(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記入出庫準備室は、前記第1前室が前記低温格納庫の外部に位置されるとともに前記第2前室が前記低温格納庫内に位置されるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の低温保管システム。
前記第2前室には、前記第2前室の環境雰囲気中の水分を霜として付着させる冷凍フィンが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の低温保管システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の低温保管システムについて、図面に基づいて説明する。
【0017】
本発明の一実施形態に係る低温保管システム100は、例えば、複数のチューブを保持する保管用ラックを保管対象Wとするものであって、
図1に示すように、保管対象Wを低温環境下で保管する低温格納庫101と、保管対象Wの低温格納庫101に対する搬入及び搬出を行う搬入搬出機構110と、外部環境と低温格納庫101との間に位置される前室エリアとしての空間にドライエアを供給することで環境雰囲気を調整するドライエア供給機構180とを備え、全体が図示しない外部カバー内に収容されている。
図1において二点鎖線で囲まれた領域は、保管用ラックと搬送用ラックとの間でのチューブの移載作業が行われるピッキングエリアPAである。
【0018】
搬入搬出機構110は、
図2及び
図3に示すように、低温格納庫101の上壁に付設された筐体111と、筐体111の内部において保管対象Wを上下方向に移送する入出庫リフター120を備える。
以下においては、上下方向(鉛直方向)をZ軸とする三次元直交座標系を設定し、水平面における
図3の紙面に垂直な方向をX軸、左右方向をY軸と定義する。
【0019】
筐体111は、外部環境と低温格納庫101との間に位置される前室エリアとしての入出庫準備室Cを画成するものであって、下方に向かって開口する入出庫開口部114を有し、低温格納庫101内に突出するように設けられる。
筐体111の内部空間は、
図4にも示すように、XY平面に沿って延びる隔壁112によって上下に区画されており、低温格納庫101の外部に位置される上部空間が第1前室C1として構成され、低温格納庫101内に位置される下部空間が第2前室C2として構成される。
隔壁112には、ラック載置ステージ143を備えた昇降体130が挿通可能に構成され第1前室C1及び第2前室C2を互いに連通させる連通開口部113が形成されている。
第2前室C2には、入出庫開口部114を低温格納庫101側から開閉可能に閉塞する入出庫シャッタ160が設けられている。
【0020】
筐体111における第1前室C1を画成する一側壁には、入出庫準備室Cに対する搬入搬出口115がX軸方向に開口するように形成されており、搬入搬出口115を開閉可能に閉塞するように搬入搬出扉116が設けられている。
搬入搬出扉116は、保管対象Wの低温格納庫101に対する入出庫動作時において電磁ロック機構117によって閉状態に維持されると共に保管対象Wを入出庫準備室Cに対する搬入搬出時に電磁ロック機構117によるロックが解除され開閉動作が許容される。
【0021】
入出庫リフター120は、駆動機構121と、昇降体130と、第1前室側シャッタ150と、第2前室側シャッタ145を備える。
【0022】
駆動機構121は、例えば直動アクチュエータにより構成されており、筐体111の上壁に固定され上下方向に延びるガイドレール122と、ガイドレール122に沿って上下方向に移動可能に設けられた可動体123と、可動体123に固定されX軸方向に間隔をあけて互いに対向して上下方向に延びる一対の昇降ガイド板124,124と、駆動源125とを備える。昇降ガイド板124は、下端が入出庫準備室C内に突出するように筐体111の上壁に形成された挿通孔に気密に挿通され、筐体111に対して摺動可能に設けられている。
【0023】
昇降体130は、
図5に示すように、上下方向に間隔をあけて互いに対向配置され各々XY平面に沿って延びる上ベース板132及び下ベース板135と、下ベース板135の四隅に立設固定され上ベース板132と下ベース板135とを連結する支持軸136とにより構成されたベースフレーム131を備える。
上ベース板132の上面には、X軸方向中央部において一対の位置決め用ピン部材133,133がY軸方向に離間した位置に設けられていると共に位置決め用ピン部材133,133間にフック部材134が設けられている。
