フランク(21a、21b)のうちの少なくとも一方の内面(210)から前記内側容積部(101)の内部に向かって延在するように配置される単独のトラニオン(6)である、
ことを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記アダプタ(100)と前記コネクタ(8)との間の前記回転連結手段(6、60)は、前記アダプタ(100)の前記本体部(2)の前記側部フランク(21a、21b)のうちの少なくとも一方に形成されたオリフィス(61)である、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の接続装置。
【請求項8】
ワイパーブレード(7)と、
駆動アーム(5)と、
請求項1乃至のいずれか一項に記載のアダプタ(100)又は請求項5乃至7のいずれか一項に記載の接続装置と、を有するワイパーシステムであって、
前記アダプタ(100)は前記駆動アーム(5)のクレビス(500)と協働するワイパーシステムにおいて、
前記センタリング手段(3)は、前記クレビス(500)の側壁(51)に配置されたポート(52)に入って、前記アダプタ(100)を前記クレビス(500)に対してセンタリングする、
ことを特徴とするワイパーシステム。
【請求項9】
前記アダプタ(100)は、前記クレビス(500)の前記ポート(52)を覆う少なくとも1つのチーク部(102)を有する、
ことを特徴とする請求項に記載のワイパーシステム。
【請求項10】
前記センタリング手段(3)の湾曲形状部が、前記ポート(52)の口部(520)と前記クレビス(500)の自由縁部(510)とが交差部分に配置された縁部(521a、521b)に当接する、
ことを特徴とする請求項に記載のワイパーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車両のガラス表面を払拭する及び/又は洗浄する分野に関し、より具体的には風防ガラスのワイパーブレードとその駆動アームとの間の接続装置に関する。
【0002】
自動車両用の風防ガラスのワイパーは、周囲環境に対するドライバーの視界を妨害し得る液体や汚れを押し流すように設計される。このような風防ガラスのワイパーは、通常、車両のガラス表面に対して角度的な前後移動を実施する少なくとも1つの駆動アームと、弾性材料から構成されるゴム部が装着される少なくとも1つのワイパーブレードと、を備える。ガラス表面を拭き取ることで、このゴム部はドライバーの視野から水や汚れを押し流す。
【0003】
風防ガラスのワイパーブレードの設計(例えば、異なる数ヵ所でゴム部を保持する関節式ヨーク、又はゴム部をその全長に亘って保持する金属ブレード)を問わず、風防ガラスのワイパーブレードは、ワイパーシステムの駆動アームに、通常1つのコネクタと1つのアダプタとを少なくとも有する接続アセンブリによって取り付けられる。コネクタは、ワイパーブレードに堅固に接続される。アダプタは、第1にコネクタと協働するように設計されるとともに、第2に駆動アームの端部、すなわちクレビスに係合するように設計される部品である。コネクタとアダプタとは、ワイパーブレードを駆動アームに取り付けるように、且つこれら2つのアセンブリ間の関節ジョイント接手を形成するように協働する。
【0004】
自動車両の部品や付属品の補修部品市場において、複数タイプの駆動アームに適合可能であるコネクタが装着された所与のブレードを販売することが公知である。したがって、可能な限り多くの異なるタイプのアームクレビス及び可能な限り多くの異なるタイプのブレードコネクタとともに使用可能なアダプタを設計することが有用である。なぜならば、これら2つの要素間のインターフェースを形成するのはアダプタであるからである。
【0005】
本発明は、ワイパーブレードを自動車両のワイパーシステム用の特殊なタイプの駆動アームのクレビスに接続可能とする解決策を提案するよう意図されている。前記クレビスは、その長手方向範囲に対して垂直に、逆U字形状断面を有する。逆U字形状断面において、その鉛直方向のブランチは当該クレビスの2つの側壁によって形成され、その横手方向のブランチは前記クレビスの頂壁によって形成されている。したがって、このクレビスの頂壁及び側壁は、本発明によるアダプタのための受容容積部をともに画定している。
【0006】
より具体的には、本発明が関する特殊なクレビスは2つのポートを有し、そのそれぞれはクレビスの側壁のうちの一方に長手方向に、当該側壁の自由前縁部から配置される。自由前端部は端部を形成しており、この端部によって、本発明によるアダプタがクレビス内に挿入される。これらのポートは、有利には、アダプタと駆動アームとの間の連結部の一部であり得る。しかしながら、駆動アームの製造、特にそのクレビスの製造における機械的制約によってこれらのポートの寸法公差の精度は制限され、この結果、ワイパーシステム用の予備部品及び付属品のアフターサービス市場で通常入手可能なアダプタに対する確実な接続を常に保証することができない。場合により、このような公差の相違を理由として、アダプタをクレビスに取り付けることができないこともある。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、これらのポートを、特にポートの寸法公差がどのようなものであっても効率的に使用して、アダプタ100を駆動アームに対してセンタリング可能とするアダプタを提案することを意図している。このようなセンタリングは、鉛直方向において実行される。
