特許第6882600号(P6882600)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6882600
(24)【登録日】2021年5月10日
(45)【発行日】2021年6月2日
(54)【発明の名称】ワイパのスマート制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/08 20060101AFI20210524BHJP
【FI】
   B60S1/08 H
   B60S1/08 F
【請求項の数】9
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2020-518634(P2020-518634)
(86)(22)【出願日】2018年11月20日
(65)【公表番号】特表2020-535071(P2020-535071A)
(43)【公表日】2020年12月3日
(86)【国際出願番号】CN2018116326
(87)【国際公開番号】WO2019101055
(87)【国際公開日】20190531
【審査請求日】2020年3月26日
(31)【優先権主張番号】201711163094.4
(32)【優先日】2017年11月21日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201711310127.3
(32)【優先日】2017年12月11日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201820767240.8
(32)【優先日】2018年5月23日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201811162162.X
(32)【優先日】2018年9月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520106998
【氏名又は名称】徐 育
【氏名又は名称原語表記】XU, Yu
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 育
【審査官】 田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭60−255549(JP,A)
【文献】 特開2011−105108(JP,A)
【文献】 特開平02−220948(JP,A)
【文献】 特開昭58−112857(JP,A)
【文献】 実開昭55−149439(JP,U)
【文献】 中国特許出願公開第1415507(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したワイパの作動状態切替信号に応じてワイパの作動状態を自動ワイピング作動状態又は手動ワイピング作動状態に切り替えることであって、前記自動ワイピング作動状態とは、ワイパのワイピング運動速度が雨量センサにより感知される雨量の大きさの変化につれて自動的に変化することであり、前記手動ワイピング作動状態とは、ワイパのワイピング運動速度が調節を完了した後に定常であることであることと、
ワイパは前記自動ワイピング作動状態で作動する場合、手動操作モジュールにより出力されるワイピング運動速度調節信号を受信すると、前記ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節することと、
ワイパは前記自動ワイピング作動状態から前記手動ワイピング作動状態に切り替える場合、前記ワイパの現在のワイピング運動速度を前記手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度にロックすることと、
ワイパは前記手動ワイピング作動状態で作動する場合、手動操作モジュールにより出力されるワイピング運動速度調節信号を受信すると、前記ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節することとを含む、
ワイパのスマート制御方法。
【請求項2】
ワイパは前記自動ワイピング作動状態で作動する場合、前記ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節した後、更に、
調節したワイピング運動速度と前記ワイピング運動速度調節信号を受信した時の雨量の大きさとの対応関係を基準として、その後の異なる雨量の大きさに対応するワイピング運動速度を調節することを含む、
請求項1に記載のワイパのスマート制御方法。
【請求項3】
前記ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を上げるか、又は下げるように指示することに用いられ、
前記ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節することは、
前記ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を上げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、デフォルトの調速分解能に対応する回転数変化値だけ増加させることと、前記ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を下げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、デフォルトの調速分解能に対応する回転数変化値だけ減少させることとを含み、前記デフォルトの調速分解能とは、デフォルトのワイパのモータ回転速度の回転数変化値である、
請求項1又は2に記載のワイパのスマート制御方法。
【請求項4】
前記ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を上げるか、又は下げるように指示することに用いられ、
前記ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節する前に、更に、手動操作モジュールにより出力される調速分解能設定信号を受信して前記調速分解能設定信号に応じて調速分解能を設定することを含み、前記調速分解能とは、ワイパのモータ回転速度の回転数変化値であり、
前記ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節することは、前記ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を上げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、設定後の調速分解能に対応する回転数変化値だけ増加させることと、前記ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を下げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、設定後の調速分解能に対応する回転数変化値だけ減少させることとを含む、
請求項1又は2に記載のワイパのスマート制御方法。
【請求項5】
手動操作モジュールとマイクロプロセッサとを含むワイパのスマート制御装置であって、
前記手動操作モジュールは前記マイクロプロセッサに接続され、前記手動操作モジュールはワイパ作動状態切替信号を前記マイクロプロセッサに出力するように設定され、前記手動操作モジュールは、更に、ワイピング運動速度調節信号を前記マイクロプロセッサに出力するように設定され、前記マイクロプロセッサは雨量センサとワイパ装置とに接続されるように構成され、前記マイクロプロセッサは、更に、前記手動操作モジュールにより出力される前記ワイパ作動状態切替信号に応じて、前記ワイパ作動状態を自動ワイピング作動状態又は手動ワイピング作動状態に切り替えるように設定され、
ワイパは前記自動ワイピング作動状態で作動する場合、所定の雨量の大きさとワイピング運動速度との対応関係に応じて、前記雨量センサでリアルタイムに感知される雨量の大きさに対応するワイピング運動速度を算出して、前記ワイピング運動速度に応じたワイピング運動速度制御信号を前記ワイパ装置に出力することで、前記ワイパ装置に前記ワイピング運動速度制御信号に対応するワイピング動作を実行させ、前記手動操作モジュールにより出力されるワイピング運動速度調節信号を受信すると、前記ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節して、前記ワイピング運動速度を調節するように調節後のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ調速指令を前記ワイパ装置に出力し、
ワイパは前記自動ワイピング作動状態から前記手動ワイピング作動状態に切り替える場合、前記ワイパの現在のワイピング運動速度を前記手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度にロックし、
ワイパは前記手動ワイピング作動状態で作動する場合、前記手動操作モジュールにより出力されるワイピング運動速度調節信号を受信すると、前記ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節して、ワイピング運動速度を調節するように調節後のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ調速指令を前記ワイパ装置に出力する、
ワイパのスマート制御装置。
【請求項6】
前記マイクロプロセッサは、更に、
ワイパは前記自動ワイピング作動状態で作動する場合、前記ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節した後、調節後のワイピング運動速度とワイピング運動速度調節信号を受信した時の雨量の大きさとの対応関係を基準として、その後の異なる雨量の大きさに対応するワイピング運動速度を調節するように設定される、
請求項5に記載のワイパのスマート制御装置。
【請求項7】
前記ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を上げるか、又は下げるように指示することに用いられ、
前記マイクロプロセッサは、以下の態様で、前記ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節して調節後のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ調速指令を前記ワイパ装置に出力するように設定され、前記ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を上げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、デフォルトの調速分解能に対応する回転数変化値だけ増加させ、増加したワイパのモータ回転速度に対応するワイパのモータ調速指令を前記ワイパ装置に出力し、前記ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を下げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、デフォルトの調速分解能に対応する回転数変化値だけ減少させ、減少したワイパのモータ回転速度に対応するワイパのモータ調速指令を前記ワイパ装置に出力し、前記デフォルトの調速分解能とは、デフォルトのワイパのモータ回転速度の回転数変化値であり、
