【実施例】
【0042】
実施例1
質量減少試験は、3つのサンプルキャストフィルムについて実施された。サンプル1(X−51 30p)は、液体配合物の74重量%の量のポリテトラフルオロエチレン分散液(DuPont製PTFE DISP 30)(乾燥フィルム中に80重量%のPTFEを構成する)と、液体配合物の26重量%の量の反応性シリコーン(Shin Etsu製X−51−1318)(乾燥フィルム中に20重量%のシリコーンを構成する)とを含む組成物から製造された。サンプル2(Polon−MF−56−30p)は、液体配合物の72重量%の量のポリテトラフルオロエチレン(DuPont製PTFE DISP 30)(乾燥フィルム中に80重量%のPTFEを構成する)と、液体配合物の28重量%の量の反応性シリコーン(Shin Etsu製Polon MF−56)(乾燥フィルム中に20重量%のシリコーンを構成する)とを含む組成物から製造された。サンプル3は、液体配合物の82重量%の量のポリテトラフルオロエチレン(DuPont製PTFE DISP 30)(乾燥フィルム中に80重量%のPTFEを構成する)と、液体配合物の18重量%の量の予備硬化シリコーン(Wacker製Finish CT 27E)(乾燥フィルム中に20重量%のシリコーンを構成する)とを含む組成物から製造された比較サンプルである。
【0043】
各サンプルを毎分約20℃の速度で少なくとも600℃の温度に加熱した。結果を、TG%をy軸および温度(℃)をx軸としてプロットした
図7および8、ならび下記の表1および2に示す。
図7では、質量減少は、380℃での質量から450℃での質量を減算し、その差を380℃での質量で除算することによって計算された。
図8では、質量減少は、380℃での質量から500℃での質量を減算し、その差を380℃での質量で除算することによって計算された。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
質量減少試験によって示されるように、本明細書に記載されたポリマー材料は、予想外に高い熱安定性(より低い質量減少に対応する)を有することができる。
【0047】
さらに、シリコーンが物品の最上層に存在する場合、表面のフーリエ変換赤外分光法(FTIR)データは、さらに低い温度で予備硬化シリコーン生成物のより多くの劣化を示す。
【0048】
実施例2
6つのサンプルを、絶縁耐力、引張強度、および引裂強度について試験した。サンプル4では、3パスのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)がスタイル1080のガラス布上に被覆され、シリコーンは使用されなかった。サンプル5〜9では、各サンプルは、スタイル1080のガラス布上に被覆された、30容量%の反応性シリコーンおよび70容量%のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む組成物を用いて形成された。絶縁耐力は、Beckman絶縁耐力試験機およびタイプ3電極を用いて、ASTM D149の方法Cに従って測定された。引張強度は、ASTM D309に従って、機械方向(MD)および機械に直交する方向(CD)で測定された。引裂強度は、ASTM D751に従って、機械方向(MD)および機械に直交する方向(CD)で測定された。結果を下記の表3に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
SEM−630は、カナダ、オンタリオ州のSILCHEM INC.から入手可能な反応性シリコーンエマルジョンである。
【0051】
X−51−1318、Polon MF−56、およびPolon MF−33Aは、米国オハイオ州アクロンのShin−Etsu Silicones of America,Inc.から入手可能な反応性シリコーンエマルジョンである。
【0052】
COATOSIL DRIは、米国ニューヨーク州ウォーターフォードのMOMENTIVEから入手可能な反応性シリコーンエマルジョンである。
【0053】
実施例3
3つのサンプルが、摩擦係数および摩耗率について評価された。サンプル10は、スタイル1080のガラス布上に被覆された3パスのPTFEから形成された。サンプル11は、スタイル1080のガラス布上の、30容量%のシリコーンおよび70容量%のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む2パスの組成物から形成された。サンプル12は、スタイル1080のガラス布上の、第1のパスのPTFE、および30容量%のシリコーンおよび70容量%のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む第2のパスの組成物から形成された。摩擦係数および摩耗率は、NANOVEA摩擦計、および円形軌道上を回転しているサンプルに荷重を加えるボールベアリングを用いて試験された。摩擦計のベースは、水平位置にレベル出しされ、ボールは、荷重アーム内に保持されて、垂直荷重が確実に垂直に加えられるように、サンプル上に載っているときに摩擦計のアームが水平にレベル出しされることが可能な高さに配置された。次に、アームとボールホルダーが当初、サンプル表面に力を加えないことが確実になるように、アームをカウンターウェイトと釣り合わせた。試験に必要な荷重に対応する重りが、アームのボールホルダー上に載せられた。次いで、ソフトウェアを介して、下記の表3および4の試験パラメータおよび環境条件の下で試験が開始および実施されて、摩擦力が経時的に記録される。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
