特許第6882535号(P6882535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882535
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】パッシブ型識別タグのリアルタイム追跡
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20210524BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20210524BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20210524BHJP
【FI】
   G06K7/10 288
   G06K17/00 029
   B65G61/00 432
【請求項の数】16
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-568582(P2019-568582)
(86)(22)【出願日】2018年2月5日
(65)【公表番号】特表2020-511730(P2020-511730A)
(43)【公表日】2020年4月16日
(86)【国際出願番号】US2018016836
(87)【国際公開番号】WO2018160323
(87)【国際公開日】20180907
【審査請求日】2021年1月27日
(31)【優先権主張番号】62/465,670
(32)【優先日】2017年3月1日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519317000
【氏名又は名称】スティーブン・グールド・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】STEPHEN GOULD CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・アンソニー・ルーバー
(72)【発明者】
【氏名】ライアン・カールトン・レッドフォード
【審査官】 境 周一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−529217(JP,A)
【文献】 特表2007−519583(JP,A)
【文献】 特表2009−516830(JP,A)
【文献】 特表2016−505980(JP,A)
【文献】 特開2014−211906(JP,A)
【文献】 特開2010−079492(JP,A)
【文献】 特開2011−070517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 1/00−21/08
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッシブ型識別タグの位置追跡のための方法であって、
監視装置を用いて、一個以上のパッシブ型識別タグを、電源およびアンテナを有するアクティブ型識別タグに割り当てるステップと、
前記監視装置を用いて、前記アクティブ型識別タグと、前記アクティブ型識別タグに割り当てられた前記一個以上のパッシブ型識別タグとの間の関連付けを、コンピュータメモリーに保存するステップと、
前記監視装置を用いて、前記アクティブ型識別タグの位置を示す一種以上の信号を受信するステップと、
前記アクティブ型識別タグがアクティブ追跡領域内で動く際に、前記監視装置を用いて、受信した一種以上の信号に基づいて前記アクティブ型識別タグの位置を追跡するステップと、
前記監視装置を用いて、前記アクティブ型識別タグに割り当てられた前記一個以上のパッシブ型識別タグの位置を、
(i) 追跡した前記アクティブ型識別タグの位置、および
(ii) 前記アクティブ型識別タグと割り当てられたパッシブ型識別タグとの間の関連付け
に基づいて追跡するステップと
を含
前記一個以上のパッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てるステップが、
前記アクティブ型識別タグが前記パッシブ型識別タグに近接したことを検出するのに応じて、前記パッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てるステップと、
前記パッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てた後に、前記パッシブ型識別タグに関連付けられた規定領域内に前記パッシブ型識別タグが在ることを、前記監視装置により判断するステップと、
前記規定領域内に前記パッシブ型識別タグが在ると判断したのに応じて、前記監視装置により、前記パッシブ型識別タグの関連付けを前記アクティブ型識別タグから外すステップと
を含む
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記パッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てるステップが、
前記パッシブ型識別タグに関連付けられた前記規定領域内に、前記パッシブ型識別タグがいないことを判断したのにさらに応じて、前記パッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てるステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
パッシブ型識別タグの位置追跡のための方法であって、
監視装置を用いて、一個以上のパッシブ型識別タグを、電源およびアンテナを有するアクティブ型識別タグに割り当てるステップと、
前記監視装置を用いて、前記アクティブ型識別タグと、前記アクティブ型識別タグに割り当てられた前記一個以上のパッシブ型識別タグとの間の関連付けを、コンピュータメモリーに保存するステップと、
前記監視装置を用いて、前記アクティブ型識別タグの位置を示す一種以上の信号を受信するステップと、
前記アクティブ型識別タグがアクティブ追跡領域内で動く際に、前記監視装置を用いて、受信した一種以上の信号に基づいて前記アクティブ型識別タグの位置を追跡するステップと、
前記監視装置を用いて、前記アクティブ型識別タグに割り当てられた前記一個以上のパッシブ型識別タグの位置を、
(i) 追跡した前記アクティブ型識別タグの位置、および
(ii) 前記アクティブ型識別タグと割り当てられたパッシブ型識別タグとの間の関連付け
に基づいて追跡するステップと、
前記監視装置において、前記一個以上のパッシブ型識別タグを資産に関連付けるステップと、
前記監視装置において、前記アクティブ型識別タグを懸案資産に関連付け、ここで前記懸案資産は(i) 前記資産を扱う人、および(ii) 前記資産を搬送する器物のうちのひとつ以上を含むステップと
を含み、
前記一個以上のパッシブ型識別タグを前記資産に関連付けるステップが、前記パッシブ型識別タグを、前記パッシブ型識別タグが付された器具の識別子に関連付けるステップを含み、かつ、
前記アクティブ型識別タグを前記懸案資産に関連付けるステップが、前記アクティブ型識別タグを前記懸案資産の識別子に関連付けるステップを含む
ことを特徴とする、方法。
【請求項4】
さらに
前記アクティブ型識別タグの追跡位置に対しての、前記一個以上のパッシブ型識別タグの追跡位置を、前記監視装置により表示するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記一個以上のパッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てるステップが、複数のパッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(i) 前記一個以上のパッシブ型識別タグ、および(ii) 前記アクティブ型識別タグのうちの一方または双方がそれぞれ、無線周波数識別(RFID)タグである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
(i) 前記一個以上のパッシブ型識別タグ、および(ii) 前記アクティブ型識別タグのうちの一方または双方がそれぞれ、Bluetooth(登録商標)省エネルギー(BLE)タグである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
識別データを保存するためのデータベースと、
前記データベースに結合する監視装置と
