特許第6882493号(P6882493)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882493
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】赤外線乾燥ユニットを備える印刷機
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20210524BHJP
   H05B 3/10 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   B41J2/01 125
   B41J2/01 305
   H05B3/10 B
   B41J2/01 127
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-541396(P2019-541396)
(86)(22)【出願日】2018年2月19日
(65)【公表番号】特表2020-508897(P2020-508897A)
(43)【公表日】2020年3月26日
(86)【国際出願番号】EP2018053972
(87)【国際公開番号】WO2018188839
(87)【国際公開日】20181018
【審査請求日】2019年7月31日
(31)【優先権主張番号】102017107920.3
(32)【優先日】2017年4月12日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】593129320
【氏名又は名称】ヘレーウス ノーブルライト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Noblelight GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ロッタ ガープ
(72)【発明者】
【氏名】ラリーザ フォン リーヴェル
【審査官】 加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−323974(JP,A)
【文献】 特開2011−143626(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102005046230(DE,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第00495770(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J2/01−2/215
H05B3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被印刷物上に、溶剤を含有する印刷インキを塗布する印刷アッセンブリと、
前記印刷アッセンブリから、前記被印刷物を乾燥させる少なくとも1つの赤外線放射源を有する乾燥ユニットへと前記被印刷物を搬送する搬送装置と、
を備える、印刷機であって、
前記赤外線放射源は、誘電性の、加温時に赤外線を放射する加熱要素材料から成る面状の加熱要素として構成されており、前記加熱要素は、乾燥されるべき前記被印刷物に面する加熱面と、接触面と、を有し、該接触面上に、導電性の、貴金属を含有する抵抗材料から成る熱導体の導体路が取り付けられており、該熱導体の導体路は、調整可能な電源に通じる電気的接触部材と接続されており、
前記加熱要素材料は、非晶質マトリックス成分と、半導体材料の形態の添加成分とを含む
ことを特徴とする、印刷機。
【請求項2】
前記加熱要素は、10mm未満のプレート厚を有するプレート状に構成されていることを特徴とする、請求項1記載の印刷機。
【請求項3】
前記搬送装置は、前記被印刷物の搬送に関する最大の規格サイズ幅を有し、前記加熱要素は、前記規格サイズ幅にわたって照射するために、相互に依存せずに電気的に制御可能である複数の加熱要素部分から成ることを特徴とする、請求項1または2記載の印刷機。
【請求項4】
前記乾燥ユニットは、前記被印刷物の搬送方向に相前後して配置された複数の前記加熱要素を有することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の印刷機。
【請求項5】
前記被印刷物と前記加熱要素との間の中間スペースにプロセス空気を供給する装置が設けられていることを特徴とする、請求項記載の印刷機。
【請求項6】
前記印刷アッセンブリは、インクジェット印刷ヘッドを有し、前記被印刷物の搬送方向に見て前記乾燥ユニットの下流側に、駆動モータが装着された少なくとも1本の延伸ローラが配置されていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の印刷機。