各サンプルを移動ステージ上に装着し、荷重がサンプル表面上のボールによって加えられている間、ステージが、サンプルを回転運動で移動させた(
図9参照、接触点にボールを使用)。アーム上のひずみゲージセンサを使用して、ボールとサンプルとの間に生じた摩擦力が測定された。摩擦係数(COF)がその場で記録され、減少した材料の体積が測定されて、サンプルの摩耗率が計算された。
【0057】
評価結果を表6および
図10〜12に示す。サンプル10では、
図10に示されるように、ボールベアリングが、PTFE層を通ってガラス布まで急速に磨耗させた。サンプル11では、
図11に示されるように、摩擦係数は、PTFEに対するものより若干高いところから始まったが、そのうち貫通してガラス布まで磨耗させて次第にわずかに上昇するまで、時間とともに低下し、サンプル10よりも改善された磨耗率を示した。サンプル12では、
図12に示されるように、摩擦係数は、サンプル10とほぼ同じところから始まり、貫通してPTFE−シリコーン混合物まで摩耗させるときに若干増加し、次いで、ボールベアリングが貫通してガラス布まで摩耗させると次第に上昇し、同様にサンプル10よりも改善された摩耗率を示した。
【0058】
【表6】
【0059】
実施例4
3つのサンプルが、塗膜密着強度について評価された。サンプル13は、1パスのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)基材の水分散液をガラス布上に被覆することによって形成された。サンプル14は、20容量%の反応性シリコーンと80容量%のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)基材とを含む、1パスの組成物をガラス布上に被覆することによって形成された。サンプル15は、20容量%の予備硬化シリコーンと80容量%のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)基材とを含む、1パスの組成物をガラス布上に被覆することによって形成された。3つのサンプル全てについて、塗膜密着力を、インストロン試験法「adhesion for CF under 20 mil.im_ptf」、クロスヘッドスピード2インチ/分、ゲージ長さ1インチを用いて試験した。サンプル13、14、および15の各々の12個の1インチ×6インチ切片が縦方向に切断され、次いで2,000ポンドのインストロンロードセルを使用して試験された。評価結果を表7および
図13に示す。
【0060】
【表7】
【0061】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。それらの態様および実施形態のいくつかを以下に記載する。本明細書を読了後、当業者は、それらの態様および実施形態が単に例証的なものであり、本発明の範囲を限定しないことを理解する。実施形態は、以下に列挙される項目のうちのいずれか1つ以上に合致し得る。
【0062】
実施形態1.フルオロポリマー成分を含む分散液と、反応性シリコーン成分を含むエマルジョンとを含む組成物であって、フルオロポリマー成分が、平均粒径Dを有する複数のフルオロポリマー粒子を含み、この組成物から形成された単一パスフィルムが、少なくとも1.25×10
−5×D
2.5の限界亀裂厚みCCT(ただし、CCTはミクロン単位、Dはナノメートル単位)を有する、組成物。
【0063】
実施形態2.Dが最大400nm、または最大380nm、または最大360nm、または最大300nmである、実施形態1に記載の組成物。
【0064】
実施形態3.Dが少なくとも150nm、または少なくとも200nm、または少なくとも240nmである、実施形態1または2に記載の組成物。
【0065】
実施形態4.Dが150〜400nmの範囲内、または180〜300nmの範囲内である、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
【0066】
実施形態5.CCTが少なくとも25ミクロン、または少なくとも30ミクロン、または少なくとも40ミクロン、または少なくとも50ミクロンである、実施形態2〜4のいずれか1つに記載の組成物。
【0067】
実施形態6.CCTが最大100ミクロン、または最大90ミクロン、または最大80ミクロンである、実施形態2〜5のいずれか1つに記載の組成物。
【0068】