を含むシステムであって、
前記監視装置が一個以上の集積回路を含み、前記一個以上の集積回路が下記の
一個以上のパッシブ型識別タグを、電源およびアンテナを有するアクティブ型識別タグに割り当てることと、
前記アクティブ型識別タグと、前記アクティブ型識別タグに割り当てられた前記一個以上のパッシブ型識別タグとの間の関連付けを、前記データベースに保存することと、
前記アクティブ型識別タグの位置を示す一種以上の信号を受信することと、
前記アクティブ型識別タグが追跡領域内で動く際に、受信した一種以上の信号に基づいて前記アクティブ型識別タグの位置を追跡することと、
前記アクティブ型識別タグに割り当てられた前記一個以上のパッシブ型識別タグの位置を、
(i) 追跡した前記アクティブ型識別タグの位置、および
(ii) 前記アクティブ型識別タグと割り当てられたパッシブ型識別タグとの間の関連付け
に基づいて追跡することと
を行うように構成され
前記一個以上の集積回路が、前記一個以上のパッシブ型識別タグを、前記アクティブ型識別タグに割り当てるにあたって、さらに、
前記アクティブ型識別タグが、前記パッシブ型識別タグの近傍に在ることを検出したことに応じて、前記パッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てるようにし、
前記パッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てた後に、前記パッシブ型識別タグに関連付けられた規定領域内に前記パッシブ型識別タグが在ることを判断し、
前記規定領域内に前記パッシブ型識別タグが在ると判断したのに応じて、前記パッシブ型識別タグの関連付けを前記アクティブ型識別タグから外す
ように構成される
ことを特徴とする、システム。
【請求項9】
前記一個以上の集積回路が、前記パッシブ型識別タグに関連付けられた前記規定領域内に、前記パッシブ型識別タグがいないことを判断したのにさらに応じて、前記パッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てるように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記一個以上の集積回路がさらに、前記アクティブ型識別タグの追跡位置に対しての、前記一個以上のパッシブ型識別タグの追跡位置を表示するように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記一個以上の集積回路が、複数のパッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てるように構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
(i) 前記一個以上のパッシブ型識別タグ、および(ii) 前記アクティブ型識別タグのうちの一方または双方がそれぞれ、無線周波数識別(RFID)タグである、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
(i) 前記一個以上のパッシブ型識別タグ、および(ii) 前記アクティブ型識別タグのうちの一方または双方がそれぞれ、Bluetooth(登録商標)省エネルギー(BLE)タグである、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
機械可読命令を格納する有形かつ非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記機械可読命令が一個以上のプロセッサにより実行されることで、前記一個以上のプロセッサに下記の
一個以上のパッシブ型識別タグを、電源およびアンテナを有するアクティブ型識別タグへ割り当てる工程と、
前記アクティブ型識別タグと、前記アクティブ型識別タグに割り当てられた前記一個以上のパッシブ型識別タグとの間の関連付けを、メモリに保存する工程と、
前記アクティブ型識別タグの位置を示す一種以上の信号を処理する工程と、
前記一種以上の信号の処理に基づいて、前記アクティブ型識別タグがアクティブ追跡領域内を動く際に、前記アクティブ型識別タグの位置を追跡する工程と、
前記アクティブ型識別タグに割り当てられた前記一個以上のパッシブ型識別タグの位置を、(i) 追跡した前記アクティブ型識別タグの位置、および(ii) 前記アクティブ型識別タグと割り当てられたパッシブ型識別タグとの間の関連付けに基づいて追跡する工程と
を行わせ
前記機械可読命令が一個以上のプロセッサにより実行されることで前記一個以上のプロセッサに前記一個以上のパッシブ型識別タグを割り当てるにあたってさらに、
前記アクティブ型識別タグが、前記パッシブ型識別タグの近傍に在ることを検出したことに応じて、前記パッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てることと、
前記パッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てた後に、規定領域内に前記パッシブ型識別タグが在ることを判断することと、
前記規定領域内に前記一個以上のパッシブ型識別タグが在ると判断したのに応じて、前記パッシブ型識別タグの関連付けを前記アクティブ型識別タグから外すことと
を行わせる
ことを特徴とする、コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
一個以上のプロセッサにより実行されることで、前記一個以上のプロセッサに、
前記パッシブ型識別タグに関連付けられた前記規定領域内に、前記パッシブ型識別タグがいないことを判断したのにさらに応じて、前記パッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てること
を行わせる機械可読命令を格納する、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
一個以上のプロセッサにより実行されることで、前記一個以上のプロセッサに、
複数のパッシブ型識別タグを前記アクティブ型識別タグに割り当てること
を行わせる機械可読命令を格納する、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、2017年03月01日出願の米国特許仮出願第62/465,670号「Real-Time Tracking of Passive RFID Tags」の利益を請求し、それが開示するところの全体はこの参照により本開示に明示的に含まれる。
【0002】
[技術分野]
本開示は概して位置特定技術に関し、より具体的には識別タグを用いる位置追跡に関する。
【背景技術】
【0003】
サプライチェーン(供給連鎖)とは、企業とその供給者(内部のものも外部のものも含む)との間をつなぎ、特定の製品を製造して頒布するためのネットワークのことである。こうしたサプライチェーンは、顧客へ製品または役務を届けるために必要な段階を象徴するものと言える。サプライチェーン管理が重大な処理であるのは、最適化されたサプライチェーンではコストを低くかつ製造サイクルを高速にできるからである。
【0004】
広い意味での「資産管理」とは、或る主体もしくは集団にとって価値ある物を監視し維持する何らかのシステムのことを指す。これは建築物などの有形資産にも適用できるし、人的資本、知的財産、のれん、および金融資産といった無形資産にも適用できる。資産管理とはつまり、資産を費用対効果良く配置、稼動、維持、更新、および処分する体系的な工程のことをいう。
【0005】
単独のユーザーインターフェイス内で資産に高低線をつけ、処理の束縛を識別することによって、新たなプログラムおよび/もしくは既存のレガシプログラムを単独のユーザーインターフェイス内で管理し洗練できるようなオープンプラットフォームを提供できるならば、サプライチェーンと資産管理の双方にとって有益であると考えられる。
【0006】