【請求項7】
前記延伸ローラは、冷却ローラとして構成されていることを特徴とする、請求項記載の印刷機。
【請求項8】
前記加熱要素は、180kW/m2超の出力密度が得られるように計されていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の印刷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術背景
本発明は、被印刷物上に、溶剤を含有する印刷インキを塗布する印刷アッセンブリと、被印刷物を印刷アッセンブリから、被印刷物を乾燥させる少なくとも1つの赤外線放射源を有する乾燥ユニットへと搬送する搬送装置とを備える、印刷機に関する。
【0002】
従来技術
紙、板紙、フィルムまたは厚紙から成るシート状のまたはウェブ状の被印刷物に印刷インキを用いて印刷を行うために、たとえばオフセット印刷機、平版印刷機、輪転印刷機またはフレキソ印刷機が使用される。印刷インキの典型的な含有物は、油、樹脂および結合剤である。UV硬化性の印刷インキでは、被印刷物上の硬化および付着は、UV光を用いた光開始剤によって引き起こされる重合に基づいている。溶剤を含有する、特に水を含有する印刷インキおよびニスでは、物理的のみならず化学的な乾燥プロセスに起因し得る乾燥が必要である。物理的乾燥プロセスは、溶剤の蒸発および被印刷物へのその溶剤の拡散を含み、これは「吸収」とも称される。化学的乾燥とは、印刷インキの含有物の酸化または重合と解される。
【0003】
物理的乾燥と化学的乾燥との間には遷移が存在する。ゆえに、たとえば溶剤の吸収は、モノマーの樹脂分子の接近をもたらし得るので、樹脂分子は、場合によっては、より容易に重合する。これにより、印刷が行われた被印刷物を乾燥させる乾燥装置は、溶剤を除去するかつ/または架橋反応を引き起こすために用いられる。
【0004】
独国特許出願公開第102005046230号明細書において、印刷インキを用いて印刷シートに印刷を行う印刷部と、印刷が行われた印刷シートにニスを塗布する塗工装置とを有する輪転印刷機が記載されている。シート走行路の領域において、印刷部および塗工装置の下流側に、カーボン放射源として構成されてもよい赤外線放射源の形態の、赤外線を放出する乾燥装置が配置されている。
【0005】
技術的課題設定
この種の赤外線放射源では、コイル状または帯状の、炭素またはタングステンから成る加熱フィラメントが、たいていは石英ガラスから作製された、不活性ガスが充填された放射管内に封入されている。加熱フィラメントは、放射管の一方のまたは両方の端部を介して導入される電気的接続端と接続されている。
【0006】
加熱フィラメント自体は、極めて小さな熱質量を有し、ひいては1秒〜2秒の範囲の迅速な応答時間を有する。しかし、石英管とフィラメントと電気的接続端と反射体とから成る赤外線乾燥システム全体が熱平衡になるまで数分かかることがある。
【0007】
最近の輪転印刷機では、被印刷物が3m/s〜5m/sのウェブ速度で走行し、この速度は始動時ですでに生じるので、熱平衡に至るまで1500mまでの被印刷物が失われる可能性がある。個々の印刷プロセスを変更するとき、その都度の印刷プロセスでこの損失が新たに生じる。
【0008】
石英管放射源の電力が高いほど、石英管放射源は、より迅速に赤外線乾燥システムの温度に達する。しかし、電力を増加させることは、赤外線放射源から放射されるエネルギ量を増加させる(これは被印刷物の過熱を招いてしまうおそれがある)だけではなく、放射される放射の主波長をも変化させて、主波長を短波へ向けてシフトさせる。
【0009】
水性の印刷インキでは、赤外線放射源の放射の主波長が水の吸収特性に対して適合されている、つまり約2.75μm付近にすることが所望されている。したがって、これまでの市販の赤外線放射源は、それに適合された放出スペクトルを有する。しかしこの場合、これらの赤外線放射源は、低い電力を有し、十分に高い放射出力のために、比較的大きな放射面とこれに対応して高い熱容量とを必要とし、このことは、赤外線放射源の比較的長い加熱時間および冷却時間を生じさせ、ひいては乾燥ユニットの反応の遅れを生じさせる。あるいは、赤外線放射源は、高い電力を有し、わずかな反応の遅れを有する。しかしこの場合、赤外線放射源の放出スペクトルは、水の吸収特性に最適には適合されていない。
【0010】
たいてい、相並んで位置する複数の赤外線放射管は、面放射源を形成する。この場合、被印刷物上で均一な放射を得るために、面放射源と被印刷物との間の距離は、放射管長手方向軸が被印刷物の搬送方向に向けられているとき、個々の放射管の間の芯芯距離の少なくとも1.5倍であるはずである。面放射源と被印刷物との間のこの比較的大きな最小距離により、被印刷物平面上の有効放射強度が小さくなり、これにより必要な放射出力が被印刷物に加えられる応答時間が長くなる。
