(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
一般的に運動靴等の履物や、かばん又は運動服、帽子等のような衣類等には、必要に応じてあるいは着用後に着用者の身体に合うように、ウエストや頭囲等を調節する調節紐(以下、「紐」という)が備えられているが、このような紐は、通常紐の長さが一定に維持されるように、その先端に紐に付いて動く固定クリップを備えている。
【0003】
例えば、運動靴等の履物には履物が各個人の足にきちんと合うようにするための靴紐が備えられているが、着用者は安全で快適な歩行が可能なように、履物を履いた後に靴紐を適切に引き締めることにより、自分の足と履物が密着するようにする。
【0004】
一方、履物や衣服、スポーツ装備等のような物品を着用する度に紐を解いたり再び締めるのは非常に煩わしいことであるが、このような煩わしさを解消するための紐の長さ調節装置がまた開発、開示されている。
【0005】
例えば、韓国登録特許第959800号公報(2010年5月28日公告)には、固定ハウジング、回転ハウジング、巻取ドラム、回転ハウジングの上部に結合される自由曲線型スプリング、固定ハウジング及び回転ハウジングを結合させる結合部材(ボルト)を含む紐の長さ調節装置が開示されている。
【0006】
また、韓国登録特許第1147681号公報(2012年5月22日公告)には、固定ハウジングと、回転ハウジング、巻取ドラム、固定ハウジング及び回転ハウジングを結合させる結合ユニット(シャフトとスクリュー)、回転ハウジングの上部に結合される自由曲線型スプリングを含む紐の長さ調節装置が開示されているし、韓国登録特許第1107372号公報(2012年1月19日公告)には、中央の領域にドラム回転軸が形成される固定ハウジングと、固定ハウジングに結合される回転ハウジング、巻取ドラム、固定ハウジング及び回転ハウジングを結合させて紐の巻取又は巻取解除の動作のために回転ハウジングのアップ/ダウン動作をガイドする結合ユニットガイドシャフト(シャフト及び固定スクリュー)を含む紐の長さ調節装置が開示されている。
【0007】
しかし、上記した従来の紐の長さ調節装置は、固定ハウジング、回転ハウジング及び巻取ドラム以外に、各構成要素を結合するための結合部材等を必要とし、動作のために弾性力を提供する特殊形態のスプリング等を必須の構成として採択しなければならないため、構成要素の増加によって製造単価が上昇し構造が複雑になる問題点がある。
【0008】
また、各構成要素を結合するためにボルト、スクリュー等の結合部材を採択しなければならないが、組立過程で結合部材の締結トルクを一定に維持するのが容易でなく、組立性、品質等がよくなくて、事後修理を提供することも容易でないだけでなく、必須構成要素であるスプリングの変形や離脱、結合部材の締結部の摩耗等による故障が発生する可能性も高いという問題点もある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明による紐の長さ調節装置の斜視図である。
【
図2】本発明による紐の長さ調節装置の分解斜視図である。
【
図3】本発明による回転ハウジングの底面図である。
【
図5】本発明による巻取ドラムの側面斜視図及び切断側断面図である。
【
図6】本発明による巻取ドラムの側面斜視図及び切断側断面図である。
【
図7】本発明の一実施例による紐の長さ調節装置の分離断面図である。
【
図8】本発明による紐の長さ調節装置の作動状態を例示する結合側断面図である。
【
図9】本発明による紐の長さ調節装置の作動状態を例示する結合側断面図である。
【
図10】本発明による回転ハウジング及び固定ハウジングの作動状態を示す結合平面図である。
【
図11】本発明による回転ハウジング及び固定ハウジングの作動状態を示す結合平面図である。
【
図12】本発明のまた他の実施例による紐の長さ調節装置の図面を先の実施例の様式によって示した図面である。
【
図13】本発明のまた他の実施例による紐の長さ調節装置の図面を先の実施例の様式によって示した図面である。
【
図14】本発明のまた他の実施例による紐の長さ調節装置の図面を先の実施例の様式によって示した図面である。
【
図15】本発明のまた他の実施例による紐の長さ調節装置の図面を先の実施例の様式によって示した図面である。
【
図16】本発明のまた他の実施例による紐の長さ調節装置の図面を先の実施例の様式によって示した図面である。
【
図17】本発明のまた他の実施例による紐の長さ調節装置の図面を先の実施例の様式によって示した図面である。