実施形態7.反応性シリコーン成分がシロキサンを含む、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の組成物。
【0069】
実施形態8.シロキサンがポリジメチルシロキサンを含む、実施形態7に記載の組成物。
【0070】
実施形態9.反応性シリコーン成分が、架橋に適した1つ以上の官能末端基を有するシリコーンポリマーを含む、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の組成物。
【0071】
実施形態10.1つ以上の官能末端基が、ヒドロキシル、アルキルシロキサン、ビニル、アミノ、メトキシ、メタクリル、ポリエーテル、シラノール、カルボン酸無水物、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態9に記載の組成物。
【0072】
実施形態11.反応性シリコーン成分が、ポリマー骨格中にメチル基以外の基を有するシリコーンポリマーを含む、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の組成物。
【0073】
実施形態12.メチル基以外の基が、フェニル、メトキシ、エトキシ、メルカプト、カルボキシル、アクリレート、イソシアネート、酸無水物、ポリエーテル、アラルキル、フルオロアルキル、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態11に記載の組成物。
【0074】
実施形態13.単一パスフィルムの反応性シリコーン成分が、単一パスフィルムの総重量基準で少なくとも6重量%、または少なくとも9重量%、または少なくとも12.5重量%、または少なくとも16重量%、または少なくとも20重量%である、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の組成物。
【0075】
実施形態14.フッ素化成分が、フルオロポリマーまたはさらにはペルフルオロポリマーを含む、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の組成物。
【0076】
実施形態15.フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロプロピルビニルエーテルとのコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロメチルビニルエーテルとのコポリマー(MFA)、エチレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマー(ETFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマー(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびフッ化ビニリデンを含むターポリマー(THV)、またはそれらの任意の配合物もしくは任意の合金を含む、実施形態14に記載の組成物。
【0077】
実施形態16.フッ素化成分が、単一パスフィルム中に、単一パスフィルムの総重量基準で最大94重量%、または最大91重量%、または最大87.5重量%、または最大84重量%、または最大80重量%の量で存在する、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の組成物。
【0078】
実施形態17.顔料、界面活性剤、または消泡剤からなる群から選択される充填剤をさらに含む、実施形態1〜16のいずれか1つに記載の組成物。
【0079】
実施形態18.充填剤が、最大40重量%、または最大30重量%、または最大20重量%、または最大10重量%の量で存在する、実施形態17に記載の組成物。
【0080】
実施形態19.充填剤が少なくとも0.1重量%、または少なくとも1重量%、または少なくとも3重量%、または少なくとも5量%の量で存在する、実施形態17および18のいずれか1つに記載の組成物。
【0081】
実施形態20.実施形態1〜19のいずれか1つに記載の組成物から形成されたポリマー材料。
【0082】
実施形態21.フッ素化成分とシリコーン成分とを含むポリマー材料であって、質量減少試験に従って測定されたときに、450℃で最大5重量%、または500℃で最大12.5重量%、または550℃で最大30重量%の質量減少を有する、ポリマー材料。
【0083】
実施形態22.シリコーン成分が、ポリマー材料中に、ポリマー材料の総重量基準で少なくとも6重量%、または少なくとも9重量%、または少なくとも12.5重量%、または少なくとも16重量%、または少なくとも20重量%の量で存在する、実施形態20および21のいずれか1つに記載のポリマー材料。
【0084】
実施形態23.フッ素化成分が、ポリマー材料の総重量基準で最大94重量%、または最大91重量%、または最大87.5重量%、または最大84重量%、または最大80重量%の量で存在する、実施形態20〜22のいずれか1つに記載のポリマー材料。
【0085】
実施形態24.単層を含む物品であって、単層が実施形態20〜23のいずれか1つに記載のポリマー材料を含む、物品。