【0011】
しかし、特に多色印刷においては、被印刷物に次の色で印刷が行われる、またはニス引きにより処理される、または裏面に印刷を行うために印刷機内で反転される前に、迅速な応答時間が必要である。というのも、被印刷物が個々の印刷部内に留まる時間が比較的短いことに基づいて、印刷像を過熱により損なうことなく、要求される放射出力を被印刷物に作用させなければならないからである。
【0012】
さらに、約1000nm〜2750nmの範囲の放射波長を有する、短波のみならず中波の赤外線放射源を、特に、印刷機を過熱から防護するために、印刷機にとって通常であるような狭い構造スペース内で能動的に冷却しなければならない。そのために多くの場合、赤外線放射源に直接吹き付けられる冷却空気流が生成される。しかし、赤外線放射源の傍を通って流れる冷却空気が、とりわけ湿気の排出に用いられる温かいプロセス空気と相互作用し、これにより被印刷物における温度が変化し、湿気の排出が減じられることが判明した。
【0013】
したがって本発明の根底を成す課題は、溶剤を含有する特に水性の印刷インキを乾燥させるために乾燥の均一性および迅速性に関して改善されている乾燥装置であって、その際、赤外放射源を能動的に冷却しなくても乾燥ユニットが機能する、乾燥装置を備えた、印刷機を提供することである。
【0014】
発明の概要
この課題は、本発明によれば、冒頭で述べた構成の赤外線放射源から出発して、赤外線放射源が、誘電性の、加温時に赤外線を放射する加熱要素材料から成る面状の加熱要素として構成されており、加熱要素が、乾燥されるべき被印刷物に面する加熱面と接触面とを有し、接触面上に、導電性の、貴金属を含有する抵抗材料から成る熱導体の導体路が取り付けられており、熱導体の導体路は、調整可能な電源に通じる電気的接触部材と接続されていることにより解決される。
【0015】
本発明に係る印刷機では、赤外線乾燥ユニットは、少なくとも1つの加熱要素を備え、加熱要素は、乾燥されるべき被印刷物に面する加熱面を有する。加熱面は、被印刷物へ向けて赤外線を放出する。加熱面は、面状に、最も簡単なケースでは平面状に構成されているが、加熱面は、構造を有してもよく、かつ平面とは異なる面状の幾何学形状を有してもよい。加熱面の平面性は、同程度に平面状の放射場をもたらし、被印刷物と加熱要素との間の短い距離の設定を可能にする。このことは、以下により詳細に説明するように、乾燥の均一性および迅速性に寄与する。
【0016】
加熱要素は、少なくとも部分的に誘電性の材料から成る。誘電性の材料は、非導電性であり、したがって直接の通電により容易に加温可能ではなく、熱導体の導体路を介する熱伝導により加温可能である。したがって導体路は、加熱要素の加温に直接に用いられる。加温に基づいて、加熱要素材料は、可能な限り良好に水の吸収特性と一致する中波の波長範囲の赤外線を放出する。
【0017】
加熱要素は、赤外線を放射する実際の要素である。加熱要素は、多層に構成されてもよいが、好適には、完全に誘電性の加熱要素材料から作製されている。導体路で覆われる表面領域は、電気絶縁材料から成ることが重要であり、これにより隣り合う導体路部分の間の弧絡および短絡が確実に阻止される。
【0018】
加熱要素と熱導体との接触は、たとえば、加熱面とは反対の側に位置する接触面を介して行われる。接触面は、抵抗材料から成る導体路と直接にまたは電気絶縁性で熱伝導性の中間層を介して間接に接触している。
【0019】
抵抗材料は、理想的には酸化的環境においても、少なくとも1000℃までの温度に耐え得るものであり、導電性であり、またその導電性が温度とともに大きくは変化しない、または抵抗変化が知られているという点で、赤外線対応である。
【0020】
これらの条件は、特に:
(1)貴金属を含有する抵抗材料によって満たされる。この点において好適な抵抗材料は、少なくとも50原子%、好適には少なくとも95原子%まで白金族元素から成る。白金族は、以下の貴金属を含む:Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt。これらは、純粋な形で、または混ざり合ってまたは1つまたは複数の他の金属、特にAu、Agとの合金として提供される。
(2)耐熱鋼、タンタル、フェライト系FeCrAl合金、オーステナイト系CrFeNi合金、炭化ケイ素、二ケイ化モリブデンまたはモリブデン基合金から成る抵抗体材料によって満たされる。これらの材料、特に炭化ケイ素(SiC)、二ケイ化モリブデン(MoSi)、タンタル(Ta)、耐熱鋼またはたとえばKanthal(登録商標)(Kanthal(登録商標)はSANDVIK INTELLECTUAL PROPERTY AB,811 81 Sandviken,SEの登録商標である)などのフェライト系FeCrAl合金は、空気中で酸化しにくく、白金族金属よりも低コストである。