【0024】
下ベース板135の上面には、互いに平行にX軸方向に延びる一対のスライドレール140,140がY軸方向に間隔をあけて設けられている。
スライドレール140の上方には、取手142が固定された平板状の手動テーブル141がスライドレール140に対してX軸方向にスライド可能に設けられている。また、手動テーブル141の上方には、ラック載置ステージ143が上下方向に間隔を空けた状態で固定されている。
ラック載置ステージ143の上面には、保管対象Wを保持するラックガイド144が固定されている。
従って、保管対象Wの入庫動作にあっては、手動テーブル141をスライドさせて筐体111の搬入搬出口115を介して筐体111の外部に引き出すことで、保管対象Wがラックガイド144にセットされる。
【0025】
上ベース板132の上面には、位置決め用ピン部材133及びフック部材134を挟んでX軸方向両側の位置に各々の昇降ガイド板124の下端部が固定されており、これにより、昇降体130が昇降ガイド板124の移動に伴って上下方向に正逆移動可能に構成されている。
【0026】
下ベース板135の下方には、第2前室側シャッタ145が一体に設けられ、第2前室側シャッタ145は、昇降体130の移動に連動して上下方向に正逆移動可能に構成されている。
第2前室側シャッタ145は、連通開口部113を第2前室C2側から開閉可能に閉塞するものであって、扁平な直方体状の断熱体146により構成されている。
断熱体146の下面中央部には、フック部材147が設けられているとともにフック部材147を挟んでY軸方向に離間した位置に一対の位置決め用ピン部材148,148が設けられている。
【0027】
第1前室側シャッタ150は、第1前室C1と第2前室C2とを連通させる連通開口部113を第1前室C1側から開閉可能に閉塞するものであって、
図6に示すように、平板状のベース部材151と、ベース部材151の上面に固定された扁平な直方体状の断熱体152と、ベース部材151の下面に固定された矩形枠状の断熱体153と、断熱体153の下面に固定され昇降体130における上ベース板132に対接される矩形枠状の蓋ガイド板154とを備えている。
【0028】
ベース部材151の下面には、昇降体130における上ベース板132に設けられたフック部材134が係合され昇降体130及び第1前室側シャッタ150を互いに引き寄せる第1定荷重ばね155が設けられている。
また、ベース部材151の下面には、第1定荷重ばね155を挟んでY軸方向に離間した位置に、昇降体130における上ベース板132に設けられた位置決め用ピン部材133が挿入可能に構成された一対のピンガイド部材156,156が設けられている。
第1定荷重ばね155及びピンガイド部材156は、断熱体153により囲まれた空間内に位置されている。
【0029】
第1前室側シャッタ150は、ベース部材151及び断熱体152の各々に厚み方向に延びるように形成された貫通孔157に昇降ガイド板124が気密に挿通され、第1前室側シャッタ150の自重により、蓋ガイド板154が昇降体130における上ベース板132に対接するように配置される。これにより、第1前室側シャッタ150が、昇降体130の移動に連動して上下方向に正逆移動可能に構成されている。
【0030】
入出庫シャッタ160は、
図7に示すように、矩形状の蓋板161を備える。
蓋板161の上面に、昇降体130及び入出庫シャッタ160を互いに引き寄せる第2定荷重ばね162が設けられている。この第2定荷重ばね162には、第2前室側シャッタ145に設けられたフック部材147が係合されており、これにより、入出庫シャッタ160が昇降体130の移動に連動して上下方向に正逆移動可能に構成されている。
また、蓋板161の上面には、第2前室側シャッタ145に設けられた位置決め用ピン部材148が挿入可能に構成された一対のピンガイド部材163,163が第2定荷重ばね162を挟んでY軸方向に離間した位置に配置されている。
【0031】
このように、第1前室側シャッタ150、第2前室側シャッタ145及び入出庫シャッタ160が昇降体130と連動して上下方向に正逆移動可能に構成されていることにより、昇降体130の上下方向の直動運動にて保管対象Wの移送とシャッタの開閉動作とを行うことが可能となる。このため、システム構成の大型化及び複雑化を回避することができ、トラブルの低減及びメンテナンス性の向上を図ることができる。
また、第1前室側シャッタ150及び入出庫シャッタ160の各々に定荷重ばねが設けられていることにより、保管対象Wの移送動作に連動してシャッタの開閉動作を行う機構を簡単な構造で実現することができる。