或いは、
前記手動操作モジュールは、更に、調速分解能設定信号を前記マイクロプロセッサに出力するように設定され、前記マイクロプロセッサは、更に、前記手動操作モジュールにより出力される調速分解能設定信号を受信して前記調速分解能設定信号に応じて調速分解能を設定するように設定され、前記調速分解能とは、ワイパのモータ回転速度の回転数変化値であり、前記マイクロプロセッサは、以下の態様で、前記ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節して調節後のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ調速指令を前記ワイパ装置に出力するように設定され、前記ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を上げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、設定後の調速分解能に対応する回転数変化値だけ増加させ、増加したワイパのモータ回転速度に対応するワイパのモータ調速指令を前記ワイパ装置に出力し、前記ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を下げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、設定後の調速分解能に対応する回転数変化値だけ減少させ、減少したワイパのモータ回転速度に対応するワイパのモータ調速指令を前記ワイパ装置に出力する、
請求項5又は6に記載のワイパのスマート制御装置。
【請求項8】
前記マイクロプロセッサは、更に、
自動車の走行速度、路面の凹凸状況及び車外の環境光線を含む車両走行情報データを受信して、前記車両走行情報データと雨量センサでリアルタイムに感知される雨量の大きさに応じて、前記ワイパのワイピング運動速度を設定するように設定される、
請求項5〜7のいずれか一項に記載のワイパのスマート制御装置。
【請求項9】
コンピュータ実行可能な指令が記憶されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能な指令は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のワイパのスマート制御方法を実行するために用いられる、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出願日が2018年09月30日、出願番号が201811162162.X号の中国専利出願、出願日が2017年11月21日、出願番号が201711163094.4号の中国専利出願、出願日が2017年12月11日、出願番号が201711310127.3号の中国専利出願、及び出願日が2018年05月23日、出願番号が201820767240.8の中国専利出願の優先権を主張し、該出願の全部内容を参照によって本発明に援用される。
【0002】
本発明は、ワイパ制御技術の分野に関し、例えば、ワイパのスマート制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイパは、自動車に不可欠な電気装置であり、自動車の運転者が運転中によりよい観察視野を得ることにより運転の安全性をより確保することを支援するために使用される。自動車に取り付けられるワイパには、次の2種類がある。第1の種類は、通常、1−ストップ、2−寸動、3−断続、4−低速、5−高速、6−洗浄といった6つの作動ギヤが設定された手動ワイパであり、第2の種類は、自動ワイピングを雨量センサで実現した自動ワイパである。
【0004】
手動ワイパのギヤシフト操作は、自動車の運転者によって手動で機械式電気スイッチをトグルすることにより実現され、自動ワイパは雨量センサで自動車外部の雨量の大きさを感知し、ワイパコントローラによってワイピング運動速度を自動的に調整する。
【0005】
しかしながら、手動ワイパについて、6つのギヤの調節は使用中にギヤが少なすぎると見えて異なる運転者の要求を満たさない。自動ワイパについて、運転者の個人差によって、同じ雨量の場合にはワイピング運動速度に対する要求が異なり、更に同じ運転者であっても時間や体調が異なると、同じ雨量の場合にはワイピング運動速度に対する要求も異なるが、自動ワイパのワイピング運動速度は雨量の大きさのみで制御され、異なる運転者の個人要求にも満たさない。したがって、手動ワイパと自動ワイパの柔軟性はいずれも低い。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、上述したワイパの柔軟性が低い問題を解決するために、ワイパのスマート制御方法及び装置を提供する。
【0007】
本発明は、ワイパのスマート制御方法を提供しており、該方法は、
受信したワイパの作動状態切替信号に応じてワイパの作動状態を自動ワイピング作動状態又は手動ワイピング作動状態に切り替えることであって、自動ワイピング作動状態とは、ワイパのワイピング運動速度が雨量センサにより感知される雨量の大きさの変化につれて自動的に変化することであり、手動ワイピング作動状態とは、ワイパのワイピング運動速度が調節を完了した後に定常であり、雨量の大きさの変化につれて変化しないことであることと、
ワイパは自動ワイピング作動状態で作動する場合、手動操作モジュールにより出力されるワイピング運動速度調節信号を受信すると、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節することと、
ワイパは自動ワイピング作動状態から手動ワイピング作動状態に切り替える場合、ワイパの現在のワイピング運動速度を手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度にロックすることと、
ワイパは手動ワイピング作動状態で作動する場合、手動操作モジュールにより出力されるワイピング運動速度調節信号を受信すると、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節することとを含む。
【0008】
一実施例において、ワイパは自動ワイピング作動状態で作動する場合、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節した後、更に、調節したワイピング運動速度とワイピング運動速度調節信号を受信した時の雨量の大きさとの対応関係を基準として、その後の異なる雨量の大きさに対応するワイピング運動速度を調節することを含む。
【0009】
一実施例において、ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を上げるか、又は下げるように指示することに用いられ、
ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節することは、
ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を上げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、デフォルトの調速分解能に対応する回転数変化値だけ増加させることと、ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を下げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、デフォルトの調速分解能に対応する回転数変化値だけ減少させることとを含み、デフォルトの調速分解能とは、デフォルトのワイパのモータ回転速度の回転数変化値である。
【0010】
一実施例において、ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を上げるか、又は下げるように指示することに用いられ、
ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節する前に、更に、手動操作モジュールにより出力される調速分解能設定信号を受信して調速分解能設定信号に応じて調速分解能を設定することを含み、調速分解能とは、ワイパのモータ回転速度の回転数変化値であり、
ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節することは、ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を上げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、設定後の調速分解能に対応する回転数変化値だけ増加させることと、ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を下げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、設定後の調速分解能に対応する回転数変化値だけ減少させることとを含む。
【0011】
本発明はワイパのスマート制御装置を更に提供しており、該装置は手動操作モジュールとマイクロプロセッサとを含み、手動操作モジュールはマイクロプロセッサに接続され、手動操作モジュールはワイパ作動状態切替信号をマイクロプロセッサに出力するように設定され、手動操作モジュールは、更に、ワイピング運動速度調節信号をマイクロプロセッサに出力するように設定され、マイクロプロセッサは雨量センサとワイパ装置とに接続されるように構成され、マイクロプロセッサは、更に、手動操作モジュールにより出力されるワイパ作動状態切替信号に応じて、ワイパ作動状態を自動ワイピング作動状態又は手動ワイピング作動状態に切り替えるように設定され、ワイパは自動ワイピング作動状態で作動する場合、所定の雨量の大きさとワイピング運動速度との対応関係に応じて、雨量センサでリアルタイムに感知される雨量の大きさに対応するワイピング運動速度を算出して、前記ワイピング運動速度に応じたワイピング運動速度制御信号をワイパ装置に出力することで、ワイパ装置にワイピング運動速度制御信号に応じたワイピング動作を実行させ、手動操作モジュールにより出力されるワイピング運動速度調節信号を受信すると、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節して、ワイピング運動速度を調節するように調節後のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置に出力し、ワイパは自動ワイピング作動状態から手動ワイピング作動状態に切り替える場合、ワイパの現在のワイピング運動速度を手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度にロックし、ワイパは手動ワイピング作動状態で作動する場合、手動操作モジュールにより出力されるワイピング運動速度調節信号を受信すると、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節して、ワイピング運動速度を調節するように調節後のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置に出力する。
【0012】