【0086】
実施形態25.複数の層を含む物品であって、少なくとも1つの層が、実施形態20〜23のいずれか1つに記載のポリマー材料を含む、物品。
【0087】
実施形態26.補強層を含まない、実施形態24および25のいずれか1つに記載の物品。
【0088】
実施形態27.層のうちの少なくとも1つが補強層を含む、実施形態25に記載の物品。
【0089】
実施形態28.ポリマー材料を含む層が補強層と直接接触する、実施形態27に記載の物品。
【0090】
実施形態29.補強層が複数の繊維を含む布を含む、実施形態27および28のいずれか1つに記載の物品。
【0091】
実施形態30.複数の繊維が、ガラス繊維またはアラミド繊維のうちの少なくとも1つを含む、実施形態29に記載の物品。
【0092】
実施形態31.ポリマー材料が複数の繊維に含浸している、実施形態29および30のいずれか1つに記載の物品。
【0093】
実施形態32.ポリマー材料を含む層の上に重なる第2のポリマー層を含む、実施形態25〜31のいずれか1つに記載の物品。
【0094】
実施形態33.第2のポリマー層が、補強層と、ポリマー材料を含む層との間に配設されている、実施形態32に記載の物品。
【0095】
実施形態34.ポリマー材料を含む層が、補強層と第2のポリマー層との間に配設されている、実施形態32の物品。
【0096】
実施形態35.第2のポリマー層がフルオロポリマーを含む、実施形態32〜34のいずれか1つに記載の物品。
【0097】
実施形態36.第2のポリマー層がシリコーンを含まない、実施形態32〜35のいずれか1つに記載の物品。
【0098】
実施形態37.ポリマー材料を製造する方法であって、
フッ素化成分を含む分散液を提供することと、
反応性シリコーン成分を含むエマルジョンを提供することと、
分散液とエマルジョンとを混合して組成物を形成することと、
組成物を乾燥してポリマー材料を形成することと、を含む、方法。
【0099】
実施形態38.組成物を担体層上に被覆して層を形成することをさらに含む、実施形態37に記載の方法。
【0100】
実施形態39.組成物が、実施形態1〜19のいずれか1つに記載の組成物を含む、実施形態37および38のいずれか1つに記載の方法。
【0101】
実施形態40.少なくとも1パスを部分的に焼結して半溶融層を提供することをさらに含む、実施形態37〜39のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
実施形態41.ポリマー材料を焼結して焼結ポリマー材料を形成することをさらに含む、実施形態37〜40のいずれか1つに記載の方法。
【0103】
実施形態42.焼結温度が少なくとも320℃、または少なくとも350℃、または少なくとも360℃、または少なくとも370℃、または少なくとも380℃である、実施形態41に記載の方法。
【0104】
実施形態43.焼結ポリマー材料が、反応性シリコーン成分に由来するシリコーン成分を含む、実施形態42に記載の方法。
【0105】
実施形態44.組成物またはポリマー材料が、ナノ粒子状シリコーン、アルミナ、またはシリカをさらに含む、実施形態1〜43のいずれか1つに記載の組成物、物品、または方法。
【0106】
実施形態45.フルオロポリマー成分を含む分散液と、シリコーン成分を含むエマルジョンとを含む組成物であって、フルオロポリマー成分が、平均粒径Dを有する複数のフルオロポリマー粒子を含み、この組成物から形成された単一パスフィルムが、少なくとも1.25×10
−5×D
2.5の限界亀裂厚みCCT(ただし、CCTはミクロン単位、Dはナノメートル単位)を有する、組成物。
【0107】
実施形態46.Dが最大400nm、または最大380nm、または最大360nm、または最大300nmである、実施形態45に記載の組成物。
【0108】
実施形態47.Dが少なくとも150nm、または少なくとも200nm、または少なくとも240nmである、実施形態45または46に記載の組成物。
【0109】
実施形態48.Dが150〜400nmの範囲内、または180〜300nmの範囲内である、実施形態45〜47のいずれか1つに記載の組成物。
【0110】
実施形態49.CCTが少なくとも25ミクロン、または少なくとも30ミクロン、または少なくとも40ミクロン、または少なくとも50ミクロンである、実施形態45〜48のいずれか1つに記載の組成物。
【0111】
実施形態50.CCTが最大100ミクロン、または最大90ミクロン、または最大80ミクロンである、実施形態45〜48のいずれか1つに記載の組成物。
【0112】
実施形態51.反応性シリコーン成分がシロキサンを含む、実施形態45〜50のいずれか1つに記載の組成物。
【0113】
実施形態52.シロキサンがポリジメチルシロキサンを含む、実施形態51に記載の組成物。
【0114】
実施形態53.反応性シリコーン成分が、架橋に適した1つ以上の官能末端基を有するシリコーンポリマーを含む、実施形態45〜52のいずれか1つに記載の組成物。
【0115】