【0032】
この低温保管システム100においては、第1前室C1の内部空間が外部環境より低い露点D1の環境雰囲気となるように管理され、第2前室C2の内部空間が第1前室C1内の露点D1と低温格納庫101内の露点D0との間の露点D2の環境雰囲気となるように管理される。これにより、入出庫動作時に互いに連通される2つの空間における環境雰囲気の露点の差が小さくなり、低温格納庫101内に浸入する水分を抑制することができる。また、低温格納庫101内に浸入する水分が抑制されることにより、低温保管システム100において必要とされる霜取り作業を行う間隔を長期化することができる。
さらにまた、低温格納庫101に付設された入出庫準備室C内のみの環境を低露点環境とすればよいので、所期の環境雰囲気を比較的短時間で作り出すことが可能となり、保管対象が低温格納庫101の環境より高い温度の環境雰囲気に晒される曝露時間を低減することができる、といった効果が奏される。
【0033】
低温格納庫101の環境雰囲気及び入出庫準備室C内の環境雰囲気の具体的態様の一例を示すと、低温格納庫101内は、温度が−80℃、露点D0が−80℃の環境雰囲気、第1前室C1内は、温度が常温、露点D1が0〜−20℃の範囲内の環境雰囲気、第2前室C2内は、温度が−30℃、露点D2が−30℃の環境雰囲気に管理される。
【0034】
上述のように、入出庫準備室Cは、第1前室C1が低温格納庫101の外部に位置されると共に第2前室C2が低温格納庫101内に位置されるように形成されている。これにより、第1前室C1内の環境に対する外部環境の影響及び第2前室C2内の環境に対する外部環境の影響が低減されるため、第1前室C1及び第2前室C2の各空間を容易に所期の環境雰囲気に調整することが可能となる。
【0035】
また、第2前室C2内には、第2前室C2内の環境雰囲気中の水分を霜として付着させる冷凍フィン170が設けられており、これにより、第2前室C2を低温格納庫101の環境により近い低露点環境に管理することができる。
冷凍フィン170は、例えば
図8に示すように、複数のフィン要素171がY軸方向に並設されて構成されている。各々のフィン要素171は、Y軸に対して垂直な複数の冷却板がY軸方向に間隔をあけて互いに対向して上下方向に延びるように形成されて構成されている。
【0036】
第1前室C1内の環境雰囲気の調整及び第2前室C2内の環境雰囲気の調整は、ドライエアを第1前室C1及び第2前室C2に供給することで行われる。
【0037】
ドライエア供給機構180は、
図1に示すように、露点D1のパージ用ドライエアを第1前室C1に供給する第1のガス供給ラインL1と、露点D1のドライエアを第1前室C1に供給する第2のガス供給ラインL2と、露点D2のドライエアを第2前室C2に供給する第3のガス供給ラインL3と、露点D1のパージ用ドライエアをピッキングエリアPAに供給する第4のガス供給ラインL4と、第1のガス供給ラインL1、第2のガス供給ラインL2、第3のガス供給ラインL3及び第4のガス供給ラインL4に共通のドライエア発生装置181とを備える。
図1における182は
ドライエア発生装置181から供給されるドライエアの露点を検出する露点計である。
この低温保管システム100においては、入出庫動作時に必要とされる露点D1のドライエア、露点D1のパージ用ドライエア及び露点D2のドライエアを一の(単独の)ドライエア発生装置181によって供給可能とされていることにより、システム構成の大型化及び複雑化が回避される。
【0038】
第1のガス供給ラインL1、第2のガス供給ラインL2、第3のガス供給ラインL3及び第4のガス供給ラインL4には、それぞれ、電磁弁183A、183B、183C、183Dが設けられており、各々の電磁弁183A、183B、183C、183Dの開閉状態が制御されることでドライエア供給モードが切り換え可能に構成されている。
【0039】
第1のガス供給ラインL1は、ドライエア発生装置181から供給されるドライエアを一時的に貯留するエアタンク185を備えており、これにより、ドライエア発生装置181自体を大流量のドライエアが供給可能なものとする必要がなく、第1前室C1内を短時間で所期の環境雰囲気に調整することが可能となる。
この第1のガス供給ラインL1には、ドライエアの流通方向においてエアタンク185の上流側に圧力計186が設けられており、エアタンク185に貯留されるドライエアの流量が監視される。なお、
図1における187は逆止弁である。
【0040】