現在は多くの資産(高価値の手工具など)を識別タグ(RFIDタグなど)で追跡しており、パッシブ(受動)型タグを資産に装着しておいて、データベースにつながるアンテナを備えた送受信機を有するアクティブ(能動)型監視システムからクエリを飛ばした際に、タグ付けされた資産の位置が得られるようになっている。こうしたアクティブ型監視システムからは、資産上のパッシブ型タグを照会する信号を飛ばせる。するとその信号によりパッシブ型タグが充電されて応答を返すが、その応答は通常、Electronic Product Code(EPC)などの唯一識別子だけに限られるのが普通である。またデータベースには、その唯一識別子に対応する資産に関する情報を含められ、例えばパーツ型式、用途、シリアルナンバー、稼動時間(time-in-service)、またはその資産に関するその他所望の詳細などを含められる。さらにアクティブ型監視システムには、資産とそれに対応するパッシブ型タグの位置を、既知の技術(三角測量法や信号強度に基づく位置フィンガープリンティングなど)を使って定められるような拡張位置付け能力を含んでいることもある。
【0007】
サプライチェーンおよび資産管理システムによっては、特定の資産にとって指定された場所(テーブルや鍵のかかる戸棚など)がある場合もある。鍵のかかる戸棚を例にすると、ユーザーが資産に近づくには識別バッジを使って鍵を外し戸棚を開く必要がある。こうした監視システムは、ユーザーが戸棚から資産を持ち出したことまでは判断できるものの、資産を追跡する手段は持っていない。その理由は、製造工場や修理工場などの無線信号が反射しやすい環境では、パッシブ型タグのリアルタイムな追跡が困難だからである。同様に資産の保管場所がテーブルである場合に、監視システムがそのテーブルに基盤設備を有することで、その資産が持ち出されたかどうか(すなわちそこに資産が有るか無いか)までは判断できる。しかし、その資産が工場(施設)内をあちこち動いていたとしても、それを追跡する手段は持っていないのである。したがって既知のパッシブ型監視システムに対して、修理工場や製造工場の中を移動していく資産をリアルタイムに追跡できるような能力を付与することが希求されている。
【発明の概要】
【0008】
以下、本開示に係る態様群を基礎的に理解できるように、単純化した概念をかいつまんで紹介していく。なお以下の記載は本開示の広汎な全体像そのものではなく、本開示の鍵(重要な要素)を特定しようとするものでもないし、本開示の範囲を限定しようとするものでもない。以下の記載は単に、その後に来るより詳細な説明の前触れとして、本開示の概念をいくつか提示しているに過ぎない。
【0009】
或る実施形態では、パッシブ型識別タグの位置を追跡するための方法が提供され、当該方法は、監視装置によって一個以上のパッシブ型識別タグを電源およびアンテナを有するアクティブ型識別タグに割り当てる工程を含む。また当該方法は、アクティブ型識別タグと、そのアクティブ型識別タグに割り当てられた一個以上のパッシブ型識別タグとの間の関連づけを、監視装置によってコンピュータメモリ内に保存する工程が含まれる。また当該方法には、アクティブ型識別タグの位置を示す一種以上の信号を監視装置によって受信する工程と、アクティブ型識別タグがアクティブ追跡領域内で動く際に、監視装置を用いて、受信した一種以上の信号に基づいてアクティブ型識別タグの位置を追跡する工程とが含まれる。また当該方法には、監視装置を用いて、そのアクティブ型識別タグに割り当てられた一個以上のパッシブ型識別タグの位置を、(i) 追跡したアクティブ型識別タグの位置、および(ii) アクティブ型識別タグと割り当てられたパッシブ型識別タグとの間の関連付けに基づいて追跡する工程も含まれる。
【0010】
別の実施形態ではシステムが提供され、当該システムは、識別データを保存するためのデータベースと、そのデータベースに結合する監視装置とが含まれる。その監視装置は、一個以上のパッシブ型識別タグをアクティブ型識別タグに割り当てるように構成された一個以上の集積回路を含み、そのアクティブ型識別タグは電源およびアンテナを有する。またその一個以上の集積回路は、アクティブ型識別タグと、そのアクティブ型識別タグに割り当てられた一個以上のパッシブ型識別タグとの間の関連付けを、データベースに保存するようにも構成される。またその一個以上の集積回路は、アクティブ型識別タグの位置を示す一種以上の信号を受信し、そのアクティブ型識別タグが追跡領域内を動く際に、その受信した一種以上の信号に基づいて、そのアクティブ型識別タグの位置を追跡するようにも構成される。またその一個以上の集積回路は、(i) 追跡したアクティブ型識別タグの位置、および(ii) そのアクティブ型識別タグと割り当てられたパッシブ型識別タグとの間の関連付けに基づいて、そのアクティブ型識別タグに割り当てられた一個以上のパッシブ型識別タグの位置を追跡するようにも構成される。
【0011】
なおも別の実施形態では、有形かつ非一過性の(一種以上の)コンピュータ可読媒体も提供される。当該媒体は機械可読命令を格納しており、当該命令は一個以上のプロセッサにより実行されると、そのプロセッサに以下の工程を行わせる。すなわち、一個以上のパッシブ型識別タグを、電源およびアンテナを有するアクティブ型識別タグに割り当てる工程。アクティブ型識別タグと、そのアクティブ型識別タグに割り当てられた一個以上のパッシブ型識別タグとの間の関連づけを、メモリ内に保存する工程。アクティブ型識別タグの位置を示す一種以上の信号を処理する工程。アクティブ型識別タグがアクティブ追跡領域内で動く際に、その一種以上の信号の処理に基づいて、アクティブ型識別タグの位置を追跡する工程。そのアクティブ型識別タグに割り当てられた一個以上のパッシブ型識別タグの位置を、(i) 追跡したアクティブ型識別タグの位置、および(ii) アクティブ型識別タグと割り当てられたパッシブ型識別タグとの間の関連付けに基づいて追跡する工程。
【0012】
本開示に係る装置および方法を適用できるさらなる範囲については、以降の詳細な説明から明らかとなるだろう。なお下記の詳細な説明および特定の実施例では、装置および方法に係る実施形態群を示してはいるが、あくまでそれは例示のみを目的としたものであることに留意されたい。本開示の趣旨の精神と範囲の裡にて種々の改変と修正が可能であることは、下記の詳細な説明を読んだ当業者にとって明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明とそれにより満たされる需要、ならびにその目的、特徴、および利点をより十全に理解するために、以下の詳細な説明を、付図とともに参照していく。
図1】或る実施形態に係る、アクティブ型識別タグの位置追跡を用いて、パッシブ型識別タグを追跡する技術を実施可能な監視システムのブロック図である。
図2A】或る実施形態に係る、図1の監視システムにおいて一個以上のパッシブ型識別タグをアクティブ型識別タグに(またはアクティブ型識別タグを一個以上のパッシブ型識別タグに)割り当ててから割り当てを解除する工程例を示す図である。
図2B】或る実施形態に係る、図1の監視システムにおいて一個以上のパッシブ型識別タグをアクティブ型識別タグに(またはアクティブ型識別タグを一個以上のパッシブ型識別タグに)割り当ててから割り当てを解除する工程例を示す図である。
図2C】或る実施形態に係る、図1の監視システムにおいて一個以上のパッシブ型識別タグをアクティブ型識別タグに(またはアクティブ型識別タグを一個以上のパッシブ型識別タグに)割り当ててから割り当てを解除する工程例を示す図である。
図2D】或る実施形態に係る、図1の監視システムにおいて一個以上のパッシブ型識別タグをアクティブ型識別タグに(またはアクティブ型識別タグを一個以上のパッシブ型識別タグに)割り当ててから割り当てを解除する工程例を示す図である。
図3】或る実施形態に係る、図1の監視システムが有する一種以上のコンポーネントを実施する上で適切なコンピュータシステムのブロック図である。
図4】或る実施形態に係る、パッシブ型識別タグの位置を追跡するための方法例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示に係る実施形態群およびその利点は、以下の詳細な説明を参照すれば十全に理解できる。類似の参照番号は、ひとつ以上の図面において示す類似の要素を指すために使われることを理解されたい。なおそれらの図面の役目は、あくまで本開示に係る実施形態群を表すためであって、それらに限定するためではないことに留意されたい。
【0015】
本開示に係る種々の実施例および実施形態を以下記載していく。以下の記載では、これらの例を十全に理解し実施可能にするための特徴を説明する。しかし関連技術分野の当業者であれば、詳細の大部分を省かれていたとしても、本開示に係る一種以上の実施形態を理解できるであろう。同様に当業者は、本開示に係る一種以上の実施形態が、本開示に詳細には記載されていないその他の特徴および/もしくは機能を含んでいてもよいことも理解できるだろう。また以下の記載では、周知の構造または機能のいくつかについては、関連する記載を無用に邪魔しないようにあえて詳細に示していないことがある。
