(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
液体クロマトグラフィ(LC)は、所与のサンプル中の組成元素を分離するための周知の技法である。従来のLCシステムでは、液体溶媒(「移動相」と称される)が、リザーバから導入され、LCシステムを通して圧送される。移動相は、圧力下でポンプから退出する。移動相は、次いで、管類を介してサンプル注入弁まで進行する。名称が示唆するように、サンプル注入弁は、オペレータがサンプルをLCシステムの中に注入することを可能し、サンプルは、移動層とともに搬送される。
【0004】
従来のLCシステムでは、サンプルおよび移動相は、カラムに達する前に1つ以上のフィルタと、多くの場合、ガードカラムとを通過する。典型的なカラムは、通常、「充塞」材料で充塞された鋼管類の一部品から成る。「充塞」部は、カラムの内側に「充塞」された粒子材料から成る。これは、通常、シリカまたはポリマーベースの粒子から成り、これらは、多くの場合、化学官能性と化学結合される。充塞材料はまた、固定相としても公知である。分離の基本原理のうちの1つは、移動相が連続的に固定相を通過することである。サンプルがカラムを通して(移動相とともに)搬送されるとき、サンプル中の種々の成分(溶質)は、異なる率でカラム内の充塞部を通して移動する(すなわち、溶質の差分移動が、存在する)。言い換えると、サンプル中の種々の成分は、異なる率でカラムを通して移動するであろう。異なる移動率のため、成分は、カラムを通して移動するにつれて徐々に分離する。差分移動は、移動相の組成、固定相(すなわち、カラムが「充塞」される材料)の組成、および分離が起こる温度等の要因によって影響を受ける。したがって、そのような要因は、サンプルの種々の成分の分離に影響を及ぼすであろう。
【0005】
いったんサンプル(ここでは分離されたその成分を伴う)がカラムを出ると、これは、移動相とともに検出器を過ぎて流動する。検出器は、具体的な分子または化合物の存在を検出する。2つの一般的なタイプの検出器が、LC用途において使用される。一方のタイプは、移動相およびサンプルのある全体的な物理的性質(その屈折率等)における変化を測定する。他方のタイプは、サンプルのある性質(紫外線放射の吸収等)のみを測定する。本質的に、LCシステムにおける典型的な検出器は、サンプルの成分の単位体積あたりの質量(ミリリットルあたりのグラム等)または単位時間あたりの質量(秒あたりのグラム等)の観点から測定し、出力を提供することができる。そのような出力信号から、「クロマトグラム」が、提供されることができ、クロマトグラムは、次いで、サンプル中に存在する化学成分を判定するために、オペレータによって使用されることができる。
【0006】
上記の構成要素に加えて、LCシステムは、サンプルの汚染またはLCシステムへの損傷を防止するために、多くの場合、フィルタ、逆止弁、ガードカラム、もしくは同等物を含むであろう。例えば、吸込溶媒フィルタは、溶媒がポンプに到達する前に、溶媒(または移動相)から粒子を濾過して除去するために使用され得る。ガードカラムは、多くの場合、分析カラムまたは分取カラム、すなわち、一次カラムの前に置かれる。そのようなガードカラムの目的は、そうでなければ分析カラムまたは分取カラムに不可逆的に結合し得る望ましくないサンプル成分を吸収することによって、一次カラムを「ガード」することである。
【0007】
実践では、LCシステムにおける種々の構成要素は、所与のタスクを実施するために、オペレータによって接続されてもよい。例えば、オペレータは、適切な移動相およびカラムを選択し、次いで、動作前に、選択された移動相ならびに選択されたカラムの供給部をLCシステムに接続するであろう。高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)用途のために適切であるために、各接続は、HPLCシステムの典型的な動作圧力に耐えることが可能でなければならない。接続が弱すぎる場合、これは、漏出し得る。漏出は、確実に、分析されるべきサンプルの非一貫した結果または全体的損失等、不成功もしくは不正確な分析をもたらすであろう。時として、移動相として使用される溶媒のタイプは、多くの場合、有毒であり、使用のための多くのサンプルを取得および/または調製することは、多くの場合、高価であるため、いかなるそのような接続不具合も、深刻な懸念となる。
【0008】
1つの試験が終了した後、次の試験が始まる前に、オペレータがカラム(または他の構成要素)をLCシステムから接続解除し、次いで、異なるカラム(もしくは他の構成要素)をその位置に接続することは、非常に一般的である。特に、HPLC用途における漏出防止接続の重要性を前提として、オペレータは、接続が十分であることを確認するための時間をとらなければならない。カラム(または他の構成要素)の交換は、1日に数回起こり得る。さらに、カラム(または他の構成要素)を接続解除し、次いで、接続する際に伴う時間は、LCシステムが使用されず、オペレータがサンプルの調製または他のより生産的な活動の代わりに、システムの配線に従事するため、非生産的である。したがって、従来のLCシステムにおけるカラムの交換は、かなりの無駄な時間および非効率性を伴う。
【0009】
漏出防止接続の必要性に関する懸念を前提として、従来の接続は、ステンレス鋼管類およびステンレス鋼端部継手を用いて作製されている。しかしながら、より最近では、LCシステムにおけるステンレス鋼製の構成要素の使用が、生物学的サンプルを伴う状況において潜在的な欠点を有することが認識されている。例えば、サンプル中の成分は、ステンレス鋼管類の壁に付着し得る。これは、サンプルの成分またはイオンの一部が管類に留まり、検出器を通過しない場合、所与のサンプルの検出器の測定値(したがって、クロマトグラム)がサンプルを正確に反映し得ないため、問題を提示する。しかしながら、おそらく、さらなる大きな懸念として、ステンレス鋼管類からのイオンが、管類から離れ、検出器を過ぎて流動し、したがって、潜在的に誤った結果をもたらし得るという事実が、挙げられる。加えて、イオンは、着目生物学的化合物に容易に結合し、カラム内のそれらの保持時間に影響を及ぼす、分子の変化をもたらし得る。したがって、イオンが管類によって放出され、したがって、サンプルを汚染しないであろうように、そのような「生物学的」サンプルとそのようなサンプルとともに使用される移動相とに対して化学的に不活性である材料の使用を通した、「生体適合性」接続の必要性が、存在する。
【0010】
多ポート切替/注入弁は、周知であり、液体クロマトグラフィおよび質量分光測定等の種々の産業プロセスにおいて使用されている。例えば、切替弁は、一般的には、流体流を代替経路に沿って指向させるために、液体クロマトグラフィおよび他の分析方法において使用されている。そのような弁はまた、例えば、ある産業プロセスにおける種々の流動が、分析のために選択的にサンプリングされるとき等、1つの源からの流体採取を終了させ、別の流体源を選択するために使用される。
【0011】
注入/切替弁は、多くの場合、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)またはガスクロマトグラフィ(GC)において使用される。米国特許第4,242,909号(Gundelfinger第’909号)(参照することによって完全に組み込まれる)は、液体サンプルをガラス瓶から採取し、それらをクロマトグラフカラムもしくは他の分析デバイスの中に注入するためのサンプル注入装置を説明する。本装置は、廃棄物、相互汚染、およびサンプルの希釈を最小限にし、最小限の複雑性を伴う自動化に対応すると述べられている。注入/切替弁は、特に、多くの場合、複数のカラムおよび/または複数の検出システムを利用し得る特定のHPLCもしくはGCシステムを構築するために、実質的量の時間ならびに労力が、要求されるため、クロマトグラフ用途において特に有用である。多ポート切替弁は、クロマトグラフのオペレータが、特定のサンプルがある特定のカラムの中への注入のために切り替えられるように流動を再指向する、または代替として、出力をある特定のカラムから1つ以上の異なる検出器に指向することを可能にする。
【0012】
上記に言及されるように、円筒形のロータおよびステータの組み合わせを利用するものを含む、多ポート切替弁は、先般来、公知である。これらの弁のうちのいくつかのものにおいて、ステータは、流体管を相互に対して固定された関係に保持し、管端部を、溝表面を含有し得るロータ面に呈する。ロータの角度を変動させることによって、管は、選択的に流体連通される。ロータ/ステータの組み合わせを使用する注入/切替弁の1つのタイプは、Rheodyne,IncorporatedからのType 50回転弁である。Type 50弁は、扁平型ステータに対する扁平型ロータの回転によって動作すると述べられている(「Operating Instructions for Type
50 Teflon Rotary Valves」(Rheodyne,Incorporated発行、1994年4月米国において出版)を参照)。別のロータ/ステータ切替弁が、米国特許第5,193,581号(Shiroto,et al.)(参照することによって完全に組み込まれる)に示される。弁は、とりわけ、ステータプレートを通して延在する複数の出口孔を有し、弁ケーシングと同心に円内に配列されるステータプレートと、ロータ内に形成されるU字形状の通路を有するロータとを備えると述べられている。ロータは、入口孔が、ロータのU字形状の通路を通して出口孔のうちの選択される1つと流体連通し得るように、所望する角度を通して回転されると述べられている。
【0013】
米国特許第5,419,419号(Macpherson)は、自動車における自動変速装置に関して使用される、回転切替弁を説明する。モータは、変速装置を移行させるために、切替弁のシアプレートを所定の位置に送り出すと述べられている。
図6に示されるような一連の作業線は、ケーシングと閉鎖された空間関係内に維持される。
【0014】
米国特許第3,494,175号(Cusick,et al.)は、多岐管プレート部材内に離間関係に保持される複数のキャピラリを有する、弁を開示する。米国特許第3,752,167号(Makabe)は、結合具によってねじ山付きの孔内に保持される複数のキャピラリを含む、流体切替デバイスを開示する。回転部材が、管間の流体連通を可能にする。米国特許第3,868,970号(Ayers,et al.)は、流動がカラムのうちのいずれかの中に指向され得るように、複数のクロマトグラフカラムを弁に取り付けるための手段と適合されると述べられている、多位置切替弁を開示する。米国特許第4,705,627号(Miwa,et al.)は、2つのステータディスクと、2つのステータディスクの間に配置されるロータとから成ると述べられている、回転弁を開示する。ロータが断続的に旋回される度に、それを通して弁内の流体が流動する異なる通路が、形成されると述べられている。米国特許第4,722,830号(Urie,et al.)は、多ポート弁を開示する。多ポート弁は、種々のプロセス流動と接続されるサンプルループから流体サンプルを抽出するステップにおいて使用されると述べられている。
【0015】
切換弁/注入弁を使用して流体流を指向させる多くの用途では、特に、液体およびガスクロマトグラフィでは、流体の体積は、小さい。これは、分取方法とは対照的に、液体またはガスクロマトグラフィが分析方法として使用されているときに特に当てはまる。そのような方法は、多くの場合、キャピラリカラムを使用し、概して、キャピラリクロマトグラフィと称される。気相および液相の両方でのキャピラリクロマトグラフィでは、多くの場合、弁の流体流路の容積(例えば、流体流路の長さならびに/もしくはサイズ)を最小限にすることが、所望される。この理由の1つは、流体流路のためのものより大きい容積を有する弁が、比較的により大きい体積の液体を含有し、サンプルが弁の中に注入されるときに、サンプルが希釈され、分析方法の分解能および感度を低下させ、流体流路の中に導入されている死容積をもたらし得るためである。
【0016】
マイクロ流体分析プロセスもまた、小さいサンプルサイズを伴う。本明細書で使用されるように、マイクロ流体技法を伴うとみなされるサンプル体積は、わずか数ピコリットルの体積と同程度に低いものから、最大数ミリリットル程の体積まで及び得るのに対し、より従来のLC技法は、例えば、従来、多くの場合、体積が約1マイクロリットル〜約100ミリリットルのサンプルを伴っていた。したがって、本明細書に説明されるマイクロ流体技法は、従来のLC技法よりも、桁が1つまたはそれを上回ってより小さいサイズの体積を伴う。マイクロ流体技法はまた、約0.5ml/分またはそれを下回る流体流率を伴うものとしても表現されることができる。
【0017】
大部分の従来のHPLCシステムは、最大約
34.5MPa〜62.1MPa(5,000psi〜9,000psi
)程の比較的に高い圧力を生成し得るポンプを含む。多くの状況では、オペレータは、わずか数psi程〜最大
69MPa(10,000psi
)程までの範囲の「低」圧力でLCシステムを動作させることによって、正常な結果を得ることができる。しかしながら、多くの場合、オペレータは、
69MPa(10,000psi
)を上回る比較的に「より高い」圧力でLCシステムを動作させることが望ましいことを見出すであろう。
【0018】
別の比較的により新しい液体クロマトグラフィ形態は、システム圧力が約1,400バールまたは
138MPa(20,000psi
)程、またはさらにそれを上回って上昇する、超高性能液体クロマトグラフィ(UHPLC)である。より大きいクロマトグラフィ分解能およびより高いサンプル処理量を達成するために、固定相の粒子サイズは、極めて小さくなっている。1ミクロンと同程度に小さい固定相粒子が、一般的であり、結果として生じる高いカラム充塞密度は、カラムのヘッドにおける、実質的に増加されたシステム圧力をもたらす。HPLCおよびUHPLCは両方とも、上昇圧力において流体移送を利用する分析器具の実施例である。例えば、2007年12月13日に公開され、「Sample Injector System for Liquid Chromatography」と題された米国特許公開第2007/0283746A1号では、
138MPa〜828MPa(20,000psi〜120,000psi
)の範囲内の圧力を伴うと述べられている、UHPLC用途と併用するための注入システムが、説明されている。2007年12月25日にGerhardt,et al.に発行され、「Method for Using a Hydraulic Amplifier Pump in Ultrahigh Pressure Liquid Chromatography」と題された米国特許第7,311,502号では、
172.5MPa(25,000psi
)を超過する圧力を伴うUHPLCシステムにおいて使用するための油圧増幅器の使用が、説明されている。2005年12月8日に公開され、「Chromatography System with Gradient Storage
and Method for Operating the Same」と題された米国特許公開第2005/0269264A1号では、UHPLCを実施するためのシステムが、開示され、UHPLCは、
34.5MPa(5,000psi
)(および最大
414MPa(60,000psi
))を上回る圧力を伴うものとして説明されている。本出願者は、米国特許第7,311,502号ならびに米国特許公開第2007/0283746A1号および第2005/0269264A1号を、本明細書に完全に記載される場合と同様に、参照することによって本明細書に組み込む。
【0019】
留意されるように、HPLCまたはUHPLCシステムを含む液体クロマトグラフィ(ならびに他の分析)システムは、典型的には、いくつかの構成要素を含む。例えば、そのようなシステムは、ポンプと、分析物を注入するための注入弁または自動サンプラと、カラムを閉塞させ得る分析物溶液中の粒子状物質を除去するためのプレカラムフィルタと、不可逆的に吸収された化学物質を保定するための充塞層と、HPLCカラム自体と、カラムを離れる際に分散媒を分析する検出器とを含んでもよい。これらの種々の構成要素は、典型的には、通常0.001〜0.040インチの内径を有する金属管類またはポリマー管類等の小型の流体導管もしくは管類によって接続されてもよい。
【0020】