第1のガス供給ラインL1により供給される露点D1のパージ用ドライエアは、筐体111における搬入搬出口115が形成された側壁とX軸方向において対向する側壁(右側壁)に設けられたパージ用ドライエア供給部118Aを介して第1前室C1内に導入される。
また、第2のガス供給ラインL2により供給される露点D2のドライエアは、第2前室C2を画成する右側壁に設けられたドライエア供給部119を介して第2前室C2内に導入される。
【0041】
第3のガス供給ラインL3は、ドライエア発生装置181から供給されるドライエアを冷却して露点D2のドライエアを生成する冷却部188を備えている。
冷却部188は、低温格納庫101内に配設されており、これにより、低温格納庫101内の冷気を利用してドライエアを冷却することができ、冷却部188の熱的負荷を低減することが可能となる。
第3のガス供給ラインL3により供給される露点D1のドライエアは、パージ用ドライエア供給部118Aと並んで設けられたドライエア供給部118Bを介して第1前室C1内に導入される。
【0042】
以下、上記の低温保管システム100における保管対象Wの入庫動作について
図9に基づいて説明する。
【0043】
この低温保管システム100は、通常、待機状態とされている(S100)。待機状態においては、
図4に示すように、昇降体130が第2前室側シャッタ145により隔壁112の連通開口部113を閉塞する位置より下方の待機ポジション(POS3)に位置され、ドライエア供給モードは、第2前室C2内及びピッキングエリアPA内にドライエアを供給する第1のドライエア供給モード(Mode1)に制御されている。第1のドライエア供給モード(Mode1)においては、電磁弁183A及び電磁弁183Bが閉状態とされ、電磁弁183C及び電磁弁183Dが開状態とされる。
【0044】
保管対象Wを低温格納庫101内に入庫するに際しては、エアタンク185内が設定圧力以上となるように露点D1のドライエアがエアタンク185内に貯留されていることを条件として、先ず、昇降体130が駆動機構121によって上方に移動されて待機ポジション(POS3)から保管対象Wを入出庫するための入出庫ポジション(POS4)に移動される(S101)。昇降体130が入出庫ポジション(POS4)に位置された状態においては、
図10に示すように、連通開口部113が第2前室側シャッタ145によって第2前室C2側から閉塞され、第1前室C1が第2前室C2と気密に区画される。
【0045】
昇降体130が入出庫ポジション(POS4)に位置されたことが手動テーブル位置確認センサS1によって検出されると、ドライエア供給モードが、第1のドライエア供給モード(Mode1)から第1前室C1内に露点D1のドライエアを供給する第3のドライエア供給モード(Mode3)に切り替えられる(S102)。すなわち、電磁弁183Bが閉状態から開状態とされ、電磁弁183C及び電磁弁183Dが開状態から閉状態とされる。電磁弁183Aは閉状態に維持される。
【0046】
そして、ドライエア供給モードが切り換えられると、搬入搬出扉116の電磁ロックが解除され(S103)、人の手によって保管対象Wがラック載置ステージ143上にセットされる。具体的には、搬入搬出扉116を開けて手動テーブル141を入出庫準備室Cの外部に引き出し、保管対象Wをラックガイド144に保持させる。その後、手動テーブル141を入出庫準備室C内に戻して搬入搬出扉116を閉める。これにより、搬入搬出扉116が電磁ロック機構117によってロック状態とされ、ラック在席センサS2によって保管対象Wの存在が検出されることで保管対象Wのセットが完了する(S104)。
【0047】
保管対象Wのセットが完了すると、ドライエア供給モードが、第3のドライエア供給モード(Mode3)からエアタンク185内に貯留された露点D1のパージ用ドライエアを第1前室C1内に供給する第4のドライエア供給モード(Mode4)に切り替えられる(S105)。すなわち、電磁弁183Aが閉状態から開状態とされ、電磁弁183Bが開状態から閉状態とされる。電磁弁183C及び電磁弁183Dは閉状態に維持される。
【0048】
ドライエア供給モードが切り換えられて所定時間が経過した後、すなわち第1前室C1内が露点D1のパージ用ドライエアによってパージされた後、ドライエア供給モードが、第4のドライエア供給モード(Mode4)から露点D2のドライエアを第2前室C2内に供給する第2のドライエア供給モード(Mode2)に切り替えられる(S106)。すなわち、電磁弁183Cが閉状態から開状態とされ、電磁弁183Aが開状態から閉状態とされる。電磁弁183B及び電磁弁183Dは閉状態に維持される。