【0016】
アクティブ型識別タグにはリアルタイム追跡能力があることが知られている。しかしアクティブ型識別タグは電源を必要とするので、多数の資産にタグ付けしようとすると実際には大きすぎることがままある。そのため、アクティブ型識別タグシステムの利点とパッシブ型識別タグシステムの利点とを組み合わせたシステムであれば、パッシブ型識別タグをリアルタイムに追跡することができるので、増強されたサプライチェーン・資産の管理システムを提供できると考えられる。以下に示す実施形態群は概して、手動もしくは自動で一個以上のパッシブ型識別タグをアクティブ型識別タグに割り当てられる統合ハードウェア/ソフトウェアシステムを利用することで、パッシブ型識別タグをリアルタイムに追跡して、施設内を動くアクティブ型識別タグを追跡するという新規な工程に関する。アクティブ型識別タグを例えば、資産を運んでいるユーザー、荷車、もしくは鞄に関連付けるようにしてもよい。また当該工程には、パッシブ型識別タグ(群)を、アクティブ型識別タグに関連付ける工程が含まれてよく、それらのタグの各々には、唯一識別子たるシリアルナンバーまたはElectronic Product Code(EPC)が埋め込まれていてもよい。上述したようにこれらの唯一識別子を使って、追跡対象である資産もしくはユーザーに関するデータベースを介して、さらなる情報を識別できるようにしてもよい。パッシブ型識別タグ(群)を特定のアクティブ型識別タグに関連付けるデータベースおよびソフトウェアは、施設内のハードウェア、またはインターネットもしくは他のクラウドベースシステムを介してアクセス可能な遠隔ハードウェアの任意の組み合わせによってホストできる。パッシブ型識別タグをアクティブ型識別タグに割り当てると、アクティブ監視システムが、施設内の資産をリアルタイムに追跡できるようになる。アクティブ監視システムはユーザーインターフェイスを有していてもよく、専用装置上に設けてもよいしタブレットもしくはスマートフォンのアプリケーションとして提供してもかまわない。そうしたユーザーインターフェイスにより、アクティブ監視システムの有する追跡基盤(インフラストラクチャ)にアクセスできる。その追跡基盤は、パッシブ型識別タグ(群)の動きを、対応する割り当てられたアクティブ型識別タグの動きに対するものとして監視できる。
【0017】
図1は或る実施形態に係る監視システム 100 のブロック図であり、追跡したアクティブ型識別タグの位置を使って、パッシブ型識別タグを追跡する技術を実施可能である。監視システム 100 が管理システム(資産管理システムやサプライチェーン管理システムなど)の一部であるような実施形態があってもよく、監視システム 100 を利用することで、資産その他の価値ある物の所在を確認または追跡できるようになっている。或る実施形態に係る一例として監視システム 100 を使って、空港の格納庫内にある航空機のメンテナンス・修理用の器具その他の資産を追跡できる。別の例として監視システム 100 を使って、製造組立ラインにおける部品(自動車組立ラインにおける自動車部品など)を追跡可能である。他の実施形態では監視システム 100 を使って例えば、その他の物(倉庫内の薬物や病院内の設備など)を追跡してもよい。
【0018】
監視システム 100 は、アクティブ型識別タグ 102 およびパッシブ型識別タグ 104 を使って、資産その他の物を監視できる。種々の実施形態では、パッシブ型識別タグ 104 を資産(器具や組立部品など)に付着させてもよいし、その中に埋め込んでもよい。またアクティブ型識別 タグ 102 は、ユーザー(資産を操作もしくは取り扱う従業員その他の人など)により運ばれてもよいし、資産を搬送する鞄や荷車に付されてもよいし、あるいは組立中製品をなす大型部品に付されてもかまわない。具体例として、監視システム 100 が空港内もしくは空港の格納庫内の器具その他の資産を追跡するように構成されている実施形態では、パッシブ型識別タグ 104 を、空港設備(航空機用のメンテナンス器具や修理器具など)に付してもよいし埋め込んでもよい。またアクティブ型識別タグ 102 は、その航空機用メンテナンス器具または修理器具を搬送する荷車または鞄に付してもよいし埋め込んでもよく、あるいはその航空機用メンテナンス器具または修理器具を運ぶもしくは扱う従業員その他の人に付してもよいし運ばせてもよい。別の例として、監視システム 100 が組立ライン中の部品を追跡するように構成されている実施形態では、パッシブ型識別タグ 104 を、大型製品の組立に用いる小型部品(自動車部品など)に付してもよいし埋め込んでもよい。またアクティブ型識別タグ 102 は例えば、組立中の製品の大型部品(自動車のシャーシなど)に付してもよいし埋め込んでもよい。
【0019】
アクティブ型識別タグ 102 には、電源 108 と、集積回路/メモリ部品 110 と、アンテナ 111 とが含まれる。電源 108 としては任意の適切な電源が含まれてよく、例えば電池(バッテリー)が挙げられる。電源 108 を集積回路/メモリ部品 110 に結合して、エネルギーを供給させてもよい。或る実施形態では電源 108 をさらにアンテナ 111 に結合して、アンテナ 111 に組み込まれた一種以上の増幅段を動作させるためのエネルギーを供給させてもよい。集積回路/メモリ部品 110 には識別情報を保存できる。そうした識別情報としては例えば、アクティブ型識別タグ 102 の唯一識別子や、アクティブ型識別タグ 102 を付したりおよび/もしくはアクティブ型識別タグ 102 を関連付けたりできる物または人についての唯一識別子が挙げられる。集積回路/メモリ部品 110 が信号を生成しアンテナ 111 を介して伝送するように構成されてもよいし、アンテナ 111 を介して受信した信号を処理する実施形態があってもよい。伝送信号に、集積回路/メモリ部品 110 に保存された情報を載せることで、アクティブ型識別タグ 102 が監視対象領域内(空港の格納庫その他の施設の中など)を動く際に、アクティブ型識別タグ 102 の位置を検出して追跡できるようにしてもよい。アクティブ型識別タグ 102 は例えば、RFID(無線周波数識別)タグまたはBLE(Bluetooth(登録商標) low energy)IDタグであってよい。他の実施形態ではアクティブ型識別タグ 102 が、別の適切な通信技術(Wi-Fi、赤外、超音波の技術など)を活用する識別タグであってもよい。
【0020】
アクティブ型識別タグ 102 の動作時には、信号(無線標識など)を周期的に(毎秒、数秒毎、その他適切な伝送期間などで)伝送してもよい。その信号は、アンテナ 114 を備えてもよい一個以上のアクティブタグ読取機 112 が受信可能である。アクティブタグ読取機 112 は、監視システム 100 による監視対象であるアクティブ追跡領域 116 の隅々に配置するのが適切である。なお本明細書ではこのアクティブ追跡領域 116 のことを単に「アクティブ領域」とも称する。無線標識信号には識別情報を載せてよく、例えばアクティブ型識別タグ 102 に関連付けられた唯一識別子や、アクティブ型識別タグ 102 を割り当てた従業員その他の人に関連付けられた識別子や、アクティブ型識別タグ 102 を付した荷車もしくは鞄に関連付けられた識別子などを載せてよい。また一個以上のアクティブタグ読取機 112 は、信号を受信した後に、その信号が搬送する情報およびその信号の受信に関する情報(信号受信強度など)を、適切な位置追跡装置へと渡すようにしてもよい。そうした位置追跡装置としては、アクティブ領域 116 内に設置されたアクティブタグ読取機の制御手段(不図示)、および/またはアクティブ領域 116 から離隔した位置監視装置 140 などが挙げられる。そうした情報を位置追跡装置が使うことで、アクティブ型識別タグ 102 の位置を決定または類推して、アクティブ型識別タグ 102 がアクティブ領域 116 付近を移動するに際して、その位置を追跡できる。
【0021】