一実施例において、マイクロプロセッサは、更に、ワイパは自動ワイピング作動状態で作動する場合、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節した後、調節後のワイピング運動速度とワイピング運動速度調節信号を受信した時の雨量の大きさとの対応関係を基準として、その後の異なる雨量の大きさに対応するワイピング運動速度を調節するように設定される。
【0013】
一実施例において、ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を上げるか、又は下げるように指示することに用いられ、
マイクロプロセッサは、以下の態様で、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節して調節後のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置に出力するように設定され、ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を上げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、デフォルトの調速分解能に対応する回転数変化値だけ増加させ、増加したワイパのモータ回転速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置に出力し、ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を下げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、デフォルトの調速分解能に対応する回転数変化値だけ減少させ、減少したワイパのモータ回転速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置に出力し、デフォルトの調速分解能とは、デフォルトのワイパのモータ回転速度の回転数変化値であり、
或いは、手動操作モジュールは、更に、調速分解能設定信号をマイクロプロセッサに出力するように設定され、マイクロプロセッサは、更に、手動操作モジュールにより出力される調速分解能設定信号を受信して調速分解能設定信号に応じて調速分解能を設定するように設定され、調速分解能とは、ワイパのモータ回転速度の回転数変化値であり、マイクロプロセッサは、以下の態様で、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節して調節後のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置に出力するように設定され、ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を上げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、設定後の調速分解能に対応する回転数変化値だけ増加させ、増加したワイパのモータ回転速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置に出力し、ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を下げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、設定後の調速分解能に対応する回転数変化値だけ減少させ、減少したワイパのモータ回転速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置に出力する。
【0014】
一実施例において、マイクロプロセッサは、更に、自動車の走行速度、路面の凹凸状況及び車外の環境光線を含む車両走行情報データを受信して、前記車両走行情報データと雨量センサでリアルタイムに感知される雨量の大きさに応じて、ワイパのワイピング運動速度を設定するように設定される。
【0015】
本発明は、コンピュータ実行可能な指令が記憶されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を更に提供しており、前記コンピュータ実行可能な指令は、上記ワイパのスマート制御方法を実行するために用いられる。
【0016】
本発明に係るワイパのスマート制御方法及び装置は、単一の制御装置で手動ワイピング調節機能と雨量感知自動ワイピング調節機能を同時に実現し、そして手動ワイピング調節機能と自動ワイピング調節機能との2種類の機能は相互に作動でき、即ち、ワイパは自動ワイピング作動状態で作動する場合、運転者は、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、雨量の大きさに応じて予め設定されたワイピング運動速度を手動調節可能であるため、ワイピング運動速度を運転者のその時での要求により合致させ、運転者の個体差の要求を満たし、更にワイパのワイピング運動速度の調節にはより人間性があり、且つ本発明に係る技術案は、随時、自動ワイピング作動状態での現在のワイピング運動速度を手動ワイピング作動状態でのワイパのワイピング運動速度にロックすることもでき、ワイパは手動ワイピング作動状態で作動するときに、該ワイパのワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではない場合、運転者は、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節可能であり、ワイパのワイピング運動速度の多段階調節を実現し、操作が簡単でワイパのワイピング運動速度の調節効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一実施例に係るワイパのスマート制御方法のフローチャートである。
図2】一実施例に係るワイパのスマート制御装置の構造模式図である。
図3】一実施例に係る手動操作モジュールの構造模式図である。
図4】一実施例に係る調速スイッチの構造模式図である。
図5】一実施例に係る手動/自動切替スイッチの構造模式図である。
図6】他の実施例に係る手動/自動切替スイッチの構造模式図である。
図7】一実施例に係る調速分解能設定スイッチを含む手動操作モジュールの構造模式図である。
図8】一実施例に係る調速分解能設定スイッチの構造模式図である。
図9】一実施例に係るタッチ式ワイパのスマート制御装置の構造模式図である。
図10】一実施例に係る車体制御モジュールBCMにおけるマイクロプロセッサを用いたワイパのスマート制御装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、関連する図面を参照しながら本発明を説明する。本発明の実施例を図面に示す。部品が別の部品に「接続」されると見なされる場合、その部品を他の部品に直接接続されてもよいか、或いはそれら間に介在する部品が同時に存在してもよい。別に定義されない限り、本発明で使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明の技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本発明の明細書で使用される用語は、実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定することを意図するものではない。本発明で使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された1つ又は複数のアイテムの任意の組合せ及びあらゆる組合せを含む。
【0019】
自動車上の手動ワイパ及び自動ワイパは、電気スイッチを手動で切り替えることによって作動を選択することが多い。実際の使用過程に手動ワイパ及び自動ワイパには、以下のような多くの欠点がある。1.手動ワイパは、通常、6つの作動ギヤが設定され、運転者がワイピング運動速度を調節する操作を行う際に、正確な所望のギヤに手動で正確に調節する必要があり、且つ中間ギヤを越えられずにギヤの順番通りに調節するため、操作が複雑で実行効率が低い。2.自動ワイパのワイピング運動速度は、雨量センサにより感知される雨量の大きさにより決定されるが、運転者の個人差によって、同じ雨量の場合にはワイピング運動速度に対する要求が異なり、更に同じ運転者であっても時間や体調が異なると、同じ雨量の場合にはワイピング運動速度に対する要求が異なるが、自動ワイパのワイピング運動速度は雨量の大きさのみで制御され、自動車の運転者は能動的に調節できない。
【0020】
図1は、一実施例に係るワイパのスマート制御方法のフローチャートである。図1に示すように、本実施例に係るワイパのスマート制御方法は以下のステップを含む。
【0021】
ステップ110は、受信したワイパの作動状態切替信号に応じてワイパの作動状態を自動ワイピング作動状態又は手動ワイピング作動状態に切り替えることである。
【0022】
自動ワイピング作動状態とは、ワイパのワイピング運動速度が雨量センサにより感知される雨量の大きさの変化につれて自動的に変化することであり、手動ワイピング作動状態とは、ワイパのワイピング運動速度が調節を完了した後に定常であり、雨量の大きさの変化につれて変化しないことである。
【0023】
ステップ120は、ワイパは自動ワイピング作動状態で作動する場合、ワイピング運動速度は雨量センサにより感知される雨量の大きさの変化につれて自動的に変化し、手動操作モジュールにより出力されるワイピング運動速度調節信号を受信すると、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節して、調節したワイピング運動速度とワイピング運動速度調節信号を受信した時の雨量の大きさとの対応関係を基準として、その後の異なる雨量の大きさに対応するワイピング運動速度を調節し、ワイピング運動速度は雨量センサにより感知される雨量の大きさの変化につれて自動的に変化することである。
【0024】
本実施例において、手動操作モジュールは、ユーザに提供する、ワイピング運動速度を調節するためのモジュールである。
【0025】
ステップ130は、ワイパは自動ワイピング作動状態から手動ワイピング作動状態に切り替える場合、ワイパの現在のワイピング運動速度を手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度にロックし、ワイパは手動ワイピング作動状態で作動する場合、手動操作モジュールにより出力されるワイピング運動速度調節信号を受信すると、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節することである。
【0026】
本実施例に係るワイパの制御方法は、手動ワイピング調節機能と雨量感知自動ワイピング調節機能を同時に含み、そして手動ワイピング調節機能と自動ワイピング調節機能との2種類の機能は相互に作動でき、即ち、ワイパは自動ワイピング作動状態で作動する場合、運転者は、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、雨量の大きさに応じて予め設定されたワイピング運動速度を手動調節可能であるため、ワイピング運動速度を運転者のその時での要求により合致させ、運転者の個体差の要求を満たし、更にワイパのワイピング運動速度の調節にはより人間性があり、且つ、随時、自動ワイピング作動状態での現在のワイピング運動速度を手動ワイピング作動状態でのワイパのワイピング運動速度にロックすることもでき、ワイパは手動ワイピング作動状態で作動するときに、該ワイパのワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではない場合、運転者は、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節可能であり、ワイパのワイピング運動速度の多段階調節を実現し、操作が簡単でワイパのワイピング運動速度の調節効率が向上する。