【
図18】本発明のまた他の実施例による紐の長さ調節装置の図面を先の実施例の様式によって示した図面である。
【
図19】本発明のまた他の実施例による紐の長さ調節装置の図面を先の実施例の様式によって示した図面である。
【
図20】本発明のまた他の実施例による紐の長さ調節装置の図面を先の実施例の様式によって示した図面である。
【
図21】本発明のまた他の実施例による紐の長さ調節装置の図面を先の実施例の様式によって示した図面である。
【
図22】本発明のまた他の実施例による紐の長さ調節装置の図面を先の実施例の様式によって示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
また、上記した目的を達成するために、本発明は、紐の長さ調節装置において、上部が開放された円筒形の収容部を内部に有する固定ハウジングと、上記固定ハウジングに対して回転可能であり、下部には中央から軸方向に延長されて半径方向に弾性的に偏向され得るように分枝したシャフトを備え、上記分枝したシャフトには突出部が形成される回転ハウジング、及び上記収容部に挿入されるもので、紐が巻取又は巻取解除される巻取部を備え、上部には中央から軸方向に上向きに延長されるように軸結合部が形成されて、上記分枝したシャフトが差込結合されて軸方向に上下移動するように構成された巻取ドラム、が含まれ、
上記軸結合部には上記回転ハウジングが軸方向に下向移動した位置で上記突出部を支持する引っ掛かり部が形成され、上記回転ハウジングが軸方向に下向移動した位置では上記突出部は上記引っ掛かり部の下側に位置し、上記回転ハウジングが軸方向に上向移動した位置では上記突出部は上記引っ掛かり部の上側に位置することを特徴とする紐の長さ調節装置を提示する。
【0017】
以下、添付した図面を参考にして本発明の望ましい実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は、ここで説明する実施例に限定されず、様々に相異した形態で具現されることができ、本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略することとする。
【0018】
まず、以下で使用する「紐」という用語は、運動靴、スポーツブーツ等のような履物、かばん、運動服や手袋又は帽子等の衣服等に備えられる多様な種類の「ワイヤー」や「綱」を含み、またイヤホンやヘッドセットの「ワイヤー」、スマートフォンやコンピューターに使用される「充電ケーブル」、「データケーブル」等を含む意味で使用される。
【0019】
図1は本発明による紐の長さ調節装置の斜視図であり、
図2は本発明による紐の長さ調節装置の分解斜視図である。
【0020】
図1、2に示されるように、本発明の一実施例による紐の長さ調節装置100は、スクリューやボルト及びナット等の結合部材やスプリング等の弾性部材等を含まず、紐を除く場合たった3つの構成要素、すなわち回転ハウジング1、巻取ドラム2及び固定ハウジング3のみからなることができる。したがって従来の紐の長さ調節装置より構造が単純化されて、製品単価及び故障率を減少させることができるのはもちろん、製品の組立性と品質の均一性に優れて部分的破損や損傷等が発生する場合にも事後修理が容易である。
【0021】
固定ハウジング3は、上部が開放された円筒形の収容部31を内部に有し、下部には紐の長さ調節装置100を履物等の被取付物に取付けて固定するための略板状をなすフランジ32が備えられる。固定ハウジング3は、フランジ32の下面が履物、かばん等の被取付物に接するように位置させて固定され得る。
【0022】
固定ハウジング3の側面には、収容部31から固定ハウジング3の外部に紐(図示なし)が引き出されることができる2つの紐通過孔35が相互離隔されて形成され得る。
【0023】
固定ハウジング3の上部には、後述する回転ハウジング1のラッチ11と噛み合う場合に回転ハウジング1の一方向の回転のみを許容する形状に加工された鋸歯形33が備えられる。(
図10、11参照)。ここで「一方向」は、時計回り又は逆時計回りのうちいずれか一方向を意味し、以下でも同じである。
【0024】
鋸歯形33は、
図1及び
図2に示したように、固定ハウジング3の上部内周面、すなわち収容部31の上部内周面に形成され得るが、その位置がここに限定されるものではなく、上部外周面又は上端部に形成されることもできる。
【0025】