【0021】
導体路は、好適には、スクリーン印刷を用いてたとえば抵抗ペーストから、またはインクジェット印刷を用いて金属を含有するインキから成る厚膜層として作製され、続いて高温で焼成される。導体路は、たとえば渦巻き状または蛇行状の線パターンで延在する。加熱要素材料の吸収能力が高いと、加熱面の導体路の占有密度が割合低くても、均一な放射が可能になる。低い占有密度は、隣り合う導体路部分同士の間の最小距離が1mm以上、好適には2mm以上であることを特徴とする。導体路部分同士の間の距離が大きいと、特に真空下の高電圧での動作時に発生し得る弧絡を回避することができる。導体路は、少なくとも部分的に、電気絶縁材料および/または光散乱材料から成るカバー層により被覆されてもよい。カバー層は、反射体としてかつ/または導体路を機械的に防護するためかつ安定させるために用いられる。
【0022】
熱導体の導体路は、電気的接触部材と接続されており、電気的接触部材を介して、熱導体の導体路は、電気回路と接続可能である。好適には、電気的接触部材は、電気的接触部材を介して、たとえば差込接続部材、ねじ込み接続部材またはクランプ接続部材を介して、電気回路と着脱自在に接続可能である。
【0023】
加熱要素の面状の形状および赤外線の放出は、赤外放射の面均一な放射を可能にし、これに伴い、被印刷物と加熱要素との間の距離の短縮を可能にする。これにより、単位面積あたりより高い放射出力を提供し、加熱要素壁厚が薄い場合および/または導体路占有密度が割合小さい場合であっても均一な放射および一様な温度場を形成することができる。
【0024】
一様な放射および高い放射率により、被印刷物と加熱要素との間の距離を小さくすることが可能であり、これにより、照射強度が高まり、これに応じて効率が増加する。距離は、好適には15mm未満である。
【0025】
距離が短いと、被印刷物上で100kW/m2超の、さらには200kW/m2超の高い出力密度が可能になり、最近の高性能印刷機において損紙が低減される。好適には、加熱要素は、180kW/m2超の出力密度が得られるように、好適には180kW/m2〜265kW/m2の範囲の出力密度が得られるように設計されている。この場合、面出力は、導体路によって覆われる基体面積に対する導体路の接続電力として定義されている。
【0026】
温かいプロセス空気の強制的な流れにより、被印刷物上の温度が調整され、湿気が排出される。湿気の排出は、プロセス空気の吸収能力(主に温度により決定される)と被印刷物へのプロセス空気の作用効率(主に流れ特性により決定される)とに依存する。薄い加熱要素は、低い熱容量を有し、迅速な温度変化を可能にする。したがって赤外線放射源の傍を通って流れる冷却空気による能動的な冷却は不要である。これにより、本発明に係る印刷機を使用すると、温かいプロセス空気の温度および流れ特性に影響を及ぼし、被印刷物の温度と温かいプロセス空気の温度とを低下させ、そうして湿気の排出を遅らせることになるであろう、温かいプロセス温度との相互作用が回避される。
【0027】
したがって、可能な限り短い応答時間に鑑みて、本発明に係る印刷機には、好適には、10mm未満のプレート厚を有するプレート状の加熱要素が装着されている。搬送装置は、被印刷物の搬送に関して最大の規格サイズ幅を有し、好適な場合、加熱要素は、全規格サイズ幅にわたって照射するために、相互に依存せずに電気的に制御可能である複数の加熱要素部分から成る。
【0028】
この場合、これらの加熱要素部分は、印刷機の最大の規格サイズ幅をカバーする。加熱要素部分は、たとえば相互に当接して設けられている。加熱要素部分が相互に別々に切換可能であるかつ制御可能であることにより、必要に応じて、個々の加熱要素を接続または遮断することができる。追加の熱分離により、スイッチオンされた1つまたは複数の加熱要素からスイッチオンされていない1つまたは複数の加熱要素への熱伝導による熱損失を低減することができる。
【0029】
加熱要素材料が、非晶質マトリックス成分と半導体材料としての添加成分とを含むと有利であることが判明した。
【0030】
石英ガラスなどの非晶質材料は、容易に、用途に適した幾何学形状、すなわちたとえば平面状の、曲面状のまたは波形のプレートの形態にすることが可能である。中に含まれる添加成分は、たとえばケイ素などの半導体材料から成る非晶質のまたは結晶質の固有相を形成する。価電子帯と伝導帯との間のエネルギ差(バンドギャップエネルギ)は、温度が上昇するにつれ減少する。他方、活性化エネルギが十分に高い場合、電子は、価電子帯から伝導帯へと移り得る。このことは、吸収係数の大幅な増加を伴う。伝導帯の熱活性化された占有により、半導体材料が、特定の波長(たとえば約1000nmから)において室温ではある程度透明であってもよく、高温では不透明になる。したがって、加熱要素材料の温度が上昇するにつれ、吸収および放射率が増加し得る。この効果は、とりわけ半導体の構造(非晶質/結晶質)およびドーピングに依存する。純粋なケイ素は、たとえば約600℃から顕著な放射率の増加を示し、たとえば約1000℃から飽和に至る。