これらの種々の構成要素の全ておよび管類の長さは、典型的には、ねじ山付き継手によって相互接続される。種々のLCシステム構成要素および管類の長さを接続するための継手は、従来特許、例えば、米国特許第5,525,303号、第5,730,943号、ならびに第6,095,572号(その開示は、本明細書に完全に記載される場合と同様に、参照することによって全て本明細書に組み込まれる)に開示される。多くの場合、第1の雌ねじ山付き継手は、フェルールまたは類似するシールデバイスを用いて第1の構成要素に対してシールする。第1の継手は、手動によって、またはレンチもしくは複数のレンチの使用によって、複数回の旋回を通して、対応する外部継手を有する第2の継手にねじ式接続され、第2の継手は、ひいては、フェルールもしくは他のシールによって、第2の構成要素に対してシールされる。構成要素の交換、保守、または再構成のためにこれらの継手を接続解除することは、継手を緩めるために、多くの場合、レンチもしくは複数のレンチの使用を要求する。レンチもしくは複数のレンチが使用され得るが、プライヤまたは他の把持および保持ツール等の他のツールもまた、時として、使用される。本明細書で使用されるように、用語「LCシステム」は、数個のみの単純な構成要素から作製される、またはコンピュータ制御式もしくは同等物である多数の高性能構成要素から作製されるかにかかわらず、その広い意味において、液体クロマトグラフィに関連して使用されるシステムにおける全ての装置および構成要素を含むように意図されることが、当業者によって理解されるであろう。当業者はまた、LCシステムが1つのタイプの分析器具(AI)システムであることも理解するであろう。例えば、ガスクロマトグラフィは、多くの点において液体クロマトグラフィに類似するが、明白なこととして、分析されるべき揮発性サンプルを伴い、移動相としてガスを使用する。そのような分析器具システムは、高性能もしくは高圧液体クロマトグラフィシステム、超高性能もしくは超高圧液体クロマトグラフィシステム、質量分光測定システム、マイクロフロークロマトグラフィシステム、ナノフロークロマトグラフィシステム、ナノスケールクロマトグラフィシステム、キャピラリ電気泳動システム、逆相勾配クロマトグラフィシステム、またはそれらの組み合わせを含む。以下の議論は、液体クロマトグラフィに焦点を当てるが、当業者は、説明されるものの多くが、他のタイプのAIシステムおよび方法にも適用されることを理解するであろう。
【0021】
液体クロマトグラフィにおける圧力増加要件は、高圧流体構成要素の使用を必要としている。多くの用途に関して、通常のステンレス鋼管類が、高圧に耐えるために使用されることができる。しかしながら、いくつかのタイプの分析(例えば、生物学的試験および金属/イオン分析)に関して、ステンレス鋼または他の金属は、金属が試験と干渉し得るため、流路において所望されない。加えて、これらの用途によって要求される極めて低い体積を収容するための非常に小さい内径を要求する、いくつかの使用分野(例えば、ナノスケールまたはナノ体積分析)が、存在する。そのような小さい内径は、典型的には、ステンレス鋼または他の高圧管類において利用可能ではない。
【0022】
高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)、超高性能液体クロマトグラフィ(UHPLC)、および他の高圧分析化学用途では、種々のシステム構成要素ならびにそれらの流体連通が、
103.5MPa〜138MPa(15,000psi〜20,000psi
)程の圧力に耐えることが可能でなければならない。これらの高圧用途において流体を搬送する管と、流体を受容するポートとの間の流体連通システムのタイプは、限定されている。多くの流体連通システムは、管を受容ポートに取り付けるために、円錐形状、ねじ山付き、または溶接された継手に依拠する。しかしながら、これらのタイプの接続は、時として、欠点を有し得る。例えば、円錐形状継手およびねじ山付き継手のサイズは、任意の所与のポートのタイプならびにサイズに依存し、これは、種々のポート間に特定の円錐形状またはねじ山付き継手を用いて嵌合された管を迅速に交換することを困難にする。本問題に対処するために、他の圧縮ベースの継手が、採用されている。そのような継手は、多くの場合、管の一端を受容ポートに固着させることに役立つように、フェルールまたは係止リングを採用する。しかしながら、フェルールおよび係止リングは、複数回の使用後に(例えば、種々のポートに接続し、接続解除し、再接続することによって)変形した状態になり得る。これは、特に、液密シールが不可欠であり、フェルールまたは係止リングがそのようなシールを生成する際に変形した状態になる可能性がより高くなり得る、高圧用途において当てはまる。
【0023】
「Tube and Pipe End Cartridge Seal」と題され、2013年2月21日に公開された公開済み米国特許出願第2013/0043677号は、高圧において使用するための管およびパイプ端部カートリッジシールを説明し、これは、管の軸方向端部とのシールをもたらすための(フェルール継手を含む)継手本体に依拠する。さらに、ディンプルが、さらにシールをもたらすために、管面の環状端部に鍛造される。同様に、「Zero Dead Volume Tube to Surface Seal」と題され、2000年5月2日にBennett et al.に発行された米国特許第6,056,331号は、本体、フェルール、およびねじ山付き継手を使用して、管を表面に接続するための装置を説明している。Bennett et al.は、あるタイプの管面シール装置を開示しているが、Bennett et al.の装置は、ねじ山付き継手およびフェルールに依拠する。同様に、「Plug Unite and Connection System for Connecting Capillary Tubes,Especially for High−Performance Liquid Chromatography」と題され、2012年3月15日に公開された、公開済み米国特許出願第2012/0061955号は、キャピラリチューブのためのプラグユニット接続システムを開示し、シールが、フェルールまたは円錐形継手の場所の代わりに、キャピラリチューブとブッシングユニットとの間の界面に提供される。しかしながら、米国特許出願第2012/0061955号は、フェルールに類似する圧力部品の使用に依拠し、十分な軸方向の力が生成され、管面にシールを得ることを確実にする。
【0024】
高圧用途のためにシールをもたらすように試みる接続アセンブリは、液密シールをもたらすために有意な量のトルクを要求し、付加的なツールを使用しない状態でのそのようなシールの生成を困難にし、緊締過剰に起因する継手アセンブリまたはその構成要素の損傷のリスクを増加させ得る。さらに、多くのユーザは、管類を種々のAIシステムにおけるもの等の構成要素に接続する、またはそれから接続解除するために種々のツールを使用することを好まないことが、経験から示唆される。ユーザは、多くの場合、そのようなシステムにおいて管類および構成要素を接続または接続解除するために、異なる量のトルクを印加し、したがって、緊締過剰もしくは緊締不足によって引き起こされる潜在的な問題(例えば、流体が圧力下にあるときの漏出またはシールの損失)をもたらすと考えられる。
【0025】
平底または面シール接続アセンブリの一実施例が、「Flat Bottom Fitting Assembly」と題され、2014年4月15日にNienhuisに発行された、米国特許第8,696,038号によって提供される。Nienhuisは、平坦側面のフェルールを含むあるタイプの平底アセンブリを教示し、フェルールおよび管を含むアセンブリは、平底ポートに対して圧接されることができる。平底または面シール接続アセンブリの別の実施例が、「Biocompatible Tubing for
Liquid Chromatography Systems」と題され、2012年2月2日に公開され、Hahn et al.を代表して出願された、公開済み米国特許出願第2012/0024411号によって提供される。Hahn et al.が公開した特許出願は、内側層と外側層とを有する管類を説明し、内側層は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の生体適合性材料であり得、外側層は、異なる材料であり得、管類の端部は、漸広する、または別様に管類の他の部分よりも大きい外径を有するように適合され得る。HPLCおよびUHPLCの両方における高圧接続に関する当分野の現状は、管類を伴うある形態のフェルールならびにナットの組み合わせとともに、錐状ポートを利用することである。ナットは、回転トルクをフェルールに変換される軸方向荷重に変換する。荷重は、フェルールに管類を変形/屈折させ、それを把持させ、シールを生成する。管は、典型的には、錐状ポートの底部に押勢されるが、現在のところ、ポート底部に間隙または空間が存在しないことを確実にする機構は、存在しない。
【0026】
ポートの底部における空間は、飛沫同伴およびバンド拡大を伴って結果に悪影響を及ぼす潜在性に起因する、液体クロマトグラフィ実験を実施する人にとっての懸念事項である。飛沫同伴は、その名の通り、1つの試験からの分析物が次の試験に持ち越されることである。飛沫同伴は、明白な理由から非常に不安定な結果を生産し得る。バンド拡大は、異なる分子のピークが類似する保定時間を有するとき、物質を識別するピークがあまり対称的ではなくなり、識別をより困難にするときのことである。
【0027】
錐状ポートと併用される従来のフェルールに伴う1つの問題は、変形/屈折させるために要求されるトルクが、典型的には、UHPLC圧力を達成するために、指緊締レベルを上回る(例えば、
82.8MPa(12,000psi
)程を上回る)ことである。流体連通を行うおよび切断するために、ツールを不必要にすることによって、実験室からそれらを除去することが、望ましく、ツールではなく単純に指を用いて接続され得る継手を有することが、有利である。
【0028】
欧州特許第EP2564104号は、高圧において使用するためのシールシステムを説明している。端面シールは、シール半径を最小限にし、したがって、公知のフェルール継手を含む種々の継手が、高圧システムにおいて使用されることを可能にする。しかしながら、そのような高圧における端面シールは、平滑な表面を要求し得る。コストを低減するために、端面調製ツールが、ディンプルを端面に鍛造し、機械的に表面を変形させ、平滑にするために要求され得る。
【0029】
米国特許第6,056,331号は、3つの構成要素、すなわち、本体と、フェルールと、ねじ山付き継手とから成る装置を説明している。フェルールは、管上に圧縮され、シールが、本体の中に継手を螺着することによって、管と本体内に保定されるデバイスとの間に形成され、これは、フェルールの面をデバイス上の噛合面にシールする圧力を提供する。本シールは、使用される材料に応じて、高温において使用されてもよい。本継手は、キャピラリガスクロマトグラフィにおいて使用される微細加工シリコンウエハと併用するために、開発された。
【0030】
回転シアー弁等の多くの従来の弁において、ステータ部材は、一端において、除去可能に取り付けられ、弁に流体連通を提供し得る管類を受容するための2つ以上のポートを有する。そのようなステータ部材は、典型的には、少なくとも2つの機能の役割と果たす、すなわち、それは、ロータシールと噛合する平面状のステータ面を提供し、また、ポートとステータ面との間に流体チャネルまたは経路を提供する。典型的なそのような弁において、ステータ部材は、単一部品であり、多くの場合、管類を受容するためのポートが、概して、ステータ部材と弁の縦軸に対してある角度で配向されるように設計される。本アプローチは、概して、ステータ部材の端部表面上にいくつかのポートならびにステータ部材を弁本体に固着させるためのいくつかのねじまたはナット、および限定されたサイズのステータ部材ならびにポートのために利用可能である結果として生じる限定された空間を提供する必要性、ならびにオペレータのための十分な空間が管類をステータ部材のポートに接続かつそれから接続解除することを可能にする必要性に起因する。そのような単一部品のステータを伴う弁のある実施例が、2014年12月9日にTowerに発行され、「Rotary Shear Valve Assembly with Hard−on−Hard Seal Surfaces」と題された米国特許第8,905,075 B2号(本明細書に完全に記載される場合と同様に、参照することによって本明細書によって組み込まれる)に説明かつ示される。
【0031】
本構成は、過去において作用しており、依然として、多くの用途に関して作用しているが、これはまた、典型的には、管類の端部とステータ面との間の流体通路が、より長く、したがって、所望され得るより大きい容積を有することを要求する。当業者は、分析科学用途のために使用される弁内の容積は、概して、流体通路の容積にわたる非常に精密な制御を要求し、より小さいサンプルのサイズの使用は、そのような容積の精密な制御が重要となり得ることを意味することを理解するであろう。加えて、本タイプのステータ部材は、多くの場合、ステンレス鋼等の金属から製作され、そのようなステータ部材の製造および機械加工は、高価かつ時間がかかり得る。角度付けられたポートの使用は、ステータ部材がより大きいサイズであることを要求する傾向にあり、これはまた、そのようなステータ部材のコストを増加させる傾向にある。これらの問題に加え、構成要素の流体流路の整合は、いったん組み立てられると、そのような従来のステータ部材に関して問題となり得る。管類が、それを通して流体が流動する内径を有するであろうこと、およびステータ部材のポートが、同様に、ポートの底部に、流体経路を提供する開口部を有するであろうことを理解されたい。ステータ部材表面が製造の間にラップ仕上げされる場合、これは、多くの場合、該当することであるが、ポートの開口部は、形状、サイズ、または場所において偏移し、それによって、開口部の整合における潜在的な困難さをもたらし得るが、開口部の整合は、通常、激しい流体流を防止するために所望される。
【0032】
米国特許第3,494,175号、第3,752,167号、第3,868,970号、第4,242,909号、第4,705,627号、第4,722,830号、第5,193,581号、第5,419,419号、第5,525,303号、第5,730,943号、第6,056,331号、第6,095,572号、第7,311,502号、第7,811,452号、第8,071,052号、第8,696,038号、欧州特許第EP2564104号、および公開済み米国特許出願第2005/0269264号、第2007/0283746号、第2009/0321356号、第2010/0171055号、第2012/0024411号、第2012/0061955号、第2013/0043677号、ならびに第2016/0116088は、本明細書に完全に記載される場合と同様に、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0034】
(発明の要約)
一実施形態における本開示は、他の用途の中でもとりわけ高圧液体クロマトグラフィまたは他の分析器具システムとの併用のために有用である2部品から成るステータアセンブリを伴う、弁を提供する。一実施形態では、別個かつ除去可能なステータプレートが、提供され、搭載デバイスと係合し、弁の一端に2部品から成るステータアセンブリを提供するように適合される。搭載デバイスが、片側上において、ステータプレートに係合かつ接触するように適合され、かつ他側上において、管類を介した流体連通のための複数の継手アセンブリを受容するための複数のポートを含む。搭載デバイスのポートが、ステータプレート内の1つ以上の流体経路ならびに/もしくはステータプレートの第2の側上に位置するロータシール内の1つ以上の流体経路と流体連通している。ステータ面を搭載デバイスと明らかに異なる別個かつ交換可能な構成要素にすることによって、種々の用途における弁の使用のためのさらなる柔軟性を提供し、弁の全体的なコストを低減し、搭載デバイスおよびステータプレートのための異なる材料の使用を可能にし、かつ下記に説明されるような他の事項を含む、いくつかの利点が、達成される。搭載デバイスのポートのため、および管類を搭載デバイスのポート内に除去可能に固着するために使用される継手アセンブリのための異なる構成が、使用され得るが、面シール継手アセンブリを除去可能に保持するように適合される平底ポートが、(下記により詳細に説明されるような)利点を提供する。
【0035】