固定ハウジング3の鋸歯形33の下端には内周面に沿って半径方向内側に延長して形成された流動防止突起34が備えられるが、これは収容部31に挿入される巻取ドラム2が収容部31から離脱することを防止する役割をする。
【0026】
図示されたものは、固定ハウジング3に流動防止突起34が両側に備えられるように図示されているが、巻取ドラム2を修理する場合に収容部31からの離脱を容易にしなければならない点と、流動防止突起34を二つで備える場合に固定ハウジング3自体が弱くなって破損する危険が大きくなるという点を考慮するなら、固定ハウジング3に流動防止突起34は一側だけに備えられるように構成するのが望ましいであろう。
【0027】
紐の長さ調節装置100を回転ハウジング1、巻取ドラム2及び固定ハウジング3のみで構成する場合には、装置の組立又は分解の際に、収容部31に巻取ドラム2を挿入したり収容部31から巻取ドラム2を抜き取ることができるようにするために、上記流動防止突起34は外力によって撓み得て、外力が除かれればまた元の形に回復することができる性質、すなわち可撓性(flexibility)を有するように形成するのが望ましい。
【0028】
これにより、収容部31の上側から巻取ドラム2を挿入する際、可撓性を有する流動防止突起34は上側、下側又は側面方向等へ撓んで変形し得、流動防止突起34の変形によって生ずる隙から巻取ドラム2が収容部31に挿入、収納されることができ、巻取ドラム2が収容部31内に収納された後には、流動防止突起34がまた元の形に回復して巻取ドラム2が収容部31から離脱することを防止する役割をするようになる。
【0029】
上記固定ハウジング3は一体型で構成されるだけでなく、固定ハウジング3を互いに分離した2つの構成、すなわち本体部及びベースを相互圧入結合して形成することができる。
【0030】
本体部は、収容部31を有するように上下部が開放された円筒形状をなし、側面には紐が収容部31から外部に引き出されることができる2つの紐通過孔35が相互離隔されて形成され得る。
【0031】
ベースは、履物等の被取付物に取付けて固定するためのもので、略板状をなすフランジ32が備えられる。
【0032】
本体部とベースは、相互圧入結合され得るように構成される。
【0033】
固定ハウジング3を互いに分離した2つの構成、すなわち本体部及びベースを相互圧入結合して形成すれば、特に修理が必要な場合に履物やかばん等の被取付物に固定されたベースを除いた残りの構成要素をベースから分離し、破損したり欠陥がある構成要素のみを交換した後、また結合することができるため、維持補修及び事後修理が非常に便利だという長所がある。
【0034】
図3は本発明による回転ハウジングの底面図であり、
図4は
図3のA−A’線の切断断面図である。
図5及び
図6は、本発明による巻取ドラムの側面斜視図及び切断側断面図である。
図7は、本発明の一実施例による紐の長さ調節装置の分離断面図である。また、
図8及び
図9は、本発明による紐の長さ調節装置の作動状態を例示する結合側断面図であり、
図10及び
図11は本発明による回転ハウジング及び固定ハウジングの作動状態を示す結合平面図である。
【0035】
図7に示されたものを参照すると、固定ハウジング3の上端外周面には、外側に延長して形成された離脱防止突起36が備えられるが、これは固定ハウジング3に結合される後述する回転ハウジング1が固定ハウジング3から離脱することを防止する役割をする。
【0036】
回転ハウジング1は、紐を巻取る際に取っ手の役割をするもので、固定ハウジング3に対して回転可能に、また軸方向に上向又は下向移動可能に結合される。
【0037】
回転ハウジング1は、下部に空間が形成された略円板形状を有し、下部にシャフト12、ハウジング結合鋸歯13及びラッチ11が備えられる。シャフト12は、回転ハウジング1の下部中央から軸方向に延長された形態で備えられるが、シャフト12は分枝して半径方向内側又は外側に弾性的に偏向され得る構造を有することを特徴とする。
【0038】
シャフト12は、
図4等に例示したように、2つに分枝することができるが、これに限定されるものではなく、3つ以上の複数に分枝することもできるが、望ましくは2ないし4つに分枝する。
【0039】
また、シャフト12は、図面に例示したように、相互完全に分離した形態で形成されることができるが、これに限定されるものではなく、軸方向に下向延長される途中で2つ以上の複数に分枝する形態で形成されることもできる。
【0040】
半径方向内側又は外側に弾性的に偏向され得る分枝したシャフト12にはそれぞれ半径方向内側に突出した突出部12aが備えられる。