【0027】
一実施例において、ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を上げるか、又は下げるように指示することに用いられ、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節することは、ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を上げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、デフォルトの調速分解能に対応する回転数変化値だけ増加させることと、ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を下げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、デフォルトの調速分解能に対応する回転数変化値だけ減少させることとを含み、デフォルトの調速分解能とは、デフォルトのワイパのモータ回転速度の回転数変化値である。
【0028】
一実施例において、ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を上げるか、又は下げるように指示することに用いられ、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節する前に、更に、手動操作モジュールにより出力される調速分解能設定信号を受信して調速分解能設定信号に応じて調速分解能を設定することを含み、調速分解能とは、ワイパのモータ回転速度の回転数変化値であり、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節することは、ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を上げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、設定後の調速分解能に対応する回転数変化値だけ増加させることと、ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を下げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、設定後の調速分解能に対応する回転数変化値だけ減少させることとを含む。
【0029】
他の実施例は、ワイパのスマート制御方法を提供しており、該方法は、受信したワイパの作動状態切替信号に応じてワイパの作動状態を自動ワイピング作動状態又は手動ワイピング作動状態に切り替えることであって、前記自動ワイピング作動状態とは、ワイパのワイピング運動速度が雨量センサにより感知される雨量の大きさの変化につれて自動的に変化することであり、前記手動ワイピング作動状態とは、ワイパのワイピング運動速度が調節を完了した後に定常であり、ワイピング運動速度が雨量の大きさの変化につれて変化しないことであることを含む。
【0030】
ワイパは自動ワイピング作動状態で作動する場合、雨量の大きさに応じて予め設定されたワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節し、前記調節とは、ワイパのモータの回転速度を調節することでワイピング運動速度を調節する目的を実現することである。
【0031】
ワイパは手動ワイピング作動状態で作動する場合、運転者は、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を手動で調節し、前記調節とは、ワイパのモータの回転速度を調節することでワイピング運動速度を調節する目的を実現することである。
【0032】
ワイパは自動ワイピング作動状態から手動ワイピング作動状態に切り替える場合、ワイパの現在のワイピング運動速度を手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度にロックし、該手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節し、前記調節とは、ワイパのモータの回転速度を調節することでワイピング運動速度を調節する目的を実現することである。
【0033】
ワイパは手動ワイピング作動状態から自動ワイピング作動状態に切り替える場合、ワイパは雨量の大きさにつれて予め設定されたワイピング運動速度で運動し、雨量の大きさに応じて予め設定されたワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節し、前記調節とは、ワイパのモータの回転速度を調節することでワイピング運動速度を調節する目的を実現することである。
【0034】
一実施例において、雨量の大きさに応じて予め設定されたワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節することは、雨量の大きさに応じて予め設定されたワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節して、運転者が要求するワイピング運動速度に達した時のワイピング運動速度と雨量の大きさとの対応関係を新しい基準としてその後の異なる雨量の大きさに対応するワイピング運動速度を調節することを含む。これにより、ワイパの作動状態は依然として自動ワイピング作動状態にあり、その後の雨量センサにより感知される新しい雨量の大きさの変化について、ワイピング運動速度は前記新しい基準に従って雨量の大きさの変化につれて対応する新しい変化を自動的に行うので、雨量が変化するたびに手動でワイピング速度を調節する必要がなく、スマート化の程度が高い。
【0035】
一実施例において、雨量の大きさに応じて予め設定されたワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節することは、雨量の大きさに応じて予め設定されたワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者が選択した調速ギヤ段及びデフォルトの調速分解能に応じて、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節することと、或いは、雨量の大きさに応じて予め設定されたワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者が選択した調速分解能及び選択した調速ギヤ段に応じて、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節することとを含み、前記調速分解能とは、調速操作毎にワイパのモータ回転速度が1分間あたり変化する回転数(即ち、ワイパのモータ回転速度の回転数変化値)である。
【0036】
一実施例において、雨量の大きさに応じて予め設定されたワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者はまず現在のワイピング運動速度をデフォルトの調速分解能で調節するように選択し、運転者はデフォルトの調速分解能の調節幅が要求を満たさないと感じた場合、他の調速分解能を選択してから、運転者が調速ギヤ段を選択した場合、運転者が選択した調速ギヤ段及び調速分解能に従って、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節する。
【0037】
一実施例において、該手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節することは、該手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者が選択した調速ギヤ段及びデフォルトの調速分解能に応じて、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を運転者が選択した調速ギヤ段及びデフォルトの調速分解能に従って調節することと、或いは、該手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者が選択した調速分解能及び選択した調速ギヤ段に応じて、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を運転者が選択した調速分解能及び選択した調速ギヤ段に従って調節することとを含み、前記調速分解能とは、調速操作毎にワイパのモータ回転速度が1分間あたり変化する回転数である。
【0038】
一実施例において、該手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者はまず現在のワイピング運動速度をデフォルトの調速分解能で調節するように選択し、運転者はデフォルトの調速分解能の調節幅は要求を満たさないと感じた場合、手動で他の調速分解能を選択してから、運転者が調速ギヤ段を選択した場合、運転者が選択した調速ギヤ段及び調速分解能に従って、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節する。
【0039】
図2に示すように、図2は、一実施例に係るワイパのスマート制御装置の構造模式図である。
【0040】
本実施例は、上記ワイパのスマート制御方法に基づいたワイパのスマート制御装置を更に開示しており、該装置は、手動操作モジュール101とマイクロプロセッサ102とを含む。本実施例において、マイクロプロセッサ102とは、マイクロコントロールユニット(Microcontroller Unit,MCU)をいう。マイクロプロセッサ102は、前記スマート制御装置に内蔵されてもよく、自動車に搭載された制御モジュール又は制御ユニットにおけるマイクロプロセッサであってもよく、例えば、前記マイクロプロセッサ102は、自動車の車体制御モジュール(Body Control Module,BCM)におけるプロセッサであってもよい。
【0041】