一実施形態では、第1の側と、第2の側とを有し、それを通る複数の開口部を有する搭載プレートであって、複数の開口部はそれぞれ、該搭載プレートの第1の側内に管類を除去可能に受容するように適合され、かつステータプレートは、第1の側と、第2の側とを有し、該ステータプレートの第1の側は、該搭載プレートの第2の側と係合するように適合され、該ステータプレートは、該ステータプレートの第1の側および第2の側内に複数の開口部を有し、該搭載プレートの第2の側内の少なくとも複数の開口部は、該ステータプレートの第1の側内の対応する開口部と流体連通し、該ステータプレートならびに該搭載プレートは、相互に除去可能に取り付けられる、搭載プレートを備える、液体クロマトグラフィのための高圧弁が、提供される。弁はまた、該ステータプレートの第1の側および第2の側、縦軸の周囲で回転可能であるロータシャフト、ロータシールならびに該ロータシャフトの少なくとも一部が位置する筐体のうちの少なくとも1つと係合するように適合されるロータシールであって、該搭載プレートおよび該ステータプレートは、該筐体に除去可能に取り付けられる、ロータシールを含む。弁は、第1の材料と、第2の材料から成るステータプレートから成る、搭載プレートを有してもよい。ステータプレートは、金属、生体適合性材料、および/またはセラミック材料、もしくはその組み合わせから成ることができる。該搭載プレート内の複数の開口部はさらに、管類を除去可能に受容するための平底ポートを備えることができ、該ステータプレートの第1の側はさらに、該搭載プレートのポートの底部の中に部分的に延在するように整合されたボスを備えてもよい。ステータプレートは、拡散接合等によってともに接合された複数の層を備えてもよい。搭載プレートは、アルミニウム、銅、鋼、ステンレス鋼、チタン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリスルホン、DELRIN、ULTEM、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、ポリアミド、またはその組み合わせのうちの1つ以上から成ってもよい。ステータプレートはまた、拡散接合等によってともに接合された複数の層を備えてもよく、該層のうちの少なくとも1つは、ステンレス鋼、チタン、MP35N、セラミック、ガラス、またはその組み合わせのうちの1つ以上から成ってもよい。いくつかの実施形態では、ステータプレートはさらに、誘導層であって、誘導層の下層の開口部より大きい幅を伴う開口部を備え、該搭載プレートの第2の側に隣接するように適合される誘導層を備えてもよい。加えて、ステータプレートは、該搭載デバイスおよび弁から除去可能であるように設計かつ適合されることができる。本開示による弁は、それを通した少なくとも
6.9MPa(1,000psi
)、34.5MPa(5,000psi
)、69MPa(10,000psi
)、103.5MPa(15,000psi
)、138MPa(20,000psi
)、および/または
172.5MPa(25,000psi
)の流体流の流体圧力で動作するように適合されることができる。
【0036】
一実施形態では、分析器具システムのための高圧弁のための除去可能なステータプレートであって、該ステータプレートは、第1の側および第2の側はそれぞれ、複数の開口部を備える、第1の側と、第2の側と、それを通る複数の通路であって、通路はそれぞれ、該ステータプレートの第1の側上の少なくとも1つの開口部と第2の側上の少なくとも1つの開口部との間に流体連通を提供する、複数の通路とを備え、該ステータプレートは、拡散接合等によってともに接合される複数の層を備え、該ステータプレートの第1の側は、複数の管を受容かつ密閉状態で保持するように適合される搭載プレートの片側と密閉状態で係合するように適合され、該ステータプレートの第2の側は、弁のロータシールの片側と密閉状態で係合するように適合され、該ステータプレートならびに該搭載プレートは、弁の本体に除去可能に取り付けられるように適合される、ステータプレートが、提供される。ステータプレートは、1つ以上の生体適合性材料から成ってもよく、少なくとも2つの層が拡散接合によってともに接合される4つの層を備えてもよい。一実施形態では、該ステータプレートの第1の側は、少なくとも4つの開口部と、それを通る少なくとも2つの通路とを備えてもよい。ステータプレートはまた、さらに、以下の分析器具システム、すなわち、サンプルループ、混合要素、カラム、フィルタ、加熱要素、センサ、または検出器のうちの1つ以上を備えてもよい。ステータプレートは、弁から除去され、第2のステータプレートであって、該ステータプレートと異なる材料から成る第2のステータプレートによって交換されるように適合されてもよい、および/またはステータプレートは、弁から除去され、第2のステータプレートであって、該ステータプレートと異なる1つ以上の分析器具システム要素から成る第2のステータプレートによって交換されるように適合されてもよい。
【0037】
別の実施形態では、(a)第1の側と、第2の側とを有し、かつ複数の開口部は、該搭載プレートの第1の側内に管類を除去可能に受容するように適合される、それを通る複数の開口部を有する、搭載プレートと、(b)第1の側と、第2の側とを有するステータプレートであって、該ステータプレートの第1の側は、該搭載プレートの第2の側と係合するように適合され、該ステータプレートは、該ステータプレートの第1の側および第2の側内に複数の開口部を有し、該搭載プレートの第2の側内の少なくとも複数の開口部は、該ステータプレートの第1の側内の対応する開口部と流体連通し、該ステータプレートならびに該搭載プレートは、相互に除去可能に取り付けられる、ステータプレートとを備える弁を備える、液体クロマトグラフィ等のある分析の器具(AI)システムが、提供される。AIシステムは、相互に除去可能に取り付けられるように適合されるステータプレートと、搭載プレートとを有してもよく、弁は、少なくとも
6.9MPa(1,000psi
)、34.5MPa(5,000psi
)、69MPa(10,000psi
)、103.5MPa(15,000psi
)、138MPa(20,000psi
)、および/または
172.5MPa(25,000psi
)の流体圧力で動作するように適合されてもよい。
【0038】
本開示のさらに別の実施形態では、第1の側と、第2の側とを有し、それを通る複数の開口部を有する搭載プレートであって、複数の開口部のそれぞれの第1の側は、該搭載プレートの第1の側内に位置し、その中に管類を除去可能に受容するように適合される、搭載プレートと、第1の側と、第2の側とを有するステータプレートであって、該ステータプレートの第1の側ならびに該搭載プレートの第2の側は、相互に密閉状態で係合するように適合され、該ステータプレートは、該ステータプレートの第1の側および第2の側内に複数の開口部を有し、該搭載プレートの第2の側内の少なくとも複数の開口部は、該ステータプレートの第1の側内の対応する開口部と流体連通し、該搭載プレートならびに該ステータプレートは、相互に除去可能に取り付けられるように適合される、ステータプレートとを備える、高圧弁のためのステータアセンブリが、説明される。ステータアセンブリは、相互に整合される、搭載プレートの第2の側内の複数の開口部と、該ステータプレートの第1の側内の対応する開口部とを有してもよい。
【0039】
さらに別の実施形態では、ステータプレートを有する弁の分解、すなわち、第1のステータプレートを除去するステップと、それを第2のステータプレートに交換するステップと、次いで、第2のステータプレートおよび搭載デバイスを弁に再度取り付けることによって弁を再度組み立てるステップとを伴う、除去可能かつ交換可能なステータプレートを伴う弁の使用ならびに動作の方法が、説明される。
【0040】
一実施形態では、本開示は、第1の側と、第2の側とを有するシェルであって、第1の側上にあって、そこから該シェルの第2の側まで延在する、複数のねじ山付きポートを有し、金属、ポリマー材料、またはその組み合わせから成る、シェルと、第1の側と、第2の側とを有する挿入体であって、該挿入体の第1の側の少なくとも一部は、少なくとも部分的に該シェルの第2の側上の陥凹部分内に位置し、該シェルの複数のねじ山付きポートに対応する複数の第2のポートを備え、複数の第2のポートはそれぞれ、そこから流体チャネルが該挿入体の第2の側まで延在する表面をシールする、平底を備え、セラミック材料から成る、挿入体とを備える、弁のための2または3部品から成るステータアセンブリを説明かつ図示する。本アセンブリは、複数のねじ山付きポートが、第1の直径D1を有し、複数の第2のポートが、第2の直径D2を有し、D2は、D1を上回るまたはそれに等しい構成を含んでもよい。加えて、シェルはさらに、その第1の側上に、延在する中心部分を備えてもよく、複数の(4個、6個、8個、10個または別の数であってもよいが、そうである必要はない)ねじ山付きポートは、延在する中心部分上に位置し、それぞれは、角度付けられた開口部を備える。シェルはさらに、その第2の側上に、該挿入体の全てもしくは一部をその中に除去可能に保持するように適合される、陥凹部分を備えてもよい。本アセンブリはまた、さらに、該シェルと該挿入体との間に位置する、誘導部品を備えてもよく、該誘導部品は、該シェルの陥凹部内に位置してもよい。
【0041】
別の実施形態では、本開示は、第1の側と、第2の側とを有する、シェルであって、それぞれ、第1の側上にあって、該シェルの第1の側から第2の側まで延在する、複数のねじ山付きポートを有し、シェルは、金属、ポリマー材料、セラミック材料、またはその組み合わせから成る、シェルと、略平面状である第1の側と、略平面状である第2の側とを有する、ステータ挿入体であって、該ステータ挿入体の第1の側の少なくとも一部は、少なくとも部分的に該シェルの第2の側の陥凹部分内に位置し、それぞれが該シェルの複数のねじ山付きポートのうちの1つに対応する複数の第2のポートを備え、複数の第2のポートはそれぞれ、そこから流体チャネルが該ステータ挿入体の第2の側まで延在する表面をシールする、平底を備え、該ステータ挿入体は、セラミック材料等の生体適合性材料から成る、ステータ挿入体とを備える、2または3部品から成るステータアセンブリを伴う生体適合性弁を提供する。該挿入体の生体適合性材料は、セラミック材料から成ってもよく、これは、ひいては、チタン、ジルコニウム、ガラス、炭化ケイ素、金属酸化物、金属炭化物、もしくは窒化ホウ素、またはその組み合わせのうちの任意の1つ以上から成ってもよい。生体適合性弁は、継手アセンブリが、ねじ山付きポートのうちの1つに除去可能に取り付けられ、流体が、継手アセンブリの管類を通して、ねじ山付きポートのうちの1つを通して、かつ該ステータ挿入体のポートのうちの対応する1つを通して移動するとき、少なくとも
34.5MPa(5,000psi
)、69MPa(10,000psi
)、103.5MPa(15,000psi
)、138MPa(20,000psi
)、または
172.5MPa(25,000psi
)の流体圧力に耐えるために十分である、該シェルと該挿入体とのシール係合を有してもよい。生体適合性弁のシェルはさらに、限定ではないが、PEEK、PPS、または他のプラスチックを含むポリマー、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、もしくはその組み合わせから成ってもよく、該ステータ挿入体は、セラミック材料、チタン、PEEK配合物、PEKK、またはその組み合わせから成ってもよく、該シェルと該挿入体とのシール係合は、継手アセンブリが、ねじ山付きポートのうちの1つに除去可能に取り付けられ、流体が、継手アセンブリの管類を通して、ねじ山付きポートのうちの1つを通して、かつ該ステータ挿入体のポートのうちの対応する1つを通して移動するとき、少なくとも
34.5MPa(5,000psi
)、69MPa(10,000psi
)、103.5MPa(15,000psi
)、138MPa(20,000psi
)、または
172.5MPa(25,000psi
)の流体圧力に耐えるために十分である。
【0042】
本開示の別の実施形態では、弁のためのステータ挿入体であって、該ステータ挿入体は、略平面状である表面を有する第1の側と、略平面状である表面を有する第2の側とを有し、該ステータ挿入体は、略円筒形であり、該ステータ挿入体の第1の側は、弁の搭載部品の片側上の陥凹部の中に少なくとも部分的に嵌合されるように適合され、該ステータ挿入体は、ステータ挿入体が弁内に位置するとき、該ステータ挿入体および弁の縦軸に対して15度〜60度に角度付けられる、複数の角度付けられたポートを有し、複数の角度付けられたポートはそれぞれ、該ステータ挿入体の第1の側の近位に第1の部分と、該ステータ挿入体の第2の側の近位に第2の部分とを有し、第1の部分は、管または管類アセンブリの端部を除去可能に受容するように適合され、かつ管または管類アセンブリの端部とのシール係合のために適合されるポート底部を画定し、第2の部分は、該ステータ挿入体の第2の側まで延在する流体経路を画定し、複数のポートは、ねじ山付きではない、ステータ挿入体を備える、交換可能な挿入体を伴う、弁のための交換可能なステータ挿入体が、提供される。交換可能なステータ挿入体は、弁の搭載部品の片側上の陥凹部に少なくとも部分的に嵌合するように適合される、第1の側を有してもよい、もしくはシェルの表面の一部に当接するように適合される、第1の表面を有してもよく、シェルまたは挿入体のいずれか一方は、突出部もしくはピンを有し、他方が、挿入体をシェルと整合させ、シェルならびに挿入体の関係移動を防止するための該突出部またはピンと除去可能に嵌合するように適合される、切欠もしくは陥凹部を有してもよい。加えて、ステータ挿入体は、セラミック材料、PEEK、PEKK、チタン、またはその組み合わせであり得る生体適合性材料から成ってもよい。ステータ挿入体は、コーティングを備える少なくとも第1の側を有してもよい、および/またはステータ挿入体を通した流体経路のうちの1つ以上もまた、コーティングを備えてもよい。
【0043】
本開示による他の実施形態では、第1のシェル、第1のステータ挿入体、および/または第1の誘導部品の、それぞれ、第2のシェル、第2のステータ挿入体、ならびに/もしくは第2の誘導部品への交換のための方法を含む、弁および挿入体の使用のための方法が、説明される。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
弁のための多部品ステータアセンブリであって、
第1の側と、第2の側とを有するシェルであって、前記シェルは、前記第1の側上にあり、かつそこから前記シェルの前記第2の側まで延在する、複数のねじ山付きポートを有し、前記シェルは、金属、ポリマー材料、またはその組み合わせから成る、シェルと、
第1の側と、第2の側とを有する挿入体であって、前記挿入体は、前記シェルの前記複数のねじ山付きポートに対応する複数の第2のポートを備え、前記複数の第2のポートのそれぞれは、そこから流体チャネルが前記挿入体の前記第2の側まで延在する表面をシールする、平底を備える、挿入体と
を備える、多部品ステータアセンブリ。
(項目2)
前記複数のねじ山付きポートは、第1の直径D1を有し、前記複数の前記第2のポートは、第2の直径D2を有し、D2は、D1を上回るまたはそれに等しい、項目1に記載のアセンブリ。
(項目3)
前記シェルはさらに、その前記第1の側上に、延在する中心部分を備え、前記複数のねじ山付きポートは、前記延在する中心部分上に位置し、それぞれは、角度付けられた開口部を備える、項目1に記載のアセンブリ。
(項目4)
前記シェルはさらに、その前記第2の側上に陥凹部分を備え、前記陥凹部分は、前記挿入体の全てまたは一部をその中に除去可能に保持するように適合されている、項目1に記載のアセンブリ。
(項目5)
前記シェルと前記挿入体との間に位置する誘導部品をさらに備える、項目1に記載のアセンブリ。
(項目6)
前記誘導部品は、前記シェルの陥凹部内に位置する、項目1に記載のアセンブリ。
(項目7)
多部品ステータアセンブリを伴う生体適合性弁であって、
第1の側と、第2の側とを有するシェルであって、前記シェルは、前記第1の側上に複数のねじ山付きポートを有し、前記ポートのそれぞれは、前記シェルの前記第1の側から前記第2の側まで延在し、前記シェルは、金属、ポリマー材料、セラミック材料、またはその組み合わせから成る、シェルと、
略平面状である第1の側と、略平面状である第2の側とを有するステータ挿入体であって、前記ステータ挿入体は、それぞれが前記シェルの複数のねじ山付きポートのうちの1つに対応する、複数の第2のポートを備え、前記複数の第2のポートのそれぞれは、そこから流体チャネルが前記ステータ挿入体の前記第2の側まで延在する表面をシールする、平底を備え、前記ステータ挿入体は、生体適合性材料から成る、ステータ挿入体と
を備える、生体適合性弁。
(項目8)
前記生体適合性材料は、セラミック材料から成る、項目7に記載の生体適合性弁。
(項目9)
前記セラミック材料は、チタン、ジルコニウム、ガラス、炭化ケイ素、金属酸化物、金属炭化物、または窒化ホウ素のうちの任意の1つ以上から成る、項目7に記載の生体適合性弁。
(項目10)
前記シェルと前記挿入体とのシール係合は、継手アセンブリが、前記ねじ山付きポートのうちの1つに除去可能に取り付けられ、流体が、前記継手アセンブリの管類を通して、前記ねじ山付きポートのうちの前記1つを通して、かつ前記ステータ挿入体の前記ポートのうちの対応する1つを通して移動するとき、少なくとも5,000psiの流体圧力に耐えるために十分である、項目7に記載の生体適合性弁。
(項目11)
前記シェルと前記挿入体とのシール係合は、継手アセンブリが、前記ねじ山付きポートのうちの1つに除去可能に取り付けられ、流体が、前記継手アセンブリの管類を通して、前記ねじ山付きポートのうちの前記1つを通して、かつ前記ステータ挿入体の前記ポートのうちの対応する1つを通して移動するとき、少なくとも10,000psiの流体圧力に耐えるために十分である、項目7に記載の生体適合性弁。
(項目12)