【0041】
突出部12aは、後述する巻取ドラム2の挿入孔24の内周面に形成された引っ掛かり部24aと相互作用するもので、回転ハウジング1が軸方向に上向移動又は下向移動した位置で弾性力によってその状態を維持し得るようにする役割をする。
【0042】
ハウジング結合鋸歯13は、後述する巻取ドラム2のドラム結合鋸歯21と対応して相互作用をするもので、シャフト12を中心にその周辺に複数個が円をなす形態で形成される。
【0043】
ハウジング結合鋸歯13の外側周辺には半径方向内側又は外側に弾性的に偏向され得る複数のラッチ11が備えられる。
図2に示されるように、ラッチ11は略円弧形状をなし、延長された帯形態のラッチアーム11aと、上記ラッチアーム11aの端部に鋸歯形状に形成された止め歯形部11bからなる。止め歯形部11bの鋸歯形状は、鋸歯形33の形状と対応するように一方向の回転だけ許容する形状に加工される。
【0044】
ラッチアーム11aは、回転ハウジング1の半径方向内側又は外側に弾性的に適切に偏向され得る所定の長さと厚さを有することが望ましい。
【0045】
止め歯形部11bは、固定ハウジング3に形成された鋸歯形33と噛み合って相互作用をする部分である。回転ハウジング1が軸方向に下向移動した位置では、ラッチ11の止め歯形部11bが鋸歯形33と噛み合うようになる。この状態で回転ハウジング1を一方向に回転させる場合、ラッチアーム11aが半径方向内側に弾性的に偏向され、止め歯形部11bが鋸歯形33を乗り越えて隣接した鋸歯形33に移動するが、このような方式で連続的な回転が可能となる(
図10、11参照)。
【0046】
一方、回転ハウジング1を反対方向に回転させようとすると、止め歯形部11bが鋸歯形33と完全に噛み合って鋸歯形33を乗り越えることができないため、回転がなされなくなる(
図10、11参照)。すなわち、
図8に示したように、回転ハウジング1が軸方向に下向移動した位置では、ラッチ11と、一方向の回転のみ許容する形状を有する鋸歯形33の相互作用により、回転ハウジング1が一方向にのみ回転可能な状態になる。
【0047】
一方、ラッチ11は、また軸方向上側に弾性的に偏向され得る形態で備えられることもできるが、この場合、ラッチ11に対応する結合鋸歯33は固定ハウジング3の上端部に備えられ得る。
【0048】
本発明では、回転ハウジング1に3つのラッチ11が備えられるものと例示しているが、これに限定されるものではなく、必要に応じてその数が減少又は増加され得る。
【0049】
円板形状を有する回転ハウジング1の周囲は、下側に延長されて下部に空間を形成するが、延長された端部の一部は、また半径方向内側に所定長さで延長されて結合突起14を形成する。結合突起14の形状及び構造は、
図4等に例示されているが、その形状、構造及び個数がこれに限定されるものではない。
【0050】
結合突起14は、固定ハウジング3の上端外周面から外側に突出して形成された離脱防止突起36と相互作用するもので、固定ハウジング3と結合した回転ハウジング1が軸方向に上向移動する場合、固定ハウジング3から離脱することを防止する役割をする(
図9参照)。
【0051】
巻取ドラム2は、固定ハウジング3の収容部31に回転可能な形態で挿入されるもので、回転によって紐が巻取又は巻取解除される巻取部23を備える。
【0052】
巻取ドラム2の上部には、中央から軸方向に上向きに延長される軸結合部24が構成され、これによって巻取ドラム2は、シャフト12を回転軸として正方向又は逆方向に回転することができるようになる。
【0053】
上記軸結合部24の外周面には、回転ハウジング1が軸方向に上向又は下向移動した位置で、シャフト12に形成された突出部12aを支持する引っ掛かり部24aが形成され、
図2等に示されたものは、実施例として引っ掛かり部24aを軸結合部24の外周面で直径方向外側に突出した形態で図示しているが、これに限定しない。
【0054】
巻取部23には、紐の端部を巻取ドラム2に結束して固定するための紐固定ホール25が形成される。また巻取ドラム2には、巻取られる紐が巻取部23の上側又は下側に任意に移動することを防止して、紐が巻取部23にきちんと巻取られたり、巻取部23から整然と解除され得るようにする2つ(一対)のディスク形状を有する円板部22が、巻取部23を挟んで相互離隔されて形成される。
【0055】
一方、
図8及び
図9に示されるように、2つ(一対)の円板部22のうち、上側に位置する円板部22の直径方向外側の端部は、固定ハウジング3の収容部31の内周面に沿って半径方向内側に突出して形成された流動防止突起34によって収容部31から離脱が防止される。