本実施例において、手動操作モジュール101はワイパ作動状態切替信号をマイクロプロセッサ102に出力するように設定され、手動操作モジュール101は更にワイピング運動速度調節信号をマイクロプロセッサ102に出力するように設定され、マイクロプロセッサ102は雨量センサ103とワイパ装置104とに接続されるように構成され、マイクロプロセッサ102は更に手動操作モジュール101により出力されるワイパ作動状態切替信号に応じて、ワイパ作動状態を自動ワイピング作動状態又は手動ワイピング作動状態に切り替えるように設定され、ワイパは自動ワイピング作動状態で作動する場合、所定の雨量の大きさとワイピング運動速度との対応関係に応じて、雨量センサでリアルタイムに感知される雨量の大きさに対応するワイピング運動速度を算出して、前記ワイピング運動速度に応じたワイピング運動速度制御信号をワイパ装置104に出力することで、ワイパ装置104にワイピング運動速度制御信号に応じたワイピング動作を実行させ、手動操作モジュール101により出力されるワイピング運動速度調節信号を受信すると、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節して、ワイピング運動速度を調節するように調節後のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力し、ワイパは自動ワイピング作動状態から手動ワイピング作動状態に切り替える場合、ワイパの現在のワイピング運動速度を手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度にロックし、ワイパは手動ワイピング作動状態で作動する場合、手動操作モジュール101により出力されるワイピング運動速度調節信号を受信すると、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節して、調節ワイピング運動速度を調節するように、調節後のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力する。
【0042】
一実施例において、マイクロプロセッサ102は、更に、ワイパは自動ワイピング作動状態で作動する場合、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節した後、調節後のワイピング運動速度とワイピング運動速度調節信号を受信した時の雨量の大きさとの対応関係を基準として、その後の異なる雨量の大きさに対応するワイピング運動速度を調節するように設定される。
【0043】
一実施例において、ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を上げるか、又は下げるように指示することに用いられ、マイクロプロセッサ102は、以下の態様で、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節して、調節後のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力するように設定され、ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を上げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、デフォルトの調速分解能に対応する回転数変化値だけ増加させ、増加したワイパのモータ回転速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力し、ワイピング運動速度調節信号はワイピング運動速度を下げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、デフォルトの調速分解能に対応する回転数変化値だけ減少させ、減少したワイパのモータ回転速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力し、デフォルトの調速分解能とは、デフォルトのワイパのモータ回転速度の回転数変化値である。
【0044】
一実施例において、手動操作モジュール101は、更に、調速分解能設定信号をマイクロプロセッサ102に出力するように設定され、マイクロプロセッサ102は、更に、手動操作モジュールにより出力される調速分解能設定信号を受信して調速分解能設定信号に応じて調速分解能を設定するように設定され、調速分解能とは、ワイパのモータ回転速度の回転数変化値であり、マイクロプロセッサ102は、以下の態様で、ワイピング運動速度調節信号に応じて現在のワイピング運動速度を調節して、調節後のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ調速指令を前記ワイパ装置104に出力するように設定され、ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を上げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、設定後の調速分解能に対応する回転数変化値だけ増加させ、増加したワイパのモータ回転速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力し、ワイピング運動速度調節信号は、ワイピング運動速度を下げるように指示すると、現在のワイピング運動速度に対応するワイパのモータ回転速度を、設定後の調速分解能に対応する回転数変化値だけ減少させ、減少したワイパのモータ回転速度に対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力する。
【0045】
一実施例において、マイクロプロセッサ102は、更に、自動車の走行速度、路面の凹凸状況及び車外の環境光線を含む車両走行情報データを受信して、前記車両走行情報データと雨量センサでリアルタイムに感知される雨量の大きさに応じて、ワイパのワイピング運動速度を設定するように設定される。
【0046】
他実施例において、ワイパのスマート制御装置を提供する。図2を参照すると、該装置は、手動操作モジュール101とマイクロプロセッサ102とを含む。前記手動操作モジュール101はマイクロプロセッサ102に接続され、手動操作モジュール101は、以下のように設定される。1.ワイパ作動状態切替信号をマイクロプロセッサ102に出力する。2.ワイピング運動速度調節信号をマイクロプロセッサ102に出力する。前記マイクロプロセッサ102は、雨量センサ103とワイパ装置104とに接続されるように構成され、前記プロセッサ102は、更に、以下のように設定される。1.手動操作モジュール101により出力されるワイパ作動状態切替信号に応じて、ワイパ作動状態を自動ワイピング作動状態又は手動ワイピング作動状態に切り替える。2.ワイパは自動ワイピング作動状態で作動する場合、所定の雨量の大きさとワイピング運動速度との対応関係に応じて、雨量センサ103でリアルタイムに感知される雨量の大きさに対応するワイピング運動速度を算出して、ワイピング運動速度に応じたワイピング運動速度制御信号をワイパ装置104に出力することで、ワイパ装置104にワイピング運動速度制御信号に応じたワイピング動作を実行させ、この時のワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、手動操作モジュール101により出力されるワイピング運動速度調節信号を処理し、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまでワイピング運動速度を調節するように、ワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力し、前記調速指令はワイパのモータの回転速度を調節することでワイピング運動速度を調節する目的を実現する。3.ワイパは自動ワイピング作動状態から手動ワイピング作動状態に切り替える場合、ワイパの現在のワイピング運動速度を手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度にロックし、該手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、手動操作モジュール101により出力されるワイピング運動速度調節信号を処理し、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまでワイピング運動速度を調節するように、ワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力し、前記調速指令はワイパのモータの回転速度を調節することでワイピング運動速度を調節する目的を実現し、前記自動ワイピング作動状態とは、ワイパのワイピング運動速度が雨量センサ103により感知される雨量の大きさの変化につれて自動的に変化することであり、前記手動ワイピング作動状態とは、ワイパのワイピング運動速度が調節を完了した後に定常であり、ワイピング運動速度が雨量の大きさの変化につれて変化しないことである。4.ワイパは手動ワイピング作動状態で作動する場合、運転者は現在のワイピング運動速度を調節すると、マイクロプロセッサ102は手動操作モジュール101により出力されるワイピング運動速度調節信号を処理し、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまでワイピング運動速度を調節するように、ワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力し、前記調速指令はワイパのモータの回転速度を調節することでワイピング運動速度を調節する目的を実現する。5.ワイパは手動ワイピング作動状態から自動ワイピング作動状態に切り替える場合、ワイパのワイピングは雨量の大きさにつれて予め設定されたワイピング運動速度で運動し、雨量の大きさに応じて予め設定されたワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、マイクロプロセッサ102は手動操作モジュール101により出力されるワイピング運動速度調節信号を処理し、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまでワイピング運動速度を調節するように、ワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力し、前記調速指令はワイパのモータの回転速度を調節することでワイピング運動速度を調節する目的を実現する。
【0047】
一実施例において、前記マイクロプロセッサ102は、更に、手動操作モジュール101により出力されるワイピング運動速度調節信号に応じて、少なくとも一回の調節によってワイピング運動速度を運転者が要求するワイピング運動速度に調節した後、この時のワイピング運動速度と雨量の大きさとの対応関係を基準として、雨量センサによって、その後の異なる雨量の大きさに対応するワイピング運動速度を自動的に調節する。
【0048】
一実施例において、前記手動操作モジュール101は、以下の態様で、ワイピング運動速度調節信号をマイクロプロセッサ102に出力するように設定され、運転者が選択した調速ギヤ段に応じて、運転者が選択した調速ギヤ段に対応するワイピング運動速度調節信号をマイクロプロセッサ102に出力し、マイクロプロセッサ102は、以下の態様で、手動操作モジュール101により出力されるワイピング運動速度調節信号を処理し、ワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力するように設定され、手動操作モジュール101により出力されるワイピング運動速度調節信号を処理した後、運転者が選択した調速ギヤ段及びデフォルトの調速分解能に従って、ワイピング運動速度を調節するように、対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力する。
【0049】