【0008】
この目的を達成するために、本発明は、長手方向において連続して配置された本体部と頭部とを含むアダプタを提案する。本体部と頭部のそれぞれは頂壁を備え、この頂壁から2つの側部フランクが当該壁に対して垂直に延在する。
【0009】
慣習に従って、本文書において、「長手方向」という用語は、本発明によるアダプタの頭部及び本体部が連続して存在する方向を指すものする。「横手方向」という用語は、長手方向に対して実質的に垂直であって、本発明によるアダプタの側部フランクを連結する方向を指すものとする。「鉛直方向」という用語は、長手方向及び横手方向の両方に対して垂直である方向、すなわちアダプタの頂壁に対して垂直である方向を指すものとする。
【0010】
コネクタが装着され且つ本発明によるアダプタを使用して当該ワイパーシステムの駆動アームのクレビスに組み付けられるワイパーブレードを備えるワイパーシステムにおいて、「下部」及び「底部」という用語は、より具体的には、鉛直方向において払拭すべき表面に最も近い領域を指すものとし、「上部」及び「頂部」という用語は、同一の鉛直方向において当該表面から更に離間した領域を指すものとする。
【0011】
これらの異なる方向を基準として、本発明によるアダプタの頭部及び本体部の鉛直横手方向平面における断面形状は、頂壁によって形成される実質的に逆「U」字形状である。この頂壁から、頭部及び/又は本体部の、鉛直方向の又は実質的に鉛直方向の2つの側部フランクが、垂直に又は実質的に垂直に延在する。本発明によるアダプタの頭部及び本体部の頂壁と側部フランクとは、その内側容積部をともに画定する。
【0012】
主たる特徴のうちの1つによれば、本発明によるアダプタは、駆動アームと、特に上述のタイプのクレビスの側壁のうちの少なくとも一方に配置されたポートのうちの少なくとも一方と、協働するように設計されたセンタリング手段を有する。センタリングは、アダプタの頂壁が通る平面に垂直な方向において実施される。
【0013】
有利には、センタリング手段は、アダプタの側部フランクのうちの少なくとも1つに、より具体的には、当該アダプタの頭部の側部フランクのうちの少なくとも一方に、配置される。また有利には、センタリング手段は、アダプタをクレビス内で頂壁に垂直な同一方向においてブロックする。この点で、センタリング手段は、アダプタを駆動アーム内で上述の方向においてブロックするための手段とも称され得る。
【0014】
頭部の各側部フランクは、1つのセンタリング手段を支持する、特に各側部フランク毎に単独のセンタリング手段を支持する。
【0015】
有利には、本発明によるアダプタの本体部と頭部との間のインターフェースは、ショルダを形成する。ショルダの寸法は、アダプタが協働するように設計された駆動アームのクレビスの側壁の厚さと実質的に等しい。本発明の一実施形態によれば、このショルダは、アダプタの頭部及び本体部のそれぞれの頂壁同士の間で延在し、これにより、当該頭部と当該本体部との間のインターフェースにおいて周囲フランジを形成する。
【0016】
本発明によるアダプタの頭部又は本体部の横手方向寸法が、当該頭部又は当該本体部の頂壁の平面に実質的に平行な平面において、アダプタの内側容積部の外側に配置されたこれらの側部フランクの表面同士の間で測定された距離として規定される場合、本発明によるアダプタの頭部の横手方向寸法は、本発明によるアダプタの本体部の横手方向寸法より大きい。同様に、本発明によるアダプタの頭部又は本体部の高さが、当該頭部又は当該本体部の側部フランクの平面に実質的に平行な平面において、アダプタの内側容積部の外側の頂壁の表面と側部フランクの底縁部との間で測定された寸法として規定される場合、本発明によるアダプタの頭部の高さは、その本体部の高さより大きい。換言すれば、本発明によるアダプタの頭部は、本発明によるアダプタの本体部より大きい、及び/又は幅広い。
【0017】
本発明の有利な特徴によれば、センタリング手段は、アダプタの頭部及び本体部の側部フランク同士の間のインターフェースにおいて形成されたショルダから配置される、特にこれから出現する。
【0018】
センタリング手段は、当該センタリング手段を支持する側部フランクから、ショルダを超えて本発明によるアダプタの本体部に向かって長手方向に延在する。
【0019】
有利には、センタリング手段は、これが出現する頭部の側部フランクに隣接する本体部の側部フランクから横手方向に延在する。
【0020】
本発明の有利な特徴によれば、センタリング手段は、長手方向において湾曲した形状を有し、湾曲の先端がアダプタの本体部に向かって配向される。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、センタリング手段は、例えば当該センタリング手段を支持するアダプタの頭部の側部フランクにセンタリングされたディスク部の形状を有する。したがって、このようなディスク部は、頭部の側部フランクを画定する外面に整列する面によって画定される。
【0022】
有利には、センタリング手段の横手方向寸法、すなわち、本発明によるアダプタの本体部を超えて横手方向に延在するその厚さは、頭部の側部フランクと本体部の側部フランクとの間のインターフェースを形成するショルダの横手方向寸法に等しい、又は実質的に等しい。したがって、センタリング手段は、当該センタリング手段を支持する側部フランクの、上記内側容積部とは反対側の外面において突出する部分ではない。