【0056】
すなわち、流動防止突起34によって、収容部31で上側に流動することなく回転することができ、回転ハウジング1が軸方向に上向移動する場合にも、巻取ドラム2は元の場所を維持することができるようになる。
【0057】
巻取ドラム2の上面には、ハウジング結合鋸歯13に対応して相互作用するドラム結合鋸歯21が形成されるが、巻取ドラム2の上面円板部22を中心として、その周辺に複数が円をなす形態で形成される。
【0058】
図8は回転ハウジング1が軸方向に下向移動した位置、すなわち巻取ドラム2に紐を巻取るための状態を示す結合側断面図であり、
図9は回転ハウジング1が軸方向に上向移動した位置、すなわち巻取ドラム2から紐を巻取解除しようとする状態を示す結合側断面図である。
【0059】
まず、
図8のように、回転ハウジング1が軸方向に下向移動した位置では、ラッチ11は鋸歯形33と噛み合って回転ハウジング1が一方向にのみ回転可能な状態になり、同時にハウジング結合鋸歯13はドラム結合鋸歯21と噛み合うようになり、突出部12aは引っ掛かり部24aの下側に位置するようになる。この状態で使用者は、回転ハウジング1を一方向に回転させて巻取ドラム2に紐を巻取ることができるようになる。
【0060】
図9のように、回転ハウジング1が軸方向に上向移動した位置では、ラッチ11及びハウジング結合鋸歯13はそれぞれ鋸歯形33及びドラム結合鋸歯21から離隔し、突出部12aは引っ掛かり部24aの上側に位置するようになる。この状態では、巻取ドラム2の回転に何ら制約がないため、使用者は紐を引っぱって巻取ドラム2から紐を巻取解除させることができるようになる。
【0061】
一方、回転ハウジング1が軸方向に上向移動した位置で、ハウジング結合鋸歯13がドラム結合鋸歯21から離隔しさえすれば、巻取ドラム2の回転に何ら制約がないため、使用者は紐を引っぱって巻取ドラム2から紐を巻取解除することができる状態になる。したがって、
図9の例示とは異なり、回転ハウジング1が軸方向に上向移動した位置で、必ずしもラッチ11が鋸歯形33から離隔しなくてはならないものではなく、ハウジング結合鋸歯13はドラム結合鋸歯21から離隔する一方、ラッチ11と鋸歯形33は相互噛み合った状態を維持していても構わない。
【0062】
シャフト12は複数に分枝して半径方向内側又は外側に弾性的に偏向され得る構造を有するため、突出部12aが引っ掛かり部24aの下側又は上側に位置した状態でその位置が任意に解除される現象が防止されることができる。
【0063】
図12ないし
図22は本発明のまた他の実施例による紐の長さ調節装置の図面を先の実施例の様式によって示した図面である。
【0064】
図示されているように、先の実施例と同様に、たった3つの構成要素、すなわち回転ハウジング1、巻取ドラム2及び固定ハウジング3のみからなり得る。
【0065】
先に記述したところの実施例でと同じ同一の構成についての説明は省略し、本実施例の特徴についてのみ記述することとする。
【0066】
固定ハウジング3の側面には、図示されたものでは、外側面の離脱防止突起36の下側に凸部37が形成される。上記凸部37は、外力によって撓み得て、外力が除かれればまた元の形に回復することができる性質、すなわち可撓性(flexibility)を有するように形成することもできるが、可撓性のない状態で固定されて構成するのが望ましい。
【0067】
また、上記凸部37は、固定ハウジング3の外側面を円形に囲む連続的な形態で構成されることができるが、固定ハウジング3の外側面に多数の個数で構成されることもでき、その形状、構造及び個数がこれに限定されるものではない。
【0068】
回転ハウジング1は、紐を巻取る際に取っ手の役割をするもので、固定ハウジング3に対して回転可能であり、上記固定ハウジング3に対して上下移動が可能に結合される。
【0069】
回転ハウジング1は、下部に空間が形成された略円板形状を有し、下部にハウジング結合鋸歯13及びラッチ11が備えられる。
【0070】
上記回転ハウジング1の内側面にはテンション突起部15が構成されるが、上記テンション突起部15は外力によって撓み得て、外力が除かれればまた元の形に回復することができる性質、すなわち可撓性(flexibility)を有するように形成するのが望ましい。
【0071】