一実施例において、前記手動操作モジュール101は、更に、運転者が選択した調速分解能に応じて、対応する調速分解能設定信号をプロセッサ102に出力するように設定され、前記手動操作モジュール101は、更に、以下の態様で、ワイピング運動速度調節信号をマイクロプロセッサ102に出力するように設定され、運転者が選択した調速ギヤ段に応じて、運転者が選択した調速ギヤ段に対応するワイピング運動速度調節信号をマイクロプロセッサ102に出力し、マイクロプロセッサ102は、以下の態様で、手動操作モジュール101により出力されるワイピング運動速度調節信号を処理し、ワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力するように設定され、手動操作モジュール101により出力されるワイピング運動速度調節信号を処理した後、運転者が選択した調速ギヤ段及び調速分解能設定信号に対応する調速分解能に従って、ワイピング運動速度を調節するように、対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力する。前記調速分解能とは、調速操作毎にワイパのモータ回転速度が1分間あたり変化する回転数である。一実施例において、ワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではなければ、運転者はまず現在のワイピング運動速度をデフォルトの調速分解能で調節するように選択し、運転者はデフォルトの調速分解能の調節幅は要求を満たさないと感じた場合、手動操作モジュール101によって他の調速分解能を選択してから、運転者が調速ギヤ段を選択した場合、マイクロプロセッサ102は、運転者が選択した調速ギヤ段及び調速分解能に従って、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節する。
【0050】
一実施例において、マイクロプロセッサ102は、更に、自動車の走行速度、路面の凹凸状况及び車外の環境光線を含むがこれらに限定されない車両走行情報データを受信して、前記車両走行情報データと雨量センサ103でリアルタイムに感知される雨量の大きさに応じて、ワイパのワイピング運動速度を共に設定するように設定される。
【0051】
以下、具体的実施例を参照しながら、上記実施例に係るワイパのスマート制御装置の実現形態、作動過程を簡単に説明する。
【0052】
本実施例において、ワイパ装置104は、主にワイパのモータ、ワイパのモータ調速/駆動ユニット、減速機構、メカニカルアクチュエータ及びワイパアーム/ワイパブレード機構を含む。上述したワイパのワイピング運動速度とは、実際ワイパアーム/ワイパブレードが往復運動する速度である。本実施例において、雨量センサ103はマイクロプロセッサ102の雨量センサ103信号入力ポートに接続される。一実施例において、雨量センサ103とマイクロプロセッサ102との接続方法は、直接接続であってもよく、即ち、雨量センサ103の出力信号はマイクロプロセッサ102の対応する入力ポートに直接接続されてもよい。同様に、雨量センサ103とマイクロプロセッサ102とは、自動車のバスにより接続されてもよく、例えば、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network,CAN)バス又はローカルインターコネクトネットワーク(Local Interconnect Network,LIN)バスにより接続されてもよく、更に、雨量センサ103はバスを介して、感知される雨量の大きさ情報をマイクロプロセッサ102に出力する。ワイパのモータ調速/駆動ユニットは、マイクロプロセッサ102のワイパのモータ調速制御信号出力ポートに接続される。一実施例において、ワイパのモータは直流モータ又はステッピングモータを使用してもよいがこれらに限定されない。異なるタイプのワイパのモータは異なる駆動方法があり、異なるタイプのワイパのモータについて、ワイパのスマート制御装置は調速及び制御を実現する実現形態の細部が異なり、形態を調整することで同じ機能を実現できる。直流モータの回転状態はパルス幅変調(Pulse Width Modulation,PWM)パルスにより制御され、即ち、直流モータに一定の周波数を有するパルス幅調整可能なパルス電気信号を供給し、パルス幅が大きいほど、デューティ比が大きくなり、直流モータに供給する平均電圧が大きくなるほど、直流モータの回転数が高くなり、逆に、パルス幅が小さいほど、デューティ比が小さくなり、直流モータに供給する平均電圧が小さくなるほど、直流モータの回転数が低くなる。ステッピングモータを制御する信号は、単一パルスであり、各単一パルスは、ステッピングモータを1つの角度だけ回転させる。上述したPWMパルス及び単一パルスの両方は、マイクロプロセッサ102により直接生成して出力することができるため、本実施例では、ワイパのモータ速度制御信号出力モジュールを追加的に設計する必要がない。一実施例において、雨量センサ103により出力される雨量の大きさ信号はデジタル量であるかアナログ量であるかにかかわらず、アナログ−デジタル変換(Analog to Digital,A/D)ポートを有するマイクロプロセッサ102の対応するデジタル量入力ポート又はアナログ−デジタル変換入力ポートにより読み込むことができるため、対応する雨量センサ103信号入力/出力モジュールを追加的に設計する必要もない。しかし、これに限定されるものではなく、異なるワイパのスマート制御装置の実施形態について、対応する入力/出力(Input/Output,I/O)モジュールを、マイクロプロセッサ102及び外部センサとワイパ装置104との間のインタフェースとして追加的に設計することも可能である。同様に、一実施例において、マイクロプロセッサ102と雨量センサ103又は他の外部センサとワイパ装置104との間の信号伝送は、自動車バスを介して実現可能であり、雨量センサ103又は他の外部センサにより出力される信号は、LINバスなどの自動車バスを介してマイクロプロセッサ102により読み込まれ、マイクロプロセッサ102は、制御信号をワイパ装置104に直接送信するか、又は自動車バスを介して制御信号をワイパ装置104に送信するようにワイパの制御信号を出力する。
【0053】
図3に示すように、前記手動操作モジュール101は調速スイッチ1011と手動/自動切替スイッチ1012とを含む。本実施例において、ワイパは自動ワイピング作動状態で作動する場合、雨量センサ103は自動車外部の雨量の大きさを感知して、感知した雨量の大きさに対応する電気信号(アナログ量信号であってもよく、A/D変換したデジタル量信号であってもよい)をマイクロプロセッサ102に送信し、マイクロプロセッサ102の内部に既に雨量の大きさとワイピング運動速度との対応関係(即ち、異なる雨量の大きさに対応するワイパのモータの異なる回転速度)が予め設定された場合、マイクロプロセッサ102は、走行中に雨量センサ103が感知した車外の雨量の大きさに応じて対応するワイパのモータ回転数値を決定して、対応するワイピング運動速度制御信号を生成してワイパ装置104に送信し、ワイパ装置104によって対応するワイピング動作を実行することができる。一実施例において、ワイパ装置104は対応するワイピング動作を実行する過程は以下の通りである。ワイピング運動速度制御信号は、ワイパのモータ調速/駆動ユニットによってワイパのモータに対する調速を実現し、ワイパのモータの回転を減速機構により減速してからメカニカルアクチュエータ(リンク機構)を往復運動させ、最終に、メカニカルアクチュエータはワイパアーム/ワイパブレード機構を対応する速度で往復運動させ、自動車のフロントガラス上の雨水を掻き取る作用を奏する。雨中走行では、運転者がワイパのスマート制御装置の電源スイッチをオンにし、自動ワイピング動作状態で、マイクロプロセッサ102は雨量センサ103が感知した雨量の大きさに応じて、雨量の大きさの変化につれて対応するワイパのモータの回転数をリアルタイムに調整するようにワイパのモータを制御し、これにより車外雨量の変化につれて、ワイパのワイピング運動速度もそれに応じて変化し、運転者が人為的に調整する必要がない。しかし、自動車の運転者にとっては、同じ雨量の大きさの場合、個体差の存在により、異なる運転者のワイパのワイピング運動速度に対する要求が異なる可能性があり、同一の運転者であっても異なる体調や外界環境下では、ワイパのワイピング運動速度に対する要求が異なる可能性もあり、例えば、運転者は自動ワイパで設定されたワイピング移動速度が低すぎると感じ、少し速くすることが望まれる場合がある。本実施例において上記問題を解決する方法は以下の通りである。手動操作モジュール101の調速スイッチ1011によってワイピング運動速度調節信号をマイクロプロセッサ102に出力し、即ち、運転者による明確な「速度上昇」調節又は「速度下降」調節の手動操作動作を電気信号(即ち、ワイピング運動速度調節信号)に変換してマイクロプロセッサ102に送信し、マイクロプロセッサ102が「調速」信号を受信するたびに、マイクロプロセッサ102により処理した後、ワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に1回出力し、ワイパ装置104はワイピング速度調節を1回実行し、ワイパのワイピング運動速度を調節する目的を実現する。上記過程を必要に応じて少なくとも1回繰り返すことにより、ワイパのワイピング運動速度を運転者が要求するワイピング運動速度に調節することができる。
【0054】
図4は、一実施例に係る調速スイッチの構造模式図である。図4に示すように、本実施例において、調速スイッチ1011は機械式「トグル」電気スイッチ−単極双投セルフリセット電気スイッチを採用し、スイッチが一方にトグルされると、ワイピング運動速度が1速度ギヤ段を増加し(即ち、上記実施例における調速ギヤ段)(例えば、ワイパのモータ回転数を3回転/分増加する)、スイッチが他方にトグルされると、ワイピング運動速度が1速度ギヤ段を下降し(例えば、ワイパのモータ回転数を3回転/分減少する)、図4に示すように、調速スイッチ1011が位置1にトグルされると、手動モジュール101はマイクロプロセッサ102に速度上昇信号を送信し、調速スイッチ1011が位置2にトグルされると、手動モジュール101はマイクロプロセッサ102に速度下降信号を送信し、前記速度上昇信号と速度下降信号は、ともにワイピング運動速度調節信号を指す。図4における調速スイッチ1011はセルフリセット式機械電気スイッチを使用し、即ち、運転者が手でスイッチを位置1(又は位置2)にトグルし、速度上昇信号(又は速度下降信号)が生成し、スイッチをトグルした手を解放し、スイッチが自動的に位置0に戻り、速度上昇信号(又は速度下降信号)が消え、マイクロプロセッサ102はワイピング運動速度調節信号を受信した後、マイクロプロセッサ102はワイピング運動速度調節信号を処理してワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に1回出力し、ワイパ装置104はワイピング速度調節を1回実行し、最終に、ワイピング運動速度を1速度ギヤ段増加する(又は1速度ギヤ段減少する)ことを実現する。
【0055】