【0049】
その後、昇降体130が駆動機構121によって下方に移動されて第1前室C1内の入出庫ポジション(POS4)から第2前室C2内の霜取ポジション(POS2)に移動される(S107)。昇降体130が霜取ポジション(POS2)に位置された状態においては、
図11に示すように、昇降体130の移動と連動して連通開口部113が第1前室側シャッタ150によって第1前室C1側から閉塞される。
【0050】
昇降体130が霜取ポジション(POS2)に移動されて所定時間が経過した後、すなわち昇降体130の移動に伴って第2前室C2内に浸入した水分を冷却フィン170に霜として付着させる霜取りを行った後、ドライエア供給モードが、第2のドライエア供給モード(Mode2)から第3のドライエア供給モード(Mode3)に切り替えられる(S108)。すなわち、電磁弁183Bが閉状態から開状態とされ、電磁弁183Cが開状態から閉状態とされる。電磁弁183A及び電磁弁183Dは閉状態に維持される。
【0051】
ドライエア供給モードが切り替えられると、昇降体130が入出庫シャッタ160と共に駆動機構121によってさらに下方に移動されて第2前室C2内の霜取ポジション(POS2)から低温格納庫101内の搬入搬出ポジション(POS1)に移動される(S109)。昇降体130が搬入搬出ポジション(POS1)に位置された状態においては、
図12に示すように、第1前室側シャッタ150を昇降体130に向かって引き付ける第1定荷重ばね155のばね力によって、連通開口部113が第1前室側シャッタ150により気密に閉塞された状態が維持される。
そして、昇降体130が搬入搬出ポジション(POS1)に位置された状態において、保管対象Wの移載作業が行われる。
【0052】
保管対象Wの移載作業が完了すると(S110)、昇降体130が入出庫シャッタ160と共に駆動機構121によって上方に移動されて搬入搬出ポジション(POS1)から待機ポジション(POS3)に移動される(S111)。この状態においては、
図4に示すように、入出庫シャッタ160を昇降体130に向かって引き付ける第2定荷重ばね162のばね力によって、入出庫開口部114が入出庫シャッタ160により気密に閉塞される。
その後、ドライエア供給モードが、第3のドライエア供給モード(Mode3)から露点D1のパージ用ドライエアをエアタンク185内に充填する第5のドライエア供給モード(Mode5)に切り替えられる(S112)。すなわち、電磁弁183Bが開状態から閉状態とされる。電磁弁183A、電磁弁183C及び電磁弁183Dは閉状態に維持される。
露点D1のパージ用ドライエアがエアタンク185内に貯留されると、すなわちエアタンク185内が設定圧力以上となったことが圧力計186によって検出されると、ドライエア供給モードが、第5のドライエア供給モード(Mode5)から第1のドライエア供給モード(Mode1)に切り替えられ(S113)、以て、低温保管システム100が待機状態とされる(S114)。
【0053】
次いで、上記の低温保管システム100における保管対象Wの出庫動作について
図13に基づいて説明する。
【0054】
上述のように、この低温保管システム100においては、保管対象Wの保管動作時には待機状態とされている(S200)。すなわち、昇降体130が待機ポジション(POS3)に位置された状態で、ドライエア供給モードが第1のドライエア供給モード(Mode1)に制御されている。
【0055】
保管対象Wを出庫するに際しては、エアタンク185内が設定圧力以上となるようにドライエアがエアタンク185内に貯留されていることを条件として、昇降体130が駆動機構121によって上方に移動されて待機ポジション(POS3)から入出庫シャッタ160と共に搬入搬出ポジション(POS1)に移動される(S201)。昇降体130が搬入搬出ポジション(POS1)に位置された状態においては、上述のように、連通開口部113が第1前室側シャッタ150によって
第1前室C1側から閉塞され、第1前室C1が低温格納庫101と連通した状態にある第2前室C2と気密に区画される。
【0056】
昇降体130が搬入搬出ポジション(POS1)に移動されると、ドライエア供給モードが、第1のドライエア供給モード(Mode1)から第3のドライエア供給モード(Mode3)に切り替えられ、露点D1のドライエアが第1前室C1内に供給される(S202)。
この状態において、保管対象Wをラック載置ステージ143上に移載してラックガイド144に保持させる移載作業が行われる。
【0057】