同様に、回転ハウジング1の内側面に構成されるテンション突起部15の形状及び構造は、回転ハウジング1の内側面に多数で構成されるように例示されているが、その形状、構造及び個数がこれに限定されるものではなく、テンションを発生させることができるような構造で構成される。
【0072】
すなわち、固定ハウジング3の外側面には凸部37が、そして回転ハウジング1の内側面に弾性力を有するテンション突起部15が形成され、上記回転ハウジング1が固定ハウジング3に対して上下移動する際に、上記テンション突起部15が凸部37と互いに接触しながら回転ハウジング1の上下移動時に弾性力を提供するように構成される。
【0073】
巻取ドラム2は、固定ハウジング3の収容部31に回転可能な形態で挿入されるもので、回転によって紐が巻取又は巻取解除される巻取部23を備える。
【0074】
巻取部23には、紐の端部を巻取ドラム2に結束して固定するための紐固定ホール25が形成される。また巻取ドラム2には、巻取られる紐が巻取部23の上側又は下側に任意に移動することを防止して、紐が巻取部23にきちんと巻取られたり、巻取部23から整然と解除され得るようにする2つ(一対)のディスク形状を有する円板部22が、巻取部23を挟んで相互離隔されて形成される。
【0075】
一方、
図19及び
図20に示されるように、2つ(一対)の円板部22のうち、上側に位置する円板部22の直径方向外側端部は、固定ハウジング3の収容部31の内周面に沿って半径方向内側に突出して形成された流動防止突起34によって収容部31から離脱が防止される。
【0076】
すなわち、流動防止突起34によって、収容部31で上側に流動することなく回転することができ、回転ハウジング1が軸方向に上向移動する場合にも、巻取ドラム2は元の場所を維持することができるようになる。
【0077】
巻取ドラム2の上面には、ハウジング結合鋸歯13に対応して相互作用するドラム結合鋸歯21が形成されるが、巻取ドラム2の上面円板部22を中心として、その周辺に複数が円をなす形態で形成される。
【0078】
図19と
図20は、本発明のまた他の実施例による紐の長さ調節装置の作動状態を例示する結合側断面図である。
【0079】
図19は回転ハウジング1が軸方向に下向移動した位置、すなわち巻取ドラム2に紐を巻取るための状態を示す結合側断面図であり、
図20は回転ハウジング1が軸方向に上向移動した位置、すなわち巻取ドラム2から紐を巻取解除しようとする状態を示す結合側断面図である。
【0080】
まず、
図19のように、回転ハウジング1が軸方向に下向移動した位置では、ラッチ11は鋸歯形33と噛み合って回転ハウジング1が一方向にのみ回転可能な状態になり、同時にハウジング結合鋸歯13はドラム結合鋸歯21と噛み合うようになり、回転ハウジングのテンション突起部15は固定ハウジングの凸部37の下側に位置するようになる。この状態で使用者は、回転ハウジング1を一方向に回転させて巻取ドラム2に紐を巻取ることができるようになる。
【0081】
図20のように、回転ハウジング1が軸方向に上向移動した位置では、ラッチ11及びハウジング結合鋸歯13はそれぞれ鋸歯形33及びドラム結合鋸歯21から離隔し、回転ハウジングのテンション突起部15は固定ハウジングの凸部37の上側に位置するようになる。この状態では、巻取ドラム2の回転に何ら制約がないため、使用者は紐を引っぱって巻取ドラム2から紐を巻取解除させることができるようになる。
【0082】
一方、回転ハウジング1が固定ハウジングに対して上向移動した位置で、ハウジング結合鋸歯13がドラム結合鋸歯21から離隔しさええすれば、巻取ドラム2の回転に何ら制約がないため、使用者は紐を引っぱって巻取ドラム2から紐を巻取解除することができる状態になる。したがって、
図20の例示とは異なり、回転ハウジング1が軸方向に上向移動した位置で、必ずしもラッチ11が鋸歯形33から離隔しなくてはならないものではなく、ハウジング結合鋸歯13はドラム結合鋸歯21から離隔する一方、ラッチ11と鋸歯形33は相互かみ合った状態を維持していても構わない。
【0083】
以上のとおり、本発明のいくつかの実施例が説明されたが、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する技術者ならば、本発明の原則や精神から逸脱せず本実施例を変形することができることが分かるであろう。したがって、本発明の範囲は、記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱せず多様に修正及び変形することができ、そのような修正例又は変形例は、本発明の範囲に属するといえるものである。