これに限定されるものではないが、一実施例として、図4に示すように、調速スイッチ1011は、ガバナレバーとして設計することができ、前記ガバナレバーを上方に軽く押すことで「速度上昇」の調節目的を達成し、前記ガバナレバーを下方に軽く押すことで「速度下降」の調節目的を達成する。例えば、手動操作動作は、前記ガバナレバーを手で上方(又は下方)に軽く押してから、手を引っ込めて前記ガバナレバーが自動的に元の通常位置に戻り、「上方」に軽く押すたびに、ワイパのモータ回転数を1ギヤ段増加し(例えば、3回転/分増加する)、「下方」に軽く押すたびに、ワイパのモータ回転数を1ギヤ段下降し(例えば、3回転/分減少する)、前記ガバナレバーを手で「上方」に軽く押しながら所定時間(例えば、3秒間)以上を保持してから、手を引っ込めてワイパのモータ回転数は、(すべての中間「ギヤ段」をスキップする)ワイパのスマート制御装置の内部で予め設定された最高回転数まで直接上昇し、前記ガバナレバーを手で「下方」に軽く押しながら所定時間(例えば、3秒間)以上を保持してから、手を引っ込めてワイパのモータ回転数は、(すべての中間「ギヤ段」をスキップする)ワイパのスマート制御装置の内部で予め設定された最低回転数まで直接下降する。本実施例において、上述した調節スイッチによるワイパのワイピング運動速度を人工で手動調節する操作は自動ワイピング作動状態又は手動ワイピング作動状態であっても使用可能である。
【0056】
これに限定されるものではないが、別の実施例として、調速スイッチ1011は、図4に示すように、単極双投セルフリセット電気スイッチの原理を採用したセルフリセットトグルスイッチとして設計することができる。前記セルフリセットトグルスイッチを「一方」にトグルすることで、「速度上昇」の目的を達成し、前記セルフリセットトグルスイッチを「他方」にトグルすることで、「速度下降」の目的を達成する。例えば、手動操作動作は、前記セルフリセットトグルスイッチを手で「右」(又は「左」)にトグルしてから、手を引っ込めて前記セルフリセットトグルスイッチが自動的に元の通常位置に戻り、「右」にトグルするたびに、ワイパのモータ回転数を1ギヤ段増加し(例えば、3回転/分増加する)、「左」にトグルするたびに、ワイパのモータ回転数を1ギヤ段下降し(例えば、3回転/分減少する)、前記セルフリセットトグルスイッチを手で「右」にトグルしながら所定時間(例えば、3秒間)以上を保持してから、手を引っ込めてワイパのモータ回転数は、(すべての中間「ギヤ段」をスキップする)ワイパのスマート制御装置の内部で予め設定された最高回転数まで直接上昇し、前記セルフリセットトグルスイッチを手で「左」にトグルしながら所定時間(例えば、3秒間)以上を保持してから、手を引っ込めてワイパのモータ回転数は、(すべての中間「ギヤ段」をスキップする)ワイパのスマート制御装置の内部で予め設定された最低回転数まで直接下降する。本実施例において、上述した調節スイッチによるワイパのワイピング運動速度を人工で手動調節する操作は自動ワイピング作動状態又は手動ワイピング作動状態であっても使用可能である。
【0057】
これに限定されるものではないが、別の実施例として、調速スイッチ1011は、ロータリーエンコーダスイッチとして設計することができる。前記ロータリーエンコーダスイッチを「上」に1ギヤ回転させるたびに1ギヤ「速度上昇」の目的を達成し、前記ロータリーエンコーダスイッチを「下」に1ギヤ回転させるたびに1ギヤ「速度下降」の目的を達成する。例えば、手動操作動作は、前記ロータリーエンコーダスイッチを手で「上」(又は「下」)に回転させ、前記ロータリーエンコーダスイッチを「上」に1ギヤ段回転させるたびに、ワイパのモータ回転数を1ギヤ段増加し、例えば、増加したギヤ段に対応するワイパのワイピングモータ回転速度は、増加する前のギヤ段に対応するワイパのワイピングモータ回転速度よりも、3回転/分増加し、前記ロータリーエンコーダスイッチを「下」に1ギヤ段回転させるたびに、ワイパのモータ回転数を1ギヤ段下降し、例えば、下降したギヤ段に対応するワイパのワイピングモータ回転速度は、下降する前のギヤ段に対応するワイパのワイピングモータ回転速度よりも、3回転/分減少し、前記ロータリーエンコーダスイッチを手で「上」に高速連続回転させ(例えば、1秒内に3ギヤ段以上連続回転させる)、ワイパのモータ回転数は、(すべての中間「ギヤ段」をスキップする)ワイパのスマート制御装置の内部で予め設定された最高回転数まで直接上昇し、前記回転エンコーダスイッチを手で「下」に高速連続回転させ(例えば、1秒内に3ギヤ段以上連続回転させる)、ワイパのモータ回転数は、(すべての中間「ギヤ段」をスキップする)ワイパのスマート制御装置の内部で予め設定された最低回転数まで直接下降する。本実施例において、上述した調節スイッチによるワイパのワイピング運動速度を人工で手動調節する操作は自動ワイピング作動状態又は手動ワイピング作動状態であっても使用可能である。
【0058】
ワイパのスマート制御装置は自動ワイピング作動状態で作動する場合、ワイパのワイピング運動速度は雨量センサ103が感知した雨量の大きさの変化につれて自動的に調節し、自動ワイピング作動状態のいつでも、運転者は手動操作モジュール101における手動/自動切替スイッチ1012を操作することにより、ワイパを手動ワイピング作動状態に切り替えることができ、この時のワイパのモータの回転数はマイクロプロセッサ102によりロックされ、即ち、手動/自動切替スイッチ1012はワイパ作動状態切替信号をマイクロプロセッサ102に出力し、マイクロプロセッサ102は受信したワイパ作動状態切替信号に応じて、ワイパの作動状態を自動ワイピング作動状態から手動ワイピング作動状態に切り替えて、ワイパの現在のワイピング運動速度を手動ワイピング作動状態のワイピング運動速度にロックし、マイクロプロセッサ102は、ワイパ装置104のワイパのモータをロックされた回転数で回転させるように、ワイパ装置104にワイピング運動速度制御信号を送信する。このようにして、自動ワイピング作動状態での現在のワイピング運動速度を手動ワイピング作動状態でのワイピング運動速度にロックすることを完了し、ワイパのスマート制御装置は手動ワイピング作動状態に戻り、一定のワイパのワイピング運動速度で往復運動するように保持し、ロックされたワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではない場合、運転者が要求するワイピング定常運動速度に達するまで、現在のワイピング運動速度を調節し、調節方法は上記自動ワイピング作動状態でのワイピング運動速度調節方法と同様であり、ここでは詳述しない。
【0059】
これに限定されるものではないが、一実施例として、手動操作モジュール101における手動/自動切替スイッチ1012は、図5及びび図6に示すように、それぞれ異なる原理のスイッチである機械式電気スイッチとして設計される。図5は、2ギヤトグルスイッチを使用し、位置一は手動ワイピング作動状態であり、位置二は自動ワイピング作動状態である。図6は、セルフロックキースイッチを使用し、押下されると手動ワイピング作動状態になり、跳ね上げると自動ワイピング作動状態になる。上記2種類の機械式電気スイッチのいずれも、手動/自動切替スイッチ1012として、運転者が手動ワイピング作動状態と自動ワイピング作動状態を切り替えるように手動操作モジュール101に設計されることができる。
【0060】
これに限定されるものではないが、図5の原理の一実施例として、ワイパレバーの端部に2ギヤノブスイッチを使用し、手動で2ギヤノブスイッチを回転させて位置二から位置一にすることにより、手動ワイピング作動状態を実現するか、或いは2ギヤノブスイッチを回転させて位置一から位置二にすることにより、自動ワイピング作動状態を実現し、ワイピング作動状態の切り替えを完了することができる。
【0061】
図7に示すように、本実施例において、前記手動操作モジュール101は、図3を基に調速分解能設定スイッチ1014を追加する。前記調速分解能とは、調速操作毎にワイパのモータ回転速度が1分間あたり変化する回転数である。これに限定されるものではないが、一実施例として、調速分解能設定スイッチ1014は、選択用の複数のギヤ段を有する多段階ギヤシフト機械式電気スイッチを採用し、図8に示すように、調速分解能設定スイッチは、4つのギヤ段を備え、スイッチは位置1、位置2、位置3及び位置4にトグルされるときに、それぞれデフォルトの分解能、分解能1、分解能2及び分解能3に対応し、運転者が手で異なるギヤ段を選択するようにスイッチを異なる位置にトグルすることにより、マイクロプロセッサ102に異なる調速分解能設定信号を送信する。マイクロプロセッサ102は調速スイッチ1011により出力されるワイピング運動速度調節信号を処理した後、運転者が選択した調速分解能及びギヤ段に応じて、対応するワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力し、ワイピング運動速度を調節する。本実施例では、調速分解能は、手動操作モジュール101の調速スイッチ1011がマイクロプロセッサ102にワイピング運動速度調節信号を送信するたびに、それにつれて、マイクロプロセッサ102がワイパのモータ調速指令をワイパ装置104に出力し、ワイパ装置104におけるワイパのモータの回転数を1分間あたり回転増加又は減少させることを意味し、異なる調速分解能は、毎回の調速でワイパのモータの回転速度を1分間あたり増加又は減少させる回転数が異なることを意味し、例えば、図8における分解能1は、毎回の調速でワイパのモータ回転速度を1分間あたり3回転増加又は減少させることを意味し、感度分解能2は、毎回の調速でワイパのモータ回転速度を1分間あたり6回転増加又は減少させることを意味する、等々である。一実施例において、調速分解能設定スイッチ1014は選択可能なスイッチであり、ワイパのスマート制御装置には、手動操作モジュール101に調速分解能設定スイッチ1014を設定してもよく、設定しなくてもよい。
【0062】
上記実施例において、調速スイッチ1011、手動/自動切替スイッチ1012及び調速分解能設定スイッチ1014などの手動操作モジュール101における機能スイッチは、すべて機械式電気スイッチを採用したが、ワイパのスマート制御装置を実現するときにはこれに限定されず、手動操作モジュール101は、タッチパネル技術を用いて設計してもよく、図9に示すように、タッチディスプレイ901は、合計4本のラインX+、X−、Y+、Y−を介してタッチパネル変換インタフェースチップ902に接続され、タッチパネル変換インタフェースチップ902を介してワイパのスマート制御装置のマイクロプロセッサ102と通信する。タッチディスプレイ901では、機械式調速スイッチ1011の代わりとして、タッチ式調速用長尺状スライダ9011が設けられ、机械式手動/自動切替スイッチ1012の代わりとして、タッチ式手動/自動切替スイッチ9012が設けられ、机械式調速分解能設定スイッチ1014の代わりとして、調速分解能設定用長尺状スライダ9014が設けられている。一実施例において、調速スイッチ1011と調速分解能設定スイッチ1014は、タッチパネル技術の利点を最大限に活用して長尺状スライダの形態に設計されたが、具体的に適用するときにはこれに限定されず、他の設計形態も採用できる。
【0063】