【0023】
また有利には、本発明によるアダプタは、その本体部の領域に、ワイパーシステムのコネクタへの回転接続を可能とする手段を有する。例示的な一実施形態によれば、このような回転連結手段は、少なくとも1つの円筒形状トラニオンによって形成される。トラニオンは、本体部の頂壁に平行な実質的に横手方向の回転軸であって、その側部フランクに実質的に垂直な横手方向回転軸にセンタリングされる。回転連結手段は、2つの同軸の円筒形状トラニオンであり得る。
【0024】
有利には、この実質的に円筒形状のトラニオンは、本発明によるアダプタの本体部の少なくとも1つの側部フランクから、当該本体部の頂壁及び鉛直方向フランクによって境界付けられた前記アダプタの内側容積部内へ、アダプタの頭部と本体部との間のインターフェースの近傍において延在する。有利には、ワイパーブレードを本発明によるアダプタに接続する際に、このトラニオンは当該ブレードに関連付けられたコネクタと協働するように設計される。より具体的には、このトラニオンは、前記コネクタに形成された受容オリフィスに係合するように設計される。
【0025】
一変形実施形態によれば、回転連結手段は、アダプタの本体部の各側部フランクに形成された円形または正方形の断面を有する少なくとも2つの円筒形状開口を備える。これらの開口は、ワイパーブレードに関連付けられたコネクタと、当該ブレードを本発明によるアダプタに接続する際に協働する。より具体的には、これらの開口のそれぞれが、コネクタと一体のトラニオンに、又はコネクタに接続されたシャフトに係合するように設計される。
【0026】
別の実施形態によれば、回転連結手段は、一側において、本体部の側部フランクのうちの一方に配置された単独のトラニオンと、本体部の側部フランクのうちの他方に形成された単独の開口と、を備える。
【0027】
上述の変形実施形態によれば、センタリング手段の寸法は、有利には、アダプタの同一側に配置された状態において、センタリング手段が開口をブロックしないように決定される。
【0028】
しかしながら、本実施形態は排他的なものではなく、本発明によるアダプタとワイパーブレードのコネクタとの間の回転連結を可能とするあらゆる手段を、本発明に不利な影響を及ぼすことなく利用することが可能である。
【0029】
本発明によるアダプタは、チーク部を設けることで改良され得る。チーク部は、頭部から出発して本体部に沿って長手方向に、且つ本体部から距離を置いて横手方向に延在する。例えば、この距離は、クレビスを形成する壁の厚さに等しくてもよい。
【0030】
変形実施形態によれば、上述のセンタリング手段は、本発明によるアダプタの本体部の対応する側部フランクに配置された円筒形状の又は実質的に円筒形状のラグに関連付けられ得る。本例において、このようなラグの形状及び/又は寸法及び/又は配置は、有利には、アダプタが協働するように設計されたクレビスの頂壁及び側壁により画定された受容容積部に本発明によるアダプタを係合した状態において、ラグが対応する側壁に配置されたポートに係合するように決定される。これにより、クレビス内でのアダプタに対する長手方向ガイドが提供される。
【0031】
本発明によるアダプタを、上述のタイプのクレビスを有する駆動アームに組み付けた場合、アダプタの本体部がクレビスの受容容積部に係合する。この動作において、本体部の頂壁が、受容容積部の内部においてクレビスの頂壁に当接し、有利には、その側壁は、受容容積部の内部において、アダプタ100に対する長手方向及び横手方向ガイド手段として、且つ横手方向ブロック手段として機能する。このために、外側寸法、特に本発明によるアダプタの本体部の外側寸法は、有利には、このガイド機能及びブロック機能を可能とするように決定される。換言すれば、本発明によるアダプタの本体部の外側寸法は、有利には、アダプタが協働するように設計された駆動アームのクレビスの頂壁及び側壁によって画定された受容容積部への容易ではあるがぴったりとした本体部の挿入、すなわち過剰な遊びのない本体部の挿入を可能とするように決定される。有利には、センタリング手段の寸法と、当該センタリング手段を支持する側部フランクにおけるその配置は、本発明によるアダプタの本体部がクレビスの受容容積部に受容された状態において、センタリング手段が、クレビスの対応する側壁に当該クレビスの自由端部において形成されたポートの口部を少なくとも部分的にブロックするように決定される。
【0032】
この組付において、センタリング手段は、このようなポートの口部の自由縁部に当接するように配置される。したがって、このポートのサイズと正確な構造を理由として、センタリング手段の湾曲形状によって、当該センタリング手段が開口に大きい又は小さい程度で係合し、いずれの場合にもその自由縁部との接触が保証されるということが容易に理解され得る。本発明によるアダプタのセンタリング機能と選択的なブロック機能とはこうして達成される。ポートの口部の縁部にいったん当接すれば、本発明によるアダプタの頭部の頂壁に対して垂直な上記の鉛直方向における相対移動は一切不可能となる。したがって、本発明は上述の目的を達成する。
【0033】
アダプタは、アダプタをクレビス内で長手方向に係止するように配置された長手方向ブロック手段を有し得る。これにより、センタリング手段とポートの口部の縁部との間の接触が保証される。