前記シェルと前記挿入体とのシール係合は、継手アセンブリが、前記ねじ山付きポートのうちの1つに除去可能に取り付けられ、流体が、前記継手アセンブリの管類を通して、前記ねじ山付きポートのうちの前記1つを通して、かつ前記ステータ挿入体の前記ポートのうちの対応する1つを通して移動するとき、少なくとも15,000psiの流体圧力に耐えるために十分である、項目7に記載の生体適合性弁。
(項目13)
前記シェルは、ポリマー、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、またはその組み合わせから成り、前記ステータ挿入体は、セラミック材料、チタン、PEEK、PEKK、またはその組み合わせから成り、前記シェルと前記挿入体とのシール係合は、継手アセンブリが、前記ねじ山付きポートのうちの1つに除去可能に取り付けられ、流体が、前記継手アセンブリの管類を通して、前記ねじ山付きポートのうちの前記1つを通して、かつ前記ステータ挿入体の前記ポートのうちの対応する1つを通して移動するとき、少なくとも5,000psiの流体圧力に耐えるために十分である、項目7に記載の生体適合性弁。
(項目14)
前記ポリマーは、PEEK、ポリフェニルスルホン、またはその組み合わせから成る、項目7に記載の生体適合性弁。
(項目15)
弁のためのステータ挿入体であって、
弁のためのステータ挿入体を備え、前記ステータ挿入体は、略平面状である表面を有する第1の側と、略平面状である表面を有する第2の側とを有し、前記ステータ挿入体は、略円筒形であり、前記ステータ挿入体は、前記ステータ挿入体が前記弁内に位置するとき、前記ステータ挿入体および前記弁の縦軸に対して15度〜60度に角度付けられる、複数の角度付けられたポートを有し、前記複数の角度付けられたポートのそれぞれは、前記ステータ挿入体の前記第1の側の近位に第1の部分と、前記ステータ挿入体の前記第2の側の近位に第2の部分とを有し、前記第1の部分は、管または管類アセンブリの端部を除去可能に受容するように適合され、かつ前記管または管類アセンブリの前記端部とのシール係合のために適合されたポート底部を画定し、前記第2の部分は、前記ステータ挿入体の前記第2の側まで延在する流体経路を画定し、前記複数のポートは、ねじ山付きではない、ステータ挿入体。
(項目16)
前記ステータ挿入体の前記第1の側は、前記弁の搭載部品の片側上の陥凹部に少なくとも部分的に嵌合するように適合されている、項目15に記載のステータ挿入体。
(項目17)
前記ステータ挿入体は、生体適合性材料から成る、項目15に記載のステータ挿入体。(項目18)
前記ステータ挿入体は、セラミック材料から成る、項目15に記載のステータ挿入体。(項目19)
少なくとも前記ステータ挿入体の前記第2の側は、コーティングを備える、項目15に記載のステータ挿入体。
(項目20)
前記第1の側、前記第2の側、および前記流体経路はそれぞれ、コーティングを備える、項目15に記載のステータ挿入体。
(項目21)
前記ステータ挿入体は、前記搭載部品の前記陥凹部内に完全に嵌合するように適合されている、項目15に記載のステータ挿入体。
【発明を実施するための形態】
【0045】
(詳細な説明)
図1を参照すると、1つの特定の実施形態における弁1の重要な構成要素が、分解図に示される。弁1は、ロータシャフト5と、ベアリングリング10と、弾性PEEKばね15と、ロータシール20と、ステータリング25と、ステータ面30と、搭載デバイス35と、複数のねじ40と、その中に管類を伴う継手アセンブリ45とを含む。弁1の一部の横断面図が、組み立てられた種々の構成要素を伴って、
図2に提供される。
図2に示されるように、弁1は、ロータシャフト5、ロータシール20、ステータ面30、搭載デバイス35、ならびに筐体4を含み、筐体4の中およびロータシャフト5の一部の周囲に位置するものは、ばね11である。(ねじ40は、
図2に図示されていないが、ねじ40は、搭載デバイス35ならびにステータ面30をステータリング25に取り付けるために使用され、かつこの取付は、除去可能であるかまたは恒久的なものであるかのいずれか一方であり得ることが、当業者によって理解されるであろう。所望される場合、特に、取付が恒久的であることが意図される場合、ボルト、またははんだ、接着糊等の他の締結手段もまた、使用され得ることをさらに理解されたい。)
【0046】
図1および2に示されるように、ロータシャフト5、ベアリングリング10、ばね15、ロータシール20、ステータリング25、ステータ面30、ならびに搭載デバイス35はそれぞれ、横方向に略円形であり、(ステータ面30におけるものおよび3つのねじ40の使用におけるもの等の)下記に説明されるものを除き、そのような構成要素はそれぞれ、弁1の縦軸の周囲でほぼ対称的であり、概して、円筒形状を画定する。
図2に示されるように、ロータシール20、ロータシャフト5、およびばね11は、ステータリング25ならびに筐体4によって提供されるような弁1の本体内に位置する。本明細書に図示かつ説明される弁1は、回転弁であるが、当業者は、本開示の実施形態が、同様に、他の弁を含み得ることを理解するであろう。簡潔にするために、本開示は、回転弁に焦点を当てる。
【0047】
図2に示されるように、搭載デバイス35、ステータ面30、ロータシール20、およびステータリング25はそれぞれ、それぞれが横方向に略平面状である、2つの表面を有する。読者の便宜上、これらは、図を参照して「上」面および「底」面と称されてもよい。しかしながら、当業者は、事実上、弁1が、使用されている任意の配向を有し得ること、
図2に示されるような種々の構成要素の上部および底部が、例えば、逆転され得る、または任意の所与の使用において変動し得ること、およびそのような配向は全て、本開示の範囲内であることを理解するであろう。
図2に示されるように、ステータリング25の上面は、ステータ面30の底面の一部と接触する。加えて、ロータシール20の上面の一部は、ステータ面30の底面の中心部分と接触する。ステータ面30の上面は、搭載デバイス35の底面と接触する。
【0048】
搭載デバイス35は、管類46と、そのそれぞれが、ナット47と、スリーブ48と、シール先端49とを含み得る、継手アセンブリ45とを除去可能に受容するための開口部またはポートを含む。そのような継手アセンブリは、公開済み米国特許出願第2016/0116088A1号として公開された、同時係属中の米国特許出願第14/922,041号(その全体は、本明細書に完全に記載される場合と同様に、参照することによって本明細書によって組み込まれる)においてより詳細に説明される。簡潔にするために、ナット47、スリーブ48、およびシール先端49に関する詳細は、完全かつ詳細な説明が、公開済み米国特許出願第2016/0116088A1号において読者が利用可能であるため、本明細書には提供されない。
【0049】
本明細書に図示かつ説明されるような新規の搭載デバイス35およびステータプレート30に関連して公開済み米国特許出願第2016/0116088A1号に図示かつ詳細に説明されるもののような継手アセンブリの使用が、いくつかの実質的利点を提供することを理解されたい。例えば、搭載デバイス35およびステータプレート30を伴うそのような継手アセンブリの使用は、管類が、管類の縦軸に対して本質的に垂直な位置、ならびに搭載プレート35の略平面状である底面、およびステータプレート30の略平面状である上面内で、搭載プレート35ならびにステータプレート30と密閉状態で係合されることを可能にする。これまで、高圧弁のための従来のステータは、典型的には、例えば、米国特許第5,419,208号に見られ得るようなもの等のステータの略平面状である底面に対して15〜60度の角度が付けられていた流体経路と、ポートとを有していた。管類の本質的には垂直または直角(例えば、ステータプレートの横軸に対して約80〜100度)の接続を可能にすることによって、搭載デバイス35およびステータプレート30は、ステータプレート30の上面に隣接もしくは非常に近接する管類の端部のシールを可能にする。加えて、本アプローチは、従来のステータを製造するために要求される高価かつ時間のかかる機械加工が、本開示の搭載プレート35に関しては要求されないことを意味する。そのような機械加工は、従来のステータ内にそのようなポートおよび流体経路を作製するために必要とされる精度に起因して、高価であった。しかしながら、本開示の搭載デバイス35に関して要求される精度は、従来のステータに関して要求される高価かつ時間のかかる機械加工を伴わず、達成するためにはるかにより少なくかつはるかにより容易である。しかしながら、当業者は、種々の異なる継手アセンブリのうちの任意の1つが、搭載デバイス35内のポートを介して管類46を弁1に除去可能かつ密閉状態で取り付けるために使用され得ること、および平底継手アセンブリ(限定ではないが、IDEX Health & Science LLCからのMarvelX継手アセンブリを含む、種々の製造業者から商業的に入手可能であり得るもの等)が、円錐形フェルールならびに円錐形状ポート構成(所望される場合、後者は、搭載デバイス35およびステータプレート30と併用され得るが)を伴う継手アセンブリに優る利点を提供する可能性が高いことを理解するであろう。
【0050】
また、
図2に示されるものは、ステータ面30内に位置する流体通路52および54である。通路52および54はそれぞれ、搭載デバイス35内の開口部(例えば、ポートの底部)のうちの1つと、ステータ面30の上面内の対応する開口部を通し、ステータ面30の底部上の中心開口部との間に流体通路を提供する。
図2のロータシール20は、経路52に対応するステータプレート30の底面上の開口部とステータプレート30の底面内の少なくとも1つの他の開口部を接続するための流体経路を提供する、チャネル21を含む。管類46および通路52ならびに54を通した流体流が、非常に高圧で流動しているときでさえ、弁1の構成要素がシール係合を形成するように、弁1の構成要素が、相互に取り付けられるまたは接触することが予期されることを理解されたい。ばね11は、ロータシャフト5に対して圧縮力を提供し、ロータシャフト5の上面側をロータシール20の底面側に対して、したがって、ロータシール20の上面側をステータ面30の底面側に対して押勢する。
【0051】
通路52および54ならびにチャネル21は、種々の形状ならびにサイズであってもよい。例えば、通路52および54ならびに/もしくはチャネル21は、横断面において円形、横断面において半円形、横断面においてD字形状、横断面において正方形等であってもよい。通路52および54ならびに/もしくはチャネル21はまた、所望する場合、例えば、通路52が第1の形状および/またはサイズを有し、通路54が第2の形状ならびに/もしくはサイズを有するように、相互と異なるサイズまたは形状を有することができる。
図2は、ステータ面30内に位置する通路52および54を示すが、弁1が完全に組み立てられると、ロータシール20の上面がそのような溝を閉鎖またはシールするであろうため、流体経路は、ステータ面30の底面上の溝として提供され得ることを理解されたい。代替として、流体経路は、ロータシール20の上面上の1つ以上の溝またはチャネル21として提供されることができ、加えて、ステータ面30の上面ならびに/もしくは底面側上の通路および/または溝の組み合わせもまた、提供されることができる。そのうえ、当業者は、
図2が、2つの通路52および54ならびに1つのチャネル21を示すが、ロータシール20内のそれを上回るまたは下回る通路(もしくは、場合によって、溝)および/またはチャネルが、弁1に提供され得ることを理解するであろう。
【0052】
図示されていないが、当業者は、ステータプレート30が、サンプルループ、分割器、混合器、カラム、温度センサ、流体流センサ、または圧力センサ、フィルタ、加熱要素、検出器、および他のタイプの微小電気機械システム構成要素等の1つ以上の分析器具構成要素を備え得ることを理解するであろう。1つ以上のそのような構成要素を有するステータ面30の製造において有用であり得る拡散接合を使用して、そのような構成要素を基板に追加するための技法が、2016年6月16日に公開され、「Pressure Sensing and Flow Control In Diffusion−Bonded Planar Devices for Fluid Chromatography」と題された公開済み米国特許出願第2016/0169843A1号(本明細書に完全に記載される場合と同様に、参照することによって本明細書によって組み込まれる)に詳述される。
【0053】
図3では、組み立てられた弁1の等角図が、提供される。
図3に示されるように、弁1は、搭載デバイス35と、ステータリング25と、また、弁本体3と、ノブ2とを含む。ノブ2は、ロータシャフト5の一端に取り付けられることができ、ノブ2が旋回されると、ロータシャフト5およびロータシール20もまた、旋回または回転される。流体経路および/または通路(しかしながら、成形されたもの、もしくは溝または通路等であるかにかかわらない)のいくつかもしくは全ては、1つ以上のコーティンでコーティングされ得ることもまた、理解されたい。コーティングは、全て、弁1の1つ以上の特定の用途に関して所望され得るように、摩擦を低減し、硬度を増加させ、生体適合性を提供し(もしくは、既存の生体適合性を向上させ)、より良好な化学的適合性および同等物を提供するように、そのような流体経路に追加されてもよい。例えば、意図される用途が腐食性化学薬品の使用を伴う場合、流体経路を特定の化学的物質でコーティングすることが、望ましくある、または意図される用途が生物学的サンプルを伴い、生体適合性が懸念である場合、生体適合性流体経路を有することが、望ましくあり得る。
【0054】
本明細書に説明されるような、2部品から成る搭載デバイス35およびステータ面30を伴う弁の利点の中でもとりわけ、搭載デバイス35は、搭載デバイス35が、流体経路の一部を形成せず、流体と接触しないため、プラスチックまたは金属から作製されることができる。例えば、搭載デバイス35は、PEEK、PPS、DELRIN、PP、PS、ULTEM、および同等物等のプラスチックから作製されることができる、または搭載デバイス35は、アルミニウム、銅、鋼、ステンレス鋼、チタン、MP35N等の金属、もしくは種々の金属の合金、またはセラミック材料、もしくは他の複合材料から作製されることができる。ステータプレート30が1つ以上の生体適合性材料から作製される限り、弁1は、依然として、生体適合性流動経路を提供することができ、弁1は、生体適合性用途のために使用されることができる。2部品から成るアセンブリの別の利点は、搭載デバイス35が、より高い圧力が使用されず、それが再利用され得る用途のためのもの等、より安価な材料から作製されることができることである。したがって、本開示の弁1は、材料および潜在的使用、ならびにコスト節約および製造の容易さの観点から、かなりの柔軟性を提供する。
【0055】
図示されていないが、ステータ面30の略平面状である表面のうちのいずれか一方または両方は、ラップ仕上げされるならびに/もしくはダイヤモンド状炭素(DLC)または他のコーティング材料でコーティングされ得、ステータプレート30の一方の表面に当接する搭載デバイス35の略平面状である表面もまた、ラップ仕上げされるおよび/またはDLCもしくは別のコーティング材料でコーティングされ得ることを理解されたい。そのようなラップ仕上げおよび/またはコーティングは、摩擦を低減し、硬度を増加させ、非常に平滑な表面を提供し、それぞれ、搭載デバイス35とステータ面30の片側との、ならびにロータシール20とステータ面30の第2の側とのより良好な嵌合および係合を提供するように使用されることができる。
【0056】
搭載デバイス35およびステータプレート30を伴う、2部品から成るステータアセンブリを伴う弁1の別の利点は、ステータプレート30が、除去され、異なるステータ面30と交換され得ることである。例えば、第1のステータプレート30が、広範囲にわたって使用され、摩耗し始める、またはあまり精密ではない結果を提供する場合、第1のステータプレート30は、新しい弁もしくはさらに新しい搭載デバイス35を要求することなく、交換されることができる。例えば、オペレータは、3つのねじ40を外し、弁1のステータリング25からステータ面30および搭載デバイス35を除去することによって、摩耗したステータプレート30を伴う弁1を分解することができる。摩耗したステータ面30は、次いで、搭載デバイス35から取り外されることができ、新しいステータ面30が、取り付けられ、摩耗したステータ面30を交換することができ、次いで、オペレータは、位置決めピン(図示せず)を用いてステータ面30および搭載デバイス35を整合させ、次いで、ねじ40を弁1の本体内の定位置の中にねじ留めすることによって、ステータ面30および搭載デバイス35をステータリング25ならびに弁1にしっかりと取り付け、搭載デバイス35および新しいステータ面30を弁1の残部にしっかりと取り付けることによって、弁1を再度組み立てることができる。これは、弁1のいずれかの他の構成要素を交換することなくステータ面30を交換し、それによって、弁1の使用のより長い寿命およびより安価なコストを提供する利点を提供する。
【0057】