【0031】
したがって、半導体材料が十分に加温される場合には、半導体材料は、高い出力密度で赤外放射を放出する、エネルギが豊富な励起状態をとり得る。この状態では、主に半導体の添加成分が、加熱要素の光学的なかつ熱的な特性を決定する。より具体的に述べると、添加成分は、赤外スペクトル領域(つまり780nm〜1mmの波長領域)での吸収と、特に2750nm付近の波長領域での吸収とを引き起こす。そのような加熱要素により、180kW/m2超の出力密度、好適には180kW/m2〜265kW/m2の範囲の出力密度が得られる。
【0032】
したがって、そのような加熱要素材料は、材料の熱励起、ひいては高い放射の放出を得るために少なくとも達成しなければならない励起温度を示す。この場合、添加成分によって、加熱要素材料が赤外線を放出する。分光半球反射率Rghおよび分光半球透過率Tghが既知である場合、スペクトル放射率ελは、次のように計算することが可能である。
【0033】
ελ=1−Rgh−Tgh (1)
「スペクトル放射率」とは、「スペクトル垂直放射率」と解される。これは、「黒体境界条件:Black−Body Boundary Conditions」(BBC)の名称で知られた測定原理に基づいて求められ、この測定原理は、“DETERMINING THE TRANSMITTANCE AND EMITTANCE OF TRANSPARENT AND SEMITRANSPARENT MATERIALS AT ELEVATED TEMPERATURES”J.Manara, M.Keller, D.Kraus, M.Arduini−Schuster;5th European Thermal−Sciences Conference、オランダ(2008年)にて公開されている。
【0034】
添加成分をドープされたマトリックスは、添加成分がない場合よりも高い熱放射吸収を有する。これにより、導体路から加熱要素への放射によるエネルギ伝達の割合が増加し、熱の分散がより迅速となり、被印刷物への放射速度がより高くなる。これにより、単位面積あたりより高い放射出力を提供することが可能であり、加熱要素壁厚が薄い場合および/または導体路占有密度が割合小さい場合であっても、均一な放射および一様な温度場を形成することができる。
【0035】
加熱要素材料中に、添加成分は、好適には、少なくとも部分的にケイ素元素として存在し、2μm〜8μmの波長における加熱要素材料中に、600℃の温度で少なくとも0.7のスペクトル放射率εを生じさせる、かつ1000℃の温度で少なくとも0.8のスペクトル放射率εを生じさせる量で含まれている。
【0036】
したがって、半導体材料および特に好適には使用されるケイ素元素は、ガラス質のマトリックス材料を黒色にし、しかも室温で、またたとえば600℃超の上昇された温度でも黒色にする。これにより、高温での広帯域の高い放射の点で良好な放射特性が達成される。この場合、半導体材料は、マトリックス中に分散された元素の半導体相を形成する。この半導体相は、複数の半導体元素または金属を含んでよい(しかし金属は添加成分の重量割合に関して最大で50重量%まで、良好には20重量%未満)。
【0037】
加熱要素材料の熱吸収は、添加成分の割合に依存する。ケイ素の場合、重量割合は、好適には少なくとも0.1%でなければならない。他方、ケイ素の割合が高いと、石英ガラスマトリックスの化学的特性および機械的特性が損なわれ得る。このことに鑑みて、ケイ素の添加成分の重量割合は、好適には0.1〜5%の範囲内にある。
【0038】
本発明に係る印刷機の好適な実施の形態では、乾燥ユニットは、被印刷物の搬送方向に相前後して配置された複数の加熱要素を有する。
【0039】
この場合、各乾燥ユニットに印刷アッセンブリが対応付けられている。印刷アッセンブリの数が増加すると、高い印刷速度および高い印刷品質が可能になる。
【0040】
特に印刷機のこの形態では、被印刷物と加熱要素との間の中間スペースにプロセス空気を供給する装置が設けられていると有利であることが判明した。
【0041】
プロセス空気は、被印刷物を乾燥させるため、かつ印刷インキの溶剤、つまりたとえば水分を排出するのに用いられる。被印刷物のウェブ幅にわたる一様で時間的に同一の被印刷物の乾燥を達成するために、プロセス空気の、できるだけ再現可能な層流が目標とされる。それには、本発明に係る印刷機では、加熱要素の加熱面が面状である、好適には平らであること、および加熱面と被印刷物との間の間隙が狭いことが役立つ。