【0034】
異なる実施形態によれば、本発明によるアダプタの唯一のセンタリング手段、すなわち当該アダプタの頭部の側部フランクのうちの一方のみに支持されたセンタリング手段が存在し得る。
【0035】
各側壁が上記のポートを有するクレビスに対して、上述のセンタリング手段は、本発明によるアダプタの頭部の各側部フランクに配置され得る。
【0036】
また有利には、本発明によるアダプタは、その本体部の領域において、ワイパーシステムの本発明によるアダプタとコネクタとの間の回転連結手段を有する。
【0037】
一実施形態によれば、この回転連結手段は、本体部の頂壁に平行な実質的に横手方向の回転軸であって、その側部フランジに対して実質的に垂直な横手方向回転軸にセンタリングされる少なくとも1つの円筒形状のトラニオンを備えるとともに、アダプタの本体部の少なくとも1つの側部フランジから、当該本体部の頂壁及び側部フランクによって画定される当該アダプタの内側容積部の内部に延在する。トラニオンは、有利には、ワイパーブレードに関連付けられたコネクタと、当該ブレードを本発明によるアダプタに接続する際に協働するように設計される。より具体的には、トラニオンは、このようなコネクタに形成された受容オリフィスに係合するように設計される。上記事項を理由として、回転連結手段は、本発明によるアダプタにおいて、アダプタのショルダと一方の長手方向後端部との間で長手方向に配置される。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、本発明によるアダプタの本体部の反対側の側部フランクに、開口がトラニオンに対面するように形成される。しかしながら、本実施形態は排他的なものではなく、本発明によるアダプタとワイパーブレードのコネクタとの間の回転連結を可能とするあらゆる手段、例えば、2つのトラニオン、2つの開口、又は追加の金属シャフトを、本発明に不利な影響を及ぼすことなく利用することが可能である。
【0039】
また、本発明は、本文書に記載のアダプタと、ワイパーブレードに堅固に接続されるように設計されたコネクタと、を有する接続装置であって、アダプタとコネクタとが回転連結手段によって連結されることを特徴とする接続装置に関する。
【0040】
有利には、アダプタとコネクタとの間の回転連結手段は、本体部の側部フランクのうちの少なくとも一方の内面から内側容積部の内部に向かって延在するように配置される単独のトラニオンである。
【0041】
これに代えて又はこれに追加して、アダプタとコネクタとの回転連結手段は、アダプタの本体部の側部フランクのうちの少なくとも一方に形成されたオリフィスである。
【0042】
最後に、本発明は、ワイパーブレードと、駆動アームと、本文書に記載のアダプタ、又は本文書に記載の接続装置と、を有する、特に自動車両用のワイパーシステムであって、アダプタは駆動アームのクレビスと協働するワイパーシステムにおいて、センタリング手段は、クレビスの側壁に配置されたポートに入ってアダプタをクレビスに対してセンタリングすることを特徴とするワイパーシステムに関する。
【0043】
有利には、アダプタは、クレビスのポートを覆う少なくとも1つのチーク部を有する。
【0044】
センタリング手段の湾曲形状部が、ポートの口部とクレビスの自由縁部との間の交差部分に配置された縁部に当接することが理解されるであろう。
【0045】
本発明の他の特徴及び利点を、以下の説明及び図面により明瞭に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】自動車両用のワイパーシステムを形成するワイパーブレードに組み付けられた駆動アームの斜視図。
図2】1つの駆動アームのクレビスであって、このクレビスとともに本発明によるアダプタが協働するように設計されるクレビスの側面図。
図3】コネクタに組み付けられた本発明によるアダプタの斜視図。
図4】コネクタ及びクレビスに組み付けられた本発明によるアダプタの部分斜視図。
図5図4の拡大図であって、最大公差における寸法を有するクレビスとともに使用されるセンタリング手段を示す図。
図6図4の拡大図であって、最小公差における寸法を有するクレビスとともに使用されるセンタリング手段を示す図。
図7】本発明によるアダプタに装着されたオプションを示す部分斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図面は本発明の実施を可能とするように本発明を詳細に示すものであり、当然ながらこれらの図面は適切な場合により良く本発明を規定するように使用され得ることにまず留意されたい。また、全ての図面において、同様の要素、及び/又は同一の機能を発揮する要素を、同一の参照符号を使用して表示することに留意されたい。
【0048】
更に、上記の配向及び方向を基準として、長手方向は、全図面において軸(Ox)により示され、横手方向は軸(Oy)により示され、鉛直方向は軸(Oz)により示されるものとする。これらの異なる軸は、種々の図面に示す直交フレーム(Oxyz)を全体として提供する。このフレームにおいて、「前方」の配向は軸(Ox)の正の方向により規定され、「後方」の配向は同一軸の負の方向により規定される。「頂部」及び「上部」という用語は、軸(Oz)の正の方向により表されるのに対し、「底部」及び「下部」という用語は、同一軸(Oz)の負の方向により表される。