さらに図1を参照すると、パッシブ型識別タグ 104 には集積回路/メモリ部品 118 とアンテナ 120 とが含まれる。集積回路/メモリ部品 118 には情報を保存でき、例えば、パッシブ型識別タグ 104 を唯一識別するための情報、および/またはパッシブ型識別タグ 104 を付すかもしくは埋め込んだ資産または物を唯一識別するための情報(EPCなど)を保存できる。なおアクティブ型識別タグ 102 とは違い、パッシブ型識別タグ 104 には通常は内部電源は無い。パッシブ型識別タグ 104 の動作時には、アンテナ 124 を備えた一個以上のパッシブタグ読取機 122 によってパッシブ型識別タグ 104 への照会ができる。またパッシブ型識別タグ 104 を、一個以上のパッシブタグ読取機 122 から伝送する電磁気エネルギーによって充電してもよい。パッシブ型識別タグ 104 が充電されると、アンテナ 120 を介して信号を送信できる。そうした信号によって、パッシブ型識別タグ 104 を同定でき、さらに一個以上のパッシブタグ読取機 122 が、特定のパッシブタグ読取機 122 の近傍にパッシブタグ 104 が在る旨を検出できるようになる。パッシブ型識別タグ 104 が内部電源を有していないことに少なくとも部分的には起因して、パッシブ型識別タグ 104 はアクティブ型識別タグ 102 よりも小さいサイズであってよく(25%小型、50%小型、75%小型など)、かつ廉価なことが多い。その一方でパッシブ型識別タグ 104 が内部電源を持たないことから、パッシブ型識別タグ 104 の持つアンテナ 124 には増幅段が無く、アクティブ型識別タグ 102 の持つアンテナ 111 が伝送する信号に比べて概して弱い信号を送るようになっている。
【0022】
また図1では、監視装置 140 がアクティブ領域 116 の外部に設置された遠隔装置(コンピュータやサーバなど)であってよい。監視装置 140 は、アクティブ領域(アクティブゾーン) 116 内の種々の装置と通信ネットワーク 150 などを介して結合できる。そうした装置としては、アクティブ領域 116 内のアクティブタグ読取機 112 (もしくはアクティブタグ制御手段)、およびパッシブタグ読取機 122 (もしくはパッシブタグ制御手段)が挙げられる。通信ネットワーク 150 はインターネットなどの広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、またはその他の適切な種類の通信ネットワークであってよい。或る実施形態では通信ネットワーク 150 が単独の通信ネットワークであってもよく、あるいは複数種の通信ネットワーク群から成っていてもよい。位置追跡装置 140 は、プロセッサ 142 およびコンピュータ可読メモリ 144 を含んでよい。コンピュータ可読メモリ 144 は、パッシブ/アクティブタグ融合・追跡アプリケーション 146 (単に「融合追跡アプリ」とも称する)を、例えばプロセッサ 142 を実行可能なコンピュータ可読命令の形態で格納できる。コンピュータ可読メモリ 144 が揮発性メモリ(ランダムアクセスメモリ(RAM)など)を有することで、コンピュータ命令およびそのコンピュータ命令が実行される際のデータを保存できる。また或る実施形態では、コンピュータ可読メモリ 144 がハードディスクなどの恒久メモリを含んでいてもよい。或る実施形態では位置追跡装置またはサーバ 140 が、複数のプロセッサ 142 を含んでよい。さらなる実施形態ではアクティブ/パッシブタグ融合アプリケーション 146 を、ハードウェア部品、ファームウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネント、またはそれらの組み合わせを用いて実施可能である。
【0023】
種々の実施形態では融合追跡アプリ 146 が、一個以上のパッシブ型識別タグ 104 を一個以上のアクティブ型識別タグ 102 へと割り当てた後、追跡したアクティブ型識別タグ 102 の位置に基づき、そのアクティブ型識別タグ 102 に割り当てた一個以上のパッシブ型識別タグ 104 の位置を追跡するように構成される。或る実施形態では融合追跡アプリ 146 により、一個以上のパッシブ型識別タグ 104 の一個以上のアクティブ型識別タグ 102 への割り当てを手動で行えるようになっていてもよい。あるいは融合追跡アプリ 146 が自動で、一個以上のパッシブ型識別タグ 104 を一個以上のアクティブ型識別タグ 102 へと割り当てるように動作してもよい。パッシブ型識別タグ(群) 104 をアクティブ型識別タグ(群) 102 へと自動的に割り当てるに際しては、融合追跡アプリ 146 が、所定の一種以上の割り当ての一覧、またはアクティブ領域 116 内の「チェックアウト」領域 160 の一覧を、(データベースに保存されたテーブルなどとして)保持できる。また融合追跡アプリ 146 が、割当領域 160 の各々についての唯一識別子と、割当領域 160 に近接するパッシブタグ読取機 122 との間の関連付けを保存していてもよい。融合追跡アプリ 146 の動作時には、パッシブタグ読取機 122 から、割当領域 160 内に一個以上のパッシブタグ 104 が検出されたことを表す信号を受信できる。或る実施形態では一個以上のパッシブタグ 104 を示す信号に、割当領域 160 内で検出された一個以上のパッシブタグ 104 に関する一種以上の識別子が載っていてもよい。パッシブタグ読取機 122 からそうした信号を受信するのに応じて、融合追跡アプリ 146 が、同じ割当領域 160 内に現在位置しているアクティブ型識別タグ 102 を検出もしくは何らかの方法で判断してもよい。例えば融合追跡アプリ 146 が、アクティブタグ読取機 112 から受信した信号から決定できるアクティブ型識別タグ 102 の追跡位置に基づいて、一個以上のパッシブ型識別タグ 104 と同じ割当領域 160 内に、アクティブ型識別タグ 102 が現在位置しているかを判断可能である。その後融合追跡アプリ 146 が、割当領域 160 内の一個以上のパッシブ型識別タグ 104 を、同じ割当領域 160 内に在ると検出されたアクティブ型識別タグ 102 へと割り当ててよい。或る実施形態では融合アプリ 146 が、一個以上のパッシブ型識別タグ 104 をアクティブ型識別タグ 102 へと割り当てるにあたって、アクティブタグ 102 に関連付けられた識別子(アクティブタグ 102 の唯一識別子や、資産もしくは製品の識別子や、従業員その他の人の識別子など)と、一個以上のパッシブ型識別タグ 104 に関連付けられたそれぞれの識別子との間の関連付けを、メモリに保存することで行ってもよい。
【0024】
一個以上のパッシブ型識別タグ 104 がアクティブ型識別タグ 102 に割り当てられると、融合追跡アプリ 146 によって、アクティブ領域 116 内をアクティブ型識別タグ 102 が動く際に、アクティブ型識別タグ 102 の追跡位置に基づいて、一個以上のパッシブ型識別タグ 104 の位置を追跡可能となる。或る実施形態では融合追跡アプリ 146 が、(i) 追跡したアクティブ型識別タグ 102 の位置、および(ii) アクティブ型識別タグ 102 と一個以上のパッシブ型識別タグ 104 との間の保存された関連付けに基づいて、アクティブ型識別タグ 102 に割り当てられた一個以上のパッシブ型識別タグ 104 の位置を追跡できる。或る実施形態では融合追跡アプリ 146 が、アクティブ型識別タグ 102 の追跡位置に対しての一個以上のパッシブ型識別タグ 104 の(相対的)追跡位置を、メモリ(メモリ内のデータベースなど)へと記録していってもよい。また融合追跡アプリ 146 が、アクティブ型識別タグ 102 の追跡位置に対しての一個以上のパッシブ型識別タグ 104 の(相対的)追跡位置を、ユーザーインターフェイスを介して表示させてもかまわない。
【0025】
或る実施形態では、一個以上のパッシブ型識別タグ 104 を一個以上のアクティブ型識別タグ 102 へと割り当てた後に、(パッシブ型識別タグ 104 をアクティブ型識別タグ 102 へ割り当てておく必要がなくなった場合などに)融合追跡アプリ 146 がパッシブ型識別タグ(群) 104 のアクティブ型識別タグ(群) 102 への割り当てを外してもよい。例えば融合追跡アプリ 146 によって、パッシブ型識別タグ(群) 104 のアクティブ型識別タグ(群) 102 への割り当てを手動で外せるようになっていてもよいし、あるいは、パッシブ型識別タグ(群) 104 のアクティブ型識別タグ(群) 102 への割り当てを自動的に外すようになっていてもかまわない。またパッシブ型識別タグ(群) 104 のアクティブ型識別タグ(群) 102 への割り当てを手動か自動で外した後に、再度あらためてパッシブ型識別タグ(群) 104 をアクティブ型識別タグ(群) 102 へ割り当ててることで、パッシブ型識別タグ(群) 104 に新たに割り当てられたアクティブ型識別タグ(群) 102 の追跡位置を用いて、パッシブ型識別タグ(群) 104 の位置を追跡してもよい。