一実施例において、前記マイクロプロセッサ102は、STC12C2052AD型ワンチップマイコンを採用可能である。STC12C2052AD型ワンチップマイコンの主な特性は、強化された8051中央処理ユニット(Central Processing Unit,CPU)、1T、シングルクロック/マシンサイクル、指令コードは従来の8051と完全に互換性がある。1)作動電圧:STC12C2052ADシリーズ作動電圧:3.5ボルト(V)−5.5V、2)作動周波数範囲:0〜35メガヘルツ(MHz)、3)2キロバイト(KB)の運転者のアプリケーションプログラム空間、4)チップ上に256バイトランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)の集積、5)汎用入力/出力I/Oポート(15個)、6)電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(Electrically Erasable Programmable read only memory,EEPROM)機能を有し、7)合計4個の16ビットタイマ、8)9リンクの外部割り込み、9)PWM(2リンク)/プログラム可能なカウンタアレイ((Programmable Counter Array,PCA),2リンク)、10)アナログ/デジタルA/D変換、8ビット精度アナログ−デジタルコンバータ(Analog−to−Digital Converter,ADC)、合計8リンク、11)ユニバーサル全二重非同期シリアルポート(ユニバーサル非同期トランシーバ)(Universal Asynchronous Receiver Transmitter,UART)、12)シリアルペリフェラルインタフェース(Serial Peripheral Interface,SPI)同期通信ポート、マスターモード/スレーブモード。STC12C2052AD型ワンチップマイコンの汎用I/Oポートは、手動操作モジュール101における少なくとも1つのスイッチの出力信号を収集するために使用可能であり、チップの汎用I/Oポートは、制御信号を出力するためにも使用可能である。雨量センサ103からの雨量の大きさの信号又は他のセンサからの信号は、対応するポートを介してSTC12C2052AD型ワンチップマイコンに直接入力でき、これらの信号がアナログ量信号である場合、STC12C2052AD型ワンチップマイコンのA/Dポートを介して入力し、STC12C2052AD型ワンチップマイコン内部のA/D変換によって対応するデジタル量信号を取得することできる。上記センサ信号がデジタル量信号である場合、STC12C2052AD型ワンチップマイコンのデジタル量入力ポートを介して該デジタル量信号を読み込むことができる。或いは、雨量センサ103からの雨量の大きさの信号又は他のセンサからの信号は、LINバスなどの自動車バスを介して、次にバスインタフェースを介してワンチップマイコンの対応する通信ポートに入力することができる。同様に、ワイパのワイピング運動速度に影響するワイパのスマート制御設計に追加可能な一部の自動車走行パラメータ信号も、バスインタフェースを介してワンチップマイコンの対応する通信ポートに入力できる。また、STC12C2052ADチップにはPWM出力ポートがあり、出力されるPWM信号は直流ワイパのモータの回転数を制御できる。
【0064】
一実施例において、前記マイクロプロセッサ102は、本発明のスマート制御装置に内蔵されてもよく、自動車に搭載された制御モジュール又は制御ユニットにおけるマイクロプロセッサであってもよく、例えば、マイクロプロセッサ102は、自動車に既存の車体制御モジュール(Body Control Module,BCM)におけるプロセッサである。
【0065】
一実施例において、図10を参照し、手動操作モジュール101、雨量センサ103及びワイパ装置104は、いずれも車体制御モジュールBCM10に接続され、雨量センサ103は車体制御モジュールBCM10におけるマイクロプロセッサ102とLINバスを介して接続される。雨量センサ103はLINバスを介して、感知される雨量の大きさ情報を車体制御モジュールBCM10におけるマイクロプロセッサ102にリアルタイムで伝送し、車体制御モジュールBCM10におけるマイクロプロセッサ102は雨量の大きさの情報を受信して、所定の雨量の大きさとワイピング運動速度との対応関係に応じて、雨量センサ103でリアルタイムに感知される雨量の大きさの情報に対応するワイピング運動速度を算出して、該ワイピング運動速度に対応するワイピング運動速度制御信号をワイパ装置104に出力することで、ワイパ装置104にワイピング運動速度制御信号が要求する対応するワイピング動作を実行させる。本実施例において、車体制御モジュールBCM10におけるマイクロプロセッサ102と手動操作モジュール101、雨量センサ103及びワイパ装置104との相互作用の過程は、上記マイクロプロセッサ102と同じであってもよく、ここでは詳述しない。
【0066】
要約すると、本実施例において、ワイパのスマート制御装置が自動ワイピング作動状態に入るときの作動過程はおおよそ以下の通りであり、本発明を理解するためのものに過ぎず、これに限定されない。
ステップ1は、マイクロプロセッサ102は手動操作モジュール101により出力される信号を問い合わせて、手動操作モジュール101から信号が出力されるか否かを判断し、信号が出力されると、ステップ7を実行し、信号が出力されていないと、ステップ2を実行し、手動操作モジュール101により出力される信号がマイクロプロセッサ102のレジスタに保留され、該信号が要求する操作を完了するまでクリアされないことである。
ステップ2は、マイクロプロセッサ102は雨量センサ103により出力されるデータを読み込み、雨量センサ103が接続されていないか又は故障していると、ステップ1に戻ることである。
ステップ3は、マイクロプロセッサ102は雨量センサ103が感知した雨量の大きさに応じて、制御指令をワイパ装置104に送信することである。
ステップ4は、ワイパ装置104は受信した制御指令に応じて安定したワイピング運動を確立することである。
ステップ5は、ワイパ装置104は安定したワイピング往復運動サイクルを完了した後、手動操作モジュール101により出力される信号を問い合わせることである。
ステップ6は、マイクロプロセッサ102は手動操作モジュール101により出力される信号を問い合わせて、手動操作モジュール101から信号が出力されるか否かを判断し、信号が出力されると、ステップ7を実行し、信号が出力されていないと、ステップ2を実行することである。
ステップ7は、マイクロプロセッサ102は手動操作モジュール101により送信される信号を処理して、制御指令をワイパ装置104に出力し、ワイパ装置104は前記制御指令に応じて調速操作、手動/自動切替操作又は調速分解能設定操作に対応して実行することである。
本実施例において、ワイパのスマート制御装置が手動ワイピング作動状態に入るときの作動過程はおおよそ以下の通りであり、本発明を理解するためのものに過ぎず、これに限定されない。
ステップ1は、マイクロプロセッサ102が手動操作モジュール101により出力される信号を問い合わせて、手動操作モジュール101から信号が出力されるか否かを判断し、信号が出力されると、ステップ2を実行し、信号が出力されていないと、手動操作モジュール101により出力される信号を待ちながら現在ワイピングの運動状態を保持することである。現在のワイピング運動状態を保持する理由は、この時の手動ワイピング作動状態が自動ワイピング作動状態から切り替えるものであり、現在のワイピング運動速度が既にロックされた可能性があるためである。手動操作モジュール101により出力される信号がマイクロプロセッサ102のレジスタに保留され、該信号が要求する操作を完了するまでクリアされない。
ステップ2は、マイクロプロセッサ102が手動操作モジュール101により送信される信号を処理して、制御指令をワイパ装置104に出力し、ワイパ装置104が前記制御指令に応じて調速操作、手動/自動切替操作又は調速分解能設定操作に対応して実行することである。
また、本実施例において、いずれの状態でワイパのスマート制御装置の電源をオフにすると、ワイパのワイパブレードは現在の往復運動サイクルを完了した後、初期の「ゼロ」位置状態に戻り、ワイパのスマート制御装置は初期状態に戻る。
【0067】
上記実施例におけるワイパのスマート制御装置は、雨量センサ103により感知される雨量の大きさに応じて対応するワイパのワイピング速度を設定するものであるが、実際の走行過程には、雨量が同じである場合、自動車の走行速度、路面の凹凸状況、車外の環境光線などの車両走行情報データが異なると、運転者が要求するワイパのワイピング速度も異なるため、運転者の体験感を向上させ、運転者により合理的なワイパのワイピング速度を提供するために、本実施例では、雨量の大きさ及び自動車の走行速度、路面の凹凸状況及び車外の環境光線などの車両走行情報データに応じて、ワイパのワイピング速度を総合的に設定することができる。自動車の走行速度、路面の凹凸状況及び車外の環境光線などの車両走行情報データの収集モジュールにより入力される信号は雨量センサ103により入力される信号と類似し、デジタル量、アナログ量の両方は、いずれもA/Dポート付きのマイクロプロセッサ102により読み込み可能であり、或いは自動車バスを介して、例えば、LINバスを介して、バスインタフェースを介してマイクロプロセッサ102により読み込み可能であるため、対応する車両走行情報データ信号入力モジュールを追加的に設計する必要はない。しかし、これに限定されるものではなく、異なるワイパのスマート制御装置の実施形態について、対応するI/O入力/出力モジュールをマイクロプロセッサ102と自動車データバス又は他のセンサとの間のインタフェースとして追加的に設計することも可能である。
【0068】
本発明の技術案は単一の制御装置で手動ワイピング調節機能と雨量感知自動ワイピング調節機能を実現し、そして手動ワイピング調節機能と自動ワイピング調節機能との2種類の機能は相互に作動でき、即ち、ワイパは自動ワイピング作動状態で作動する場合、運転者は、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで、雨量の大きさに応じて予め設定されたワイピング運動速度を手動調節可能であるため、ワイピング運動速度を運転者のその時での要求により合致させ、運転者の個体差の要求を満たし、ワイパのワイピング運動速度の調節にはより人間性があり、且つ本発明に係る技術案は、更に、随時、自動ワイピング作動状態での現在のワイピング運動速度を手動ワイピング作動状態でのワイパのワイピング運動速度にロックすることもでき、且つワイパは手動ワイピング作動状態で作動するときに、該ワイパのワイピング運動速度は運転者が要求するワイピング運動速度ではない場合、運転者は、運転者が要求するワイピング運動速度に達するまで現在のワイピング運動速度を調節可能であり、ワイパのワイピング運動速度の多段階手動調節を実現し、操作が簡単でワイパのワイピング運動速度の調節効率が向上する。
【0069】
本発明は、手動ワイピング調節及び雨量感知自動ワイピング調節機能を兼備するワイパシステムであり、従来のワイパシステムよりも製造が容易であり、ワイパシステムの製造コストを削減し、スマートワイパの広範な普及に有利である。
【0070】
当業者は、上記実施例のすべての部分は、関連するハードウェアに指令するコンピュータプログラムにより達成可能であることを理解できる。前記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶でき、該プログラムを実行するときに上記いずれの方法の実施例の手順が含まれてもよい。一実施例において、前記記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読み取り専用メモリ(Read−Only Memory,ROM)又は(Random Access Memory,RAM)などであってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10