【0049】
図1は、自動車両用のワイパーシステムを示す。このシステムは、払拭すべき表面に対して角度的な前後運動を実施する駆動アーム5と、弾性材料から構成されるゴム部71を支持するジョイント70を本例において有するワイパーブレード7と、を備えている。駆動アーム5の角度的な前後運動において、ワイパーブレード7とそのゴム部71は、所望の払拭/洗浄動作を実施するように、ガラス表面に対して角運動をするように駆動される。ワイパーブレード7は、駆動アーム5に、コネクタ8とアダプタ100とを含む接続アセンブリによって取り付けられている。コネクタ8はワイパーブレード7に堅固に接続され、アダプタ100は、コネクタ8と駆動アーム5の端部との間のインターフェースを提供する。駆動アーム5の端部は、クレビス500とも称される。コネクタ8とアダプタ100とは、協働してワイパーブレード7を駆動アーム5に取り付けて、これら2つの要素間の関節ジョイントを形成している。
【0050】
本発明は、特定タイプの駆動アームのクレビス500と協働するように設計された特定タイプのアダプタ100に関する。特にこの目的は、駆動アームがこの特定タイプのクレビス500を有する風防ガラスのワイパーアセンブリ用の予備部品を提供することである。
【0051】
図2及び図4乃至図7の側面図において、クレビス500を概略的に示す。本発明によるアダプタ100は、クレビス500と協働するように設計されている。クレビス500は、頂壁50と、この頂壁50から実質的に垂直に延在する2つの側壁51とを含んでいる。したがって、クレビス500は、形状が実質的に逆「U」字状となる少なくとも1つの垂直断面を有している。そのベースが頂壁50によって形成され、ブランチが側壁51によって形成される。クレビス500の頂壁50と側壁51とは、全体として受容容積部54を画定している。
【0052】
クレビス500は、その側壁51のうちの少なくとも一方にポート52を有している。有利には、クレビス500の側壁51のそれぞれにポート52が形成されている。したがって、クレビス500は、2つのポート52を有している。
【0053】
これらのポートのそれぞれは、クレビス500が端部をなす駆動アーム5の方向におけるクレビス500の頂壁50に対して実質的に平行な方向に延在している。ポート52は、対応する側壁51の自由縁部510から延在している。自由端部は、このような駆動アームを備えるワイパーシステムにおいて、アダプタの受容端部を形成している。
【0054】
したがって、各ポート52は側壁51の自由縁部510において開口しており、ここでポートはオリフィス520として形成されている。製造を容易とするように、ポートが形成される側壁51において、各ポート52のバック部521は有利には湾曲している。図面により具体的に示す実施形態によれば、バック部は、対応するポート52の内部でセンタリングされた実質的に半円としての形状を有している。
【0055】
図2乃至図7を参照すると、本発明によるアダプタ100は、長手方向に延在するとともに上記の軸(Ox)に沿って互いに連続している頭部1と本体部2とを有している。上記の方向及び配向を基準として、頭部1は本発明によるアダプタ100から前方に延在しており、本体部2は同一アダプタ100から後方に延在している。本発明の一実施形態によれば、アダプタ100は、一体部品を形成するようにポリマー材料を型に射出することで形成されている。
【0056】
これらの図面に示すように、本体部2は、頂壁20と、参照符号21a及び21bを使用してそれぞれ示される、実質的に鉛直である第1側部フランク及び第2側部フランクと、により形成されている。各側部フランクは、頂壁20の長手方向側部から、これに対して実質的に垂直に延在している。図示の実施形態によれば、本体部2の長手方向寸法は、その横手方向寸法より大きい。
【0057】
頭部1は、頂壁10と、参照符号11a及び11bを使用してそれぞれ示される、実質的に鉛直である第1側部フランク及び第2側部フランクと、により形成されている。各側部フランクは、頂壁10の長手方向側から、これに対して実質的に垂直に延在している。
【0058】
図3に頭部1の第1側部フランク11a及び本体部2の第1側部フランク21aを示しており、図4に頭部1及び本体部2のそれぞれの第2側部フランク11b及び21bを示している。したがって、頭部1及び本体部2は、それぞれ、上記のフレームの平面(Oyz)に平行な鉛直横手方向平面において、逆「U」字形状の垂直断面を有している。その横手方向ブランチは、本発明によるアダプタ100のこれら2つの部分の頂壁10、20のそれぞれによって形成されており、鉛直方向ブランチは側部フランク11a、11b及び21a、21bのそれぞれによって形成されている。
【0059】
従って、本発明によるアダプタ100の頭部1及び本体部2の頂壁10及び20のそれぞれは、当該頭部及び当該本体部の側部フランク11a、11b及び21a、21bのそれぞれとともに、図3及び図4に概略的に示す当該アダプタの内側容積部101を画定する。
【0060】