そのうえ、ステータ面30および/または搭載デバイス35は、代替ステータ面30ならびに/もしくは代替搭載デバイス35が所望される用途のために使用され得るように、これらの方法を用いて交換されることができる。分析器具システムは複雑であり得るため、オペレータが弁の所与の用途ためにステータ面30および/または搭載デバイス35を単純に交換することを可能にすることは、オペレータが種々の用途のために本質的には同一の弁1を使用することを可能にする。例えば、オペレータは、高圧を伴うもの等の特定の用途のために、金属搭載デバイス35および金属ステータ面30を組み合わせて使用することを所望し得る。オペレータが、次いで、生体適合性が所望される用途において弁1を使用することを所望する場合、オペレータは、生体適合性材料から作製されるステータ面および/または搭載デバイスを伴うステータ面30ならびに搭載デバイス35のいずれか一方もしくは両方を交換することができる。加えて、オペレータは、ステータ面が、全て、完全な別個の弁1を要求することなく、交換ステータ面30が、所望される用途のための所望される特徴を含むように、特定のサイズのサンプルループ、混合器、圧力センサ、流動センサ、または温度センサ、もしくは同等物を有することが所望される用途のために、ステータ面30を交換することができる。そのような柔軟性は、オペレータに、低減されたコスト(付加的な弁または交換弁のより低い必要性に起因する)、より長い弁寿命、種々の用途を横断した使用の容易さ、および比較的に迅速に弁に変更を提供するための能力(分析器具システム内で弁を完全に交換または再位置決めすることなく、弁内のステータ面ならびに/もしくは搭載プレートを変更すること等による)の利点を提供するであろう。
【0058】
ここで
図4を参照すると、弁の代替実施形態1’が、示される。(読者の利便性のために、種々の図面内の同様の構成要素および特徴は、同一の番号を有するであろうことを理解されたい。)弁1’は、搭載デバイス35を含み、その中の4つのポートに接続される4つの管46を伴って示される。弁1’はさらに、ロータシャフト5と、ロータシール20とを有する。
図1−3に示されるステータ面30の代わりとして、
図4の弁1’は、誘導層32と、底部ステータ面31とを有する。誘導層32は、管類46の先端を誘導層32の中に入れ、底部ステータ面31の上面と接触させるように誘導するために役立つような誘導表面を提供する。
【0059】
図5では、弁1’が、示される。しかしながら、
図5では、管類46’、ナット47’、シール先端49’、およびスリーブ48’が、提供されている。したがって、
図5は、弁1’の搭載デバイス35、誘導層32、または底部ステータ面31(もしくは他の構成要素)への変更が要求されなくても、代替の継手アセンブリが使用され得る、代替実施形態を図示する。
図5に示されるもののような商業的に入手可能な継手アセンブリが、Dionex Corporation (Sunnyvale,California)からのVIPER商標の継手アセンブリによって提供されることができる。
【0060】
図6は、搭載デバイス35と誘導層32と底部ステータ面31との間の界面の拡大された部分的横断面図を提供する。
図6に示されるように、中心流体通路52を伴う管類46が、スリーブ48を通した通路内に位置するように示される。管46の底端部において、スリーブ48の底部部分がシール先端49の底部外部表面部分を囲繞する状態で、シール先端49が、提供される。また、
図6に示されるように、シール先端49の底端部表面は、誘導層32の上面と接触している。誘導層32は、その中に、管46、スリーブ48、およびシール先端49の底部の少なくとも一部をその中にぴったりと受容するように適合される、開口部32bを有する。加えて、誘導層32内の開口部32bは、開口部32bの底部部分より幅広い内径を有する、部分32aを有する。このより幅広い部分32a(概して、略円錐台形状である)は、管46の通路52が底部ステータ面31内の開口部32bと良好に整合するように、シール先端49、スリーブ48、および管46の組み合わせを整合させるために役立つ。
【0061】
ここで
図7に目を向けると、ステータ面30’をともに形成し得る一連の層30a’、30b’、30c’、および30d’の分解等角図が、示される。
図7では、層30a’は、層30a’の中心の近位に円形のパターンで位置する6つの開口部のうちの1つである、開口部41aを有することが理解され得る。また、層30a’に関して
図7に示されるものは、弁が組み立てられるとき、それを通してピン(図示せず)が位置する2つの開口部43である。層30b’、30c’、および30d’はそれぞれ、層30a’の開口部43に対応しかつそれと整合する開口部を有することが理解され得る。加えて(かつ
図7に示される開口部ならびに流体経路の中でもとりわけ)、層30b’は、開口部41bを有し、層41cは、経路41cを有し、層30d’は、開口部41dを有する。
図7から、開口部41a、41b、経路41cの端部および開口部41dは、それぞれ、相互に整合されかつ対応し、したがって、その間に流体経路を提供することを理解されたい。当業者は、簡潔にするために詳細に説明されてはいないが、
図7に示される他の開口部およびチャネルもまた、層30a’、30b’、30c’、ならびに30d’内の個別の開口部および少なくとも1つのチャネルに整合されかつ対応することを理解するであろう。
【0062】
図8では、代替ステータ面30’’が、分解等角図に示される。ステータ面30’’は、層30a’’と、30b’’と、30c’’と、30d’’とを含む。本特定の実施形態では、これと
図7に示されるステータ面30’の実施形態との間の主要な差は、ステータ面30’’が、溝または流体経路が
図7に示されるものと異なる構成で示される、層30c’’を含むことである。
図8では、層30a’’は、層30a’’の中心の近位に円形のパターンで位置する6つの開口部のうちの1つである、開口部41a’を有することが理解され得る。また、層30a’’に関して
図8に示されるものは、弁が組み立てられるとき、それを通して位置決めピン(図示せず)が位置する2つの開口部43である。層30b’’、30c’’、および30d’’はそれぞれ、層30a’’の開口部43に対応し、それと整合する開口部を有することが理解され得る。加えて(かつ
図8に示される開口部および流体経路の中でもとりわけ)、層30b’’は、開口部41b’を有し、層41c’は、経路41c’を有し、層30d’’は、開口部41d’を有する。加えて、層30c’’は、チャネル41c’をそれと反対側の対応するチャネルと接続するチャネルによって提供される、サンプルループ42を有する。
図8より、開口部41a’、41b’、経路41c’の端部およびサンプルループ42、ならびに開口部41d’および41d’’は、それぞれ、相互に整合されかつ対応し、したがって、その間に流体経路を提供することを理解されたい。当業者は、簡潔にするために詳細に説明されてはいないが、
図8に示される他の開口部およびチャネルもまた、層30a’’、30b’’、30c’’、ならびに30d’’内の個別の開口部および少なくとも1つのチャネルに整合されかつ対応することを理解するであろう。
【0063】
図9は、ステータ面30’’’のさらに別の代替実施形態を分解等角図に提供する。
図9では、5つの片または薄片30a’’’と、30b’’’と、30c’’’と、30d’’’と、30e’’’とを含む、ステータ面30’’’が、示される。
図9に示されるように、片30b’’’および30c’’’は、とりわけ、層30c’’’内のサンプルループ42’を含む、それぞれ、
図7ならびに8に示されるステータ面30’もしくはステータ面30’’によって図示かつ提供されるものと異なる流体経路構成を提供する。当業者は、限定ではないが、サンプルループ等の特徴が、とりわけ、所与の用途のために所望され得るように、異なるサイズ、長さ、パターン、および体積を有し得ること、ならびに例えば、
図7−9に示される種々の特定の実施形態以外に、ステータ面30が提供され得る流体経路および流体接続の多くの他の構成が存在することを理解するであろう。
【0064】
例えば、異なる層30a’’’、30b’’’、30c’’’、30d’’’、および30e’’’は、拡散接合によって単一のステータ面30’’’(
図10に示されるもの等)に取り付けかつ組み合わせられることができる。例えば、層のそれぞれの中の複数の孔、また、層30b’’’および30c’’’のそれぞれの中の溝または流体経路内は、孔ならびに溝もしくは経路が、非常に精密に位置決めされかつ非常に精密なサイズおよび形状であるように、層の中にエッチングされることができる。
図10に示されるステータ面30’’’はさらに、ステータ面30’’’の内部部分より広い幅を伴う環状のリング形状を含む。そのような環状のリング形状は、層30a’’’、30b’’’、30c’’’、30d’’’、および30e’’’の組み合わせをステータ面30’’’の中に機械加工またはエッチングすることによって、得られることができる。
【0065】
層30a’’’、30b’’’、30c’’’、30d’’’、および30e’’’が、チタン等の金属または上記に記載される金属もしくは合金のうちの任意のものから製作される場合、そのような層30a’’’−30e’’’は、拡散接合によってともに接合されることができる。層30a’’’−30e’’’をともに接合するために適切であり得る拡散接合技法が、2010年7月8日に公開され、「Liquid−Chromatography Apparatus Having Diffusion−Bonded Titanium Components」と題された公開済み米国特許出願第2010/0171055A1号(本明細書に完全に記載される場合と同様に、参照することによって本明細書によって組み込まれる)に説明される。とりわけ、公開済み米国特許出願第2010/0171055A1号は、ともに拡散接合された層を有し、かつその中のポートを、それ自体がともに拡散接合されたいくつかの層の組み合わせに拡散接合される、搭載アセンブリを有する弁のためのステータアセンブリを説明する。
【0066】
層30a’’’−30e’’’は、金属から作製される必要はないが、しかしながら、代わりに、セラミック材料から成ってもよく、特に、ひいては層のいくつかまたは全てがともに拡散接合されるもしくは他の手段を使用して取り付けられる、同一または異なるセラミック材料から成り得る層を備えてもよい。ステータ面30’’’を作製するための1つのアプローチは、それぞれが焼結セラミック材料から作製される層の2つを機械加工し、次いで、これらの2つの層をグリーンシートセラミック層とともに接合することであろう。比較的に低い温度での焼結の後、狭入されたグリーンシート層は、2つの他の層をともに接合する。代替として、高温で共焼成されたセラミック層が、ステータ面を提供するために使用されてもよい。セラミック層30a’’’−30e’’’のために使用され得る、セラミック層を相互に接合または付着させるための技法に関するさらなる詳細は、2009年12月31日に公開され、「Ceramic−Based Chromatography Apparatus and Methods for Making Same」と題された公開済み米国特許出願第2009/0321356A1号(本明細書に完全に記載される場合と同様に、参照することによって本明細書によって組み込まれる)に説明されるものを含む。公開済み米国特許出願第2009/0321356A1号は、「グリーンシート」または「グリーンシートテープ」と称されるセラミックベースのテープを使用するための方法および技術を説明し、さらに、ガラス、ジルコニア、ならびにアルミナ等のセラミック材料の使用を説明する。当業者は、層30a’’’−30e’’’のうちのいくつかまたは全てが、そのような材料から作製され得、米国特許出願第2009/0321356A1号にさらに詳細に説明されるようなグリーンシートの方法および使用を用いて製造され得ることを理解するであろう。また、層30a’’’−30e’’’に関する前述の議論が、ステータ面30’のための層30a’−30d’およびステータ面30’’のための層30a’’−30d’’にも等しく適用されることを理解されたい。
【0067】
図11は、誘導層32および底部ステータ面31を伴う搭載デバイス35の代替実施形態の、拡大された部分的断面図を提供する。本特定の実施形態では、搭載デバイス35のポートは、異なる構成を有する。平底継手アセンブリ(例えば、
図6に示されるもの等)のために設計されたポートの代わりとして、
図11に示される搭載デバイス35のポートは、ポートが、ナットおよびフェルール(図示せず)を通して略円錐形に形成されたフェルール、ナット、ならびに管類を伴う継手アセンブリを密閉状態でかつ除去可能に受容かつ保持するように適合されるように、円錐形部分を伴って構成される。
【0068】
図12は、
図12に示される実施形態が、誘導層32、底部ステータ面層31、ならびに搭載デバイス35を有する、ステータ面30の等角図を提供する。
図12により明確に示されるものは、誘導層32、底部ステータ面31、およびステータリング25のそれぞれを通して、かつそれぞれの外部縁に沿って長手方向に延在する、溝23である。溝23は、製造ならびに組立の間、異なる構成要素のより迅速かつ容易な整合のために有用である。
【0069】
図13は、さらに別の代替実施形態を示す、拡大された部分的横断面を含む。
図13では、ステータ面30は、ステータ面30の上面から上向きに延在するように適合された、ボス31を含む。加えて、ボス31は、ステータ面30および搭載デバイス35が相互に取り付けられるとき、ボス31がステータ面30の上面から上向きに延在し、かつ搭載デバイス35のポートの底面を提供するように、選択された形状、サイズ、ならびに場所のものである。
【0070】
図14は、ステータプレート1401の上面図を提供する。
図14に示されるように、ステータプレート1401は、ステータプレート1401を搭載デバイスおよび/または弁本体の筐体(図示せず)に取り付けるためのねじ山付きのねじもしくは他の手段を受容するように適合された、3つの孔1410a、1410b、ならびに1410cを有する。ステータプレート1401は、ねじ山付きのねじを伴う搭載デバイスおよび/または弁本体に除去可能に取り付けられ得ることを理解されたい。加えて、ステータプレート1401は、ステータプレート1401の内部部分1420より広い幅を有し得る、外側管状リング1415を有する。ステータプレート1401の中心の近傍に位置するものは、流体経路を提供し、搭載デバイスおよび/またはロータシール(図示せず)内の開口部ならびに/もしくは流体経路と整合されるように適合される、6つの開口部1425である。また、
図14に示されるものは、ステータプレート1401の外縁内の溝または切欠1405である。
【0071】
図15は、ステータプレート1401の底面図を提供する。概して、
図14−18の同一の特徴は、参照を容易にするために同一の付番を有する。
図15では、開口部1430が、ステータプレート1401の底面側に見られ得る。
【0072】
図16を参照すると、
図14の線A−Aに沿って得られるステータプレート1401の横断面図が、提供される。
図16は、ステータプレート1401の環状の外側リング1415、ならびに内部部分1420、開口部1425、また、開口部1430を示す。
図16から理解され得るように、開口部1425ならびに1430は、流体経路1428を介して相互に流体連通する(すなわち、各開口部1425は、本図面では、開口部1430と流体連通する)。
【0073】
図17は、
図14のBの詳細部分の拡大された部分図である。
図17では、6つの開口部1425が、より明確に示される。当業者は、6つより多いまたは少ない開口部1425が、ステータプレート1401によって提供され得ることを理解するであろう。
【0074】
図18は、
図16の線C−Cに沿ったステータプレート1401の別の横断面図を提供する。加えて、
図18は、開口部1425の拡大された部分的横断面図を提供する。
【0075】
ここで
図19−23を参照すると、搭載デバイス1501に関する付加的な図面および詳細が、提供される。
図19−23の同一の特徴は、参照を容易にするために、同一の参照番号を有する。
【0076】
図19では、搭載デバイス1501の等角図が、提供される。搭載デバイス1501は、6つの開口部1525、ならびに3つの開口部1510a、1510b、および1510cを有する。加えて、搭載デバイス1501は、溝1515が搭載デバイス1501の外縁に沿って長手方向に延設される、組立の間のより容易かつより迅速な整合のための溝または切欠1515を、その外縁内に有する。3つの開口部1510a、1510b、および1510cは、それぞれ、搭載デバイス1501が、ステータプレートならびに弁本体(図示せず)に除去可能にしっかりと取り付けられ得るように、ねじ山付きのねじまたは他の締結具(図示せず)を除去可能に受容かつ保持するように適合されることを理解されたい。加えて、開口部1525はそれぞれ、その中に管類および継手アセンブリを除去可能に受容するように適合されることもまた、理解されたい。