【0026】
図2A〜2Dは、或る実施形態に従って一個以上のパッシブ型識別タグをアクティブ型識別タグに割り当て(あるいはパッシブ型識別タグにアクティブ型識別タグを割り当て)た後に、その割り当てを外す工程例 200 を示した図である。或る実施形態例では、工程 200 を図1の監視システム 100 と協働して実施できる。他の実施形態では、図1の監視システム 100 とは違う監視システムで工程 200 を利用できる。同様に図1の監視システム 100 が、工程 200 とは違う工程を行うことで、一個以上のパッシブ型識別タグをアクティブ型識別タグに割り当てる実施形態があってもよい。説明をわかりやすくするために以降の工程 200 の説明では図1の監視システム 100 を参照していく。また説明のわかりやすさのため、以降の工程 200 に関する記載では、空港の格納庫内における航空機用のメンテナンス器具もしくは修理器具の位置を追跡したいという設定とする。他の実施形態では、工程 200 と同じか類似する工程を使って、それらの器具その他の適切な物の位置を、空港の格納庫その他の適切な場面で追跡してもよい。
【0027】
まず図2Aでは、複数のパッシブ型識別タグ 104 のうちの各パッシブ型識別タグ 104 が、それぞれの資産 202 (航空機用のメンテナンス器具もしくは修理器具など)へと付されているかまたは埋め込まれている。これらの資産 202 が、初期状態では一個以上の「ホットゾーン」、「ホットテーブル」、「ホット棚」、または「ホットラック」 204 に置かれているとしよう。なおここでいう「ホット」は、エネルギー(パッシブ型識別タグ 104 の充電に使えるRF信号やBluetooth(登録商標)信号など)で満ちた何らかの表面または領域のことを意味する。こうしたRF信号やBluetooth(登録商標)信号などのエネルギーは、タグ付けされた資産が格納されている場所の上か下面に搭載されたパッシブ型識別タグ読取機 122 とアンテナ 124 から提供できる。複数のアクティブ型識別タグ 102 を、「懸案資産」の各々に付してもよいし、埋め込んでもよいし、またはそれにより搬送してもよい。そうした懸案資産としては、従業員のバッジ、器具鞄、器具荷車などが挙げられる。
【0028】
さて一個以上のパッシブ型識別タグ 104 の各々により追跡される一個以上の資産 202 が、ホットゾーン 204 を離れたとする。或る実施形態では従業員その他の人が、ホットゾーン 204 から一個以上の資産 202 を持ち去ってよい。また或る実施形態では、その従業員その他の人そのものが、アクティブ型識別タグ 102 がタグ付けされる懸案資産であってもよい。例えば従業員その他の人が、アクティブ型識別タグ 102 を着用もしくは搬送してよく、一例として従業員その他の人が着用もしくは搬送するバッジその他の物にアクティブ型識別タグを付してもよいしまたは埋め込んでもよい。別例として、従業員その他の人が、懸案資産の中に一個以上の資産 202 を入れてホットゾーン 204 から持ち去ってもよい。そうした懸案資産としては、アクティブ型識別タグ 102 の付いた鞄または荷車が挙げられる。一般に資産 202 がホットゾーン 204 内に置かれているとき、融合追跡アプリ 146 がアクセス可能であり保持しているデータベース中で、その資産 202 のステータス(状態)は「Present(在)」に設定される。そして資産 202 がホットゾーン 204 から離れると、融合追跡アプリ 146 は資産 202 のステータスを「Absent(不在)」に変更して、資産 202 がもはやホットゾーン 204 の中には無く、行方不明であることを示すようにできる。
【0029】
さて図2Bでは、パッシブ型タグ 104a を付けた資産 202a とパッシブ型タグ 104b を付けた資産 202b とが、ホットゾーン 204a から離れたとする。タグ付けされた資産 202a, 202b は、アクティブ型識別タグ 102a が付いた懸案資産 206a (従業員など)によってホットゾーン 204a から持ち去られてもよいし、あるいは、アクティブ型識別タグ 102a が付いた懸案資産(鞄や荷車など)に入れられてもよい。そうこうしてアクティブ型識別タグ 102a が付いた懸案資産 206a と、パッシブ型識別タグ 104a, 104b が付いた資産 202a, 202b はホットゾーン 204a を離れて割当領域 160 に入る。アンテナ 124 を備えた一個以上のパッシブタグ読取機 122 は、割当領域 160 の中に置かれてもよいし、その近傍に置かれてもよい。一個以上のパッシブタグ読取機 122 は、割当領域 160 内にパッシブ型識別タグ 104a, 104b が在ることを検出できる。そして一個以上のパッシブタグ読取機 122 は、監視装置 140 へと、一個以上のパッシブ型識別タグ 104a, 104b が割当領域 160 内で検出されたことを示す一種以上の信号を送信できる。例えば割当領域 160 内で検出された一個以上のパッシブ型識別タグ 104a, 104b に関連付けられる唯一識別子を載せた一種以上の信号を、一個以上のパッシブタグ読取機 122 が送信してもよい。またその一種以上の信号が、割当領域 160 に関連付けられる一個以上のパッシブタグ読取機 122 に関連付けられた唯一識別子を搬送してもかまわない。
【0030】
なお図2A〜2Dではひとつの割当領域 160 だけを示しているが、監視システム 100 が複数の割当領域 160 を有していてもよい。或る実施形態では融合追跡アプリ 146 にて、ひとつ以上の割当領域 160 のうちの各々について、位置座標の組と形状属性の組を用い、位置と形状の定義をそれぞれに指定できる。割当領域 160 についての位置座標の組には {x, y, z} 座標の組が含まれてよく、また形状属性の組には、割当領域 160 の持つ特定の形状に関する {type, radius, width, height, vertices} のうちの一種以上が含まれてよい。例えば融合追跡アプリ 146 が、(i) 円の中心の x, y, z position(位置)、および(ii) 円のradius(半径)を定義することによって、円形の割当領域を指定可能である。同様に融合追跡アプリ 146 が、(i) 方形の中心もしくは頂点の x, y, z 位置、および(ii) 方形のwidth(幅)とheight(高さ)を定義することで、方形の割当領域を指定できる。別の例として融合追跡アプリ 146 が、(i) 多角形の中心もしくは頂点のx, y, z 位置、および(ii) 多角形のvertices(頂点群)の x, y, z 位置のリストを定義することで、多角形状の割当領域を指定してもよい。より具体的な例として融合追跡アプリ 146 が、アクティブ領域 116 内の下記の割当領域群 160 のうちのひとつ以上を定義できる。すなわち、
(i) 第一の割当領域 160 は割当領域Id 0で定める円形(circle)割当領域であって、 {Id: 0, position: {x: 0, y: 0, z: 0}} かつ形状が {type: "circle", radius: 10}
(ii) 第二の割当領域 160 は割当領域Id 1で定める方形(rect)割当領域であって、 {Id: 1, position: {x: 5, y: 5, z: 0}} かつ形状が {type: "rect", width: 40, height; 40}
(iii) 第三の割当領域 160 は割当領域Id 2で定める方形(rect)割当領域であって、 {Id: 2, position: {x: 0, y: 20, z: 0}} かつ形状が {type: "rect", width: 100, height; 55}
(iv) 第四の割当領域 160 は割当領域Id 3で定める多角形(poly)割当領域であって、 {Id: 3, position: {x: 10, y: 10, z: 0}} かつ形状が {type: "poly", vertices: [0, 0, 0], [20, 30, 0], [40, 0, 0]}