【0042】
本発明に係る印刷機は、輪転印刷、オフセット印刷、平版印刷、凸版印刷、スクリーン印刷または凹版印刷に利用可能である。しかし、印刷アッセンブリがインクジェット印刷ヘッドを有し、被印刷物の搬送方向に見て乾燥ユニットの下流側に、駆動モータが装着された少なくとも1本の延伸ローラが配置されていることが特に実証された。
【0043】
インクジェット印刷法またはインキ噴出式の印刷法では、画像形成装置は、インクジェット印刷ヘッドとして構成されており、インクジェット印刷ヘッドは、1つまたは複数のノズルを有し、ノズルにより、インキ滴が、被印刷物へ転移される。特に、水性インキを使用すると、被印刷物が変形し、たとえば波打ちし、これが印刷品質の低下、印刷ヘッドおよび被印刷物の損傷および被印刷物の乾燥の不均一をもたらすことがある。後者は、本発明に係る印刷機では調整可能であるが、被印刷物と乾燥ユニットとの間の距離が極めて小さいときに特に認められる。これに対抗するとともに被印刷物の可能な限り一様で再現可能な平面性を保証するために、被印刷物の搬送方向に見て乾燥ユニットの下流側に、独自の駆動モータが装着された少なくとも1本の延伸ローラが配置されている。
【0044】
延伸ローラが同時に冷却ローラとして構成されていると、被印刷物は、乾燥ユニットに続いて冷却することが可能であり、このことは、特に潜在的に高いエネルギ供給量に鑑みると、被印刷物の損傷を最小限に抑えるのに有効であり得る。
【0045】
例示的な実施の形態
以下に、本発明を例示的な実施の形態および特許図面に基づいて詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】印刷アッセンブリと赤外線乾燥ユニットとを通る被印刷物用の搬送路を有する、本発明に係る印刷機の一部を概略図で示す。
図2】反射層を有する、本発明による加熱要素の一実施の形態を概略側面図で示す。
図3】乾燥ユニットの加熱要素の起動挙動に関する線図を示す。
図4】石英ガラス被覆管とKanthal(登録商標)コイルとを有する従来慣用の赤外線放射源と比較した、タイル状の加熱要素の放射スペクトルを含む線図を示す。
図5】本発明に係る印刷機の使用時の、被印刷物に入射する赤外線の照射推移を明確に示す線図を示す。
図6】2つの線図(a)および(b)に基づいて、タイル状の加熱要素を用いた被印刷物への照射の均一性および強度と、従来技術による赤外線面放射源を用いた被印刷物への照射の均一性および強度との比較を示す。
【0047】
印刷機
図1は、全体に符号1が割り当てられた、インクジェット輪転印刷機の形態の本発明に係る印刷機の一実施の形態を概略的に示している。アンワインダ2から出発して、被印刷物、たとえば紙から成る材料ウェブ3は、印刷アッセンブリ40に至る。印刷アッセンブリ40は、材料ウェブ3に沿って相前後して配置された複数のインクジェット印刷ヘッド4を有する。インクジェット印刷ヘッド4により、被印刷物上に、溶剤を含有する、特に水を含有する印刷インキが塗布される。
【0048】
搬送方向5に見て、材料ウェブ3は、印刷アッセンブリ40から変向ローラ6を介して、これに続いて赤外線乾燥ユニット70に至る。赤外線乾燥ユニット70には、複数の赤外線加熱要素7が装着されており、赤外線加熱要素7は、乾燥用にまたは溶剤を材料ウェブに吸収させるように設計されている。
【0049】
材料ウェブ3のさらなる搬送路は、延伸ローラ8を介して巻取りローラ9へ延びる。延伸ローラ8には、独自の延伸駆動モータが装着されており、延伸ローラ8を介して、ウェブ張力の調整が行われる。
【0050】
複数の、例示的な実施の形態では8つの加熱要素7がまとまって1つの加熱ブロックがそれぞれ形成されている。加熱ブロックは、印刷機1の最大の規格サイズ幅にわたって延在している。この場合、個々の加熱要素7は、加熱ブロック内で、相互に当接して整列されていて、被印刷物の寸法および色が占める割合に応じて相互に個別に制御可能である。個々の加熱要素7の間には、電気的なかつ熱的な絶縁体が設けられている。加熱要素の加熱面と材料ウェブ3の上面との間の自由な距離は、10mmである。
【0051】
原料ウェブ3の搬送速度は、5m/sに設定されている。この速度は、個々の加工ステップの最適化により可能となり、特に高い乾燥速度を必要とする割合高い速度である。この要求を達成するために必要な乾燥ユニット70を、以下に、図2図5に基づいて詳説する。
【0052】
他図において、図1と同一の参照符号が用いられている場合には、同一の参照符号により、本発明に係る印刷機の説明に基づいて詳細に上述されているように、同一構造のまたは同等の構成部材および構成要素を表している。
【0053】
加熱要素