図19では、開口部1525は、その中に管類および継手アセンブリが挿入され、しっかりと接続され得るポートを提供する。
【0077】
図20は、搭載デバイス1501の上面図である。ねじ山付きのねじまたは締結具を受容するための3つの開口部1510a、1510b、および1510cが示されているように、6つの開口部もしくはポート1525もまた、示されている。当業者は、6つより多いまたは少ないポート1525が、提供され得、かつねじもしくは他の締結具を受容するための3つの開口部1510a、1510b、および1510cより多いまたは少ない開口部もまた、提供され得ることを理解するであろう。
【0078】
図21は、
図20の線A−Aに沿って得られる搭載デバイス1501の横断面図である。ねじ山付きのねじまたは締結具を受容かつ保持するための開口部1510aが、示されている。また、示されているものは、位置決めピン(図示せず)のうちの1つに関する位置を提供するための、搭載デバイス1501の底面側上の開口部1530である。開口部1530は、位置決めピン(図示せず)のうちの1つの先端を受容かつ除去可能に保持するように適合される。
【0079】
図22は、
図20の線B−Bに沿って得られる搭載デバイス1501の横断面図である。
図22では、2つの開口部またはポート1525が、示される。ポート1525は、搭載デバイス1501の上面から搭載デバイス1501の底部まで延在するため、右方のポート1525は、ポート1525の上部1525a、中央部分1525b、ガイド部分1525c、および底部分1525dを示すための、参照番号を含む。
【0080】
図23は、搭載デバイス1501の底面の底面図を提供する。
図23に示されるように、開口部1510a、1510b、および1510cは、搭載デバイス1501を通して延在する。加えて、開口部1530は、搭載デバイス1501の底面上に提供される。最後に、溝1515もまた、
図23に示される。
【0081】
従来の、2部品からなるステータ設計では、シェルまたは搭載部品は、ユーザがその中のねじ山付きのナットを緊締し、継手アセンブリおよび管類を定位置にシールし得るような手段を提供するためのその中のねじ山付きの部分と、継手アセンブリおよび管類の両方のための位置誘導ならびに管類および/またはフェルールの一端がシールされるものに対してシール表面を提供するための挿入体とが提供される。そのような挿入体は、典型的には、(管類の流体チャネルならびに挿入体のものを整合させるために)管類の一部を誘導するための円筒形チャネルと、管またはフェルールの端部が、好ましくは、除去可能かつシール係合の状態に保持されるものに対するシール表面を提供する、底面とを有するであろう。誘導チャネルは、通常、管類を誘導かつ整合させるために、管類の直径に非常に近い直径を有する。そのような従来のステータ挿入体は、通常、セラミックであり、比較的に厚くなければならず、多くの場合、製造するために困難かつ高価である。分割ステータを伴う従来の弁の実施例が、2016年4月19日にBerndtに発行され、「Shear Valve with Silicon Carbide Member」と題される米国特許第9,316,324号、2015年6月23日にWiechers et
al.に発行され、「Switching Valve for Liquid Chromatography」と題される米国特許第9,063,114号、2016年3月29日にWiechers et al.に発行され、「Switching Valve for Liquid Chromatography」と題された米国特許第9,297,790号、および2016年5月3日にHochgraeber et al.に発行され、「Switching Valve for Liquid Chromatography」と題された米国特許第9,329,157号に提供される。米国特許第9,316,324号、第9,063,114号、第9,297,790号、および第9,316,324号はそれぞれ、本明細書に完全に記載される場合と同様に、参照することによって本明細書によって組み込まれる。
【0082】
下記により詳細に説明され、添付図面に図示されるような本開示の多部品ステータアセンブリは、従来の挿入体より製造するためにあまり複雑ではなくかつより容易である。一実施形態では、ステータ挿入体は、平坦な表面を有し、継手アセンブリのためのシール表面を提供するための役割のみを果たしてもよい。適切なシェルは、継手アセンブリおよび/または管類の一部のための誘導を提供し、流体経路の適切な整合を確実にするために役立つためのチャネルもしくは他の構造を提供してもよく、また、適切または所望される挟着力を提供するための、他の部品のねじ山付きのナットと併用のためのねじ山のいくつかもしくは全てを提供してもよい。特に、本開示のステータ挿入体がセラミック材料から成り、シェルまたは搭載部品が金属もしくはポリマー材料から成るとき、弁アセンブリが、従来のセラミックステータ挿入体よりはるかに容易にかつ有意に少ないコストで製造され得ることが、当業者によって理解されるであろう。これらおよび他の利点もまた、続く種々の例証的実施形態の詳細説明から、当業者に明白となるであろう。
【0083】
図24は、本開示の一実施形態による、2部品から成るステータ設計を有する弁アセンブリ2401の部分的横断面図を図示する。
図24に示されるように、ポート継手アセンブリ2410は、ナットと、面シール管類アセンブリ2420とを包含する。継手および管類アセンブリは、2015年10月23日に出願され、「Face−Sealing Fluidic Connection System」と題された同時係属中の米国特許出願第14/922,041号(本明細書に完全に記載される場合と同様に、参照することによって本明細書によって組み込まれる)に開示されるタイプのものであってもよい。ポート継手アセンブリの第1の端部の一部は、少なくとも部分的にステータシェル2430内の開口部またはポートの中に延在し、面シール管類2420の一端の少なくとも一部は、少なくとも部分的にステータ挿入体2440の開口部もしくはポートの中に延在する。また、
図24に示されるように、ステータリング2450は、ロータシール2460およびロータシャフト2470を囲繞する。
図24に示されるように、ロータシャフト2470は、ロータシール2460の下方に位置する。
【0084】
搭載デバイスまたはシェル2430は、そのそれぞれが、公開済み米国特許出願第2016/0116088A1号として公開された、同時係属中の米国特許出願第14/922,041号に詳細に説明されるもの等の、ナット、スリーブ、およびシール先端を含み得る、管類ならびに継手アセンブリを除去可能に受容するための複数の開口部もしくはポートを含む。簡潔にするために、ナット、スリーブ、およびシール先端を含む継手ならびに管類アセンブリに関する詳細は、完全かつ詳細な説明が、公開済み米国特許出願第2016/0116088A1号において読者が利用可能であるため、本明細書には提供されない。
【0085】
本明細書に図示かつ説明されるような新規の搭載デバイスまたはシェル2430およびステータ挿入体2440に関連して公開済み米国特許出願第2016/0116088A1号に図示かつ詳細に説明されるもののような、継手アセンブリの使用が、いくつかの実質的利点を提供することを理解されたい。例えば、搭載デバイス2430およびステータ挿入体2440を伴うそのような継手アセンブリの使用は、管類が、管類の縦軸に対して角度付けられた位置、ならびにシェル2430の略平面状である底面、ならびにステータ挿入体2440の略平面状である上面内で、シェル2430ならびにステータ挿入体2440と密閉状態で係合されることを可能にする。シェル2430およびステータ挿入体2440のポートは、例えば、米国特許第5,419,208号に見られ得るようなもの等、ステータ挿入体2440の略平面状である底面に対して15〜60度の角度であってもよい。当業者は、種々の異なる継手アセンブリのうちの任意の1つが、管類をシェル2430およびステータ挿入体2440内のポートを介して弁2401に除去可能にかつ密閉状態で取り付けるために使用され得ること、ならびに平底継手アセンブリ(限定ではないが、IDEX Health & Science LLCからのMarvelX継手アセンブリを含む、種々の製造業者から商業的に入手可能であり得るもの等)が、円錐形フェルールおよび円錐形状のポート構成を伴う継手アセンブリに優る利点を提供する可能性が高いであろうことを理解するであろう。
【0086】
図25は、
図24に示される弁アセンブリ2401の分解等角図である。概して、
図24−30に図示される同一の特徴および物品は、参照を容易にするために同一の付番が与えられる。
図25は、挿入体2440が、ステータシェル2430の片側の少なくとも一部の内側に嵌合するように適合されることを示す。
図25に示されるように、弁アセンブリ2401は、6つの別個かつ明確に異なる管類および継手アセンブリとステータシェル2430の片側上の対応する開口部またはポートの接続を可能にするように適合されることができる。当業者は、図示されるものより少ないもしくは多い開口部またはポートが、提供され得ることを理解するであろう。
【0087】
図26は、ステータシェル2430の等角図である。
図26に示されるように、ステータシェル2430は、片側において略ディスク形状であり、他側上にあるまたはそれを画定する、延在する中心部分を有してもよい。
図26に示される上面上の延在する中心部分は、そのそれぞれが、少なくとも部分的にその中に挿入されると、ねじ山付きのナットを備える継手アセンブリを除去可能に受容かつ保持するように適合される、複数の角度付けられたねじ山付きの開口部またはポート2432a−fを含有する。
図26に図示される特定の実施形態では、6つの角度付けられたねじ山付きのポート2432a−fが、存在するが、当業者は、より多いまたはより少ないポートもまた、提供され得ることを理解するであろう。挟着力を提供することに加え、ステータシェル2430はまた、管類(
図26に図示せず)のための誘導を提供するように適合されることができる。
【0088】
図27は、ステータシェル2430の横断面図である。ステータシェル2430は、そのそれぞれが誘導チャネル2436に接続される、複数の角度付けられたねじ山付きのポート2434を含有する。誘導チャネル2436は、管類アセンブリが、誘導チャネルの中におよび/またはそれを通して挿入されると、管類内の流体チャネルがステータ挿入体2440の対応するポートの底部(
図27に図示せず)における開口部と整合されるように、管類の端部を整合するであろうように、適合かつ設計されることができる。誘導チャネル直径D3は、管類が誘導チャネル2438に容易に挿入されるまたはそれから除去され得るように、管類の外径よりわずかに大きくなるように適合されるべきであることを理解されたい。また、
図27に示されるように、ステータシェル2430の片側は、その中にステータ挿入体2440を除去可能に受容かつ保持するように適合される、開口部または座部2439が提供されることができる。
【0089】
図28は、ステータ挿入体2440の等角図を提供する。示されるように、ステータ挿入体2440は、同時係属中の米国特許第14/922,041号に説明される継手アセンブリおよび管類等の継手アセンブリならびに/もしくは管類の少なくとも一部を除去可能に受容かつ保持するための、複数の開口部またはポート2442a−fを含有する。ステータ挿入体2440は、任意の数の受容ポートを有し得、
図28に図示される6つのポート2442a−fに限定されない。ポート2442a−fは、
図29によって詳細に示されるように、直径D1を有する第1の部分と、直径D2を有する第2の部分とを有する。一実施例では、本開示の弁アセンブリは、0.010インチの管類内径と、0.062インチの管類外径とを有する、MarvelX継手および管類アセンブリを除去可能に受容するように適合されてもよい。本実施例では、D2は、0.007〜0.015インチ程の範囲であり得、D1は、0.063インチ〜0.10インチまたはそれを上回る範囲であり得る。
【0090】
図29は、ステータ挿入体2440の一実施形態の横断面図である。ステータ挿入体2440は、略ディスク形状であり、それぞれが面または表面を有する、第1の側と、第2の側とを有することができる。示されるように、挿入体2440は、第1の側上に、そのそれぞれが、継手アセンブリまたは管類の一端の少なくとも一部を除去可能に受容かつシール係合に保持するように適合される、複数の開口部もしくはポート2442a−f(2442aおよび2442bのみが、
図29の横断面図に示される)を有する。シール表面2448aが、受容ポート2442a−fのそれぞれの底部に提供される。シール表面2448aは、管類の端部がそれに接触するように位置付けられると、シール係合を提供するように適合される。
図29はまた、挿入体2440のポート2444の直径D1と、流体チャネル2446の直径D2とを示す。
【0091】
図示されていないが、当業者は、ステータ挿入体2440が、サンプルループ、分割器、混合器、カラム、温度センサ、流体流センサ、または圧力センサ、フィルタ、加熱要素、検出器、および他のタイプの微小電気機械システム構成要素等の1つ以上の分析器具構成要素を備え得ることを理解するであろう。1つ以上のそのような構成要素を有するステータ挿入体2440の製造において有用であり得る拡散接合を使用して、そのような構成要素を基板に追加するための技法が、2016年6月16日に公開され、「Pressure Sensing and Flow Control In Diffusion−Bonded Planar Devices for Fluid Chromatography」と題された公開済み米国特許出願第2016/0169843A1号(本明細書に完全に記載される場合と同様に、参照することによって本明細書によって組み込まれる)に詳述される。
【0092】
流体経路および/または通路(しかしながら、成形されたもの、もしくは溝または通路等であるかにかかわらない)のいくつかもしくは全ては、1つ以上のコーティンでコーティングされ得ることもまた、理解されたい。コーティングは、全て、弁2401の1つ以上の特定の用途に関して所望され得るように、摩擦を低減し、硬度を増加させ、生体適合性を提供し(もしくは既存の生体適合性を向上させ)、より良好な化学的適合性および同等物を提供するように、そのような流体経路に追加されてもよい。例えば、意図される用途が腐食性化学薬品の使用を伴う場合、流体経路を特定の化学的物質でコーティングすることが、望ましくある、または意図される用途が生物学的サンプルを伴い、生体適合性が懸念である場合、生体適合性流体経路を有することが、望ましくあり得る。
【0093】
図30a−cは、本開示の代替実施形態を図示し、シェル2430と挿入体2440との開口部またはポートの相対的寸法間の関係を図示する、部分的横断面図である。
図30a−cは、挿入体2440のポート2442aの直径D1が、誘導孔直径D3と等しい、それより大きい、またははるかに大きくあり得ることを示す。ポート2442aは、流体チャネルの本開示の弁アセンブリ2401における適切な整合を提供するように継手アセンブリまたは管類を誘導する必要がないため、直径は、
図30a−30cに示されるように、変動することができる。ある範囲のポート直径を可能にすることは、特に、挿入体2440がセラミック材料または同様に機械加工するために高価かつ困難である別の材料から成るとき、ステータ製造プロセスにさらなる柔軟性を与える。継手アセンブリとシェルのねじ山付きのポートを伴う管類との係合が、管類が適切に整合されることを確実にするため、挿入体内のポートは、挿入ポート内に位置する管類の流体チャネルの、各ポートの底部における対応する流体チャネルとの整合を達成するために、任意の特に精密かつ正確な寸法を必要としないことが、当業者によって理解されるであろう。
【0094】
ポート2438の下側部分の直径D3は、管類が容易に挿入かつ除去され得るように、使用されるべき管類の外径より大きくあるべきであることを理解されたい。例えば、0.062インチの外径を伴うMarvelX管類に関して、ポート2442aの直径D1は、0.074インチであることができ、直径D2は、0.010インチであることができ、直径D3は、0.068インチであることができる。
【0095】
図31は、ポートまたは開口の奥行が本質的にはゼロであり、外径D1が本質的には無限である、ステータ挿入体3101の代替実施形態の等角図を図示する。
図31に示されるように、ステータ挿入体の中心部分は、ディスク形状の基部から延在してもよく、中心延在部は、角度付けられた表面が、本質的にはそれに対して管類の一端がシールされ得る平底ポート表面を提供する、流体経路を有する角度付けられた表面を提供してもよい。
【0096】
図32は、ステータ挿入体3101の代替実施形態の横断面図を図示する。
【0097】