実施形態54.1つ以上の官能末端基が、ヒドロキシル、アルキルシロキサン、ビニル、アミノ、メトキシ、メタクリル、ポリエーテル、シラノール、カルボン酸無水物、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態53に記載の組成物。
【0116】
実施形態55.反応性シリコーン成分が、ポリマー骨格中にメチル基以外の基を有するシリコーンポリマーを含む、実施形態45〜54のいずれか1つに記載の組成物。
【0117】
実施形態56.メチル基以外の基が、フェニル、メトキシ、エトキシ、メルカプト、カルボキシル、アクリレート、イソシアネート、酸無水物、ポリエーテル、アラルキル、フルオロアルキル、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態55に記載の組成物。
【0118】
実施形態57.単一パスフィルムの反応性シリコーン成分が、単一パスフィルムの総重量基準で少なくとも6重量%、または少なくとも9重量%、または少なくとも12.5重量%、または少なくとも16重量%、または少なくとも20重量%である、実施形態45〜56のいずれか1つに記載の組成物。
【0119】
実施形態58.フッ素化成分が、フルオロポリマーまたはさらにはペルフルオロポリマーを含む、実施形態45〜57のいずれか1つに記載の組成物。
【0120】
実施形態59.フルオロポリマーが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロプロピルビニルエーテルとのコポリマー(PFA)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロメチルビニルエーテルとのコポリマー(MFA)、エチレンとテトラフルオロエチレンとのコポリマー(ETFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマー(ECTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびフッ化ビニリデンを含むターポリマー(THV)、またはそれらの任意の配合物もしくは任意の合金を含む、実施形態58に記載の組成物。
【0121】
実施形態60.フッ素化成分が、単一パスフィルム中に、単一パスフィルムの総重量基準で最大94重量%、または最大91重量%、または最大87.5重量%、または最大84重量%、または最大80重量%の量で存在する、実施形態45〜59のいずれか1つに記載の組成物。
【0122】
実施形態61.顔料、界面活性剤、または消泡剤からなる群から選択される充填剤をさらに含む、実施形態1〜60のいずれか1つに記載の組成物。
【0123】
実施形態62.充填剤が、最大40重量%、または最大30重量%、または最大20重量%、または最大10重量%の量で存在する、実施形態61に記載の組成物。
【0124】
実施形態63.充填剤が少なくとも0.1重量%、または少なくとも1重量%、または少なくとも3重量%、または少なくとも5重量%の量で存在する、実施形態17または18に記載の組成物。
【0125】
実施形態64.実施形態1〜63のいずれか1つに記載の組成物から形成されたポリマー材料。
【0126】
実施形態65.フッ素化成分とシリコーン成分とを含むポリマー材料であって、質量減少試験に従って測定されたときに、450℃で最大5重量%、または500℃で最大12.5重量%、または550℃で最大30重量%の質量減少を有する、ポリマー材料。
【0127】
実施形態66.シリコーン成分が、ポリマー材料中に、ポリマー材料の総重量基準で少なくとも6重量%、または少なくとも9重量%、または少なくとも12.5重量%、または少なくとも16重量%、または少なくとも20重量%の量で存在する、実施形態64または65に記載のポリマー材料。
【0128】
実施形態67.フッ素化成分が、ポリマー材料の総重量基準で最大94重量%、または最大91重量%、または最大87.5重量%、または最大84重量%、または最大80重量%の量で存在する、実施形態64または65に記載のポリマー材料。
【0129】
実施形態68.単層を含む物品であって、単層が実施形態64〜67のいずれか1つに記載のポリマー材料を含む、物品。
【0130】
実施形態69.複数の層を含む物品であって、少なくとも1つの層が、実施形態64〜67のいずれか1つに記載のポリマー材料を含む、物品。
【0131】
実施形態70.補強層を含まない、実施形態68または69に記載の物品。
【0132】
実施形態71.層のうちの少なくとも1つが補強層を含む、実施形態69に記載の物品。
【0133】
実施形態72.ポリマー材料を含む層が補強層と直接接触する、実施形態71に記載の物品。
【0134】
実施形態73.補強層が複数の繊維を含む布を含む、実施形態71または72に記載の物品。
【0135】
実施形態74.複数の繊維が、ガラス繊維またはアラミド繊維のうちの少なくとも1つを含む、実施形態73に記載の物品。
【0136】
実施形態75.ポリマー材料が複数の繊維に含浸している、実施形態73または74に記載の物品。
【0137】