或る実施形態では融合追跡アプリ 146 が、定義されるアクティブ領域 160 の各々に対して、アクティブ領域唯一識別子を関連付けるようにしてもよいし、またさらにそのアクティブ領域唯一識別子の各々に対して、各アクティブ領域 160 内もしくはその近傍に設置されるパッシブタグ読取機 122 が有する一種以上の唯一識別子を関連付けてもよい。
【0031】
稼動時に特定のパッシブ型識別タグ 104 が特定の割当領域 160 内で検出されたことを示す信号を受けると、融合追跡アプリ 146 は、その受け取った信号の元であるパッシブタグ読取機 122 の識別子に基づいて、そのパッシブ型識別タグ 104 が検出された特定の割当領域 160 がどれであるかを判断できる。そして融合追跡アプリ 146 は、その特定の割当領域 160 に現在位置している一個以上のアクティブ型識別タグ 102 を検出できるわけである。例えば融合追跡アプリ 146 が、監視システム 100 中の複数のアクティブ型識別タグ 102 の追跡位置を利用することで、その複数のアクティブ型識別タグ 102 のうちの一個以上が、特定の割当領域 160 内に現在位置しているかどうかを判断可能である。図2Bに示した例では、パッシブ型識別タグ 104a, 104b が割当領域 160 内で検出されたことを示す信号を、融合追跡アプリ 146 が受信できる。その一種以上の信号を受信したことに応じて融合追跡アプリ 146 は、アクティブ型識別タグ 102a が割当領域 160 内に現在位置していることを判断でき、そしてパッシブ型識別タグ 104a, 104b をアクティブ型識別タグ 102a に割り当てられる。融合追跡アプリ 146 がパッシブ型識別タグ 104a, 104b をアクティブ型識別タグ 102a に割り当てるにあたっては例えば、アクティブ型識別タグ 102a に関連付けられた唯一識別子と、パッシブ型識別タグ 104a, 104b に関連付けられた唯一識別子との間の関連付けを、メモリ(データベースなど)に保存することで行ってもよい。或る実施形態では、パッシブ型識別タグ 104a, 104b をアクティブ型識別タグ 102a に割り当てるに先立って、融合追跡アプリ 146 がパッシブ型識別タグ 104a, 104b のステータスを見て、パッシブ型識別タグ 104a, 104b が「Absent」になっているかどうかを確認するようにしてもよい。一般的な実施形態では一個以上のパッシブ型識別タグ 104 をアクティブ型識別タグ 102 に割り当てる際には、その一個以上のパッシブ型識別タグ 104 とアクティブ型識別タグ 102 が、唯一識別子を有しているかまたは唯一識別子に関連付けられているようにできる。
【0032】
さて図2Cでは、パッシブ型識別タグ 104a, 104b とアクティブ型識別タグ 102a が割当領域 160 を去り、そして監視装置 140 ではパッシブ型識別タグ 104a, 104b がアクティブ型識別タグ 102a に割り当てられたままとなっている。一般的には、一個以上のパッシブ型識別タグ 104 をアクティブ型識別タグ 102a に割り当てると、融合追跡アプリ 146 が、アクティブ型識別タグ 102 とそれに関連付けた資産 206 の追跡位置に基づき、アクティブ領域 116 内に亘って、その一個以上のパッシブ型識別タグに関連付けられる資産 202 をリアルタイムに追跡できるようになる。したがって例えば融合追跡アプリ 146 は、アクティブ型識別タグ 102a とそれに関連付けた懸案資産 206a の追跡位置に基づいて、パッシブ型識別タグ 104a, 104b の付いた資産 202a, 202b の位置を追跡できる。種々の実施形態では、アクティブ型識別タグ 102a とそれに関連付けた懸案資産 206a の追跡位置に対してのパッシブ型識別タグ 104a, 104b の付いた資産 202a, 202b の追跡位置を、メモリ(メモリ内に保存されるデータベースなど)へと記録してもよいし、および/または、アクティブ型識別タグ 102a とそれに関連付けた懸案資産 206a の追跡位置に対してのパッシブ型識別タグ 104a, 104b の付いた資産 202a, 202b の追跡位置を、ユーザーインターフェイスおよびディスプレイ(監視装置 140 に含まれるものでもよいし監視装置 140 に結合したものでもよい)を介して表示させてもよい。
【0033】
さて図2Dでは資産 202a, 202b がホットゾーン 204a に戻ってきて、パッシブ型識別タグ 104a, 104b がアクティブ型識別タグ 102a から「割り当て外し」(関連付けの解除)をされ、そして監視システム 100 によりその資産がホットゾーン 204a 内に「Present」であるとされる。またそのようにして資産 202a, 202b をアクティブ型識別タグ 104 に再割り当てしてもよい。また例えばその後に資産 202a および/または資産 202b が、懸案資産 206b により(または懸案資産 206b に入れられて)ホットゾーン 204a から出ると、その持ち去られた資産 202a および/または資産 202b をアクティブ型識別タグ 102b に割り当てることで、アクティブ型識別タグ 102b の追跡位置に基づいてその持ち去られた資産 202a および/または資産 202b の位置を追跡する実施形態があってもよい。
【0034】
図3は、本開示に係る実施形態(群)を行うに適したコンピュータシステム 300 のブロック図である。或る実施形態では図1の監視システム 100 の有する監視装置 140を、コンピュータシステム 300 として実施してもよい。もっとも基本的な構成として、コンピュータシステム 300 には一個以上のプロセッサ 302 および一個以上のメモリ 304 を含められる。またコンピュータ装置 300 がバス(不図示)その他の通信機構を有することで、コンピュータシステム 300 の種々の部品(コンポーネント)間で情報データ、信号、および情報をやりとりできる。それらの部品としては入力部 310 が挙げられ、これはユーザーアクション(キーパッドやキーボードからキーを選ぶ行為、一種以上のボタンもしくはリンクを選ぶ行為など)を処理して、それに対応する信号を一個以上のプロセッサ 302 へと送信できる。またそうした部品としてはディスプレイなどの出力部 311 も挙げられ、これによって一個以上のプロセッサ 302 が行う動作結果を表示できる。無線送受信機(トランシーバー)またはネットワークインターフェイス 306 は、コンピュータシステム 300 と、コンピュータシステム 300 が行う処理結果を利用できる他の装置(ユーザー装置など)との間での信号の送受信を担える。或る実施形態ではそうした通信は無線であってよいが、その他の通信媒体・方法も適切に使える。
【0035】
一個以上のプロセッサ 302 は、マイクロコントローラー、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)その他の処理部品であってよい。一個以上のプロセッサ 302 は種々の信号を処理し、例えばコンピュータシステム 300 上で表示するための信号や、通信リンク 318 を介して他の装置へ送信するための信号を処理できる。また一個以上のプロセッサ 302 が、他の装置への情報通信を制御してもよい(クッキーやIPアドレスなどで)。また一個以上のプロセッサ 302 は、メモリ 304 に保存されるコンピュータ可読命令を実行できる。コンピュータ可読命令が一個以上のプロセッサ 302 により実行されると、パッシブ型識別タグをアクティブ型識別タグに割り当ててアクティブ型識別タグの追跡位置を用いてパッシブ型識別タグの位置を追跡することに関する処理を、一個以上のプロセッサ 302 に行わせる実施形態があってもよい。
【0036】
またコンピュータシステム 300 の部品には、一個以上の静的記憶(ストレージ)部品 316 (ROMなど)および/または一個以上のディスクドライブ 317 を含めてもよい。コンピュータシステム 300 は、プロセッサ 302 その他の部品によって特定の操作を実施でき、それに際してはシステムメモリ部品 314 に収めた一種以上の命令シーケンスを実行できる。またコンピュータ可読媒体中にロジックを符号化しておき、実行時に一個以上のプロセッサ 302 へ命令を与えるにあたり任意の媒体にて参照してもよい。そうした媒体は種々の形態であってよく、非一過性媒体、非揮発性媒体、揮発性媒体、および通信媒体が挙げられるがこれらに限定はされない。種々の実装では、非揮発性媒体として光学ディスクもしくは磁気ディスクが挙げられ、揮発性媒体としてダイナミックメモリ(システムメモリ部品 316 など)が挙げられ、また通信媒体として同軸ケーブル、銅線、および光ファイバーが挙げられる。或る実施形態ではロジックを非一過性コンピュータ可読媒体中に符号化できる。一例として通信媒体は、音波または光波の形態をとってよく、例えば無線波データ通信、光学データ通信、および赤外データ通信などの際に生じる音波または光波であってよい。