本発明の実施形態の有利な特徴によれば、頭部1の横手方向寸法、すなわち上記の軸(Oy)に沿った寸法は、同一方向において測定した本体部2の横手方向寸法よりわずかに大きい。換言すれば、頭部1は、本体部2とのインターフェースにおいてショルダ14を形成しており、このショルダ14は、上記の直交フレームの鉛直横手方向平面(Oyz)に対して実質的に平行であるとともに頭部1から延在して本体部2に向かって返ってくる。したがって、本発明の本実施形態によれば、側部ショルダ14は、本発明によるアダプタの頭部1と本体部2との間のインターフェースの全周に亘って延在している。
【0061】
本発明の一実施形態によれば、このショルダ14の鉛直方向及び横手方向寸法は、クレビス500の頂壁50の厚さ、及び本発明によるアダプタ100が協働するように設計された同一クレビス500の側壁51の厚さのそれぞれに実質的に等しい。これにより、特に図4に示すように、クレビス500の前縁部510は、ショルダ14に当接し得る。これらの特徴により、クレビス500の外面と同一平面となる頭部1が提供されている。
【0062】
本発明によれば、アダプタ100は、上記の軸(Oz)の方向において、すなわち、アダプタの頂壁に垂直に、特に頭部1の頂壁10又は本体部2の頂壁20に垂直に、アダプタをクレビス500にセンタリングするための少なくとも1つの手段3を有している。
【0063】
図3を参照すると、センタリング手段3は、アダプタ100の頭部1の第1側部フランク11aに配置され、頭部1を本体部2に向かって延長させている。図4は、センタリング手段3がアダプタ100の頭部1の第2側部フランク11bに配置されている実施形態を示している。当然ながら、頭部1の第1側部フランク11aに対するこのようなセンタリング手段3の配置を参照してなされる以下の説明は、同一頭部1の第2側部フランク11bに対するセンタリング手段の配置にも対称的に適用される。
【0064】
これらの図面を参照すると、センタリング手段3は、本発明によるアダプタの本体部2に向かって長手方向に、当該センタリング手段を支持する側部フランク11a、11bから側部ショルダ14を超えて延在している。より具体的には、図3を参照すると、センタリング手段3は、軸(Ox)の長手方向において側部フランク11aの延長部を形成しており、この延長部は対応する第1側部フランク21aを部分的に覆っている。
【0065】
図示されるより具体的な本発明の実施形態によれば、センタリング手段3の横手方向寸法、すなわち上記の軸(Oy)に沿った寸法は、頭部1の横手方向寸法に実質的に等しい。したがって、センタリング手段3は、横手方向において、センタリング手段を支持する側部フランク11a又は11bの外面から突出していない。
【0066】
本発明の別の特徴によれば、センタリング手段3は湾曲した形状を有し、その湾曲の先端がアダプタ100の本体部2に向かって配向されている。本例において、湾曲形状とは、センタリング手段3を画定するアーチ状の縁部である。
【0067】
より具体的には、センタリング手段3はディスク部31の形状を有しており、その中心Dがセンタリング手段を支持する側部フランク11a、11bに配置されている。図示された本発明のより具体的な実施形態によれば、ディスク31の中心Dは、上記の軸(Oz)に沿って、すなわちセンタリング手段3が存在しない場合にショルダ14が辿るであろう経路に沿って配置されている。換言すれば、センタリング手段3を形成するディスク部は、有利には、ハーフディスクであってその直径が例えばショルダ14の平面(Oyz)にあるが、これに限定されない。有利には、センタリング手段3は、上記の軸(Oz)に沿って、アダプタ100の頭部1の頂壁10と、センタリング手段を支持する側部フランク11a、11bの底縁部110a、110bとの間に位置している。底縁部110a、110bは、側部フランクが頂壁10に取り付けられる縁部の反対側にある。
【0068】
また、図3は、アダプタ100を駆動アームのクレビスにおいて長手方向にブロックするように設計された係止装置40の存在を示している。この係止装置40は、特にストッパをショルダ14とクレビスの自由縁部510との間で保持することによって、アダプタ100をクレビスに対して保持する。
【0069】
この係止装置40は、本発明によるアダプタ100の後方長手方向端部であって、当該アダプタの頭部1の反対側に位置する後方長手方向端部の付近に配置されたパッド又はボタン41の全体形状を有している。このパッド41は、可撓性タブ42の端部に配置されるとともに、有利には本発明によるアダプタの本体部2の頂壁に実質的に平行な遠位壁により形成され、1組の側壁が当該遠位壁から本発明によるアダプタ100の本体部2の頂壁20の方向に延在している。
【0070】
本発明の一実施形態によれば、このパッド41は、実質的に平行六面体である形状を有し、これにより、その遠位壁からアダプタ100の本体部2に向かって延在する4つの側壁を有している。有利には、本発明によるアダプタの第1ブロック手段を形成するパッドの遠位壁は、前記アダプタの頭部1及び本体部2の頂壁及び側部フランクによって画定される内側容積部101の外側に延在している。したがって、ブロック手段40は、パッド41とアダプタ100の後方長手方向端部との間に配置されたヒンジを中心とした回転によって進退可能である。
【0071】
また、図3は、クレビスにおけるアダプタ100の取付を固定するための追加手段43の存在を示す。例示的な実施形態によれば、このような追加手段43は、固定された歯44の形状を有している。このような歯44は、頭部1の頂壁10から出現して軸(Ox)に沿って本体2の頂壁20の上方に延在している。クレビスの頂壁50がクランプされるように、歯44と頂壁20とは互いに対面して配置されている。