図2に概略的に示された、加熱要素7の実施の形態は、平らな放射面(下面26)と、同様に平らな上面25とを有するタイル状の基体20を具備する赤外線放射源である。基体の上面25には、導体路23が取り付けられており、導体路23は他方、反射層24に埋め込まれている。
【0054】
基体20は、2.0mmのプレート厚と10cm×20cmの辺の寸法とを有する矩形の形状を有する。基体20は、石英ガラスの母材を有する複合材料から成り、母材中にケイ素元素から成る相領域が均一に分散されている。このSi相の重量割合は、2.5%であり、Si相領域の最大寸法は、平均値(中央値)で、約1μm〜10μmの範囲にある。この複合材料は、気密性を有し、複合材料は、2.19g/cm3の密度を有し、空気中で約1200℃の温度まで安定している。複合材料は、高温で、熱放射の高い吸収と高い放射率とを示している。
【0055】
導体路23は、白金の抵抗ペーストから、基体20の上面25上に作製される。両端に、電気エネルギを供給するための線路または端子が溶接されている。導体路23は、隣り合う導体路部分の間に2mmの一定の間隔が残る程度に基体20の加熱面を密に覆うメアンダ(蛇行)状の経過を示している。図示の横断面では、導体路23は、1mmの幅と20μmの厚さとを有する矩形の断面形状を有する。厚さが小さいことに基づいて、赤外線放射源における高価な導体路材料(白金)の材料割合は、その効率と比べてわずかである。導体路23は、基体20の上面25と直接に接触するので、基体20への最大限の熱伝達が達成される。これとは反対の側に位置する下面26は、赤外線放射源の使用時に熱放射のための放射面として用いられる。放射方向は、方向矢印27により示されている。
【0056】
反射層24は、不透明な石英ガラスから成り、1.0mm〜1.5mmの平均層厚を有する。反射層24は、亀裂がないことおよび約2.15g/cm3の高い密度において優れていて、1100℃超の温度まで熱に耐え得る。反射層24は、基体20の加熱領域全体を覆い、反射層24は、導体路23を完全に覆い、したがって周辺環境からの化学的なまたは機械的な影響から遮蔽する。
【0057】
起動挙動の測定
印刷機のスイッチオン後の乾燥ユニット70の迅速な応答時間は、印刷プロセス時の損紙を少量にするための前提条件である。図3の線図は、図2に基づいて記載された加熱要素7の起動後の時間に関する温度経過を示している。y軸には、スイッチオン持続時間t(秒)に対する、最大の接続電力での動作中に生じる最高温度に合わせて基準化された温度Trel(%)がプロットされている。この場合、Trelは、サーモパイル測定センサを用いて、加熱面から5mmの距離を置いて測定される。
【0058】
導体路23に200kW/m2までの最大の接続電力を加えると、従来慣用の中波の赤外線放射源と比較して短時間で最高温度が生じ、この温度は、後続の加熱プロセスでもほぼ一定である。従来慣用の中波の赤外線放射源と比較して短い応答時間により、損紙が減らされる。さらに本発明に係る印刷機1では、加熱要素7に対して空冷を実行する必要がない。これによりプロセス効率が高められる、というのも冷たい冷却空気が被印刷物3の温度を低下させ、湿気の排出を妨げるからである。冷却されない加熱要素7と湿気を排出するための温かい対流のプロセス空気との組み合わせにより、最近の高性能印刷機における印刷プロセスが最適化される。
【0059】
放射率の測定
複合材料は、高温では、熱放射の高い吸収と高い放射率を示している。室温では、複合材料の放射率は、積分球を用いて測定される。この積分球によって、分光半球反射率Rghと分光半球透過率Tghとを測定することが可能であり、そこから垂直スペクトル放射率が計算される。上昇した温度での放射率の測定は、2μm〜18μmの波長領域で、追加光学系を介してBBC試料チャンバが結合されるFTIR分光計(ブルッカー(Bruker)IFS 66v フーリエ変換赤外線(FTIR))を用いて、上述のBBC測定原理に基づいて行われる。この場合、試料チャンバは、半空間内において試料ホルダの前後に、調温可能な黒体周辺と、検出器を有するビーム出射口とを具備する。2mmの厚さを有する測定試料は、別個の炉内で既定の温度まで加熱され、測定に際して、既定の温度へと設定された黒体周辺を用いて試料チャンバの光路内へ移動させられる。検出器によって検出される強度は、放出成分と反射成分と透過成分とから構成され、すなわち試料自体から放出される強度と、前方の半空間から試料に入射して試料によって反射された強度と、後方の半空間から試料に入射して試料によって透過された強度とから構成されている。放射率、反射率および透過率の各パラメータを求めるために、3つの測定を行わなければならない。
【0060】