【0037】
図4は、或る実施形態に係る、パッシブ型識別タグの位置を追跡するための例示的方法 400 を表したフロー図である。或る実施形態では方法 400 を、図1の位置追跡システム 100 で実施できる。例えば方法 400 を、図1の位置追跡システム 100 が有する位置追跡装置 140 により実施できる。他の実施形態では方法 400 を、図1の位置追跡装置 140 とは別の位置追跡装置により実施してもよいし、および/または、図1の位置追跡システム 100 とは別の適切な位置追跡システムで実施してもよい。
【0038】
ブロック 402 では、一個以上のパッシブ型識別タグをアクティブ型識別タグへ割り当てる。例えば図1では監視装置 140 (監視装置 140 が有する融合追跡アプリ 146 など)が、一個以上のパッシブ型識別タグ 104 をアクティブ型識別タグ 102 へ割り当てられる。或る実施形態では、図2A〜2Dに示した監視装置 140 が方法 200 を使い、一個以上のパッシブ型識別タグ 104 をアクティブ型識別タグ 102 へと割り当てられる。別の実施形態では、監視装置 140 とは別の装置および/または方法 200 とは別の方法を用いて、一個以上のパッシブ型識別タグをアクティブ型識別タグに割り当ててもよい。
【0039】
ブロック 404 では、アクティブ型識別タグと、ブロック 402 にてそのアクティブ型識別タグに割り当てられた一個以上のパッシブ型識別タグとの間の関連付けを、メモリ(データベースなど)に保存する。例えば監視装置 140 (監視装置 140 が有する融合追跡アプリ 146 など)が、アクティブ型識別タグと、ブロック 402 にてそのアクティブ型識別タグに割り当てられた一個以上のパッシブ型識別タグとの間の関連付けを、メモリ(データベースなど)に保存する実施形態があってもよい。
【0040】
ブロック 406 では、アクティブ型識別タグの位置を示す信号を受信する。例えばアクティブ型識別タグ 104 がアクティブ追跡領域 116 を動く際に、アクティブタグ読取機 112 のうちのいずれかから、アクティブ型識別タグ 102 の位置を示す信号を監視装置 140 が受信できる。
【0041】
ブロック 408 では、ブロック 406 で受信した信号に基づいて、アクティブ型識別タグの位置を追跡する。例えばアクティブ型識別タグ 102 がアクティブ追跡領域 116 内を動く際に、アクティブ型識別タグ 102 の位置を監視装置 140 が追跡できる。
【0042】
ブロック 410 では、ブロック 408 で追跡したアクティブ型識別タグの位置を用いて、ブロック 402 にてアクティブ型識別タグに割り当てられた一個以上のパッシブ型識別タグの位置を追跡する。例えば監視装置 140 が、ブロック 408 にて追跡したアクティブ型識別タグの位置を用いて、ブロック 402 にてアクティブ型識別タグに割り当てた一個以上のパッシブ型識別タグの位置を追跡できる。或る実施形態では、(i) ブロック 406 にて追跡したアクティブ型識別タグの位置、および(ii) ブロック 404 にて保存したアクティブ型識別タグと割り当てたパッシブ型識別タグとの間の関連付けに基づいて、ブロック 408 で追跡されたアクティブ型識別タグの位置を使い、ブロック 402 でアクティブ型識別タグに割り当てられた一個以上のパッシブ型識別タグの位置を追跡できる。
【0043】
コンピュータ可読媒体の通常の形態としては例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、その他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔パターンを有するその他の物理媒体、RAM、PROM、EEPROM、FLASH-EEPROM、その他のメモリチップもしくはカートリッジ、またはその他のコンピュータが読み取れる媒体が挙げられる。
【0044】
本開示に係る実施形態群では、本開示を実施するために、コンピュータシステム 300 によって命令シーケンスの実行を行ってよい。本開示に係る別の実施形態群では複数のコンピュータシステム 300 を、通信リンク 318 によってネットワーク(LAN、WLAN、PTSN、および/またはその他の有線もしくは無線のネットワークなど、遠距離通信網や携帯電話通信網を含む)に結合しておき、本開示を実施するために命令シーケンスを互いに協調して実施可能である。
【0045】
ここまで本発明を種々の例示的構造、構成、実装に絡めて説明してきたが、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した構造、構成、実装をさらに変形・修正させられることも当業者には理解できるだろう。例えば本出願の範囲には、本開示に記載され含まれる種々の要素および特徴のあらゆる可能な組み合わせが含まれている。また請求項に提示される特定の要素と特徴と、本開示に記載されまた参照により含まれる要素と特徴とを、本出願の範囲内で別の手法を以って互いに組み合わせることもできる。すなわち本出願は、他の可能な組み合わせを含む他の実施形態をも想定していると認識されたい。なお手工具を具体例として述べてきたが、例えば本発明を使って、サプライチェーンまたは資産管理システムにおいて、パッシブ型RFIDタグを付けた任意の資産のリアルタイム追跡を行うことも可能である。本発明の範囲と整合するその他の構造、構成、および実装も、本明細書と本開示に係る発明の実施を考慮する当業者にとっては明らかであると理解されたい。
【0046】
適切であれば、本開示で掲げた実施形態群をハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実施可能である。また適切であれば、本開示の精髄から逸脱することなく、本開示に係る種々のハードウェア部品および/もしくはソフトウェアコンポーネントを組み合わせて、ソフトウェア、ハードウェア、および/もしくはその双方を含んだ合成コンポーネントを構成してもよい。また適切であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示に係る種々のハードウェア部品および/もしくはソフトウェアコンポーネントを分割して、ソフトウェア、ハードウェア、および/もしくはその双方を含んだ副(下位)コンポーネントを構成してもよい。さらに適切であれば、ソフトウェアコンポーネントをハードウェア部品として実装することも可能であるし、その逆もまた然りである。
【0047】
本開示に係るソフトウェア(プログラムコードおよび/もしくはデータなど)は、一個以上のコンピュータ可読媒体に保存できる。一種以上の汎用および/もしくは専用のコンピュータおよび/またはコンピュータシステム(ネットワークにつながれていてもよいし、および/もしくはその他でもよい)を用いて、本開示で定めるソフトウェアを実行できることも理解されたい。適切であれば、本開示に係る特徴を提供するために本開示に係る種々の工程の順番を変えてもよいし、組み合わせて合成工程にしてもよいし、および/または副工程群へと分割してもよい。
【0048】
ここまで監視システムのさまざまな動作について「モジュール」、「コンポーネント」という用語で説明してきたが、これらの用語は単独のユニットまたは単独の機能には限定されないことに留意されたい。さらに、本開示に係るモジュールまたはコンポーネントの一部に帰する機能を、より少ない種類のモジュールまたはコンポーネントへと結合してもよいし、あるいはそれらに帰するようにしてもかまわない。なお本発明を特定の実施例を参照して説明してきたが、それらの実施例はあくまで例示のためのものであり、本発明を限定する企図は無い。本発明の精髄と範囲から逸脱することなく、開示した実施形態群に対して変更、付加、または削除を行えることは、当業者にとっては自明であろう。例えば上述した方法の一部または大部分を違う順番で行ってもよい(または同時に行ってもよい)し、それにより所望の結果を得ることもできる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4