【0072】
例示的な実施形態によれば、アダプタ100は、本発明によるアダプタ100の本体部2の頂壁20に形成された長手方向開口部45であって、ショルダ14からアダプタ100の後方長手方向縁部に向かって延在する長手方向開口部45を含んでいる。
【0073】
より具体的には、図4は、本発明によるアダプタ100の、上述の図2に示すタイプのクレビス500に対する組付状態を示している。図4において、本発明によるアダプタ100は、ワイパーブレードのコネクタ8に組み付けられて示されている。この組付を実現する手段について以下に説明する。
【0074】
本発明によるアダプタ100を上述のタイプのクレビス500に組み付ける場合、アダプタ100の本体部2をクレビス500の受容容積部に挿入する。この動作において、本体部2の頂壁は、受容容積部の内部において、クレビス500の頂壁50に当接するとともに、その側壁51は、受容容積部の内部において、アダプタ100に対する長手方向及び横手方向ガイド手段として、且つ横手方向ブロック手段として機能する。このために、特に本発明によるアダプタ100の本体部2の外側寸法は、有利には、このガイド機能及びブロック機能を可能とするように規定される。換言すれば、本発明によるアダプタ100の本体部2の外側寸法は、有利には、上記の受容容積部の内側寸法より小さく、これにより容易であるがぴったりとした挿入、すなわち過剰な遊びのない挿入が可能とされる。
【0075】
図5及び図6に示すように、センタリング手段3の寸法、及び、センタリング手段を支持する側部フランク11a、11bに対するその配置は、本発明によるアダプタ100の本体部2がクレビス500の受容容積部に受容された状態において、センタリング手段3がクレビス500の側壁51に形成されたポート52の口部520をブロックするように決定される。換言すれば、上記の軸(Oz)に沿ったセンタリング手段3の寸法は、有利には、同一軸(Oz)に沿って測定したポート52の口部520の寸法より大きい。
【0076】
より具体的には、図5又は図6により具体的に示すように、本発明によるアダプタ100の上述のタイプに図2に示すクレビス500に対する組付状態において、センタリング手段3は、クレビス500の対応する側壁51に形成されたポートの口部520の縁部521a及び521bのそれぞれに当接する。上述の理由で、ポート52の正確な構成及び寸法に応じて、特に上記の軸(Oz)に沿ったポート52の製造公差に応じて、本体部2に向かって配向されたセンタリング手段3の湾曲形状が、口部520を介してポート52に大きく又は小さく係合する。
【0077】
これを図5及び図6に示す。図において、所与のアダプタ100と同一形状の2つのクレビスとの協働が示されているが、特に少なくとも1つのポート52の寸法が、図5において最大公差であり、図6において最小公差である。
【0078】
これら2つの場合において、センタリング手段3は、口部520の縁部521a及び521bと接触する。いったんセンタリング手段3がポート52の口部520の縁部521a及び521bに当接すれば、アダプタ100のクレビス500に対する上記の軸(Oz)に沿った全ての相対移動が防止される。したがって、本発明は、アダプタが駆動アームに対してセンタリングされることを保証する。センタリング手段3の本体部2に向かって配向された湾曲形状によって、湾曲の先端がポート52のバック部521に向かって配向されていることにより、特にショルダ14がクレビス500の頂壁50及び/又は側壁51に対して停止した状態において、アダプタ100の頭部1がクレビス500においてガイドされ且つ鉛直方向にセンタリングされることが保証される。実際に、ポート52のその製造公差に関する構造及び正確な寸法がどのようなものであっても、センタリング手段3の湾曲形状の少なくとも一部分が、ポート52の口部520の2つの縁部521a、521bに同時に接触する。
【0079】
図5において、ポート52の各側で延在するクレビス500の自由縁部510の一部分が、センタリング手段3の各側で延在するショルダ14の一部分に接触する。したがって、これら2つの部分の間に遊びはない。
【0080】
図6において、センタリング手段3は、図5に示す状態より小さい程度でポート52に入り込んでいる。ポート52の各側において延在するクレビス500の自由縁部510の一部分は、センタリング手段3の各側で延在するショルダ14の一部分から離間している。したがって、これら2つの部分の間には遊び511が存在する。
【0081】
また、上述のセンタリング手段3は、駆動アーム5のクレビス500内でのアダプタ100の鉛直方向ブロックを保証し得る。
【0082】
図7は、図4に示すアダプタと同一のアダプタ100の実施形態を示している。このアダプタの作製については、図4のアダプタに関する詳細な説明を参照されたい。追加的に、図7のアダプタ100は、ポート52を見えなくする機能、特にポート52を覆って見えなくする機能を果たす少なくとも1つのチーク部102を有する。アダプタ100は単独のチーク部102を有し得るが、アダプタはアダプタ100の両側に形成された2つのチーク部102を有することも可能である。
【0083】