複合材料において測定される、2μm〜約4μmの波長領域の放射率は、温度に依存する。温度が高いほど放射が高くなる。600℃のとき、2μm〜4μmの波長領域における垂直放射率は、0.7を上回る。1000℃のとき、2μm〜8μmの全体の波長領域における垂直放射率は、0.8を上回る。
【0061】
図4は、同一の出力で、石英ガラス被覆管と、Kanthal(登録商標)から成る加熱コイルとを有する従来慣用の赤外線放射源の放射スペクトル(曲線B)と比較した、加熱要素7の放射スペクトル(曲線A)を示している。左側のy軸に、放射出力Prel(最大値に対する相対値(%)として)がプロットされており、x軸に、波長λ(nm)がプロットされている。さらに、この線図に、水の透過スペクトル(曲線C)がプロットされており、その際、右側のy軸が、相対値TH2Oを表している。
【0062】
基体20上の導体路23の温度は、1000℃に設定されている。Kanthal(登録商標)コイルを有する比較用放射源も同様に、約1000℃の温度で動作させられる。タイル状の加熱要素7が、1500nm〜約2000nmの波長領域において、放射最大値を有し、この放射最大値は、2750nmでの水の透過最大値に対して、標準の放射源の放射経過よりも良好に適合することが判明した。これにより、同一の電力および同一の距離では、標準の赤外線放射源と比較して、被印刷物3上に約25%高い出力密度が生じる。
【0063】
放出された放射の空間的な均一性の測定
放出された放射の空間的な均一性の試験は、IEC 62798(2014)に基づいて行われる。そのために、赤外線面放射源が、試験装置に組み付けられ、移動可能なテーブルに取り付けられる。赤外線放射源の放射面に対して10mmの既定の作業距離を置いて、光出力が、熱電検出器を用いて検出される。放射強度は、5mmのステップの複数の測定箇所で求められる。照射強度が、試料中心付近の10の測定箇所で、その際に測定された最大値から±5%未満だけ変動するとき、照射強度は、十分に均一であると定義される。以下、この種の測定は、「軸方向測定」とも称される。
【0064】
図5の線図は、タイル状の加熱要素7の使用時の軸方向測定の結果を明確に示している。y軸に、基準化された光出力L(%)がプロットされており、x軸に、軸の原点を通って延びる、加熱要素7の横方向の寸法に関係する中心線からの横方向の距離A(mm)がプロットされている。
【0065】
光出力の横方向の経過は、10mmの作業間隔を置いて測定される。横方向の経過は、中心線付近のより大きな範囲にわたって割合均一に、ほぼ100%に位置する。このことは、中心線付近の10を超える測定点を有する作業範囲で、光出力が、最大値(100%)に対して95%を下回らないことから明らかである。
【0066】
図6の図(a)および(b)は、概略的に、照射の均一性または強度と、放射源と被印刷物との間の距離との間の関係、およびこれに関する、複数の個々の放射源から構成された赤外線面放射源(線図(a))と、本発明に係る印刷機1で使用するためのタイル状の加熱要素7(線図(b))との間の差を分かりやすく示している。この場合、線図(a)および(b)の縦座標に、相対単位で、それぞれ放射源と被印刷物との間の距離「A」(同じく相対単位で)に対する、均一性「H」または加熱物品に入射する放射の強度「I」がプロットされている。線図(a)の面放射源71は、相並んで配置された、中波または短波の複数の加熱放射源により表されており、その被覆管は、3つの円で示唆されている。本発明に係る印刷機のタイル状の加熱要素7は、線図(b)において、ハッチングされた矩形により示されている。この場合、タイル状の加熱要素7と面状に配置されたカーボン放射源71とは、同一の接続電力を有する。
【0067】
距離Aを置いた均一性Hの経過は、それぞれ破線の曲線Hで示されており、強度Iの経過は、実線の曲線で示されている。したがって、標準の面放射源71でもタイル状の加熱要素7でも、照射の強度Iは、距離Aとともにほぼ同程度に低下するが、照射の均一性は、加熱要素7では、距離Aにほとんど依存しないのに対し、標準の面放射源71では、距離が短い場合には小さい。
【0068】
灰色でハッチングされた面は、「作業領域」を概略的に定義しており、「作業領域」では、被印刷物上に許容可能な照射の均一性が供与されている。この均一性は、標準の赤外線面放射源71ではある程度の距離を保持することによって達成可能であるが、そのために照射強度の著しい損失を甘受しなければならないことが明らかである。これとは異なり、タイル状の加熱要素7は、極めてわずかな距離であっても十分に高い均一性を可能にし、この場合、同時に放射の強度も高くなっている。したがって、加熱要素7の効率は、個々のカーボン放射源から成る面放射源71と比較して著しく改善されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】