本明細書に説明されるような、2部品から成るシェル2430およびステータ挿入体2440を伴う弁2401の利点の中でもとりわけ、シェル2430は、シェル2430が、流体経路の一部を形成せず、流体と接触しないため、プラスチックまたは金属から作製されることができる。例えば、シェル2430は、PEEK、PPS、DELRIN、PP、PS、ULTEM、および同等物等のプラスチックから作製されることができる、またはシェル2430は、アルミニウム、銅、鋼、ステンレス鋼、チタン、MP35N等の金属、もしくは種々の金属の合金、もしくはセラミック材料、または他の複合材料、もしくはその組み合わせから作製されることができる。ステータ挿入体2440が1つ以上の生体適合性材料から作製される限り、弁2401は、依然として、生体適合性流動経路を提供することができ、弁2401は、生体適合性用途のために使用されることができる。2部品から成るアセンブリの別の利点は、シェル2430が、より高い圧力が使用されず、それが再利用され得る用途のためのもの等、より安価な材料から作製されることができることである。したがって、本開示の弁2401は、材料および潜在的使用、ならびにコスト節約および製造の容易さの観点から、かなりの柔軟性を提供する。
【0098】
図示されていないが、ステータ挿入体2440の略平面状である表面のうちのいずれか一方または両方は、ラップ仕上げされるならびに/もしくはダイヤモンド状炭素(DLC)もしくは他のコーティング材料でコーティングされ得、ステータ挿入体2440の一方の表面に当接するシェル2430の略平面状である表面もまた、ラップ仕上げされるおよび/またはDLCもしくは別のコーティング材料でコーティングされ得ることを理解されたい。そのようなラップ仕上げおよび/またはコーティングは、摩擦を低減し、硬度を増加させ、非常に平滑な表面を提供し、それぞれ、シェル2430とステータ挿入体2440の片側との、ならびにロータシール2460の表面とステータ挿入体2440の第2の側とのより良好な嵌合および係合を提供するように使用されることができる。
【0099】
シェル2430およびステータ挿入体2440を伴う、2部品から成るステータアセンブリを伴う弁2401の別の利点は、ステータ挿入体2440が、容易に除去され、異なるステータ挿入体2440と交換され得ることである。例えば、第1のステータ挿入体2440が、広範囲にわたって使用され、摩耗し始める、またはあまり精密ではない結果を提供する場合、第1のステータ挿入体2440は、新しい弁もしくはさらに新しいシェル2430を要求することなく、交換されることができる。例えば、オペレータは、3つのねじ(またはより多いもしくはより少ないねじ)を外し、弁2401のステータリング2450からステータ挿入体2440およびシェル2430を除去することによって、摩耗したステータ挿入体2440を伴う弁2401を分解することができる。摩耗したステータ挿入体2440は、次いで、シェル2430から取り外されることができ、新しいステータ挿入体2440が、シェル2430の陥凹部分の中に取り付けかつ挿入され、摩耗したステータ挿入体2440を交換することができ、次いで、オペレータは、位置決めピン(図示せず)を用いてステータ挿入体2440およびシェル2430を整合させ、次いで、ねじを弁2401の本体内の定位置の中にねじ留めすることによって、ステータ挿入体2440およびシェル2430をステータリング2450ならびに弁2401にしっかりと取り付け、シェル2430および新しいステータ挿入体2440を弁2401の残部にしっかりと取り付けることによって、弁2401を再度組み立てることができる。これは、弁2401のいずれかの他の構成要素を交換することなくステータ挿入体2440を交換し、それによって、弁2401の使用のより長い寿命およびより安価なコストを提供する利点を提供する。
【0100】
そのうえ、ステータ挿入体2440および/またはシェル2430は、代替ステータ挿入体2440ならびに/もしくは代替シェル2430が所望される用途のために使用され得るように、これらの方法を用いて交換されることができる。分析器具システムは、複雑であり得るため、オペレータが弁の所与の用途ためにステータ挿入体2440および/またはシェル2430を単純に交換することを可能にすることは、オペレータが種々の用途のために本質的には同一の弁2401を使用することを可能にする。例えば、オペレータは、高圧を伴うもの等の特定の用途のために、金属シェル2430および金属ステータ挿入体2440を組み合わせて使用することを所望し得る。オペレータが、次いで、生体適合性が所望される用途において弁2401を使用することを所望する場合、オペレータは、生体適合性材料から作製されるステータ挿入体および/またはシェルを伴うステータ挿入体2440ならびにシェル2430のいずれか一方もしくは両方を交換することができる。加えて、オペレータは、ステータ挿入体が、全て、完全な別個の弁2401を要求することなく、交換ステータ挿入体2440が、所望される用途のための所望される特徴を含むように、特定のサイズのサンプルループ、混合器、圧力センサ、流動センサ、または温度センサ、もしくは同等物を有することが所望される用途のために、ステータ挿入体2440を交換することができる。そのような柔軟性は、オペレータに、低減されたコスト(付加的な弁または交換弁のより低い必要性に起因する)、より長い弁寿命、種々の用途を横断した使用の容易さ、および比較的に迅速に弁に変更を提供するための能力(分析器具システム内で弁を完全に交換もしくは再位置決めすることなく、弁内のステータ挿入体ならびに/もしくはシェルを変更すること等による)の利点を提供するであろう。
【0101】
当業者は、上記に説明されるもののような交換可能なステータ挿入体および別個の搭載デバイスまたはシェルが、従来の弁に優るいくつかの利点を有することを理解するであろう。加えて、本開示のシェルは、従来の弁のための従来のステータヘッドからサイズが低減され、したがって、従来の弁内にねじ山および流動経路を提供するための材料ならびにまた高価な機械加工動作のコストを低減することができる。加えて、シェルの開口部は、本開示のステータ挿入体の第1の側上の開口部と近接して整合され、それによって、多くの場合、従来の弁に当てはまるような激しい流動および/または死容積の導入の可能性を低減させることができる。しかしながら、同時に、その中のステータ挿入体および通路の開口部は、そのような通路の容積を精密に制御する等、精密に制御されることができ、これは、約0.2〜約0.6マイクロリットルの範囲内であることができる。そのうえ、本開示の弁は、管類および弁を通した流体流が、
34.5MPa〜207MPa(5,000psi〜30,000psi
)の範囲またはより高い圧力を含む、高圧下であるときでさえ、使用されることができる。ステータ挿入体は、ともに接合される2つ以上の層を備え得るため、層はそれぞれ、2つの層がともに接合されるとき、部分が、接合された層によって形成されるステータ挿入体を通した通路を形成するように、ともに整合かつ嵌合する、1つ以上の部分(溝もしくはチャネル等)を備えることができる。摩擦を低減し、硬度を増加させるように所望される場合、その中に流体経路(溝、通路、または別様のものによって形成されるかにかかわらない)を含むステータ挿入面は、コーティングされる(ダイヤモンド状炭素等で)ことができる。
【0102】
ここで
図33を参照すると、弁アセンブリ3301の一部の別の実施形態が、部分的横断面図に示される。
図33では、弁アセンブリは、シェル3330と、ステータ挿入体3340と、シェル3330とステータ挿入体3340との間に位置する誘導または第3の部品3335とを含む。加えて、継手アセンブリ3310は、管の一端をステータ挿入体3340内の平底ポートに除去可能に接続するように組み立てられた状態に示される。
図33に示されるように、継手アセンブリ3310は、ナットが、シェル3330内のポートのねじ山付きの部分の中に除去可能に螺合され、管類の一端がシェル3330の底部部分を通して、誘導部品3335を通して、かつステータ挿入体3340内のポートの中に延在する、ナットと、管類アセンブリとを含む。シェル3330は、シェル2430に関して上記に説明されるものと同一の材料から作製されることができ、ステータ挿入体3340は、挿入体2440に関して上記に説明されるものと同一の材料から作製されることができ、誘導部品3335は、上記に説明されるようなシェル2430または挿入体2440のいずれかと同一の材料から作製されることができる。
【0103】
図34では、誘導部品3335の等角図が、提供される。便宜上、同様の番号が、
図33−35において使用される。
図34に示されるように、誘導部品は、それを通る6つの開口部3336a−3336fを有する。加えて、部品3335は、その縁の一部の中に提供される、丸みを帯びた切欠3338を有する。本切欠3338は、ステータ挿入体3330内の対応する切欠と同様に、弁アセンブリ内のピンまたは他の突出要素を用いて、挿入体および誘導部品の容易かつ精密な整合を可能にするように、使用されることができる。
【0104】
継手アセンブリ3310の一端と、シェル3330と、ステータ挿入体3340と、誘導部品3335とのアセンブリの拡大された部分的横断面図が、
図35に提供される。示されるように、継手アセンブリ3310は、外側管3312内に位置する、内側管類3314を含む。ひいては、スリーブ3311は、外側管3312の少なくとも一部ならびに管類アセンブリの端部の近位に位置する先端3315の少なくとも一部を囲繞する。
図35に示されるように、先端3315の一端および内側管3314の端部は両方、除去可能なシール係合を提供するように、ステータ挿入体3340の平底シール表面3343に当接する。管類および継手アセンブリ3310は、公開済み米国特許出願第2016/0116088A1号として公開された、同時係属中の米国特許出願第14/922,041号に図示かつ説明されるタイプの継手アセンブリであってもよいが、そうである必要はない。簡潔にするために、ナット、スリーブ、およびシール先端を含む継手ならびに管類アセンブリに関する詳細は、完全かつ詳細な説明が、公開済み米国特許出願第2016/0116088A1号(本明細書に完全に記載される場合と同様に、参照することによって本明細書によって組み込まれる)において読者が利用可能であるため、本明細書には提供されない。
【0105】
また、
図35に示されるように、管類アセンブリは、シェル3330内の開口部3331を通して、誘導部品3335内の開口部3337を通して、次いで、ステータ挿入体3340のポート3338の中に通過する。
図35から、開口部3331および3338は、管類アセンブリの外径(本図では、スリーブ3311の外径によって判定される)を有意に上回る直径を有し得ることが理解され得る。したがって、これらの開口部は、精密に機械加工される必要がなく、より急速にかつより少ない費用で作製されることができる。また、
図35に示されるように、誘導部品3337を通した開口部の直径は、サイズが、管類アセンブリの外径(本図では、再び、スリーブ3311の外径である)にはるかにより近い。開口部3337の直径を管類アセンブリの外径に近いものにすることによって、開口部3337は、管類アセンブリを誘導し、それを定位置に保持する役割を果たす。これは、シェル3330内の開口部3331およびポート3338の開口部が、この機能を果たす必要がなく、管類アセンブリの外径に近似的に合致する必要がないことを意味する。当業者は、これらの開口部および管類アセンブリの直径が、他の実施形態に関連して上記に説明されるものと同一または類似するものであり得る、もしくは異なり得ることを理解するであろう。加えて、誘導部品3335を通した開口部の上面上の面取部3336が、
図35に提供かつ示される。これは、接続部のアセンブリの間、管類アセンブリが誘導部品3335の中、次いで、挿入体3340の中に挿入されると、管類アセンブリを誘導するために役立つ。
【0106】
本明細書に説明されるような、2部品から成るシェル3330およびステータ挿入体3340を伴う弁3301の利点の中でもとりわけ、シェル3330ならびに/もしくは誘導部品3335は、シェル3330および誘導部品3335が、流体経路の一部を形成せず、流体と接触しないため、プラスチックまたは金属から作製されることができる。例えば、シェル3330は、PEEK、PPS、DELRIN、PP、PS、ULTEM、および同等物等のプラスチックから作製されることができる、またはシェル3330は、アルミニウム、銅、鋼、ステンレス鋼、チタン、MP35N等の金属、もしくは種々の金属の合金、またはセラミック材料、もしくは他の複合材料、またはその組み合わせから作製されることができる。同様に、誘導部品3335もまた、これらの材料のうちの任意のものから成ってもよく、シェル3330と同一の材料または複数の材料から成ってもよく、シェル3330と異なる材料もしくは複数の材料から成ってもよい。ステータ挿入体3340が1つ以上の生体適合性材料から作製される限り、弁3301は、依然として、生体適合性流動経路を提供することができ、弁3301は、生体適合性用途のために使用されることができる。2部品から成るアセンブリの別の利点は、シェル3330および/または誘導部品3335が、より高い圧力が使用されず、それが再利用され得る用途のためのもの等、より安価な材料から作製されることができることである。したがって、本開示の弁3301は、材料および潜在的使用、ならびにコスト節約および製造の容易さの観点から、かなりの柔軟性を提供する。
【0107】
生体適合性が必要とされないときの用途に関して、挿入体3340は、シェル3330および挿入体3340に関して上記に列挙される材料のうちの任意の1つ以上から成ってもよく、挿入体3340ならびに/もしくはシェル3330と同一または異なる材料から成ってもよい。生体適合性動作に関して、挿入体3340は、好ましくは、ガラス、セラミック、チタン等の生体適合性材料、またはPEEKもしくはポリエーテルケトンケトン(PEKK)等のポリマー材料から成ってもよい。セラミック材料は、ジルコニウム、アルミナ、炭化ケイ素、金属酸化物、金属炭化物、または窒化ホウ素、もしくは同等物から成ってもよい。
【0108】
図示されていないが、ステータ挿入体3340の略平面状である表面のうちのいずれか一方または両方は、ラップ仕上げされるならびに/もしくはダイヤモンド状炭素(DLC)もしくは他のコーティング材料でコーティングされ得、ステータ挿入体3340の一方の表面に当接する誘導部品3335の略平面状である表面もまた、ラップ仕上げされるおよび/またはDLCもしくは別のコーティング材料でコーティングされ得ることを理解されたい。そのようなラップ仕上げおよび/またはコーティングは、摩擦を低減し、硬度を増加させ、非常に平滑な表面を提供し、それぞれ、誘導部品3335とステータ挿入体3340の片側との、ならびにロータシールの表面とステータ挿入体3340の第2の側とのより良好な嵌合ならびに係合を提供するように使用されることができる。シェル3330、誘導部品3335、およびステータ挿入体3340を伴う、ステータアセンブリを伴う弁3301の別の利点は、ステータ挿入体3340ならびに/もしくは誘導部品3335が、容易に除去され、それぞれ、異なるステータ挿入体3340および/または誘導部品3335と交換され得ることである。例えば、第1のステータ挿入体3340が、広範囲にわたって使用され、摩耗し始める、またはあまり精密ではない結果を提供する場合、第1のステータ挿入体3340は、新しい弁もしくはさらに新しいシェル3330を要求することなく、交換されることができる。例えば、オペレータは、3つのねじ(またはより多いもしくはより少ないねじ)を外し、弁3301のステータリングからステータ挿入体3340およびシェル3330を除去することによって、摩耗したステータ挿入体3340を伴う弁3301を分解することができる。摩耗したステータ挿入体3340は、次いで、シェル3330から取り外されることができ、新しいステータ挿入体3340が、シェル3330の陥凹部分の中に取り付けかつ挿入され、摩耗したステータ挿入体3340を交換することができ、次いで、オペレータは、位置決めピン(図示せず)を用いてステータ挿入体3340およびシェル3330を整合させ、次いで、ねじを弁3301の本体内の定位置の中にねじ留めすることによって、ステータ挿入体3340およびシェル3330をステータリングならびに弁3301にしっかりと取り付け、シェル3330および新しいステータ挿入体3340を弁3301の残部にしっかりと取り付けることによって、弁3301を再度組み立てることができる。これは、弁3301のいずれかの他の構成要素を交換することなくステータ挿入体3340を交換し、それによって、弁3301の使用のより長い寿命およびより安価なコストを提供する利点を提供する。同一のアプローチおよび方法が、所望される場合ならびにそのようなとき、誘導部品3335を交換するために使用されることができる。
【0109】