保管対象Wの移載作業が完了すると(S203)、昇降体130が入出庫シャッタ160と共に駆動機構121によって上方に移動されて搬入搬出ポジション(POS1)から入出庫ポジション(POS4)に移動される(S204)。これにより、入出庫開口部114が入出庫シャッタ160により閉塞されて入出庫準備室Cが低温格納庫101と気密に区画されると共に、連通開口部113が第2前室側シャッタ145により第2前室C2側から閉塞されて第1前室C1が第2前室C2と気密に区画される。
【0058】
昇降体130が入出庫ポジション(POS4)に位置されたことが手動テーブル位置確認センサS1によって検出されると、搬入搬出扉116の電磁ロックが解除され(S205)、人の手によって保管対象Wが入出庫準備室Cから取り出される。具体的には、搬入搬出扉116を開けて手動テーブル141を入出庫準備室Cの外部に引き出し、保管対象Wを取り出す。その後、手動テーブル141を入出庫準備室C内に戻して搬入搬出扉116を閉めることで、搬入搬出扉116が電磁ロック機構117によってロック状態とされる。ラック在席センサS2によって
保管用ラックが存在しないことが検出されることで保管対象Wの取り出しが完了する。
【0059】
保管対象Wの取り出しが完了すると(S206)、ドライエア供給モードが、第3のドライエア供給モード(Mode3)から第4のドライエア供給モード(Mode4)に切り替えられ、露点D1のパージ用ドライエアが第1前室C1内に供給される(S207)。
ドライエア供給モードが切り換えられて所定時間が経過した後、すなわち露点D1のパージ用ドライエアにより第1前室C1内がパージされた後、ドライエア供給モードが、第4のドライエア供給モード(Mode4)から第5のドライエア供給モード(Mode5)に切り替えられ、露点D1のパージ用ドライエアのエアタンク185内への充填が開始される(S208)。その後、昇降体130が駆動機構121によって下方に移動されて入出庫ポジション(POS4)から待機ポジション(POS3)に移動される(S209)。
そして、露点D1のパージ用ドライエアがエアタンク185内に貯留されると(S210)、ドライエア供給モードが、第5のドライエア供給モード(Mode5)から第1のドライエア供給モード(Mode1)に切り替えられ(S211)、以て、低温保管システム100が待機状態とされる(S212)。
【0060】
以上、本発明の一実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0061】
例えば、上述した実施形態では、保管対象の移送方向が上下方向であるものとして説明したが、移動方向の具体的態様はこれに限定されず、例えば水平方向であってもよい。また、上述した実施形態では、入出庫準備室が低温格納庫の上壁に設けられているものとして説明したが、入出庫準備室が設けられる位置は、保管対象の移送方向に応じて決定すればよい。なお、低温格納庫内の冷気の漏れを抑制する観点からは、入出庫準備室が低温格納庫の上壁に設けられるのが好ましい。
また、上述の実施形態で説明した入出庫動作の手順は、必ずしも必須の手順ではなく、例えば、ドライエア供給モードの切り替えのタイミングや昇降体の移動のタイミングは、適宜変更することができる。
【0062】
上述した実施形態では、チューブを複数保持した保管用ラックを保管するものとして説明したが、例えば、チューブ自体を保管対象とするものであってもよい。また、保管対象の具体的態様はチューブまたはラックに限定されず、チューブの内容物についても、生体細胞等の創薬用試料に限定されず、低温下で保管する必要があるものであれば如何なるものでもよい。
また、低温格納庫の冷却方法は、液体窒素を用いて低温格納庫内を低温に保つもの、電気によるもの、炭酸ガス等の他のガスを冷却手段として用いるもの等、如何なるものでもよい。
【課題】システム構成の大型化や複雑化を伴うことなく、低温格納庫内に外部環境の水分が浸入することを確実に抑制することのできる低温保管システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の低温保管システム100においては、保管対象Wの低温格納庫101に対する搬入及び搬出を行う搬入搬出機構110が、低温格納庫101に付設された入出庫準備室Cを備え、入出庫準備室Cは、内部空間が外部環境より低い露点D1となるように管理される第1前室C1と、第1前室C1と低温格納庫101との間に配設され内部空間が第1前室C1内の露点D1と低温格納庫101内の露点D0との間の露点D2となるように管理される第2前室C2とを有する構成とされる。