実施形態76.ポリマー材料を含む層の上に重なる第2のポリマー層を含む、実施形態68〜75のいずれか1つに記載の物品。
【0138】
実施形態77.第2のポリマー層が、補強層と、ポリマー材料を含む層との間に配設されている、実施形態76に記載の物品。
【0139】
実施形態78.ポリマー材料を含む層が、補強層と第2のポリマー層との間に配設されている、実施形態76に記載の物品。
【0140】
実施形態79.第2のポリマー層がフルオロポリマーを含む、実施形態76〜78のいずれか1つに記載の物品。
【0141】
実施形態80.第2のポリマー層がシリコーンを含まない、実施形態76〜79のいずれか1つに記載の物品。
【0142】
実施形態81.ポリマー材料を製造する方法であって、フッ素化成分を含む分散液を提供することと、シリコーン成分を含むエマルジョンを提供することと、分散液とエマルジョンとを混合して組成物を形成することと、組成物を乾燥してポリマー材料を形成することと、を含む、方法。
【0143】
実施形態82.組成物を担体層上に被覆して層を形成することをさらに含む、実施形態81に記載の方法。
【0144】
実施形態83.組成物が、実施形態45〜63のいずれか1つに記載の組成物を含む、実施形態81および82のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
実施形態84.少なくとも1パスを部分的に焼結して半溶融層を提供することをさらに含む、実施形態81〜83のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
実施形態85.ポリマー材料を焼結して焼結ポリマー材料を形成することをさらに含む、実施形態81〜84のいずれか1つに記載の方法。
【0147】
実施形態86.焼結温度が少なくとも320℃、または少なくとも350℃、または少なくとも360℃、または少なくとも370℃、または少なくとも380℃である、実施形態85に記載の方法。
【0148】
実施形態87.焼結ポリマー材料が、反応性シリコーン成分に由来するシリコーン成分を含む、実施形態86に記載の方法。
【0149】
実施形態88.組成物またはポリマー材料が、ナノ粒子状シリコーン、アルミナ、またはシリカをさらに含む、実施形態1〜87のいずれか1つに記載の組成物、物品、または方法。
【0150】
実施形態89.フルオロポリマー成分を含む分散液と、シリコーン成分を含むエマルジョンとを含む組成物であって、フルオロポリマー成分が、平均粒径Dを有する複数のフルオロポリマー粒子を含み、この組成物から形成された単一パスフィルムが限界亀裂厚みを有し、塗膜密着性試験に従って測定されたときに、少なくとも約1.5ポンドの平均塗膜密着力を含む、組成物。
【0151】
実施形態90.フルオロポリマー成分を含む分散液と、反応性シリコーン成分を含むエマルジョンとを含む組成物であって、フルオロポリマー成分が、平均粒径Dを有する複数のフルオロポリマー粒子を含み、この組成物から形成された単一パスフィルムが限界亀裂厚みを有し、塗膜密着性試験に従って測定されたときに、少なくとも約1.5ポンドの平均塗膜密着力を含む、組成物。
【0152】
概要または実施例にて上述の行為の全てが必要とされるわけではないこと、特定の行為のうちの一部分は必要とされない場合があること、また1つ以上のさらなる行為が記載のものに加えて実施される場合があることに留意されたい。またさらに、行為が列挙される順序は、必ずしもそれらが実施される順序ではない。
【0153】
利益、他の利点、および問題の解決策が、特定の実施形態に関して上記に説明されてきた。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、および任意の利益、利点、もしくは解決策を生じさせるか、またはより明白にさせることができる任意の特徴(複数可)は、特許請求の範囲内のうちのいずれかまたは全ての決定的な、必須の、または本質的な特徴と解釈されるべきではない。
【0154】
本明細書に記載の実施形態の明細書および例示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解をもたらすことが意図される。明細書および例示は、本明細書に記載の構造または方法を使用する装置およびシステムの要素および特徴の全ての徹底的および包括的説明として機能することを意図しない。別個の実施形態はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよく、反対に、簡潔さのために単一の実施形態の文脈に記載の様々な特徴もまた、別個にまたは任意の下位組み合わせで提供されてもよい。さらに、範囲内に記載の値への言及は、その範囲内の各値および全ての値を含む。多数の他の実施形態は、本明細書を単に読んだ後にのみ当業者に明らかとなり得る。構造的置換、論理的置換、または別の変更が本開示の範囲から逸脱することなくなされることができるように、他の実施形態が使用されかつそれから派生してもよい。したがって、本開示は、制限的であるよりもむしろ例証的であるとみなされるべきである。