そのうえ、ステータ挿入体3340、誘導部品3335、および/またはシェル3330は、代替ステータ挿入体3340、代替誘導部品3335、および/または代替シェル3330が所望される用途のために使用され得るように、これらの方法を用いて交換されることができる。分析器具システムは複雑であり得るため、オペレータが弁の所与の用途ためにステータ挿入体3340、誘導部品3335、および/またはシェル3330を単純に交換することを可能にすることは、オペレータが種々の用途のために本質的には同一の弁3301を使用することを可能にする。例えば、オペレータは、高圧を伴うもの等の特定の用途のために、金属シェル3330および金属ステータ挿入体3340を組み合わせて使用することを所望し得る。オペレータが、次いで、生体適合性が所望される用途において弁3301を使用することを所望する場合、オペレータは、生体適合性材料から作製されるステータ挿入体および/またはシェルを伴うステータ挿入体3340ならびにシェル3330のいずれか一方もしくは両方を交換することができる。加えて、オペレータは、交換ステータ挿入体3340が、全て、完全な別個の弁3301を要求することなく、所望される用途のための所望される特徴を含むように、特定のサイズのサンプルループ、混合器、圧力センサ、流動センサ、または温度センサ、もしくは同等物を有することが所望される用途のために、ステータ挿入体3340を交換することができる。そのような柔軟性は、オペレータに、低減されたコスト(付加的な弁または交換弁のより低い必要性に起因する)、より長い弁寿命、種々の用途を横断した使用の容易さ、および比較的に迅速に弁に変更を提供するための能力(分析器具システム内で弁を完全に交換もしくは再位置決めすることなく、弁内のステータ挿入体ならびに/もしくはシェルを変更すること等による)の利点を提供するであろう。
【0110】
当業者は、上記に説明されるもののような交換可能なステータ挿入体および別個の搭載デバイスまたはシェルが、従来の弁に優るいくつかの利点を有することを理解するであろう。加えて、本開示のシェルは、従来の弁のための従来のステータヘッドからサイズが低減され、したがって、従来の弁内にねじ山および流動経路を提供するための材料ならびにまた、高価な機械加工動作のコストを低減することができる。加えて、シェルの開口部は、本開示のステータ挿入体の第1の側上の開口部と近接して整合され、それによって、多くの場合、従来の弁に当てはまるような激しい流動および/または死容積の導入の可能性を低減させることができる。しかしながら、同時に、その中のステータ挿入体および通路の開口部は、そのような通路の容積を精密に制御する等、精密に制御されることができ、これは、約0.2〜約0.6マイクロリットルの範囲内であることができる。そのうえ、本開示の弁は、管類および弁を通した流体流が、
34.5MPa〜207MPa(5,000pst〜30,000psi
)の範囲またはより高い圧力を含む、高圧下であるときでさえ、使用されることができる。ステータ挿入体は、ともに接合される2つ以上の層を備え得るため、層はそれぞれ、2つの層がともに接合されるとき、部分が、接合された層によって形成されるステータ挿入体を通した通路を形成するように、ともに整合かつ嵌合する、1つ以上の部分(溝もしくはチャネル等)を備えることができる。摩擦を低減し、硬度を増加させるように所望される場合、その中に流体経路(溝、通路、または別様のものによって形成されるかにかかわらない)を含むステータ挿入面は、コーティングされる(ダイヤモンド状炭素等で)ことができる。
【0111】
ここで
図36を参照すると、弁アセンブリ3601の部分的断面図が、示される。
図36では、弁アセンブリ3601は、継手アセンブリ3610(上記に説明される継手アセンブリのうちの任意のもののようであり得る)と、シェル3630と、ステータ挿入体3640と、ロータ3620と、シャフト3670と、弁筐体3610とを含む。シェル3630は、シェル2430および3330のいずれか一方または両方に関して上記に説明されるものと同一の特徴(例えば、弁筐体への除去可能な搭載のためのねじのためのねじ山付きのポート、開口部等)を有し、同一の材料から成ることができる。同様に、ステータ挿入体3640は、挿入体2440および3340に関して上記に説明されるものと同一の材料から成り、かつ同一の特徴を有することができる。しかしながら、
図36に図示される実施形態では、挿入体3640は、完全または部分的にシェル3630の中に挿入されないことが理解され得る。代わりに、挿入体3640は、第1の、すなわち、上面と、第2の、すなわち、底面とを有する。
図36に示される挿入体3640の第1の、すなわち、上面は、シェル3630の底面の一部に当接する。本実施形態では、シャフト3670は、ロータ3620が、ひいては、ステータ挿入体3640をシェル3630の底面に対して押勢し、シール係合を提供するように、十分な力を用いてロータ3620の底面に対して押勢される。
【0112】
図37では、ステータ挿入体3640およびシェル3630の底面の等角図が、示される。便宜上、
図36および37の同様の物品は、同一の番号を有する。
図37に図示されるように、シェル3630は、シェル3630を弁アセンブリ筐体(
図37に図示せず)に除去可能に固着させるために使用され得るねじまたはボルトのための3つの開口部3632a−3632cを有する。シェル3630の底面の一部に当接するステータ挿入体3640に加えて、シェル3630の底面は、3つの突出部3642a−3642cを有する。突出部3642a−3642cは、ピンを備えることができ、略円筒形であることができる。
図37に示されるように、挿入体3640は、切欠がその中の突出部3642a−3642cのうちの対応する1つの一部を除去可能に受容するように適合される、3つの丸みを帯びた切欠を、その外縁内に有する。
図37に見られ得るように、突出部3642a−3642cは、少なくとも部分的にそのための対応する切欠内に位置するとき、ステータ挿入体3640を定位置に保持し、シェル3630に対する挿入体3640の移動を限定し、それによって、シェル3630のポートおよび流体経路の、挿入体3640の対応するポートならびに流体経路との適切な整合を確実にする。加えて、挿入体3640をシェル3630に対して定位置に保持することによって、突出部3642a−3642cは、挿入体3640の底面の流体経路および開口部が、ロータ(
図37に図示せず)の対応する流体経路ならびに開口部と適切に整合されることを確実にする。
【0113】
突出部3642a−3642cは、シェル3630と同一の材料または複数の材料から作製されることができる、もしくは1つ以上の異なる材料から成ってもよい。突出部3642a−3642cおよびシェル3630は、一体化された、単一の部品から成ることができる、または突出部3642a−3642cは、はんだ、糊付け等によって、もしくは他の適切な付着手段によって、シェル3630の底部に追加されることができることを理解されたい。概して、突出部3642a−3642cは、シェル3630および挿入体3640のいずれか一方または両方に関して上記に説明されるものと同一の材料のうちの任意のものから成ることができる。当業者はさらに、図示されていないが、突出部3642a−3642cはそれぞれ、全体または一部を問わず、1つ以上のエラストマ材料で被覆され得ることを理解するであろう。そのようなエラストマ材料の使用は、挿入体3640が、組立の間、突出部3642a−3642cに対するその適切な位置に設置されることを可能にし、定位置にあるとき、挿入体3640の切欠および突出部3642a−3642cは、挿入体3640が、突出部3642a−3642cのうちの1つ以上を被覆するエラストマ材料に対して圧接ならびにそれを圧縮し、それによって、挿入体3640がシェル3630に対して移動することを可能にせず、さらに、達成するためにより高価となるであろう、挿入体3640の切欠および突出部3642a−3642cの精密な公差を要求しない、緊密かつ しっかりした嵌合を確実にするように適合されることができる。代替として、接着糊または樹脂が、所望される場合、突出部3642a−3642cのいくつかもしくは全てをコーティングするために使用されることができる。図示されていないが、シェル3630は、その底面内に陥凹部または開口部を提供され得、挿入体3640は、その上面上に、そのような突出部がそれぞれ、シェル3630の底部内のそのような陥凹部または開口部のうちの対応する1つに除去可能に嵌合され、突出部および陥凹部のそのような配列が、シェル3630ならびに挿入体3640のいかなる相対移動をも制限かつ限定するように適合された状態で、1つ以上の突出部が提供され得ることもまた、理解されたい。
【0114】
図示されていないが、当業者は、丸みを帯びた切欠および対応する突出部3642a−3642cが、(切欠に関して示されるような)半球状または(突出部に関して示されるような)円形状である必要はないことを理解するであろう。代わりに、突出部は、正方形、長方形、三角形、または任意の他の形状を画定する横断面積を有し得、切欠も同様に、その中に対応して成形される突出部の全てもしくは一部を除去可能に受容するように成形され得る。加えて、図示されていないが、挿入体3640は、切欠を有する必要はなく、代わりに、それらが、それぞれ、その中の対応する突出部を除去可能に受容するように適合されるように位置し、定寸される、それを通る円形開口部を有し得ることを理解されたい。実際には、突出部および切欠、ならびに/もしくは突出部および開口部、またはその組み合わせの全てが、同一の断面形状を有する必要はない。代わりに、1つの突出部は、例えば、その対応する切欠および/または開口部もしくはその組み合わせがそれぞれ、突出部のうちの対応して成形されるものを除去可能に受容するように適合される状態で、円形である場合があり、別のものが、正方形である場合があり、また別のものが、三角形である場合がある。
【0115】
図示されていないが、ステータ挿入体3640の略平面状である表面のうちのいずれか一方または両方は、ラップ仕上げされるならびに/もしくはダイヤモンド状炭素(DLC)または他のコーティング材料でコーティングされ得、ステータ挿入体3640の一方の表面に当接するシェル3630の略平面状である表面もまた、ラップ仕上げされるならびに/もしくはDLCもしくは別のコーティング材料でコーティングされ得ることを理解されたい。そのようなラップ仕上げおよび/またはコーティングは、摩擦を低減し、硬度を増加させ、非常に平滑な表面を提供し、それぞれ、シェル3630とステータ挿入体3640の片側との、ならびにロータシールの表面とステータ挿入体3640の第2の側とのより良好な嵌合および係合を提供するように使用されることができる。
【0116】
シェル3630およびステータ挿入体3640を伴う、ステータアセンブリを伴う弁3601の別の利点は、ステータ挿入体3640が、除去され、異なるステータ挿入体3640と交換され得ることである。例えば、第1のステータ挿入体3640が、広範囲にわたって使用され、摩耗し始める、またはあまり精密ではない結果を提供する場合、第1のステータ挿入体3640は、新しい弁もしくはさらに新しいシェル3630を要求することなく、交換されることができる。例えば、オペレータは、3つのねじ(またはより多いもしくはより少ないねじ)を外し、弁3610のステータリングからステータ挿入体3640およびシェル3630を除去することによって、摩耗したステータ挿入体3640を伴う弁3601を分解することができる。摩耗したステータ挿入体3640は、次いで、シェル3630から取り外されることができ、新しいステータ挿入体3640が、シェル3630の底面に隣接して取り付けかつ設置され、摩耗したステータ挿入体3640を交換することができ、次いで、オペレータは、位置決めピンまたはシェル3630の底部上の突出部を用いてステータ挿入体3640およびシェル3630を整合させ、次いで、ねじを弁3601の本体内の定位置の中にねじ留めすることによって、ステータ挿入体3640ならびにシェル3630をステータリングおよび弁3601にしっかりと取り付け、シェル3630ならびに新しいステータ挿入体3640を弁3601の残部にしっかりと取り付けることによって、弁3601を再度組み立てることができる。これは、弁3601のいずれかの他の構成要素を交換することなくステータ挿入体3640を交換し、それによって、弁3601の使用のより長い寿命およびより安価なコストを提供する利点を提供する。
【0117】
そのうえ、ステータ挿入体3640および/またはシェル3630は、代替ステータ挿入体3640ならびに/もしくは代替シェル3630が所望される用途のために使用され得るように、これらの方法を用いて交換されることができる。分析器具システムは複雑であり得るため、オペレータが弁の所与の用途ためにステータ挿入体3640および/またはシェル3630を単純に交換することを可能にすることは、オペレータが種々の用途のために本質的には同一の弁3601を使用することを可能にする。例えば、オペレータは、高圧を伴うもの等の特定の用途のために、金属シェル3630および金属ステータ挿入体3640を組み合わせて使用することを所望し得る。オペレータが、次いで、生体適合性が所望される用途において弁3601を使用することを所望する場合、オペレータは、生体適合性材料から作製されるステータ挿入体および/またはシェルを伴うステータ挿入体3640ならびにシェル3630のいずれか一方もしくは両方を交換することができる。加えて、オペレータは、ステータ挿入体が、全て、完全な別個の弁3601を要求することなく、交換ステータ挿入体3640が、所望される用途のための所望される特徴を含むように、特定のサイズのサンプルループ、混合器、圧力センサ、流動センサ、または温度センサ、もしくは同等物を有することが所望される用途のために、ステータ挿入体3640を交換することができる。そのような柔軟性は、オペレータに、低減されたコスト(付加的な弁または交換弁のより低い必要性に起因する)、より長い弁寿命、種々の用途を横断した使用の容易さ、および比較的に迅速に弁に変更を提供するための能力(分析器具システム内で弁を完全に交換もしくは再位置決めすることなく、弁内のステータ挿入体ならびに/もしくはシェルを変更すること等による)の利点を提供するであろう。
【0118】
当業者は、上記に説明されるもののような交換可能なステータ挿入体および別個の搭載デバイスまたはシェルが、従来の弁に優るいくつかの利点を有することを理解するであろう。加えて、本開示のシェルは、従来の弁のための従来のステータヘッドからサイズが低減され、したがって、従来の弁内にねじ山および流動経路を提供するための材料ならびにまた、高価な機械加工動作のコストを低減することができる。加えて、シェルの開口部は、本開示のステータ挿入体の第1の側上の開口部と近接して整合され、それによって、多くの場合、従来の弁に当てはまるような激しい流動および/または死容積の導入の可能性を低減させることができる。しかしながら、同時に、その中のステータ挿入体および通路の開口部は、そのような通路の容積を精密に制御する等、精密に制御されることができ、これは、約0.2〜約0.6マイクロリットルの範囲内であることができる。そのうえ、本開示の弁は、管類および弁を通した流体流が、
34.5MPa〜207MPa(5,000pst〜30,000psi)の範囲またはより高い圧力を含む、高圧下であるときでさえ、使用されることができる。ステータ挿入体は、ともに接合される2つ以上の層を備え得るため、層はそれぞれ、2つの層がともに接合されるとき、部分が、接合された層によって形成されるステータ挿入体を通した通路を形成するように、ともに整合かつ嵌合する、1つ以上の部分(溝もしくはチャネル等)を備えることができる。摩擦を低減し、硬度を増加させるように所望される場合、その中に流体経路(溝、通路、または別様のものによって形成されるかにかかわらない)を含むステータ挿入面は、コーティングされる(ダイヤモンド状炭素等で)ことができる。
【0119】
本発明は、その好ましい実施形態において、およびある具体的な代替実施形態において図示かつ説明されているが、当業者は、前述の議論から、本請求項において記載されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更、修正、ならびに変形例が、それに成され得ることを認識するであろう。例えば、当業者は、前述の説明および図が、概して、回転シアー弁等の弁を描写しているが、前述の開示は、同時に、他のタイプの弁にも適用されることを理解するであろう。同様に、本明細書に図示かつ説明される弁ならびに構成要素は、実施例として図示かつ説明されるものより多いまたは少ないポート、流体経路、ねじおよびボルトのための開口部、ならびに同等物を有し得ることを理解されたい。加えて、2部品から成るまたは3部品からなるステータアセンブリが、図示かつ説明されているが、当業者は、所望される場合、本明細書における教示が、より多くの部品を伴うステータアセンブリにも容易に適用され、本明細書における教示が、任意の多部品ステータアセンブリのために適用可能であると見なされるべきであることを理解するであろうことを理解されたい。故に、実施形態、および具体的な寸法、材料、ならびに同等物は、単に例証であり、本明細書の発明または請求項の範囲を限定するものではない。