例えば、チーク部102は頭部から出現するものであり、アダプタの成形作業中に頭部とともに単独部品として形成される。チーク部102は、本体部2の側部で、軸(Ox)に沿って長手方向に且つ軸(Oz)に沿って鉛直方向に延在している。換言すれば、チーク部102は、アダプタ100の本体部を画定する側壁に平行である、又は実質的に平行である。
【0084】
図示のように、チーク部102は、アダプタ100の本体部から距離を置いて横手方向にも配置されている。これにより、チーク部102とアダプタの本体部2との間にスペースが形成される。アダプタ100がクレビスに取り付けられると、クレビス500の側壁51がこのスペースを塞ぐ。
【0085】
一旦本発明によるアダプタ100が駆動アーム5のクレビス500に組み付けられると、クレビス500の頂壁50及びアダプタの頭部1の頂壁10、並びにクレビスの側壁51及びアダプタの頭部1の側部フランク11は、有利には、連続した表面を形成し、これにより、全体的な外観が良好になることとともに、アセンブリの正常な動作に害を及ぼし得るデブリ、汚れ又は微粒子が堆積し得る場所がなくなる、ということに留意されたい。
【0086】
図1に示すようにワイパーブレード7に堅固に接続されたコネクタ8への組付のために、本発明によるアダプタ100は、コネクタ8に接続するための回転連結手段を有している。回転連結手段の一例によれば、トラニオン、有利には唯一のトラニオンが、本体部2の側部フランク21a、21bのうちの少なくとも一方の内面から内側容積部101の内部において横手方向に延びるように配置される。このようなトラニオンは、実質的に円筒形状であり、アダプタの横手方向回転軸Y1にセンタリングされる。有利には、横手方向回転軸Y1は、本発明によるアダプタ100の本体部を、ショルダ14の付近で通過する。
【0087】
有利には、実質的に円筒形状のトラニオンが延び出る側部フランクと反対側の本体部2の側部フランク21a、21bは、横手方向回転軸Y1に実質的にセンタリングされたウィンドウ61を有する。図3に示すように、開口61がセンタリング手段3を支持する頭部1の第1側部フランク11aに対応する本体部2の第1側部フランク21aに形成され、センタリング手段3の寸法は、有利には、当該センタリング手段3が開口61をブロックしないように決定される。
【0088】
次いで、本発明によるアダプタ100のワイパーブレードに堅固に接続されたコネクタ8に対する組付を、実質的に円筒形状のトラニオンをコネクタ8の対となるオリフィスに係合することで実施する。しかしながら、本発明に不利な影響を及ぼすことなく、あらゆる同等の手段が使用され得ることに留意されたい。したがって、制限されることなく、同一の横手方向回転軸Y1にセンタリングされた2つの実質的に円筒形状のトラニオンが、アダプタの内側容積部101内に互いに対面するように配置されて、コネクタ8に形成された貫通孔と協働することが可能であり、又は、このような連結を、コネクタ8に配置されたトラニオンと本発明によるアダプタの側部フランクに形成された単数又は複数のオリフィスであって同一の横手方向軸Y1にセンタリングされたオリフィスとの協働によって実施することも可能である。しかしながら、後者の場合、単独又は複数のセンタリング手段3の寸法は、有利には、センタリング手段がオリフィスをブロックしないように決定される。最後に、このような回転連結手段は、アダプタ及びコネクタの両方に形成されたオリフィスと、これらのオリフィスに設置されたシャフト、例えば金属シャフトと、によって形成され得る。
【0089】
したがって、本発明は、上述のタイプの特殊なクレビス500を有する駆動アーム5に対するアダプタ100の、上記の鉛直方向における単純で効果的なセンタリングと、選択的なブロックとを保証する、単純な実施が容易である手段を提供する。しかしながら、本発明は、上述及び図示の手段や配置に限定されず、あらゆる同等の手段又は配置、及びこのような手段のあらゆる組み合せに適用される。
【0090】
特に、異なる変形実施形態によれば、本発明によるアダプタ100は、本文書に記載の単独のセンタリング手段3、又は頭部1の側部フランク11a、11bのそれぞれに配置された2つのセンタリング手段を有し得る。
【0091】
別の変形実施形態によれば、横手方向ラグ4が図5及び図6に示される。このような横手方向ラグ4は、本発明によるアダプタ100の本体部2の一方又は両方の側部フランク21a、21bに配置され、対応するセンタリング手段3を長手方向に延長し得る。本発明によるアダプタ100の上述のタイプのクレビス500に対する組付において、このラグ4は、クレビス500の対応するポート52の内部において、アダプタ100の最初の係合及び最初のガイド形状を提供する。
【0092】
アダプタ100をクレビス500に最終的に組み付けた後、少なくとも1つの横手方向ラグ4はアダプタ100をポート52において軸(Oz)に沿って保持することに貢献しない点において受動的になり、より全体的にクレビス500の内部に入る。その外径は、軸(Oz)に沿って測定したポート52の高さより小さい。しかしながら、ラグ4は、クレビス500内での同一の軸(Oz)に沿ったアダプタ100の締結が解除又は破綻してしまった場合の追加の固定手段を形成する。
【0093】
本例において、ラグ4は円形断面を有しているが、本発明はこの特殊な形状に限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7